JP6434768B2 - 車両用前照灯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられる車両用前照灯装置に関し、特に照射範囲可変機構の可動範囲を過度に大きくすることなく広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射可能なものに関する。
自動車等の車両に設けられる前照灯装置は、例えばハイビーム(走行用ビーム)、ロービーム(すれ違い用ビーム)のように照射範囲等の配光特性が異なった複数の灯火装置を有し、車両の走行状態に応じて各灯火装置の光源の点灯、消灯を切り換える構成が一般的であった。
近年、車両の走行状態等に応じて、照射範囲を自動的に変更するアダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)が提案されている。
例えば、特許文献1には、車両の走行速度に応じて照度及び照射角を変更することによって、対向車や歩行者等へのグレアを抑制することが記載されている。
特開2014−008913号公報
例えば車両の停止可能距離近傍や、ドライバの視線方向、リスク対象物などに照射目標位置を設定し、照射範囲可変機構を有する灯火装置で照射することによって、ドライバの視線を誘導し、運転しやすさ及び視認性を向上し負担を軽減することができる。
このような照射範囲可変機構として、例えば車両の視線変化に応じて光軸を可変させるレベライザ機構を活用することが考えられるが、通常レベライザはロービームにのみ設けられかつ可動範囲も小さいため、照射範囲を変更可能な領域が狭くなってしまう。
これに対し、可動範囲を拡大することも考えられるが、この場合可動機構が大型化、複雑化し、重量やコストも増加してしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、照射範囲可変機構の可動範囲を過度に大きくすることなく広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射可能な車両用前照灯装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲に含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段とを備え、前記第2の照射範囲は、前記第1の照射範囲と部分的に重畳した位置と、前記第1の照射範囲から離間した位置との間で、自車両走行車線の方向に沿って連続的に変更可能であることを特徴とする車両用前照灯装置である。
これによれば、照射範囲可変機構を有する第2の光学系の照射範囲から外れた箇所に照射目標位置が存在する場合に、第1の光源を点灯させて照射目標位置を照射することによって、照射範囲可変機構の可動範囲を過度に大きくすることなく広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射することができる。
請求項2に係る発明は、第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、第3の光源が発する光を前記第1の照射範囲とは離間して設定された自車両前方の第3の照射範囲に照射する第3の光学系と、前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を前記第1の光学系の照射範囲に近接する領域と前記第3の光学系の照射範囲に近接する領域との間で連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させ、前記第3の照射範囲に含まれる場合には前記第3の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲と前記第3の照射範囲のいずれにも含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段とを備え、前記第2の照射範囲は、前記第1の照射範囲と部分的に重畳した位置と、前記第1の照射範囲から離間した位置との間で、自車両走行車線の方向に沿って連続的に変更可能であることを特徴とする車両用前照灯装置
である。
これによれば、第2の光学系の照射範囲の可動範囲から外れた領域を、第1の光学系、第3の光学系の照射範囲でカバーすることが可能となり、より広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射することができる。
請求項3に係る発明は、第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲に含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段と、自車両の停止可能距離を演算する停止可能距離演算手段と、リスク対象物までの距離を検出する環境認識手段とを備え、前記照射目標位置設定手段は、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離よりも長い場合には前記リスク対象物の位置に前記照射目標位置を設定するとともに、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離以下である場合には自車両よりも前記停止可能距離だけ前方の領域又はその近傍に前記照射目標位置を設定することを特徴とする車両用前照灯装置である。
