JP6435161B2 - アミノ酸含有組成物 - Google Patents

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本発明はアミノ酸含有組成物に関する。
高齢者において、しばしばサルコペニアと呼ばれる特有の骨格筋減少が起こる。そして骨格筋減少が高齢者の活動量を低下させ、この活動量低下が更なる筋力低下をもたらすという悪循環に陥る。活動量の低下は基礎エネルギー代謝をも低下させる。特に寝たきり状態において、この状態が顕著に現れる。
骨格筋の低下にともなう一連の運動器の障害をロコモティブシンドローム(locomotive syndrome、略して「ロコモ」)と呼ばれている。ロコモの原因である「運動器の障害」の原因には、大きく分けて、「運動器自体の疾患」と、「加齢による運動器機能不全」がある。運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)は、加齢に伴う様々な運動器疾患、たとえば変形性関節症、骨粗鬆症に伴う円背、易骨折性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症など、あるいは関節リウマチなどでは、痛み、関節可動域制限、筋力低下、麻痺、骨折、痙性などにより、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたす。
また加齢による運動器機能不全は、主として前記の骨格筋減少に由来する。加齢により、身体機能は低下し、筋力低下、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下、巧緻性低下、深部感覚低下、バランス能力低下などが出現する。
ロコモは、「ねたきり」や「要介護」の主要な原因であると指摘されており、「メタボ」や「認知症」と並び、「健康寿命の短縮」、「ねたきりや要介護状態」の3大要因のひとつであるとも言われている。
加齢による筋肉の減少は40歳頃から始まるが、筋肉の減少を抑えるためには適度な運動で筋肉に負荷を与え続けること、そしてタンパク質、アミノ酸など、筋肉の材料となる栄養素を摂取することが必要であるといわれている。アミノ酸は、筋肉合成のために必須であり、特に積極的な摂取が進められている。アミノ酸の中でも、ロイシン、イソロイシン、バリンなどの分岐鎖アミノ酸は重要であり、その中でも特にロイシンが重要であると言われている。
さらに、骨格筋の低下の次に加齢による骨の劣化を予防し、関節機能を強化することが重要であるといわれている。骨を強化するためには、「ビタミンD」、関節機能を強化するにはヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのムコ多糖類、あるいはその前駆体であるN−アセチルグルコサミンの摂取が有効であると言われている。カルシウムは骨を形成するうえで絶対に欠かせない栄養素で、 リンやマグネシウムと共に、骨や歯を形成し、強度を維持するが、 カルシウムの慢性的な不足が続くと、いわゆる骨粗鬆症の状態となり腰痛、骨折のリスクが高まる。 カルシウム不足はロコモに直結する。
ロコモの原因となる筋肉の低下を抑制するための技術が特許出願されている。特許文献1には、分岐鎖アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリン、リジンを含む高齢者の筋肉低下を抑制する組成物が開示されている。
特許文献2にはロイシン、イソロイシン、バリンと有機酸を含む顆粒剤が開示されている。
これらの先行技術はいずれも大量のアミノ酸を一度に摂取するための製剤についての技術である。またこれらの分岐鎖アミノ酸は水に難溶性であって、飲料に配合することが困難であることが知られている。
また、骨や関節の機能を強化するため、前記したようにN−アセチルグルコサミンとカルシウムを併用して摂取することが普及している。しかし骨強化のためのカルシウムやN−アセチルグルコサミンはいずれも錠剤や顆粒剤である。
本発明者も、飲料に分岐鎖アミノ酸を配合しようと試みているが、溶解度が低くまた風味の問題があって好ましい飲料を調製することが困難であった。
