JP6429237B2 - 免疫寛容部位形成剤及び免疫抑制性細胞の誘引剤 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫寛容部位を形成させる剤、及び免疫抑制性細胞を誘引する剤に関連する。
糖尿病など、生体機能不全による疾患の治療において臓器/組織の移植は有効な治療法
である。しかし、他家移植の場合免疫拒絶が生じるため、また、I型糖尿病のように自己
免疫により発症する疾患では、患者は移植後に免疫抑制剤を服用し続ける必要がある。免疫抑制剤は一般的に非特異的に免疫機能を抑制するため、感染症や癌発生の危険性が高まるほか、副作用として高血圧や高血糖、肝臓や腎臓への障害を起こすことが知られている。
一方、免疫寛容という状態が知られている。免疫寛容とは、特定の物質に対する免疫系の作用が抑制されることを指し、自己由来物質を自己と認識して攻撃しないように制御するシステムである。また、非自己に対しても、例えば食事によって経口摂取された物質に対しては過剰な免疫応答が生じないように免疫寛容が生じることが知られている。また、一部の癌は、免疫寛容を獲得することで免疫系からの攻撃を逃れていることが示されている。
免疫寛容成立のメカニズムは、まだ不明な点も多いが、中枢性免疫寛容(自己に反応する免疫細胞が消失する)や末梢性免疫寛容(反応性のある免疫細胞を抑制する・応答性を失う)などが知られている。ここで、末梢性の免疫寛容を誘導する生体内の細胞種としては、たとえば制御性T細胞(Treg)や骨髄由来抑制細胞(MDSC)が知られている。臓器/組織移植の際、移植臓器/組織への免疫寛容を成立させる手法が確立されれば、免疫抑制剤
の投与が不要となると考えられる。
特許文献1には毛細血管が豊富で組織移植に適した場を形成するための用具としてハイドロゲル(アガロースなど)を基体とした用具が示されており、血管新生を誘導する因子として増殖因子類(bFGF、aFGF、PDGF、VEGF、TGF-βなど)が示されている。しかし、栄養や酸素供給を目的として開発されており、免疫寛容に関する記述は無い。
非特許文献1には特許文献1に記載の用具(誘導因子としてbFGF+ヘパリンを使用)を
用いてラット皮下に形成させた空隙へ膵島を移植した研究結果が示されている。他家移植にも関わらず免疫抑制剤の投与無しに長期間にわたって拒絶を生じずに移植を維持できたことを報告しているが、その機構については調べられていない。
特許文献2には造血幹細胞、造血前駆細胞、成熟リンパ球又はそれら混合物を含む寛容原を門脈内へまたは静脈内へ投与することで免疫寛容を誘導する手法が示されている。しかし、この技術は細胞移植を要し、移植用細胞を骨髄などから入手する必要がある。
特許文献3では骨髄細胞を含む寛容原を放射線照射後に骨髄内へ投与することで免疫寛容を誘導する手法が示されている。しかし、この技術は細胞移植を要し、移植用細胞を骨髄などから入手する必要がある。
特許文献4では細胞障害性サイトカイン類(リンフォトキシンなど、免疫細胞への細胞障害活性を有する生理活性物質)とアレルギー性抗原、自己抗原または移植臓器抗原とを有効成分とする免疫寛容誘導剤が示されている。しかし、この技術では抗原と細胞傷害性因子とを投与する必要がある。さらに、特定の抗原にのみ対応できるため、寛容を誘導したい因子を特定する必要がある。
特許文献5では寛容を誘導する対象の抗原に、適当なスペーサーを介し、A−B型毒素(コレラトキシンやエンテロトキシンなど)を構成するBサブユニットのB細胞エピトープおよび/またはT細胞エピトープを含む5〜25アミノ酸からなるペプチドを結合させることで、抗原特異的免疫寛容誘導剤とする方法が示されている。しかし、この技術では抗原に特異的な剤を設計・作製・投与する必要があり、さらに、特定の抗原にのみ対応できるため、寛容を誘導したい因子を特定する必要がある。
特許文献6では抗原性物質又はその抗原性部分と、個体の細胞のCOX−2の活性及び/ 又はIFN−γレベルを増大させる少なくとも1つの物質を個体に投与することによ
って、抗原性物質に対する寛容を誘導する方法が示されている。しかし、この技術では抗原に特異的な剤を設計・作製・投与する必要があり、さらに、特定の抗原にのみ対応できるため、寛容を誘導したい因子を特定する必要がある。
特許3089299号明細書 特開平10-306027号公報 特開2001-172188号公報 特開平6-65088号公報 特開平10-120591号公報 特表2004-522725号公報
American Journal of Transplantation 2014; 14: 1533-1542. Transplantation. 2003 Mar 15;75(5):619-25.
