JP6425188B2 - 小便器 - Google Patents

小便器

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Description

本発明は、排水管に接続される小便器に関する。
男子用の小便器接続された排水管では、尿石が発生し、尿や洗浄水の流れを悪化させたり排水管を閉塞して小便器を使用不能の状態にしてしまうといった問題がある。尿石は、次のようなプロセスで生じると考えられている。すなわち、排水管に残留した尿中に含まれる尿素が排水管内の細菌により分解されてアンモニアを生成し、これにより排水管に残留した尿を含む排水のpHを上昇する。pHが高くなると、尿中に含有されているカルシウムイオンやマグネシウムイオンがリン酸イオンと等と反応して生成するカルシウム化合物やマグネシウム化合物の溶解度が低下し、これらの化合物が析出する。これが尿石である。
従来より、こうした尿石の発生を防止するために、排水管に尿石の発生を防止するための成分を含有させた洗浄水や排水を流入させる方法が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、排水管に流れ込む排水に予めpHを低下させる薬剤を溶解させることで排水管に低pHの排水を流入させて尿石の発生を防止する小便器や、排水管に殺菌成分を含有させた洗浄水を供給することで排水管内の殺菌を行い、pHの上昇を抑制し、尿石の発生を防止している小便器が知られている。
特開2002−326098号公報
しかし、従来の方法では、尿石の発生を抑制するために、排水管に殺菌成分や酸性成分を含有させた液体を流し込む必要があるため、結果的にこうした成分が排水管を通して外部へ流出されることを考えると、環境負荷の観点から好ましくない。
そこで、本願発明者らは、従来のように、環境負荷の要因となる殺菌成分や酸性成分を含有させた液体を排水管に流入させることなく、小便器に接続された排水管に尿石が発生することを抑制することができる全く新しい考え方に基づく尿石抑制方法を考案した。具体的には、使用者によって排出された尿が排水管に流入する前に、その尿から尿石成分イオンを除去し、排水管に流入する尿石成分イオンの量を低減させる方法である。より具体的には、静電引力により尿中から尿石成分イオンを吸着すると共に、この吸着した尿石成分イオンを保持する方法である。しかし、このように尿石成分イオンを吸着および保持する場合、継続的に尿石成分イオンの吸着および保持を行うためには、保持した尿石成分イオンを処理する必要がある。しかし、そのために、保持している尿石成分イオンを排水管へ排出しようとすると、排出した尿石成分イオンが要因となって排水管に尿石が発生してしまう恐れがある。
本発明は、尿から尿石成分イオンを吸着および保持することで、環境負荷を低減しつつ排水管での尿石の発生を抑制することが可能な小便器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る小便器は、排水管に接続される小便器であって、尿を受けるボウル部と、前記ボウル部の底部に開口した、前記排水管に通じる排水口と、を備え、さらに、尿石の成分となる尿石成分イオンが前記排水管に流入することを抑制できるよう、ボウル部が受けた尿が前記排水管に流入する前に該尿中に含まれる尿石成分イオンを静電引力により吸着すると共に、吸着した尿石成分イオンを保持する尿石成分イオン吸着手段が設けられ、前記尿石成分イオン吸着手段は着脱可能に設けられていることを特徴とする。
尿石成分イオン吸着手段は、使用者から排出された尿が小便器に接続される排水管に流入する前に、その尿中に含まれる尿石成分イオンを静電引力により吸着すると共に、吸着した尿石成分イオンを保持する。したがって、排水管に流入する尿に含まれる尿石成分イオンの量を低減させることができる。これにより、排水管に尿が残留しても、排水管に残留する尿石成分イオンの量を低減させることができるため、尿石の発生を抑制することができる。このように、本発明では、排水管にpHの上昇を抑えるための殺菌成分や酸性成分を含有した排水管や洗浄水を排水管に流入させることなく、尿石の発生を抑制できるため、環境負荷を低減しつつ、尿石の発生を抑制することができる。さらに、本発明では、尿石成分イオン吸着手段が着脱可能に設けられているため、尿石成分イオン吸着手段が保持している尿石成分イオンの量が多量になった場合には、新しい尿石成分イオン吸着手段と交換することができる。