また分岐鎖アミノ酸を牛乳に配合すると、乳蛋白質を構成するアミノ酸に加えて、ロコモ対策に有用な分岐鎖アミノ酸を容易に増強することができるが、難溶性のため、添加した分岐鎖アミノ酸がいわゆるママコ状態となって溶解せず、沈殿が発生するため、所望する量を配合しても、分岐鎖アミノ酸を効率的に摂取できないという問題があった。
WO2012/141316号公報 WO2009/028649号公報
本発明者は、ロコモ対策として分岐鎖アミノ酸とカルシウムを食品に配合するための技術を研究している。分岐鎖アミノ酸は疎水性であり、水に溶解しにくく、水濡れしにくいため、水や牛乳に溶解したとき、いわゆる「ママコ」状態となってしまい、溶解又は分散しにくい。このため溶解性のある糖類とともに造粒することが通常行われているが、糖類や炭酸カルシウムと共存すると、アミノカルボニル反応により褐変や固結するという新たな課題が出現する。また関節機能を健全に保つN−アセチルグルコサミンを配合すると共存するグルコサミンによって褐変するという課題がある。またカルシウムとして広く利用されている炭酸カルシウムは、牛乳中では沈殿しやすいという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、ロコモ対策のために牛乳に溶解させて飲用する組成物であって、牛乳に溶解分散しやすく、保存中に褐変しにくく、固結しづらい分岐鎖アミノ酸と炭酸カルシウムを含有する顆粒状組成物を提供することである。
上記課題を解決するべく種々検討した結果、分岐鎖アミノ酸を含むアミノ酸混合粉末と糖類とクエン酸粉末を造粒し、さらに粒子の表面に乳化剤を噴霧して得られる顆粒に炭酸カルシウム粉末を混合することで、褐変が抑制され、しかも牛乳に溶解させると炭酸カルシウムとクエン酸が相互作用して発泡し、粉末粒子を分散させて、容易に溶解・分散する組成物となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の構成である。
(1)分岐鎖アミノ酸を含むアミノ酸粉末とクエン酸からなる粒子のグリセリン脂肪酸エステル覆粒子と、炭酸カルシウム粉末を含む粉末組成物。
(2)炭酸カルシウム粉末がホタテ貝殻粉末である(1)に記載の組成物。
(3)粉末組成物あたりクエン酸を3〜7質量%含有する(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)アミノ酸粉末あたり分岐鎖アミノ酸を40〜60量%含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)粉末組成物にさらにグルコン酸ナトリウムとN−アセチルグルコサミンを含む(4)に記載の組成物。
(6)粉末組成物あたり分岐鎖アミノ酸が10〜40質量%含有されている(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)粉末組成物あたり炭酸カルシウムが5〜10質量%含有されている(6)に記載の組成物。
(8)牛乳に溶解・分散させて飲用するための(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
本発明に係る組成物は、牛乳に速やかに溶解分散し、沈殿が生じない。また本発明の粉末を溶解させた牛乳に、分岐鎖アミノ酸に由来する異味、異臭が無く、きわめて飲用しやすい飲料となる。さらに、粉末を保存した場合の褐変や固結が生じず、安定である。
また、本発明の組成物は、分岐鎖アミノ酸による筋肉の増強や抑制防止、カルシウムによる骨強化、N−アセチルグルコサミンによる関節機能の強化が期待できる。
本発明は、牛乳に溶解又は分散させて飲用するための組成物であって、分岐鎖アミノ酸を含むアミノ酸粉末とクエン酸を含む粒子の表面を乳化剤で被覆した粒子と、炭酸カルシウム粉末を含む粉末組成物に係るものである。
本発明に係る組成物は、バリン、ロイシンおよびイソロイシンよりなる群から選ばれる1種以上の分岐鎖アミノ酸を組成物あたり総量で10〜40質量%含有することが好ましい。
