JP6434796B2 - 二色ゴルフボール製造方法および装置 - Google Patents

Description

本発明は、単色のゴルフボールを二色模様に形成する二色ゴルフボール製造方法および装置に関する。

ゴルフボールは最表面のカバー層に白又は有彩色を塗装した後、所要の文字を印刷後クリアー塗装して仕上げられる。したがって、ゴルフボールの表面彩色は通常単色である。しかしながら、近年ゴルフボールの表面ディンプルが円形から非円形に変更され、それに伴ってディンプル以外のランド部の占める面積が増加するとともに非円形ディンプルのなす形状を模様として表出させることにより、ボールの外観デザイン性を向上させる試みが提案され、そこで、ゴルフボールの表面ディンプル部とランド部の配色を異ならせて二色模様とすることが検討されている（特許文献１）。

中国意匠特許ZL2010-3-0134570.2

このゴルフボールの二色模様は、表面のディンプル部とランド部の配色を異ならせることにより実現できるが、如何にして表面のディンプル部とランド部の配色を異ならせるかが課題となる。表面塗装時に表面のディンプル部とランド部のいずれか一方をマスキングして塗装することが考えられるが、マスキングが完全でなかったり、塗装のにじみが生じてディンプル部とランド部との塗装色を完全に区分けすることは困難である。そこで、ボールコアに少なくとも着色下地カバー層を外装してゴルフボールの球面に多数の非円形ディンプルを分配形成し、その上に下地カバー層と異なる色で塗装した後、該ゴルフボールの非円形ディンプル以外の球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削して下地カバー層を露出させ、ゴルフボールを球面ランド部の下地カバー層の色と非円形ディンプル部の塗装色とからなる二色模様をゴルフボールの表面に形成することが提案される。本発明はかかる二色模様をゴルフボールの表面に形成する方法および装置を提供することを課題とする。

本発明はゴルフボールの球面ランド部とその球面に形成されるディンプル部との間には高低差があり、ボールコアに少なくとも着色下地カバー層を外装し、ゴルフボールの球面に多数の非円形ディンプルを分配形成し、その上に下地カバー層と異なる色で塗装し（図１Ａ）、該ゴルフボールの非円形ディンプル以外の球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削して下地カバー層を露出させる（図１Ｂ斜線参照）に、球面ランド部に沿ってその球面ランド部とほぼ同一曲率を有する研磨面を環状に形成してなる切削筒を用い、ボールに注水しながら環状切削面を同方向に回転接触させると、ボールに対し隣接する切削面は上下異なる摺動回転で研磨される（図２）とともに、削り滓が出ると、洗い流される結果、ランド部の塗装は次々に研磨又は切削され、剥離され、支障なく下地カバー層を露出させることができることを見出し、完成したもので、
本発明は、ボールコアに少なくとも着色下地カバー層を外装し、ゴルフボールの球面に多数の非円形ディンプルを分配形成し、その上に下地カバー層と異なる色で塗装し（図１Ａ）、該ゴルフボールの非円形ディンプル以外の球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削して下地カバー層を露出させ（図１Ｂ）、ゴルフボールを球面ランド部の下地カバー層の色と非円形ディンプル部の塗装色とからなる二色模様をゴルフボールの表面に形成するにあたり、
ゴルフボールの、非円形ディンプル以外の球面ランド部の球面とほぼ同等の曲率の研磨面を先端に有する切削筒（図３）を用い、この切削筒の複数本をゴルフボールに対し、水平方向に進退可能に設け（図２）、ゴルフボール表面に注水しながら切削筒を軸心周りに回転させながらボールに対し前進させ、先端研磨面を非円形ディンプル以外の球面ランド部に接触させて球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削し（図５）、非円形ディンプル以外の球面ランド部の塗装を剥離することを特徴とする二色ゴルフボールの製造方法にある。

本発明においては、非円形ディンプル以外の球面ランド部の塗装を剥離後、ゴルフボール全面にプラズマ照射し、クリア塗装を行い、乾燥させることにより仕上げる。

本発明によれば、ゴルフボールの、非円形ディンプル以外の球面ランド部のみに球面とほぼ同等の曲率の研磨面を先端に有する切削筒を、ゴルフボール表面に注水しながら切削筒を軸心周りに回転させて球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削するので、研磨又は切削時の削り滓は常時洗い流され、支障なく非円形ディンプル以外の球面ランド部のみの塗装を剥離することができる。

全面１色に塗装された非円形ディンプルを有するゴルフボールの平面図。 図１Ａのゴルフボールの球面ランド部の塗装を研磨したゴルフボールの平面図。 ゴルフボール表面の研磨装置の斜視図。 ゴルフボールの表面研磨時の切削筒の運転状態を示す平面図。 本発明に係る切削筒先端の斜視図。 ゴルフボールの表面研磨時の切削筒の接触状態を示す平面図。 ゴルフボール配給手段の一部破断斜視図である。

