JP6433362B2 - 歯車装置 - Google Patents

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本発明は、歯車装置に関する。
特許文献1に、外歯歯車と、該外歯歯車の軸方向負荷側に配置されるキャリヤと、該キャリヤに連結され、外歯歯車を貫通する柱部材と、キャリヤを支持する主軸受と、を備えた歯車装置が開示されている。
この歯車装置では、外歯歯車が揺動しながら内歯歯車と噛合している。歯車装置は、当該噛合によって外歯歯車と内歯歯車との間に生じる相対回転を、キャリヤの回転として取り出している。キャリヤは、大径部と、該大径部の負荷側に形成された小径部とを有している。前記キャリヤを支持する主軸受は、当該小径部に配置されている。
特開2014−1816号公報(図1)
この種の歯車装置においては、柱部材のキャリヤからのずれや抜けを防止すると共に、装置全体をコンパクト化したいという根強い要請がある。
本発明は、このような要請に応えるためになされたものであって、柱部材のキャリヤからのずれや抜けを防止しつつ、装置全体をコンパクト化することが可能な歯車装置を提供することをその課題としている。
本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車の軸方向負荷側に配置されるキャリヤと、該キャリヤに連結され、前記外歯歯車を貫通する柱部材と、前記キャリヤを支持する主軸受と、を備えた歯車装置において、前記キャリヤは、大径部と、該大径部の負荷側に形成された小径部と、を有し、前記大径部は、前記柱部材が嵌入される貫通孔を有し、前記柱部材は、当該貫通孔に嵌入されて、前記大径部の負荷側に露出し、当該露出した部分と前記大径部との間に、前記柱部材の前記貫通孔からの抜けを防止する抜け止め部材が配置され、前記小径部には、前記主軸受が配置され、前記主軸受の径方向から見たときに、前記柱部材または抜け止め部材と前記主軸受の内輪とが重なる構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、柱部材は、貫通孔に嵌入されて、大径部の負荷側に露出し、当該露出した部分と大径部との間に、柱部材の貫通孔からの抜けを防止する抜け止め部材が配置される。これにより、柱部材のキャリヤからのずれや抜けが防止される。
一方、小径部には、主軸受の内輪が配置され、径方向から見たときに、柱部材または抜け止め部材と主軸受の内輪とが重なる。このため、柱部材のキャリヤからのずれや抜けを防止しつつ、歯車装置をよりコンパクト化できる。
本発明によれば、柱部材のキャリヤからのずれや抜けを防止しつつ、装置全体をコンパクト化することができる。
本発明の実施形態の一例に係る歯車装置の断面図 図1の要部拡大断面図 本発明の他の実施形態の例に係る図2相当の要部拡大断面図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る歯車装置12の断面図、図2は、その要部拡大断面図である。
この歯車装置12は、いわゆる偏心揺動型と称される遊星歯車装置である。概略から説明すると、歯車装置12は、入力軸14、クランク軸歯車16、クランク軸18、外歯歯車20、内歯歯車22および第1キャリヤ(キャリヤ)30を備える。
第1キャリヤ30には、キャリヤピン(柱部材)50が連結されている。キャリヤピン50は、外歯歯車20を貫通している。歯車装置12は、モータ11のモータ軸13の回転によって生じる外歯歯車20の内歯歯車22に対する相対回転を、クランク軸18を介して第1キャリヤ30から取り出している。
以下、より具体的に説明する。
歯車装置12は、前記クランク軸18を駆動するためのクランク軸歯車16を複数(この例では3個:図1では1個のみ図示)備えている。各クランク軸歯車16は、入力軸14に設けられた入力歯車15と同時に噛合している。
クランク軸18は、クランク軸歯車16とキー16Aを介して連結されている。クランク軸18は、内歯歯車22の軸心C22からオフセットした位置に、複数配置されている。クランク軸18は、この例では3本(図1では一本のみ図示)備えられ、同一の円周上で円周方向に120°の間隔で配置されている。
