JP6431817B2 - 溶接用治具および溶接装置 - Google Patents
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A−1.溶接システム1の構成:
図1は、溶接システム1の概要構成を示す模式図である。溶接システム1は、レーザ出力機10と、溶接装置20と、吸引装置30と、供給装置40とを備える。レーザ出力機10は、溶接対象のワークW1に対してレーザビームLを照射して溶接するレーザビーム溶接機である。溶接装置20は、ワークW1を保持する溶接用治具200と、吸引バルブ500と、供給バルブ600と、移動テーブル700と、制御部800とを有する。以下、溶接対象のワークW1として、燃料電池スタック100の構成部品を例に挙げて説明する。
図2は、燃料電池スタック100の構成を概略的に示す外観斜視図である。なお、図2には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸を示している。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとする。燃料電池スタック100の設置態様に応じて、各軸に対応する方向は変化し得る。図3以降についても同様である。
一対のエンドプレート104,106は、方形の平板状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。すなわち、一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104(または上側のエンドプレート104に接続された別部材)は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106(または下側のエンドプレート106に接続された別部材)は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
図3および図4は、発電単位102の構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における発電単位102の断面構成が示されており、図4には、図2のIV−IVの位置における発電単位102の断面構成が示されている。なお、図3の符号OGは酸化剤ガスを意味し、符号OOGは酸化剤オフガスを意味する。図4の符号FGは燃料ガスを意味し、符号OFGは燃料オフガスを意味する。
図5から図8は、溶接用治具200の構成を概要的に示す説明図である。図5には、斜め上側から見た溶接用治具200の外観構成が示されており、図6には、上側から見た溶接用治具200の構成が示されている。図7には、後述の第2対向部材270が取り外された状態で上側から見た溶接用治具200の構成が示されており、図8には、図6に示す溶接用治具200について、VIII−VIII位置の断面に平行なPX部分の断面構成が示されている。
ベース部210は、載置部材220と、固定用フレーム230とを含む。載置部材220は、方形の平板状の部材であり、例えば、金属により形成されている。載置部材220の周縁部には、載置部材220を上下方向に貫通する複数の固定孔221が形成されている。各固定孔221に挿入された図示しないネジが、後述の移動テーブル700(図1参照)に形成された図示しないネジ穴にはめられることによって、載置部材220が移動テーブル700に固定される。
対向部250は、第1対向部材260と、第2対向部材270とを含む。第1対向部材260は、中央付近に貫通孔261が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。図8に示すように、第1対向部材260の内、第1対向部材260の貫通孔261(図7参照)を構成する内周面262は、下側内周部分262Dと上側内周部分262Uとを有する。下側内周部分262Dは、第1対向部材260の下面260Dから上方に向かって延びている。上側内周部分262Uは、下側内周部分262Dの上端から第1対向部材260の上面260Uまで延びており、第1対向部材260の上面260Uに近づくに連れて第1対向部材260の外周面263に近づくように傾斜している。内周面262は第1の内壁面の一例であり、外周面263は外壁面の一例である。
図1に示すように、吸引装置30は、吸引源31と、吸引菅32とを有する。吸引源31は、外部から気体を吸引するための構成を有する装置であり、例えば真空ポンプである。吸引源31は、吸引菅32を介して、第1対向部材260の連通部264に連結されている。このため、吸引源31は、対向部250の開口部251内およびその周辺の気体(以下、吸引気体AG2という)を、第1対向部材260の吸引孔300を介して吸引することができる。供給装置40は、供給源41と、供給菅42とを有する。供給源41は、気体(以下、供給気体AG1という)を外部に供給するための構成を有する装置であり、例えば噴射ポンプである。供給源41は、供給菅42を介して、第2対向部材270の連通部275に連結されている。このため、供給源41は、第2対向部材270の供給孔400を介して、対向部250の開口部251へと供給気体AG1を供給することができる。なお、本実施形態では、供給気体AG1は、空気でもよいし、アシストガス(アルゴンガス等の不揮発性ガス)でもよい。
吸引バルブ500は、吸引菅32の途中に配置されており、吸引菅32内の吸引気体AG2の流路を開放する開放状態と、吸引気体AG2の流路を閉鎖する閉鎖状態とに切り替え可能に構成されている。供給バルブ600は、供給菅42の途中に配置されており、供給菅42内の供給気体AG1の流路を開放する開放状態と、供給気体AG1の流路を閉鎖する閉鎖状態とに切り替え可能に構成されている。
移動テーブル700は、溶接用治具200が載置される載置面701が水平面上における任意の位置に移動可能に構成されている。
