JP6436808B2 - 風力発電装置とその運転方法 - Google Patents

風力発電装置とその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6436808B2
JP6436808B2 JP2015021815A JP2015021815A JP6436808B2 JP 6436808 B2 JP6436808 B2 JP 6436808B2 JP 2015021815 A JP2015021815 A JP 2015021815A JP 2015021815 A JP2015021815 A JP 2015021815A JP 6436808 B2 JP6436808 B2 JP 6436808B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
generator
generator torque
wind
torque command
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015021815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016145523A (ja
JP2016145523A5 (ja
Inventor
啓 角谷
啓 角谷
了仁 小畑
了仁 小畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2015021815A priority Critical patent/JP6436808B2/ja
Priority to EP16153809.5A priority patent/EP3054153B1/en
Publication of JP2016145523A publication Critical patent/JP2016145523A/ja
Publication of JP2016145523A5 publication Critical patent/JP2016145523A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6436808B2 publication Critical patent/JP6436808B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03DWIND MOTORS
    • F03D7/00Controlling wind motors 
    • F03D7/02Controlling wind motors  the wind motors having rotation axis substantially parallel to the air flow entering the rotor
    • F03D7/0272Controlling wind motors  the wind motors having rotation axis substantially parallel to the air flow entering the rotor by measures acting on the electrical generator
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03DWIND MOTORS
    • F03D7/00Controlling wind motors 
    • F03D7/02Controlling wind motors  the wind motors having rotation axis substantially parallel to the air flow entering the rotor
    • F03D7/0296Controlling wind motors  the wind motors having rotation axis substantially parallel to the air flow entering the rotor to prevent, counteract or reduce noise emissions
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03DWIND MOTORS
    • F03D7/00Controlling wind motors 
    • F03D7/02Controlling wind motors  the wind motors having rotation axis substantially parallel to the air flow entering the rotor
    • F03D7/04Automatic control; Regulation
    • F03D7/042Automatic control; Regulation by means of an electrical or electronic controller
    • F03D7/043Automatic control; Regulation by means of an electrical or electronic controller characterised by the type of control logic
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
    • F05B2270/00Control
    • F05B2270/10Purpose of the control system
    • F05B2270/103Purpose of the control system to affect the output of the engine
    • F05B2270/1032Torque
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
    • F05B2270/00Control
    • F05B2270/30Control parameters, e.g. input parameters
    • F05B2270/326Rotor angle
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wind Motors (AREA)

Description

本発明は、風力発電装置とその運転方法に係り、特に発電機トルクを好適に調整する風力発電装置とその運転方法に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球温暖化や、化石燃料の枯渇が懸念されており、二酸化炭素の排出量の低減や、化石燃料への依存度の低下が求められている。これらの実現のためには、二酸化炭素を排出せず、さらに化石燃料を利用せずに発電が可能であり、風力や太陽光などの自然から得られる再生可能エネルギーを利用可能な発電システムの導入が有効である。
