JP6435799B2 - 光学装置および測定装置 - Google Patents

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本発明は、測定対象物に光を照射する測定に必要な複数の波長を含んだ波長領域の光を発する光源を利用した光学装置および測定装置に関する。
紙を製造する抄紙工程において製品の品質を保つために水分率の管理が重要である。このため、抄紙ラインを移動する紙の水分率を、オンラインで測定する水分測定装置が用いられている。オンラインで水分率を測定し、測定結果を上流の抄紙機にフィードバックすることで、安定した品質の製品を生産することができるようになる。水分測定装置は、いくつかの方式が実用化されているが、オンラインで使用される水分測定装置としては、近赤外線を利用した赤外線水分計が広く用いられている。
赤外線水分計では、水分に吸収され、紙の主成分であるセルロースに吸収されない波長の光と、水分に吸収されず、セルロースに吸収される波長の光を測定対象の紙に透過させる。そして、受光部で測定されるそれぞれの波長の光の吸収率に基づいて紙中の水分率を算出する。このとき、紙の散乱や混合物、坪量、灰分、リグニン、着色料、コーティング等による影響を排除するために、水分にもセルロースにも吸収されない波長の光を参照光として用いることも行なわれている。
赤外線水分計は、図10に示すような水分率、坪量、カラー、厚さ、灰分量等の抄紙工程に不可欠な各種測定を行なう測定装置300の測定ヘッドにセンサの1つとして搭載される。測定ヘッドは、上部測定ヘッド310と下部測定ヘッド320とから構成され、一方のヘッドに光源が搭載され、他方のヘッドに受光器が搭載される。一般には、上部測定ヘッド310に光源が搭載され、下部測定ヘッド320に受光器が搭載される。
上部測定ヘッド310と下部測定ヘッド320とは、フレーム330に移動可能に取り付けられており、両ヘッドが同期して測定対象物である紙200の移動方向Aに直交する方向を往復移動しながら測定を行なう。このため、測定領域は図中のラインに示すようにジグザグの軌跡を描くことになる。
赤外線水分計の光源としては、従来から、スペクトラムが連続的でブロードなハロゲンランプが一般に用いられているが、近年では、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)等の半導体光源も用いられるようになっている。
図11は、光源としてハロゲンランプ410を用いた従来の赤外線水分計400の構成を模式的に示すブロック図である。本図に示すように、ハロゲンランプ410からの光は、投光レンズ411を介して、フィルタホイール420に装着されたバンドパスフィルタ421に導かれる。
本図の例では、水分、セルロースともに吸収されない波長λaの参照光を透過させるバンドパスフィルタ421aと、水分に吸収され、セルロースに吸収されない波長λbを透過させるバンドバスフィルタ421bと、セルロースに吸収され、水分に吸収されない波長λcを透過させるバンドパスフィルタ421cの3種類をフィルタホイール420に装着しているが、参照光を複数波長とするために4種類以上のバンドパスフィルタ421を用いる場合もある。
各波長の光は、フィルタホイール420の回転にしたがって、順次出力される。バンドパスフィルタ421を透過した光は、測定対象の紙200に当てられるが、本例の赤外線水分計400では、感度を高めるために、紙200を、入射孔が設けられた上部反射鏡431と出射孔が設けられた下部反射鏡432とで挟んで、抄紙ライン上を移動する紙200の中を光が何度も通過するようにしている。
下部反射鏡432の出射孔から抜け出た光はInGaAsフォトダイオードやPbSセル等の受光素子440で検出され、検出信号がアンプ441で増幅される。増幅された検出信号は、各バンドパスフィルタ421からの出力時刻に対応した時系列で得られ、検出信号(λa)、検出信号(λb)、検出信号(λc)となる。
図12は、波長λa、波長λb、波長λcで発光する3つのLEDを搭載したLEDユニット510を光源として用いた赤外線水分計500の構成を模式的に示すブロック図である。
LEDユニット510に搭載されたLEDは、LED駆動部520にドライブされて発光する。このとき、LEDは電気的変調が可能であることから、LED駆動部520は変調部521を備えており、それぞれのLEDを、異なる周波数で変調して発光させる。