従来から糖尿病の治療のためのランゲルハンス氏島(膵島)の移植、また、他のホルモンやタンパク質の欠損を補うためにそれらを分泌する細胞の移植が動物を用いた研究レベルのみならず、臨床でも数多く試みられてきた。しかし、細胞や組織の提供者であるドナーの数が限られ、望む全ての患者にその治療法を行うことが困難であった。
近年、胚様性幹細胞(ES細胞)、人為的に誘導した多能性幹細胞(iPS細胞)などの種々の
幹細胞から種々の機能性細胞への分化誘導法が確立されつつある。分化誘導法が確立できれば、無尽蔵に分泌細胞を供給できるようになり、全ての望む患者に細胞移植療法を施すことが出来るようになる。
しかし、細胞移植が抱える共通の問題として、レシピエントの免疫系による拒絶反応や移植部位の問題がある。通常、拒絶反応を制御するために免疫抑制剤の投与が行われているが、易感染性になる、悪性腫瘍の発生の確率が高くなる等の問題を抱えている。また、免疫抑制剤の投与は150万円/年と比較的高額の医療費が必要である。
したがって、本発明は特定の部位に効率的に免疫寛容を誘導することができ、その部位へ細胞を移植することで、移植の際に必要である免疫抑制剤や自己免疫疾患の治療剤などの投与を必要でなくすることができる有用な薬剤を提供することを課題とする。
拒絶反応または自己免疫反応が起きない移植が可能となるとして、他者または患者由来のiPS細胞から分化誘導・作成した細胞・組織・臓器の移植に期待が寄せられている。し
かし、膵島移植の対象となるI型糖尿病は自己細胞への自己免疫反応が病気の発症の原因
であるため、非特許文献2に報告されているようにたとえ患者由来のβ細胞または膵島を移植したときには自己免疫反応により移植細胞は死滅してしまう。この例が示すように自己免疫反応により発症した病気では、たとえ、患者由来のiPS細胞から分化誘導・作成し
た細胞・組織・臓器の移植場合でさえ何らかの免疫反応を抑制する治療が必要である。
上記課題を解決するために、本発明は、SEK-1005または線維芽細胞増殖因子(FGF)を
含む、免疫寛容部位形成剤を提供する。本発明はまた、構造式(I)に示す環状ペプチドSEK-1005またはFGFを含む、制御性T細胞(Treg)または骨髄由来抑制細胞(MDSC)などの免疫
抑制性細胞の誘引剤を提供する。
本発明によれば、SEK-1005やFGFを用いることで、目的とする部位にTregやMDSCなどの
免疫抑制性細胞を誘引することができる。その結果、免疫寛容部位が形成され、他家細胞・組織移植において必須であった免疫抑制の必要が小さく、もしくは無くなり、移植後に恒常的に免疫抑制剤を服用する必要が無くなる。さらに、免疫抑制剤の副作用による各種感染症や腫瘍発生のリスクが無くなる、免疫抑制剤の副作用による臓器への障害や高血圧、高血糖などのリスクも無くなる。また、移植組織全体に対する免疫寛容が誘導されるため特定の分子を対象とはしない、といった利点を有する。
本発明の薬剤はまた、学術的に、免疫寛容機構を解析する有用なモデルとなる。
SEK-1005含有アガロースロッドまたはSEK-1005不含アガロースロッドを皮下に埋め込んだラット組織から回収された細胞のフローサイトメトリーの結果を示す図。縦軸は、CD4+細胞中の制御性T細胞の指標であるCD4+Foxp3+細胞の割合を示す。 SEK-1005含有アガロースロッドまたはSEK-1005不含アガロースロッドを皮下に埋め込んだラット組織から回収された細胞のフローサイトメトリーの結果を示す図。縦軸は、CD3+細胞中の細胞障害性T細胞の指標であるCD8+細胞のCD4+に対する割合を示す。 Treg suppression assayの結果を示す図。左図(群1)は抗CD3抗体1μg/mL を加えて増殖刺激を与えた場合、中央図(群2)は抗CD3抗体1μg/mL に加え制御性T細胞を多く含有するCD4+かつCD25+の細胞を2.5×10^4 個加えた場合、右図(群3)は抗CD3抗体を加えなかった場合の結果をそれぞれ示す。 SEK-1005含有アガロースロッドの周囲組織の遺伝子発現解析の結果を示す図。左上図では全遺伝子発現をVolcano plotで示した。右上図ではchemokine・cytokine関連遺伝子の発現をVolcano plotで示した。下図では、制御性T細胞関連のchemokine・cytokine関連遺伝子の発現をHeat mapで示した。 bFGF含有アガロースロッドまたはbFGF不含アガロースロッドを皮下に埋め込んだラット組織から回収された細胞のフローサイトメトリーの結果を示す図。縦軸は、CD4+細胞中の制御性T細胞の指標であるCD4+Foxp3+細胞の割合を示す。 bFGF含有アガロースロッドまたはbFGF不含アガロースロッドを皮下に埋め込んだラット組織から回収された細胞のCD11b/cと顆粒球についてのフローサイトメトリーの結果を示す図。 bFGF含有アガロースロッドの周囲組織の遺伝子発現解析の結果を示す図。(a)ではchemokine・cytokine関連遺伝子の発現をVolcano plotで示した。(b)では、制御性T細胞関連のchemokine・cytokine関連遺伝子の発現をHeat mapで示した。
本発明の免疫寛容部位形成剤および免疫抑制性細胞の誘引剤はSEK-1005またはFGFを有
効成分とする。
(SEK-1005)
SEK-1005(構造式;C4570813 : 名称;Ser,3−ヒドロキシ−N−[2
−ヒドロキシ−1−オキソ−2−テトラヒドロ−2−ヒドロキシ−6−メチル−5−(2
−メチルプロピル)−2H−ピラン−2−イル−プロピル]−Leu−Pip(ヘキサヒドロ−3−ピリダジンカルボニル)−N−ヒドロキシ−Ala−N−メチル−Phe−Pip−rho−ラクトン)は、下記構造式で示される化合物であり、放線菌ストレプトマイセス・ノビリスの培養液またはその乾固物から単離された環状ペプチドである。
SEK-1005を得るための放線菌ストレプトマイセス・ノビリスは、公的保存機関から入手可能である。例えば、理化学研究所においてJCM4274として、米国においてATCC19252として、オランダにおいてCBS198.65として保存されている菌を使用することができる。SEK-1005を得る方法は特に制限されず、放線菌ストレプトマイセス・ノビリスその他の天然物
