JP2016089671A - 送風機、排ガス再循環システム、および送風機の製造方法 - Google Patents

送風機、排ガス再循環システム、および送風機の製造方法 Download PDF

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賢一 原
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剛 戸谷
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Mitsunari Gotou
充成 後藤
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Abstract

【課題】排ガスに対する耐腐食性を高めつつインペラと回転軸との連結部の強度を十分に確保する。
【解決手段】内燃機関から排出される排ガスを送風する遠心ブロワ50であって、インペラ51と、インペラ51に連結されるとともに軸線X上に配置される回転軸52と、回転軸52に連結される駆動軸53aを有するとともに駆動軸53aを軸線X回りに回転させる駆動モータ53と、複数の軸受53b,53cを備え、インペラ51と回転軸52とが樹脂材により一体成型されており、駆動モータ53には駆動軸53aを軸線Xに沿った複数の位置で支持する軸受53b,53cが配置され、一体成型されたインペラ51と回転軸52には軸受53b,53cが配置されない遠心ブロワ50を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、送風機、排ガス再循環システム、および送風機の製造方法に関する。
一般に、ディーゼルエンジンの排ガスには、NOx、SOxおよび煤塵等の有害物質や環境に負荷を与える物質が含まれている。特に、船舶用のディーゼルエンジンにおいて、排出される有害物質への規制が厳しくなる傾向がある。そのため、このような有害物質の排出を抑制するための種々の方式が提案されている。
有害物質を低減させる代表的なシステムとしてNOxを低減できる排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
排ガス再循環システムは、燃料の燃焼により発生した排気ガスの一部を燃焼用空気に混入して燃焼温度を低下させることによりNOxの減少を図るシステムである。排ガス再循環システムでは、排気ガスの一部を燃焼用空気に混入して酸素濃度を低くし、燃料と酸素との反応である燃焼速度を遅らせる。これにより、火炎の最高温度が低下し、NOxの生成が抑制される。
特許文献1に開示された排ガス再循環システムは、排ガスをディーゼルエンジンの排気管から吸気管に再循環させる再循環管を備える。また、再循環管には、排ガス中のNOx、SOxを除去するスクラバと、スクラバにより浄化された排ガスを送風する送風機が設けられている。
特開2002−332919号公報
排ガス再循環システムにおいて、送風機が吸入する排ガスはスクラバにより浄化されているが、NOx,SOxがある程度含まれている。これらNOx,SOxと水が反応することにより硝酸,硫酸等の酸性物質が生成される。送風機は、排ガスを送風するインペラを備えているが、インペラはステンレス等の比較的耐食性の高い金属により形成されるのが一般的である。しかしながら送風機のインペラはステンレス等を用いても、硝酸,硫酸等の酸性物質によって腐食してしまうという問題がある。インペラのみを更に耐腐食性の高い材料で形成することも考えられるが、高速回転するインペラとそれに連結される回転軸との連結部の強度を十分に確保することが困難である。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、排ガスに対する耐腐食性を高めつつインペラと回転軸との連結部の強度を十分に確保した送風機を提供することを目的とする。
また、本発明は、前述した送風機を備えた排ガス再循環システム、および前述した送風機の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る送風機は、内燃機関から排出される排ガスを送風する送風機であって、軸線回りに回転するとともに前記内燃機関から流入する前記排ガスを送風するインペラと、前記インペラに連結されるとともに前記軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸に連結される駆動軸を有するとともに該駆動軸を前記軸線回りに回転させる駆動部と、複数の軸受部とを備え、前記インペラと前記回転軸とが樹脂材により一体成型されており、前記駆動部には一体成型された前記回転軸および前記インペラが連結された前記駆動軸を前記軸線に沿った複数の位置で支持する前記複数の軸受部が配置され、一体成型された前記インペラおよび前記回転軸には前記軸受部が配置されない。
本発明の一態様に係る送風機は、内燃機関から流入する排ガスを送風するインペラと、インペラと同軸に配置される回転軸とが、樹脂材により一体成型されている。そのため、排ガスに接触するインペラの耐腐食性を高めつつインペラと回転軸との連結部の強度を十分に確保することができる。回転軸に連結される駆動軸を有する駆動部には駆動軸を軸線に沿った複数の位置で支持する複数の軸受部が配置される。一方、一体成型されたインペラおよび回転軸には軸受部が配置されない。軸受部には、駆動軸、駆動軸に連結される回転軸、およびインペラの荷重がかかるが、回転軸とインペラとが樹脂製で軽量であるため、回転軸を支持する別途の軸受部を設けることなくこれらの荷重を支持することができる。よって、送風機を構成する部品数を削減するとともに軽量化を図ることができる。