各クランク軸18は、外歯歯車20を揺動回転させるために、2個の偏心体24を備える。各偏心体24の軸心C24は、それぞれクランク軸18の軸心C18に対して偏心しており、偏心体24はクランク軸18の軸心C18に対して偏心した外周を有している。2個の偏心体24の偏心位相差は、この例では180°である(互いに離反する方向に偏心している)。
3本のクランク軸18は、それぞれ同様の構成とされ、各クランク軸18の軸方向同一位置にある偏心体24同士の偏心位相は同一である。偏心体24の外周には、偏心体軸受26を介して外歯歯車20が配置されている。外歯歯車20は、内歯歯車22に内接噛合している。
内歯歯車22は、内歯歯車本体22Aと、支持ピン22Bと、内歯ローラ22Cとを有している。内歯歯車本体22Aは、歯車装置12のケーシング62(のケーシング本体62A)と一体化され、周方向に複数のピン孔22Dを有している。支持ピン22Bは、円柱状の部材で構成され、ピン孔22Dに嵌入されている。内歯ローラ22Cは、支持ピン22Bの外周に回転自在に組み込まれ、該内歯歯車22の内歯を構成している。内歯歯車22の歯数(内歯ローラ22Cの本数)は、外歯歯車20の歯数よりも僅かだけ(この例では1だけ)多い。
外歯歯車20の軸方向負荷側には、第1キャリヤ(キャリヤ)30が配置されている。
外歯歯車20の軸方向反負荷側には、第2キャリヤ(第2のキャリヤ)40が配置されている。第1キャリヤ30にはキャリヤピン(柱部材)50が連結されている。キャリヤピン50は、第1キャリヤ30と第2キャリヤ40とを連結している(後に詳述)。
前記クランク軸18は、テーパころ軸受28を介して第1キャリヤ30および第2キャリヤ40に支持されている。
外歯歯車20は、該外歯歯車20の軸心C20の位置に中央貫通孔20Aを有し、軸心C20からオフセットした位置にキャリヤピン50が挿入されるオフセット貫通孔20Bを有している。キャリヤピン50は、該外歯歯車20のオフセット貫通孔20Bを非接触で(隙間を有して)貫通している。
第1キャリヤ30は、厚い円板状の大径部31と、該大径部31の負荷側に一体的に形成された小径部32とを有する。大径部31の外径はd31、小径部32の外径はd32であり、外径d31>外径d32である。小径部32は、この歯車装置12の出力軸部を構成している。
第1キャリヤ30の大径部31は、キャリヤピン50が嵌入される第1キャリヤピン貫通孔33を有する。キャリヤピン50は、大径部31の当該第1キャリヤピン貫通孔33に嵌入されている。この実施形態では、キャリヤピン50は、該第1キャリヤピン貫通孔33に締まり嵌めまたは中間嵌めで嵌入されている。
第1キャリヤ30の負荷側の端面には、円径の凹部34が第1キャリヤピン貫通孔33と同軸に形成されている。キャリヤピン50は、第1キャリヤピン貫通孔33に嵌入されて、軸方向負荷側端部が大径部31(の凹部34の底部34A)から負荷側に露出している。
この実施形態では、キャリヤピン50が大径部31の負荷側に露出している部分(露出部)は、大径部31から突出した突出部54を構成している。(露出部である)突出部54には、後述する係止溝52A、負荷側外周部52B、および面取り部55が含まれる。
キャリヤピン50の突出部54と大径部31との間には、キャリヤピン50の第1キャリヤピン貫通孔33からの抜けを防止するスナップリング(抜け止め部材)60が配置されている。スナップリング60は、具体的にはキャリヤピン50の係止溝52Aに係止され、かつ第1キャリヤ30の大径部31(の凹部34の底部34A)と当接している。
キャリヤピン50は、第1キャリヤピン貫通孔33に嵌合する嵌合部51および該嵌合部51の負荷側に設けられ、係止溝52Aが形成される溝形成部52を備える。
ここで、「第1キャリヤピン貫通孔33に嵌合する嵌合部51」とは、第1キャリヤピン貫通孔33と最大外径で嵌合している部分(実質的に第1キャリヤピン貫通孔33の内周に締まり嵌めまたは中間嵌めで嵌合している部分)を指している。換言するならば、キャリヤピン50の嵌合部51とは、第1キャリヤピン貫通孔33と接触している部分を指している。