から得てもよく、生物工学的方法または有機化学的方法によって合成してもよい。放線菌ストレプトマイセス・ノビリスからSEK-1005を得る具体的な方法としては、国際公開第WO96/12732号などを参照することができる。
SEK-1005は、免疫寛容誘導作用を有する限り、アミノ酸残基の一部が欠落していたり、他のアミノ酸残基が付加されていたり、アミノ酸残基の一部が他のアミノ酸残基に置き替わっていてもよく、このような化合物も本発明の範囲に包含される。さらに、SEK-1005は、免疫寛容誘導作用が維持される限りにおいて塩を形成していても、分子中に種々の改変が施されてもよく、このような化合物も本発明の範囲に包含される。改変の例としては、糖鎖、アルキル基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、水酸基、スルホニル基、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、D−アミノ酸等の付加などが挙げられる。
SEK-1005の薬理的作用、薬剤としての利用等については種々の報告がされている。例えば、特開2008-260692号公報にはSEK-1005を含有し、創傷治癒促進作用、アレルギー性及
び非アレルギー性炎症抑制作用、短期間の免疫抑制作用、抗菌作用、サイトカイン誘導作用等を有する医薬組成物が記載されている。また、特開平10-259134号公報にはSEK-1005
を含む創傷治癒促進剤が記載されている。しかしながら、SEK-1005の免疫寛容部位形成作用については報告されていない。
(FGF)
FGFはFGFファミリーに属するタンパク質であれば使用可能であるが、bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)またはaFGF(酸性線維芽細胞増殖因子)が好ましく、bFGFがより好ましい。FGFの由来は特に制限されないが、ヒトに使用される場合は、ヒト由来のFGFが好まし
い。また、FGFの配列は全長が好ましいが、免疫寛容部位形成作用および免疫抑制性細胞
誘引作用を有する限り、部分断片でもよい。また配列は野生型でもよいし、免疫寛容部位形成作用および免疫抑制性細胞誘引作用を有する限り、野生型の配列において1〜数アミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加された配列でもよい。FGFは組み換え生産された
ものでも化学合成されたものでもよい。また、FGFは市販のものを使用してもよい。
(免疫寛容部位形成および免疫抑制性細胞誘引剤)
本発明のSEK-1005またはFGFを有効成分とする免疫寛容部位形成剤および免疫抑制性細
胞の誘引剤は、TregやMDSCなどの免疫抑制能を有する細胞を誘引することで投与部位に免疫寛容を誘導することができる。
(免疫寛容部位形成剤)
本発明のSEK-1005またはFGFを有効成分とする免疫寛容部位形成剤は特に、膵島または
幹細胞から人為的に分化誘導された疑似膵島等を移植する際の免疫寛容部位形成剤として好適に使用できる。移植を予定する部位(移植部位)に適用することで、当該移植部位に免疫抑制性細胞が誘引され、移植に伴う拒絶反応が起こりにくい。免疫寛容部位形成剤が適用される体組織としては特に制限されないが、皮下組織等が挙げられる。免疫寛容部位形成剤を皮下組織に接触させる場合の場所は特に制限されず、皮下組織の表面(真皮との境界部分)であっても、皮下組織の内部であってもよい。
免疫寛容部位形成剤は、SEK-1005またはFGFのみからなっていてもよく、その他の成分
を含んでいてもよい。その他の成分としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、緩衝剤、溶剤等を挙げることができる。免疫寛容部位形成剤がSEK-1005またはFGF以外の成分を含む場合、SEK-1005
またはFGFの免疫寛容部位形成剤中の含有率は、SEK-1005またはFGFが免疫寛容部位形成剤の有効成分としてその効果を発揮できる程度であれば特に制限されない。
前記SEK-1005またはFGFの免疫寛容部位形成剤中の含有率は、例えば、体組織にSEK-1005
またはFGFを接触させてから7日〜14日後において、SEK-1005またはFGFを用いない場合と比較して1.3〜3倍のCD4+Foxp3+細胞を、当該体組織において誘引可能な量である。
また、SEK-1005またはFGFの免疫寛容部位形成剤中の含有率は、フローサイトメーターで
解析した場合のCD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率が、SEK-1005またはFGFを体組織に接触さ
せてから7日〜14日後において、10%より多く、例えば、15%以上になる程に、CD4+Foxp3+細胞を、当該体組織において誘引可能な量である。前記CD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率に関し、特に上限はないが、例えば、好ましいSEK-1005またはFGFの免疫寛容部位形成剤
中の含有率は、フローサイトメーターで解析した場合のCD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率が、SEK-1005またはFGFを体組織に接触させてから7日〜14日後において、50%以下となる程度であり、また、例えば、40%以下となる程度である。
免疫寛容部位形成剤を体組織に接触させる方法は特に制限されない。例えば、上記その他の成分を含んでいてもよいSEK-1005またはFGFを、生体適合性を有する材料などの他の
材料とともに体内に埋め込んでSEK-1005またはFGFを徐々に放出させる方法、定期的に注
射等により投与する方法などが挙げられる。免疫寛容部位形成剤と体組織との接触時間を確保しやすいという観点からは、生体適合性材料とともに体内に埋め込んで徐々に放出させる方法が、免疫寛容部位形成剤を取り除いた後に移植材料を移植できる空隙を確保できるため、好ましい。免疫寛容部位形成剤を接触させる体組織の大きさ(面積等)は特に制限されず、治療方法等に応じて選択できる。
生体適合性を有する材料は、免疫寛容部位形成剤を放出させることができるものであれ