再生可能エネルギーを利用した発電システムの中でも、風力発電システムは太陽光発電システムと異なり、日射による直接的な出力変化を受けないことから、比較的安定な発電システムとして注目されている。また、地上と比較して、風速が高く、風速変化が少ない洋上に設置する風力発電システムも有力な発電システムとして注目されている。
風力発電システムを活用して安定的に電力を供給するためには、風力発電システムを構成するブレード、タワー、および、ドライブトレインに発生する振動を低減する技術が必要である。
ここで、風力発電システムのドライブトレインに発生する振動の低減を考慮したものとして、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、「ナセル内の発電機等の発熱源を冷却するファンが設けられ、ロータの最下点近傍の高さからこれより上方の所定の高さまでタワーの表面に周方向に沿って点在する吸気孔が設けられており、吸気孔と排気ファンとがタワー及びナセルの内空間を介して連通し、排気ファンが吸気孔からの吸気量を発生させる技術」が開示されている。
特許文献1に記載の技術を適用することで、排気ファンの稼働により、吸気孔からタワー周辺の空気が吸い込まれ、これにより、タワー周辺の空気流のタワー表面からの乖離を抑えてタワー後面まで滑らかに回り込ませ、タワー後方における空気速度や圧力の低下が抑制されて、タワー後流とブレードの空力干渉による変動荷重や超低周波騒音などのタワーシャドウ効果が低減される。
特開2007−002773号公報
風力発電システムの構築にあたり、風力発電システムを構成するドライブトレインの振動を低減する必要がある。ドライブトレインに振動が発生する主要因は、タワーが風を遮ることである。タワーが風を遮ることでタワー近傍の風速が他位置に比べて低下する。これにより、風上から見てブレードがタワーと重なるアジマス角度においてブレードに加わる風エネルギーが低下するため、結果としてブレードが回転するエネルギーが低下、すなわちロータが回転しようとするトルクが低下する。
これに対し、発電機はロータの平均的な回転速度に応じて電気的に発生するトルクである発電機トルクを発生する。ここで、ロータを一定回転速度に保持するように制御するには、ロータから発電機に機械的に入力されるトルクであるロータトルクと発電機トルクが一致する必要がある。しかしながら、上述のように、タワー近傍のアジマス角度においてロータトルクが減少し、ロータが1回転する間にロータトルクが周期的に変動するため、発電機トルクとの間に大きな差分が周期的に発生する。
このトルクの差分がドライブトレインの回転方向の共振周波数と一致する場合に、ドライブトレインに大きな振動を励起する場合がある。上述のようなタワーによる風の遮断によって発生する効果は、一般的にタワーシャドウ効果と呼ばれている。
上記タワーシャドウ効果によるトルクの差分は、ブレードがタワーの風下に配置されるダウンウインド方式の風力発電システムにおいて大きくなる傾向があるが、アップウインド方式においてもブレード後流がタワーに遮られるために同様の効果が生ずることから、いずれの方式においてもドライブトレインの振動低減には、上述のタワーシャドウ効果による弊害を低減することが必須である。
特許文献1を適用することで、タワー近傍の風の流れを改善、風の遮断度合いを低減するため、タワーシャドウ効果を抑制することができる。しかし、タワーとナセルの通気路の変更や、タワー壁面に吸気孔を設けるために追加コストを要する。また、タワーに吸気孔を設ける際には、タワー強度が低下するため、対策としてタワー壁面の増加などの強度増加のために追加コストを要する。上記を鑑みると、追加コストが不要であるドライブトレイン振動低減手段の適用が好ましい。
本発明では、ドライブトレイン振動低減のための追加コスト不要な風力発電装置とその運転方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明においては、風を受けて回転するブレードと、ブレードを支持して風エネルギーを回転エネルギーに変換可能なハブと、ブレードの荷重を支持するタワーと、ブレードを支持すると共にブレードとハブにより構成されるロータがタワーに対して回転可能に支持されるナセルと、ロータの回転エネルギーを電気エネルギーに変換可能な発電機とを備えた風力発電装置であって、ロータから前記発電機に入力されるロータトルクの、ロータが1回転する期間の平均値である平均ロータトルクの絶対値に対し、ロータが1回転する期間内の所定期間において、ロータトルクの絶対値が所定値以上変化する際に、発電機が発生するトルクである発電機トルクを変化させることを特徴とする。
また本発明においては、風を受けて回転するブレードによりロータトルクを受けて駆動され、界磁量を調整されて発電機トルクが決定されて発電を行う発電機を備えた風力発電装置であって、発電機は、前記ロータトルクの低下に合わせて界磁量を弱め界磁に調整されて発電機トルクを低下させることを特徴とする。
また本発明においては、風を受けて回転するブレードによりロータトルクを受けて駆動され、界磁量を調整されて発電機トルクが決定されて発電を行う発電機を備えた風力発電装置の運転方法であって、発電機は、ロータトルクの低下に合わせて界磁量を弱め界磁に調整されて発電機トルクを低下させることを特徴とする。
本発明によれば、ドライブトレイン振動低減のための追加コスト不要な風力発電装置とその運転方法を提供することが可能になる。
本発明に係るコントローラ8の処理機能を示す図。 本発明の実施例1における風力発電装置1のコントローラ8に実装される回転変動低減手段82の処理概要を示すブロック線図。 実施例1の発電機トルク補正量dqFF0の決定手段の一例を示す図。 実施例1に係る回転変動低減手段における補正フラグ、発電機トルク補正量、および発電機トルク補正値とアジマス角度の関係を示す概略図。 実施例1に係る回転変動低減手段の処理概要を示すフローチャート。 本発明を適用可能な風力発電装置全体の概略構成を示す図。 アジマス角度範囲を説明する図。 本発明を適用しない場合の風力発電装置1の挙動を示す図。 本発明を適用した場合の風力発電装置1の挙動を示す図。 本発明の実施例2における風力発電装置1のコントローラ8に実装される回転変動低減手段82の処理概要を示すブロック線図。 実施例2の発電機トルク補正量dqFF0の決定手段の一例を示す図。 実施例2に係る回転変動低減手段の処理概要を示すフローチャート。 本発明の実施例3における風力発電装置1のコントローラ8に実装される回転変動低減手段82の処理概要を示すブロック線図。 実施例3の発電機トルク補正量dqFF0の決定手段の一例を示す図。 実施例3に係る回転変動低減手段における補正フラグ、発電機トルク補正量、および発電機トルク補正値とアジマス角度の関係を示す概略図。 実施例3に係る回転変動低減手段の処理概要を示すフローチャート。 本発明の実施例4における風力発電装置1のコントローラ8に実装される回転変動低減手段82の処理概要を示すブロック線図。 実施例4の発電機トルク補正量dqFF0の決定手段の一例を示す図。 実施例4に係る回転変動低減手段の処理概要を示すフローチャート。 本発明の実施例5における風力発電装置1のコントローラ8に実装される回転変動低減手段82の処理概要を示すブロック線図。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について具体的に説明する。尚、下記はあくまでも実施例であって、本発明の実施態様が下記実施例に限定されることを意図するものではない。