また、「嵌合部51の負荷側に設けられ、係止溝52Aが形成される溝形成部52」とは、スナップリング60が係止される係止溝52Aが形成されている部分と、係止溝52Aの軸方向両側の外周を指している。具体的には、溝形成部52には、係止溝52Aが形成されている部分、係止溝52Aの負荷側(反外歯歯車20側)に延在する負荷側外周部52B、および係止溝52Aの反負荷側側(外歯歯車20側)に延在する反負荷側外周部52Cが含まれる。つまり、この実施形態では、係止溝52Aは、溝形成部52の軸方向中間に設けられている。
係止溝52Aおよび負荷側外周部52Bは、第1キャリヤ30の大径部31の第1キャリヤピン貫通孔33から負荷側に突出している。(溝形成部52の係止溝52Aよりも反負荷側の部分に相当する)反負荷側外周部52Cは、第1キャリヤ30の大径部31の第1キャリヤピン貫通孔33の内部にある。つまり、反負荷側外周部52Cは、径方向から見たときに、第1キャリヤピン貫通孔33と重なっている。
この実施形態では、溝形成部52の係止溝52Aの外径(底部径)は、d52Aであり、負荷側外周部52Bの外径d52Bおよび反負荷側外周部52Cの外径d52Cより小さい。負荷側外周部52Bの外径d52Bおよび反負荷側外周部52Cの外径d52Cは、同一であり、いずれも、嵌合部51(つまり、第1キャリヤピン貫通孔33と最大外径で嵌合している部分)の外径d51よりも小さい。
つまり、反負荷側外周部52Cと第1キャリヤピン貫通孔33との間には、僅かな隙間δ(52C−33)が形成されている。別言するならば、前述した「溝形成部52の係止溝52Aよりも反負荷側の部分に相当する反負荷側外周部52Cが、径方向から見たときに、第1キャリヤピン貫通孔33と重なっている」という構成は、この実施形態の場合、「係止溝52Aが形成される溝形成部52の外径の小さい部分である反負荷側外周部52Cが、径方向から見たときに、第1キャリヤピン貫通孔33と重なっている」ということでもある。
なお、溝形成部52と隣接してキャリヤピン50の軸方向負荷側端部には、面取り部55が設けられている。前述したように、キャリヤピン50が大径部31の負荷側に露出している部分である突出部54には、係止溝52A、負荷側外周部52B、および当該面取り部55が含まれる。
なお、本歯車装置12においては、第2キャリヤ40は、ケーシング62には支持されていない。つまり、3本のキャリヤピン50は、片持ち状態で第1キャリヤ30から突出している。第2キャリヤ40は、第1キャリヤ30の大径部31に対応し、厚い円板状の部材で構成され、各キャリヤピン50の反負荷側端部56と連結されている。
具体的には、各キャリヤピン50の反負荷側端部56は、第2キャリヤ40の第2キャリヤピン貫通孔46に嵌入されて、該第2キャリヤ40の反負荷側に露出している。露出部(露出した部分)43と、第2キャリヤ40との間に、キャリヤピン50の第2キャリヤピン貫通孔46からの抜けを防止する抜け止め部材として、プレート42および止めボルト44が配置されている。
プレート42は、キャリヤピン50の反負荷側端面56Eと第2キャリヤ40の反負荷側端面40Eとの両方に当接している。止めボルト44は、該プレート42をキャリヤピン50の反負荷側端面56Eに固定している。なお、プレート42と止めボルト44は、一体化されていてもよい。
第1キャリヤ30の説明に戻って、第1キャリヤ30は、小径部32において、一対の第1、第2主軸受70、80を介してケーシング62に支持されている。
なお、この歯車装置12のケーシング62は、減速機構を収容するケーシング本体62Aと、該ケーシング本体62Aの軸方向反負荷側に連結された反負荷側カバー体62Bと、ケーシング本体62Aの軸方向負荷側に連結された負荷側カバー体62C、負荷側カバー体62Cの軸方向端部を閉塞する端部カバー62Eとで主に構成されている。負荷側カバー体62Cからは、歯車装置12を、取付孔62Hを介して外部部材(図示略)に据え付けるための脚部62Dが延在されている。
前記一対の第1、第2主軸受70、80は、該ケーシング62の負荷側カバー体62Cの軸受収容部62C1、62C2に組み込まれている。