ば特に制限はない。例えば、ハイドロゲル、ハイドロゲルの乾燥物、スポンジ、多孔質体高分子ブロック、多孔質体、多孔質シート、多孔質膜などから構成される。
ハイドロゲルを構成する材料としては、ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、ハイドロキシエチルセルロース(HEC)などのセルロース誘導体、ゼラチン、アルギン酸、アルブミン、コラーゲン、デ
ンプン、アガロース、デキストラン、プルラン、ペクチン、ヒアルロン酸、キチン、キトサンなどの天然高分子の化学架橋体、放射線照射や熱処理による架橋体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ-2- ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-2- ヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの合成高分子の化学架橋体や、放射線照射や熱処理による架橋体、さらに、上記高分子を構成するモノマーの共重合体の架橋体、ポリアニオンとポリ−L−リジンなどのポリカチオンとのポリイオンコンプレックス膜などが挙げられる。
スポンジとしては、上記高分子の多孔体、例えばセルロース、アガロース、キトサンやコラーゲンのスポンジが挙げられる
多孔質体を構成する材料としては、ゼラチン、シリコーン、アパタイトなどの有機又は無機の材料が挙げられる。
免疫寛容部位形成剤を体組織に接触させる回数は特に制限されず、1回の接触で所望の移植部位(免疫寛容部位)を形成しても、複数回の接触で所望の移植部位(免疫寛容部位)を形成してもよい。また、免疫寛容部位形成剤を体組織に接触させる時間は特に制限されない。免疫寛容部位形成剤は、一度埋め込んだ生体適合性を有する材料等からSEK-1005またはFGFが体組織中に継続的に放出されるような構成とすることが好ましく、好ましく
は1日〜35日、より好ましくは2日〜28日、更に好ましくは3日〜21日、特に4〜14日の間、生体適合性を有する材料等からSEK-1005またはFGFが継続的に体組織中に放
出されることが好ましい。
SEK-1005またはFGFの量は移植細胞や移植組織の大きさなどに応じて適宜調整される。
本発明の免疫寛容部位形成剤を用いて形成される免疫寛容部位は、種々の移植材料の移植に用いることができる。特に、その機能を発揮するのに移植の場所が制限されない移植材料の移植に好適である。このような移植材料としては、ホルモン、サイトカイン、神経伝達物質、酵素等の、生理活性物質を分泌する組織または細胞が挙げられる。具体的には、膵島、肝実質細胞、副腎、上皮小体、エリスロポエチンを産生する細胞(尿細管間質細胞など)、成長ホルモンを産生する細胞(脳下垂体前葉のGH分泌細胞など)等が挙げられる。さらには体性幹細胞、iPS細胞等の人工多能性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)などから人為的に分化誘導して作製した機能細胞の移植にも用いることができる。
本発明の免疫寛容部位形成剤を用いて形成される免疫寛容部位に移植される移植材料としては、移植部位に生着可能な組織(臓器を含む)、細胞等が挙げられ、生体由来のものであっても、人為的に作製したものであってもよい。ここで、本発明の免疫寛容部位形成剤は、免疫反応が抑制された部位(免疫寛容部位)を形成し得ることから、前記移植材料としては、同種細胞または組織ないし同種微小組織のみならず、異種細胞または組織ないし異種微小組織のいずれも使用することができる。同種細胞または組織ないし同種微小組織を使用する場合、同種同系組織または細胞、同種同系微小組織のみならず、同種異系組織または細胞、同種異系微小組織のいずれも使用することができる。異種組織または細胞や、異種微小組織、同種異系組織または細胞、同種異系微小組織は、通常、特段の処置を施さずに皮下に移植すると速やかに拒絶されるが、本発明の移植部位(免疫寛容部位)に移植することで免疫反応が抑制され、拒絶を回避できるため、このような細胞等を使用する場合にも、望ましい移植用の場を提供できる。なお、「同種」は種が同じであること、
「異種」は種が異なること、「同種同系」は「種が同じで、遺伝的組成が共通すること」「同種異系」は「種が同じで、遺伝的組成が異なる」ことを意味する。
本発明の免疫寛容部位形成剤を用いて形成される免疫寛容部位に組織を移植することは、種々の疾患の治療に有用である。特に、常時血糖値の変動に応じてインスリンの分泌を制御する必要があるインスリン依存性糖尿病は、他の内分泌疾患に比べて移植による症状の軽減効果や生活の質の改善効果が大きい。従って、本発明の免疫寛容部位形成剤は、インスリン依存性糖尿病の治療のための膵島移植部位の形成に用いられる場合にその有用性が特に大きい。
このような糖尿病の主な症例は、自己免疫反応で発症するI型糖尿病である。しかし、II型糖尿病の治療においても有用である。すなわち、II型糖尿病が進行すると膵β細胞の容積が低下し、現状の治療法としてはインスリンを投与することになるが、このようなケースでも、本発明の免疫寛容部位形成剤を用いて形成した免疫寛容部位に膵島を移植することで、治療することが可能となる。さらに、II型糖尿病については、膵臓におけるインスリン産生能よりも体のインスリン抵抗性が大きくなることで糖尿病になっていくと考えると、インスリン投与が必要になる前の段階から予防的な意味合いでの移植も有効である。
さらに、本発明の免疫寛容部位形成剤によれば、他人の組織を移植した場合であっても免疫反応抑制状態が維持される移植部位(免疫寛容部位)を形成することができる。このため例えば、インスリン依存性糖尿病の治療における膵島移植には他人から提供される組織を用いるため、通常は移植後は免疫抑制剤の継続的な服用が必要となるが、本発明の免疫寛容部位形成剤を用いることで免疫抑制剤の服用を低減または省略できる膵島移植が可能になる。インスリン依存性糖尿病の主な患者群はI型糖尿病であり、その発症の原因が自己免疫反応である。免疫反応が抑制された移植部位(免疫寛容部位)を形成できることは、自己免疫反応からの保護も望め、移植膵島の長期間の機能保持の観点からも本方法の有用性は高い。
(免疫抑制性細胞誘引剤)
