JP6430286B2 - 流体機械およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、腐食性ガスを搬送する送風機等の流体機械において、酸性物質に対する耐腐食性を高めるために、流体機械を構成する部材を耐腐食材料で被覆する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)
特許文献1は、排煙脱硫装置用軸流ファンの金属製の動翼表面を樹脂層で被膜するものである。
しかしながら、比較的小型の流体機械など、組み立てた後に被膜を行うことが困難な連結部分を有する場合には、その連結部分における金属製部材の耐腐食性を高めることができない。
本発明の一態様に係る流体機械は、腐食性ガスが搬送される空間を形成するとともに第2部材と連結される金属製の第1部材と、前記第1部材と前記第2部材とが連結された状態で前記第1部材と前記第2部材との間に配置されるとともに前記第1部材に接合された耐腐食部材とを備え、前記第1部材と前記耐腐食部材との接合部の前記空間側の端部を覆うように耐腐食層が形成されている。
そのため、第1部材が第2部材に連結される際の締め付け作業等により過大な荷重がかかる場合であっても、耐腐食部材と接合される第1部材の接合部の耐腐食性が確保される。
そのため、第1部材と耐腐食部材との接合部の空間側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
このように、本発明の一態様に係る流体機械によれば、流体機械が備える第1部材と第2部材との連結部分における耐腐食性を高めることができる。
また、インペラケーシングと耐腐食部材との接合部の空間側の端部を覆うように耐腐食層が形成されている。そのため、インペラケーシングと耐腐食部材との接合部の空間側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
また、インペラケーシングと耐腐食部材との接合部の空間側の端部を覆うように耐腐食層が形成されている。そのため、インペラケーシングと耐腐食部材との接合部の空間側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
また、シールボックスと耐腐食部材との接合部の空間側の端部を覆うように耐腐層が形成されている。そのため、シールボックスと耐腐食部材との接合部の空間側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
また、第1部材と耐腐食部材との接合部の空間側の端部を覆うように耐腐食層が形成されている。そのため、インペラケーシングと耐腐食部材との接合部の空間側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
このようにすることで、腐食性ガスに含まれる窒素酸化物と水が反応することにより生成される硝酸または硫黄酸化物と水が反応することにより生成される硫酸によって金属製の第1部材が腐食することを抑制することができる。
このようにすることで、体積変化を生じさせずに第1部材と耐腐食部材とを強固に接合することができる。また、冷間溶接に一体に接合された耐腐食部材と第1部材とを同時に機械加工することが可能となり、機械加工の施工性が向上する。
そのため、第1部材が第2部材に連結される際の締め付け作業等により過大な荷重がかかる場合であっても、耐腐食部材と接合される第1部材の接合部の耐腐食性が確保される。
このように、本発明の一態様に係る流体機械の製造方法によれば、流体機械が備える第1部材と第2部材との連結部分における耐腐食性を高めた流体機械を製造することができる。
本実施形態の排ガス再循環システムは、燃料の燃焼により発生した排ガス(腐食性ガス)の一部を燃焼用空気に混入して燃焼温度を低下させることによりNOxの減少を図るシステムである。
本実施形態の排ガス再循環システムでは、排ガスの一部を燃焼用空気に混入して酸素濃度を低くし、燃料と酸素との反応である燃焼速度を遅らせる。これにより、火炎の最高温度が低下し、NOxの生成が抑制される。
舶用内燃機関10は、重油や軽油等のディーゼルエンジン用燃料を燃焼させることにより、プロペラ軸を回転させる駆動力を得る。舶用内燃機関10における燃焼により生成される排ガスは、排気管81に排出されるとともに排気管81を介して過給機20へ供給される。排気管81は、舶用内燃機関10から排出される排ガスを過給機20へ案内する配管である。
タービン21は、排気管81から流入する排ガスにより駆動されてロータ軸23を回転させる。コンプレッサ22は、ロータ軸23の回転に伴って回転するタービンインペラ(図示略)を有し、タービンインペラの回転によって外部の空気を圧縮してエアクーラ60へ導く。
タービン21を回転させる動力として利用された排ガスは、排気管82へ流入する。
EGRバルブ30に流入した排ガスを除く他の排ガスは、排気管83に導かれ、煙突70から船舶の外部へ排出される。