したがって、尿石成分イオン吸着手段に保持している尿石成分イオンを排水管に排出する必要がなく、より確実に排水管での尿石の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る小便器では、前記排水口へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、前記尿石成分イオン吸着手段により保持されている尿石成分イオンの量が、前記尿石成分イオン吸着手段が保持可能な尿石成分イオンの最大量に達したことを検知する最大量到達検知手段と、前記最大量到達検知手段の検知結果に基づき、前記洗浄水供給手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記最大量到達検知手段が前記尿石成分イオン吸着手段により保持されている尿石成分イオンの量が最大量に到達したことを検知すると、使用者の排尿後に、前記洗浄水供給手段により洗浄水を供給することも好ましい。
尿石成分イオン吸着手段が保持できる尿石成分イオンの量には限界があるため、尿石成分イオン吸着手段が保持できる尿石成分イオンの量が最大量に達した場合、尿石成分イオン吸着手段は、それ以上尿石成分イオンを保持できなくなってしまう。したがって、このように最大量に達してしまった場合、使用者から排出された尿は、尿石成分イオン吸着手段により尿石成分イオンを除去されることなく排水管へ流入することとなる。そこで、本発明では、最大量到達検知手段が尿石成分イオン吸着手段により保持されている尿石成分イオンの量が最大量に到達したことを検知すると、使用者の排尿後に、洗浄水供給手段により排水口へ洗浄水を供給するよう工夫した。これにより、尿石成分イオン吸着手段が保持している尿石成分イオンの量が最大量に達したとしても、排水管に流入する尿は、供給される洗浄水により下流側に搬送されるか、もしくは、洗浄水と混合し尿石イオン濃度を低下させることができる。したがって、排水管に残留する排水の尿石イオン濃度を低下させることができるため、尿石成分イオン吸着手段の尿石成分イオン保持量が最大量に達したにもかかわらず、新しい尿石成分イオン吸着手段に交換されない異常事態が生じたとしても、排水管での尿石の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る小便器では、静電引力によって尿石成分イオンを吸着させる際、静電引力によって尿石成分イオンを含む陽イオンを引き寄せた後に、陽イオンの中から尿石成分イオンを選択的に吸着させることも好ましい。
この好ましい態様では、尿石発生に関係のない陽イオンを捕集することによる吸着性の低下を防止し、長期間に亘って尿石発生を抑制することができるため、メンテナンスの頻度を軽減させることができる。
本発明に係る小便器によれば、尿から尿石成分イオンを吸着および保持することで、環境負荷を低減しつつ排水管での尿石の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る小便器の断面図である。 図1に示した小便器のトラップ部の拡大図である。 図1に示した小便器の動作を示すフローチャートである。 図1に示した小便器の吸着モード実行時におけるトラップ部内の様子を示す概略図である。 図1に示した小便器の吸着モード実行時における排水管内の様子を示す概略図である。 図1に示した小便器の緊急措置モード実行時の動作を示すフローチャートである。 図1に示した小便器の緊急措置モード実行時におけるトラップ部内の様子を示す概略図である。 図1に示した小便器の緊急措置モード実行時における排水管内の様子を示す概略図である。 電極間に流れる電流の値(保持電流の値)と電極の尿石成分イオン保持量との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態である小便器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態である小便器USを示す断面図である。図1に示されるように、小便器USは、小便器本体1と、給水ユニット3と、給水管5と、スプレッダー7(洗浄水供給手段)と、トラップ部TPと、制御部CR(制御手段)を備えている。小便器本体1及び給水ユニット3は、建築躯体の壁面WLに取り付けられている。
小便器本体1は、ボウル部9を備えている。ボウル部9は、小便器本体1の使用者からの尿流を受け止める部分である。使用者から放たれた尿流は、ボウル部9後方のボウル壁面11に当たって下方に流れる。下方に流れた尿流は、ボウル部9の底部に開口した排水口13からトラップ部TPへと流れる。排水口13には、着脱可能な目皿ユニットMUが配置されている。
給水ユニット3の上流側は、建築側給水管17に繋がれている。建築側給水管17は、壁面WLの裏面側に配置されており、給水源から水を供給し給水ユニット3に送り出している。一方、給水ユニット3の下流側は、給水管5に繋がれており、給水管5はさらに、スプレッダー7に接続されている。
