JP6425130B2 - レーダ装置及びレーダ状態推定方法 - Google Patents

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Description

本開示は、移動体(例えば、車両)の速度を推定するレーダ装置及びレーダ状態推定方法に関する。
特許文献1には、車両に搭載されたレーダ装置が、静止物体により反射された反射波信号を受信し、静止物体との相対速度(以下、ドップラー速度と呼ぶ)から車両の速度(車速)を算出する方法が開示されている。
特開2009−236570号公報
しかしながら、特許文献1では、レーダ装置が車両の前方に設置されているため、車両前方方向の静止物以外を検出することは困難である。さらに、車両が交差点を曲がる、又は、カーブに沿って走行する、つまり、旋回状態である場合は、車両の進行方向は、車両の前方方向(レーダ装置の測定方向)と一致しない。
このため、車速は、車両前後の移動を表す速度以外に、車両が旋回することにより発生する車両横方向の移動によるドップラー速度が含まれる。以上より、測定される静止物体に対するドップラー速度を車速とすると誤差を含み、レーダ装置は、高精度な車速推定が困難になる。
本開示の一態様では、車両が旋回状態でも車両における任意の位置の進行方向及び速度を精度良く推定できるレーダ装置及びレーダ状態推定方法を提供することである。
本開示の一態様に係るレーダ装置は、車両に設置され、レーダ信号を送受信するレーダ装置であって、前記車両の側面に設置された送信アンテナを用いて、前記レーダ信号を送信する送信部と、前記車両の側面に設置された受信アンテナを用いて、前記レーダ信号が少なくとも1つ以上の物体によって反射された少なくとも1つ以上の反射波信号を受信する受信部と、前記各反射波信号を用いて、前記各物体の方位、前記車両と前記各物体との間のドップラー速度、及び、前記各反射波信号の強度を測定する信号処理部と、前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の速度及び進行方向を推定する状態推定部と、を備え、前記状態推定部は、前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の進行方向候補を複数算出し、前記進行方向候補毎に前記車両の速度候補を複数算出する算出部と、前記進行方向候補と前記速度候補との組合せである複数の状態候補に対して、前記各物体の前記反射波信号の強度を付与する付与部と、前記反射波信号の強度の合計値が最大である状態候補に対応する速度候補及び進行方向候補を、前記レーダ装置の速度及び進行方向として決定する決定部と、を含む構成を採る。
本開示の一態様に係るレーダ状態推定方法は、車両に設置され、レーダ信号を送受信するレーダ装置におけるレーダ状態推定方法であって、前記車両の側面に設置された送信アンテナを用いて、前記レーダ信号を送信する送信ステップと、前記車両の側面に設置された受信アンテナを用いて、前記レーダ信号が少なくとも1つ以上の物体によって反射された少なくとも1つ以上の反射波信号を受信する受信ステップと、前記各反射波信号を用いて、前記各物体の方位、前記車両と各物体とのドップラー速度、及び、前記各反射波信号の強度を測定する信号処理ステップと、前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の速度及び進行方向を推定するレーダ状態推定ステップと、を含み、前記レーダ状態推定ステップは、前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の進行方向候補を複数算出し、前記進行方向候補毎に前記車両の速度候補を複数算出するステップと、前記進行方向候補と前記速度候補との組合せである複数の状態候補に対して、前記各物体の前記反射波信号の強度を付与するステップと、前記反射波信号の強度の合計値が最大である状態候補に対応する速度候補及び進行方向候補を、前記レーダ装置の速度及び進行方向として決定するステップと、を含む構成を採る。
本開示によれば、車両が旋回状態でも車両における任意の位置の進行方向及び速度を精度良く検出できる。
実施の形態1に係るレーダ装置1の構成を示すブロック図 実施の形態1に係る信号処理部19において観測されるドップラー速度の一例を示す図 車両直進時における方位−ドップラーマップの一例を示す図 車両直進時における方位−ドップラーマップの一例を示す図 車両旋回時における方位−ドップラーマップの一例を示す図 実施の形態1に係るレーダ状態推定部20の内部構成を示す図 本開示の一態様に係る投票処理の一例を示す図 実施の形態1におけるレーダ装置1と車両との関係を示す図 本開示の一態様に係る投票処理の一例を示す図 本開示の一態様に係るレーダ状態推定部20における処理の流れを示すフロー図 本開示の一態様に係る投票処理の概念を示す図 実施の形態2に係るレーダ装置2の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る静止物体の抽出処理を示す図 実施の形態3に係るレーダ装置3の構成を示す図 実施の形態3に係る車両状態推定部21の内部構成を示す図 実施の形態3に係るレーダ装置3と車両との関係を示す図