スクラバ40において排ガス中の粒子を捕集した洗浄液は、ポンプ41によって水処理装置42に供給される。水処理装置42は、洗浄液に含まれる排ガス中の粒子を除去し、洗浄液をスクラバ40へ供給する。
本実施形態の遠心ブロワ50は、後述するように、硝酸,硫酸等の酸性物質に対する耐腐食性が確保された構造となっている。
図2に示すように、遠心ブロワ50は、インペラ51と、回転軸52と、駆動モータ53と、インペラケーシング54と、シールボックス55と、軸受部56とを備える。
また、図3〜図5に示すように、本実施形態の遠心ブロワ50は、耐腐食部材57a〜57eと、耐腐食層58a〜58dとを備える。
回転軸52とインペラ51とは、強度が高く耐腐食性のある金属製材料により形成されている。金属製材料としては、例えば、SUS317等の耐腐食性のあるステンレス鋼や、インコネル(登録商標)等のニッケル合金が用いられる。
また、インペラケーシング54のケーシング部54bは、排ガスが搬送される空間S2と対向する対向面を備えるとともにシールボックス55と連結されている。
また、インペラケーシング54のケーシング部54bは、排ガスが搬送される空間S3と対向する対向面を備えるとともに再循環管85と連結されている。
吸入口54cから流入する排ガスは、ガイド部54aにより形成される空間S1に導かれる。空間S1に導かれた排ガスは、軸線Xに沿ってインペラ51の内部へ流入し、軸線X方向から軸線X方向に直交する径方向に導かれ、羽根51cを通過して空間S2に導かれる。空間S2に導かれた排ガスは、排出口54d側の空間S3へ送風されて排出口54dから再循環管85へ排出される。
シールボックス55を形成する金属製材料として、例えば、ねずみ鋳鉄,ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄材が用いられる。
シールボックス55は、排ガスが搬送される空間S2と対向する対向面を備えるとともにインペラケーシング54と連結されている。
ドライガスシール55fは、シールボックス55の内部に形成される空間S4にシール空気供給口から空気を供給して空間S4から空間S2へ向けて空気を流入させるものである。空間S4を空間S2よりも高圧な状態に維持することにより、空間S2から空間S4へ向けて腐食性ガスである排ガスが流入することが抑制される。
図3に示すように、インペラケーシング54のガイド部54aの再循環管84側の端部には、フランジ部54eが形成されている。フランジ部54eの再循環管84側の端面は軸線Xを中心とする円環形状となっている。この円環形状の端面には、平面視がフランジ部54eと同形状の薄板状の耐腐食部材57aが接合されている。
図3に示すように、フランジ部54eとフランジ部84aとは、締結ボルト91と締結ナット92によって連結されており、フランジ部54eとフランジ部84aとが連結された状態で、耐腐食部材57aがこれらの部材の間に挟まれて配置されている。
耐腐食層58aの厚さは、適宜に設定することが可能であるが、例えば、1500μm以上かつ2000μm以下の範囲で設定するのが好ましい。
このようにすることで、インペラケーシング54のフランジ部54eと再循環管84のフランジ部84aとを連結した後に、これらの連結位置を覆うように耐腐食層58aを形成することなく、連結位置の耐腐食性を確保することができる。
図4に示すように、インペラケーシング54のケーシング部54bのシールボックス55側の端部には、フランジ部54fが形成されている。フランジ部54fのシールボックス55側の端面は軸線Xを中心とする円環形状となっている。この円環形状の端面には、平面視がフランジ部54fと同形状の薄板状の耐腐食部材57bが接合されている。
耐腐食部材57bの材質および厚さは、前述した耐腐食部材57aと同様であるものとする。
また、耐腐食部材57bのフランジ部54fへの接合方法についても、前述した耐腐食部材57aと同様であるものとする。
耐腐食部材57cの材質および厚さは、前述した耐腐食部材57cと同様であるものとする。
また、耐腐食部材57cのフランジ部55dへの接合方法についても、前述した耐腐食部材57aと同様であるものとする。
耐腐食層58aの厚さは、適宜に設定することが可能であるが、例えば、1500μm以上かつ2000μm以下の範囲で設定するのが好ましい。
耐腐食層58bの厚さは、適宜に設定することが可能であるが、図4に示す例では耐腐食部材57cと同じ厚さに設定している。また、例えば、1500μm以上かつ2000μm以下の範囲で設定してもよい。
このようにすることで、インペラケーシング54のフランジ部54fとシールボックス55のフランジ部55dとを連結した後に、これらの連結位置を覆うように耐腐食層を形成することなく、連結位置の耐腐食性を確保することができる。
このようにすることで、シールボックス55のフランジ部55dとインペラケーシング54のフランジ部54fとを連結した後に、これらの連結位置を覆うように耐腐食層を形成することなく、連結位置の耐腐食性を確保することができる。