LEDユニット510から出射されたそれぞれの波長の光は、内面を高反射率の反射材で囲ったチューブリフレクタ530により混色され、測定対象の紙200に照射される。この際に、上部反射鏡541と下部反射鏡542により紙200の中を光が何度も通過するようにしている。
下部反射鏡542の出射孔から抜け出た光は、3つの波長に感度の高い受光素子550で3つの波長が重畳した波形として検出される。検出信号は初段のアンプ551で増幅され、さらにロックインアンプ552に入力される。それぞれのLEDを異なる周波数で変調しているため、ロックインアンプ552を用いて各波長の信号を精度よく検出することができ、検出信号(λa)、検出信号(λb)、検出信号(λc)として出力される。
特開2012−173249号公報
LED、LDのような半導体光源を用いると、光源の周波数変調が可能となり、高い雑音除去を実現できるロックインアンプやFFT等を利用した周波数弁別器を用いて重畳波形から各波長の検出信号を精度高く取り出すことができる。このため、各波長の光を混色して照射することで、各波長の光について同時に同点での測定を行なうことができ、波長毎に異なる位置で測定する場合よりも測定誤差を減らすことができる。
しかしながら、LEDやLDはそれぞれ固有の波長で発光するため、測定に必要な特定の波長の光を発光するLEDやLDを用意しなければならない。赤外線水分計の光源として用いるLEDやLDは、広く流通している汎用品を用いることができず、一般に需要が少ないため、入手が困難で、値段も高く、光源装置のコスト上昇を招くことになる。
スペクトラムが連続的でブロードなハロゲンランプであれば、汎用品を用いることができ、入手も容易で光源装置のコスト上昇も避けることができる。しかし、ハロゲンランプは、電気的な周波数変調を行なうことができないため、混色した状態で照射しても、波長毎の検出信号を精度高く取り出すことができない。
そこで、必要な波長の光を得るために複数個のバンドパスフィルタを装着したフィルタホイールを従来から用いているが、フィルタホイールを用いると、透過波長が時間的に順次切り替わるため、各波長の光について同時同点での測定を行なうことができず、測定誤差の要因となっていた。
この問題は、赤外線水分計のみならず、測定対象物に複数の波長の光を照射する測定装置全般にいえることである。
そこで、本発明は、測定対象物に光を照射する測定に必要な複数の波長を含んだ波長領域の光を発する光源を用いて、同時同点の測定を行なえるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様である光学装置は、複数の特定波長の光を、前記複数の特定波長を含んだ波長領域の光から抽出する光学装置であって、前記複数の特定波長を含んだ波長領域の光を同一平面上の領域に波長毎に分散する分光機構と、前記領域中の前記複数の特定波長の光に対応する箇所のそれぞれについて、異なる周波数で光をチョッピングするチョッピング機構と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様である光学装置は、複数の特定波長の光を同時に被測定物に照射する光学装置であって、前記複数の特定波長を含んだ波長領域の光を発する光源と、前記光源の光を同一平面上の領域に波長毎に分散する分光機構と、前記領域中の前記複数の特定波長の光に対応する箇所のそれぞれについて、異なる周波数で光をチョッピングするチョッピング機構と、前記チョッピング機構を透過した光を集光する集光素子と、を備えたことを特徴とする。
いずれの場合も、前記集光素子によって集光された光を均一化する光束均一化素子をさらに備えることができる。
また、前記チョッピング機構は、光を透過する開口部が円状に並んだ開口列を、回転軸を中心とした直径の異なる同心円上に複数個形成した円板とすることができる。
この場合、前記チョッピング機構は、前記開口列が、前記領域中の前記複数の特定波長の光に対応する箇所を通過する位置に形成することができる。
また、前記チョッピング機構は、各開口列に形成される開口部の数が互いに整数倍の関係にならないように形成することができる。
あるいは、前記チョッピング機構は、各開口部が、開口部の回転方向についての端から中心に向かって徐々に光透過量が多くなるように形成されていてもよい。
