JP6427860B2 - プリンデッドエレクトロニクスデバイスおよび電子機能パターンを形成する方法 - Google Patents

プリンデッドエレクトロニクスデバイスおよび電子機能パターンを形成する方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリンデッドエレクトロニクスによって製造されるデバイスおよびその電子機能パターンの形成方法に関する。
印刷の応用技術であるプリンデッドエレクトロニクスは、電子機能デバイスのコストダウン、デバイス製造の環境負荷の低減といった観点から注目されている。特に、撓んだり伸縮したりする基材を用いてデバイスを作製するフレキシブルエレクトロニクスやストレッチャブルエレクトロニクスは、ウェアラブルデバイスのように利便性が高く用途の広いデバイスの製造技術として期待されている。
基材上に電子機能材料を含有したインクを塗布して焼成する一連の工程によって電子機能パターンが形成される。このようにして形成される電子機能パターンは、例えば電子回路の配線や電極として用いられる。電子機能パターンの形成において、基材と電子機能パターンとの焼成時の熱伸縮量の差に起因して、電子機能パターンに皺ができたり電子機能パターンが波打ったりする問題がある。
熱伸縮に起因するパターンの変形・破壊の対策に関して、基板の片面または両面に部分的に補強材料を貼り付けることによって基板の反りを抑える手法がある(特許文献1)。特許文献2では、基板の一方の面(表面)に導体パターンを形成し、基板の他方の面(裏面)に導体パターンと略同一形状のダミーパターンを形成することによって、基板の反りを抑える手法が開示されている。
また、特許文献3には、回路基板に非熱伸縮性の板を接着して乾燥工程での回路基板の熱伸縮を防止し、乾燥終了後に回路基板から非熱伸縮性の板を分離する手法が記載されている。
特開2013−080806号公報 特開2005−294650号公報 特開2003−243840号公報
上記先行技術のように、基材に補強部材を貼り付けると、基材がもつ可撓性、伸縮性、薄さ、軽さなどの性質が阻害されてデバイスの品質が低下してしまう。品質を確保するために焼成後に補強部材を基材から剥離することが考えられる。しかし、そのようにする場合には工程数が増加してしまう。加えて、剥離に際して電子機能パターンの破損が起こり得るという課題が発生する。
基材の裏面にダミーパターンを形成する手法では、十分な効果を得るのが難しい。それは、電子機能パターンに加わる応力は、基材における電子機能パターンに近い表面(おもて)側の表層部の変形に大きく影響を受けるものであり、ダミーパターンは裏面側の表層部の変形を抑えることができても表面(おもて)側の変形を十分に抑えることができないからである。
基材に反りを防ぐ板を接着する手法には、基材が薄い、柔らかい、伸縮性がある、またはタック性(可撓性)がある場合に、接着した板を剥離する工程で電子機能パターンの変形・破壊を引き起こす可能性がある。また、一般に乾燥よりも高温の焼成に耐えかつ焼成後の剥離を可能にする接着材の入手は困難である。
本発明は、このような事情に鑑み、製造過程での変形の無い良好な電子機能パターンを有しかつ基材のもつ性質を生かすことのできるデバイスの実現を目的としている。
上記目的を達成するデバイスは、基材上に電子機能材料を含有したインクのパターン塗布および焼成によって電子機能パターンが形成されたプリンデッドエレクトロニクスデバイスである。前記電子機能パターンは、異なる方向に延びる互いにつながった帯状部から構成される形状に形成された非直線部を有しており、前記基材における前記電子機能パターンが形成された面に、前記非直線部の端縁の全長にわたって当該端縁に沿って延びる端縁をもちかつ当該非直線部と接する印刷パターンであって、線膨張係数が前記基材と異なりかつ帯電性を有する粒子材料からなる補強パターン、または、線膨張係数が前記基材と異なりかつ前記電子機能パターンと同等の線膨張係数を有する材料からなる補強パターンが形成されている。
本発明によれば、製造過程での変形の無い良好な電子機能パターンを有しかつ基材のもつ性質を生かすことのできるデバイスを提供することができる。