請求項4に係る発明は、第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、第3の光源が発する光を前記第1の照射範囲とは離間して設定された自車両前方の第3の照射範囲に照射する第3の光学系と、前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を前記第1の光学系の照射範囲に近接する領域と前記第3の光学系の照射範囲に近接する領域との間で連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させ、前記第3の照射範囲に含まれる場合には前記第3の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲と前記第3の照射範囲のいずれにも含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段と、自車両の停止可能距離を演算する停止可能距離演算手段と、リスク対象物までの距離を検出する環境認識手段とを備え、前記照射目標位置設定手段は、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離よりも長い場合には前記リスク対象物の位置に前記照射目標位置を設定するとともに、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離以下である場合には自車両よりも前記停止可能距離だけ前方の領域又はその近傍に前記照射目標位置を設定することを特徴とする車両用前照灯装置である。
これらの各発明によれば、ドライバに自車両の停止可能距離及びリスク対象物までの距離を認識させて安全運転を促すことができる。
請求項に係る発明は、前記第1の照射範囲は前記第2の照射範囲に対して上方かつ車幅方向に広く設定されたハイビーム用照射範囲であり、前記第2の照射範囲はロービーム用照射範囲であり、前記照射範囲可変機構は、前記第2の光学系の照射範囲を上下方向及び左右方向にそれぞれ変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両用前照灯装置である。
これによれば、照射範囲可変機構をロービーム用の光軸調整用のレベライザ機構と共用可することが可能となり、構成を簡素化することができる。
請求項に係る発明は、自車両前方の車線形状を検出する車線形状検出手段を備え、前記照射目標位置設定手段は、自車両走行車線に含まれる領域に前記照射目標位置を設定することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の車両用前照灯装置である。
これによれば、自車両の進行が予測される領域を照射してドライバの視野を誘導し、運転しやすさを向上してドライバの負担軽減を図ることができる。
請求項に係る発明は、ドライバの視線方向を検出する視線検出手段を備え、前記照射目標位置設定手段は、前記視線方向を含む領域に前記照射目標位置を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用前照灯装置である。
これによれば、ドライバが注視する方向を照射することによって、ドライバが目視したい箇所の視認性を向上し、ドライバの負担軽減を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、照射範囲可変機構の可動範囲を過度に大きくすることなく広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射可能な車両用前照灯装置を提供することができる。
本発明を適用した車両用前照灯装置の実施例1の構成を模式的に示すブロック図である。 実施例の車両用前照灯装置における照射範囲の一例を示す図である。 実施例1の車両用前照灯装置の制御を示すフローチャートである。
本発明は、照射範囲可変機構の可動範囲を過度に大きくすることなく広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射可能な車両用前照灯装置を提供する課題を、照射範囲を変更可能なロービーム光学系による照射が不可能な位置に照射目標位置が存在する場合に、ハイビーム又はフォグランプを点灯させてカバーすることによって解決した。
以下、本発明を適用した車両用前照灯装置(以下前照灯装置と称する)の実施例1について説明する。
実施例1の前照灯装置は、例えば、乗用車等の自動車に設けられ、夜間やトンネル内などの暗所走行時に、自車両前方を照射してドライバの視界を確保するものである。
図1は、実施例1の前照灯装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、前照灯装置1は、ハイビーム光源10、ハイビーム光学系11、ロービーム光源20、ロービーム光学系21、照射範囲可変機構22、フォグ光源30、フォグ光学系31、前照灯制御ユニット100等を有して構成されている。
なお、ハイビーム光源10、ハイビーム光学系11、ロービーム光源20、ロービーム光学系21、照射範囲可変機構22、フォグ光源30、フォグ光学系31は、車体前端部において車幅方向に離間して、例えば一対が設けられる。