第1、第2主軸受70、80は、この歯車装置12では、背面合わせで組み込まれたテーパローラ軸受で構成されている。第1主軸受70は、内輪71、転動体72、外輪73を有し、かつ、転動体72を支持するリテーナ74を有している。第2主軸受80も、内輪81、転動体82、外輪83を有し、かつ、転動体82を支持するリテーナ84を有している。第1主軸受70の作用線はLA70、第2主軸受80の作用線はLA80である。
今、反負荷側の第1主軸受70に着目すると、第1主軸受70は、内輪71が第1キャリヤ30の小径部32に配置されており、かつ、転動体72と外輪73は、径方向から接触角α70を有して当接している。換言するならば、第1主軸受70の作用線LA70は、径方向外側ほど突出部54から遠ざかる傾斜態様で傾いている。
本歯車装置12では、キャリヤピン50の突出部54の軸方向負荷側端面54Eは、第1主軸受70の内輪71の軸方向反負荷側端面71Eよりも軸方向負荷側に位置している。つまり、この歯車装置12においては、キャリヤピン50の突出部54の軸方向負荷側端面54Eと第1主軸受70の内輪71の軸方向反負荷側端面71Eとの間には軸方向距離L(54E−71E)が存在している。別言するならば、この歯車装置12においては、径方向から見たときに、キャリヤピン50(の突出部54)と、第1主軸受70の内輪71とが、L(54E−71E)だけ重なっている。
なお、符号84、86はケーシング62を密封するためのオイルシールである。
次に、この歯車装置12の作用を説明する。
この歯車装置12では、モータ11のモータ軸13が回転して入力軸14の入力歯車15が回転すると、該入力歯車15と同時に噛合している3個のクランク軸歯車16が同一の方向に同一の回転速度で回転する。
クランク軸歯車16が回転すると、各クランク軸歯車16とスプライン連結されている3本のクランク軸18が同一の方向に同一の回転速度で回転する。これにより、各クランク軸18に形成された偏心体24、および偏心体24の外周に組み込まれた偏心体軸受26を介して外歯歯車20が偏心回転する。
外歯歯車20はクランク軸18が1回回転する毎に1回偏心揺動し、これにより、外歯歯車20と内歯歯車22は、歯数差(この例では1)に相当する分だけ相対回転する(一方の歯車から見たときに他方の歯車が自転する)。この自転は、各クランク軸18の内歯歯車22の軸心C22周りの公転としてクランク軸18を支持している第1キャリヤ30および第2キャリヤ40に伝達される。第1キャリヤ30が回転することにより、該第1キャリヤ30の小径部32(出力軸部)が回転し、図示せぬ相手機械の被駆動軸を駆動することができる。
ここで、本歯車装置12においては、第1キャリヤ30は、大径部31と該大径部31の負荷側に形成された小径部32とを有し、大径部31は、キャリヤピン(柱部材)50が嵌入される第1キャリヤピン貫通孔33を有している。キャリヤピン50は、当該第1キャリヤピン貫通孔33に嵌入されて、大径部31の負荷側に露出している。具体的には、キャリヤピン50は、大径部31の負荷側に露出すると共に、軸方向に突出する突出部54を有している。そして、突出部54と大径部31との間にキャリヤピン50の第1キャリヤピン貫通孔33からの抜けを防止するスナップリング(抜け止め部材)60が配置されている。
スナップリング60は、具体的にはキャリヤピン50の係止溝52Aに係止され、かつ第1キャリヤ30の大径部31(の凹部34の底部34A)と当接している。これにより、第1キャリヤ30からのキャリヤピン50の軸方向反負荷側への抜けは、ほぼ完全に防止される。
なお、キャリヤピン50と第2キャリヤ40との連結においても、各キャリヤピン50は、第2キャリヤ40の第2キャリヤピン貫通孔46に嵌入されて、該第2キャリヤ40の反負荷側に露出している。そして、露出部43と、第2キャリヤ40のとの間に、キャリヤピン50の第2キャリヤピン貫通孔46からの抜けを防止する抜け止め部材としてプレート42および止めボルト44が配置されている。
具体的には、プレート42は、キャリヤピン50の反負荷側端面56Eと第2キャリヤ40の反負荷側端面40Eとの両方に当接し、止めボルト44は、該プレート42を、キャリヤピン50の反負荷側端部56に固定している。これにより、第2キャリヤ40からのキャリヤピン50の軸方向負荷側への抜けも、ほぼ完全に防止されている。