本発明の一態様に係る送風機は、前記インペラを内部に収容するとともに前記軸線に沿って流入する前記排ガスを内部に導く吸入口と前記インペラにより送風される前記排ガスを排出する排出口を有するインペラケーシングと、前記インペラケーシングに取り付けられるとともに前記軸線に沿って流入する前記排ガスを前記吸入口へ導くガイド部と、前記インペラケーシング内の前記排出口側の空間と前記吸入口側の空間との通気を抑制する環状シール部とを有し、前記ガイド部は、前記吸入口を取り囲むように前記軸線に直交する平面上に配置されて所定幅の環状面を形成する環状先端面を有し、前記環状シール部は、前記環状先端面に向かって板厚が漸次減少して先端部にエッジを形成するとともに該先端部が前記環状先端面に近接した状態で配置された構成であってもよい。
本構成の送風機において、吸入口から軸線に沿ってインペラケーシングの内部に流入する排ガスは、軸線に直交する径方向に導かれてインペラケーシングの排出口へ送風される。インペラケーシングの排出口に送風される排ガスは吸入口に流入する排ガスよりも高圧であるため、インペラケーシングの排出口側の空間と吸入口側の空間とが連通していると、インペラケーシングの排出口側の空間から吸入口側の空間へ排ガスが逆流し、送風機の送風性能が悪化してしまう。
本構成の送風機によれば、インペラケーシングの排出口側の空間と吸入口側の空間との通気が環状シール部により抑制されるため、送風機の送風性能を向上させることができる。本構成の送風機のインペラは樹脂材により成型されているため、常温クリープ現象により、軸線方向に直交する径方向の長さが徐々に長くなる性質がある。この性質により、環状シール部も径方向に拡大する変形をするが、環状シール部はその先端部にエッジを形成するとともにその先端部が軸線に直交する平面に配置されるガイド部の環状先端面に近接した状態で配置されている。これにより、環状シール部が径方向に拡大してその先端位置が変化しても、環状シール部の先端部とガイド部の環状先端面とが近接してシール性を維持する。そのため、常温クリープ現象によりインペラの径方向の長さが長くなっても、送風機の送風性能が維持される。
上記構成の送風機は、前記回転軸と前記駆動軸とが連結される連結部を収容するとともに前記軸線方向の一端面が前記インペラケーシングに連結され他端面が前記駆動部に連結されるハウジングと、前記ハウジング内部の前記インペラケーシング側の前記一端面に前記回転軸を取り囲むように取り付けられるとともに前記インペラケーシングから前記ハウジングへの前記排ガスの流入を抑制する第1シール部材とを備えるものであってもよい。
上記の送風機は、第1シール部材により回転軸を取り囲むようにし、インペラケーシングからハウジングへの排ガスの流入を抑制する。このようにすることで、腐食性のある排ガスがハウジング内部に流入して駆動部が腐食することを抑制することができる。
上記構成の送風機は、更に、前記ハウジング内部に空気を供給して前記ハウジング内部の空気圧を増加させる空気供給部を備えるものであってもよい。
このようにすることで、ハウジング内部の空気圧を増加させ、インペラケーシングからハウジングへの排ガスの流入をより確実に抑制することができる。
上記構成の送風機は、更に、前記ハウジング内部を、前記インペラケーシング側の第1空間と前記駆動部側の第2空間とに分離する隔壁と、前記隔壁に前記回転軸を取り囲むように取り付けられるとともに前記第1空間から前記第2空間への前記排ガスの流入を抑制する第2シール部材を備え、前記空気供給部は、前記第1空間に空気を供給して前記第1空間の空気圧を増加させ、前記ハウジングは、前記第2空間と外気とを通気するための連通穴を有するものであってもよい。
このようにすることで、第2空間の空気圧を増加させて駆動部が空気圧による影響を受けることを防止するとともに、空気圧を増加させる第1空間を狭くして空気圧の増加に要する空気供給部の負荷を低減することができる。
本発明の一態様に係る送風機は、前記回転軸と前記駆動軸とが連結される連結部において、前記回転軸の先端部に円筒状の凸部が形成され、前記駆動軸の先端部に前記凸部が嵌め込み挿入される凹部が形成され、前記凹部の内周面が、前記凸部が挿入された状態で該凸部の外周面との間に前記軸線回りに延在する環状の微小隙間が形成される形状となる構成であってもよい。
本構成の送風機において、回転軸は樹脂材により成型されているため軸線回りに高速に回転し、回転による遠心力によって軸線方向に直交する径方向の長さが長くなる。回転軸の先端部に形成された凸部の外周面と駆動軸の先端部に形成された凹部の内周面との間に形成される環状の微小隙間を適宜な間隔に調整することにより、回転軸の回転に伴って凸部の外周面が凹部の外周面に接触する。これにより、回転軸の中心軸と駆動軸の中心軸とを一致させることができる。
本発明の一態様に係る送風機は、前記インペラと前記回転軸とがポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂により一体成型されている構成であってもよい。
このようにすることで、硝酸,硫酸等の酸性物質に対する耐腐食性が高い材料によりインペラおよび回転軸を一体成型することができる。
本発明の一態様に係る排ガス再循環システムは、内燃機関と、前記内燃機関に空気を供給する吸気管と、前記内燃機関から排出される排ガスを案内する排気管と、前記排気管により案内される排ガスによって回転するタービンと該タービンとともに回転して前記内燃機関に空気を供給するコンプレッサを有する過給機と、前記排気管に案内された前記排ガスの一部を前記吸気管に案内する再循環管と、該再循環管に設けられる上記のいずれかに記載の送風機とを備える。
このようにすることで、排ガスに接触するインペラの耐腐食性を高めつつインペラと回転軸との連結部の強度を十分に確保した送風機を備える排ガス再循環システムを提供することができる。
本発明の一態様に係る送風機の製造方法は、内燃機関から排出される排ガスを送風する送風機の製造方法であって、前記送風機は、軸線回りに回転するとともに前記内燃機関から流入する前記排ガスを送風するインペラと、前記インペラに連結されるとともに前記軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸に連結される駆動軸を有するとともに該駆動軸を前記軸線回りに回転させる駆動部と、複数の軸受部とを備え、前記インペラおよび前記回転軸を樹脂材により一体成型する工程と、一体成型された前記回転軸および前記インペラを、前記駆動軸に連結する連結工程とを備え、前記連結工程により前記回転軸および前記インペラに連結された前記駆動軸は前記軸線に沿った複数の位置で前記複数の軸受部によって支持され、一体成型された前記インペラおよび前記回転軸は前記軸受部によって支持されない。