本発明の実施形態に係るデバイスの製造工程を示す図である。 本発明の実施形態に係るデバイスの要部の構成を示す図である。 補強パターンに係る線膨張係数の範囲の第1例を示す図である。 本発明の実施形態に係るデバイスの要部の他の構成を示す図である。 補強パターンに係る線膨張係数の範囲の第2例を示す図である。 電子機能パターンおよび補強パターンの形状の一例を示す図である。 電子機能パターンにおける非直線部の平面視形状の例を示す図である。 補強パターンに係る線膨張係数の範囲の第3例を示す図である。 デバイスの構造と線膨張係数に関わる物理量との関係を模式的に示す図である。 実施例の効果を表形式で示す図である。
図1の例示において、次の(1)〜(4)の四つの工程によって、電子機能パターンおよび電子機能パターンの熱変形を防止する補強パターンが基材上に形成される。
(1)補強材料を基材上に配置する工程
(1−1)補強材料粒子を帯電させる過程
(1−2)補強材料粒子を像担持体に対向させる過程
(1−3)像担持体上に静電潜像を形成する過程
(1−4)静電潜像を現像する過程
(1−5)基材に補強材料粒子を転写する過程
(2)補強材料粒子を基材に定着させる工程
(3)電子機能材料を基材にパターン塗布する工程
(4)電子機能材料を焼成する工程
これらのうち(1)および(2)の工程は、複写機やプリンターによる画像形成に用いられている電子写真プロセスを応用する工程である。これらの工程には、電子写真式の画像形成装置のハードウェアを利用することができる。
(1)〜(4)の工程の順序は例示に限らない。(1)の工程の次に(3)の工程を実施してその後に(2)および(4)の工程を実施もよいし、(3)の工程の後に(1)、(2)および(4)の工程を実施もよい。電子機能材料のパターニングのし易さを考慮すると、(1)の工程の後に(3)の工程を実施するのが好ましい。複数の現像器を用いるカラー画像形成の手法を応用して、補強材料のパターニングと電子機能材料のパターニングとを並行して行なうことも可能である。
〔電子機能材料を含有したインク〕
本実施形態において、電子機能は電気信号や電力を伝える導電機能である。電子機能材料として、銀、銅、金、アルミニウムといった良導電性金属のナノ粒子を選び、このナノ粒子を溶媒中に分散させたインク(印刷材)を、電子機能材料のパターン塗布に用いる。具体的には、インクとして、例えばハリマ化成株式会社製のインクジェット用銀ナノペーストNPS−JLを用いる。このインクは焼成後に銀となる。室温(25℃)での銀の線膨張係数は18.9(×10-6/K)であり、銀の平均線膨張係数は20.0(×10-6/K)であった。
ここでいう“平均線膨張係数”とは、焼成における最低温度から最高温度以下の複数の温度のそれぞれまでの温度変化による線膨張の割合の平均値である。
〔基材〕
ゴム硬度20°のシリコーンゴムシートを基材として用いる。シリコーンゴムシートの平均線膨張係数は300(×10-6/K)であった。基材の好ましい厚さの値は50〜1000μmの範囲内の値であり、基材に補強材料粒子を転写する観点においてより好ましい厚さの値は50〜200μmの範囲内の値である。
本実施形態において形成される補強パターンは、例えばシリコーンゴムシートと銀ナノペーストを用いた場合のように、基材と電子機能パターンの線膨張係数差が大きい場合に特に効果を発揮する。
〔補強材料粒子〕
補強材料を基材上に配置する補強パターニング工程では、直径1〜10μm程度、球形度0.8以上の補強材料粒子を用いる。電界に対する応答性および安全性の面からは平均粒径6μmの粒子を用いることが好ましい。スチレン・プチルメタクリレート・メタクリレート共重合体樹脂を温度200度で混練りし、ジェットミルで粉砕し気流分級機で分級して、平均径6μmの粒子を得る。この粒子に日本ニューマチック社製サフュージョンシステムで300℃の熱処理を行なうことにより補強材料粒子を得る。このように作成された補強材料の、平均線膨張係数は150(×10-6/K)であり、電子機能材料との平均線膨張係数差は130(×10-6/K)である。
〔補強パターン〕
補強材料は、基材の表裏両面のうちの電子機能パターンが形成る側の面に印刷される。基材のそれ自体の伸縮性、薄さ、軽さといった特質を阻害しないように、補強パターンは電子機能パターンとその近傍とを合わせた領域内のみに形成される。