また、前記チョッピング機構は、前記複数個の開口列の開口周期の位相をずらしてもよい。
上記課題を解決するため、本発明の第3の態様である測定装置は、上記のいずれかの光学装置と、受光素子とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記受光素子の検出信号から、前記異なる周波数毎に検出信号を弁別する周波数弁別装置をさらに備えるようにしてもよい。
上記課題を解決するため、本発明の第4の態様である測定装置は、前記チョッピング機構が、前記複数個の開口列の開口周期の位相を揃えている光学装置と、受光装置と、前記受光素子の検出信号から、前記異なる周波数毎に検出信号を弁別する離散コサイン変換方式の周波数弁別装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、測定対象物に光を照射する測定に必要な複数の波長を含んだ波長領域の光を発する光源を用いて、同時同点の測定を行なえるようになる。
第1実施例に係る赤外線水分計の構成を模式的に示す図である。 ライン状に分光され集光レンズに入射する光を説明する図である。 スリットが形成されたマスクを示す図である。 回転チョッパを示す図である。 回転チョッパ通過後の光のスペクトルを説明する図である。 回転チョッパの開口部の形状の例を示す図である。 各開口列の開口周期の位相と検出信号の振幅との関係を示す図である。 第2実施例に係る赤外線水分計の構成を模式的に示す図である。 第3実施例に係る赤外線水分計の構成を模式的に示す図である。 抄紙工程において各種測定を行なう装置を模式的に示す図である。 ハロゲンランプを光源として用いた赤外線水分計の構成を模式的に示す図である。 LEDユニットを光源として用いた赤外線水分計の構成を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、スペクトラムが連続的でブロードな汎用的なハロゲンランプを光源として用いた赤外線水分計を例に説明するが、本発明は、ハロゲンランプを光源として用いた場合の光学装置に限られない。また、本発明は、赤外線水分計に限られず、種々の測定対象物に複数の波長の光を照射して吸光度、反射率等の波長特性を取得し、物理量を測定する測定装置全般に適用することができる。
図1は、本発明の第1実施例に係る赤外線水分計100の構成を模式的に示す図である。赤外線水分計100では、ハロゲンランプは、楕円鏡101と一体構成となっており、フィラメント部分が楕円鏡101の一方の焦点に位置するように固定されている。
ハロゲンランプが発する光は楕円鏡101の他方の焦点で集光する。この集光点を仮想的な光源とするために、ピンホールが焦点に位置するようにピンホール板102が設置されている。ピンホール板102の直後には拡散板103を配置し、以降の光学系にフィラメントの像が影響しないようにしている。
拡散板103の後方には分光機構である凹面回折格子104が配置されている。凹面回折格子104は、球状またはパラボラ状の凹面鏡の表面に、多数の溝を平行に刻んだ反射格子である。本図の例では、横方向に拡散する光を、下方に反射するようにしている。
第1実施例では、凹面回折格子104としてフラットフィールド型の回折格子を用いている。一般に、凹面回折格子では入射側焦点から入射した光を分光して波長毎に異なる位置に結像することができるが、フラットフィールド型の回折格子を用いると各波長の焦点(結像位置)は同一平面上に並ぶことになる。
この平面近傍に集光レンズ105を設置する。集光レンズ105は、図2に示すように、凹面回折格子104によって分光され、周波数毎にライン状に分散した光Lが入射する位置に設置する。このライン状に分散した光L以外の光が集光レンズ105に入射しないように、図3に示すようなスリット108aが形成されたマスク108を、集光レンズ105を覆うように設置する。
スリット108aは、光Lに対応して形成され、光Lがスリット108aを通過するようにマスク108の位置を調整する。マスク108は、集光レンズ105より一回り大きな円板状としているが、集光レンズ105を覆うことができれば他の形状であってもよい。また、マスク108は、光が透過しない金属や樹脂等の材料で形成することができる。