一方、本歯車装置12においては、第1キャリヤ(キャリヤ)30は、大径部31と該大径部31の負荷側に形成された小径部32とを有し、第1キャリヤ30は、小径部32において、第1主軸受70を介してケーシング62に支持されている。キャリヤピン50の突出部54の軸方向負荷側端面54Eは、第1主軸受70の内輪71の軸方向反負荷側端面71Eよりも軸方向負荷側に位置している。つまり、キャリヤピン50の突出部54の軸方向負荷側端面54Eと、第1主軸受70の内輪71の軸方向反負荷側端面71Eとの間には軸方向距離L(54E−71E)が存在している。
別言するならば、この歯車装置12においては、径方向から見たときに、キャリヤピン50(の突出部54)と、第1主軸受70の内輪71とが、L(54E−71E)だけ重なっている。したがって、その分、装置全体の軸方向長さを短縮することができる。
本実施形態に係る歯車装置12においては、上記基本的な作用に加え、さらに、以下のような作用が得られている。
例えば、第1、第2主軸受70、80は、テーパローラ軸受で構成され、かつ背面合わせで組み込まれている。そのため、第1、第2主軸受70、80の間隔が狭くても、作用線LA70、LA80の第1キャリヤ30の軸心C30に対する作用点LA70P、LA80P間の距離L(LA70P−LA80P)をより大きく確保することができ、第1キャリヤ30を高い支持剛性で支持することができる。
なお、本発明におけるキャリヤの主軸受による支持構成は、上記支持構成には限定されない。例えば、上記実施形態において、小径部32に配置した第2主軸受80に代えて、第2キャリヤ40の外周とケーシング62との間に第2主軸受を配置してもよい。この場合は、例えば、第1キャリヤ30の小径部32に配置した第1主軸受70と第2主軸受とで、第1、第2キャリヤ30、40を支持するような構成とする。このような構成によっても、径方向から見たときに、柱部材または抜け止め部材と主軸受(第1主軸受70)の内輪とが重なるように構成することができる。
また、上記実施形態においては、主軸受として、テーパローラ軸受が採用されていた。
しかし、主軸受は、必ずしもテーパローラ軸受で構成される必要はなく、例えば、アンギュラ玉軸受やアンギュラローラ軸受等の接触角が0以外の軸受で構成されていてもよい。
このような接触角が0でない軸受は、内輪と外輪の軸方向端部がずれるので、本発明を適用する軸受として好適である。
また、本歯車装置12においては、キャリヤピン50が第1キャリヤ30の大径部31から負荷側に突出し、当該突出部54に周方向に係止溝52Aが形成され、抜け止め部材が当該係止溝52Aに係止されるスナップリング60で構成されている。このため、簡易な構成で、キャリヤピン50の第1キャリヤ30からの抜けを防止することができる。
また、本歯車装置12においては、キャリヤピン50は、第1キャリヤピン貫通孔33に嵌合する嵌合部51および該嵌合部51の負荷側に設けられ、係止溝52Aが形成される溝形成部52を備える。溝形成部52の外径(この例では負荷側外周部52Bおよび反負荷側外周部52Cの両方の外径)d52B、d52Cは、キャリヤピン50の第1キャリヤピン貫通孔33に嵌合する嵌合部51の外径d51よりも小さい。したがって、キャリヤピン50の第1キャリヤピン貫通孔33への嵌入が容易である。なお、この「嵌入が容易」という作用効果は、例えば、後述する実施形態のように、負荷側外周部52Bの外径d52Bのみが、嵌合部51の外径d51よりも小さいだけでも相応に得られる。
また、本歯車装置12においては、特に、係止溝52Aは、溝形成部52の軸方向中間に設けられ、(溝形成部52の係止溝52Aよりも反負荷側の部分に相当する)反負荷側外周部52Cは、径方向から見たときに、第1キャリヤピン貫通孔33と重なっている。また、反負荷側外周部52Cの外径d52Cは、嵌合部51の外径d51よりも小さく形成されている。換言するならば、係止溝52Aが形成される溝形成部52の外径の小さい部分である反負荷側外周部52Cが、径方向から見たときに第1キャリヤピン貫通孔を33と重なっている。このため、キャリヤピン50を第1キャリヤピン貫通孔33に嵌入していく際に、係止溝52Aの反負荷側の切り込み端部52A1が、第1キャリヤピン貫通孔33の内周を削ってしまい、発生した削り粉が係止溝52Aに埋まってスナップリング60を良好に係止することができなくなるという不具合が発生するのを抑制できる。