例えば、図2に示されるプリンデッドエレクトロニクスデバイス1においては、基材10と電子機能パターン20との間に介在するように補強パターン30が配置される。図2において、補強パターン30のパターン幅cは、電子機能パターン20のパターン幅bよりも若干長く、補強パターン30の両端縁がそれぞれ電子機能パターン20の端縁の外側に位置する。補強パターン30は、基材の特質をほとんど阻害せず基材10の熱膨張を抑制して電子機能パターン20の変形を防ぐ。
〔補強材料粒子の荷電方法〕
1kエルステッドの磁場での飽和磁化が3000ガウス、粒径が40μmの亜鉛系フェライトの磁性粒子に対して例えば体積比7%となるように補強材料粒子を添加し、撹拌混合することによって補強材料粒子を摩擦帯電させる。補強材料粒子の帯電量は10〜50μC/gが好ましく、より好ましくは電界応答性の観点から30μC/g付近の値である。帯電量については、両粒子の混合比率を変えることで値を制御することが可能である。
〔補強材料粒子の搬送方法〕
磁性粒子を用いて補強材料粒子を荷電した場合は、磁性粒子をキャリアとし、キャリアの磁力を利用して補強材料粒子を搬送することが可能である。キャリア担持体として、磁石を固定的に配置し、その外周に非磁性のスリーブ(例えばアルミニウム製)を回転可能に配置した部材を用いる。スリーブを回転させれば、キャリアおよびキャリアに付着した補強材料粒子が搬送される。搬送経路上に規制部材(スリーブと一定クリアランスを保ってブレード配置するなど)を設ければ、補強材料粒子の搬送量の制御が可能である。
〔像担持体における潜像形成方法〕
荷電した補強材料粒子を静電的に所定形状に配置するパターニングを行なうには、静電潜像を形成する必要がある。静電潜像の形成手段として、像担持体としての光導電性部材(感光体)をパターニング露光する方法がある。感光体を帯電手段(コロナ帯電またはローラー帯電)により均一に帯電させる。補強材料粒子のパターニング形状に応じて感光体を露光装置により露光走査する。露光装置は光源と露光走査手段とからなる。光源としてはON/OFF可能なレーザやLEDなどを用いる。露光走査方法としては、直線性の高い単一の光ビームをポリゴンミラーで主走査方向に走査する方法や、複数の光源を主走査方向に配置してそれぞれからの光ビームをSLA(Selfoc Lens Array)によって感光体上に集光する方法がある。このれらの方法は、高精細な潜像を安価に得られるという点で優れている。
〔静電潜像の現像方法〕
補強材料粒子を像担持体に付着させて静電潜像を現像するために、キャリア担持体と像担持体の潜像形成領域とを対向させ、電気バイアスを印加する。像担持体とキャリア担持体とは一定量のクリアランスを確保する。キャリア担持体上のキャリアは、キャリア担持体内部の磁石が形成する磁化で穂立ちしており、穂の先端が像担持体と接触する程度にクリアランスを設定する。バイアスとして、補強材料粒子を現像する領域において100〜1000V程度の電位差を設ける。所望の現像量となるように、かつ、リークなどの不具合を起こさないようバイアス調整機構を設けて適宜調整する。バイアスに重畳して、交流信号(サイン波、矩形波、三角波、またはこれらの組合せ)を印加することで、より高精細なパターニングが可能となる。
キャリア粒子を用いない現像も可能である。上述の例では搬送および現像にキャリア粒子を用いているが、キャリア担持体の代わりに表面がゴム製の粒子担持体を配置し、補強材料粒子を供給した上で、規制ブレードにより層厚を規制するとともに、規制ブレードとの摩擦帯電により補強材料粒子を帯電させる。静電潜像を形成した像担持体と接触または非接触に対向させ、バイアスを印加することで現像することが可能である。
〔基材への転写方法〕
像担詩体から基材へ補強材料粒子が引き付けられるように転写バイアスを印加する。転写バイアスとして100〜1000V程度の電位差を設ける。良好な転写状態を維持できるように適宜転写バイアスを調整する。電流値が一定となる様に制御すること(定電流制御)で、良好な転写が可能である。転写残粒子が存在する場合には、転写後の材料担持体にクリーニング手段を設けるとよい。転写後から次の帯電までにクリーニング用のブレードを材料担持体に当接させて転写残粒子を除去する。
〔補強材料粒子の定着方法〕