図1の説明に戻って、マスク108に入射する光Lは、モータ106により等速で回転駆動される回転チョッパ107により断続的に明滅するようになっている。なお、マスク108のスリット108aを通過した光Lが回転チョッパ107に照射するようにしてもよい。
回転チョッパ107は、図4に示すように、開口部が円状に並んだ開口列を、回転軸を中心とした直径の異なる同心円上に複数個形成した円板である。本図の例では、10個の開口列が形成されている。それぞれの開口列では、開口部が等間隔で並んでいる。回転チョッパ107は、金属や樹脂等の材料で形成することができ、開口部以外では光が透過しないようにする。なお、開口部は透過膜等で覆っていてもよい。
回転チョッパ107とマスク108とは、回転チョッパ107の最内周側の開口列でチョッピングされた光Lと最外周側の開口列でチョッピングされた光Lの両方がマスク108のスリット108aを透過する大小関係および位置関係とする。図4には、回転チョッパ107の対応する位置に、マスク108とスリット108aとを破線で示している。
各開口列に形成される開口部の数は、それぞれの開口列で異なるようにする。一般には、内周側の開口列から外周側の開口列にいくにしたがって、開口部の数が増えるように形成する。
内周側からn番目の開口列W(n)の開口部の個数をM(n)とすると、回転チョッパ107が1周したとき、開口列W(n)では、スリット108a部分で光LがM(n)回明滅する。このため、モータ106により回転チョッパ107を一定速度R[rps]で回転させると、光Lが1秒間にM(n)・R回明滅する。すなわち、光Lが周波数M(n)・Rで変調されてスリット108aを通過することになる。モータ106の回転速度は、フォトインタラプタ等のエンコーダ114によりモニタされ、必要精度に制御される。
ここで、光Lは、ライン状に分光されているため、各開口列W(n)に対して照射される波長が異なることになる。具体的には、回転チョッパ107の外周側から内周側に向けて短波長の光から長波長の光にライン状に分布する。各波長の位置は、凹面回折格子104の特性や各素子の位置関係等に応じて一意に定まることになる。ここで、開口列W(n)の領域に照射される光Lの波長をλ(n)とすると、波長λ(n)の光が周波数M(n)・Rで変調されて集光レンズ105に入射することになる。
このため、集光レンズ105に入射する光のスペクトルは図5に示すように、波長λ(1)の光の相対強度が周波数M(1)・Rに現われ、波長λ(2)の光の相対強度が周波数M(2)・Rに現われ、波長λ(z)の光の相対強度が周波数M(z)・Rに現われることになる。
実装上は、必要な波長の光が照射される位置に形成された開口列に対応するスペクトルに注目すればよい。例えば、波長λ(k)の光の相対強度を取得したい場合には、周波数M(k)・Rの信号を測定する。
ところで、集光レンズ105の各開口部、マスク108のスリット108aとも矩形とすると、明滅する周波数、すなわち変調周波数の奇数次の高調波が発生する。この高調波成分が他の変調周波数に一致、あるいは近傍に発生すると、クロストークが発生し、後段で復調して波長λ(n)を抽出するときの精度低下の原因となるおそれがある。
これを防止するためには、例えば、高調波が発生しても他の変調周波数に影響を与えないようにしたり、高調波自体を発生させないようにすればよい。高調波が発生しても他の変調周波数に影響を与えないようにするためには、例えば、各開口列に形成される開口部の数が互いに整数倍の関係にならないようにすればよい。
また、高調波自体を発生させないようにするためには、オンオフのパルス波ではなく、正弦波で変調を行なうことが考えられる。この場合、例えば、図6(a)、図6(b)に示すように、マスク108のスリット108aとの組み合わせで、回転チョッパ107の回転時に、透過する光の強度が正弦波状に変化するような形状に開口部を形成すればよい。すなわち、開口部の回転方向についての端から中心に向かって徐々に開口面積が広くなるような形状とする。あるいは、図6(c)に示すように、回転方向についての端から中心に向かって透過度が高くなる半透明状の膜で矩形状の開口部を覆うようにしてもよい。回転チョッパ107を透明部材で形成し、開口部以外の領域が塗り潰された膜を貼り付けるようにしてもよい。
ところで、各開口列の開口周期の位相を揃えると、図7(a)に示すように、回転チョッパ107のすべての開口部が開く瞬間において光量が他の期間に比べて大きく増える。本図の場合、信号のピークレベルは±40となっている。そのため、検出側のダイナミックレンジを広くとる必要がある。
