以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において同一部分または相当部分は、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の四方弁200の斜視図である。四方弁200は、切替弁の一例である。図2は、四方弁200の右側面図である。図2の紙面に垂直な方向を、四方弁200の左右方向とする。図2の紙面手前方向を四方弁200の右方向、紙面奥方向を四方弁200の左方向とする。また図2の紙面上における上下方向を、四方弁200の上下方向とする。図2の紙面上における右方向を四方弁200の前方向、左方向を四方弁200の後方向とする。
図3は、四方弁200の上面図である。図3の紙面に垂直な方向を、四方弁200の上下方向とする。図3の紙面手前方向を四方弁200の上方向、紙面奥方向を四方弁200の下方向とする。また図3の紙面上における上下方向を、四方弁200の左右方向とする。図3の紙面上における右方向を四方弁200の前方向、左方向を四方弁200の後方向とする。
四方弁200は、ボディ210を備える。ボディ210の内部には、例えば十字状の流路が形成される。ボディ210は、例えば十字状の流路によって、前面、後面、左面及び右面が開口している。
四方弁200は、第1配管継手211、第2配管継手212、第3配管継手213及び第4配管継手214を備える。第1配管継手211、第2配管継手212、第3配管継手213及び第4配管継手214は、両端が開口した筒状の部材である。
第1配管継手211は、ボディ210の左面に連結固定される。第2配管継手212は、ボディ210の前面に連結固定される。第3配管継手213は、ボディ210の右面に連結固定される。第4配管継手214は、ボディ210の後面に連結固定される。
四方弁200には、図1、図2及び図3に示すように、第1ポート215、第2ポート216、第3ポート217及び第4ポート218が形成される。第1ポート215は、ボディ210の左面開口及び第1配管継手211によって形成される。第2ポート216は、ボディ210の前面開口及び第2配管継手212によって形成される。第3ポート217は、ボディ210の右面開口及び第3配管継手213によって形成される。第4ポート218は、ボディ210の後面開口及び第4配管継手214によって形成される。
四方弁200は、第1ポート215、第2ポート216、第3ポート217及び第4ポート218のうち、隣り合う2つのポートを連通させるとともに残り2つのポートを閉じるように流路を切替える。
また四方弁200は、ステッピングモータ201を備える。ステッピングモータ201は、四方弁200が流路を切替えるための動力源の一例である。ステッピングモータ201は、例えばボディ210の上方に、モータ取付板202を介して固定される。
図4は、図2のA−A線における四方弁200の断面図である。四方弁200は、ボール弁体220を備える。ボール弁体220は、ボディ210の内部に設けられる。ボール弁体220は、例えばボディ210の内部の十字状の流路の中心部に配置される。ボール弁体220は、球状の弁体である。本例においてボール弁体220は、図4の紙面に垂直な回転軸を中心として回転可能になっている。ボール弁体220は、回転することによってボディ210内の流路を切替える弁体の一例である。
ボール弁体220には、例えばL字状の流路孔220aが形成される。L字状の流路孔220aは、第1ポート215、第2ポート216、第3ポート217及び第4ポート218の4つのポートのうち、隣り合う2つのポートを連通させる。例えば図4において流路孔220aは、第2ポート216と第3ポート217とを連通させる。流路孔220aによって連通する2つのポートは、ボール弁体220が回転することによって切替えられる。連通していない残り2つのポートは、ボール弁体220によって閉じられる。