加熱された定着ローラーと加圧ローラーとの間に形成されたニップ部で基材上の補強材料粒子を加熱・加圧して基材に補強材料粒子を定着させる。定着ローラーは、中心部に内蔵されたハロゲンヒーターと、ハロゲンヒーターを内包する芯金と、芯金を被覆する耐熱性の弾性層と、弾性層を被覆する離型層とから構成されている。加圧ローラーは、芯金と、芯金を被覆する弾性層と、弾性層を被覆する離型層とから構成されている。加圧ローラーは定着ローラーに圧接している。定着工程の定着温度は、主に基材の耐熱温度と補強材料粒子の材質とから決まり、例えば190℃とする。定着工程の圧力は、ニップ面圧で100〜800kPaであることが好ましく、200〜600kPaであることがより好ましい。定着工程の圧力は、例えば、加熱ローラーに対する加圧ローラーの相対的な付勢力の大きさによって調整することができる加熱ローラーと加圧ローラーとの少なくとも一方が表面に弾性層を有する場合では、加熱ローラーと加圧ローラーとの軸間の距離によって調整するこができる。補強材料粒子は定着工程により粒子同士が繋がって一つの塊となり、基材と接着されることで補強パターンとなる。なお、定着手段はこれに限られるものではなく、適宜選定するようにすればよい。
〔電子機能材料の塗布方法〕
電子機能材料を含有したインクの塗布手段としては、例えばピエゾ方式のインクジェットシステムを用いることが可能である。具体的には、コニカミノルタ社製KM1024SHBを用いる。液滴径50μmの液滴を、先に形成した補強材料パターンに合わせてパターニング塗布する。
電子機能材料をインクジェットプリンターにより塗布すれば、電子機能パターンの形成プロセスが、上述の電子写真プロセスと合わせてバリアブル・オンデマンド性に優れた製造プロセスとなる。
その他の塗布方法としては、スクリーン印刷を含む孔版印刷、フレキソ印刷を含む凸版印刷などがあり、適宜選択すればよい。
〔電子機能材料を焼成する工程〕
所定の温度に加熱された電気炉内に、電子機能材料を含有するインクの塗布された基材を所定時間にわたって入れておくことによって、電子機能材料を焼成する。焼成によって電子機能パターンが形成される。温度と時間はインクにより決まる。例えばハリマ化成株式会社製のインクジェット用銀ナノペーストNPS−JLであれば、120℃、1時間である。
焼成中の炉内を真空引きすることにより、より短時間で焼成可能となる。電子機能材料が銅など酸化しやすい材料の場合は、低酸素化の焼成雰囲気中で焼成を行なう。焼成方法には、加熱された炉に入れる以外に、高周波、レーザー、光、プラズマを用いたり、化学反応を利用したりする方法ががあり、適宜選択すればよい。
〔補強パターンの作用〕
補強パターンについては、次の式で表される関係(図3参照)を満たすのがよい。
αm−Δα<αr<αm+Δα
ただし、
αm:電子機能材料の線膨張係数
αs:基材の線膨張係数
αr:補強パターン材料の線膨張係数
Δα:|αm−αs|
図2の構造において、基材10の電子機能パターン20との間にこれらと線膨張係数の異なる補強パターン30が介在することにより、基材10および電子機能パターン20の熱伸縮が抑制されて焼成時の電子機能パターン20の変形・破壊が防止される。
実施例2は下記の補強材料のパターン以外は実施例1と同様である。
〔補強パターン〕
電子機能材料のパターニングのし易さを考慮すると、図4に示されるプリンデッドエレクトロニクスデバイス1bのように、補強パターン30が電子機能パターン20の両側に電子機能パターン20の端縁に沿うパターンとして形成されるのがよい。図1の工程順によれば、電子機能材料をパターニングする段階で補強材料によって溝が形成されていることになるので、電子機能材料を含有したインクを所望の塗布位置に保持する機能を溝が果たし、電子機能材料のパターニング性が向上する。
基材10の特質を損なわないようにする観点では、補強パターン30のパターン幅cを補強効果が得られる範囲で最小限にするのが好ましい。例えば、補強パターン30のパターン幅cを電子機能パターン20のパターン幅bの10〜100%程度とする。電子機能パターン20のパターン幅bが1mmである場合、補強パターン30のパターン幅cの好ましい値は10μm〜1mmであり、より好ましい値は50〜300μmである。