本発明に係る組成物において用いる分岐鎖アミノ酸は、バリン、ロイシン及びイソロイシンよりなる群から選ばれる1種以上を含む。これら分岐鎖アミノ酸の形態は特に制限されず、例えば、タンパク質の形態、ペプチドの形態、塩の形態、遊離の形態等のいずれの形態でも用いることができる。遊離アミノ酸の形態が最も好ましい。この場合、L体、D体、DL体のいずれをも用いることができる。しかし、L体が最も好適に用いられる。また、前記分岐鎖アミノ酸としては、これらを含有する動植物等から抽出し精製したものや、化学合成法、発酵法、遺伝子組み換え法によって得られるもののいずれを使用してもよい。
本発明組成物において用いる分岐鎖アミノ酸は、全てが単一の形態であってもよいし、あるいは異なる2種以上の形態であってもよい。例えば、分岐鎖アミノ酸は、遊離の形態の分岐鎖アミノ酸のみからなるものであってもよいし、遊離の形態の分岐鎖アミノ酸とタンパク質の形態の分岐鎖アミノ酸とを含むもの等であってもよい。本発明に係る組成物が遊離の形態の分岐鎖アミノ酸を含有する場合、その含有量は、組成物あたり総量で10質量%以上が好ましく、10〜15質量%とすることが特に好ましい。
なお、本明細書において、分岐鎖アミノ酸の量は遊離形態換算量である。
本発明の組成物において用いる分岐鎖アミノ酸は、バリン、ロイシン及びイソロイシンを含むことが好ましく、その場合、ロイシン、イソロイシン及びバリンの配合割合は、通常、重量比で、ロイシン:イソロイシン:バリン=4:1:1〜3:1:1である。
本発明においては、分岐鎖アミノ酸に加えて、その他のアミノ酸を含むことができる。特に本発明のロコモ対策のためには、スレオニン、フェニアルアラニン、メチオニン、トリプトファン、リジンなどの必須アミノ酸及びヒスチジンなどの非必須アミノ酸を添加することが好ましい。
これらの、その他アミノ酸は、分岐鎖アミノ酸と同様に形態は特に制限されず、例えば、タンパク質の形態、ペプチドの形態、塩の形態、遊離の形態等のいずれの形態でも用いることができる。遊離アミノ酸の形態が最も好ましい。この場合、L体、D体、DL体のいずれをも用いることができる。しかし、L体が最も好適に用いられる。分岐鎖アミノ酸は、この組成物当たり10〜40質量%、全アミノ酸当たり40〜60質量%含有させることが好ましい。
本発明に係る組成物が遊離の形態の上記のその他のアミノ酸を含有する場合、その含有量は、全アミノ酸含有量に対して30質量%、組成物あたり10質量%程度とすることが好ましい。
本発明に係る組成物において用いるクエン酸は、かんきつ類から抽出された天然クエン酸、あるいは微生物醗酵法で製造されたもの、あるいは化学合成されたものであっても使用可能である。クエン酸の含有量は、本発明の組成物当たり1〜10質量%、好ましくは3〜7質量%である。クエン酸は牛乳に溶解すると炭酸カルシウムと反応し、微小の二酸化炭素の気泡を形成し、アミノ酸の分散を促進し、さらに炭酸カルシウムなどの沈降性の粒子を内包して沈降を抑制する。
クエン酸は、分岐鎖アミノ酸及びその他のアミノ酸と混合し、造粒する。
造粒された粒子には、上記したアミノ酸粉末及びクエン酸以外に、賦形剤、結合剤、崩壊剤など許容される添加剤を含有することができる。賦形剤としては、当該分野で公知のものを幅広く使用することが可能であり、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、D−ソルビトール、マルトース、デンプンおよびデンプン誘導体、アスパルテーム、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビアおよびその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられる。本発明においては還元麦芽糖あるいはエリスリトールが好ましい。
結合剤としては、当該分野で公知のものを広く使用することが可能であり、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストリン、デンプンおよびデンプン誘導体、デンプン分解物、グァーガム、アラビアゴム、トラガント、アルギン酸およびその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、等が挙げられる。本発明においてはデンプン分解物が好ましい。