本発明の一態様に係る送風機の製造方法によれば、内燃機関から流入する排ガスを送風するインペラと、インペラと同時に配置される回転軸とが、樹脂材により一体成型される。そのため、排ガスに接触するインペラの耐腐食性を高めつつインペラと回転軸との連結部の強度を十分に確保することができる。また、本製造方法により製造される送風機は、回転軸に連結される駆動軸が軸線に沿った複数の位置で複数の軸受部によって支持される。一方、一体成型されたインペラおよび回転軸は軸受部によって支持されない。軸受部には、駆動軸、駆動軸に連結される回転軸、およびインペラの荷重がかかるが、回転軸とインペラとが樹脂材で成型されて軽量であるため、回転軸を支持する別途の軸受部を設けることなくこれらの荷重を支持することができる。よって、送風機を構成する部品数を削減するとともに軽量化を図ることができる。
本発明によれば、排ガスに対する耐腐食性を高めつつインペラと回転軸との連結部の強度を十分に確保した送風機を提供することができる。
また、本発明によれば、前述した送風機を備えた排ガス再循環システム、および前述した送風機の製造方法を提供することができる。
本実施形態の排ガス再循環システムを示す概略構成図である。 図1に示す遠心ブロワを示す分解斜視図である。 図1に示す遠心ブロワを示す縦断面図である。 図3に示すインペラのA−A矢視断面図である。 図3に示すインペラ近傍の要部拡大図である。 図3に示す回転軸近傍の要部拡大図である。
以下、本実施形態の排ガス再循環システムについて図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の排ガス再循環システムは100、舶用内燃機関10と、過給機20と、EGRバルブ30と、スクラバ40と、遠心ブロワ50(送風機)と、エアクーラ60と、煙突70と、排気管81,82,83と、再循環管84,85と、吸気管86とを備えている。
本実施形態において、内燃機関は舶用内燃機関10であり、さらには、舶用ディーゼルエンジンであり、プロペラ軸および推進用プロペラ(図示略)を回転させる船舶推進用の主機である。舶用内燃機関10は、軽油等のディーゼルエンジン用燃料を燃焼させることにより、プロペラ軸を回転させる駆動力を得る。舶用内燃機関10における燃焼により生成される排ガスは、排気管81に排出されるとともに排気管81を介して過給機20へ供給される。排気管81は、舶用内燃機関10から排出される排ガスを過給機20へ案内する配管である。
過給機20は、タービン21およびコンプレッサ22を有するとともに、これらが両端に取り付けられるロータ軸23を有する。
タービン21は、排気管81から流入する排ガスにより駆動されてロータ軸23を回転させる。コンプレッサ22は、ロータ軸23の回転に伴って回転するタービンインペラ(図示略)を有し、タービンインペラの回転によって外部の空気を圧縮してエアクーラ60へ導く。
タービン21を回転させる動力として利用された排ガスは、排気管82へ流入する。
EGRバルブ30は、排気管82に流入する排ガスのうち再循環管84,85を介して吸気管86へ案内する排ガスの流量を調整する装置である。EGRバルブ30は、その一端(上流端)が排気管82の下流端に接続され、その他端(下流端)がスクラバ40に接続される。EGRバルブ30は、その内部に備える弁体機構(図示略)の開度を調整することにより、排気管82を流通する排ガスの全流量に対する再循環管84に導く排ガスの流量を調整する。
EGRバルブ30に流入した排ガスを除く他の排ガスは、排気管82から排気管83に導かれ、煙突70から船舶の外部へ排出される。
スクラバ40は、水等の液体を洗浄液として、排ガス中の粒子(NOx,SOx,煤塵等)を洗浄液の液滴や液膜中で捕集して分離する装置である。スクラバ40は、EGRバルブ30から流入する排ガス中の粒子を捕集し、洗浄された排ガスを再循環管84を供給する。
スクラバ40において排ガス中の粒子を捕集した洗浄液は、ポンプ41によって水処理装置42に供給される。水処理装置42は、洗浄液に含まれる排ガス中の粒子を除去し、洗浄液をスクラバ40へ供給する。
EGRバルブ30からスクラバ40に流入する排ガスの温度は、例えば、250℃〜300℃である。それに対して、スクラバ40から再循環管84へ流入する排ガスの温度は約50℃である。このように排ガスの温度が低下するのは、洗浄液によって排ガスの熱が吸熱されるためである。
遠心ブロワ50は、再循環管84から供給される排ガスを圧縮して送風し、再循環管85へ供給する装置である。遠心ブロワ50に供給される排ガスはスクラバ40により浄化されているが、NOx,SOxがある程度含まれている。また、これらNOx,SOxなどと水が反応することにより生成された硝酸,硫酸等の酸性物質もある程度含まれている。
本実施形態の遠心ブロワ50は、後述するように、硝酸,硫酸等の酸性物質に対する耐腐食性の高い材料により形成されている。
エアクーラ60は、過給機20のコンプレッサ22で圧縮された空気を冷却し、吸気管86を介して舶用内燃機関10のシリンダ(図示略)に空気を供給する装置である。エアクーラ60は、コンプレッサ22から供給される空気を冷却することにより、空気の気体密度を増して圧縮比を向上させ、舶用内燃機関10の出力を向上させる装置である。
エアクーラ60は、コンプレッサ22から供給される空気と再循環管85から供給される排ガスとをそれぞれ冷却した上で混合して混合ガスとし、吸気管86へ供給する。吸気管86を介して舶用内燃機関10に供給される混合ガスは、冷却されているとともに酸素濃度が低くなっている。そのため、本実施形態の排ガス再循環システム100は、舶用内燃機関10の出力を向上させ、かつNOxの生成を抑制することができる。