ハイビーム光源10、ロービーム光源20、フォグ光源30は、例えば高輝度放電バルブ(HID)、ハロゲンバルブ、発光ダイオード(LED)等の光源及びこれに電力を供給する電源装置等を有する。
ハイビーム光源10、ロービーム光源20、フォグ光源30は、それぞれ独立して点灯、消灯を切り替え可能となっている。
また、ハイビーム光源10、ロービーム光源20、フォグ光源30は、点灯時の光量を複数段階又は無段階に変更可能となっている。
ハイビーム光学系11、ロービーム光学系21、フォグ光学系31は、ハイビーム光源10、ロービーム光源20、フォグ光源30がそれぞれ発する光を、所定の配光パターン(照射範囲)で車両前方に照射するものである。
ロービーム光学系21は、光軸を車体に対して上下方向及び車幅方向に揺動させることが可能なよう、例えば2軸ジンバル機構を介して車体に取り付けられている。
照射範囲可変機構22は、ロービーム光学系21のジンバル機構に設けられ、第1光学系11、第2光学系12の光軸を、前照灯制御ユニット100からの指示に応じて変化させるアクチュエータ等を有する。
図2は、実施例1の前照灯装置における照射範囲の一例を示す図である。
図2は、センターライン330を挟んで自車両走行車線310、対向車線320が設けられた片側1車線対面通行の道路を走行中の状態を示している。
ハイビーム光学系11、ロービーム光学系21、フォグ光学系31は、それぞれハイビーム照射範囲AH、ロービーム照射範囲AL、フォグ照射範囲AFを形成する。
ハイビーム照射範囲AHは、ロービーム照射範囲AL及びフォグ照射範囲AFに対して前方に配置されている。
ハイビーム照射範囲AHは、フォグ照射範囲AFと車両前後方向に離間して配置され、ロービーム照射範囲ALに対して車幅方向に広く設定されている。
フォグ照射範囲AFは、自車両Vの直前に設定されている。
ロービーム照射範囲ALは、ハイビーム照射範囲AHとフォグ照射範囲AFとの間に設定され、照射範囲可変機構22によって、自車両Vに対して前後方向及び左右方向に相対変位可能となっている。
前照灯制御ユニット100は、上述した各光源、光学系、照射範囲可変機構を統括的に制御するものである。
前照灯制御ユニット100は、例えばCPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
前照灯制御ユニット100は、本発明にいう照射目標位置設定手段、及び、配光制御手段として機能する。
前照灯制御ユニット100における制御については、後に詳しく説明する。
前照灯制御ユニット100には、環境認識装置210、挙動制御ユニット220、ナビゲーション装置230、視線検出装置240、通信装置250等が、例えばCAN通信システム等の車載LANシステムを介して、あるいは直接接続されている。
環境認識装置210は、自車両前方を撮像した画像等に基づいて、自車両が走行している車線の形状や、自車両前方に存在する各種物体の自車両に対する相対位置を認識するものである。
環境認識装置210は、カメラLH211、カメラRH212からなるステレオカメラを備えている。
カメラLH211、カメラRH212は、例えばCMOSやCCD等の固体撮像素子、及び、その入射側に設けられたレンズ等の光学系によって、自車両前方を所定の画角で撮像するものである。
カメラLH211、カメラRH212は、所定のフレームレートで逐次画像を取得し、環境認識装置210に伝達する。
カメラLH211、カメラRH212は、例えばフロントガラス上端部の車室内側等に、車幅方向に離間して設置されている。
環境認識装置210は、カメラLH211、カメラRH212が撮像した画像を用いて公知のステレオ画像処理を行うことによって、各カメラの視差を利用し、被写体の自車両に対する相対位置を検出可能となっている。
挙動制御ユニット220は、車両の液圧式サービスブレーキのホイルシリンダに供給される液圧を制御することによって、制動時のホイールロックを防止するアンチロックブレーキ制御、アンダーステアやオーバーステア等の挙動を抑制する車両挙動制御等を行うものである。
挙動制御ユニット220には、車輪速センサ221、加速度センサ222、ヨーレートセンサ223、舵角センサ224が接続され、各センサの出力が入力される。
また、挙動制御ユニット220は、ハイドロリックコントロールユニット(HCU)225に対して制御指令を出力する。
車輪速センサ221は、各車輪(左右の前輪及び後輪)のハブ部にそれぞれ設けられ、車輪の回転速度に比例して周波数が変化する車速パルス信号を出力する。
挙動制御ユニット220は、車速パルス信号の間隔に基づいて、車輪の回転速度(スリップ率が微小な場合には車両の走行速度と実質的に等しい)を算出可能となっている。
加速度センサ222は、車体に作用する前後方向及び車幅方向の加速度をそれぞれ検出するものである。
ヨーレートセンサ223は、車体のヨー方向(鉛直軸回り)の回転速度を検出するものである。
舵角センサ224は、車両の操舵系の舵角(ステア角)を検出するものである。
HCU225は、ブレーキフルードを加圧するポンプ、及び、得られたフルード液圧を各車輪のホイルシリンダへそれぞれ供給するソレノイドバルブ等を有し、各車輪のホイルシリンダに対してそれぞれ所定の液圧を供給し、制動力を車輪ごとに制御するものである。