これに対し、開口周期の位相を開口列毎にずらした場合は、図7(b)に示すように、信号のピークレベルは±15となり、検出側のダイナミックレンジは少なくても済むことになる。
一方、各開口列で開口周期の位相を揃えた場合には、すべての開口部が開く瞬間を中心に時間的に対称な波形となるため、後段で信号を周波数毎に分離する際に離散コサイン変換を利用した周波数弁別器を用いることで計算が簡単になり、演算の負荷を減らすことができるというメリットがある。以上のような特徴を鑑みて、用途やコスト等に応じて各開口列の開口周期の位相関係を設定することが望ましい。
図1の説明に戻って、マスク108のスリット108aを通過した光は、集光レンズ105で集光され、集光位置に入射口が配置されたチューブリフレクタ109に入射する。チューブリフレクタ109はライトパイプなどとも呼ばれる光束均一化素子で、多角形の中空のパイプであり、内面が鏡面になっている。入射口から入射した光は、内面で鏡面反射を繰り返し、入射光の強度分布が入射位置や入射角度に依存しないよう均一化された後に出射口から放射される。
チューブリフレクタ109の出射口は平面ミラー110に形成された中央穴に一致するようになっている。チューブリフレクタ109から放射された光は、測定対象の紙200に照射され、透過光が受光素子111で検出される。従来例に示したように上部反射鏡と下部反射鏡とで紙200を挟むようにしてもよい。受光素子111は対象とする波長域で感度を持ち、変調周波数よりも応答の速い光電変換素子を用いるものとする。
受光素子111が出力する電気信号は交流アンプ112で増幅された後、ロックインアンプ113で、周波数毎に分離され、例えば、検出信号λa、検出信号λb、検出信号λcとなる。ロックインアンプ113の基準周波数には、回転チョッパ107の近傍に設置したエンコーダ114で検出された回転信号を用いることができる。ロックインアンプ113に代えてFFT等の周波数弁別機能を持つ検出回路を用いてもよい。
検出信号λa、検出信号λb、検出信号λcは、受光素子111で受光された異なる波長λa、λb、λcの光量に相当するので、あらかじめ測定対象の紙200が無い状態で、各波長の光量を求めておき、そのレベルとの比率を求めることによって、各波長での吸光度を求めることができる。
紙の水分を測定する場合は、凹面回折格子104として1.7μm〜2.1μmの波長範囲を含む光を分光できるようなものを選択し、検出信号のうち2.1μm、1.94μm、1.7μmに相当する周波数の検出信号を選択的に増幅して、それぞれの吸光度を計算することで水分率を計算することができる。なお、2.1μm、1.94μm、1.7μmに相当する周波数は、光Lの波長分布と、回転チョッパ107に形成された開口列とにより特定することができる。
すなわち、あらかじめ測定対象の紙200が無い状態で、波長2.1μm、1.94μm、1.7μmの光量を求めておき、紙200があるときの各波長の光量との比率を求めることによって、各波長での吸光度を求めることができる。各波長での吸光度から図示しない演算部で演算することにより測定対象の紙200の水分率を求めることができる。この例のように測定対象が紙で水分率専用のセンサの場合は、3つの波長を用いるため回転チョッパ107の開口列は、それぞれの波長に対応した位置に形成された3種類あればよいことになる。
このように、第1実施例の赤外線水分計100では、測定に必要な複数波長の光が周波数変調されて同時に測定対象の同じ点に照射されるため、同点測定が可能となる。
また、ハロゲンランプは、白熱電球なので、発光部(フィラメント)の温度は数千Kと高温となり、測定を行なう場所の環境温度(100℃以下)に比べて十分高温である。このため環境温度の影響は無く、温度調整用の素子や駆動回路が不要である。この点において、接合部の温度によって発光波長が変化し、温度調整や温度補正が必要な半導体光源よりも有利である。
また、従来のハロゲンランプを光源として用いた赤外線水分計では、複数のバンドパスフィルタを装着したフィルタホイールが必要であったが、第1実施例の赤外線水分計100では、フィルタホイールが不要となる。回転チョッパ107は、フィルタホイールよりも小型で軽量とすることができるため、装置の小型化、省電力化を図ることができる。測定と同期したフィルタホイールの回転制御も不要となる。