本発明のSEK-1005またはFGFを有効成分とする免疫抑制性細胞の誘引剤は特に、膵島ま
たは幹細胞から人為的に分化誘導された疑似膵島等を移植する際に好適に使用できる。移植を予定する部位(移植部位)に適用することで、当該移植部位に免疫抑制性細胞が誘引され、移植に伴う拒絶反応が起こりにくい。免疫抑制性細胞誘引剤が適用される体組織としては特に制限されないが、皮下組織等が挙げられる。免疫抑制性細胞誘引剤を皮下組織に接触させる場合の場所は特に制限されず、皮下組織の表面(真皮との境界部分)であっても、皮下組織の内部であってもよい。
免疫抑制性細胞誘引剤は、SEK-1005またはFGFのみからなっていてもよく、その他の成
分を含んでいてもよい。その他の成分としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、緩衝剤、溶剤等を挙げることができる。免疫抑制性細胞誘引剤がSEK-1005またはFGF以外の成分を含む場合、SEK-1005またはFGFの免疫抑制性細胞誘引剤中の含有率は、SEK-1005またはFGFが免疫抑制性細
胞誘引剤の有効成分としてその効果を発揮できる程度であれば特に制限されない。
前記SEK-1005またはFGFの免疫抑制性細胞誘引剤中の含有率は、例えば、体組織にSEK-1005またはFGFを接触させてから7日〜14日後において、SEK-1005またはFGFを用いない
場合と比較して、1.3〜3倍のCD4+Foxp3+細胞を、当該体組織において誘引可能な量である。
また、SEK-1005またはFGFの免疫抑制性細胞誘引剤中の含有率は、フローサイトメータ
ーで解析した場合のCD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率が、SEK-1005またはFGFを体組織に接
触させてから7日〜14日後において、10%より多く、例えば、15%以上になる程に、CD4+Foxp3+細胞を、当該体組織において誘引可能な量である。前記CD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率に関し、特に上限はないが、例えば、好ましいSEK-1005またはFGFの免疫抑制性細胞
誘引剤中の含有率は、フローサイトメーターで解析した場合のCD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率が、SEK-1005またはFGFを体組織に接触させてから7日〜14日後において、50%以下となる程度であり、また、例えば、40%以下となる程度である。
免疫抑制性細胞誘引剤を体組織に接触させる方法は特に制限されない。例えば、上記その他の成分を含んでいてもよいSEK-1005またはFGFを、生体適合性を有する材料などの他
の材料とともに体内に埋め込んでSEK-1005またはFGFを徐々に放出させる方法、定期的に
注射等により投与する方法などが挙げられる。免疫抑制性細胞誘引剤と体組織との接触時間を確保しやすいという観点からは、生体適合性材料とともに体内に埋め込んで徐々に放出させる方法が、免疫抑制性細胞誘引剤を取り除いた後に移植材料を移植できる空隙を確保できるため、好ましい。免疫抑制性細胞誘引剤を接触させる体組織の大きさ(面積等)は特に制限されず、治療方法等に応じて選択できる。
生体適合性を有する材料は、免疫抑制性細胞誘引剤を放出させることができるものであれば特に制限はない。例えば、ハイドロゲル、ハイドロゲルの乾燥物、スポンジ、多孔質体高分子ブロック、多孔質体、多孔質シート、多孔質膜などから構成される。
ハイドロゲルを構成する材料としては、ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、ハイドロキシエチルセルロース(HEC)などのセルロース誘導体、ゼラチン、アルギン酸、アルブミン、コラーゲン、デ
ンプン、アガロース、デキストラン、プルラン、ペクチン、ヒアルロン酸、キチン、キトサンなどの天然高分子の化学架橋体、放射照射や熱処理による架橋体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ-2- ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-2- ヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの合成高分子の化学架橋体や、放射照射や熱処理による架橋体、さらに、上記高分子を構成するモノマーの共重合体の架橋体、ポリアニオンとポリ−L−リジンなどのポリカチオンとのポリイオンコンプレックス膜などが挙げられる。
スポンジとしては、上記高分子の多孔体、例えばセルロース、アガロース、キトサンやコラーゲンのスポンジが挙げられる
多孔質体を構成する材料としては、ゼラチン、シリコーン、アパタイトなどの有機又は無機の材料が挙げられる。
免疫抑制性細胞誘引剤を体組織に接触させる回数は特に制限されず、1回の接触で所望の移植部位(免疫寛容部位)を形成しても、複数回の接触で所望の移植部位(免疫寛容部位)を形成してもよい。また、免疫抑制性細胞誘引剤を体組織に接触させる時間は特に制限されない。免疫抑制性細胞誘引剤は、一度埋め込んだ生体適合性を有する材料等からSEK-1005またはFGFが体組織中に継続的に放出されるような構成とすることが好ましく、好
ましくは1日〜35日、より好ましくは2日〜28日、更に好ましくは3日〜21日、特に4〜14日の間、生体適合性を有する材料等からSEK-1005またはFGFが継続的に体組織
中に放出されることが好ましい。
SEK-1005またはFGFの量は移植細胞や移植組織の大きさなどに応じて適宜調整される。
本発明の免疫抑制性細胞誘引剤を用いて形成される免疫寛容部位は、種々の移植材料の移植に用いることができる。特に、その機能を発揮するのに移植の場所が制限されない移
植材料の移植に好適である。このような移植材料としては、ホルモン、サイトカイン、神経伝達物質、酵素等の、生理活性物質を分泌する組織または細胞が挙げられる。具体的には、膵島、肝実質細胞、副腎、上皮小体、エリスロポエチンを産生する細胞(尿細管間質細胞など)、成長ホルモンを産生する細胞(脳下垂体前葉のGH分泌細胞など)等が挙げられる。さらには体性幹細胞、iPS細胞等の人工多能性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)などから人為的に分化誘導して作製した機能細胞の移植にも用いることができる。