以下本発明の実施例について説明するが、その前に本発明適用の前提となる風力発電装置の概略構成、及び背景技術、並びに本発明により実現したい制御について図6から図9を用いて説明する。実施例1については、そのあとに図1から図5を用いて説明する。
まず、図6を用いて、本発明を適用可能な風力発電装置全体の概略構成について説明する。
図6の風力発電装置1は、複数のブレード2と、複数のブレード2を接続するハブ3とで構成されるロータ4を備える。ロータ4はナセル5に回転軸(図6では省略する)を介して連結されており、回転することでブレード2の位置を変更可能である。ナセル5はロータ4を回転可能に支持している。ナセル5は発電機6を適宜位置に備える。ブレード2が風を受けることによりロータ4が回転し、ロータ4の回転力が発電機6を回転させることで電力を発生することができる。
ブレード2の各々には、図では省略するが、ブレード2とハブ3の位置関係、すなわちピッチ角と呼ぶブレードの角度、を変更可能なピッチアクチュエータを備えている。ピッチアクチュエータを用いてブレード2のピッチ角を変更することにより、風に対するロータ4の回転エネルギーを変更できる。これにより、広い風速領域においてロータ4の回転速度を制御しながら、風力発電装置1の発電電力を制御することができる。
図6の風力発電装置1では、ナセル5はタワー7上に設置されており、タワー7に対して回転可能に支持されている。ハブ3やナセル5を介してブレード2の荷重がタワー7に支持される。タワー7は、基部(図では省略)に設置され、地上または洋上等の所定位置に設置される。
また、風力発電装置1はコントローラ8を備えており、アジマス角度検出用センサ10の出力信号に基づいて決定されるロータ4のナセル5に対する相対位置を示すアジマス角度に基づき、発電機に指令する発電機トルク指令値を決定する。さらにコントローラ8には、タワーシャドウ効果によって発生するドライブトレインの振動を低減可能な回転変動低減手段82がプログラムの形態で実装されている。
風力発電装置1は更に発電機コントローラ9を備えている。コントローラ8にて決定した発電機トルク指令値を発電機コントローラ9に送達し、発電機コントローラ9が発電機6を調整することで、風力発電装置1が出力する電力を調整する。
なお、図には明記しないが、アジマス角度検出用センサ10と同様に、ナセル5近傍の風速を計測する風速センサ、発電機の回転速度を計測する発電機回転速度センサ、風向を計測する風向センサ、発電機が出力する有効電力を計測する電力センサ、などを適宜位置に備えている。
図6ではコントローラ8および発電機コントローラ9はナセル5またはタワー7の外部に設置される形態にて図示されているが、これに限ったものではなく、ナセル5またはタワー7の内部またはそれ以外の所定位置、または風力発電装置1の外部に設置される形態であっても良い。
ここで、タワーシャドウ効果とは、タワー7の影響によりブレード2に入力される風速が周辺よりも急激に低下する現象を指すものとする。風向き方向について、タワー7とブレード2が一致する位置が最も影響を受け易いが、タワー7の影響により風速が急激に低下するアジマス角度は実際には必ずしもその位置に制限されない。また、ブレード2がタワー7よりも風下を通過するダウンウインド方式の風力発電装置の方がタワーシャドウの影響を受け易く本発明の適用が好適であるが、ブレードがタワーよりも風上を通過するアップウインド方式の風力発電装置でも、少なからずその影響を受けるので、本発明を適用することでの効果が期待できる。以下、実施例ではダウンウインドの場合を例に説明する。
風力発電装置全体の概略構成を示す図6において、コントローラ8は要するに発電機トルク指令値qを決定する。なお発電機トルク指令値qは、風速に応じてロータ4の回転速度と発電機6の発電機トルクを調整可能とする発電機トルク指令基本値q0に対して各種の補正を加味して得られている。本発明は、発電機トルク指令基本値q0に対する補正を工夫して発電機トルク指令値qを得るものであるが、この内容については図1を用いて後述する。
このようにして求められた発電機トルク指令値qは、短時間的には一定値と考えてよい。なおコントローラ8で作成された発電機トルク指令値qは、発電機コントローラ9に与えられ、最終的には発電機6の界磁量を決定する。
本発明では、発電機トルクとロータトルクの不一致に起因する振動を改良しようとするものであり、発電機トルクが短時間的には一定値であることは先に述べたとおりである。これに対し、ロータトルクは周期的に低減する。以下ロータトルクの周期的低減について図7を用いて説明する。
図7は、アジマス角度Φを説明する概要図である。アジマス角度Φは、風上から風力発電装置1を見た際に、ロータ4が右回転する方向を正とするものであり、ブレード2(21、22、23)の適宜位置を基準とする。図7ではアジマス角度Φは、ブレード2の高さが最も高くなるロータ4の回転位置を基準位置P0とし、図7の図示右方向の0degから360degの範囲で変化する値である。
図8は、本発明を適用しない場合の風力発電装置1の挙動を示す図である。図8の横軸はアジマス角度Φを示し、縦軸は発電機6に加わるトルクqを示しており、図上方がトルクの正方向を示す。また図8において、実線は発電機6が発生するトルクである発電機トルクqGを示し、破線はロータ4が発電機6に加えるトルクであるロータトルクqRを示す。なお、図8は短時間における挙動を示しており、発電機回転速度が一定、発電機トルクqGが一定となる、例えば風力発電装置1が定格出力運転を実施している場合を想定する。
本発明を適用しない場合には、風力発電装置1からの出力電力を一定に保持するため、発電機トルクqGが一定となるように制御する。これに対し、破線で示すロータトルクqRは、ブレード2がタワー7と重なるアジマス角度、具体的には60deg、180deg、および300degの近傍において、タワーシャドウ効果のために、その値が減少する。