顆粒を造粒する製造方法は、特に限定されず、当該分野で公知の方法を幅広く使用することが可能であり、具体的には、押し出し造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法、流動造粒法、転動流動造粒法、混練造粒法等が挙げられる。これらの中でも、流動造粒法や撹拌造粒法が好ましい。
造粒されたアミノ酸・クエン酸顆粒の嵩密度(嵩比重)は、特に限定されないが、0.30〜0.60g/mLが好ましく、0.35〜0.55g/mLがさらに好ましく、0.35〜0.40g/mLが特に好ましい。
造粒にあたっては、流動造流装置を用いて、バインダー兼被覆剤としてグリセリン脂肪酸エステルを噴霧して、造粒と被覆を同時に行う。グリセリンエステルとしては、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどが例示できる。本発明にあっては、食品添加物として許可されているグリセリン脂肪酸エステルであればどのようなものでも使用可能である。特に好ましくは麺ほぐれ剤として市販されているグリセリンエステルであり、具体的な商品としては理研ビタミン株式会社製エマテックW−700を例示することができる。
被覆量はアミノ酸を含む顆粒当たり、0.1質量%以上とする。本発明組成物の牛乳への分散性とコーティング効果を考慮すると、約0.5〜1質量%とすることが特に好ましい。
なお、得られた顆粒の水分の乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥処理は、原顆粒剤の水分が2%以下になるまで乾燥することが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、通常の顆粒乾燥に用いる乾燥方法であればどのような方法であっても採用できるが、真空乾燥法及び送風乾燥法は好ましい。真空乾燥法と送風乾燥法は、それぞれ単独で実施しても、併用によってもよい。しかしながら、真空乾燥法を用いると、可能な限り顆粒剤の水分を除去することができるため、特に好ましい。
このようにして得られた顆粒をさらに炭酸カルシウムの粉末と粉混合して、本発明の組成物とする。
発明に係る組成物において用いる炭酸カルシウムは、食品または医薬品規格のものであればどのような由来のものであっても使用可能である。例えば、石灰岩の粉末、あるいは卵殻粉末、カキ殻粉末、ホタテ貝殻石灰(ホタテ貝殻粉末)などが例示できる。特に好ましくはホタテ貝殻粉末である。ホタテ貝殻粉末は、ホタテ貝の殻を粉砕したもので、微小な多孔性の構造を有しており、酸性の水溶液と反応して二酸化炭素を発生させるが、この二酸化炭素の気泡により、溶液中での沈降が抑制されるため、本発明においては特に好ましい。このような市販の炭酸カルシウムとしては、株式会社エヌ・シー・コーポレーション製のホタテ末、ホタテ末Sを例示できる
炭酸カルシウム粉末は、本発明の組成物当たり1〜10質量%、好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは5質量%以上である。
本発明に係る組成物には、上記の造粒したアミノ酸・クエン酸顆粒と炭酸カルシウム粉末を混合する際にロコモの改善に必要とされるビタミン、あるいは甘味料、その他風味を改善する成分を配合することができる。ビタミンとしては、ビタミンK含有粉末、ビタミンD含有粉末を例示できる。甘味料としてはスクラロース、アセスルファムカリウム、還元パラチノース、ネオテームを例示することができる。
かくして得られる組成物は、牛乳に速やかに溶解・分散し、牛乳に好ましい風味を与え、さらにはロコモティブシンドロームの患者の症状を改善することが期待される。
次に実施例、比較例に基づいて本発明を説明する。
1.粉末組成物の調製
高齢者に対する最適のロコモティブシンドローム対策の栄養効果を考慮し、表1の組成で分岐鎖アミノ酸を含む栄養組成物を調製した。なお、アミノ酸混合物は、アミノ酸粉末をあらかじめ表2の規格であらかじめ粉混合したものを用いた。