またボディ210の内部には、第1シートパッキン221、第2シートパッキン222及び第3シートパッキン223が設けられる。第1シートパッキン221は、第1配管継手211とボール弁体220との間に設けられる。第2シートパッキン222は、第2配管継手212とボール弁体220との間に設けられる。第3シートパッキン223は、第3配管継手213とボール弁体220との間に設けられる。第1シートパッキン221、第2シートパッキン222及び第3シートパッキン223は、ボール弁体220と接するように設けられる。
第1シートパッキン221と第1配管継手211との間に形成される隙間には、第1Oリング224が設けられる。第2シートパッキン222と第2配管継手212との間に形成される隙間には、第2Oリング225が設けられる。第3シートパッキン223と第3配管継手213との間に形成される隙間には、第3Oリング226が設けられる。第1Oリング224、第2Oリング225及び第3Oリング226は、圧縮した状態で設けられる。
第1シートパッキン221、第2シートパッキン222、第3シートパッキン223、第1Oリング224、第2Oリング225及び第3Oリング226は、ボール弁体220の周囲のシール性を保持する。これにより、四方弁200の内部で発生する内部漏れが防止される。内部漏れには、一例として、連通している第2ポート216及び第3ポート217から、閉じている第1ポート215及び第4ポート218への液漏れが含まれる。
また四方弁200は、第4Oリング227、第5Oリング228及び第6Oリング229を備える。第4Oリング227は、ボディ210と第4配管継手214との間に形成される隙間を埋めるように設けられる。第5Oリング228は、ボディ210と第1配管継手211との間に形成される隙間及び第1配管継手211と第2配管継手212との間に形成される隙間を埋めるように設けられる。第6Oリング229は、ボディ210と第3配管継手213との間に形成される隙間及び第2配管継手212と第3配管継手213との間に形成される隙間を埋めるように設けられる。
四方弁200は、第4Oリング227、第5Oリング228及び第6Oリング229によって、シール性が保持される。これにより、例えば四方弁200内を流れる液体が外部へ漏れることが防止される。
図5は、図3のB−B線における四方弁200の断面図である。第4配管継手214は、突起部230を有する。突起部230は、先端がボディ210内部のボール弁体220に接触するように突出する。突起部230は、例えば第4配管継手214の上部と下部とに、対向して形成される。突起部230は、ボール弁体220を支持する。ボール弁体220は、突起部230に接触しつつ回転する。突起部230は、ボール弁体220が円滑に回転可能となるように形成される。
またボディ210は、図5に示すように、シャフト挿入孔210aを有する。シャフト挿入孔210aは、例えばボディ210の上面で開口する。本例のシャフト挿入孔210aは、ボディ210の上面から、ボディ210の内部のボール弁体220の上部にかけて貫通している。また本例のボール弁体220の上部には、図5に示すように、シャフト固定溝220bが形成される。
シャフト挿入孔210aには、シャフト240が挿入される。シャフト240は、軸状の部材である。シャフト240は、例えばプラスチック製である。シャフト240は、例えば射出成形によって製造される。なおシャフト240の材質は、例えば金属等のプラスチック以外のものであってもよい。またシャフト240は、射出成形以外の方法によって製造されてもよい。
シャフト240は、先端がボディ210の内部のボール弁体220へ向けて突出する。シャフト240の先端は、例えばシャフト固定溝220bに嵌め込まれる。またシャフト240は、基端がボディ210の外部へ突出する。本例においてシャフト240の基端は、図5に示すようにボディ210の上方へ向けて突出する。
ボール弁体220とシャフト240とは、シャフト240の先端がシャフト固定溝220bに嵌め込まれることによって連結する。ボール弁体220とシャフト240とは、連動して回転することができる。ボール弁体220とシャフト240とは、回転軸が一致するように配置されている。