以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本開示は、レーダ装置のレーダ座標系での移動方向及び速度を、後述するレーダ状態推定方法にて推定し、推定結果、レーダ装置の車両における設置位置(車両原点は後輪中央)、及び、レーダ装置の車両における設置方位を用いて、車両における任意の位置の移動方向及び速度を算出する。
(実施の形態1)
[レーダ装置の構成]
図1は、本実施の形態に係るレーダ装置1の構成を簡略に示すブロック図である。図1に示すレーダ装置1は、基準信号生成部11、レーダ送信部12、送信アンテナ15、受信アンテナ16、レーダ受信部17を含む。
本実施の形態に係るレーダ装置1は、進行方向に沿って直進又は曲進(旋回)する移動体(例えば、車両)に設置される。具体的には、レーダ装置1において、少なくとも、受信アンテナ16は、車両の側面に設置され、車両の側面方向をレーダの視野角とする。なお、レーダ装置1が設置される移動体は車両に限らず、例えば、自動2輪(オートバイ)、自律歩行するロボットでもよい。なお、車両の側面とは、バンパー又はミラーであっても良い。
レーダ装置1は、レーダ送信部12が生成した高周波のレーダ送信信号を送信アンテナ15から送信する。レーダ装置1は、物体(図示せず)によって反射されたレーダ送信信号を、反射波信号として受信アンテナ16において受信する。レーダ装置1は、受信アンテナ16が受信した反射波信号を信号処理した結果を用いて、レーダ装置1が設置された位置でのレーダ進行方向及び速度を検出する。
なお、送信アンテナ15及び受信アンテナ16は、複数のアンテナから構成されてもよい。
以下、レーダ装置1の各部の構成について簡略に説明する。
基準信号生成部11は、レーダ送信部12及びレーダ受信部17に接続されている。基準信号生成部11は、基準信号としてのリファレンス信号をレーダ送信部12及びレーダ受信部17に供給し、レーダ送信部11及びレーダ受信部17の処理を同期させる。
レーダ送信部12は、送信信号生成部13及び送信無線部14を含む。
送信信号生成部13は、基準信号生成部11が生成したリファレンス信号に基づいて、リファレンス信号を所定倍に逓倍した送信基準クロック信号を生成する。送信信号生成部13は、送信基準クロック信号に基づいて動作する。
送信信号生成部13において生成されるベースバンドの送信信号は、例えば、符号化パルス信号、又は、チャープパルス信号であり、所定の送信周期に従って繰り返し送信される信号である。
送信無線部14は、送信信号生成部13が生成した送信信号をアップコンバートすることにより、キャリア周波数帯域(例えばミリ波帯域)のレーダ送信信号を生成する。
送信アンテナ15は、送信無線部14が生成したレーダ送信信号を空間に放射する。
受信アンテナ16は、レーダ送信部12が送信したレーダ送信信号が物体に反射された反射波信号を受信する。受信アンテナ16が受信した高周波のレーダ受信信号(反射波信号)は、レーダ受信部17に入力される。
レーダ受信部17は、受信無線部18、信号処理部19及び状態推定部としてのレーダ状態推定部20を含む。
受信無線部18は、車両の側面に設置された受信アンテナ16を用いて、レーダ送信信号が物体に反射された反射波信号を受信する。受信無線部18は、受信アンテナ16が受信したレーダ受信信号をダウンコンバートし、ベースバンドの受信信号を生成する。
信号処理部19は、レーダ送信信号の送信周期毎に、無線受信部18から入力される受信信号とレーダ送信部12が送信したレーダ送信信号との相関を演算し、反射波信号の受信遅延時間、すなわち、レーダ送信信号の送信開始時からの遅延時間を測定する。
また、信号処理部19は、受信遅延時間毎の相関演算結果に対して、コヒーレント加算(ドップラー周波数解析)する。これにより、信号処理部19は、受信遅延時間毎に複数のドップラー周波数成分のコヒーレント加算結果を得る。
なお、ドップラー周波数成分は、レーダ送信信号を反射した物体とレーダ装置1との間に距離方向の相対的運動が存在する場合、ドップラー効果により反射波信号に生じる周波数変動情報であり、反射した物体を基準としたレーダ装置1に対する距離方向の相対速度を示す周波数成分である。
また、信号処理部19は、複数のドップラー周波数成分のコヒーレント加算結果を用いて、反射波信号における距離毎、方位角毎及びドップラー周波数成分毎の電力プロファイル(反射強度)を求める。なお、信号処理部19は、ドップラー周波数成分のコヒーレント加算結果が、ノイズレベルを超える閾値以上である場合に電力プロファイルを求めてもよい。