Figure 0006435161
Figure 0006435161
表1組成の造粒部を造粒するにあたっては株式会社パウレック製流動造流装置MP−01を用いて、1回のバッチ量を300gとして、吸気温度60℃、排気温度40℃、スプレーエア圧0.4MPa、スプレーエア流量25L/時間、噴霧速度16g/分の条件で行った。なお造粒に際し、バインダー兼被膜剤として、前述のエマテックW−700を用いた。
得られたアミノ酸・クエン酸顆粒の嵩密度は0.35〜0.38g/mLであった。また粒径はJIS篩で18メッシュPASSであった。
この顆粒を下記の表3の組成になるように後添加に粉末を加え、粉混合して本発明品とした。なお、下記の食用ホタテ貝殻末は株式会社エヌ・シー・コーポレーションの「ホタテ末、500メッシュパス95%以上」のものを用いた。
Figure 0006435161
2.比較例
本発明品と比較するため、下記表4の組成の顆粒を同様にして調製し、これを後添加成分と混合し、同様の粉末祖組成物である比較例1,2,3を得た。
Figure 0006435161
3.溶解性試験、風味試験
実施例1、比較例1〜3の製品を各9.6g秤量し、これを室温で牛乳180mlに添加し、1分間スパーテルで撹拌し、粉末の溶解性を目視で確認するとともに、各製品を溶解した牛乳の風味を専門パネルにより評価した。溶解性の評価基準は、アミノ酸に由来すると予想される「ママコ」の発生の有無で評価した。
評価結果を下記表5に示す。
Figure 0006435161
風味はいずれも良好であった。しかし炭酸カルシウムをあらかじめ造粒した比較例1、2は溶解・分散性において明らかに劣っていた。
4.保存安定性試験
実施例、及び比較例1〜3の組成物を、それぞれ5gを秤量し、密封可能なアルミ袋に入れ、40℃、湿度75%で7日間保管した後、開封し、組成物の褐変および粉末の固結の状態を確認した。
結果を表6に示す。
Figure 0006435161
本発明の実施例は褐変も固結も発生しなかった。
5.クエン酸配合による効果確認試験
実施例の製品を製造するに際し、クエン酸を配合せずに製品を調製し、これを比較例4とした。実施例、比較例4の製品を溶解性試験と同様の条件で牛乳に溶解させ、これを100ml採取し、1500×gで、1分間遠心分離し、不溶解物を強制沈殿させた。遠心管中の沈殿物を回収し、これに0.05Mのクエン酸水溶液を滴下したところ、比較例4の沈殿物は、発泡が観察された。これに対して実施例の沈殿物は、このような発泡現象が観察されなかった。
この試験から、クエン酸を含まない比較例4の組成物を牛乳に溶解させた場合、ホタテ貝殻末(炭酸カルシウム)が沈殿することが明らかとなった。一方、実施例の製品は、発泡現象が観察されなかったことから、ホタテ貝殻末の沈殿が抑制されているものと判断した。

Claims (8)

  1. 分岐鎖アミノ酸を含むアミノ酸粉末とクエン酸からなる粒子のグリセリン脂肪酸エステル覆粒子と、炭酸カルシウム粉末を含む粉末組成物。
  2. 炭酸カルシウム粉末がホタテ貝殻粉末である請求項1に記載の組成物。
  3. 粉末組成物あたりクエン酸を3〜7質量%含有する請求項1又は2に記載の組成物。
  4. アミノ酸粉末あたり分岐鎖アミノ酸を40〜60質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 粉末組成物にさらにグルコン酸ナトリウムとN−アセチルグルコサミンを含む請求項4に記載の組成物。
  6. 粉末組成物あたり分岐鎖アミノ酸が10〜40質量%含有されている請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 粉末組成物あたり炭酸カルシウムが5〜10質量%含有されている請求項6に記載の組成物。
  8. 牛乳に溶解・分散させて飲用するための請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
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