なおシャフト240の先端とシャフト固定溝220bとの間には、図5に示すように隙間が形成されていてもよい。またシャフト240の先端とシャフト固定溝220bとの間には、隙間がなくてもよい。四方弁200は、シャフト240がボール弁体220に接触して回転することによってボール弁体220が回転する構成であれば、上記以外の構成であってもよい。
シャフト240の外周には、Oリング231が設けられる。Oリング231は、シール材の一例である。Oリング231は、例えば2つ設けられる。2つのOリング231は、それぞれ異なる位置に設けられる。Oリング231は、シャフト挿入孔210aにおけるシール性を保持する。Oリング231は、シャフト240とボディ210との間に形成される隙間を埋める。Oリング231は、四方弁200内部の液体がシャフト240とボディ210との間に形成される隙間から外部へ漏れ出すことを防止する。なおOリング231は、本例以外にも、1つあるいは3つ以上設けられてもよい。
またシャフト240の外周には、ボディ210の外部で、モータ取付板202が設けられる。モータ取付板202には、例えばシャフト240が挿入される孔が形成されている。モータ取付板202は、例えばネジ等によってボディ210へ固定される。モータ取付板202は、シャフト240を、ボディ210へ押さえつける。これにより、シャフト240がシャフト挿入孔210aから抜け外れてしまうことが防止される。
本実施の形態においてシャフト240の基端は、ステッピングモータ201の内部へ設けられる。シャフト240の基端は、例えばステッピングモータ201の内部のギアとシャフト240の外周とが嵌め合うように、ステッピングモータ201の内部へ設けられる。シャフト240は、ステッピングモータ201の動作に連動して回転する。
ステッピングモータ201は、外部の装置から回転指示を受ける。ステッピングモータ201の内部のギアは、回転指示に基づいて回転する。シャフト240は、ギアに連動して回転する。シャフト240が回転することにより、ボール弁体220も回転する。本実施の形態の四方弁200は、ステッピングモータ201の動作によって、第1ポート215、第2ポート216、第3ポート217及び第4ポート218の連通状態を切替える。
図6は、本実施の形態のシャフト240の斜視図である。シャフト240には、基端から一定距離の部分に、モータ固定部241が形成される。モータ固定部241は、ステッピングモータ201の内部の形状に合うように形成される。モータ固定部241は、例えば図6に示すように、外周がD字状になっている。モータ固定部241は、ステッピングモータ201の内部に嵌め込まれる。
またシャフト240の外周には、セレーション構造部242が形成される。セレーション構造部242は、図6に示すように、モータ固定部241よりもシャフト240の先端側に形成される。セレーション構造部242は、ステッピングモータ201の内部のギアにかみ合う形状となるように形成される。本実施の形態の四方弁200においては、モータ固定部241及びセレーション構造部242が、ステッピングモータ201の内部に設けられる。
またシャフト240の外周には、環状溝243が形成される。環状溝243は、セレーション構造部242よりもシャフト240の先端側に形成される。環状溝243は、シャフト240のうち、シャフト挿入孔210a内に挿入される部位に形成される。環状溝243は、例えば図6に示すように2つ形成される。2つの環状溝243は、それぞれ異なる位置に形成される。
本実施の形態の四方弁200においては、環状溝243にOリング231が設けられる。環状溝243が形成されることによって、Oリング231の位置決めが容易になる。なお環状溝243は、1つあるいは3つ以上形成されてもよい。またシャフト240の外周には、環状溝243が形成されなくてもよい。
シャフト240の先端には、弁体固定部244が形成される。弁体固定部244は、ボール弁体220のシャフト固定溝220bに合わせた形状に形成される。弁体固定部244は、シャフト固定溝220bに嵌め込まれる。これにより、ボール弁体220とシャフト240とは、連動して回転可能となる。
またシャフト240は、中空部245を有する。これにより、シャフト240は中空構造となっている。シャフト240は、中空構造でない場合に比べて軽量である。図7は、本実施の形態のシャフト240の回転軸方向断面図である。中空部245は、シャフト240の回転軸方向に沿って形成される。
