JP2007317594A - 固体酸化物形燃料電池セルスタックおよび固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体酸化物からなる電解質層の表裏面に燃料極と空気極を配設してなるセル100と、導電性を有するセパレータとを交互に積層した固体酸化物形燃料電池セルスタック10において、複数の前記セル100が前記セパレータの一面に当接する。前記セパレータは、カソード板状部材200とアノード板状部材300とで構成される。
【選択図】 図1
Description
この内部マニホールド方式では、同一の部材にセルホルダとマニホールド、またはセパレータとマニホールドを同時に加工できるため、外部マニホールド方式に比べて部品点数および加工に関わる費用の点で優位性があると考えられる。
また、本発明は、シール性能の低下を抑えることを目的とする。
また、内部マニホールド方式を採用するとともに、同一セパレータ上のセルに対するマニホールドを共通化することで、シールする箇所を半減し、シール性能の低下を抑えることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態にかかるセルスタックついて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態にかかるセルスタック10の構成を示す俯瞰図、図2はセルスタック10の側面図である。
図1に示すように、セルスタック10は、円板形のセル100と、セパレータを構成するカソード板状部材200及びアノード板状部材300と、例えばNi系金属の発泡体、Ni系金属の不織布またはNi系金属のメッシュ部材であるアノード集電部材400と、例えばステンレス系の金属不織布、この金属不織布の焼結体またはステンレス系のメッシュ部材であるカソード集電部材500と、セパレータが有する燃料ガス供給マニホールド、酸化剤ガス供給マニホールド及び燃料ガス排気マニホールドそれぞれと対応する貫通孔を有するマニホールド絶縁部材600と、大径部と小径部とを有する位置決め絶縁部材700とから構成される。
空気極103の材質としては、高温酸化雰囲気下で安定で、触媒能が高く、かつ高い電子導電性を有する酸化物あるいは金属、例えば銀(Ag)や白金(Pt)、電気伝導性酸化物であるSr添加ランタンマンガナイト((La、Sr)MnO3、LSM)やランタンニッケル鉄酸化物(La(Ni、Fe)O3、LNF)などの材料が用いられる。
なお、本実施の形態においては、形状が平板型のセル100でもよいし、図3(b)に示すように、薄い電解質層101および空気極103が厚い燃料極102を基板として構造的に支えられた燃料極支持型のセル100を用いてもよいことは言うまでもない。特に、燃料極支持型のセル100を用いる場合、酸化剤ガス等が燃料極102と接触しないようにするため、電解質層101まで達するまでシール材をシールする必要がある。
図4(a)に示すように、面300aには、燃料ガス供給マニホールドを形成する第1の燃料ガス供給マニホールド孔301と、酸化剤ガス供給マニホールドを形成する第1の酸化剤ガス供給マニホールド孔302と、燃料ガス排出マニホールドを形成する第1の燃料ガス排出マニホールド孔303とが、アノード板状部材300の中央に設けられている。
なお、固定孔307は、アノード板状部材300の四隅にそれぞれ設けられているが、固定孔307の位置および個数を限定するものではなく、例えば、アノード板状部材300の四隅の他に、四隅の中間点それぞれにも固定孔307を設ける等、任意に設計してよいことはいうまでもない。
図5(a)に示すように、面200aには、アノード板状部材300の面300bと接合した場合に、第1の燃料ガス供給マニホールド孔301に接続する第2の燃料ガス供給マニホールド孔201と、第1の酸化剤ガス供給マニホールド孔302に接続する第2の酸化剤ガス供給マニホールド孔202と、第1の燃料ガス排出マニホールド孔303と接続する第2の燃料ガス排出マニホールド孔203と、固定孔307と接続する固定孔208とが設けられている。
アノード板状部材300の面300bと当接した場合に、各燃料ガス供給溝204の他端は燃料ガス供給孔305に、また、各燃料ガス排気溝206の他端は燃料ガス排出孔306にそれぞれ接続する。
また、各酸化剤ガス供給溝205の他端には、酸化剤ガス供給孔207が設けられている。
さらに、この突出台209上には、酸化剤ガス供給孔207と、一端がこの酸化剤ガス供給孔207と接続する溝210とが設けられている。この溝210により、当接した空気極103全体に酸化剤ガスを供給することができる。なお、溝210は、必須の構成要素ではないことはいうまでもない。
その結果、セパレータは、第1の燃料ガス供給マニホールド301と第2の燃料ガス供給マニホールド201との接合により形成される燃料ガス供給マニホールドと、第1の酸化剤ガス供給マニホールド302と第2の酸化剤ガス供給マニホールド202との接合により形成される酸化剤ガス供給マニホールドと、第1の燃料ガス排気マニホールド303と第2の燃料ガス排気マニホールド203との接合により形成される燃料ガス排気マニホールドと、固定孔208と固定孔307との接合により形成される固定孔と、燃料ガス供給溝204と面300bとの接合により形成される燃料ガス供給流路と、酸化剤ガス供給溝205と面300bとの接合により形成される酸化剤ガス供給流路と、燃料ガス排気溝206と面300bとの接合により形成される燃料ガス排気流路とを有するものとなる。