また、信号処理部19は、電力プロファイルを用いて、反射波信号の到来方向を推定し、レーダ装置1に対する物体の相対速度(ドップラー速度)を求める。例えば、信号処理部19は、ドップラー周波数成分をドップラー速度成分に変換する。信号処理部19は、反射波信号を用いて、レーダ装置1の視野角内に存在する複数の物体の方位(レーダ視野角)、距離、車両とのドップラー速度、及び、反射強度(パワー)を測定し、レーダ状態推定部20へ入力する。
[レーダ視野角θとドップラー速度Vとの関係]
図2は、電力プロファイルから求められる方位毎のドップラー速度Vの一例を示す。横軸はレーダ視野角θ(物体の方位)、縦軸はドップラー速度Vであり、図2に示す白丸は閾値以上の強度を有する反射波信号を表し、静止物及び移動物を含む。また、図2に示す白丸の大きさ(面積)は物体からの反射の強度を表す。
また、図3から図5は、図2と同様の結果であるが、レーダ装置と静止物との位置関係に着目し、レーダ視野角θの方位と、静止物からの反射波によって得られる相対速度(ドップラー速度)との関係について説明する。
図3A及び図4Aは、車両が直進状態であり、レーダ装置1を車両の左側側面に設置した場合に推定されるドップラー速度とレーダ視野角θ(方位角)との関係(以下、方位−ドップラーマップと呼ぶ)を示す図である。図3B及び図4Bは、直進状態の車両に設置されたレーダ装置1の視野角θ、車両の進行方向及び静止物100,200からの反射波信号の位置の関係を示す図である。
図3B及び図4Bでは、レーダ視野角θ=0°の方向が車両左側の真横方向(車両の前方方向に直交する方向)となるレーダ装置1を設置した例を示す(つまり、図8に示すβ=−90°)。また、レーダ視野角θの範囲は−45°〜+45°である。
レーダ視野角θ=0°の方向が車両左側の真横方向の設置(β=−90°)であり、車両正面に静止物が存在した場合、静止物からのドップラー速度が最大になる。このため、図3B及び図4Bでは、θ=+45°(レーダ装置1にとって車両前方方向に最も近い方向)におけるドップラー速度Vが最大値となる。
また、図3Bに示す静止物100はレーダ装置1から離れる方向に位置するので、図3Aでは静止物100が存在する方向におけるドップラー速度は負の値となる。一方、図3Bに示す静止物200はレーダ装置1に近づく方向に位置するので、図3Aでは静止物200からの反射波信号が存在する方向におけるドップラー速度は正の値となる。
また、図4Bでは静止物100,200はレーダ装置1に近づく方向に位置するので、図4Aでは静止物100,200からの反射波信号が存在する方向(レーダ視野角)におけるドップラー速度は正の値となる。ただし、図4Aにおいて、ドップラー速度は、方位角(レーダ視野角θの絶対値)が増加するほど、車両の速度成分の影響をより大きく受ける。図4Bでは、静止物100が位置するレーダ視野角θ1に対して、静止物200が位置するレーダ視野角θ2が大きいので(|θ1|<|θ2|)、静止物200に対するドップラー速度(絶対値)は静止物100に対するドップラー速度(絶対値)よりも大きくなる。
図5では、レーダ装置1を車両の左側車輪前輪の真上に設置し、レーダ装置1の進行方向は前輪方向となるため、旋回中心は鉛直方向である。
図5Aは、車両が左旋回中であるドップラー速度と方位角(レーダ視野角θ)との関係(方位−ドップラーマップ)を示す図である。図5Bは、左旋回中の車両に設置されたレーダ装置1のレーダ視野角、車両の進行方向θv及び車両旋回の中心方向の関係を示す図である。
図5Bでは、図3B及び図4Bと同様、レーダ視野角θ=0°の方向が車両左側の真横方向(車両の前方方向に直交する方向)となるレーダ装置1を設置した例を示す(図8に示すβ=−90°)。また、レーダ視野角θの範囲は−45°〜+45°である。
図5Bでは、レーダ視野角θ=0°の方向が、車両左側の真横方向の設置(β=−90°)であるため、車両の進行方向がドップラー速度の最大値となる。
このため、左旋回中の車両では、図5Aにおいて、θ=+45°(レーダ装置1にとって車両進行方向に最も近い方向)におけるドップラー速度が最大値となる。また、ドップラー速度が0となる方向は、車両旋回の中心方向となる。図5Bでは、車両旋回中心方向から90°前方が車両の進行方向となる(図3B、図4Bについても同様)。
また、静止物からの反射波から得られるドップラー速度は、静止物との距離には依存しない。
レーダ状態推定部20は、信号処理部19から入力される反射波の方位(レーダ視野角)θ、ドップラー速度V及び反射強度を用いて、レーダ装置1の設置位置での車両の速度Vs(以下、レーダ速度と呼ぶ)及び進行方向θsをレーダ座標系において推定する。具体的には、レーダ状態推定部20は、入力される反射波信号(つまり、図2に示す複数の白丸によって表されるサンプル)の中から所定数のサンプルを選択し、選択した複数のサンプルの方位(レーダ視野角)θ、ドップラー速度V及び反射強度を入力し、投票処理により、レーダ速度Vsd及びレーダ座標系での進行方向θsdを決定する。なお、投票処理については、後述する。