中空部245は、例えば図7に示すように、環状溝243よりもシャフト240の先端側まで形成される。また中空部245は、例えば図6及び図7に示すように、シャフト240の基端で開口する。また中空部245は、例えば図7に示すように、シャフト240の先端では開口しない。本実施例において中空部245は、シャフト240の基端の一箇所のみで開口する。シャフト240の先端は、封止形状になっている。
図8は、図7のC−C線におけるシャフト240の断面図である。また図9は、図7のD−D線におけるシャフト240の断面図である。中空部245のうち、例えばシャフト240の基端から一定距離αまでの部分は、円形断面部245aとなっている。円形断面部245aは、シャフト240の回転軸と垂直な断面での断面形状が、シャフト240の回転軸を中心とする円形である。また一定距離αは、例えば図7に示すように、シャフト240の基端から環状溝243までの距離よりも大きい。
また、例えば中空部245のうち円形断面部245a以外の部分は、多角形断面部245bとなっている。多角形断面部245bは、円形断面部245aよりもシャフト240の先端側に形成される。多角形断面部245bは、環状溝243よりもシャフト240の先端側まで形成される。すなわち環状溝243は、多角形断面部245bよりもシャフト240の基端側に形成される。
多角形断面部245bは、シャフト240の回転軸と垂直な断面での断面形状が、シャフト240の回転軸を中心とする六角形である。使用者は、一般的な工具である六角棒スパナを多角形断面部245bへ挿入することにより、シャフト240を回転させることができる。
また本実施の形態において多角形断面部245bは、図8に示すように、シャフト240の回転軸と垂直な断面での断面形状が、円形断面部245aの断面形状である円形に内接する六角形となっている。
なお多角形断面部245bの断面形状は、六角形以外の多角形としてもよい。多角形には、一例として長方形及び十字形が含まれる。長方形及び十字形の場合には、一般的な工具であるドライバーを挿入することができる。多角形断面部245bは、シャフト240の回転軸と垂直な断面での断面形状が、シャフト240の回転軸を中心とする多角形であればよい。
また中空部245の構成は、上記実施例に限られるものではない。シャフト240の回転軸と垂直な断面において、中空部245の一部の断面形状が、シャフト240の回転軸を中心とする多角形であればよい。例えば中空部245は、シャフト240の先端及び基端で開口してもよい。またシャフト240の回転軸と垂直な断面において、例えば中空部245の全体の断面形状が、シャフト240の回転軸を中心とする多角形であってもよい。また一定距離αは、シャフト240の基端から環状溝243までの距離よりも小さくてもよい。
例えばステッピングモータ201のアクチュエータが故障した場合、シャフト240には過度なトルクが与えられる。シャフト240は、過度なトルクが与えられると折れてしまう。本発明であれば、シャフト240が折れた場合においても、使用者は手動でシャフトを回転させることができる。使用者は、シャフト240が折れた場合の応急処置として、手動で四方弁200による流路切替を実行することができる。
またシャフト240は中空構造となっている。このため、シャフト240の重量及びコストが低下する。またシャフト240の肉厚が薄くなることにより、例えば射出成形による成形性が向上する。
上記実施例では、本発明の切替弁の一例として四方弁200を示した。本発明は上記実施例以外にも、例えば三方弁及び二方弁等、複数のポートを有する切替弁に適用してもよい。また流路を切替える弁体は、回転することによって流路を切替えるものであればよい。弁体は、球状以外にも、例えば円筒状あるいは円板状等でもよい。
上記実施例において四方弁200は、動力源の一例としてステッピングモータ201を備える。本発明は上記実施例以外にも、例えばハンドルによってシャフト240を回転させる切替弁に適用してもよい。ハンドルによってシャフト240を回転させる切替弁は、過度なハンドル操作を行った場合にシャフト240が折れる可能性がある。過度なハンドル操作によってシャフト240が折れた場合にも、上記実施例と同様の効果が得られる。
