JP6424991B1 - 遮光性顔料組成物及びディスプレイ用遮光性部材 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、光学濃度が高くかつ露光感度が高い遮光性顔料組成物を提供することにある。また、該遮光性顔料組成物を含むディスプレイ用遮光性部材を提供することにある。2以上の有機顔料を含有してなる遮光性顔料組成物であって、有機顔料として、少なくとも、下記一般式(1):
Figure 0006424991
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基である)で表される有機顔料(A)を含有することを特徴とする遮光性顔料組成物を提供することにより、上記課題を解決する。

Description

本発明は、高い光学濃度を実現可能な遮光性顔料組成物及び該遮光性顔料組成物を用いたディスプレイ用遮光性部材に関する。
近年、液晶表示装置の分野において、カラーフィルタ基板とTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)アレイ基板とを一体化させたカラーフィルタオンアレイ(COA)を導入した液晶パネルが注目を浴びている。COAを用いれば、上記二つの基板を用いた場合に行われる精密な位置合わせが不要となるとともに、カラーフィルタの赤、青、緑の各画素を限界まで微細化できるため、液晶パネルの高精細化が可能となる。
このようなCOA用の樹脂ブラックマトリクスには、高い遮光性が必要とされるため、厚膜化が要求されている。しかしながら、樹脂ブラックマトリクスの膜厚が増大するにつれて、露光された部分での膜厚方向に対する架橋密度の差が拡大してしまうため、高感度化を達成し良好な形状のブラックパターンを得ることが困難になる。また、高遮光化の手段として、遮光性の高いカーボンブラックを用いた場合も同様に、露光感度が低下するという問題があった。
このような欠点を解消するために、カーボンブラックに代えて、複数の有機顔料を黒色となるように混合して得た黒色有機顔料組成物(有機ブラックマトリクス)を遮光材に用いる試みが最近活発に行われている(例えば、特許文献1)。
ここで、長波長域(550nm〜780nm)の遮光には主にフタロシアニンやインダンスレンといった青色顔料が使用されている。しかしながら、従来公知の青色顔料は遮光性を表すOD値(光学濃度、遮光性能を表す数値であり、数値が大きいほど遮光性能が高いことを示す)に大きく寄与する555nm付近の吸収強度が小さく、また、紫外線硬化樹脂の硬化に用いる365nmの吸収強度が大きいことから短波長域吸収顔料、中波長域吸収顔料と組み合わせて黒色としたとき、遮光が不十分であり、かつ露光感度が低下するといった問題があった。
このような中、光学濃度に大きく寄与する555nmの吸収強度が大きく、かつ、365nmの吸収強度が小さい青色顔料が求められていた。
特開平9−302265号公報
本発明が解決しようとする課題は、光学濃度が高く、かつ、露光感度が高い遮光性顔料組成物を提供することにある。また、該遮光性顔料組成物を含むディスプレイ用遮光性部材を提供することにある。
本発明者らは前記実状に鑑み、複数の有機顔料を含有してなる遮光性組成物の性能に大きな影響を与える青色顔料に注目した。多くの青色顔料が知られている中、本発明者らは青色顔料として後記する特定の有機顔料を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、2以上の有機顔料を含有してなる遮光性顔料組成物であって、
有機顔料として、少なくとも、下記一般式(1):
Figure 0006424991
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基である)で表される有機顔料(A)(便宜的に、有機顔料(A)と表記する)を含有することを特徴とする遮光性顔料組成物に関する。
また、本発明の別の態様として、前記有機顔料(A)が、C.I.ピグメント25又は同26であることを特徴とする遮光性顔料組成物に関する。
また、本発明の別の態様として、前記有機顔料(A)が、下記条件(条件:可視光領域(380nm〜780nm)における吸光度が波長580nm〜780nmにおいて最大となり、365nmにおける吸光度が最大吸光度の50%以下、555nm及び700nmにおける吸光度が最大吸光度の50%以上である。)を満たす有機顔料(A)であることを特徴とする遮光性顔料組成物に関する。
また、本発明の別の態様として、本発明の遮光性顔料組成物がさらに、下記一般式(2)および一般式(3)で表される化学構造を含むベンズイミダゾロン系顔料、下記一般式(4)で表される化学構造を含むベンズイミダゾロンジオキサジン系顔料のうち一方または両方を含有することを特徴とする遮光性顔料組成物に関する。
Figure 0006424991
(式中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
Figure 0006424991
Figure 0006424991
(式中、X、X、X、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;X、X、X、Xの内、1つ以上はハロゲン原子であり;R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を示す)
また、本発明の別の態様として、前記した本発明の遮光性顔料組成物を含有するディスプレイ用遮光性部材に関する。
本発明の遮光性顔料組成物は、光学濃度が高く、かつ、露光感度が高いため、ディスプレイ用遮光性部材に好適に用いることができる。