給水ユニット3は、人感センサー39(人体検知手段)と電磁弁19を備えている。人感センサー39は、小便器USを使用する使用者が、小便器本体1の前に立ったことを検知するためのセンサーである。人感センサー39としては、赤外線センサーやドップラーセンサーといったセンサーが適宜用いられる。人感センサー39は、使用者の検知結果を制御部CRに出力する。
電磁弁19は、建築側給水管17と給水管5との間に設けられている。電磁弁19が閉じられていると、建築側給水管17から供給される水は給水管5に流れないように止水される。電磁弁19が開いていると、建築側給水管17から供給される水は、電磁弁19の開度に応じた瞬間流量(電磁弁19近傍の管路を通過する際の瞬間流量(m 3 /s))で給水管5に流れる。給水管5を流れる水は、スプレッダー7より、ボウル壁面11に沿うように下方に放出される。
ここで、制御部CRは、電磁弁19を所定の開度に開いたり閉じたりするための制御信号を出力する。なお、本実施形態における小便器USは、使用者の排尿行為の都度、スプレッダー7から水を供給し、ボウル部9の洗浄や、トラップ部TP内に貯まった尿を水と置換させる構成ではなく、通常、使用者の排尿行為の後にスプレッダー7から水を供給しない構成である。このような構成により、本実施形態の小便器USは節水を図っている。
トラップ部TPは、小便器本体1の排水口13に連通して封水Wsを形成するように配置されている。この封水Wsにより、排水管からの悪臭の逆流を防止している。トラップ部TPは封水Wsを形成すると共に、排水口13から流れ込む尿やスプレッダー7から供給される水を排水として器具排水管21側に送り出している。器具排水管21(排水管)は、壁面WLの裏面側に配置され、更に下流側の排水横枝管27(排水管)に接続されている。(以下、器具排水管21と排水横枝管27を併せて、「排水管HK」と称する。)したがって、器具排水管21に送り出された尿や水を含む排水は、排水横枝管27へと流れ込む。上述したように、本実施形態における小便器USは、使用者の排尿行為の後に洗浄水を供給しない構成であるため、トラップ部TP内に流入した尿は洗浄水と置換されることがなく、したがって、トラップ部TP内の封水Wsは、尿により形成される。
図2を参照しながら、トラップ部TPおよび目皿ユニットMUについて、詳しく説明する。図2は、目皿ユニットMUが配置されたトラップ部TPの拡大図である。図2に示されるように、トラップ部TPは上流側から順に、上流接続部TPa(下降流路)と、下流接続部TPb(上昇流路)と、下流あふれ部TPcとを備えている。
上流接続部TPaは、ボウル部9の排水口13に繋がる部分である。上流側に排水口13が繋がっており、ボウル部9から排水口13に流れ込んだ尿や水は上流接続部TPaに流れ込む。
トラップ部TPは、排水口13に流れ込んだ尿や水を一時的に溜めるため、上流接続部TPa及び下流接続部TPbにより、U字状を成すように形成されている。上流接続部TPaから流れ込んだ水は、下流あふれ部TPcの下側内壁面よりも下側に溜まるように構成されている。したがって、封水Wsは、上流接続部TPaに溜まる上流封水Wsuと、下流接続部TPbに溜まる下流封水Wsdとによって形成される。尚、本実施形態ではU字型のトラップをトラップ部TPとして採用したけれども、例えば、ベルトラップなど、上述した機能を果たす限りその他の形態のトラップを採用することも好ましいものである。
目皿ユニットMUは、目皿15と、吸着手段25(尿石成分イオン吸着手段)とを備えている。吸着手段25は、トラップ部TPに貯留されている尿から、尿石の成分となるイオン(尿石成分イオン)を吸着することで、トラップTP内の尿から尿石成分イオンを除去する機能を有する吸着手段25が配置されている。尿石の成分となるイオンとは、カルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)、リン酸イオン(PO4 3-)などが挙げられる。
本実施形態における小便器USは、このような吸着手段25を配置しているため、トラップ部TPに流れ込んだ尿が排水管HKに流れ込む前に、その尿から尿石の成分となるイオンを除去できる。したがって、排水管HKに流れ込み、排水管HKに残留する尿の尿石成分イオン濃度を極めて低くできるため、排水管HKで尿石が生じることを防止することができる。