また、測定対象や検査対象に応じて、取得する光の波長をロックインアンプの検出周波数で選択可能であるため、同一光学系で複数の用途の検査装置が実現できる。例えば、1.7μm〜5μmをカバーする光源と凹面回折格子を用いると、1.7μm、1.9μm、2.1μmの波長の光の検出信号を取得することで紙の水分を測定することができ、同じ装置で、2.5μm、3.3μm、5μmの波長の光の検出信号を取得することでフィルムの坪量の測定することができる。すなわち、波長帯域中から測定に用いる波長を回転チョッパの開口列で選択可能となる。
なお、第1実施例の各素子や各機構は、同様の機能を実現できる他の素子、他の機構に代えてもよい。以降の実施例についても同様である。
例えば、赤外域の光を照射する場合には、光源としてハロゲンランプに代えてヒータを用いてもよい。楕円鏡一体型ハロゲンランプ101を放物面鏡一体型ハロゲンランプに代えて外部にレンズを用いるようにしてもよい。この場合、焦点や発散角(NA)を外部レンズで設定できるため、設計の自由度が増し、楕円鏡の誤差による焦点の移動が防止できるなどのメリットがある。
反射型の凹面回折格子104に代えて透過型の回折格子を用いてもよい。また、透明ガラス上に誘電体多層膜などで形成された光学バンドパスフィルタを用いてもよい。一般に、このようなフィルタは、フィルタへの入射角に応じて、バントパスの中心波長が変化するという特性がある。光源からの光束を平行光とせずに広がりを持たせれば、場所によってバンドパスフィルタへの入射角が変化する光学系を形成することは容易であり、回折格子の代わりにこのような光学系を用いることも可能である。また、同一入射角の光束に対して、場所によってバンドパスフィルタの透過波長が変わるリニア可変フィルタがあるが、このようなフィルタも回折格子の代わりに用いることもできる。
次に、本発明の第2実施例について説明する。図8は、本発明の第2実施形態を模式的に示す図である。第1実施例と同じ素子や機構については同じ符号を付している。
第2実施例では、ハロゲンランプは、放物面のミラー131と一体構成となっており、フィラメントで発生した光はほぼ平行光の状態で放射される。その平行光の進路には、反射型平面回折格子132が設置されている。反射型平面回折格子132に当たった光は、波長によって異なる方向に回折し、反射方向に設置された放物面鏡に133に入射する。
放物面鏡133で反射した光は、波長毎に異なる位置で結像する。本図の例では、短い波長からP1、P2、P3、P4の位置に結像している。ハロゲンランプ等の波長分布が連続した光源の場合は、P1からP4に向かって連続的な波長の結像領域が得られる。この結像領域が第1実施例の光Lに相当する。
第2実施例では、この結像領域の光をチョッピングする位置にモータ106で回転する回転チョッパ107を設置し、その直後にマスク108を設置する。回転チョッパ107で変調されたそれぞれの波長の光は、集光素子である放物面鏡134で集光されて、チューブリフレクタ109に入射する。マスク108は、放物面鏡134に周波数変調された光以外の光が入射しない程度の大きさとする。チューブリフレクタ109以降の構成は、第1実施例と同様とすることができる。
なお、放物面のミラー131は仮想点光源からの発散光を平行光に変換する機能を有しており、この機能はレンズで代用することもできる。
上記の第1実施例、第2実施例では、測定対象物である紙200に入射する前の光を分光するいわゆる前分光方式の例を説明したが、以下の第3実施例に示すように、測定対象物には分光しない光を照射し、測定対象物を透過または反射した光を分光するように構成することも可能である。
図9は、本発明の第3実施例を模式的に示す図である。第1実施例と同じ素子や機構については同じ符号を付している。第3実施例で光源として用いるハロゲンランプ151から発せられた光は、必要に応じてピンホール板152により発光面積を制限された後、コリメートレンズ153で平行光に変換される。この光が測定対象物の紙200に照射される。
測定対象物の紙200では、一部の波長の光が吸光され、透過した光が光源と反対側に設置された集光レンズ154で集光される。集光された光は必要に応じてピンホール板155で光束が制限された後、凹面ミラー156に入射する。