次に、本実施形態の遠心ブロワ50について、図2〜図4を参照して説明する。
図2,図3に示すように、遠心ブロワ50は、インペラ51と、回転軸52と、駆動モータ53(駆動部)と、フローガイド54(ガイド部)と、インペラケーシング55と、ハウジング56と、隔壁57と、シールリング58(第1シール部材)と、シールリング59(第2シール部材)とを備える。
図2は、図1に示す遠心ブロワを示す分解斜視図であるが、インペラケーシング55、ハウジング56、シールリング58,59の図示を省略している。
インペラ51は、駆動モータ53が駆動軸53aと回転軸52を介して伝達する回転力により軸線X回りに回転するとともに再循環管84から供給される排ガスを昇圧して所定の流量を送風する。インペラ51は、円板状の主板51aと、主板と同径の円板状の側板51bと、主板51aと側板51bとの間に配置される複数の羽根51cと、ガイドリング51d(環状シール部)と、ハブ51eを有する。図4の断面図(図3のA−A矢視断面図)に示すように、インペラ51の羽根51cは、軸線X回りの周方向に一定間隔で配置されている。インペラ51は、インペラケーシング55の内部に収容されている。
図3に示すように、インペラケーシング55は、軸線Xに沿って再循環管84から供給される排ガス(図3の左方に示す矢印)を内部に導く吸入口55aと、インペラ51により送風される排ガスを再循環管85へ排出する排出口55bとを有する。吸入口55aには、再循環管84から供給される排ガスを案内するフローガイド54(ガイド部)が取り付けられている。
吸入口55aから流入する排ガスは、インペラケーシング55の内部の吸入口55a側の空間SA1に導かれる。空間SA1に導かれた排ガスは、インペラ51のハブ51eによって軸線X方向から軸線X方向に直交する径方向に導かれ、羽根51cを通過して排出口55b側の空間SA2に導かれる。空間SA2に導かれた排ガスは、排出口55bへ送風されて排出口55bから再循環管85へ排出される。
回転軸52は、インペラ51に連結されるとともに軸線X上に配置されている。図3の縦断面図に示すように、回転軸52とインペラ51とは1つの部材であり、樹脂材により一体成型されている。ここで、一体成型とは同一部材で分離可能な部分が無く形成された構造である。いくつかの成型部品を溶接・溶着して1つのものに形成されたものも一体成型である。インペラ51と回転軸52を一体成型するために種々の樹脂材を利用可能であるが、100℃以下の腐食性ガスを送風する仕様環境から、例えば、ポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂を用いることができる。
ポリカーボネート系樹脂およびポリエーテルイミド系樹脂は、硝酸,硫酸等の酸性物質に対する耐腐食性が高い。また、ポリカーボネート系樹脂およびポリエーテルイミド系樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、切削加工に加えて、素材を加熱して柔軟化もしくは溶融化した素材を射出成型して複雑な形状に形成することも出来るので好ましい。特に、三次元プリンタを用いて回転軸52とインペラ51とを一体成型する場合、あるいは回転軸52とインペラ51とを別体の成型部品で成型した後に溶接・溶着により一体とする場合には、熱可塑性樹脂を用いるのが適している。
熱可塑性樹脂の他にも加熱により凝固する熱硬化性樹脂、紫外線など光エネルギにより硬化する紫外線硬化樹脂など種々適用が可能であるが、本実施形態ではインペラ51の仕様環境から熱可塑性樹脂であるポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂を用いる。
前述したフローガイド54と、後述するハウジング56も、インペラ51,回転軸52と同様に、ポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂を用いて成型することができる。
駆動モータ53は、回転軸52に連結される駆動軸53aを有するとともに駆動軸53aを軸線X回りに回転させる装置である。本実施形態では、駆動モータ53は、駆動軸53aと、軸受53b(軸受部)と、軸受53c(軸受部)と、電極コイル53dと、回転子53eと、モータケーシング53fとを有する。電極コイル53dはモータケーシング53fの内周面に固定され、回転子53eは駆動軸53aの外周面に固定されている。駆動モータ53のモータケーシング53fのインペラ51側の端面は、ハウジング56に取り付けられている。駆動モータ53の駆動軸53aの回転するための手法は、上記構造に限定されず、いわゆる直流モータや交流モータなど各種利用が可能であり、回転数や回転トルクを調整可能なギア構造を内蔵するものでもよい。
駆動モータ53は、インバータで供給電流を制御するインバータモータであり、電極コイル53dに流す電流を制御することにより電極コイル53dが磁石である回転子53eに与える磁力が調整される。駆動モータ53は、電極コイル53dに流す電流を制御することにより駆動軸53aの回転数が任意の回転数(例えば、4000〜7000rpm)に制御することができる。
駆動軸53aは、モータケーシング53fに固定された複数の軸受により軸線Xに沿った複数の位置で支持されている。本実施形態ではモータケーシング53fの内部に、軸受53bと軸受53cの2つの軸受により支持され、軸受53bの許容荷重は、軸受53cの許容荷重よりも大きくなっている。これは、駆動軸53aの一端にインペラ51と一体成型された回転軸52が連結されており、軸受53cよりも軸受53bの方が支持する荷重が大きいからである。またインペラ51と一体成型された回転軸52は樹脂材製で軽量のために、モータケーシング53fの内部に設けた軸受53bと軸受53cの2つの軸受により支持することが可能である。
ハウジング56は、回転軸52と駆動軸53aの一端とが連結される連結部を収容する略円筒形状の部材である。