本発明の遮光性顔料組成物は、必須成分として特定の有機顔料(前記有機顔料(A))を含有し、さらに橙色、黄色、紫色、赤色等の有機顔料を併用することにより、黒色の遮光性顔料組成物を構成するものである。このような本発明の遮光性顔料組成物を含有するディスプレイ用遮光性部材は、光学濃度が高く、かつ、露光感度が高いという優れた性能を有する。
前記有機顔料(A)は、下記一般式(1):
Figure 0006424991
(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基である)で表される有機顔料である。
このような有機顔料は、光学濃度に大きく寄与する555nmの吸収強度が大きく、かつ、365nmの吸収強度が小さい青色顔料であり、遮光性組成物として用いた際に、優れた光学濃度を得ることができる。
なお、ここでハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、アルコキシ基のアルキル部分については炭素数1〜6のものなどがあえて挙げるとすれば挙げられる。
これらのなかでも、C.I.ピグメントブルー25(PB25とも表記する場合がある)又はC.I.ピグメントブルー26(PB26とも表記する場合がある)を用いることが好ましい。PB25、PB26は、いずれも古くから知られている有機顔料であるが、その用途は、着色剤としての使用(青色の着色を期待する用途)に限られていた。
ここで、紫外線硬化樹脂の硬化には一般的に365nmの紫外線が多用される。紫外線とは波長100nm〜400nmの光を指し、波長が短いほどエネルギーは大きくなる。しかし波長が200nm以下では酸素の分解にエネルギーが消費されたり、酸素に吸収されやすいため、紫外線硬化には、主に254nmと365nmの光源が用いられる。同じ量の光に含まれるエネルギーは、254nm光:365nm光=約3:2であるが、254nm光は2μmの厚みで40%しか樹脂の内部まで到達しないのに対し、365nm光は12μmの厚みでも90%以上が内部まで到達する。また、365nm光を発光する高圧水銀ランプは、254nm光を発光する低圧水銀ランプと同じ長さで20倍ものワット数とすることができるので、紫外線硬化には365nmの紫外線を発光する高圧水銀ランプを使用することが望ましい。
遮光性の指標となるOD値はJIS Z 8701に従い、下記式より求めることができる。
Figure 0006424991
Y:輝度(明るさ)
k:定数
T:透過率
S:光源強度
y:等色関数(人間の目の感度)
OD=log10(最大輝度/Y)=log10(100/Y)
ここで等色関数yはJIS Z 8701に記載されているものを使用し、光源強度SはJIS Z 8720に記載されているC光源(測色用補助イルミナントC)を使用することができる。各波長におけるy×C光源強度を算出した定数が最大値となる555nmにおける光の吸収強度はOD値への寄与が大きくなるため、555nmにおける光の吸収強度を簡易的な遮光性の指標とすることができる。
また、JIS Z 8722では色の測定方法として、400nm〜700nmの範囲を第2種分光測光器で測定する方法が挙げられている。前述の波長範囲の光を測定することで実用上の色の表現が可能となる。700nmは人間の目が色を感じられる限界に近く、700nmより長波長の光は見た目の色及びOD値への寄与が極めて小さい。なお、有機顔料を混合して黒色とするときには400nm〜700nmにおいて一様に吸収を有することで見た目の黒さを高められることが知られている。したがって、黒色の遮光性組成物として望ましい見た目の黒さ、及び高いOD値を得るためには、混合に用いる長波長域に吸収を有する顔料については、700nmにおいて高い吸光度を有することが望ましい。
上記有機顔料(A)のなかでも、次の条件を満たすものを選択することが、優れた光学濃度を得られる点から好ましい。
条件:可視光領域(380nm〜780nm)における吸光度が波長580nm〜780nmにおいて最大となり、365nmにおける吸光度が最大吸光度の50%以下、555nm及び700nmにおける吸光度が最大吸光度の50%以上である。
上記のような条件を満たすかどうかは、対象となる有機顔料をPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に分散後、PMAを用いて分散液を希釈し、分光光度計(U3900、株式会社日立ハイテクサイエンス製)で吸光スペクトルを測定し、ピークトップの位置、最大吸光度、365nmにおける吸光度、555nmにおける吸光度、700nmにおける吸光度を確認することで容易に特定することができる。
本発明においては、前記式(1)で表される有機顔料(有機顔料(A))をそのまま用いてもよいが、上記のような条件を満たすため、平均一次粒子径の調整、結晶構造の調整、溶剤への分散性の調整などにより、上記条件を満足させて用いることができる。
ここで、有機顔料(A)として前記式(1)で表される有機顔料を用いる場合、該有機顔料は、小角エックス線散乱法での平均一次粒子径が30nm〜190nmの範囲にあることが好ましく、50nm〜160nmの範囲にあることがより好ましい。平均一次粒子径をこのような範囲内に調整することにより、555nmおよび700nmの吸光度を高め、光学濃度をより高くすることができる。
本発明の遮光性顔料組成物は、従来のような銅フタロシアニンやC.I.ピグメントブルー60を混色有機顔料中の青色顔料として使用した場合に比べ、後記する実施例(表2)に示すように、光学濃度及び露光感度が顕著に優れたディスプレイ用遮光性部材を得ることができる。