本発明の免疫抑制性細胞誘引剤を用いて形成される免疫寛容部位に移植される移植材料としては、移植部位に生着可能な組織(臓器を含む)、細胞等が挙げられ、生体由来のものであっても、人為的に作製したものであってもよい。ここで、本発明の免疫抑制性細胞誘引剤は、免疫反応が抑制された部位(免疫寛容部位)を形成し得ることから、前記移植材料としては、同種細胞または組織ないし同種微小組織のみならず、異種細胞または組織ないし異種微小組織のいずれも使用することができる。同種細胞または組織を使用する場合、同種同系組織または細胞、同種同系微小組織のみならず、同種異系組織または細胞、同種異系微小組織のいずれも使用することができる。異種組織または細胞や、異種微小組織、同種異系組織または細胞、同種異系微小組織は、通常、特段の処置を施さずに皮下に移植すると速やかに拒絶されるが、本発明の移植部位(免疫寛容部位)に移植することで免疫反応が抑制され、拒絶を回避できるため、このような細胞等を使用する場合にも、望ましい移植用の場を提供できる。なお、「同種」は種が同じであること、「異種」は種が異なること、「同種同系」は「種が同じで、遺伝的組成が共通すること」、「同種異系」は「種が同じで、遺伝的組成が異なる」ことを意味する。
本発明の免疫抑制性細胞誘引剤を用いて形成される免疫寛容部位に組織を移植することは、種々の疾患の治療に有用である。特に、常時血糖値の変動に応じてインスリンの分泌を制御する必要があるインスリン依存性糖尿病は、他の内分泌疾患に比べて移植による症状の軽減効果や生活の質の改善効果が大きい。従って、本発明の免疫抑制性細胞誘引剤は、インスリン依存性糖尿病の治療のための膵島移植部位の形成に用いられる場合にその有用性が特に大きい。
このような糖尿病の主な症例は、自己免疫反応で発症するI型糖尿病である。しかし、II型糖尿病の治療においても有用である。すなわち、II型糖尿病が進行すると膵β細胞の容積が低下し、現状の治療法としてはインスリンを投与することになるが、このようなケースでも、本発明の免疫抑制性細胞誘引剤を用いて形成した免疫寛容部位に膵島を移植することで、治療することが可能となる。さらに、II型糖尿病については、膵臓におけるインスリン産生能よりも体のインスリン抵抗性が大きくなることで糖尿病になっていくと考えると、インスリン投与が必要になる前の段階から予防的な意味合いでの移植も有効である。
さらに、本発明の免疫抑制性細胞誘引剤によれば、他人の組織を移植した場合であっても免疫反応抑制状態が維持される移植部位(免疫寛容部位)を形成することができる。このため例えば、インスリン依存性糖尿病の治療における膵島移植には他人から提供される組織を用いるため、通常は移植後は免疫抑制剤の継続的な服用が必要となるが、本発明の免疫抑制性細胞誘引剤を用いることで免疫抑制剤の服用を低減または省略できる膵島移植が可能になる。インスリン依存性糖尿病の主な患者群はI型糖尿病であり、その発症の原因が自己免疫反応である。免疫反応が抑制された移植部位(免疫寛容部位)を形成できることは、自己免疫反応からの保護も望め、移植膵島の長期間の機能保持の観点からも本方法の有用性は高い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の態様には限定され
ない。
実施例1.SEK-1005含有アガロースロッドを埋め込んだ部位の浸出液と免疫系細胞の解析
4.5%のアガロース溶液を内径4 mmのポリスチレン製のチューブに封入し、その後常温
で放置することでアガロース溶液をゲル化させた。アガロースゲルロッドをポリスチレン製チューブから取り出し、長さ25 mmに切断した。その後、-30℃の冷凍庫に1晩保存する
ことで水を凍らせた。凍結アガロースロッドを凍結乾燥することで多孔質の乾燥アガロースロッドを作製した。この乾燥アガロースロッドに2 mg/mlのSEK-1005のエタノール溶液50 μl滴下して乾燥アガロースロッドにSEK-1005溶液を含ませ、その後風乾することでエ
タノールを蒸発させた。
アガロースロッド埋込日に、ACIラットにストレプトゾトシン(STZ)(60 mg/kg body weight)を投与することで糖尿病を誘導した。ACIラットの背部左右にSEK-1005を100μgを
含む長さ25 mm 直径4 mmのアガロースロッドをそれぞれ1本ずつ埋め込んだ。10日後にアガロースロッドを引き抜いた。アガロースロッドが埋め込まれていた場所の周囲には多数の血管を有する結合組織が形成されていた。この組織をハサミで細切し、ホモゲナイズし、組織から細胞を回収し、パーコール密度勾配遠心により免疫細胞を純化し、フローサイトメーターで解析した。
図1にCD4+と制御性T細胞のマーカーであるFoxp3+についてフローサイトメーターで解
析した結果を示した。CD4+細胞中のFoxp3+細胞の比率は、SEK-1005含有アガロースロッドを皮下に埋め込んだ後、2日で18.3%、7日で20.8%、10日で23.3%、14日で27.3%であった。通常の皮下組織ではこの比率が10%程度であり、SEK-1005の作用で制御性T細胞(CD4+Foxp3+の細胞)の比率が2〜3倍程度高くなっていることがわかった。
一方、図2に示すように、CD3+細胞中の細胞障害性T細胞(CD8+T細胞)のCD4+細胞に対する比率は、SEK-1005含有アガロースロッドを皮下に埋め込んだ後、2日で36.1%、7日で33.7%、10日で25.5%、14日で23.9%であり、通常の皮下組織ではこの比率が30%程度であり、通常異物を埋め込むと50%以上に増加することが多いが、SEK-1005の作用によりその上昇が抑えられていた。
さらに、浸出液中のTGF-β1の濃度を測定した。SEK-1005含有アガロースロッドを埋め
込み後7日までは0.7±0.1 ng/mlであったが、その徐々にTGF-β1の濃度は増加し、埋め
込み後10日には2.0±1.0 ng/mlになりSEK-1005不含アガロースロッドを埋め込んだ処置群の約3倍になった。その後徐々に低下していった。
比較例1.SEK-1005を含まないアガロースロッドを埋め込んだ部位の免疫系の細胞の解析