ハウジング56の軸線X方向のインペラ51側の端部はインペラケーシング55に連結され、ハウジング56の軸線X方向の駆動モータ53側の端部はモータケーシング53fに連結される。
ハウジング56内部のインペラ51側の端面には、回転軸52を取り囲むようにシールリング58が締結ボルトによって取り付けられている。シールリング58の内周面の径は回転軸52の外周面の径と略同径であり、シールリング58の内周面と回転軸52の外周面との間に微小の隙間が設けられている。そのため、インペラケーシング55の空間SA2からハウジング56内部への排ガスの流入が抑制される。
ハウジング56には、内部空間をインペラケーシング55側の空間SB1(第1空間)と駆動モータ53側の空間SB2(第2空間)とに分離する隔壁57が設けられている。隔壁57には、回転軸52を取り囲むようにシールリング59が締結ボルトによって取り付けられている。シールリング59の内周面の径は回転軸52の外周面の径と略同径であり、シールリング59の内周面と回転軸52の外周面との間に微小の隙間が設けられている。そのため、空間SB1から空間SB2への排ガスの流入が抑制される。
隔壁57は、半割れ構造となっており、第1隔壁部57aと第2隔壁部57bとを回転軸52を取り囲むように配置した後に、これらをエポキシ系樹脂の接着剤により接着して回転軸52に取り付けられる。
シールリング58およびシールリング59の材料としては、耐食性に加えて、回転軸52よりも硬度が低く回転軸52との接触により回転軸52を摩耗させずに、シールリング58およびシールリング59自体が摩耗するような材料を用いるのが好ましい。シールリング58およびシールリング59の材料として、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂を用いることができる。
ハウジング56には、外部に設けられた空気供給源(図示略)からハウジング56の空間SB1に空気を供給して空間SB1の空気圧を増加させるシール空気供給口56aが設けられている。シール空気供給口56aから供給する空気によって空間SB1の空気圧を増加させ、インペラケーシング55の空間SA2よりも高圧にすることにより、空間SA2から空間SB1へ排ガスが流入することが抑制される。
ハウジング56の外周面には、空間SB2を外気と通気させるための連通穴56bが複数設けられていて、空間SB2に流入したシール空気などのガスの排出や、空間SB2内部と外気との通風を可能とする。このとき空間SB2内は略大気圧に維持される。空間SB2が略大気圧に維持されるため、シール空気供給口56aから空間SB1に流入したシール空気が空間SB2に流入したとしても、シール空気は連通穴56bから排出される。そのため、シール空気供給口56aから供給されるシール空気の圧力が駆動モータ53に伝達されることが抑制される。
ハウジング56内部の空間SB2には、駆動軸53aと回転軸52の連結部分があり、この連結部分の風損などによる温度上昇が発生する場合がある。この場合も、空間SB2に流入したシール空気を連通穴56bから排出したり、空間SB2内部と外気との通風を可能とすることで、空間SB2の温度上昇を抑制する効果がある。
次に、図2,図3に示すインペラ51のガイドリング51dについて、図5を参照して説明する。
図5に示すように、インペラ51は、インペラケーシング55の排出口55b側の空間SA2と吸入口55a側の空間SA1との流通を抑制する環状のガイドリング51dを有する。ガイドリング51dの先端部は、フローガイド54の先端面54aに近接した状態で配置されている。ガイドリング51dの先端部とフローガイド54の先端面54aは、仮に接触してもインペラ51の回転に支障を生じないように、ガイドリング51dは、フローガイド54の先端面54aに向かって板厚が順次減少する傾斜面を持たせて、その先端の板厚が1mm程度としたエッジを形成した形状になっている。フローガイド54の先端面54aは、吸入口55aを取り囲むように軸線Xに直交する平面上に配置される平面である。
図5に示すように、フローガイド54の先端面54aは径方向に一定の幅を持っている。そのため、樹脂材により形成したインペラ51が軸線X回りの回転による遠心力で常温クリープ現象により径方向に拡大するように変形する場合であっても、フローガイド54の先端面54aにガイドリング51dの先端部が近接した状態が維持される。例えば、図5に示すガイドリング51dの先端位置が径方向の内側の位置(図5で実線で示す位置)から径方向の外側の位置(図5で破線で示す位置)に移動したとしても、フローガイド54の先端面54aにガイドリング51dの先端部が近接した状態が維持される。
フローガイド54の先端面54aは径方向に所定の幅を持つ環状の面であり、所定の幅はガイドリング51dの先端位置の移動に対応できるよう10mm以上が好ましく、インペラ51のガイドリング51dの径の増加に応じて一定の幅はさらに広くなることが望ましいが、機器のサイズが大きくなり過ぎないよう50mm以下に選定することが好ましい。
なお、インペラ51が径方向に拡大するように変形する場合、その変形に伴ってインペラ51が相対的に軸線X方向に縮小するような位置関係に変化する。この場合、フローガイド54の先端面54aに対してガイドリング51dの先端位置が軸線X方向に僅かながら離間することとなる。しかしながら、ガイドリング51dの先端位置の軸線X方向の移動量は、径方向の移動量に対して十分に小さいため、ガイドリング51dの先端位置が軸線X方向へ移動することよるシール性能(空間SA1と空間SA2との通気を抑制する性能)の低下はごく僅かである。
また、インペラ51の側板51bは、吸入口55a部分が大きな開口円となるため、側板51bの強度を確保するためにガイドリング51dが効果的な役割を発揮している。このとき側板51bの厚さをT3とした場合、ガイドリング51dの軸線X方向の厚さT1とガイドリング51dの径方向の厚さT2は、十分に厚くするのが望ましい。T1およびT2をT3に対して十分に厚くすることにより、インペラ51が高速回転することによって側板51bが受ける軸線X回りの周方向の応力をガイドリング51dによって十分に支持することができる。