制御部800は、溶接システム1の各装置を制御する。具体的には、制御部800は、レーザ出力機10に、レーザビームLの出力を実行させたり、停止させたりすることができる。また、制御部800は、吸引バルブ500および供給バルブ600を、開放状態と閉鎖状態とに切り替え、移動テーブル700を任意の位置に移動させる。また、制御部800は、溶接開始指示を、図示しない入力部を介して受け付ける。
図9は、レーザ出力機10と、吸引バルブ500と、供給バルブ600との動作を示すタイムチャートである。制御部800が溶接開始指示を受け付ける前には、レーザ出力機10はレーザビームLの出力を停止しており、吸引バルブ500および供給バルブ600は閉鎖状態になっている。制御部800は、溶接開始指示を受け付けると、吸引バルブ500を閉鎖状態(図9では「CLOSE」)から開放状態(図9では「OPEN」)に切り替える(図9のタイミングT1)。吸引バルブ500が開放状態に切り替わると、吸引装置30の吸引力によって、対向部250の開口部251内およびその周辺の気体が、吸引口321から吸引孔300内に吸引されるようになる。
ベース部210の配置面222に配置されたワークW1が対向部250の開口部251を介して溶接されると、ワークW1からスパッタ等が発生することがある。本実施形態によれば、発生したスパッタ等は、開口部251に形成された吸引口321から、吸引孔300を介して吸引装置30に吸引される。従って、溶接によって発生したスパッタ等がワークW1に付着することを抑制することができる。
図10には、斜め上側から見た実施形態2の溶接用治具200Aの外観構成が示されている。溶接用治具200Aは、ワークW2が配置される配置面222Aを有するベース部210Aと、配置面222Aに対向して配置される対向部250Aとを備える。ベース部210Aは、方形の平板状の部材であり、例えば、金属により形成されている。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
Claims (9)
- 溶接対象のワークが配置される配置面を有するベース部と、
前記ベース部の前記配置面と対向して配置される対向部であって、外壁面の内、前記ベース部と対向する第1の表面から前記第1の表面とは反対側の第2の表面まで貫く開口部が形成された対向部と、を備える溶接用治具において、
前記対向部の内部には、吸引孔が形成され、前記吸引孔の一端は、前記開口部を構成している前記対向部の内壁面に形成された吸引口を構成し、前記吸引孔の他端は、前記対向部の前記外壁面に形成され、吸引装置に連通可能な吸引側連通口を構成していることを特徴とする、溶接用治具。 - 請求項1に記載の溶接用治具において、
前記吸引口は、前記対向部の前記内壁面の内、前記第2の表面よりも前記第1の表面に近い位置に形成されていることを特徴とする、溶接用治具。 - 請求項1または請求項2に記載の溶接用治具において、
前記開口部の前記内壁面は、第1の内壁部分と、前記第2の表面側への開き角度が前記第1の内壁部分よりも大きい第2の内壁部分とを有し、
前記吸引口は、前記第1の内壁部分に形成されていることを特徴とする、溶接用治具。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の溶接用治具において、
前記開口部の内壁面は、互いに対向する第1の内壁面と第2の内壁面とを有し、
前記吸引口は、前記第1の内壁面に形成され、
前記対向部の内部には、さらに、供給孔が形成され、前記供給孔の一端は、前記開口部の前記第2の内壁面に形成された供給口を構成し、前記供給孔の他端は、前記対向部の外壁面に形成され、気体を供給する供給装置に連通可能な供給側連通口を構成していることを特徴とする、溶接用治具。 - 請求項4に記載の溶接用治具において、
前記供給口は、前記対向部の前記内壁面の内、前記第2の表面よりも前記第1の表面に近い位置に形成されていることを特徴とする、溶接用治具。 - 請求項4または請求項5に記載の溶接用治具において、
前記開口部の前記内壁面は、第1の内壁部分と、前記第1の内壁部分よりも前記第2の表面側に位置し、前記第2の表面側への開き角度が前記第1の内壁部分よりも大きい第2の内壁部分とを有し、
前記供給口は、前記第1の内壁部分に形成されていることを特徴とする、溶接用治具。 - 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の溶接用治具と、
前記吸引口から前記吸引装置への吸引気体の流路を開放する開放状態と前記吸引気体の流路を閉鎖する閉鎖状態とに切り替わる吸引バルブと、
前記供給装置から前記供給口への供給気体の流路を開放する開放状態と前記供給気体の流路を閉鎖する閉鎖状態とに切り替わる供給バルブと、
前記吸引バルブの前記開放状態と前記閉鎖状態との切り替えと、前記供給バルブの前記開放状態と前記閉鎖状態との切り替えとを制御する制御部と、を備えることを特徴とする、溶接装置。 - 請求項7に記載の溶接装置において、
前記制御部は、
前記ワークの溶接が開始される際、前記供給バルブが前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替わる以前に、前記吸引バルブが前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替わるように制御することを特徴とする、溶接装置。 - 請求項7または請求項8に記載の溶接装置において、
前記制御部は、
前記ワークの溶接が終了される際、前記吸引バルブが前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替わる以前に、前記供給バルブが前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替わるように制御することを特徴とする、溶接装置。
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