図8に示す通り、発電機トルクqGとロータトルクqRの間に差分が生ずることにより、ロータ4と発電機6とを接続する回転体(シャフト)の回転方向に捻じれが発生し、ロータ4または発電機6の回転速度に変動が発生する。この変動の周波数が、ドライブトレインの共振周波数と一致する場合には、ドライブトレインに共振が発生し、風力発電装置1全体に大きな振動を発生させる。
以上要するに、一定の発電機トルクqGに対して、周期的にロータトルクqRの不足が生じ、これらの間に差分が生ずることが振動の原因である。このことから本発明においては、ロータトルクqRの周期的な不足が避けられないものであるなら、ロータトルクqRの変動に合わせて発電機トルクqGも変動させ、結果として差分を生じさせないことで、振動の原因を取り除くものである。
図9は、本発明を適用した場合の風力発電装置1の挙動を示す図であり、要するに本発明では、ロータトルクqRの変動に合わせて発電機トルクqGも変動させ、結果として差分を生じさせないようにしたものである。
以下図9のトルク変更処理を可能とする本発明の制御手法について説明する。図1は本発明に係るコントローラ8の処理機能を示す図である。
図1におけるコントローラ8の処理機能は、風速に応じてロータ4の回転速度と発電機6の発電機トルクを調整可能とする発電機トルク指令基本値q0を決定する可変速制御手段8Bと、タワーシャドウ効果によって発生するドライブトレインの振動を低減する発電機トルク指令補正値dqFFを与える回転変動低減手段82と、発電機トルク指令基本値q0から発電機トルク指令補正値dqFFを減算して発電機トルク指令qを定める減算部83とで構成されている。なお回転変動低減手段82と減算部83を含めて発電機トルク制御手段8Aと称することがある。
コントローラ8内の上記構成によれば、風速に応じてロータ4の回転速度と発電機6の発電機トルクを調整可能とする可変速制御手段8Bにより決定される発電機トルク指令基本値q0に対して、回転変動低減手段82にて決定される補正値dqFFが加算されて、発電機6に送達される発電機トルクの指令値qが調整される。なお発電機トルク指令基本値qは、発電機回転速度に応じて発電機およびピッチ角度を制御する可変速制御部8Bにより決定される。
回転速度低減手段82は、アジマス角度Φ、風向Ψ、およびセンサ出力に基づいて発電機トルク指令基本値dqFFを決定する。センサ出力は、風速を計測する風速センサや、発電機回転速度を決定する回転速度センサなどである。センサ出力の内容について、個別実施例の中で詳細に説明する。
また回転速度低減手段82は、風向Ψに基づいてタワーシャドウ効果が大きくなるアジマス角度ΦTSを決定し、ロータ4のアジマス角度Φが、上記タワーシャドウ効果が大きくなるアジマス角度ΦTSと一致するタイミングで、発電機トルク指令補正値dqFFを出力する。これにより、発電機トルク指令値qに対して、減算部83にて発電機トルク指令基本値dqFFより減算し、発電機トルク指令値qを決定する。上記アジマス角度ΦTSの決定手段は、比例制御に基づくものであっても良いし、テーブルなど予め決められた特性に基づくものであっても良い。
以降の実施例に示す回転変動低減手段82では、周期的に変動する発電機トルクqGの指令値(発電機トルク指令値q)を与えるものである。このことを、先に示した図9を用いてより詳細に説明する。
図8と同様に図9の横軸はアジマス角度Φを示し、縦軸は発電機に係るトルクを示す(図上方がトルクの正方向を示す)。図9において、実線は発電機6が発生するトルクである発電機トルクqGを示し、破線はロータ4が発電機6に入力するトルクであるロータトルクqRを示す。なお、図8と同様に図9は発電機回転速度が一定、発電機トルクqGが一定となる、例えば風力発電装置1が定格出力運転を実施している場合を想定する。
本発明に係る回転変動低減手段82を適用した場合には、風力発電装置1からの出力電力を一定に保持するために一定に保持する発電機トルクqGに対し、タワーシャドウ効果が影響を及ぼすアジマス角度Φにおいて、発電機トルクqGを減ずるように制御する。具体的には、ブレード2がタワー7と重なるアジマス角度Φ(60deg、180deg、および300deg)の近傍において、発電機トルクqGを減少させる。
実線にて示す発電機トルクqGをアジマス角度Φに基づいて減少させることで、風力発電装置1は破線にて示すロータトルクqRとの差分が小さくなるように制御される。上述のとおり、発電機トルクqGとロータトルクqRの差分が発電機回転速度の変動の主要因であることから、本発明に係る回転変動低減手段82の適用により、ドライブトレインの振動を低減することが可能である。
以下上記本発明思想を具体的に実現するための実施例について説明する。
次に、図2から図5を用いて、本発明の実施例1に係る回転変動低減手段82の動作一例について説明する。
図2は、本発明の実施例1における風力発電装置1のコントローラ8に実装される回転変動低減手段82の処理概要を示すブロック線図である。実施例1の回転変動低減手段82は、補正フラグ演算手段401、発電機トルク補正量演算手段402、および乗算部403、により構成される。なお、実施例1は、図1のセンサ出力が風速センサである場合を示す。
補正フラグ演算手段401は、アジマス角度Φ、風向Ψに基づいて、補正フラグFLGを決定する。風向Ψとナセル5の方位が一致している場合には、タワーシャドウ効果はアジマス角度Φが60deg、180deg、および300degにおいて最も大きくなるため、上記3つのアジマス角度Φを中心として発生するトルク変動を低減できるように補正フラグFLGを決定する。
この補正フラグFLGは、要するにタイミングを表す信号であり、常時は0であるが、上記アジマス角度Φが60deg、180deg、および300degとなる時点で「1」を出力する周期的なタイミング信号である。上記に対し、風向Ψとナセル5の方位が異なる場合は、タワーシャドウ効果が大きくなるアジマス角度Φが上記3つの値よりずれるため、それに合わせて補正フラグFLGを調整した周期的なタイミング信号とする。
発電機トルク補正量演算手段402は、風速vに基づいて発電機トルク補正量dqFF0を決定する。発電機トルク補正量演算手段402は、風速vの比例制御によって発電機トルク補正量dqFF0を決定するものであっても良いし、予め決められたテーブルなどの特性によって決定するものであっても良い。
図3に、発電機トルク補正量dqFF0の決定手段の一例を示す。ここでは風速に応じて出力する関数発生器を備えた例を示している。関数発生器の特性は、風速vに基づき、発電機トルク補正量dqFF0が変化する領域や一定を保持する領域を持つものであっても良い。