次に、回転軸52と駆動軸53aの連結部について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、回転軸52の先端部にはフランジ52aがあり、その端側面には軸線X方向に延びる円筒状の凸部52bが形成されている。一方、駆動軸53aの先端部にはフランジ53gがあり、その端側面には、凸部52bが挿入される凹部53hが形成されている。回転軸52のフランジ52aには貫通穴52c周方向に複数個所形成され、各貫通穴52cに向き合うように駆動軸53aのフランジ53gには貫通穴53iが周方向に複数個所形成されている。凸部52bを凹部53hに挿入し嵌め合わせた状態で貫通穴52cと貫通穴53iに締結ボルト91を挿入して締結ナット92と締結することにより、回転軸52と駆動軸53aとが軸線Xが合致した状態で連結される。
図6には貫通穴52cが1つだけ示されているが、貫通穴52cはフランジ52aの軸線X回りの複数箇所に設けられているものとする。同様に、図6には貫通穴53iが1つだけ示されているが、貫通穴53iはフランジ53gの軸線X回りの複数箇所に設けられているものとする。複数の貫通穴52cと貫通穴53iのそれぞれに、締結ボルト91を挿入して締結ナット92と締結することにより、回転軸52と駆動軸53aとが軸線Xを中心とする回転に耐久するよう強固に連結される。
ここで、回転軸52が樹脂製であるのに対し、駆動軸53aは金属製(例えば、アルミ合金)である。そのため、回転軸52が回転することで発生する遠心力により凸部52bが径方向に拡大する長さに比べ、駆動軸53aが回転することで発生する遠心力により凹部53hが径方向に拡大する長さはに短くなる。
そして、凹部53hの内周面は、回転軸52および駆動軸53aが回転しない停止状態かつ凸部52bが凹部53hに挿入された状態で、凸部52bの外周面との間に軸線X回りに延在する環状の微小隙間CLが形成される形状となっている。環状の微小隙間CLは、凸部52bが凹部53hに無理なく挿入でき、ガタ付が無い状況となるよう、凸部52bの外径または凹部53hの内径の交差で管理された値であり、凸部52bのサイズに応じて凸部52bの外径または凹部53hの内径の1/10〜1/100の間で適値が選定される。
凹部53hの内周面と凸部52bの外周面との間に適切な環状の微小隙間CLを設けることにより、回転軸52の回転に伴って凸部52bの外周面が凹部53hの内周面に接触する。これにより、回転軸52と駆動軸53aとの連結時の軸芯合せを容易に行いつつ、回転軸52の中心軸と駆動軸53aの中心軸とを更に厳密に回転に伴って一致させることができる。
前述した締結ボルト91と締結ナット92とは、それぞれ樹脂製(例えば、ポリカーボネート系樹脂およびポリエーテルイミド系樹脂)により形成されるのが望ましい。これらを樹脂製とすることにより、締結ボルト91と締結ナット92とを締めつけ過ぎたとしても、樹脂製の回転軸52のフランジ52aよりも先に締結ボルト91と締結ナット92が破断するようにし、フランジ52aが損傷しないようにすることができる。
次に、本実施形態の遠心ブロワ50の製造方法について説明する。
まず始めに、遠心ブロワ50を構成する樹脂製の部材を成型する。本実施形態においては、インペラ51と回転軸52とを樹脂により1つの部材として一体成型する(成型工程)。また、フローガイド54とインペラケーシング55を樹脂によりそれぞれ成型する。
ハウジング56と、隔壁57と、シールリング58と、シールリング59については、回転軸52の周囲を覆う部材であるため、軸線Xに沿って複数(例えば、2つ)に分割した部材を樹脂材により成型する。
樹脂により部材を成型する方法として、射出成型により成型する方法や、インゴットから切削加工で削り出して成型する方法など、各種の成型方法を用いることができ、適宜各部品に分けて成型後に接着して一体とすることができる。また、例えば、三次元プリンタを用いて適宜各部品の接着を省略するように成型してもよい。三次元プリンタを用いる成型には、各種の成型方法があるが、例えば、樹脂材を溶かしながら送り出す造形ヘッドを設け、造形ヘッドをX軸、Y軸方向に移動させ、更にZ軸方向に昇降させて三次元形状を形成する熱溶解積層方式を用いることができる。
このとき、造形ヘッドで溶出した樹脂材は、造形ヘッドを移動させた方向には樹脂材が連続的に配列されるので本来樹脂材が保有する強度を確保することができる。一方、同一のZ軸であるが先に造形ヘッドを移動させ溶出した樹脂材に隣接して溶出した樹脂材とは、樹脂材が連続的に配列されていないので本来樹脂材が保有する強度よりも強度が低下することがある。
本実施形態で一体に成型するインペラ51と回転軸52は、軸線X回りに回転する部材であるため、回転による遠心力を受ける。この遠心力は、軸線X回りの周方向に作用するため、周方向の力に対して十分な強度を持つようにインペラ51と回転軸52とを一体成型するのが望ましい。
そこで本実施形態では、回転軸52の中心軸回りの周方向に三次元プリンタの造形ヘッドを移動させ、周方向に沿って樹脂材が配列されるようにインペラ51と回転軸52を成型するものとする。このようにすることで、インペラ51と回転軸52とが一体成型された部材の遠心力に対する強度を高くすることができる。
インペラ51と回転軸52とを一体成型した部材のインペラ51部分をインペラケーシング55に挿入する。更に、インペラケーシング55の吸入口55aにフローガイド54を取り付ける。次に、回転軸52と駆動モータ53の駆動軸53aを連結する(連結工程)。
その後、回転軸52と駆動軸53aとの連結部分を収容するようにハウジング56を取り付けるとともに、その内部に隔壁57と、シールリング58と、シールリング59を取り付ける。隔壁57と、シールリング58と、シールリング59は、複数に分割した部材であるため、回転軸52を取り囲むように複数の部材を配置した後に、樹脂製(例えば、エポキシ系樹脂製)の接着剤により接着される。
半割れの他方側のハウジング56を一方側のハウジング56にかぶせて密着させ、所定の固定(図示せず)を行う。