図5に示すように、インペラケーシング54のケーシング部54bの再循環管85側の端部には、フランジ部54gが形成されている。フランジ部54gの再循環管85側の端面は軸線Yを中心とする円環形状となっている。この円環形状の端面には、平面視がフランジ部54gと同形状の薄板状の耐腐食部材57eが接合されている。
耐腐食部材57eの材質および厚さは、前述した耐腐食部材57aと同様であるものとする。
また、耐腐食部材57eのフランジ部54gへの接合方法についても、前述した耐腐食部材57aと同様であるものとする。
図5に示すように、フランジ部54gとフランジ部85aとは、締結ボルト95と締結ナット96によって連結されており、フランジ部54gとフランジ部85aとが連結された状態で、耐腐食部材57eがこれらの部材の間に挟まれて配置されている。
耐腐食層58dの厚さは、適宜に設定することが可能であるが、例えば、1500μm以上かつ2000μm以下の範囲で設定するのが好ましい。
このようにすることで、インペラケーシング54のフランジ部54gと再循環管85のフランジ部85aとを連結した後に、これらの連結位置を覆うように耐腐食層58dを形成することなく、連結位置の耐腐食性を確保することができる。
図2に示すように軸受部56は、駆動軸53と駆動軸53に連結される回転軸52およびインペラ51の鉛直方向の荷重を支持しつつ、駆動軸53を回転させる軸受装置である。
図6に示すように、軸受部56は、シールボックス55に連結される軸受保持部材56bとその上部に配置される軸受支持部材56cと、軸受保持部材56b,56cに挟まれた状態で保持される玉軸受56aとを備える。
まず第1に、インペラケーシング54およびシールボックス55を、鋳造等の製造工程によって製造する。
第2に、インペラケーシング54のフランジ部54eに耐腐食部材57aを冷間溶接により接合し、インペラケーシング54のフランジ部54fに耐腐食部材57bを冷間溶接により接合し、インペラケーシング54のフランジ部54gに耐腐食部材57eを冷間溶接により接合する。
第3に、シールボックス55のフランジ部55dに耐腐食部材57cを冷間溶接により接合し、ドライガスシール55fの取付位置におけるシールボックス55に耐腐食部材57dを冷間溶接により接合する。
第5に、インペラケーシング54のケーシング部54bの空間S2と対向する対向面に、耐腐食層58bを形成する。この際に、ケーシング部54bのフランジ部54fと耐腐食部材57bとの接合部の空間S2側の端部を覆うように耐腐食層58bを形成する。
第6に、インペラケーシング54のケーシング部54bの空間S3と対向する対向面に、耐腐食層58dを形成する。この際に、ケーシング部54bのフランジ部54gと耐腐食部材57eとの接合部の空間S3側の端部を覆うように耐腐食層58dを形成する。
第9に、シールボックス55にドライガスシール55fを取り付けた後に、インペラケーシング54のフランジ部54fとシールボックス55のフランジ部55dとを締結ボルト93および締結ナット94で締結する。
第10に、シールボックス55に駆動モータ53を取り付ける。
以上のようにして本実施形態の遠心ブロワ50が製造される。
そのため、インペラケーシング54のフランジ部54eが再循環管84のフランジ部84aに連結される際の締め付け作業等により過大な荷重がかかる場合であっても、耐腐食部材57aと接合されるフランジ部54eの接合部の耐腐食性が確保される。
そのため、インペラケーシング54の対向面の耐腐食性が確保されるとともに、インペラケーシング54と耐腐食部材57aとの接合部の空間S1側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
そのため、インペラケーシング54のフランジ部54fがシールボックス55のフランジ部55dに連結される際の締め付け作業等により過大な荷重がかかる場合であっても、耐腐食部材57bと接合されるフランジ部54fの接合部の耐腐食性が確保される。
そのため、インペラケーシング54の対向面の耐腐食性が確保されるとともに、インペラケーシング54と耐腐食部材57bとの接合部の空間S2側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
そのため、シールボックス55のフランジ部55dがインペラケーシング54のフランジ部54fに連結される際の締め付け作業等により過大な荷重がかかる場合であっても、耐腐食部材57cと接合されるフランジ部55dの接合部の耐腐食性が確保される。
そのため、シールボックス55の対向面の耐腐食性が確保されるとともに、シールボックス55と耐腐食部材57cとの接合部の空間S2側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
そのため、インペラケーシング54の排出口54dに形成されるフランジ部54gが再循環管85のフランジ部85aに連結される際の締め付け作業等により過大な荷重がかかる場合であっても、耐腐食部材57eと接合されるフランジ部54gの接合部の耐腐食性が確保される。