レーダ状態推定部20は、レーダ速度Vsdと、進行方向θsdと、車両におけるレーダ装置の設置情報とを用いて、車両の特定の位置、例えば、左側前車輪の進行方向と速度を導出する。
ここで、レーダ速度Vsdと進行方向θsdと、車両の特定の位置の進行方向と速度との関係について説明する。
一般的な自動車において、直進状態の車両において、車両内の全ての位置において移動方向及び速度は一定であるが、旋回状態の車両においては、車両内の位置により移動方向及び速度は異なる。つまり、一般的な自動車では、操舵輪が前輪であり後輪は固定されているため、旋回状態の車両では、図5Bのように、左右後輪を結ぶ延長線上に車両旋回の中心が存在する。ここで、車両全体は、左右後輪を結ぶ線上に旋回中心をおいて旋回するため、車両の左右後車輪の移動方向は、旋回する円の接線方向であるため、車両の前後方向である。
しかし、車両の左右前輪では、操舵により前輪が向いている方向に移動するため、左右前輪の移動方向は左右後輪とは異なる。さらに、車両内の位置により旋回半径が異なるため、車両内の各位置は、速度が異なる。
旋回状態の車両において、車両内の各位置は移動方向及び速度が異なるため、一般的な車速とは、車両旋回に対して変動しない左右後輪の中央の位置の速度として定義する。
以上より、レーダ装置1は、レーダ速度Vsdと、進行方向θsdと、左右後輪中央を基準としたレーダ装置1の設置位置を示す設置位置情報と、車両前方を基準にしたレーダ装置1の設置方向を示す設置向き情報と、用いて、車両内の任意の位置に対して、移動方向及び速度を計算できる。
具体的には、レーダ装置1は、レーダ装置1の設置位置の車両移動方向に対して、旋回中心方向に垂直な方向と左右後輪の延長線が交わる位置を、車両旋回の中心として算出できる。このため、レーダ装置1は、旋回中心からレーダ装置1の設置位置までの距離と、設置位置の速度とを用いて、車両旋回角速度が算出でき、旋回状態の車両の運動が算出でき、車両の任意の位置での移動方向及び速度が算出できる。
よって、一般的な車速は、左右後輪中央の位置の速度を算出することによって、得られる。
なお、本開示では、一般的な車速である左右後輪中央の位置の速度を算出することに限定したものではなく、車両の任意の位置での移動方向及び速度を算出するものである。
図6は、レーダ状態推定部20の内部構成を示す図である。レーダ状態推定部20は、レーダ速度候補算出部201、投票部202、決定部203を含む。
算出部としてのレーダ速度候補算出部201は、各反射波の方位(レーダ視野角)θ及びドップラー速度Vを用いて、レーダ装置1の進行方向として取りうる複数の進行方向候補θs毎に、レーダ速度の候補Vsを算出する。
投票部202は、進行方向軸と速度軸とを量子化した2次元の投票箱に対して、進行方向候補θsに対する速度候補Vsを1票として、投票箱に投票する処理である。
具体的には、複数の進行方向の候補θsと、レーダ装置1の速度として取りうる値の範囲内の複数の速度候補Vsを予め設定した投票箱を用意する。例えば、図7は投票箱の概念図であり、図7では、投票部202は、レーダ装置1の進行方向候補θsとして取りうる値の範囲をM個に分割し、レーダ装置1の速度候補Vsとして取りうる値の範囲をN個に分割した、(M×N)個の状態候補を設定する。
投票部202は、進行方向候補θsと速度候補Vsとによる2次元の領域である状態候補の評価値を設定できる投票箱を用いる。
なお、M及びNは、車両の移動速度及び進行方向に対して要求される推定精度に応じて設定すればよい。例えば、投票部202は、より高い推定精度の要求に対しては、M及びNをより大きくする。また、各状態候補は評価値を有し、0に初期化されている。
投票部202は、反射波信号の各サンプルに対して、複数の状態候補を投票し、各状態候補の評価値を設定する。1票の重みは1サンプルを1票としても良いし、反射強度を用いて重みづけしても良い。ただし、同じ速度候補Vsでは、同じ反射強度を用いる。なお、投票部202における投票処理の詳細については後述する。
決定部203は、複数の状態候補のうち、投票部202での投票処理後の評価値が最大となる状態候補に該当するレーダ速度Vsd及びレーダ進行方向θsdを、現在のレーダ装置1の移動状態として決定する。
[レーダ状態推定部20の動作]
次に、上述したレーダ状態推定部20の動作について詳細に説明する。
<レーダ速度Vsの算出処理>
物体からのレーダ装置1に対する反射波信号のドップラー速度V、レーダの進行方向θs(ハンドルの舵角)、レーダ速度Vs、及び、レーダ装置1に対する物体の方位θの関係を、式(1)に示す。
図8は車両に搭載されたレーダ装置1を示す。座標系は車両座標系とレーダ座標系の2種類を用いて説明する。まず、車両座標系は車両正面を0度とし、右回りをプラス方向とした座標系である。なお、レーダ装置1の設置方向は、車両座標系によって定義され、レーダ装置1のレーダ正面は、β度である。また、レーダ座標系はレーダ正面を0度とし、右回りをプラス方向とした座標系である。