上記実施例において中空部245は、シャフト240の基端で開口する。中空部245のうち、シャフト240の基端から一定距離αまでの部分は、円形断面部245aとなっている。円形断面部245aは、例えばネジの下穴として利用することができる。円形断面部245aをネジの下穴として利用することにより、シャフト240の基端には、ネジ部を有する別部材を締結することができる。
ネジ部を有する別部材には、一例としてハンドルが含まれる。ハンドルは、シャフト240を回転させる動力源として用いられる。本例であればシャフト240を回転させる動力源を、使用状況に応じてステッピングモータ201からハンドルに交換することができる。
また上記実施例において中空部245は、シャフト240の回転軸方向に沿って形成される。中空部245は、シャフト240の先端では開口しない。シャフト240の先端は、封止形状になっている。これにより、シャフト240の先端の液密性が確保される。本例であれば、四方弁200を流れる液体が、シャフト240の内部へ侵入することが防止される。
上記実施例においてシャフト240のうち環状溝243が形成される部位は、径が小さくなる。このため、環状溝243の近傍は、その他の部位に比べて強度が低い。また環状溝243は、四方弁200内を流れる液体に曝される可能性がある。環状溝243の近傍は、四方弁200内を流れる液体の成分及び温度の影響によって、その他の部位に比べて経時と共に強度が低下する可能性がある。
このためシャフト240は、過度な力が与えられて折れる場合には、環状溝243の近傍で折れる可能性が高い。上記実施例において環状溝243は、多角形断面部245bよりもシャフト240の基端側に形成される。本例であれば使用者は、例えばシャフト240が環状溝243の近傍で折れた場合において、工具を多角形断面部245bに差し込むことができる。使用者は、シャフト240が環状溝243の近傍で折れた場合において、流路の切替え等の応急処置を施すことができる。
上記実施例において多角形断面部245bは、シャフト240の回転軸と垂直な断面での断面形状が、円形断面部245aの断面形状である円形に内接する六角形となっている。これにより、例えばシャフト240の成形性が向上する。また多角形断面部245bの断面形状は、円形断面部245aの断面形状である円形より小さい多角形であれば、同様の効果が得られる。
上記実施例において一定距離αは、シャフト240の基端から環状溝243までの距離よりも大きい。中空部245のうち、環状溝243が形成されている位置に対応する部分は、シャフト240の回転軸と垂直な断面での断面形状が、シャフト240の回転軸を中心とする円形である。本例であれば、シャフト240のうち、環状溝243が形成される部位の径方向肉厚を均一にすることができる。
シャフト240が射出成形によって成形される場合、シャフト240は成形時に収縮する。シャフト240の径方向肉厚を均一にすることにより、成形時収縮率が均一となる。これにより、シャフト240の寸法が安定する。本例であれば、環状溝243近傍の寸法精度が安定する。環状溝243には、シール材の一例としてOリング231が設けられる。環状溝243は、四方弁200のシール性に影響を及ぼすデリケートな部位である。本例であれば、環状溝243近傍の寸法が安定することにより、四方弁200の信頼性が向上する。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図10は、本発明の実施の形態2の貯湯式給湯機100の全体構成図である。貯湯式給湯機100は、本発明の切替弁を有する給湯機の一例である。貯湯式給湯機100は、貯湯タンクユニット1、ヒートポンプユニット2及び浴槽3を備える。
ヒートポンプユニット2は、ヒートポンプサイクルを利用する加熱装置である。ヒートポンプユニット2には、貯湯タンクユニット1から低温の水が導かれる。ヒートポンプユニット2は、貯湯タンクユニット1から導かれた水を加熱する。