なお、アノード板状部材300とカソード板状部材200とを接合して設けられる貫通孔は、接合後に設けるようにしてもよい。また、燃料ガス供給流路、酸化剤ガス供給流路および燃料ガス排気流路は、カソード板状部材200に設けられた溝とアノード板状部材300の面とによって構成されるとしたが、この溝をアノード板状部材300の面に設けるようにしてもよい。その場合、カソード板状部材200に設けられた溝はなくてもよい。
この位置決め絶縁部材700をセパレータが有する固定孔に嵌入することで、セパレータの位置を固定することができる。また、大径部の上面に隣接する別の位置決め絶縁部材700の小径部が係入することで、2つの位置決め絶縁部材700を互いに連結することができる。
具体的には、セル100の空気極103をカソード板状部材200の各突出台209と当接させ、また、マニホールド絶縁部材600が有する3つの貫通孔それぞれをカソード板状部材200の第2の燃料ガス供給マニホールド孔201、第2の酸化剤ガス供給マニホールド孔202及び第2の燃料ガス排気マニホールド孔203に合わせて積層する。ここでは、空気極103と各突出台209との当接は、カソード集電部材500を介して行われる。このカソード集電部材500により、空気極103全体に酸化剤ガスを供給することができる。なお、カソード集電部材500は、必須の構成要素ではないことはいうまでもない。
また、この出力電力を略同一とする効果は、位置決め絶縁部材700によってセパレータ間が固定されること、また、燃料ガス供給孔301、酸化剤ガス供給孔207および燃料ガス排気孔302をマニホールドから対称に設け、各セル100に対し均等にガス供給および排気を行うことから、同一セパレータ上のセル同士の電圧ばらつき防止をより高めることができる。
さらに、セパレータ間は、セパレータの突出台209の高さやマニホールド絶縁部材600の厚さ、または、セパレータ間での積層したマニホールド絶縁部材600の数で調節し、隣接するセパレータとの短絡を防ぐことができる。なお、この調節に基づいて、位置決め絶縁部材700の長さ、または、セパレータ間における位置決め絶縁部材700の連結した数でセルスタック10の連結を保つことができることは言うまでもない。
また、本実施の形態においては、燃料ガス供給マニホールドと酸化剤ガス供給マニホールドと燃料ガス排気マニホールドとを有するセルスタック10を示したが、同様の構成の仕方で、酸化剤ガス排気マニホールドを有するとしてもよい。また、燃料ガス供給マニホールドおよび酸化剤ガス供給マニホールドのみ有するとしてもよい。
また、本実施の形態においては、第1の燃料ガス供給マニホールド孔301と、第1の酸化剤ガス供給マニホールド孔302と、第1の燃料ガス排出マニホールド孔303とが、アノード板状部材300の中央に設けられているとしたが、例えばアノード板状部材300の端に設けるなど、設計に応じて任意の位置に設けてもよい。
まず、酸化剤ガスの給排気について図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、酸化剤ガスG2は、酸化剤ガス供給マニホールドを通り、セパレータが有する酸化剤ガス供給流路から酸化剤ガス供給孔207に到達する。そして、酸化剤ガスG2は、セル100の空気極103に接触する。
1/2O2 +2e- →O2- ・・・(1)
図7(a)に示すように、燃料ガスG1は、燃料ガス供給マニホールドを通り、セパレータが有する燃料ガス供給流路から燃料極供給孔305に到達する。そして、燃料ガスG1は、セル100の燃料極102に接触する。
H2 +O2- →H2O+2e- ・・・(2)
CO+O2- →CO2+2e- ・・・(3)
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるセルスタックについて図面を参照しながら説明する。
図8(a)は、本実施の形態にかかるセルスタック10の正面図、また図8(b)はその側面図である。
図8に示すように、第2の実施の形態にかかるセルスタック10は、第1の実施の形態で示したセルスタック10にさらに、本発明における押圧手段に相当する押圧部材を有し、この押圧部材は、このセルスタック10の燃料ガス供給マニホールド、酸化剤ガスマニホールド及び燃料ガス排気マニホールドと接続し各ガスを給排気するガス供給台座20と、2枚の連結板40と、この2枚の連結板40を接続する固定ボルトナット50とを組合わせたものである。
この固定ボルトナット50を用いてセルスタック10をその積層方向に押圧し、セルスタック10の密着性をより高く保つことができる。
なお、本実施の形態において、押圧部材として固定ボルトナット50を用いたが、空気バネやセラミックバネ等の押圧機構を代用又は併用するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるセルスタックについて図面を参照しながら説明する。
図9(a)は、本実施の形態にかかるセルスタック10の上面図、また、図9(b)はその正面図である。