以上のようにして本実施形態の遠心ブロワ50が製造される。
以上説明した本実施形態の遠心ブロワ50が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の遠心ブロワ50は、再循環管84から流入する排ガスを送風するインペラ51と、インペラ51と同軸に配置される回転軸52とが、樹脂材により一体成型されている。そのため、排ガスに接触するインペラ51の耐腐食性を高めつつインペラ51と回転軸52との連結部の強度を十分に確保することができる。また、回転軸52に連結される駆動軸53aを有する駆動モータ53が、駆動軸53aを軸線Xに沿った複数の位置で支持する軸受53b,53cを有している。軸受53b,53cには、駆動軸53a、駆動軸53aに連結される回転軸52、およびインペラ51の荷重がかかるが、回転軸52とインペラ51とが樹脂材製で軽量であるため、回転軸52を支持する別途の軸受部を設けることなくこれらの荷重を支持することができる。よって、遠心ブロワ50を構成する部品数を削減するとともに軽量化を図ることができる。
本実施形態の遠心ブロワ50において、吸入口55aから軸線Xに沿ってインペラケーシング55の内部に流入する排ガスは、軸線Xに直交する径方向に導かれてインペラケーシング55の排出口55bへ送風される。インペラケーシング55の排出口55bに送風される排ガスは吸入口55aに流入する排ガスよりも高圧であるため、インペラケーシング55の排出口55b側の空間SA2と吸入口55a側の空間SA1とが連通していると、インペラケーシング55の排出口55b側の空間SA2から吸入口55a側の空間SA1へ排ガスが逆流し、遠心ブロワ50の送風性能が悪化してしまう。
本実施形態の遠心ブロワ50によれば、インペラケーシング55の排出口55b側の空間SA2と吸入口55a側の空間SA1へ流入がガイドリング51dにより抑制されるため、遠心ブロワ50の送風性能を向上させることができる。本実施形態の遠心ブロワ50のインペラ51は樹脂材により成型されているため、常温クリープ現象により、軸線X方向に直交する径方向の長さが徐々に長くなる性質がある。この性質により、ガイドリング51dも径方向に拡大する変形をするが、ガイドリング51dは軸線Xに直交する平面に配置されるフローガイド54の環状先端面54aに近接した状態で配置されている。これにより、ガイドリング51dが径方向に拡大してその先端位置が変化しても、ガイドリング51dの先端位置とフローガイド54の環状先端面54aとが近接する状態が維持される。そのため、常温クリープ現象によりインペラ51の径方向の長さが長くなっても、遠心ブロワ50の送風性能が維持される。
本実施形態の遠心ブロワ50は、シールリング58により回転軸52を取り囲むようにし、インペラケーシング55からハウジング56の空間SB1への排ガスの流入を抑制する。このようにすることで、腐食性のある排ガスがハウジング56内部に流入して駆動モータ53が腐食することを抑制することができる。
本実施形態の遠心ブロワ50は、更に、ハウジング56内部に空気を供給してハウジング56内部の空間SB1の空気圧を増加させるシール空気供給口56aを備える。
このようにすることで、ハウジング56内部の空気圧を増加させ、インペラケーシング55からハウジング56への排ガスの流入をより確実に抑制することができる。
本実施形態の遠心ブロワ50は、更に、ハウジング56内部を、インペラケーシング55側の空間SB1と駆動モータ53側の空間SB2とに分離する隔壁57と、隔壁57に回転軸52を取り囲むように取り付けられるとともに空間SB1から空間SB2への排ガスの流入を抑制するシールリング59を備える。また、ハウジング56は、空間SB2を大気圧に維持するための連通穴56bを有する。
このようにすることで、空間SB2の空気圧を増加させて駆動モータ53が空気圧による影響を受けることを防止するとともに、空気圧を増加させる空間SB1を狭くして空気圧の増加に要するシール空気供給口56aの負荷を低減することができる。また、空間SB2には、駆動軸53aと回転軸52の連結部分の風損などによる温度上昇が発生する場合があっても、空間SB2に流入したシール空気を連通穴56bから排出することで、空間SB2の温度上昇を抑制する効果がある。
本実施形態の遠心ブロワ50は、回転軸52の先端部に円筒状の凸部52bが形成されており、駆動軸53aの先端部に凸部52bが挿入され嵌め合う凹部53hが形成されている。また、凹部53hの内周面が、凸部52bが挿入された状態で軸線Xが一致するが、さらに凸部52bの外周面との間に軸線X回りに延在する環状の微小隙間CLが形成される形状となっている。
本実施形態の遠心ブロワ50において、回転軸は52樹脂材により成型されているため軸線X回りに高速に回転することにより、軸線X方向に直交する径方向の長さが長くなる。回転軸52の先端部に形成された凸部52bの外周面と駆動軸53aの先端部に形成された凹部53hの内周面との間に形成される環状の微小隙間CLを適宜な間隔に調整することにより、回転軸52の回転に伴って凸部52bの外周面が凹部53hの内周面に接触する。これにより、回転軸52の中心軸と駆動軸53aの中心軸とをさらに厳密に一致させることができる。
〔他の実施形態〕
以上の説明において、フローガイド54をポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂を用いて成型するものとした。この場合、フローガイド54の先端面54aはポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂であるが、他の態様であってもよい。
例えば、フローガイド54の先端面54aを覆うようにフッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))製のシートを接着剤で貼り付けるようにしてもよい。
このようにすることで、フローガイド54の先端面54aにガイドリング51dの先端部が接触した場合に、ガイドリング51dの先端部が摩耗することを抑制することができる。