4.5%のアガロース溶液を内径4 mmのポリスチレン製のチューブに封入し、その後常温
で放置することでアガロース溶液をゲル化させた。アガロースゲルロッドをポリスチレン製チューブから取り出し、長さ25 mmに切断した。その後、-30℃の冷凍庫に一晩保存することで水を凍らせた。凍結アガロースロッドを凍結乾燥することで多孔質の乾燥アガロースロッドを作製した。
アガロースロッド埋込日に、ACIラットにストレプトゾトシン(STZ)(60 mg/kg body weight)を投与することで糖尿病を誘導した。ACIラットの背部左右にSEK-1005を含まない
長さ25 mm 直径4 mmのアガロースロッドをそれぞれ1本ずつ埋め込んだ。10日後にアガロースロッドを引き抜いた。アガロースロッドを埋め込んでいた周囲の組織をハサミで細切し、ホモゲナイズし、組織から細胞を回収し、パーコール密度勾配遠心により免疫細胞を純化し、フローサイトメーターで解析した。
図1にCD4+と制御性T細胞のマーカーであるFoxp3について解析した結果を示した。制
御性T細胞の指標であるCD4+かつFoxp3+の細胞のCD4+細胞中の比率は、SEK-1005不含アガロースロッドを皮下に埋め込んだ後、2日で11.3%、7日で10.5%、10日で17.1%、14日で11.3%であった。通常の皮下組織ではこの比率が10%程度であり、SEK-1005不含アガロースロッドの作用で制御性T細胞の比率が若干高くなっているが、その上昇は顕著ではなかった。
また、図2に示すように、CD3+細胞中の障害性T細胞(CD8+)のCD4+細胞に対する比率は、SEK-1005含有アガロースロッドを皮下に埋め込んだ場合、2日で36.1%、7日で33.7%、10日で25.5%、14日で23.9%であり、SEK-1005不含アガロースロッドを埋め込むことにより細胞障害性T細胞のCD4+細胞に対する比率が40%以上に増加することと比較して、細胞障害性T細胞の増加が抑制されていた。
実施例2.SEK-1005含有アガロースロッドを埋め込んだ部位へ集積したCD4+ CD25+の細胞の免疫抑制機能評価
実施例1と同じ操作を行いアガロースロッド-SEK-1005を埋め込んだ10日に、ロッド
が埋め込まれていた場所の周囲の組織を回収してホモゲナイズすることで、組織から細胞を回収し、パーコール密度勾配遠心により免疫細胞を純化し、MACS磁気beadsによりCD4+
かつCD25+の細胞(組織浸潤制御性T細胞を多く含む分画)を採取した。
ACIラットからCD8+T細胞を別途調製し、この細胞を蛍光染料カルボキシ・フルオレセイン・スクシンイミジル・エステル(CFSE;Carboxyfluorescein Succinimidyl Ester)に
て染色した。96wellプレートを用いて、1wellあたりCD8+T細胞を2.5×10^4 個、抗原
提示細胞を5×10^4 個播種し、4.5日後にフローサイトメーターにより細胞増殖を定量的
に評価した。上記のwellsは3群に分け、群1は抗CD3抗体1μg/mL を加えて増殖刺激を与え、群2には抗CD3抗体1μg/mL に加えCD4+かつCD25+の細胞を2.5×10^4 個加えた。一方
、群3には抗CD3抗体を加えなかった。
その代表的なフローサイトグラムを図3に示した。蛍光色素で染められたT細胞が一度
細胞分裂をすると蛍光強度は半分になる、さらにもう一度分裂すると蛍光強度は元の4分の1になる。図3のフローサイトグラムの右の図(群3)では、蛍光強度が小さくなって
いる細胞が全体の6.3%あった。これは培養中に自然に分裂した細胞であると考えられた
。一方、図3の左図に示したフローサイトグラム(群1)は抗CD3抗体を加えた細胞の解析結果であるが、蛍光強度が小さくなった細胞は全体の42.4%にもなり、多くの細胞が4.5
日間の培養期間中に細胞分裂したことがわかる。wellに抗CD3抗体とアガロースロッド-SEK-1005の周囲の組織から回収したCD4+かつCD25+の細胞(組織浸潤制御性T細胞を多く含む分画)を2.5×10^4 個加えたときのフローサイトグラム(群2)を図3の中央の図に示し
た。細胞分裂することで蛍光強度が低下した細胞の割合は13.4%となり群1の42.4%から
大きく低下していた。すなわち、アガロースロッド-SEK-1005の周囲の組織から回収したCD4+かつCD25+の細胞は、T細胞の増殖を抑制する能力があることがわかった。
実施例3.埋め込んだSEK-1005含有アガロースロッドの周囲組織の遺伝子発現解析
実施例1と同じ操作を行いSEK-1005含有アガロースロッドを埋め込んだ7日目に、ロッ
ドが埋め込まれていた場所の周囲の組織を回収した。回収した組織はRNA分解を阻害するRNA later液(Life Technologies)を速やかに浸透させ、RNA分解を阻害した。組織中のRNAはカラム法により抽出した。抽出したRNAはExpress kit法(Affimetrix)により増幅、ビ
オチン標識し、Rat Genome 230 2.0アレイ(Affimetrix)にハイブリダイズした。シグナルは、Hewlett-Packard GeneArray Scanner G2500Aで読み取った。このようにSEK-1005含有アガロースロッド、コントロールのSEK-1005不含アガロースロッドの周辺組織各3個につ
いて遺伝子発現解析を行った。得られた蛍光強度は、標準化、正規化を行いその後の統計
解析を行った。標準化、正規化した遺伝子発現量はSEK-1005含有アガロースロッド群と、コントロールであるSEK-1005不含アガロースロッド群で統計学的に比較し、各遺伝子の発現についてSEK-1005含有アガロースロッド群で発現が上昇している場合、X軸の数値が正
となるようにプロットした。X軸はLog2変換し表示した。また、2群間の有意差についてP
値を-Log10変換しY軸にプロットした(Volcano plot、図4左上)。
網羅的遺伝子発現解析の結果、SEK-1005含有アガロースロッド群でchemokine・cytokine関連遺伝子のうち、制御性T細胞の遊走・誘導に関する遺伝子の発現が有意に上昇し、