ここでディスプレイとは、コンピュータ、テレビなどの機器から出力される静止画または動画の映像信号を表示する機器である。モニタともいい、プラズマディスプレイ(PDP)や液晶ディスプレイ(LCD)、ELディスプレイ(ELD)、電界放出ディスプレイ(FED)、クリスタルLEDディスプレイ(CLED)などがある。
また、本発明のディスプレイ用遮光性部材とは、可視光域または、ディスプレイにおけるバックライトのような発光部材からの発光を遮蔽するための材料である。具体的には、ブラックマトリクスや、TFT遮光膜、ブラックマスク、ブラックシール、ブラックカラムスペーサ、ELDにおける電界制限層などがある。
本発明の遮光性顔料組成物には他の有機顔料や無機顔料、染料などの着色剤を可視領域の透過性のバランスを損なわないように混合しても良い。混合される着色剤としては、アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾメチン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、インダンスレン顔料などの絶縁性の有機顔料が好ましく、特に、黄色、橙色、赤色、紫色から選ばれた少なくとも1種の有機顔料を含有することが有利である。
混合する色の組合せを詳述するとすれば、例えば、青色と橙色の組合せ、青色と橙色と紫色の組合せ、青色と黄色と紫色の組合せ、青色と黄色と赤色の組合せなどが挙げられる。もちろん、青色系顔料を2種以上用いるなど、同系色を組合わせたり、同系色の組合せにさらに他色の顔料を組合わせても構わない。また、前記した有機顔料(A)以外の青色顔料をさらに併用しても構わないし、前記した有機顔料(A)に該当する顔料を複数種用いても構わない。用いる有機顔料及びその組み合わせは、目的とするブラックマトリックス等に求められている黒色度が得られれば良い。たとえば青色、黄色、赤色の三原色を減法混色することで黒色とすることなどは、当業者の技術常識に属することであり、それらの混合割合は特に制限されるものではない。以下、各色顔料の例を示す。
更に加えてもよい青色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、27、28、29、33、35、36、56、56:1、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79、80等を挙げることができる。
黄色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、130、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、213、214、229等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
橙色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、81等を挙げることができる。この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ36、38、60、62、64、72を挙げることができる。
茶色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラウン23、25、41等を挙げることができる。
赤色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、213、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、279等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
紫色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、29が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。
緑色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58、59を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
本発明の遮光性顔料組成物にさらに併用する有機顔料として、より好適な遮光性を得ることができる観点から、下記一般式(2)および一般式(3)で表される化学構造を含むベンズイミダゾロン系顔料、下記一般式(4)で表される化学構造を含むベンズイミダゾロンジオキサジン系顔料の一方または両方を用いることが好ましい。
Figure 0006424991
(式中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
Figure 0006424991
Figure 0006424991
(式中、X、X、X、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;X、X、X、Xの内、1つ以上はハロゲン原子であり;R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を示す)
なお、上記式(4)の化合物は、特に制限されるものではなく従来公知の方法を適宜利用して製造することができる。以下、上記式(4)の化合物の製造方法の一態様を記載する。
上記式(4)の化合物は、例えば、特開平11−335575に記載の方法で後記する式(V)の化合物を合成し、これを、後記するハロゲン化反応でハロゲン化することにより製造することができる。詳細を下記する。
<縮合反応>
酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどの塩基1モル及び下記式(II)のp−ベンゾキノン化合物2モルをエタノール、ジメチルアセトアミドなどの溶剤中に懸濁し、そしてこの懸濁液を40℃〜70℃に加熱する。下記式(III)のアミン化合物1モルを1時間かけて添加し、そしてこの混合物を引き続き還流下で1時間〜10時間加熱する。次いで更に酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどの塩基1モルを添加し、次いで、下記式(IV)のアミン化合物1モルを添加する。この混合物を還流下で1時間〜10時間撹拌し、次いで固体生成物を熱いうちに濾別し、そして60℃〜100℃のエタノール、ジメチルアセトアミドなどの溶剤で洗浄し、次いで沸騰水で洗浄する。生成物をジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの溶剤中に懸濁し、この懸濁液を80℃〜150℃にて1時間〜10時間加熱し、熱いうちに濾過し、この固体生成物を60℃〜100℃のエタノール、ジメチルアセトアミドなどの溶剤で洗浄し、次いで沸騰水で洗浄し、90℃〜120℃で乾燥させる。
Figure 0006424991
(式(II)中、X及びXはそれぞれ独立に水素原子、又はハロゲン原子を示し、X及びXはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基などの脱離基を示す。)
Figure 0006424991
(式(III)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を示す。)
Figure 0006424991
(式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を示す。)
<閉環反応>
前記縮合反応で得られた生成物を、10℃以下の濃硫酸に1時間かけて添加する。次いで二酸化マンガン2モル〜4モルを3時間かけて添加し、この混合物を引き続き室温にて18時間〜48時間攪拌する。この混合物を、冷却しながら水を添加することにより硫酸濃度80%に希釈する。過剰の二酸化マンガンを、過酸化水素(30%)を用いて破壊する。この混合物をポリプロピレンフィルターにて濾過し、この固体生成物を硫酸(80%)で洗浄し、次いで硫酸(50%)で洗浄し、引続き水で洗浄する。90℃〜120℃で乾燥し、下記式(V)で表される化合物を得る。
Figure 0006424991
(式(V)中、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を示す。)
<ハロゲン付加反応>
臭素、N−ブロモスクシンイミド、トリクロロイソシアヌル酸、N−ヨードスクシンイミドなどのハロゲン化試薬1モル〜32モルを温度が10℃以下の濃硫酸に添加し、次いで前記閉環反応で得られた上記式(V)で表される化合物1モルを添加し、室温で2時間〜48時間撹拌する。次いでこれを氷に注ぎ、得られた沈殿物を濾過し、酸が検出されなくなるまで水で洗浄し、次いでエタノールで洗浄し、90℃〜120℃で乾燥し、ベンゼン環がハロゲン原子で1〜4置換された化合物の混合物として得られる。この方法を経て単一化合物として得る場合は、得られた混合物を、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤に添加し、次いで4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基、ジ−tert−ブチルジカーボネート(「tert」はターシャリーの意味で記載している)などのカーボネート化合物を添加し、室温で2時間〜48時間攪拌する。次いでこれを水に注ぎ、クロロホルムなどの溶剤で抽出し、溶剤層を減圧下で濃縮し混合物を得る。得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離して得られる単一化合物を有する溶液それぞれを濃縮し、N,N−ジメチルアセトアミドなどの溶剤及びトルエン−4−スルホン酸一水和物などの酸を添加し、100℃〜200℃で2時間〜24時間攪拌し、沈殿物を得る。沈殿物を濾過し、N,N−ジメチルアセトアミドなどの溶剤で洗浄し、90℃〜120℃で乾燥し、上記式(4)の化合物を得ることができる。
本発明の遮光性顔料組成物は、ディスプレイ用遮光性部材の仕様に合わせて、各有機顔料を単独に微細化して混合しても良いし、混合後微細化処理をしても構わない。
顔料の微細化の方法は、公知公用の方法で行うことができ、特に限定されるものではない。一般に、ソルベントソルトミリング法、硫酸溶解法、乾式磨砕法、有機溶媒および水による常圧および加圧による顔料化法、または、これらの組み合わせによる方法等を採用することができる。
本発明組成物と共に、有機色素誘導体を混在させても良く、有機色素誘導体は、スルホン酸基、フタルイミド基を有する又は、スルホン酸塩である有機色素誘導体であればいかなる化学構造を有していても良い。スルホン酸基、フタルイミド基を有する又は、スルホン酸塩である有機色素誘導体は、有機顔料をバインダおよび溶剤系において、分散性を向上するために添加する場合が多く、その効果は良く知られている。スルホン酸基の置換基数は、1分子あたり1〜4であり、好ましくは1〜2である。本発明の顔料組成物は、黒色系のため、如何なる有機色素誘導体を使用することができる。具体的にはアゾ構造、ベンツイミダゾロン構造、キナクリドン構造、ジケトピロロピロール構造、フタロシアニン構造、ジオキサジンバイオレット構造等があり、その中でも好ましいのが、銅フタロシアニンスルホン酸またはその塩、フタルイミドメチル銅フタロシアニン、キナクリドンスルホン酸またはその塩、フタルイミドメチルキナクリドンである。スルホン酸と塩を形成する金属は、Ca、Na、K、Mg、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の一価又は二価の金属である。また、金属塩以外の塩を形成するものとして、脂肪族アミン(NHR、NHR、[NR(R:炭素数1〜20のアルキル基))等の有機アミン塩がある。