ヒートポンプユニット2は、圧縮機4、沸き上げ用熱交換器5、膨張弁6及び空気熱交換器7を備える。圧縮機4、沸き上げ用熱交換器5、膨張弁6及び空気熱交換器7は、冷媒循環配管8によって、環状に順に接続される。圧縮機4、沸き上げ用熱交換器5、膨張弁6、空気熱交換器7及び冷媒循環配管8は、ヒートポンプサイクルを構成する。
冷媒循環配管8は、沸き上げ用熱交換器5の一次側に設けられる。沸き上げ用熱交換器5は、一次側を流れる冷媒と二次側を流れる水との間で熱交換を行う。
貯湯タンクユニット1は、貯湯タンク9を備える。貯湯タンク9には、水が貯留される。また貯湯タンクユニット1は、給湯混合弁10、三方弁11及び四方弁12を備える。また貯湯タンクユニット1は、利用側熱交換器13、循環ポンプ14及び浴槽水循環ポンプ15を備える。
給湯混合弁10は、2つの流入口と1つの流出口とを有する。三方弁11は、aポート、bポート及びcポートを有する。三方弁11のaポート及びbポートは、流入口である。三方弁11のcポートは流出口である。また四方弁12は、aポート、bポート、cポート及びdポートを有する。四方弁12のaポート及びbポートは、流入口である。四方弁12のcポート及びdポートは、流出口である。三方弁11及び四方弁12は、実施の形態1の四方弁200と同様の構成の切替弁の一例である。
貯湯タンク9の下部には、給水配管16の一端が接続される。給水配管16は、貯湯タンク9へ低温の水を供給するための配管である。給水配管16の他端は、2つに分岐する。2つに分岐した給水配管16の他端のうちの一方は、外部の水源へ接続される。外部の水源は、例えば市水である。2つに分岐した給水配管16の他端のうちの他方は、給湯用水配管17となる。給湯用水配管17は、給湯混合弁10の2つの流入口のうちの一方へ接続される。
貯湯タンク9の上部には、タンク上部配管18の一端が接続される。タンク上部配管18には、貯湯タンク9から取り出される高温の水が流れる。またタンク上部配管18には、ヒートポンプユニット2によって加熱されて貯湯タンク9へ供給される高温の水が流れる。本例の貯湯タンク9には、タンク上部配管18から高温の水が供給されるとともに、給水配管16から低温の水が供給される。これにより、貯湯タンク9の内部には、上部と下部とで温度差が生じるように水が貯留される。
また貯湯タンク9の外部表面には、例えば上部に上部残湯サーミスタ19が設けられる。貯湯タンク9の外部表面には、例えば下部に下部残湯サーミスタ20が設けられる。上部残湯サーミスタ19及び下部残湯サーミスタ20は、貯湯タンク9内に貯留された水の温度分布等を検知する。
タンク上部配管18の他端は、給湯用湯配管21と送湯配管22とに分岐する。給湯用湯配管21は、給湯混合弁10の2つの流入口のうちの他方へ接続される。送湯配管22は、四方弁12のdポートへ接続される。
給湯混合弁10の流出口には、給湯配管23の一端が接続される。給湯配管23の他端は、外部の水栓へ接続される。給湯混合弁10には、給湯用湯配管21から高温の水が供給される。また給湯混合弁10には、給湯用水配管17から低温の水が供給される。給湯混合弁10は、高温の水と低温の水とを混合する。給湯混合弁10は、給湯配管23を介し、混合した水を外部の水栓へ供給する。
給湯配管23には、給湯温度サーミスタ24が設けられる。給湯温度サーミスタ24は、給湯配管23を流れる水の温度を検知する。給湯混合弁10は、給湯温度サーミスタ24によって検知される水の温度が規定温度となるように、高温の水と低温の水との混合割合を調整する。
貯湯タンク9の下部には、給水配管16の一端とは異なる位置に、タンク下部配管25の一端が接続される。タンク下部配管25の他端は、三方弁11のaポートへ接続される。また貯湯タンク9の中央部と下部との間には、戻し口が設けられる。貯湯タンク9の戻し口には、タンク戻し配管26の一端が接続される。タンク戻し配管26の他端は、四方弁12のcポートへ接続される。