本実施形態における吸着手段25は、一対の電極25a、25bからなるものであって、これらの電極25a、25bは、電極保持部35a、35bを介して、目皿15に固定されている。目皿ユニットMUは、小便器本体1に対して着脱可能に設けられており、目皿15を小便器本体1の排水口13近傍に設けられた目皿載置用段部37に載置することにより、小便器本体1に配置される。なお、目皿15の下面側および目皿載置用段部37の上面側にはそれぞれ、通電用コネクタ33、31が設けられており、目皿ユニットMUを目皿載置用段部37に載置する際に、通電用コネクタ33、31が接触するように載置することによって、制御部CRから電極25a、25bへの通電を可能にしている。また、目皿載置用段部37に目皿ユニットMUを載置すると、電極25a、25bはトラップ部TPに貯留されている尿に浸漬配置されるよう構成されている。そして、電極25a、25bに電圧を継続して印加することによって、尿石成分イオンが、静電引力により反対の電荷を持つ電極に引きつけられると共に、この引きつけた状態を維持し、これにより尿から尿石成分イオンを除去する。
制御部CRは、上述したように、電磁弁19を所定の開度に開いたり閉じたりするための制御信号を出力する。また、制御部CRは、電極25a、25bに所定の電圧を印加するように制御信号を出力する。
ここで、制御部CRは、「吸着モード」を実行可能に構成されている。「吸着モード」は、電極25a、25bに所定電圧V1を継続的に印加して、電極25a、25bに尿中の尿石成分イオンを吸着させると共に、その吸着状態を維持して、吸着した尿石成分イオンを保持することにより、トラップ部TPに貯留された尿から尿石成分イオンを除去するモードである。
吸着手段25によって保持可能な尿石成分イオンの量には限度があるため、保持されている尿石成分イオンの量が、吸着手段25によって吸着可能な尿石成分イオンの最大量Nmに達した場合は、新しい目皿ユニットMUに交換することにより、再度、吸着が可能となる。このように、本実施形態における小便器USは、交換式の目皿ユニットMUを採用しているため、吸着した尿石成分イオンを排水管HKに排出することがなく、排水管HKに尿石が発生することを防止することができる。
さらに、制御部CRは、「吸着モード」の実行中に、電極25a、25bにより保持されている尿石成分イオンの量が、電極25a、25bによって保持可能な尿石成分イオンの最大量Nmに達した場合に実行する、「緊急措置モード」を実行可能である。詳細は後述するが、「緊急措置モード」を実行可能にすることによって、本実施形態における小便器USは、尿石成分イオン保持量が最大量Nmに達し、それ以上の吸着および保持ができなくなってしまった場合でも、排水管HKにおいて尿石が生じることを抑制できるように工夫している。
続いて、本実施形態における小便器USの制御部CRの動作、および、この動作時のトラップ部TP内の様子や排水管HK内の様子について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の小便器USの動作を示すフローチャートである。図4および図5はそれぞれ、吸着モード実行時におけるトラップ部TP内の様子と、排水管HK内の様子を示す概略図である。なお、図4、5については、簡略化のため、尿石成分イオンとして、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)のみを示しているが、実際には、リン酸イオン(PO4 3-)等、他の尿石成分イオンの吸着、保持も行われている。
目皿ユニットMUを目皿載置用段部37に載置すると、即座に自動で「吸着モード」を実行する(ステップS11)。このとき、上述したように、電極25a、25bには、電圧V1が継続的に印加される。続いて、ステップS12では、尿石成分イオンの保持量が、電極25a、25bの保持可能な最大量Nmに達したか否かを判定する。具体的には、本実施形態の小便器USでは、制御部CRに、電極25a、25b間を流れる電流(電極25a、25b間に電圧を印加する電源から出力される電流である。以下、「保持電流」とも称する)の値が入力されるよう構成されている(最大量到達検知手段)。保持電流は、電極25a、25bに保持されている尿石成分イオンの量に応じて変化するため、この保持電流の値に基づき、電極25a、25bの尿石成分イオン保持量が、最大量Nmに達したか否かを判定する。より具体的には、保持電流の値と電極25a、25bの尿石成分イオン保持量の間には、図9に示すように、反比例の関係があり、さらに、保持電流が所定の下限電流値Ibに達すると、それ以上尿石成分イオン保持量を増やすことができなくなるという特性があるため、保持電流が、下限電流値Ibに達したか否かによって、電極25a、25bの尿石成分イオン保持量が、最大保持量Nmに達したか否かを判定する。したがって、ステップS12にて、尿石成分イオン保持量が最大量Nmに達したと判定されるまで、電極25a、25bは、使用者から排出される尿から、尿石成分イオンを吸着すると共に、保持する動作を繰り返すことができる。