有機色素誘導体は、有機顔料100部当たり、1〜20部の範囲で含有する。色相、生産性を考慮すると、1〜15部の範囲で含有することが好ましい。有機色素誘導体を添加する時期は、本発明で実施している有機顔料を微細化する工程で添加しても構わないし、微細化工程後、有機顔料を洗浄し精製した後に添加しても構わない。しかし、スルホン酸基を有する又はその塩である有機色素誘導体による分散性効果の付与を考慮すると、微細化した後の有機顔料に処理することが好ましい。
有機色素誘導体の処理方法は、固体またはアルカリにより染料化し、酸性状態で有機顔料表面に吸着させる方法がある。固体の場合、微細化処理した有機顔料と水等の溶媒を含有したウェットケーキに添加する。アルカリによる有機色素誘導体の染料化は、通常pH8〜12で行われ、その後、微細化した有機顔料とスラリー中で混合、その後、系内を酸性、通常pH3〜5に調整し、有機顔料表面に有機色素誘導体を析出させる。また、本発明の遮光性顔料組成物を製造する上で、有機色素誘導体以外に各種添加剤を添加してもよい。具体的には、光又は熱硬化性樹脂、界面活性剤、分散剤、ロジン等をあげることができる。
本発明の顔料組成物と、必要に応じて樹脂系分散剤と有機溶剤から着色組成物を作製する。着色組成物の作成方法としては、別々に各色有機顔料、有機溶剤、分散剤を分散した着色組成物を混合しても良いし、全有機顔料を一度に有機溶剤、分散剤と分散させても良い。
これら顔料組成物を有機溶剤中に分散させる場合、分散性の向上、及び分散安定性の向上のために、樹脂系分散剤が併用される。この樹脂系分散剤は、有機顔料とアンカー部位と結合して、相溶性部分が分散媒に伸長して分散体を構成する機能を有するものであり、後記する感光性組成物の調製に用いるアルカリ可溶性樹脂や、光重合性モノマーとは、別種のものである。
樹脂系分散剤としては、高分子鎖を有するもの、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレングリコールジエステル、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、ポリエステル樹脂系分散剤及び/又はアクリル樹脂系分散剤が、分散性、耐熱性、耐光性の点で好ましい。
各種樹脂系分散剤の具体例としては、商品名で、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、EFKA(BASF社製)、DISPERBYK(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
樹脂系分散剤は、各色の有機顔料の合計の質量換算100部当たり、通常30〜60部、好ましくは38〜50部である。
ここで用いられる有機溶剤としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、(n,sec,t−)酢酸ブチル、ヘキセン、シェルTS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、n−アミルメチルケトン(2−ヘプタノン)、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
着色組成物を用いて、フォトリソグラフィー方式でブラックマトリックスを形成するための感光性組成物を調製する際には、低粘度で塗工性、作業性、吐出性に優れたものとするために、少なくとも、着色組成物に含有させる有機溶剤としてはn−アミルメチルケトン(2−ヘプタノン)を用いることが好ましい。
着色組成物を調製するために、有機溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。しかしながら、本発明の着色組成物において、有機溶剤は、各色の有機顔料の合計の質量換算100部当たり、通常300〜800部、好ましくは400〜600部用いることが好ましい。
着色組成物の調製に当たっては、必要に応じて、例えば各種の顔料誘導体等を併用することができる。顔料誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。
着色組成物は、上記した各色の有機顔料組成物、樹脂系分散剤及び有機溶剤を撹拌混合することにより調製することができる。必要であれば、ビーズやロッド等の各種粉砕メディアの存在下、上記混合物を必要時間に亘って振とう、分散させ、当該メディアを濾過等により除くことで調製することもできる。
着色組成物は、従来公知の方法でディスプレイの構成部材であるカラーフィルタのブラックマトリックスやブラックマスク、液晶層のカラムスペーサーやブラックシール、TFT遮光膜、ELDにおける電界制限層、その他ディスプレイの遮光を必要とする部材に使用することができる。
カラーフィルタの代表的な製造方法は、フォトリソグラフィー法であり、ブラックマトリックスは、本発明の着色組成物から調製された後記する感光性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、ブラックマトリックス部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法で、感光性組成物の硬化着色皮膜からなるブラックマトリックス部が透明基板上に形成される。RGBの各画素部も、より比表面積の大きな各色の有機顔料から調製された感光性組成物から、上記の様にして同様に調製することができる。