図4の構造のように補強材料が電子機能パターン20と基材10との間には形成されておらず、電子機能パターン20に沿って形成されている場合、基材10の熱伸縮を効果的に抑制するには、補強パターン30の平面視形状が異方性を有する必要がある。すなわち、補強パターン30が、異なる方向に延びる互いにつながった帯状部から構成される非直線部を有するパターンでなければならない。言い換えれば、補強パターン30は上述のとおり電子機能パターン20に沿って延びるパターンであるので、補強パターン30が有効に機能するには電子機能パターン20が非直線部を有するパターンである必要がある。非直線部を有するパターンの具体例が図6に示されている。
図6(A)において電子機能パターン20は電気回路の配線パターンである。図6(A)では円状の端子から右方へ延びて下方へ曲がる四本の帯状のパターンが描かれている。図6(A)中の破線で囲まれた部分BBの拡大図が図6(B)である。
図6(B)において、白い線として描かれた電子機能パターン20は、円弧を描くように180度以上折り返した馬蹄形を交互に左右の向きを逆にして上下に並べて繋げたような蛇行パターンである。これは、基材10が伸縮しても壊れ難く、特に図の上下方向の伸縮に対して強い。図6(B)に描かれた電子機能パターン20の一部分BBの全体が非直線部である。このような電子機能パターン20の両側に、電子機能パターン20に沿って蛇行して延びる補強パターン30が配置されている。補強パターン30は電子機能パターン20に隣接しており、少なくとも一部は電子機能パターン20と接する。
電子機能パターン20および補強パターン30の非直線部の形状は異方性をもつものであればよく、図7に示される形状であってもよい。図7(A)の非直線部25aは、直線が90度曲がったL字状である。図7(B)の非直線部25bはT字状であり、図7(C)の非直線部25cは十字状である。図7(D)の非直線部25dは直線が繰り返し鋭角に曲がる蛇行形状であり、図7(E)の非直線部25eは直線が繰り返し90度曲がる蛇行形状である。
〔補強パターンの作用〕
補強パターンについては、実施例1と同様に図3で示される範囲内の線膨張係数αrをもつのがよい。また、補強パターン30の線膨張係数αrが基材の線膨張係数αsと電子機能パターン20の線膨張係数αmとの間の値である必要はなく、次の式で表される関係(図5参照)を満たす場合にも補強パターン20は有効となる。
αm−(αs−αm)<αr≦αms>αmの場合)
αm≦αr<αm+(αm−αs) (αs<αmの場合)
この関係が満たされる場合、図4の構造において、互いの間の線膨張係数の差が大きい基材10と補強パターン30とが熱伸縮を抑制し合い、これらの熱伸縮量を電子機能パターン20の熱伸縮量に近づける。これにより電子機能パターン20の熱伸縮に伴う歪が軽減され、焼成時の電子機能パターン20の変形・破壊が防止される。
本実施例では、次の(1)〜(3)の三つの工程によって、電子機能パターンおよび補強パターンが基材上に形成される。
(1)補強材料を基材上に配置する工程
(2)電子機能材料を基材にパターン塗布する工程
(3)電子機能材料を焼成する工程
これらの工程のうち(1)の工程以外は上述の実施例1と同様である。電子機能材料を含有したインク、基材、補強材料のパターンは全て実施例1と同様である。
〔補強材料〕
補強パターンの材料として例えばポリイミドを使用する。ポリイミドの線膨張係数は有機物としては非常に低く、金属に近い。具体的には、ピーアイ技術研究所製スクリーン印刷用ポリイミドインクQ−IP−GWK110を用いる。このインクを用いて作成した補強パターンの平均線膨張係数は20(×10-6/K)であり、電子機能材料との平均線膨張係数差は、ほぼ0である。
補強材料の印刷方法としては、スクリーン印刷を使用する。これにより、高精度な補強材料パターンを形成することが可能となる。インクの粘度や表面張力といった物性値を変えることによりインクジェットにより補強材料をパターニングすることも可能である。その場合、電子機能材料を塗布する工程と合わせてバリアブル・オンデマンド性に優れた製造プロセスとなる。
本実施例において、電子機能材料は実施例1と同様の銀である。電子機能パターンの降伏応力は55MPa、ヤング率は83GPaであり、降伏応力時の歪みは、0.066%である。