反射波信号はレーダ座標系で表され、図8ではθの方向より反射波信号が到来している。また図8では、レーダ装置1の移動方向は、レーダ座標系のθs方向である。反射波信号が静止物からの反射波である場合、以下の式(1)が成り立つ。
V=Vs×cos(θs-θ) ・・・ (1)
式(1)は、式(2)のように変形できる。
Vs=V/cos(θs-θ) ・・・ (2)
すなわち、レーダ状態推定部20は、信号処理部19において反射波信号が静止物の反射であり、レーダ装置1の進行方向θsを設定することによって、静止物からのドップラー速度Vと方位θに基づいて、レーダ速度Vsを算出できる。
そこで、レーダ状態推定部20(レーダ速度候補算出部201)は、式(2)に従って、複数の反射波信号を、それぞれのドップラー速度V及び方位θを用いて、レーダ進行方向θsを複数設定することにより、設定毎のレーダ速度候補Vsを算出する。
図9は、各反射信号の進行方向θs及びレーダ速度Vsの関係を示す図であり、各反射信号がサンプル1から4に該当する。各サンプルにおいてレーダ進行方向θsを複数設定することにより、複数のレーダ速度Vsが算出できるため、サンプル毎に式(2)に従った曲線が算出できる。
<投票処理>
次に、レーダ状態推定部20における投票処理の詳細について説明する。
図10は、レーダ状態推定部20における投票処理の流れを示すフロー図である。
レーダ速度候補算出部201は、信号処理部19において算出された反射信号(例えば、図2を参照)の中から、所定数のサンプルを予め選択する。なお、各サンプルは、少なくとも、ドップラー速度V、方位θ、及び、反射強度の情報を有している。
図10において、ステップ(以下、「ST」と表す)101では、レーダ速度候補算出部201は、所定数のサンプルの中から1つのサンプルを投票処理の対象として決定する。レーダ速度候補算出部201は、対象のサンプルに対する全方位についての投票処理が終了した後(後述するST105:Yes)、所定数のサンプルが全て選択されるまで(後述するST106:Yesとなるまで)、他のサンプルを新たな投票処理の対象として順次決定する。
ST102では、レーダ速度候補算出部201は、車両の複数の進行方向候補θsから投票処理の対象である投票用θsを設定する。例えば、レーダ速度候補算出部201は、全ての進行方向候補θsが設定されるまで(後述するST105:Yesとなるまで)、他の投票用θsを新たな投票処理の対象として順次設定する。
ST103では、レーダ速度候補算出部201は、サンプルに対するドップラー速度V、方位θ、及び、ST102において設定した投票用θsを用いて、式(2)に従って、レーダ速度候補Vsを計算する。レーダ速度候補算出部201は、算出されたレーダ速度候補Vsを投票用Vsとし、投票用θsとセットで投票部202に出力する。
ST104では、投票部202は、ST103において算出された投票用Vsと投票用θsに対応する状態候補へ投票する。図11に、各サンプルと重なる状態候補の評価値に反射強度を積分する投票処理を示す。
具体的には、投票部202は、各サンプルにおける投票用θs及び投票用Vsを用いて、投票するための状態候補を、予め設定する。例えば、投票用θsは、−45°〜+45°の範囲において、1°間隔によって設定し、取りうる値はM=91個である。また、投票用Vsは、取りうる値の範囲を、所定の間隔(例えば、0.5km/h)毎に、N=100個に区分する。状態候補は、9100(M×N=91×100)個の候補が設定される。なお、投票領域の設定は、上記に限定されず、投票部202は、要求される推定精度に応じて適切に設定できる。
投票部202は、ST102において設定された投票用θsとST103において算出した投票用Vsとに対応する状態候補に対して、投票される毎に、状態候補の評価値として投票対象である各サンプルの反射強度を加算(積分)する。
レーダ状態推定部20は、各サンプルについて、投票用θsが取りうる全ての方位に対してST102〜ST104を処理する。また、レーダ状態推定部20は、所定数のサンプルに対してST102〜ST105を処理する。
なお、所定数のサンプルのうち、反射強度が大きいサンプルほど、投票における影響が大きい。つまり、投票部202における投票処理では、各サンプルの反射強度は重み係数として用いられる。
なお、投票の一票の重みとして反射強度を用いたが、重みを1として、単純にサンプル数を加算してもよいし、他の重みを用いてもよい。
全てのサンプルの全ての方位に対する投票処理が終了した後(ST105、ST106:Yes)、レーダ状態推定部20は、ST107の処理に進む。
ST107では、決定部203は、複数の状態候補のうち、評価値(反射強度の合計値)が最大となる状態候補を抽出し、抽出された状態候補に対応する速度候補Vs及び進行方向候補θsを、現在のレーダ速度Vsd及びレーダ進行方向θsdとして決定する。