ここで、「吸着モード」実行時における、トラップ部TP内および排水管HK内の様子について説明する。図4(A)は、「吸着モード」実行後に、数人の使用者が排尿した後の状態を示している。トラップ部TP内には、使用者が排出した尿が貯留されているが、これらの尿に含まれる尿石成分イオン(Ca2+、Mg2+)はすでに電極25aに吸着されており、トラップ部TP内に貯留されている尿Urlの尿石成分イオン濃度は極めて低い状態、あるいは尿石成分イオンを含んでいない状態になっている。図4(B)に示すように、新たな使用者により排尿が行われると、使用者によって排出された尿Urpがトラップ部TPに流れ込む。この流れ込みにより、貯留されていた尿Urlは、図5(A)に示すように、排水管HKに排出されるが、尿Urlは尿石成分イオン濃度が極めて低いか、尿石成分イオンを含んでいないため、図5(B)に示すように、排水管HKに尿Urlが残留し、排水管HK内の細菌等の作用により残留した尿UrlのpHが高くなったとしても、尿石が析出することを抑制できる。また、図4(B)に示すように、トラップ部TPに流入した尿Urpに含まれる尿石成分イオンは、電極25aに吸着される。したがって、新たな尿Urpがトラップ部TPに流入しても、それらの尿は、図5(C)に示すように、尿石成分イオン濃度が極めて低い状態、あるいは尿石成分イオンを含んでいない状態でトラップ部TP内に貯留される。
図3に戻り、ステップS12において、吸着総量が最大量Nmに達したと判定された場合には、ステップS13に移行し、「緊急措置モード」を実行する。ここで、「緊急措置モード」実行時のより具体的な制御部CRの動作について説明する。図6は、「緊急措置モード」実行時の小便器USの動作を示すフローチャートである。
ステップS131では、人感センサー39からの出力に基づき、小便器USの使用者の有無を判定する。使用者がいない場合は、ステップS131を繰り返し実行し、使用者がいる場合は、ステップS132へ移行する。ステップS132では、人感センサー39からの出力に基づき、小便器USの使用者が排尿を完了し、小便器USの前から立ち去ったか否かを判定する。使用者が小便器USの前から立ち去っていなければ、ステップS132を繰り返し実行し、立ち去っていれば、ステップS133に進み、スプレッダー7から洗浄水の供給を開始する。続いて、ステップS134に進み、洗浄水の供給開始から所定時間Taが経過したか否かを判定する。所定時間Taが経過していなければ、ステップS134を繰り返し実行し、所定時間Taが経過していれば、ステップS135に移行し、スプレッダー7からの洗浄水の供給を終了する。そして、再度、ステップS131へ戻り、小便器USの使用者の有無の判定を開始する。
続いて、「緊急措置モード」実行時のトラップ部TP内および排水管HK内の様子について説明する。図7および図8はそれぞれ、「緊急措置モード」実行時のトラップ部TP内の様子と、排水管HK内の様子を示す概略図である。なお、図7、8については、図4、5と同様に、簡略化のため、尿石成分イオンとして、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)のみを示しており、実際には、リン酸イオン(PO4 3-)等、他の尿石成分イオンの吸着、保持も行われている。
図7(A)は、ステップS13実行初期の、尿石成分イオン保持量が最大量Nmに達した状態のトラップ部TP内の様子を示している。電極25aは、尿石成分イオンを最大量保持している。図7(B)は、新たな使用者により、排尿が行われ、トラップ部TPに尿Urpが流入している状態を示している。図7(C)は、使用者による排尿が終わり、スプレッダー7より洗浄水が供給されている状態を示している。洗浄水が供給されることにより、トラップ部TP内や排水管HK内で、使用者より排出された尿と洗浄水が混合されるため、図8(A)に示すように、排水管HKを流れる排水は、排出されたばかりの尿よりも、尿石成分イオン濃度が低い状態となる。したがって、使用者の排尿後に排水管HKに残留する排水を尿石成分イオン濃度が低い排水にすることできるため、尿石成分イオン濃度の高い尿が排水管HKに残留する場合に比べて、尿石の発生を抑制することができる。
このように、「緊急措置モード」を実行することで、電極25a、25bの尿石成分イオン保持量が最大量Nmに達し、しばらくの間、新たな目皿ユニットMUに交換されない場合が生じても、使用者から排出された尿がそのまま(尿石成分イオン濃度が高いまま)の状態で排水管HKに残留することを防止でき、尿石の発生を抑制することができる。