10 舶用内燃機関(内燃機関)
20 過給機
50 遠心ブロワ(送風機)
51 インペラ
51d ガイドリング(環状シール部)
52 回転軸
52a フランジ
52b 凸部
53 駆動モータ(駆動部)
53a 駆動軸
53b 軸受(軸受部)
53c 軸受(軸受部)
53g フランジ
53h 凹部
54 フローガイド(ガイド部)
55 インペラケーシング
55a 吸入口
55b 排出口
56 ハウジング
56a シール空気供給口(空気供給部)
56b 連通穴
57 隔壁
58 シールリング(第1シール部材)
59 シールリング(第2シール部材)
81,82,83 排気管
84,85 再循環管
86 吸気管
91 締結ボルト
92 締結ナット
100 排ガス再循環システム
SA1 空間(吸入口側の空間)
SA2 空間(排出口側の空間)
SB1 空間(第1空間)
SB2 空間(第2空間)

Claims (9)

  1. 内燃機関から排出される排ガスを送風する送風機であって、
    軸線回りに回転するとともに前記内燃機関から流入する前記排ガスを送風するインペラと、
    前記インペラに連結されるとともに前記軸線回りに回転する回転軸と、
    前記回転軸に連結される駆動軸を有するとともに該駆動軸を前記軸線回りに回転させる駆動部と、
    複数の軸受部とを備え、
    前記インペラと前記回転軸とが樹脂材により一体成型されており、
    前記駆動部には前記駆動軸を前記軸線に沿った複数の位置で支持する前記複数の軸受部が配置され、一体成型された前記インペラおよび前記回転軸には前記軸受部が配置されない送風機。
  2. 前記インペラを内部に収容するとともに前記軸線に沿って流入する前記排ガスを内部に導く吸入口と前記インペラにより送風される前記排ガスを排出する排出口を有するインペラケーシングと、
    前記インペラケーシングに取り付けられるとともに前記軸線に沿って流入する前記排ガスを前記吸入口へ導くガイド部と、
    前記インペラケーシング内の前記排出口側の空間と前記吸入口側の空間との通気を抑制する環状シール部とを有し、
    前記ガイド部は、前記吸入口を取り囲むように前記軸線に直交する平面上に配置されて所定幅の環状面を形成する環状先端面を有し、
    前記環状シール部は、前記環状先端面に向かって板厚が順次減少して先端部にエッジを形成するとともに該先端部が前記環状先端面に近接した状態で配置される請求項1に記載の送風機。
  3. 前記回転軸と前記駆動軸とが連結される連結部を収容するとともに前記軸線方向の一端面が前記インペラケーシングに連結され他端面が前記駆動部に連結されるハウジングと、
    前記ハウジング内部の前記インペラケーシング側の前記一端面に前記回転軸を取り囲むように取り付けられるとともに前記インペラケーシングから前記ハウジングへの前記排ガスの流入を抑制する第1シール部材とを備える請求項2に記載の送風機。
  4. 前記ハウジング内部に空気を供給して前記ハウジング内部の空気圧を増加させる空気供給部を備える請求項3に記載の送風機。
  5. 前記ハウジング内部を、前記インペラケーシング側の第1空間と前記駆動部側の第2空間とに分離する隔壁と、
    前記隔壁に前記回転軸を取り囲むように取り付けられるとともに前記第1空間から前記第2空間への前記排ガスの流入を抑制する第2シール部材を備え、
    前記空気供給部は、前記第1空間に空気を供給して前記第1空間の空気圧を増加させ、
    前記ハウジングは、前記第2空間をと外気とを通気するための連通穴を有する請求項4に記載の送風機。
  6. 前記回転軸と前記駆動軸とが連結される連結部において、前記回転軸の先端部に円筒状の凸部が形成され、前記駆動軸の先端部に前記凸部が嵌め込み挿入される凹部が形成され、
    前記凹部の内周面が、前記凸部が挿入された状態で該凸部の外周面との間に前記軸線回りに延在する環状の微小隙間が形成される形状となっている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送風機。
  7. 前記インペラと前記回転軸とがポリカーボネート系樹脂またはポリエーテルイミド系樹脂により一体成型されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の送風機。
  8. 内燃機関と、
    前記内燃機関に空気を供給する吸気管と、
    前記内燃機関から排出される排ガスを案内する排気管と、
    前記排気管により案内される排ガスによって回転するタービンと該タービンとともに回転して前記内燃機関に空気を供給するコンプレッサを有する過給機と、
    前記排気管に案内された前記排ガスの一部を前記吸気管に案内する再循環管と、
    該再循環管に設けられる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の送風機とを備える排ガス再循環システム。
  9. 内燃機関から排出される排ガスを送風する送風機の製造方法であって、
    前記送風機は、
    軸線回りに回転するとともに前記内燃機関から流入する前記排ガスを送風するインペラと、
    前記インペラに連結されるとともに前記軸線回りに回転する回転軸と、
    前記回転軸に連結される駆動軸を有するとともに該駆動軸を前記軸線回りに回転させる駆動部と、
    複数の軸受部とを備え、
    前記インペラおよび前記回転軸を樹脂材により一体成型する成型工程と、
    一体成型された前記回転軸および前記インペラを、前記駆動軸に連結する連結工程とを備え、
    前記連結工程により前記回転軸および前記インペラに連結された前記駆動軸は前記軸線に沿った複数の位置で前記複数の軸受部によって支持され、一体成型された前記インペラおよび前記回転軸は前記軸受部によって支持されない送風機の製造方法。
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