つまり、図11における最大値を有する状態候補において、多くの反射波信号の方位θとドップラー速度Vとの関係は、レーダ移動方向θsとレーダ速度Vsとの関係と同一条件によって成立する。このため、レーダ装置1は、複数の反射信号の多くが静止物からの反射波信号である場合は、レーダ移動方向θs及びレーダ速度Vsを算出できる。
図11では、実際の進行方向及び速度に相当する状態候補(最大値の状態候補:進行方向θsd及び速度Vsd)の付近では、各サンプルの分布が集中することが分かる。一方、実際の進行方向及び速度に相当する状態候補から離れることにより、各サンプルの各進行方向θsと速度Vsとの分布は、分散する。
すなわち、レーダ状態推定部20における複数のサンプル(反射波信号)による投票(プロット)の結果、実際の進行方向及び速度の付近の値に対応する状態候補(進行方向θsd及び速度Vsd)に対して、より多くのサンプルの反射強度が付与されることになる。
よって、実際の車両の進行方向θs及び速度Vsに近似する状態候補ほど、付与される反射強度の合計値がより大きくなる。これより、レーダ状態推定部20は、複数の状態候補のうち、付与される反射強度の合計値が最大となる候補を現在の車両の進行方向θsd及び速度Vsdとして決定している。
上述したように、図11では、実際の進行方向θsでは、複数のサンプルにおいて算出される速度Vsが同程度になるが、実際の進行方向θsから離れると、算出される速度Vsの値にはサンプル毎にばらつきが生じる。このため、単一のサンプルから車両の進行方向θs及び速度Vsを求める場合、車両の状態推定が困難である。
本実施の形態によれば、レーダ装置1は、レーダ装置1において観測される方向の異なる複数のサンプル(反射波信号)を用いて車両の進行方向θs及び速度Vsを推定する。これにより、レーダ装置1の移動を算出するための基準である、静止物からの反射波信号を、複数の方向から得ることが出来るため、単一のサンプルから車両の進行方向θs及び速度Vsを求める場合と比較して、レーダ装置1の移動状況の推定精度を向上でき、安定して推定できる。よって、レーダ装置1の移動状況より導出した車速も推定精度を向上でき、安定して推定できる。
更に、本実施の形態によれば、レーダ装置1は、レーダ送信信号に対する反射波信号を用いるので、例えば、タイヤのスリップによる影響、車両の状況及び車両の走行状況に依存した車速センサによる測定誤差の影響を抑制して、車両の速度及び進行方向を推定できる。
また、本実施の形態によれば、レーダ装置1を車両側面に設置することにより、レーダ装置1は車両が直進及び曲進の何れにおいても車両の速度及び進行方向を精度良く推定できる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、レーダ装置の移動状態(レーダ速度及びレーダ進行方向)の推定において、反射波信号が静止物の反射波なのか移動物の反射波なのかを区別することなくサンプルとして用いる場合について説明したが、本実施の形態では、反射物のうち、静止物を用いて車両の速度及び進行方向を推定する場合について説明する。
車両の周囲に存在する静止物に対するドップラー速度の分布(図3A、図4A及び図5Aに示す分布曲線)は、車両(レーダ装置2)の進行方向と、車両と静止物との位置関係に応じて定まる。一方、移動物に対するドップラー速度の分布は、車両(レーダ装置2)の進行方向、車両と移動物との位置関係に加え、例えば、移動物の進行方向にも依存する。よって、レーダの移動状況の推定において、移動物に対するドップラー速度を用いた推定は、静止物に対するドップラー速度を用いた推定と比較して、誤差が生じやすい。
レーダ装置2では、観測される反射波信号が静止物からの反射波信号か移動体からの反射波信号であるのかを選別せずに利用している。しかし、レーダ移動状態、及び、車速を求めるには、移動物を除外して、静止物からの反射波信号を用いてレーダ移動状態を検出することが好ましい。
そこで、本実施の形態では、レーダ移動状態(レーダ速度及びレーダ進行方向)の推定において、複数の反射波信号のうち、静止物からの反射波信号をサンプルとして用いる。
[レーダ装置2の構成]
図12は、本実施の形態に係るレーダ装置2の構成を示すブロック図である。なお、図12において、実施の形態1(図1)と同一処理である構成部には同一の符号を付し、説明を省略する。具体的には、本実施の形態に係るレーダ装置2では、レーダ受信部30において静止物抽出部31が追加された点が実施の形態1と異なる。
レーダ受信部30において、抽出部である静止物抽出部31は、信号処理部19から、実施の形態1と同様に物体により反射された反射波信号における距離毎、方位角毎、及び、ドップラー周波数成分毎の電力プロファイル(反射強度)を受け取り、距離毎のデータに対して反射強度を加算し、図2に示す方位軸−ドップラー軸に電力がプロットされた電力プロファイルマップを生成する。