図9に示すように、本実施の形態にかかるセルスタック10は、第1の実施の形態で示したセルスタック10を複数並列し、さらに、本発明における押圧手段に相当する押圧部材を有し、この押圧部材は、この各セルスタック10の燃料ガス供給マニホールド、酸化剤ガスマニホールド及び燃料ガス排気マニホールドと接続し各ガスを給排気するガス供給台座20と、2枚の連結板40と、この2枚の連結板40を接続する固定ボルトナット50とを組合わせたものである。
この固定ボルトナット50を用いて複数並列したセルスタック10をその積層方向に押圧し、各セルスタック10の密着性を均一により高く保つことができる。
このようにすることで、並列した各セルスタック10の密着性を均一により高く保つことができるので、各セルスタック10の電圧ばらつきを略一定にすることができる。もちろん、空気バネやセラミックバネ等の押圧機構を固定ボルトナット50の代用又は固定ボルトナット50との併用に用いてもよいことは言うまでもない。
Claims (11)
- 固体酸化物からなる電解質層の表裏面に燃料極と空気極を配設してなるセルと、導電性を有するセパレータとを交互に積層した固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
複数の前記セルが同一の前記セパレータの一面に当接する
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1に記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、さらに、
前記セパレータの間に配置され、貫通孔を有する絶縁部材を備え、
前記セパレータは、貫通孔と、この貫通孔内に一端が開口し、前記セルと当接する領域内に他端が開口する流路とを有し、
積層された前記絶縁部材の貫通孔と前記セパレータの貫通孔とが互いに接続されて、マニホールドを形成する
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項2に記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
前記絶縁部材は、2つの前記セパレータの間で複数積層される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項2または3に記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、さらに、
前記セパレータの一面に当接する複数のセルは、前記セパレータの貫通孔に関して対称に配置されている
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項2乃至4のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
前記セパレータは、アノード側板状部材とカソード側板状部材とから構成され、
前記流路は、前記アノード側板状部材と前記カソード側板状部材との互いに対向する面の少なくとも一方に溝を設けることにより形成される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1乃至5のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
前記セパレータは、連結用貫通孔を有し、
この連結用貫通孔に嵌入される絶縁体からなる連結部材によって互いに連結され、
この連結部材は、大径部と小径部とを有し、前記大径部の上面に隣接する連結部材の小径部が係入される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1乃至6のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
前記セルは、平板型または円板型の形状である
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1乃至7のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
前記セルの空気極は、ステンレス系の金属不織布、この金属不織布の焼結体およびステンレス系のメッシュの少なくともいずれか1つを介して前記セパレータと当接する
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1乃至8のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、
前記セルの燃料極は、Ni系金属の発泡体、Ni系金属の不織布およびNi系金属のメッシュの少なくともいずれか1つを介して前記セパレータと当接する
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1乃至9のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて、さらに、
積層された前記セルと前記セパレータとをその積層方向に押圧する押圧手段を有する
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルスタック。 - 請求項1乃至10のいずれか1つに記載された固体酸化物形燃料電池セルスタックを有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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