制御性T細胞の遊走・誘導に関与しないchemokine・cytokine関連遺伝子の遺伝子発現が有意に低下していることが明らかとなった。chemokine・cytokine関連遺伝子の発現をVolcano plotで図4の右上図に示した。また、制御性T細胞関連のchemokine・cytokine関連遺
伝子の発現をHeat mapで示した(図4下)。このことからアガロースロッド-SEK-1005で
は制御性T細胞関連のchemokine・cytokine関連遺伝子発現を上昇させることで、アガロースロッド-SEK-1005周辺での制御性T細胞が増加、細胞障害性T細胞(CD8)を抑制すること
で移植臓器を免疫寛容する環境が整えられていると考えられた。
実施例4.bFGF含有アガロースロッドを埋め込んだ部位の免疫系細胞の解析
4.5%のアガロース溶液を内径4 mmのポリスチレン製のチューブに封入し、その後常温
で放置することでアガロース溶液をゲル化させた。アガロースゲルロッドをポリスチレン製チューブから取り出し、長さ25 mmに切断した。その後、-30℃の冷凍庫に1晩保存する
ことで水を凍らせた。凍結アガロースロッドを凍結乾燥することで多孔質の乾燥アガロースロッドを作製した。この乾燥アガロースロッドに500 μg/mlのbFGF溶液(科研製薬フィブラストスプレー500) 100μl滴下して乾燥アガロースロッドにbFGF溶液を含ませた。
アガロースロッド埋込日にACIラットにストレプトゾトシン(STZ)(60 mg/kg body weight)を投与することで糖尿病を誘導した。ACIラットの背部左右にbFGF 50μgを含む長さ25 mm 直径4 mmのアガロースロッドをそれぞれ1本ずつ埋め込んだ。7日後にアガロースロッドを引き抜いた。アガロースロッドが埋め込まれていた場所の周囲には多数の血管を有する結合組織が形成されていた。これらの組織を回収してハサミで細切し、ホモゲナイズし、パーコール密度勾配遠心により免疫細胞を純化し、フローサイトメーターで解析した。
図5にCD4+と制御性T細胞のマーカーであるFoxp3について解析した結果を示した。CD4+細胞中Foxp3+細胞の比率は、bFGF含有アガロースロッドを皮下に埋め込んだ後、2日で25.4%、7日で24.4%、10日で24.4%、14日で26.4%であった。通常の皮下組織ではこの
比率が10%程度であり、bFGFの作用で制御性T細胞の比率が2〜3倍程度高くなっていることがわかる。
また、アガロースロッド-bFGFを埋め込んだ群では顆粒球マーカーが増加しており、骨
髄由来抑制細胞(MDSC)も誘導されていることが分かった(図6)。
実施例5.埋め込んだbFGF含有アガロースロッドの周囲組織の遺伝子発現解析
実施例4と同じ操作を行ってbFGF含有アガロースロッドを埋め込んだ7日目に、ロッド
が埋め込まれていた場所の周囲の組織を回収した。回収した組織はRNA分解を阻害するRNA
later液(Life Technologies)を速やかに浸透させ、RNA分解を阻害した。組織中のRNA
はカラム法により抽出した。抽出したRNAはExpress kit法(Affimetrix)により増幅、ビオチン標識し、Rat Genome 230 2.0アレイ(Affimetrix)にハイブリダイズした。シグナルは、Hewlett-Packard GeneArray Scanner G2500Aで読み取った。このようにbFGF含有アガロースロッド、コントロールのbFGF不含アガロースロッドの周辺組織各3個について遺伝子
発現解析を行った。得られた蛍光強度は、標準化、正規化を行いその後の統計解析を行った。標準化、正規化した遺伝子発現量はbFGF含有アガロースロッド群と、コントロールであるbFGF不含アガロースロッド群で統計学的に比較し、各遺伝子の発現についてbFGF含有
アガロースロッド群で発現が上昇している場合、X軸の数値が正となるようにプロットし
た。X軸はLog2変換し表示した。また、2群間の有意差についてP値を-Log10変換しY軸にプロットした(Volcano plot)。網羅的遺伝子発現解析の結果、アガロースロッド-bFGF群
でchemokine・cytokine関連遺伝子のうち、制御性T細胞の遊走・誘導に関する遺伝子の発現が有意に上昇し、制御性T細胞の遊走・誘導に関さないchemokine・cytokine関連遺伝子の遺伝子発現が有意に低下していることが明らかとなった。chemokine・cytokine関連遺
伝子の発現をVolcano plotで図7(a)に示した。また、図7(b)に、制御性T細胞関
連のchemokine・cytokine関連遺伝子の発現をHeat mapで示した。
これらのことからbFGF含有アガロースロッドでは制御性T細胞関連のchemokine・cytokine関連遺伝子発現が上昇させることで、bFGF含有アガロースロッド-bFGF周辺での制御性T細胞が増加、細胞障害性T細胞(CD8)を抑制することで移植臓器を免疫寛容する環境が整
えられていると考えられた。

Claims (4)

  1. SEK-1005(Ser,3−ヒドロキシ−N−[2−ヒドロキシ−1−オキソ−2−テトラヒドロ−2−ヒドロキシ−6−メチル−5−(2−メチルプロピル)−2H−ピラン−2−イル−プロピル]−Leu−Pip(ヘキサヒドロ−3−ピリダジンカルボニル)−N−ヒドロキシ−Ala−N−メチル−Phe−Pip−rho−ラクトン)を含む、免疫寛容部位形成剤。
  2. SEK-1005を含む、免疫抑制性細胞誘引剤であって、前記免疫抑制性細胞がCD4 + Foxp3 + 制御性T細胞である、前記免疫抑制性細胞誘引剤
  3. 前記SEK-1005の免疫寛容部位形成剤中の含有率が、体組織にSEK-1005を接触させてから7日〜14日後において、SEK-1005を用いない場合と比較して1.3〜3倍のCD4+Foxp3+細胞を、当該体組織において誘引可能な量である、請求項1に記載の免疫寛容部位形成剤。
  4. 前記SEK-1005の免疫抑制性細胞誘引剤中の含有率が、体組織にSEK-1005を接触させてから7日〜14日後において、SEK-1005を用いない場合と比較して1.3〜3倍のCD4+Foxp3+細胞を、当該体組織において誘引可能な量である、請求項に記載の免疫抑制性細胞誘引剤。
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