図2に戻り、乗算部403は、補正フラグFLGと発電機トルク補正量dqFF0を乗算した値を発電機トルク指令補正値dqFFにセットして次の処理に引き渡す。従って発電機トルク指令補正値dqFFは、タイミングの情報と大きさの情報を併せ持つ信号である。単なる周期的な波高値一定のパルス列ではなく、各パルスの時の波高値が、風速に応じて可変に定められることになる。なお、実施例1に係る回転速度変動低減手段82は、風速vに基づいて発電機トルク補正量dqFF0をフィードフォワードの形式で決定する制御手段を採用している。
図4は、実施例1に係る回転変動低減手段82の処理概要を示す概要図である。横軸はアジマス角度Φを示し、縦軸は図上方より、補正フラグFLG、発電機トルク補正量dqFF0、および発電機トルク指令補正値dqFFを示す。なお、図4は、風向Ψとナセル5の方位が一致する場合の処理概要を示す。
補正フラグFLGにはアジマス角度Φが60deg、180deg、および300degの前後で発電機トルクを調整するように、上記3つのアジマス角度Φよりも期間ΦTSだけ前の期間において、1がセットされ、それ以外の期間では0がセットされる。これは、発電機トルクの調整が上記3つのアジマス角度Φよりも早い期間に開始され、上記3つのアジマス角度Φにてその調整量がピークを迎えた後に、徐々に低下させるために設定されるものである。このようにして、アジマス角度Φ60deg、180deg、および300degに先行して、約10deg程度早めのタイミングからフィードフォワードの形式で補正が実施される。
次に発電機トルク補正量dqFF0は風速vに基づいて、例えば図3に示す関係に従って、dq1FF0の値がセットされる。発電機トルク指令補正値dqFFは補正フラグFLGと発電機トルク補正量dqFF0を乗算された結果が格納される。図4に示す例では、アジマス角度Φが60deg、180deg、および300degよりも期間ΦTSだけ前の期間において、発電機トルク指令補正値dqFFにdq1FF0の値が格納され、上記以外のアジマス角度Φでは、トルク補正を行わないように発電機トルク指令補正値dqFFに0が格納される。
図5は、実施例1に係る回転変動低減手段82の処理概要を示すフローである。最初の処理ステップS11では、アジマス角度Φと風向Ψに基づいて補正フラグFLGを決定し、次の処理ステップS12に進む。続く処理ステップS12では、風速vに基づいて、発電機トルク補正量dqFF0を決定し、次の処理ステップS13に進む。続く処理ステップS13では、補正フラグFLGと発電機トルク補正量dqFF0に基づいて、発電機トルク指令補正値dqFFを決定し、一連の動作を終了する。
以上にて説明した実施例1に係る回転変動低減手段82を適用することにより、タワーシャドウ効果の影響が大きいアジマス角度においても、ロータトルクと発電機トルクの差分を低減することができるため、タワーシャドウ効果に起因してドライブトレインに発生する振動を低減することができる。
なお、実施例1に係る回転変動低減手段82は、フィードフォワードの形式で発電機トルクを調整するものである。このことから、タワーシャドウ効果によって発生するトルク差分を低減させる操作を前もって反映させる制御形態であることから、ドライブトレインの振動を高応答、かつ、根本的に低減できるメリットを備える。
次に、図10から図12を用いて、実施例2の回転変動低減手段82について説明する。図10の実施例2に係る回転変動低減手段82は、基本的に図2に示すものと同様であるが、センサ出力が風速vを計測する風速センサと、発電機回転速度ωを計測する回転速度センサであることが、図2の実施例1と異なる。
図10のブロック線図において回転変動低減手段82は、補正フラグ演算手段401、発電機トルク補正量演算手段402、発電機トルク補正ゲイン演算部1001、乗算部1002、および乗算部403、により構成される。図10において、補正フラグ演算手段401、発電機トルク補正量演算手段402、および乗算部403は上述の図2に示した実施例1と同様であるため、説明を省略する。
新たに追加された発電機トルク補正ゲイン演算手段1001は、風速vと発電機回転速度ωに基づいて、発電機トルク補正ゲインKdqFFを決定する。この発電機トルク補正ゲインKdqFFは風速vと発電機回転速度ωをフィードバックし、発電機トルク補正量dqFF0を調整することを目的とした値である。発電機トルク補正ゲインKdqFFは乗算部1002にて発電機トルク補正量dqFF0に乗算され、発電機トルク補正量1dqFF1にセットされる。その後、乗算部403にて補正フラグFLGと乗算した結果が、発電機トルク指令補正値dqFFに格納される。
図11は発電機トルク補正ゲイン演算手段1001の処理の一例を示す図である。発電機トルク補正ゲイン演算手段は、風速vによって参照される発電機トルク補正ゲインKdqFFを備えたテーブルであり、それぞれのゲインは、発電機回転速度ωの振動振幅で更新される構成を備える。N組の値は、独立した値であるが、その中間値は風速vに応じて直線補完されるものであっても良いし、近似式に従って補完されるものであっても良い。なお、発電機回転速度ωの振動振幅は発電機回転速度ωをフーリエ変換した結果、特定の周波数成分の振幅に比例して更新するものであっても良い。
実施例2に係る回転変動低減手段82は、実施例1に係る回転変動手段82に対して、風速vと発電機回転速度ωをフィードバックする機能を追加している。実施例1に係る回転変動低減手段を利用することでも、タワーシャドウ効果によるドライブトレインの振動を低減可能であるが、経時変化によるトルク差分の変化に対応できない場合がある。
実施例2では発電機回転速度ωの振動成分の変化を風速vに応じて発電機トルク補正量dqFF0を調整することができるため、初期の発電機トルク補正量dqFF0がロータトルクと発電機トルクを一致させるために適切な値でない場合や、経時変化した場合においても、ドライブトレインの振動を適切に低減することができる。
図12は、実施例2に係る回転変動低減手段82の処理概要を示すフローである。最初の処理ステップS21では、アジマス角度Φと風向Ψに基づいて補正フラグFLGを決定し、次の処理ステップS22に進む。続く処理ステップ22では、風速vに基づいて、発電機トルク補正量dqFF0を決定し、次の処理ステップS23に進む。続く処理ステップS23では、風速vと発電機回転速度ωに基づいて、発電機トルク補正ゲインKdqFFを決定し、次の処理ステップS24に進む。続く処理ステップS24では、発電機トルク補正ゲインKdqFFと発電機トルク補正量dqFF0に基づいて、発電機トルク補正量1dqFF1を決定し、次の処理ステップS25に進む。続く処理ステップS25では、補正フラグFLGと発電機トルク補正量1dqFF1に基づいて、発電機トルク指令補正値dqFFを決定し、一連の動作を終了する。
次に、図13から図16を用いて、実施例3の回転変動低減手段82の動作例について説明する。
図13の回転変動低減手段82は、補正フラグ演算手段401、発電機トルク補正量2演算手段1301、および乗算部403により構成される。なお、実施例3は、図2のセンサ出力が発電機6の出力する有効電力を計測する電力センサである場合を示す。なお、補正フラグ演算手段401、および乗算部403は、実施例1、実施例2と同様の処理を実行するため、説明を省略する。