凹面ミラー156で反射した光は平行光になり、光路上に設置された回折格子157に入射する。回折格子157に入射した光は、波長に応じて異なる角度に反射し、反射光路上に設置された凹面ミラー158に入射する。凹面ミラー158は、放物面鏡であり、凹面ミラー158で反射した光は、波長毎に異なる位置で結像する。
第3実施例では、この結像領域の光をチョッピングする位置にモータ106で回転する回転チョッパ107を設置する。本例では、その直前にマスク108を設置している。回転チョッパ107で変調された光は、必要に応じて複合放物面型集光器159で集光されて受光素子111に入射する。受光素子111以降の構成は、第1実施例と同様とすることができる。
100…赤外線水分計、101…楕円鏡一体型ハロゲンランプ、102…ピンホール板、103…拡散板、104…凹面回折格子、105…集光レンズ、106…モータ、107…回転チョッパ、108…マスク、108a…スリット、109…チューブリフレクタ、110…平面ミラー、111…受光素子、112…交流アンプ、113…ロックインアンプ、114…エンコーダ、131…ミラー、132…反射型平面回折格子、133…放物面鏡、134…放物面鏡、151…ハロゲンランプ、152…ピンホール板、153…コリメートレンズ、154…集光レンズ、155…ピンホール板、156…凹面ミラー、157…回折格子、158…凹面ミラー、159…複合放物面型集光器、200…紙

Claims (8)

  1. 複数の特定波長の光を、前記複数の特定波長を含んだ波長領域の光から抽出する光学装置であって、
    前記複数の特定波長を含んだ波長領域の光を同一平面上の領域に波長毎に分散する分光機構と、
    前記領域中の前記複数の特定波長の光に対応する箇所のそれぞれについて、異なる周波数で光をチョッピングするチョッピング機構と、
    を備え
    前記チョッピング機構は、光を透過する開口部が円状に並んだ開口列を、回転軸を中心とした直径の異なる同心円上に複数個形成した円板であり、
    各開口部が、開口部の回転方向についての端から中心に向かって徐々に光透過量が多くなるように形成されていることを特徴とする光学装置。
  2. 複数の特定波長の光を同時に被測定物に照射する光学装置であって、
    前記複数の特定波長を含んだ波長領域の光を発する光源と、
    前記光源の光を同一平面上の領域に波長毎に分散する分光機構と、
    前記領域中の前記複数の特定波長の光に対応する箇所のそれぞれについて、異なる周波数で光をチョッピングするチョッピング機構と、
    前記チョッピング機構を透過した光を集光する集光素子と、を備え
    前記チョッピング機構は、光を透過する開口部が円状に並んだ開口列を、回転軸を中心とした直径の異なる同心円上に複数個形成した円板であり、
    各開口部が、開口部の回転方向についての端から中心に向かって徐々に光透過量が多くなるように形成されていることを特徴とする光学装置。
  3. 前記集光素子によって集光された光を均一化する光束均一化素子をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記チョッピング機構は、前記開口列が、前記領域中の前記複数の特定波長の光に対応する箇所を通過する位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学装置。
  5. 前記チョッピング機構は、前記複数個の開口列の開口周期の位相をずらしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学装置と、受光素子とを備えたことを特徴とする測定装置。
  7. 前記受光素子の検出信号から、前記異なる周波数毎に検出信号を弁別する周波数弁別装置をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の測定装置。
  8. 前記チョッピング機構が、前記複数個の開口列の開口周期の位相を揃えている請求項1〜のいずれか1項に記載の光学装置と、受光装置と、前記受光素子の検出信号から、前記異なる周波数毎に検出信号を弁別する離散コサイン変換方式の周波数弁別装置とを備えたことを特徴とする測定装置。
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