電子機能材料と補強材料との平均線膨張係数差は、上述のとおり0(×10-6/K)である。塗布工程から焼成終了までの間における基材の最大温度差は93℃であった。したがって、焼成中のピーク温度での補強パターンの歪みは0×10-6×93×100=0%であり、電子機能材料の降伏応力時の歪み0.066%よりも小さい。
補強パターンについては、次の式で表される関係(図8参照)を満たすのがよい。
αm−(εm/ΔT)<αr<αm+(εm/ΔT)
ただし、
αm:電子機能材料の平均線膨張係数
αr:補強材料の平均線膨張係数
εm:電子機能材料の降伏応力と0.2%耐力との小さい方による歪
ΔT:前記期間における最低温度と最大温度との温度差
さらに次の二つの式で表される関係を満たすのがよい。
σL<σr
r>(σL/εm
ただし、
σr:補強材料の降伏応力と0.2%耐力とのうち小さい方
σL:補強材料の印刷パターン長手方向の応力
r:補強材料のヤング率
εm:電子機能材料の降伏応力と0.2%耐力とのうちの小さい方による歪
ここで、図9を参照して次の値を定める。
W:基材の厚さ=100μm
x:補強材料長手方向と直交する方向における補強材料が基材と接している長さ=100μm
A:補強材料長手方向に直交する方向における補強材料の断面積=1000μm2
この場合、補強材料および基材の材料よって次の物性値が定まる。
σr:補強材料の降伏応力=52〜90MPa
r:補強材料のヤング率=5GPa
εm:電子機能材料の降伏応力の時の歪み=少なくとも0.2%以上
s:基材のヤング率=4MPa
電子機能材料の塗布から焼成までの工程における基材の温度差は93℃であるので、次の値が計算される。
εs:焼成時の基材の歪み=300×10-6×93×100=2.79%
εr:焼成時の補強材料の歪み=20×10-6×93×100=0.186%
以上から次の関係が導かれる。
σs=Es・(εs−εr)=4MPa・(2.79%−0.186%)
=0.104MPa
L=σs・(x・W+1/2π・W2
σL=FL/A=σs・(x・W+1/2π・W2)/A
=0.104MPa・(100μm・100μm+1/2π・10000μm2
/1000μm2=2.67MPa<52〜90=σr
(σL/εm)=2.67MPa/(0.2%以上)≦1.34GPa<5GPa=Er
図10は、以上の実施例1,2,3において、焼成時の基材と電子機能パターンとの熱伸縮量の差から生じる電子機能パターンの変形・破壊が補強パターンによって緩和することを示している。
実施例1〜3で作成した電子機能パターンの変形・破壊の度合いを観察した。焼成後の電子機能材料が幅100μm、厚み1μmになるようにインクを塗布した後、焼成を行い、電子機能パターンを作成し、その後に室温まで冷却した後で観察を行った。また、比較例1として、補強材料を一切用いずに電子機能パターンを形成した試料を作製し、比較例2として、補強材料として平均線膨張係数が310(×10-6/K)であるシリコーンゴムを図2のようにパターニングした試料を作製した。観察の結果が図10に表形式で示されている。図10からわかるとおり、実施例1〜3で得られた電子機能パターンは、変形・破壊が抑制されている。特に、実施例3においては顕著な効果が見られる。
以上の実施形態において、基材10、電子機能パターン20および補強パターン30の材質、パターン形状、パターン幅、厚さなどの諸条件は本発明の趣旨に沿う範囲内で適宜変更することができる。電子機能パターン20の材質は金属に限らず、半導体でもよいし、絶縁体であってもよい。
電子機能パターン20の全体または大半を非直線部から構成されるパターンとすれば、その全体に対応する補強パターン30を設けることによって、電子機能パターン20が熱伸縮によって破損しにくいデバイスを得ることができる。
1,1b プリンデッドエレクトロニクスデバイス
10 基材
20 電子機能パターン
30 補強パターン
BB 部分(非直線部)
25a,25b,25c,25d,25e 非直線部

Claims (7)

  1. 基材上に電子機能材料を含有したインクのパターン塗布および焼成によって電子機能パターンが形成されたプリンデッドエレクトロニクスデバイスであって、
    前記電子機能パターンが、異なる方向に延びる互いにつながった帯状部から構成される形状に形成された非直線部を有しており、