図13において発電機トルク補正量2演算手段1301は、発電機6が出力する有効電力Pに基づいて発電機トルク補正量2dqFF2を決定する。発電機トルク補正量演算手段1301は、有効電力Pの比例制御によって発電機トルク補正量2dqFF2を決定するものであっても良いし、予め決められたテーブルなどの特性によって決定するものであっても良い。
図14に、発電機トルク補正量2dqFF2の決定手段の一例として関数発生器を使用した例を示す。有効電力Pに基づき、発電機トルク補正量2dqFF2が変化する領域や一定を保持する領域を持つものであっても良い。
乗算部403は、補正フラグFLGと発電機トルク補正量2dqFF2を乗算した値を発電機トルク指令補正値dqFFにセットして次の処理に引き渡す。
なお、図13の回転速度変動低減手段82は、有効電力Pに基づいて発電機トルク補正量2dqFF2をフィードフォワードの形式で決定する制御手段を採用している。
図15は、実施例に係る回転変動低減手段82の処理概要を示す概要図である。横軸はアジマス角度Φを示し、縦軸は図上方より、補正フラグFLG、発電機トルク補正量2dqFF2、および発電機トルク指令補正値dqFFを示す。なお、図15は、風向Ψとナセル5の方位が一致する場合の処理概要を示す。
補正フラグFLGにはアジマス角度Φが60deg、180deg、および300degの前後で発電機トルクを調整するように、上記3つのアジマス角度Φよりも期間ΦTSだけ前の期間において1がセットされ、それ以外では0がセットされる。これは、発電機トルクの調整が上記3つのアジマス角度Φよりも早い期間に開始され、上記3つのアジマス角度Φにてその調整量がピークを迎えた後に、徐々に低下させるために設定されている。
発電機トルク補正量2dqFF2は有効電力Pに基づいて、例えば図14に示す関係に従って、dq1FF2の値がセットされる。発電機トルク指令補正値dqFFは補正フラグFLGと発電機トルク補正量2dqFF2を乗算された結果が格納される。
図15に示す例では、アジマス角度Φが60deg、180deg、および300degよりも期間ΦTSだけ前の期間において、発電機トルク指令補正値dqFFにdq1FF2の値が格納され、上記以外のアジマス角度Φでは、トルク補正を行わないように発電機トルク指令補正値dqFFに0が格納される。
図16は、実施例3に係る回転変動低減手段82の処理概要を示すフローである。処理ステップS31では、アジマス角度Φと風向Ψに基づいて補正フラグFLGを決定し、次の処理ステップに進む。続く処理ステップS32では、有効電力Pに基づいて、発電機トルク補正量2dqFF2を決定し、次の処理ステップに進む。続く処理ステップS33では、補正フラグFLGと発電機トルク補正量2dqFF2に基づいて、発電機トルク指令補正値dqFFを決定し、一連の動作を終了する。
以上にて説明した実施例3に係る回転変動低減手段82を適用することにより、タワーシャドウ効果の影響が大きいアジマス角度においても、ロータトルクと発電機トルクの差分を低減することができるため、タワーシャドウ効果に起因してドライブトレインに発生する振動を低減することができる。
なお、実施例3に係る回転変動低減手段82は、フィードフォワードの形式で発電機トルクを調整するものである。このことから、タワーシャドウ効果によって発生するトルク差分を低減させる操作を前もって反映させる制御形態であることから、ドライブトレインの振動を高応答、かつ、根本的に低減できるメリットを備える。
次に、図17から図19を用いて、実施例4に係る回転変動低減手段82について説明する。実施例4の回転変動低減手段82は、基本的に図2に示すものと同様であるが、センサ出力が有効電力Pと発電機回転速度ωであることが、他の実施例と異なる。
図17の回転変動低減手段82は、補正フラグ演算手段401、発電機トルク補正量2演算手段1301、発電機トルク補正ゲイン2演算部1701、乗算部1702、および乗算部403、により構成されている。図17において、補正フラグ演算手段401、発電機トルク補正量2演算手段1301、および乗算部403は上述の他の実施例と同様であるため、説明を省略する。
新たに設けられた発電機トルク補正ゲイン2演算手段1701は、有効電力Pと発電機回転速度ωに基づいて、発電機トルク補正ゲイン2KdqFF2を決定する。この発電機トルク補正ゲイン2KdqFF2は有効電力Pと発電機回転速度ωをフィードバックし、発電機トルク補正量2dqFF2を調整することを目的とした値である。発電機トルク補正ゲイン2KdqFF2は乗算部1702にて発電機トルク補正量2dqFF2に乗算され、発電機トルク補正量3dqFF3にセットされる。その後、乗算部403にて補正フラグFLGと乗算した結果が、発電機トルク指令補正値dqFFに格納される。
図18は発電機トルク補正ゲイン2演算手段1701の処理の一例を示す図である。この例では有効電力Pに対する発電機トルク補正ゲイン2KdqFF2を備えたテーブルで実現されている。なおそれぞれのゲインは、発電機回転速度ωの振動振幅で更新される構成を備える。N組の値は、独立した値であるが、その中間値は有効電力Pに応じて直線補完されるものであっても良いし、近似式に従って補完されるものであっても良い。なお、発電機回転速度ωの振動振幅は発電機回転速度ωをフーリエ変換した結果、特定の周波数成分の振幅に比例した値を利用して更新するものであっても良い。
実施例4の回転変動低減手段82は、実施例3の回転変動手段82に対して、有効電力Pと発電機回転速度ωをフィードバックする機能を追加した手段である。実施例3の回転変動低減手段を利用することでも、タワーシャドウ効果によるドライブトレインの振動を低減可能であるが、経時変化によるトルク差分の変化に対応できない場合がある。
実施例4では発電機回転速度ωの振動成分の変化を有効電力Pに応じて発電機トルク補正量2dqFF2を調整することができるため、初期の発電機トルク補正量2dqFF2がロータトルクと発電機トルクを一致させるために適切な値でない場合や、経時変化した場合においても、ドライブトレインの振動を適切に低減することができる。
図19は、実施例4の回転変動低減手段82の処理概要を示すフローである。処理ステップS41では、アジマス角度Φと風向Ψに基づいて補正フラグFLGを決定し、次の処理ステップに進む。続く処理ステップ42では、有効電力Pに基づいて、発電機トルク補正量2dqFF2を決定し、次の処理ステップに進む。続く処理ステップS43では、有効電力Pと発電機回転速度ωに基づいて、発電機トルク補正ゲイン2KdqFF2を決定し、次の処理ステップに進む。続く処理ステップS44では、発電機トルク補正ゲイン2KdqFF2と発電機トルク補正量2dqFF2に基づいて、発電機トルク補正量3dqFF3を決定し、次の処理ステップに進む。続く処理ステップS45では、補正フラグFLGと発電機トルク補正量3dqFF3に基づいて、発電機トルク指令補正値dqFFを決定し、一連の動作を終了する。