また、本歯車装置12においては、外歯歯車20の軸方向負荷側に配置される第2キャリヤ40を有し、キャリヤピン50は、第1キャリヤ30と当該第2キャリヤ40とを連結している。つまり、第1キャリヤ30および第2キャリヤ40は、(3本の)クランク軸18を介して連結されると共に、(3本の)キャリヤピン50を介して連結されている。このため、第1キャリヤ30および第2キャリヤ40は、高い剛性で一体的に回転することができる。このメリットは、この歯車装置12のように、特に第2キャリヤ40側がケーシング62に軸受支持されていないような場合に大きなメリットとなる。
なお、上記実施形態においては、キャリヤピン50の突出部54は、第1主軸受70の内輪71とのみ、径方向から見たときに重なっていた。しかし、キャリヤピンの突出部は、内輪だけでなく、例えばリテーナとも径方向から見て重なっているように構成することができる。この構成例を図3に示す。
図3の構成例においても、第1キャリヤ130は、大径部131と、該大径部131の負荷側に形成された小径部132と、を有している。大径部131は、キャリヤピン150が嵌合される第1キャリヤピン貫通孔133を有している。小径部132には、第1主軸受170の内輪171が配置されている。
キャリヤピン150は、当該第1キャリヤピン貫通孔133に嵌入されて、大径部131の負荷側に露出し、かつ大径部131から突出している。突出部154(キャリヤピン150が負荷側に露出している部分)と、大径部131との間には、キャリヤピン150の第1キャリヤピン貫通孔133からの抜けを防止する抜け防止部材として係止溝152Aに係止されるスナップリング160が配置されている。
ここで、この歯車装置112においては、キャリヤピン150の突出部154の負荷側端面154Eは、第1主軸受170のリテーナ174の反負荷側端部174Eよりも軸方向負荷側に位置している。つまり、この歯車装置112においては、キャリヤピン150の突出部154の負荷側端面154Eと、第1主軸受70のリテーナ174の反負荷側端部174Eとの間には軸方向距離L(154E−174E)が存在している。
換言するならば、この歯車装置112においては、径方向から見たときに、キャリヤピン150の突出部154が、第1主軸受170の内輪171とL(154E−171E)だけ重なり、かつ、当該キャリヤピン150の突出部154は、リテーナ174とL(154E−174E)だけ重なるように構成している。
そのため、先の実施形態より、キャリヤピン150の突出部154と第1主軸受170との重なりが大きい分、装置全体の軸方向の長さをさらに短縮することができる。
なお、この構成に準じ、例えば、さらにキャリヤピンの突出部が、主軸受の内輪、リテーナ、および外輪と、径方向から見て重なるように構成することも設計上は可能であり、これにより装置全体の軸方向の長さをさらに短縮することができる。
なお、この図3の実施形態では、先に言及したように、溝形成部152のうち、負荷側外周部152Bの外径d152Bのみを、嵌合部151の外径d151よりも小さく形成している。つまり、反負荷側外周部152Cの外径d152Cは、嵌合部151の外径d151と同一(面一)とされている。
その他の構成は、先の実施形態と同様であるため、同一または類似する部位に、図中で下2桁が同一の符号を付すに止め、重複説明を省略する。
なお、上記実施形態においては、抜け止め機構が、係止溝と、該係止溝に係止されたスナップリングとによって構成されていた。しかし、本発明における抜け止め機構は、必ずしもこのような構成に限定されない。
例えば、上記実施形態において第2キャリヤ40からキャリヤピン50の抜けを防止するために採用されていた「プレート42と止めボルト44」による抜け止め機構を、第1キャリヤ30側に適用したものであってもよい。この場合は、プレート42と止めボルト44が抜け止め部材を構成することになる。
このような抜け止め機構では、柱部材が、キャリヤの大径部から突出するのではなく(露出しているだけであり)、抜け止め部材(プレートやボルト等)が、大径部から突出する態様となる。したがって、(柱部材ではなく)抜け止め部材(の一部または全部)が、主軸受の内輪、あるいはリテーナと、径方向から見て重なるように構成する。