そのため、インペラケーシング54の対向面の耐腐食性が確保されるとともに、インペラケーシング54と耐腐食部材57eとの接合部の空間S3側の端部から腐食性物質が接合部に侵入することが防止される。
20 過給機
50 遠心ブロワ(流体機械)
51 インペラ
52 回転軸
53 駆動モータ
53a 駆動軸
54 インペラケーシング
54a ガイド部
54b ケーシング部
54c 吸入口
54d 排出口
54e フランジ部
54f フランジ部
54g フランジ部
55 シールボックス
55a シール空気供給口
55b 連通穴
55d フランジ部
55f ドライガスシール(シール部)
56 軸受部
56a 玉軸受
56b,56c 軸受保持部材
57a,57b,57c,57d,57e 耐腐食部材
58a,58b,58c,58d 耐腐食層
81,82,83 排気管
84,85 再循環管
84a,85a フランジ部
86 吸気管
91,93,95,97 締結ボルト
92,94,96 締結ナット
100 排ガス再循環システム
P1,P2,P3 位置
S1,S2,S3,S4,S5 空間
Claims (8)
- 腐食性ガスが搬送される空間を形成するとともに第2部材と連結される第1部材と、
前記第1部材と前記第2部材とが連結された状態で前記第1部材と前記第2部材との間に配置されるとともに前記第1部材に接合された耐腐食部材とを備え、
前記第1部材と前記耐腐食部材との接合部の前記空間側を覆うように耐腐食層が形成されている流体機械。 - 軸線回りに回転するとともに外部から流入する前記腐食性ガスを送風するインペラを備え、
前記第1部材は、前記インペラを内部に収容するとともに前記軸線に沿って流入する前記腐食性ガスを内部に導く吸入口を備えるインペラケーシングであり、
前記第2部材は、前記吸入口に形成される第1フランジ部と連結される第2フランジ部が形成されるとともに前記吸入口へ前記腐食性ガスを導く部材であり、
前記耐腐食部材は、前記第1フランジ部に接合されている請求項1に記載の流体機械。 - 軸線回りに回転するとともに外部から流入する前記腐食性ガスを送風するインペラと、
前記インペラに連結されるとともに前記軸線回りに回転する回転軸とを備え、
前記第1部材は、前記インペラを内部に収容するとともに前記回転軸側に形成される第1フランジ部を備えるインペラケーシングであり、
前記第2部材は、前記第1フランジ部と連結される第2フランジ部と前記回転軸の外周面に配置されるとともに前記インペラケーシング内の前記腐食性ガスの流出を抑制するシール部とを備えるシールボックスであり、
前記耐腐食部材は、前記第1フランジ部に接合されている請求項1に記載の流体機械。 - 軸線回りに回転するとともに外部から流入する前記腐食性ガスを送風するインペラと、
前記インペラに連結されるとともに前記軸線回りに回転する回転軸とを備え、
前記第2部材は、前記インペラを内部に収容するとともに前記回転軸側に形成される第2フランジ部を備えるインペラケーシングであり、
前記第1部材は、前記第2フランジ部と連結される第1フランジ部と前記回転軸の外周面に配置されるとともに前記インペラケーシング内の前記腐食性ガスの流出を抑制するシール部を備えるシールボックスであり、
前記耐腐食部材は、前記第1フランジ部に接合されている請求項1に記載の流体機械。 - 軸線回りに回転するとともに外部から流入する前記腐食性ガスを送風するインペラを備え、
前記第1部材は、前記インペラを内部に収容するとともに前記軸線に沿って流入する前記腐食性ガスを内部に導く吸入口と前記インペラにより送風される前記腐食性ガスを排出する排出口を備えるインペラケーシングであり、
前記第2部材は、前記排出口に形成される第1フランジ部と連結される第2フランジ部が形成されるとともに前記排出口から排出される前記腐食性ガスを流通させる排出流路を形成する部材であり、
前記耐腐食部材は、前記第1フランジ部に接合されている請求項1に記載の流体機械。 - 前記腐食性ガスは、窒素酸化物または硫黄酸化物を含むガスである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の流体機械。
- 前記耐腐食部材は、冷間溶接により前記第1部材に接合されている請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の流体機械。
- 腐食性ガスが搬送される空間を形成するとともに第2部材と連結される金属製の第1部材に耐腐食部材を接合する接合工程と、
前記第2部材との間に前記耐腐食部材が配置されるように前記第1部材を前記第2部材に連結する工程と、
前記第1部材と前記耐腐食部材との接合部の前記空間側を覆うように耐腐食層を形成する工程とを備える流体機械の製造方法。
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