実施例5では、図20を用いて、発電機トルク制御手段の変形実施例について説明する。
図20に示す実施例5の発電機トルク制御手段は、実施例1から実施例4において前提とした図2に示す発電機トルク制御手段に対して、回転変動低減手段2(2001)を追加した構成である。
回転変動低減手段2(2001)は発電機回転速度ωに基づいて、発電機トルク指令値qを補正調整する値を決定する手段である。これは発電機トルクを発生させた結果である発電機回転速度の計測値を利用するものであり、フィードバックの形式の発電機トルク補正手段である。この目的も他の実施例と同様に、ドライブトレインの振動を低減する目的で一般的に適用されている手段であり、ドライブトレインダンパー制御と呼ばれている。
上記にて説明した実施例1から実施例4の回変動低減手段82は、上記ドライブトレインダンパー制御と併用した構成であっても良く、実施例1から実施例4に示すフィードフォワードの形式によって、高応答の振動低減が可能であると共に、上述のドライブトレインダンパー制御により、実際に発生する振動に合わせるフィードバック制御も備えることで、振動低減のロバスト性も確保することができる。
なお、実施例5の回転変動低減手段82は、上述の実施例1から実施例4と同様であるため、説明は省略する。
なお、本発明が請求する範囲は上記に限ったものではなく、適用される風力発電装置は、タワーが地面または海底に設置される着床式の風力発電装置であっても良いし、海域に浮かべた土台部分に設置される浮体式の風力発電装置であっても良い。
1:風力発電装置
2:ブレード
3:ハブ
4:ロータ
5:ナセル
6:発電機
7:タワー
8:コントローラ
9:発電機コントローラ
10:センサ
82:回転変動低減手段
83:減算部
401:補正フラグ演算手段
402:発電機トルク補正量演算手段
403:乗算部
1001:発電機トルク補正ゲイン演算手段
1002:乗算部
1301:発電機トルク補正量2演算手段
1701:発電機トルク補正ゲイン2演算手段
1702:乗算部
2001:回転変動低減手段2(フィードバック)

Claims (5)

  1. 風を受けて回転するブレードと、該ブレードを支持して風エネルギーを回転エネルギーに変換可能なハブと、前記ブレードの荷重を支持するタワーと、前記ブレードを支持すると共に前記ブレードと前記ハブにより構成されるロータが前記タワーに対して回転可能に支持されるナセルと、前記ロータの回転エネルギーを電気エネルギーに変換可能な発電機とを備えた風力発電装置であって、
    ロータのナセルに対する相対位置を示すアジマス角度に基づき、発電機に指令する発電機トルク指令値を決定するコントローラと、前記コントローラにて決定した発電機トルク指令値により発電機を調整し、風力発電装置が出力する電力を調整する発電機コントローラを備え、
    前記コントローラは、風速に応じてロータの回転速度と発電機の発電機トルクを調整可能とする発電機トルク指令基本値を決定する可変速制御手段と、前記ブレードが前記タワーの風下となって生じるタワーシャドウ効果によって発生するドライブトレインの振動を低減する発電機トルク指令補正値を与える回転変動低減手段と、前記発電機トルク指令基本値から前記発電機トルク指令補正値を減算して前記発電機トルク指令値を定める減算部とで構成され、
    前記回転変動低減手段は、ロータのアジマス角度が、タワーシャドウ効果が大きくなるアジマス角度と一致するタイミングで、前記発電機トルク指令補正値を出力するとともに、前記発電機トルク指令補正値の調整量は風速、または、前記発電機が出力する有効電力のいずれか1つに基づき、フィードフォワードの形態により決定することを特徴とする風力発電装置。
  2. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記回転変動低減手段は、風速と発電機回転速度をフィードバックして発電機トルク補正ゲインを決定し、前記発電機トルク指令補正値と前記発電機トルク補正ゲインにより前記発電機トルク指令補正値を定めることを特徴とする風力発電装置。
  3. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記回転変動低減手段は、有効電力と発電機回転速度をフィードバックして発電機トルク補正ゲインを決定し、前記発電機トルク指令補正値と前記発電機トルク補正ゲインにより前記発電機トルク指令補正値を定めることを特徴とする風力発電装置。
  4. 風を受けて回転するブレードによりロータトルクを受けて駆動され、前記発電機コントローラにより界磁量を調整されて発電機トルクが決定されて発電を行う発電機を備えた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記発電機は、前記ロータトルクの低下に合わせて界磁量を弱め界磁に調整されて発電機トルクを低下させることを特徴とする風力発電装置。
  5. 風を受けて回転するブレードと、該ブレードを支持して風エネルギーを回転エネルギーに変換可能なハブと、前記ブレードの荷重を支持するタワーと、前記ブレードを支持すると共に前記ブレードと前記ハブにより構成されるロータが前記タワーに対して回転可能に支持されるナセルと、前記ロータの回転エネルギーを電気エネルギーに変換可能な発電機とを備えた風力発電装置の運転方法であって、
    前記ロータの前記ナセルに対する相対位置を示すアジマス角度に基づき、発電機に指令する発電機トルク指令値を決定し、決定した発電機トルク指令値により発電機を調整し、風力発電装置が出力する電力を調整し、
    風速に応じてロータの回転速度と発電機の発電機トルクを調整可能とする発電機トルク指令基本値を決定し、前記ブレードが前記タワーの風下となって生じるタワーシャドウ効果によって発生するドライブトレインの振動を低減する発電機トルク指令補正値を決定し、前記発電機トルク指令基本値から前記発電機トルク指令補正値を減算して前記発電機トルク指令値を定め、
    ロータのアジマス角度が、前記タワーシャドウ効果が大きくなるアジマス角度と一致するタイミングで、前記発電機トルク指令補正値を出力するとともに、前記発電機トルク指令補正値の調整量は風速、または、前記発電機が出力する有効電力のいずれか1つに基づき、フィードフォワードの形態により決定することを特徴とする風力発電装置の運転方法。
JP2015021815A 2015-02-06 2015-02-06 風力発電装置とその運転方法 Active JP6436808B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015021815A JP6436808B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 風力発電装置とその運転方法