挙動制御ユニット220は、各センサからの出力に基づいて、制動時のホイールロックを検出した場合には当該車輪のホイルシリンダ液圧を周期的に減圧して制動力を低下させ、車輪を回転状態に復帰させるアンチロックブレーキ制御を行なう。
また、挙動制御ユニット220は、車両のオーバーステア、アンダーステア挙動を検出した場合には、左右輪の制動力差を用いて挙動を抑制する方向のモーメントを発生させる挙動制御を行なう。
また、挙動制御ユニット220は、自車両が走行中の路面の摩擦係数(μ)を推定する路面摩擦係数推定機能を有する。
例えば、挙動制御ユニット220は、車速及び舵角に基づいて、予め設定された車両モデルから推定されるヨーレートと、実際のヨーレートとの差に基づいて、路面の推定μを算出することが可能である。
さらに、この推定μと車速から、自車両がブレーキによる減速で安全に停止可能な最短距離である停止可能距離を算出可能となっている。
ナビゲーション装置230は、道路形状等に関する情報を含む地図データが蓄積されたHDD等の記憶手段、GPS等の自車両位置測定手段等を有する。
視線検出装置240は、例えばインストルメントパネルに設けられ、ドライバを撮影する撮像手段、及び、撮像手段が得た画像を画像処理して瞳孔の輪郭を抽出し、ドライバの視線方向を検出する画像処理手段等を有する。
通信装置250は、例えば、インターネット等の通信網に接続し、気象情報等の各種情報を取得するものである。
次に、実施例1の前照灯装置における前照灯制御ユニット100の制御について説明する。
図3は、実施例1の前照灯制御ユニットの制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:停止可能距離取得>
前照灯制御ユニット100は、挙動制御ユニット220から、現在の車速及び路面状態(推定μ)における停止可能距離に関する情報を取得する。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:リスク対象物有無判断>
前照灯制御ユニット100は、環境認識装置210の出力に基づいて、自車両の前方にリスク対象物が有るか否かを判別する。
リスク対象物として、例えば、障害物、停止車両、歩行者、自転車、路上落下物等があげられる。
環境認識装置210がリスク対象物を検出した場合はステップS03に進み、リスク対象物を検出しない場合はステップS05に進む。
<ステップS03:リスク対象物距離・停止可能距離比較>
前照灯制御ユニット100は、環境認識装置210から取得したリスク対象物までの距離と、挙動制御ユニット220から取得した停止可能距離とを比較する。
リスク対象物までの距離が停止可能距離よりも長い場合は、ステップS04に進み、その他の場合はステップS05に進む。
<ステップS04:リスク対象物距離を照射目標位置に設定>
前照灯制御ユニット100は、環境認識装置210が検出したリスク対象物の位置を、前照灯によって照射すべき照射目標位置として設定する。
前照灯制御ユニット100は、自車両に対するリスク対象物の相対位置(方位及び距離)を環境認識装置210から取得して照射目標位置を設定する。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS05:停止可能位置を照射目標位置に設定>
前照灯制御ユニット100は、自車両走行車線上であり、かつ、自車両から自車両走行車線に沿って停止可能距離だけ離れた箇所を停止可能位置として設定し、この停止可能位置を前照灯によって照射すべき照射目標位置として設定する。
自車線走行車線の車線形状は、例えば、環境認識装置210、ナビゲーション装置230から取得することが可能である。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS06:フォグ照射可否判断>
前照灯制御ユニット100は、ステップS05又はステップS06で設定した照射目標位置が、フォグ照射範囲AF内に含まれるか否かを判別する。
照射目標位置がフォグ照射範囲AFに含まれる場合には、フォグ光学系31による照射が可能であるとしてステップS08に進み、その他の場合にはステップS07に進む。
<ステップS07:ハイビーム照射可否判断>
前照灯制御ユニット100は、ステップS05又はステップS06で設定した照射目標位置が、ハイビーム照射範囲AL内に含まれるか否かを判別する。
照射目標位置がハイビーム照射範囲ALに含まれる場合には、ハイビーム光学系11による照射が可能であるとしてステップS09に進み、その他の場合にはロービーム光学系21による照射及び照射範囲可変機構22の駆動が必要であるとしてステップS10に進む。
<ステップS08:フォグ点灯・ハイビーム、ロービーム消灯>
前照灯制御ユニット100は、フォグ光源30を点灯させるとともに、ハイビーム光源10及びロービーム光源20を消灯する。
その後、リターンし、ステップS01以降の処理を繰り返す。
<ステップS09:ハイビーム点灯・ロービーム、フォグ消灯>
前照灯制御ユニット100は、ハイビーム光源10を点灯させるとともに、ロービーム光源20及びフォグ光源30を消灯する。
その後、リターンし、ステップS01以降の処理を繰り返す。