これにより、上記実施形態と同様に、「柱部材のキャリヤからのずれや抜けを防止しつつ、装置全体をコンパクト化する」という作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、歯車装置12として、内歯歯車22の軸心からオフセットした位置に複数のクランク軸18を備える偏心揺動型の歯車装置12が採用されていた。そのため、上記歯車装置12では、柱部材として第1キャリヤ30と第2キャリヤ40とを連結する機能のみを有するキャリヤピン50が、第1キャリヤ30に連結されていた。
しかし、偏心揺動型の歯車装置には、例えば、クランク軸を、内歯歯車の軸心位置に1本のみ備えると共に、柱部材として外歯歯車の自転を取り出したり拘束したりする機能を備えたピン部材を連結するように構成した歯車装置も知られている。本発明は、このようなピン部材をキャリヤに嵌入するようにした歯車装置にも適用でき、同様な作用効果が得られる。なお、この場合、第2キャリヤはなくてもよい。
さらに、本発明に係る歯車装置は、そもそも偏心揺動型の歯車装置に限定されない。例えば、単純遊星歯車装置のキャリヤに柱部材として遊星ピンが嵌入されている構成にも適用することができ、同様な作用効果が得られる。
12…歯車装置
20…外歯歯車
22…内歯歯車
30…第1キャリヤ(キャリヤ)
31…大径部
32…小径部
33…第1キャリヤピン貫通孔
40…第2キャリヤ(第2のキャリヤ)
50…キャリヤピン(柱部材)
51…嵌合部
52…溝形成部
52A…係止溝
54…突出部(露出部)
55…面取り部
56…反負荷側端部
60…スナップリング(抜け止め部材)
62…ケーシング
70…第1主軸受
71…内輪
80…第2主軸受

Claims (6)

  1. 外歯歯車と、該外歯歯車の軸方向負荷側に配置されるキャリヤと、該キャリヤに連結され、前記外歯歯車を貫通する柱部材と、前記キャリヤを支持する主軸受と、を備えた歯車装置において、
    前記キャリヤは、大径部と、該大径部の負荷側に形成された小径部と、を有し、
    前記大径部は、前記柱部材が嵌入される貫通孔を有し、
    前記柱部材は、当該貫通孔に嵌入されて、前記大径部の負荷側に露出し、
    当該露出した部分と前記大径部との間に、前記柱部材の前記貫通孔からの抜けを防止する抜け止め部材が配置され、
    前記小径部には、前記主軸受が配置され、
    前記主軸受の径方向から見たときに、前記柱部材または抜け止め部材と前記主軸受の内輪とが重なる
    ことを特徴とする歯車装置。
  2. 請求項1において、
    前記主軸受は、リテーナを有し、
    径方向から見たときに、前記柱部材または抜け止め部材と前記主軸受の前記リテーナとが重なる
    ことを特徴とする歯車装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記柱部材が、前記大径部から負荷側に突出し、
    当該突出した部分に周方向に係止溝が形成され、
    前記抜け止め部材は、当該係止溝に係止されるスナップリングで構成される
    ことを特徴とする歯車装置。
  4. 請求項3において、
    前記柱部材は、前記貫通孔に嵌合する嵌合部と、該嵌合部の負荷側に設けられ前記係止
    溝が形成される溝形成部と、を有し、
    前記溝形成部の外径は、前記嵌合部の外径よりも小さい
    ことを特徴とする歯車装置。
  5. 請求項4において、
    前記係止溝は、前記溝形成部の軸方向の中間に設けられ、
    前記溝形成部の前記係止溝よりも反負荷側の部分は、径方向から見たときに、前記貫通孔と重なっている
    ことを特徴とする歯車装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記外歯歯車の軸方向反負荷側に配置される第2のキャリヤを有し、
    前記柱部材は、前記キャリヤと当該第2のキャリヤとを連結している
    ことを特徴とする歯車装置。
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