静止物抽出部31は、前フレームのレーダ移動方向θs及びレーダ移動速度Vsを記憶する。レーダ移動方向θs及びレーダ移動速度Vsは、フレーム間で大きな変動は発生しないため、これらを利用して投票に用いるサンプルを限定する。具体的には、式(1)に1フレーム前のレーダ移動方向θs及びレーダ移動速度Vsを代入し、θを変動させ、都度Vを計算する。図13に計算過程を示す。変動したθに対するVは、図13の太実線により示される。太実線に対して、ドップラー速度に所定のマージンを設定し、投票するサンプルのドップラー速度の範囲を限定する。図13において点線で示した範囲内が限定された領域であり、領域内のサンプルを静止物からの反射波信号とする。これにより、投票に用いるサンプルを静止物からの反射波信号に限定できる。
静止物抽出部31は、複数の反射波信号から、静止物による反射波信号を抽出する。これにより、レーダ状態推定部20は、複数の反射波信号のうち、複数の静止物の方位θ、ドップラー速度V及び反射強度を用いて、現在の車両の速度Vs及び進行方向θsを決定する。
このため、本実施の形態によれば、実施の形態1と比較して、レーダ移動方向θs及びレーダ速度Vsを含む精度良く推定できるため、車速の精度も向上できる。
なお、上述した静止物抽出部31における静止物の抽出方法は一例であって限定されるものではなく、他のセンサ(例えば、ジャイロ、加速度センサ)により概略のレーダ移動方向及びレーダ速度を予測し、静止物からの反射波信号を抽出できる方法であればよい。
(実施の形態3)
図14は、本実施の形態に係るレーダ装置3の構成を示すブロック図である。
なお、図14において、実施の形態(図1)と同一処理である構成部には同一の符号を付し、説明を省略する。具体的には、本実施の形態に係るレーダ装置3では、レーダ受信部17aにおいて受信アンテナ16が受信した反射波信号を信号処理した結果を用いて、レーダ装置3が設置された車両の状態として、車両の特定の位置の車両進行方向及び速度を検出する点が実施の形態1と異なる。
図15は、図14のレーダ受信部17aにおける状態推定部としての車両状態推定部21の内部構成を示す図である。車両状態推定部21は、図6のレーダ状態推定部20の、レーダ速度候補算出部201、投票部202、決定部203に加え、決定部203の出力であるレーダ速度Vsd及び進行方向θsdを入力として、車両速度算出部204にて、車両の任意の速度(Vv)、移動方向(θv)を算出する。
図16はレーダ装置3と車両との位置と方位の関係を示す図であり、レーダ装置3の正面方向は、車両座標系において角度βの方向である。レーダ装置3の移動方向は、車両座標系においてθsd+βであり、車両が直進している場合はθsd+β=0である。
車両が直進している場合(θsd+β=0)、車両の任意位置における移動方向(θv)と速度(Vv)は、レーダ装置の移動方向(θsd)及び速度(Vsd)と同じであるため、車両の速度(Vv)=レーダ装置3の速度Vsd、移動方向となり、移動方向(θv)は0になる。
次に車両が旋回している場合(θsd+β≠0)、車両座標系における車両の任意位置(Xv、Yv)での車両速度(θv)と移動方向(θv)の算出方法を、図16を用いて説明する。なお、図16は、右旋回している車両である。
まず、車両速度算出部204は、レーダ装置3の設置位置(X0、Y0)における車両の移動方向(θsd+β)に対して垂直な方向(旋回中心方向)と左右後輪の延長線とが交わる位置(旋回中心:図示せず)と、レーダ装置3の距離(旋回半径Rs)を算出する。
Rs=X0/sin(θsd+β) ・・・ (3)
Rs:レーダ設置位置の旋回半径
X0:車両座標系でのX軸のレーダ設置位置
θsd:レーダ設置位置のレーダ座標系でのレーダの移動方向
β:車両座標系でのレーダ設置方位
次に、車両速度算出部204は、車両の旋回中心からレーダ装置3の設置位置までの距離(Rs)及びレーダ装置3の設置位置の速度(Vsd)から車両旋回角速度(ω)を式(4)から算出する。
ω=Vsd/Rs ・・・ (4)
ω:車両旋回角速度
Vsd:レーダ設置位置のレーダ座標系でのレーダの移動方向
Rs:レーダ設置位置の旋回半径
車両速度算出部204は、車両の任意位置(Xv、Yv)における旋回半径(Rv)を、式(5)から算出する。
Rv=sqrt(Xv+(Rs×cos(θsd+β)+Y0−Yv)) ・・・ (5)
Rv:算出する位置の旋回半径
Xv:算出する位置のX座標
Yv:算出する位置のX座標
Rs:レーダ設置位置の旋回半径
Y0:車両座標系でのY軸のレーダ設置位置
θsd:レーダ設置位置のレーダ座標系でのレーダの移動方向
β:車両座標系でのレーダ設置方位
車両速度算出部204は、算出した旋回半径(Rv)と車両旋回角速度(ω)とを用いて、車両の任意位置(Xv、Yv)における速度(Vv)と移動方向(θv)を、式(6)、式(7)より算出する。
Vv=ω×Rv ・・・ (6)
ω:車両旋回角速度
Rv:算出する位置の旋回半径
θv=asin(Xv/Rv) ・・・ (7)
Xv:算出する位置のX座標
Rv:算出する位置の旋回半径
よって、車両速度算出部204は、車両の任意位置の移動方向と速度を算出できる。