次に、静電引力による吸着を行う際に尿石成分イオンを選別して吸着させる変形例について説明をする。本変形例においては、静電引力による吸着を行う際に尿石成分イオンを選別して吸着させる以外は、上述した実施形態と共通するため、説明を省略する。
本変形例では、吸着手段25がさらに、尿石成分イオンを含む陽イオンを静電引力で引き寄せた後、陽イオンの中から尿石成分イオンを選別して吸着させる尿施成分イオン選別部を有する。
尿石成分イオン選別部は尿石成分イオンの大きさよりも僅かに大きい気孔を有するフィルタからなる。吸着手段25の静電引力によって引き寄せられた陽イオンのうち、フィルタの気孔よりも小さい尿石成分イオンが気孔内部に侵入して吸着手段25に吸着され、フィルタの気孔よりも大きい陽イオンは気孔から進入できずに吸着されない。
こうすることによって、尿石成分イオン以外の陽イオンを吸着しない分、尿石成分イオンを多く吸着させることができるため、長期間に亘って尿石の発生を抑制することができ、メンテナンスの頻度を軽減することができる。
なお、フィルタは、吸着手段25を構成する電極25a、25bとは別部材で構成しても良いし、電極25a、25bそのものに尿石成分イオンが通る気孔を設けて構成しても良い。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、上述した実施形態では、吸着手段により吸着した尿石成分イオンを保持するために、静電引力を利用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、分子間力や、物理的な力を利用して、吸着した尿石成分イオンを保持するようなものであっても構わない。
US:小便器
WL:壁面
CR:制御部
MU:目皿ユニット
1:小便器本体
3:給水ユニット
5:給水管
7:スプレッダー(洗浄水供給手段)
9:ボウル部
11:ボウル壁面
13:排水口
15:目皿
17:建築側給水管
19:電磁弁
21:器具排水管(排水管)
25:吸着手段(尿石成分イオン吸着手段)
25a:電極(陰極)
25b:電極(陽極)
27:排水横枝管(排水管)
27a:分岐部
31:(小便器側)通電用コネクタ
33:(目皿側)通電用コネクタ
35a、35b:電極保持部
37:目皿載置用段部
39:人感センサー(人体検知手段)
TP:トラップ部
TPa:上流接続部(下降流路)
TPb:下流接続部(上昇流路)
TPc:下流あふれ部
Ws:封水
Wsu:上流封水
Wsd:下流封水
Url:尿(尿石要因イオン除去済の尿)
Urp:尿(尿石要因イオン未除去の尿)
Wfl:洗浄水
HK:排水管

Claims (2)

  1. 排水管に接続される小便器であって、
    尿を受けるボウル部と、
    前記ボウル部の底部に開口した、前記排水管に通じる排水口と、を備え、
    さらに、尿石の成分となる尿石成分イオンが前記排水管に流入することを抑制できるよう、ボウル部が受けた尿が前記排水管に流入する前に該尿中に含まれる尿石成分イオンを静電引力により吸着すると共に、吸着した尿石成分イオンを保持する尿石成分イオン吸着手段が設けられ、
    前記尿石成分イオン吸着手段は着脱可能に設けられ
    さらに、
    前記排水口へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
    前記尿石成分イオン吸着手段により保持されている尿石成分イオンの量が、前記尿石成分イオン吸着手段が保持可能な尿石成分イオンの最大量に達したことを検知する最大量到達検知手段と、
    前記最大量到達検知手段の検知結果に基づき、前記洗浄水供給手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記最大量到達検知手段が前記尿石成分イオン吸着手段により保持されている尿石成分イオンの量が最大量に到達したことを検知すると、使用者の排尿後に、前記洗浄水供給手段により洗浄水を供給することを特徴とする小便器。
  2. 前記尿石成分イオン吸着手段は、静電引力によって尿石成分イオンを含む陽イオンを引き寄せた後に、陽イオンの中から尿石成分イオンを選択的に吸着させることを特徴とする、請求項1に記載の小便器。
JP2014199517A 2014-06-05 2014-09-30 小便器 Active JP6425188B2 (ja)

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