EP16153809.5A EP3054153B1 (en) 2015-02-06 2016-02-02 Wind power generation apparatus, and method of operating the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015021815A JP6436808B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 風力発電装置とその運転方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016145523A JP2016145523A (ja) 2016-08-12
JP2016145523A5 JP2016145523A5 (ja) 2017-09-14
JP6436808B2 true JP6436808B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=55300380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015021815A Active JP6436808B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 風力発電装置とその運転方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3054153B1 (ja)
JP (1) JP6436808B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112302870B (zh) * 2020-10-14 2022-03-29 明阳智慧能源集团股份公司 一种漂浮式风力发电机组稳定控制方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6137187A (en) * 1997-08-08 2000-10-24 Zond Energy Systems, Inc. Variable speed wind turbine generator
JP4064900B2 (ja) * 2003-09-10 2008-03-19 三菱重工業株式会社 ブレードピッチ角度制御装置及び風力発電装置
US7988414B2 (en) * 2008-10-20 2011-08-02 General Electric Company Method and system for operating a wind turbine generator
JP2013126319A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Thk Co Ltd 風力発電装置及び風力発電制御方法
JP5808696B2 (ja) * 2012-03-01 2015-11-10 住友重機械工業株式会社 風力発電装置
JP5443629B1 (ja) * 2012-08-28 2014-03-19 三井造船株式会社 洋上風力発電装置および風力タービン制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP3054153B1 (en) 2018-08-01
JP2016145523A (ja) 2016-08-12
EP3054153A1 (en) 2016-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6559559B2 (ja) 風力発電システムおよび風力発電システムの運転方法
US20180034394A1 (en) Wind power generating system
JP6506664B2 (ja) 風力発電システムまたは風力発電システムの制御方法
US7952215B2 (en) Wind turbine generator, wind turbine generator system, and power generation control method of wind turbine generator
US7982326B2 (en) System and method for controlling torque ripples in synchronous machines
US10590912B2 (en) Counteracting tower oscillations of an idling wind turbine
JP5200097B2 (ja) 風力発電装置およびその翼ピッチ角制御方法
US11053916B2 (en) Methods and systems for operating a wind turbine
WO2011111511A1 (ja) 太陽光発電システムおよび給電システム
JP2019183802A (ja) 風力発電システム
JP2018059450A (ja) 風力発電装置または風力発電装置の制御方法
CA3043781A1 (en) Wind power installation and method for operating a wind power installation
JP6756489B2 (ja) 風力発電装置の制御方法
JP6554368B2 (ja) 風力発電システムまたは風力発電システムの制御方法
KR101294929B1 (ko) 풍력 발전 시스템 및 그의 제어 방법
JP6436808B2 (ja) 風力発電装置とその運転方法
JP5550501B2 (ja) 水平軸風車
JP2020041498A (ja) 風力発電システムとその制御方法
TWI655364B (zh) Wind power generation system or operation method of wind power generation system
CN112292525A (zh) 用于运行风力发电设备的方法和控制部
JP3987993B2 (ja) 風力発電装置
JP2020148092A (ja) 風力発電装置、風力発電装置の制御方法
JP2019173581A (ja) 風力発電装置の制御方法
JP2019090375A (ja) 風力発電システム及びその運転方法
JP2017155708A (ja) 複数の風力発電装置の制御装置、ウィンドファームまたは複数の風力発電装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6436808

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150