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
なお、レーダ装置は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)の記憶媒体、およびRAM(Random Access Memory)の作業用メモリを有する。上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。但し、レーダ装置のハードウェア構成は、かかる例に限定されない。例えば、レーダ装置の各機能部は、集積回路であるIC(Integrated Circuit)として実現されてもよい。各機能部は、個別に1チップ化されてもよいし、その一部または全部を含むように1チップ化されてもよい。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
なお、レーダ状態推定部20において、ST102にて投票用θsを設定後、投票Vsを計算していたが、投票用Vsを設定後、投票θsを計算してもよい。
本開示は、車速及び進行方向を検出するレーダ装置として好適である。
1、2,3 レーダ装置
11 基準信号生成部
12 レーダ送信部
13 送信信号生成部
14 送信無線部
15 送信アンテナ
16 受信アンテナ
17,30 レーダ受信部
18 受信無線部
19 信号処理部
20 レーダ状態推定部
21 車両状態推定部
31 静止物抽出部
100,200 静止物
201 レーダ速度候補算出部
202 投票部
203 決定部
204 車両速度算出部

Claims (4)

  1. 車両に設置され、レーダ信号を送受信するレーダ装置であって、
    前記車両の側面に設置された送信アンテナを用いて、前記レーダ信号を送信する送信部と、
    前記車両の側面に設置された受信アンテナを用いて、前記レーダ信号が少なくとも1つ以上の物体によって反射された少なくとも1つ以上の反射波信号を受信する受信部と、
    前記各反射波信号を用いて、前記各物体の方位、前記車両と前記各物体との間のドップラー速度、及び、前記各反射波信号の強度を測定する信号処理部と、
    前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の速度及び進行方向を推定する状態推定部と、を備え、
    前記状態推定部は、
    前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の進行方向候補を複数算出し、前記進行方向候補毎に前記車両の速度候補を複数算出する算出部と、
    前記進行方向候補と前記速度候補との組合せである複数の状態候補に対して、前記各物体の前記反射波信号の強度を付与する付与部と、
    前記反射波信号の強度の合計値が最大である状態候補に対応する速度候補及び進行方向候補を、前記レーダ装置の速度及び進行方向として決定する決定部と、を含む、
    ーダ装置。
  2. 前記状態推定部は、前記決定されたレーダ装置の速度及び進行方向を用いて、前記レーダ装置の設置情報より、前記車両のうちの特定位置の進行方向と速度とを算出する車両速度算出部、を更に含む、
    請求項に記載のレーダ装置。
  3. 前記各反射波信号を用いて、前記少なくとも1つ以上の物体から、少なくとも1つ以上の静止物を抽出する抽出部を更に備える
    請求項1又は2のいずれかに記載のレーダ装置。
  4. 車両に設置され、レーダ信号を送受信するレーダ装置におけるレーダ状態推定方法であって、
    前記車両の側面に設置された送信アンテナを用いて、前記レーダ信号を送信する送信ステップと、
    前記車両の側面に設置された受信アンテナを用いて、前記レーダ信号が少なくとも1つ以上の物体によって反射された少なくとも1つ以上の反射波信号を受信する受信ステップと、
    前記各反射波信号を用いて、前記各物体の方位、前記車両と各物体とのドップラー速度、及び、前記各反射波信号の強度を測定する信号処理ステップと、
    前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の速度及び進行方向を推定するレーダ状態推定ステップと、を含み、
    前記レーダ状態推定ステップは、
    前記各物体の方位、前記ドップラー速度及び前記反射波信号の強度を用いて、前記レーダ装置の進行方向候補を複数算出し、前記進行方向候補毎に前記車両の速度候補を複数算出するステップと、
    前記進行方向候補と前記速度候補との組合せである複数の状態候補に対して、前記各物体の前記反射波信号の強度を付与するステップと、
    前記反射波信号の強度の合計値が最大である状態候補に対応する速度候補及び進行方向候補を、前記レーダ装置の速度及び進行方向として決定するステップと、を含む、
    ーダ状態推定方法。
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