後記する感光性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した感光性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、感光性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。感光性組成物の露光、現像の後に、ブラックマトリックス或いは必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、感光性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタのブラックマトリックス部を形成するための感光性組成物は、本発明の着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを必須成分とし、これらを混合することで調製することが出来る。
ブラックマトリックス部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記感光性組成物を調製するに当たって、光重合性モノマーだけでなく、このアルカリ可溶性樹脂を併用することが不可欠である。アルカリ可溶性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記感光性組成物の製造方法としては、本発明の着色組成物を事前に調製してから、そこに、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤を加えて前記感光性組成物とする方法が一般的である。
感光性組成物の調製に使用するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は酸性を呈する水酸基を含む樹脂、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。尚、本発明において、(メタ)アクリルとの記載は、アクリルとメタクリルとを合わせた総称である。
なかでも、硬化皮膜の耐熱性をより高めるためには、イミド構造、スチレン及び(メタ)アクリル酸の各重合単位を含有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。
このアルカリ可溶性樹脂は、上記した、有機顔料とアンカー部位と結合して、相溶性部分が分散媒に伸長して分散体を構成する機能を有さないものであるが、一方で、アルカリに接触することで溶解する特徴を活かし、感光性組成物の未露光部分の除去の目的で専ら用いられる。
光重合性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス〔(メタ)アクリロキシエトキシ〕ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。上記同様に、(メタ)アクリレートとの記載は、アクリレートとメタクリレートとを合わせた総称である。
なかでも、硬化皮膜の耐熱性をより高めるためには、四官能〜六官能の(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、エタノン,1−〔9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、黒色であるため、硬化性に優れる光重合開始剤を用いることが好ましい。
このような特性の本発明の感光性組成物は、本発明の着色組成物100部当たり、アルカリ可溶性樹脂と光重合性モノマーの合計が3〜20部、光重合性モノマー1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じて、さらに上記した着色組成物の調製に用いた有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してブラックマトリクス部を形成するための感光性組成物を得ることが出来る。
フォトリソグラフィー方式でブラックマトリクスを形成させるには、本発明の感光性組成物を低粘度で塗工性、作業性に優れたものとするために、少なくとも、質量換算で不揮発分は5〜20%となるように調製することが好ましい。
現像液としては、公知慣用のアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記感光性組成物には、アルカリ可溶性樹脂が含まれていることから、アルカリ水溶液での洗浄がブラックマトリクス部の形成に効果的である。本発明の感光性組成物の優れた耐熱性は、この様なアルカリ洗浄後に焼成を行なうカラーフィルタの製造方法において発揮される。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるブラックマトリクス部の製造方法について詳記したが、本発明の感光性組成物を使用して調製されたブラックマトリックス部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photo Voltaic Electro Deposition)法等の方法で形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、赤色有機顔料、緑色有機顔料、青色有機顔料ならびに本発明の着色組成物を使用して得た各色の感光性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