<ステップS10:ロービーム点灯・ハイビーム、フォグ消灯>
前照灯制御ユニット100は、ロービーム光源20を点灯させるとともに、ハイビーム光源10及びフォグ光源30を消灯する。
その後、ステップS11に進む。
<ステップS11:照射範囲可変機構駆動制御>
前照灯制御ユニット100は、照射範囲可変機構22を駆動制御して、照射目標位置がロービーム照射範囲ALに含まれるよう、ロービーム光学系21の光軸を揺動させてロービーム照射範囲ALを移動させる。
その後、リターンし、ステップS01以降の処理を繰り返す。
以上説明したように、実施例1によれば、照射目標位置がハイビーム照射範囲AH又はフォグ照射範囲AFに含まれる場合には、ハイビーム、フォグランプでそれぞれ照射し、これらの間に照射目標位置が含まれる場合にはロービーム照射範囲ALを照射範囲可変機構22で移動させてカバーすることによって、照射範囲可変機構22の可動範囲を過度に大きくすることなく広汎な範囲の照射目標位置を適切に照射することができる。
次に、本発明を適用した前照灯装置の実施例2について説明する。
実施例1と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施例2においては、視線検出装置240によって検出されるドライバの視線方向の延長線上(ドライバ注視位置)に照射目標位置を設定する。
そして、この照射目標位置を、実施例1と実質的に同様の各光源10,20,30、照射範囲可変機構22の制御によって、少なくとも1つの灯火装置によって照射するようにしている。
以上説明した実施例2によれば、ドライバが注視したい箇所を、照射範囲可変機構22の可動範囲を過度に大きくすることなく適切に照射することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)前照灯装置の構成は、上述した各実施例に限定されず、適宜変更することが可能である。例えば、光源、光学系の種類や個数、照度及び照射範囲の変更手法は、適宜変更することが可能である。
(2)前照灯制御ユニットが各種情報を取得するために接続されるセンサ類や各種装置、ユニットの構成は、適宜変更することが可能である。
(3)実施例では可動式のロービームによってハイビーム照射範囲とフォグ照射範囲の間をカバーする構成としているが、これに限らず、例えば固定式のハイビームと可動式のロービームのみの組み合わせとしてもよい。また、照射範囲可変式の複数の灯火装置を組み合わせ、これらが照射目標位置に応じて切り替わる構成としてもよい。
(4)実施例では、照射目標位置を照射する以外の光源を消灯しているが、これに代えて、照射目標位置を照射する以外の光源の照度(光量)を、通常時に対して低下させる構成としてもよい。
1 前照灯装置 10 ハイビーム光源
11 ハイビーム光学系 20 ロービーム光源
21 ロービーム光学系 22 照射範囲可変機構
30 フォグ光源 31 フォグ光学系
100 前照灯制御ユニット
210 環境認識装置 211 カメラLH
212 カメラRH 220 挙動制御ユニット
221 車輪速センサ 222 加速度センサ
223 ヨーレートセンサ 224 舵角センサ
225 ハイドロリックコントロールユニット
230 ナビゲーション装置 240 視線検出装置
250 通信装置
310 自車両走行車線 320 対向車線
330 センターライン V 自車両
AH ハイビーム照射範囲 AL ロービーム照射範囲
AF フォグ照射範囲

Claims (7)

  1. 第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、
    第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、
    前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、
    自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、
    前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲に含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段とを備え、
    前記第2の照射範囲は、前記第1の照射範囲と部分的に重畳した位置と、前記第1の照射範囲から離間した位置との間で、自車両走行車線の方向に沿って連続的に変更可能であること
    特徴とする車両用前照灯装置。
  2. 第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、
    第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、
    第3の光源が発する光を前記第1の照射範囲とは離間して設定された自車両前方の第3の照射範囲に照射する第3の光学系と、
    前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を前記第1の光学系の照射範囲に近接する領域と前記第3の光学系の照射範囲に近接する領域との間で連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、