利用側熱交換器13の一次側流入口には、熱交換器入口配管27の一端が接続される。熱交換器入口配管27の他端は、送湯配管22の途中に接続される。熱交換器入口配管27は、利用側熱交換器13の一次側に高温の水を供給する。利用側熱交換器13の一次側流出口には、熱交換器出口配管28の一端が接続される。熱交換器出口配管28の他端は、三方弁11のbポートへ接続される。
利用側熱交換器13の二次側流入口には、浴槽出口配管29の一端が接続される。浴槽出口配管29の他端は、例えば浴槽アダプタ等を介して浴槽3へ接続される。利用側熱交換器13の二次側流出口には、浴槽入口配管30の一端が接続される。浴槽入口配管30の他端は、例えば浴槽アダプタ等を介して浴槽3へ接続される。
利用側熱交換器13の二次側、浴槽出口配管29及び浴槽入口配管30は、浴槽水循環回路を構成する。浴槽水循環回路の途中には、浴槽水循環ポンプ15が設けられる。浴槽水循環ポンプ15は、例えば図10に示すように、浴槽出口配管29に設けられる。浴槽水循環ポンプ15は、浴槽3内の水を、浴槽水循環回路に循環させる。また浴槽出口配管29には、例えば浴槽3と浴槽水循環ポンプ15との間に、浴槽出口側サーミスタ31が設けられる。浴槽出口側サーミスタ31は、浴槽3から取り出された浴槽水の温度を検知する。
利用側熱交換器13は、一次側を流れる高温の水を利用して、二次側を流れる加熱対象水を加熱する。本実施の形態における加熱対象水は浴槽水である。なお利用側熱交換器13は、例えば暖房用循環水を加熱対象水とする給湯機に適用してもよい。
また三方弁11のcポートには、ヒートポンプ入口配管32の一端が接続される。ヒートポンプ入口配管32の他端は、沸き上げ用熱交換器5の二次側流入口へ接続される。沸き上げ用熱交換器5の二次側流出口には、ヒートポンプ出口配管33の一端が接続される。ヒートポンプ出口配管33の他端は、四方弁12のbポートへ接続される。本実施の形態の貯湯タンクユニット1とヒートポンプユニット2とは、ヒートポンプ入口配管32及びヒートポンプ出口配管33によって接続される。
ヒートポンプ入口配管32には、貯湯タンクユニット1の内部で循環ポンプ14が設けられる。循環ポンプ14は、貯湯式給湯機100を構成する各種配管に水を流すためのポンプである。各種配管には、例えばヒートポンプ入口配管32及びヒートポンプ出口配管33が含まれる。
またヒートポンプ入口配管32には、例えば循環ポンプ14と沸き上げ用熱交換器5との間で、バイパス配管34の一端が接続される。バイパス配管34の他端は、四方弁12のaポートへ接続される。
ヒートポンプ出口配管33には、ヒートポンプユニット2の内部でヒートポンプ出口側サーミスタ35が設けられる。ヒートポンプ出口側サーミスタ35は、沸き上げ用熱交換器5によって加熱された高温の水の温度を検知する。
また貯湯式給湯機100は、制御装置36を備える。制御装置36は、貯湯式給湯機100を構成する各機器の動作を制御する。制御装置36は、制御手段の一例である。制御装置36は、例えば図10に示すように、貯湯タンクユニット1に設けられる。なお制御装置36は本例以外にも、例えば貯湯タンクユニット1の外部等に設けられてもよい。
制御装置36は、貯湯式給湯機100が備える各種弁類と電気的に接続される。本実施の形態の制御装置36は、例えば三方弁11及び四方弁12に電気的に接続される。制御装置36は、三方弁11及び四方弁12を制御する。制御装置36は、三方弁11及び四方弁12によって、水の流路を切替える。
本実施の形態の貯湯式給湯機100は、三方弁11及び四方弁12を備える。三方弁11及び四方弁12の構成は、実施の形態1の四方弁200と同様である。三方弁11及び四方弁12は、シャフト240と同様の構成のシャフトを有する。
本実施の形態であれば使用者は、例えば貯湯式給湯機100の運転中に三方弁11あるいは四方弁12のシャフトが折れた場合においても、手動で応急処置を施すことができる。応急処置には、例えば循環回路の切替え、回路の閉塞及び水抜きが含まれる。これにより貯湯式給湯機100の信頼性が向上する。また三方弁11及び四方弁12の重量及びコストが増加することがない。
なお本発明に係る給湯機は、貯湯式給湯機100に限られない。貯湯式給湯機100以外にも、例えば伝熱ヒータを備える給湯機あるいは即湯式給湯機等に本例と同様の構成を採用してもよい。