    前記基材における前記電子機能パターンが形成された面に、前記非直線部の端縁の全長にわたって当該端縁に沿って延びる端縁をもちかつ当該非直線部と接する印刷パターンであって、線膨張係数が前記基材と異なりかつ帯電性を有する粒子材料からなる補強パターン、または、線膨張係数が前記基材と異なりかつ前記電子機能パターンと同等の線膨張係数を有する材料からなる補強パターンが形成されている
    ことを特徴とするプリンデッドエレクトロニクスデバイス。
  2. 前記補強パターン材料の線膨張係数αr、前記基材の線膨張係数αs、および前記電子機能材料の線膨張係数αmの関係が次の式
    αm−Δα<αr<αm+Δα
    ただし、Δα:|αm−αs|
    で表される
    請求項1記載のプリンデッドエレクトロニクスデバイス。
  3. 前記補強パターンの材料の線膨張係数αr、前記基材の線膨張係数αs、および前記電子機能材料の線膨張係数αmの関係が次の式
    αm−( αs−αm) <αr≦αm ( αs>αmの場合)
    αm≦αr<αm+( αm−αs) ( αs<αmの場合)
    で表される
    請求項1記載のプリンデッドエレクトロニクスデバイス。
  4. 基材上に電子機能材料のパターン塗布および焼成によって電子機能パターンを形成する方法であって、
    異なる方向に延びる互いにつながった帯状部から構成される非直線部を有する形状に、前記電子機能材料を前記基材の片面にパターン塗布する工程と、
    前記電子機能材料のパターン塗布の前または後に、前記非直線部の端縁の全長にわたって当該端縁に沿って延びる端縁をもちかつ当該非直線部と接する形状となるように、帯電性を有する粒子からなる補強材料を静電転写により前記基材の前記片面に印刷する工程と、
    パターン塗布されかつ前記補強材料が印刷された状態で前記電子機能材料を焼成する工程とを備え、
    前記補強材料の線膨張係数αr、前記基材の線膨張係数αs、および前記電子機能材料の線膨張係数αmの関係が次の式
    αm−Δα<αr<αm+Δα
    ただし、Δα:|αm−αs|
    で表される
    ことを特徴とする電子機能パターンを形成する方法。
  5. 前記補強材料の線膨張係数αr、前記基材の線膨張係数αs、および前記電子機能材料の線膨張係数αmの関係が次の二つの式
    αm−( αs−αm) <αr≦αm ( αs>αmの場合)
    αm≦αr<αm+( αm−αs) ( αs<αmの場合)
    で表される
    請求項4記載の電子機能パターンを形成する方法。
  6. 基材上に電子機能材料のパターン塗布および焼成によって電子機能パターンを形成する方法であって、
    前記電子機能材料を前記基材の片面にパターン塗布する工程と、
    前記電子機能材料のパターン塗布の前または後に、前記電子機能材料の塗布パターンの端縁に沿って延びる端縁をもつ形状となるように、補強材料を前記基材の前記片面に印刷する工程と、
    パターン塗布されかつ前記補強材料が印刷された状態で前記電子機能材料を焼成する工程とを備え、
    前記電子機能材料のパターン塗布から焼成終了までの期間における前記補強材料の平均線膨張係数αr、前記基材の平均線膨張係数αs、および前記電子機能材料の平均線膨張係数αmの関係が次の式
    αm−(εm/ΔT)<αr<αm+(εm/ΔT)
    ただし、
    εm:電子機能材料の降伏応力と0.2%耐力との小さい方による歪
    ΔT:前記期間における最低温度と最大温度との温度差
    で表され、
    前記補強材料は、線膨張係数が、前記基材と異なりかつ前記電子機能材料と同等である、
    ことを特徴とする電子機能パターンを形成する方法。
  7. 前記補強材料は、次の二つの式
    σL<σr
    Er>(σL/εm)
    ただし、
    σr:補強材料の降伏応力と0.2%耐力とのうち小さい方
    σL:補強材料の印刷パターン長手方向の応力
    Er:補強材料のヤング率
    εm:電子機能材料の降伏応力と0.2%耐力とのうちの小さい方による歪
    で表される関係を満たす
    請求項6記載の電子機能パターンを形成する方法。
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