以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
本発明では、図１Ａに示すように、ボールコアに中間層などを介して少なくとも着色下地カバー層を外装するとともに、ゴルフボールの球面に多数の非円形ディンプルを分配形成し、その上に下地カバー層と異なる色で塗装してなる。この表面に形成される非円形のディンプルは半径Ｒの球体に仮想１８０面体（２０面体を９等分）を内接させ、その球面を１８０面体内接点が形成する三角形球面に分割し、その三角形球面の稜線に一対の円弧からなる非円形ディンプルを形成してなる。半径Ｒの１８０面体の三角形球面の稜線に沿って非円形ディンプルを形成するにあたり、その底面を球面半径Ｒより０．１〜０．２５ｍｍ短い半径Ｒ’とし（即ち、半径Ｒ’の球面からなる底面とし）、ディンプルリッジからディンプル底面に直下する壁面で非円形凹部を形成してディンプルリッジを立て、球面ランド部に均等に非円形凹部を分配形成してなり、該ゴルフボールの非円形ディンプル以外の球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削して下地カバー層を露出させ、図１Ｂに示すゴルフボールが球面ランド部の下地カバー層の色と非円形ディンプル部の塗装色とからなる二色模様を有する二色ゴルフボールとする。

上記ゴルフボール１０を球面ランド部１１の下地カバー層１３の色と非円形ディンプル部１２の塗装色とからなる二色模様をゴルフボールの表面に形成するにあたっては、図２に示す装置を用いる。二色模様製造装置は図１Ａのボールを収容し、下方に配給する漏斗状の配給手段２０と、その下方に位置し、三方から進退し、図１Ａのボールの表面を切削する切削手段１００と、切削した図１Ｂのボールを排出する函体からなる排出手段４０とで形成されている。

切削手段１００は,図４に示す切削筒１１０を備え、切削位置にあるボール１０に対し、３方から半径方向Ａに進退可能に配置され、一方向Ｂに回転するように設けられる（図３）。この切削筒１１０は、カバー層と異なる着色で塗装したゴルフボール（図１Ａ）の、非円形ディンプル１２以外の球面ランド部１１に、その球面に沿って接触可能であって（図５）、その球面とほぼ同等の曲率の研磨面１１１を先端に環状に形成してなり、その環状研磨面１１１に円周方向均等の間隔で環状の半径方向に延びる溝１１２を設けてなる（図４）。したがって、切削時の下記注水により、切削くずは溝１１２等を介して切削筒１１０の中間空間に流し出される。

上記環状切削筒１１０は回転台１２０の上方に配置されたモータ１２１とロープ１２２を介して連結された駆動ローラ１２３によりＢ方向に回転可能で、しかも切削筒１１０は進退装置１２４で前方に送られて回転し、所定の切削時間後回転を停止し後方に戻るように軸心周りに回転可能で、切削位置のボール１０に対し半径方向Ａに進退可能になっている。ゴルフボールの切削位置で回転自在に設置されたゴルフボール１０に対し、図３に示すように、その水平位置で１２０度間隔で三方で挟み付け、、切削位置のボール表面に上方から注水を行う注水手段２００を備える（図２）。切削位置３０に配送され、回転自在に配置されるボール１０に対し環状切削筒１１０を、回転させながら前進させ、先端研磨面１１１を非円形ディンプル以外の球面ランド部１１に接触させる（図５）。そして、上記注水手段２００を介して注水しながら球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削し、非円形ディンプル以外の球面ランド部の塗装の剥離後、環状切削筒１１０を後退させ、ボール１０を排出函４０に排出する。

全面塗装されたゴルフボール（図１Ａ）を切削位置に１個づつ送る配給手段２０は、切削位置の上方に配置される漏斗状玉受け部２１と、その中心に立設され、軸心周りＥ方向に回転する筒状配給管２２とからなり、該筒状配給管２２の筒壁にその半径方向に突設した攪拌部２３と筒壁に開口した開口部２４とを設け、筒状配給管２２の回転に伴い、漏斗状玉受け部２１内に堆積するボール１０を攪拌して筒壁に設けた開口部２４を介して漏斗状玉受け部内で攪拌されるボールを筒状配給管２２内に誘導し、下方切削位置３０に送るように構成されている。

ボール切削位置３０上方に、ゴルフボールの筒状配給管の出口を開閉可能な第１ストッパー３１を介して位置させる一方、ボール切削位置３０下方にゴルフボールの排出溝４０の始端を開閉可能な第２ストッパー３２を介して位置させ、第２ストッパー３２をＣ方向に突出させ、閉鎖した状態で第１ストッパー３１をＤ方向に後退させ、開放して一個ずつボールを切削位置３０に配給し、切削位置３０に配給されたボール１０に対し環状切削筒１１０を前進させて研磨又は切削し、所要部の研磨又は切削処理後、ボール１０から環状切削筒１１０を後退させるとともに第２ストッパー３２を後退させて開放して処理後のボール１０を排出溝４０に送り出し、次いで第２ストッパー３２を前進させて閉鎖した後第１ストッパー３１を後退させて開放して筒状配給管２２の出口から次のボールを切削位置３０に送るように構成されている。