    自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、
    前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させ、前記第3の照射範囲に含まれる場合には前記第3の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲と前記第3の照射範囲のいずれにも含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段とを備え、
    前記第2の照射範囲は、前記第1の照射範囲と部分的に重畳した位置と、前記第1の照射範囲から離間した位置との間で、自車両走行車線の方向に沿って連続的に変更可能であること
    特徴とする車両用前照灯装置。
  3. 第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、
    第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、
    前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、
    自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、
    前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲に含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段と、
    自車両の停止可能距離を演算する停止可能距離演算手段と、
    リスク対象物までの距離を検出する環境認識手段と
    を備え、
    前記照射目標位置設定手段は、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離よりも長い場合には前記リスク対象物の位置に前記照射目標位置を設定するとともに、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離以下である場合には自車両よりも前記停止可能距離だけ前方の領域又はその近傍に前記照射目標位置を設定すること
    を特徴とする車両用前照灯装置。
  4. 第1の光源が発する光を自車両前方の第1の照射範囲に照射する第1の光学系と、
    第2の光源が発する光を自車両前方の第2の照射範囲に照射する第2の光学系と、
    第3の光源が発する光を前記第1の照射範囲とは離間して設定された自車両前方の第3の照射範囲に照射する第3の光学系と、
    前記第2の光学系の前記第2の照射範囲を前記第1の光学系の照射範囲に近接する領域と前記第3の光学系の照射範囲に近接する領域との間で連続的に変更可能な照射範囲可変機構と、
    自車両前方に照射目標位置を設定する照射目標位置設定手段と、
    前記照射目標位置が前記第1の照射範囲に含まれる場合には前記第1の光源を点灯させ、前記第3の照射範囲に含まれる場合には前記第3の光源を点灯させるとともに、前記第1の照射範囲と前記第3の照射範囲のいずれにも含まれない場合には前記第2の光源を点灯させかつ前記第2の照射範囲に前記照射目標位置が含まれるように前記照射範囲可変機構を制御する配光制御手段と、
    自車両の停止可能距離を演算する停止可能距離演算手段と、
    リスク対象物までの距離を検出する環境認識手段と
    を備え、
    前記照射目標位置設定手段は、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離よりも長い場合には前記リスク対象物の位置に前記照射目標位置を設定するとともに、前記リスク対象物までの距離が前記停止可能距離以下である場合には自車両よりも前記停止可能距離だけ前方の領域又はその近傍に前記照射目標位置を設定すること
    を特徴とする車両用前照灯装置。
  5. 前記第1の照射範囲は前記第2の照射範囲に対して上方かつ車幅方向に広く設定されたハイビーム用照射範囲であり、
    前記第2の照射範囲はロービーム用照射範囲であり、
    前記照射範囲可変機構は、前記第2の光学系の照射範囲を上下方向及び左右方向にそれぞれ変更可能であること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両用前照灯装置
  6. 自車両前方の車線形状を検出する車線形状検出手段を備え、
    前記照射目標位置設定手段は、自車両走行車線に含まれる領域に前記照射目標位置を設定すること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の車両用前照灯装置。
  7. ドライバの視線方向を検出する視線検出手段を備え、
    前記照射目標位置設定手段は、前記視線方向を含む領域に前記照射目標位置を設定すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用前照灯装置。
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