したがって、漏斗状受け部２１から開口２４を介して配給筒２２に落ち込んだ全面塗装のゴルフボール（図１Ａ）は第１ストッパー３１が開くと切削位置３０に落ち、そこで三方から切削筒１１０を回転させながら接触させると、球面ランド部の塗装が研磨剥離され、球面ランド部１１が露出して下地カバー層１３が露出する（図１Ｂ）。そこで、第２ストッパー３２を後退させて開くと、研磨されたボール１０が排出函４０内に落ち、傾斜に沿って運び出されるので、表面状態を手作業で修正し、全面にプラズマを照射し、クリアー塗装を行い、乾燥して完成品とする。

１０・・・ゴルフボール
２０・・・ゴルフボール収容部
３０・・・切削位置
４０・・・排出函
１００・・・二色切削装置
１１０・・・切削筒
２００・・・注水手段

Claims (2)

1. 球面ランド部の下地カバー層の色と非円形ディンプル部の塗装色とからなる二色模様をゴルフボールの表面に形成する装置であって、
   全体をカバー層と異なる着色で塗装したゴルフボールの、非円形ディンプル以外の球面ランド部に、その球面に沿って接触可能な、その球面とほぼ同等の曲率の研磨面を先端に環状に形成してなり、その環状研磨面に円周方向均等の間隔で環状の半径方向に延びる溝を設けてなる環状切削筒を備え、該環状切削筒をゴルフボールの切削位置で回転自在に設置されたゴルフボールに対し、その水平位置で１２０度間隔で三方から、切削位置のボールに対し半径方向に進退可能に設けるとともに、切削位置のボール表面に注水を行う手段を備え、切削位置に配送され、回転自在に配置されるボールに対し環状切削筒を軸心周りに回転させながら前進させ、上記注水手段を介して注水しながら先端研磨面を非円形ディンプル以外の球面ランド部に接触させて球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削し、非円形ディンプル以外の球面ランド部の塗装の剥離後、環状切削筒を後退させるとともに排出するように形成するとともに、
   全面塗装されたゴルフボールを切削位置に１個づつ送る配給手段が、切削位置の上方に配置される漏斗状玉受け部と、その中心に立設され、軸心周りに回転する筒状配給管とからなり、該筒状配給管の筒壁にその半径方向に突設した攪拌部と筒壁に開口した開口部とを設け、筒状配給管の回転に伴い、漏斗状玉受け部内に堆積するボールを攪拌して筒壁に設けた開口部を介して漏斗状玉受け部内で攪拌されるボールを筒状配給管内に誘導し、下方切削位置に送るように構成され、
   さらに、ボール切削位置上方に、ゴルフボールの筒状配給管の出口を開閉可能な第１ストッパーを介して位置させる一方、ボール切削位置下方にゴルフボールの排出溝の始端を開閉可能な第２ストッパーを介して位置させ、第２ストッパーを閉鎖した状態で第１ストッパーを開放して一個ずつボールを切削位置に配給し、切削位置に配給されたボールに対し環状切削筒を前進させて研磨又は切削し、所要部の研磨又は切削処理後、ボールから環状切削筒を後退させるとともに第２ストッパーを開放して処理後のボールを排出溝に送り出し、次いで第２ストッパーを閉鎖した後第１ストッパーを開放して筒状配給管から次のボールを切削位置に送るように構成されていることを特徴とする二色ボール製造装置。
2. ボールコアに少なくとも着色下地カバー層を外装してゴルフボールの球面に多数の非円形ディンプルを分配形成し、その上に下地カバー層と異なる色で塗装し、該ゴルフボールの非円形ディンプル以外の球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削して下地カバー層を露出させ、ゴルフボールを球面ランド部の下地カバー層の色と非円形ディンプル部の塗装色とからなる二色模様をゴルフボールの表面に形成するにあたり、請求項１記載の二色ボール製造装置を用い、
   ゴルフボールの、非円形ディンプル以外の球面ランド部の球面とほぼ同等の曲率の研磨面を先端に有する切削筒を用い、この切削筒複数本をゴルフボールに対し、水平方向に進退可能に設け、ゴルフボール表面に注水しながら切削筒を軸心周りに回転させながらボールに対し前進させ、先端研磨面を非円形ディンプル以外の球面ランド部に接触させて球面ランド部の表面塗装を研磨又は切削し、非円形ディンプル以外の球面ランド部の塗装を剥離することを特徴とする二色ゴルフボールの製造方法。