本発明の感光性組成物から得られるブラックマトリクス部は、上記した各色有機顔料が黒色となる様に含まれたものであり、一見すると、各色の感光性組成物を混合して黒色感光性組成物を調製した場合と、同様のブラックマトリクスが得られるかの様に思われるが、本発明では、感光性組成物とする以前の段階である着色組成物の調製時に、予め、各色の有機顔料が混合される結果、より均一な混合が達成され、より優れた特性のブラックマトリクスが得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において特に断りがない場合は、「部」及び「%」は質量基準である。
[評価方法]
本明細書で用いる主な評価方法について詳述する。
(1)ピークトップ位置など
評価対象の顔料をPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に分散後、PMAを用いて分散液を希釈し、分光光度計(U3900、株式会社日立ハイテクサイエンス製)で吸光スペクトルを測定し、ピークトップの位置、最大吸光度、365nmにおける吸光度、555nmにおける吸光度、700nmにおける吸光度を確認した。
(2)光学濃度(OD値)の測定
ブラックマトリクスを作製し、分光光度計(U−3900)で365nmにおける吸光度、700nmにおける吸光度、各波長における透過率(I/I)を測定した。JIS Z 8701に従い、下記式よりブラックマトリクスのOD値を求めた。
Figure 0006424991
Y:輝度(明るさ)
k:定数
T:透過率
S:光源強度
y:等色関数(人間の目の感度)
OD=log10(最大輝度/Y)=log10(100/Y)
<顔料製造工程>
C.I.ピグメントブルー25(特開昭51−97633号公報を基に合成)を塩化ナトリウム、ジエチレングリコールと混合し、ステンレス製ニーダー(株式会社井上製作所製)により湿式磨砕を行うことで、顔料A−1〜A−5を作成した。顔料A−1〜A−5の平均一次粒子径をSmartLab(株式会社リガク製)のUSAXS法を用いて測定した。(顔料A−1は36nm、顔料A−2は53nm、顔料A−3は94nm、顔料A−4は155nm、顔料A−5は189nmであった)
実施例1
得られた顔料A−1 0.4部、LPN−21116(BYK株式会社製、樹脂系分散剤)0.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート7.4部を混合し、0.2〜0.3mmφのジルコニアビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、着色組成物(B−1)を得た。着色組成物(B−1)0.1部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.9部を添加し、評価用組成物(C−1)を調製した。
実施例2
顔料A−1を顔料A−2に変えた以外は前記実施例1と同様な操作を行い、評価用組成物(C−2)を得た。
実施例3
顔料A−1を顔料A−3に変えた以外は前記実施例1と同様な操作を行い、評価用組成物(C−3)を得た。
実施例4
顔料A−1を顔料A−4に変えた以外は前記実施例1と同様な操作を行い、評価用組成物(C−4)を得た。
実施例5
顔料A−1を顔料A−5に変えた以外は前記実施例1と同様な操作を行い、評価用組成物(C−5)を得た。
比較例1
顔料A−1をPaliogen Blue L6360 (BASF株式会社製C.I.ピグメントブルー60)に変えた以外は前記実施例1と同様な操作を行い、評価用組成物(C−6)を得た。
比較例2
顔料A−1をFastogen Blue EP−CF (DIC株式会社製C.I.ピグメントブルー15:6)に変えた以外は前記実施例1と同様な操作を行い、評価用組成物(C−7)を得た。
<ピークトップ位置の確認>
上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた評価用組成物の吸光スペクトルを分光光度計(U3900、株式会社日立ハイテクサイエンス製)により測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006424991
<着色組成物の作製工程>
実施例6
顔料A−3(C.I.ピグメントブルー25、着色剤1)12.0部、Cromophtal Orange K 2960(BASF株式会社製、C.I.ピグメントオレンジ64、着色剤2)1.5部、Paliogen Red Violet K 5411(BASF株式会社製、C.I.ピグメントバイオレット29、着色剤3)1.5部、LPN−21116(BYK株式会社製、樹脂系分散剤)4.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73.8部の混合物に0.2〜0.3mmφのジルコニアビーズを加え、ペイントコンディショナーで2時間分散し、着色組成物(D−1)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製工程>
着色組成物(D−1)100部、アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合質量比=25/10/30/20/15、Mw=12,000、Mn=6,500)5部、光重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10部、光重合開始剤としてエタノン,1−〔9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)を1部、および有機溶剤としてジプロピレングリコールジメチルエーテル25部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25部、3−メトキシブチルアセテート75部、シクロヘキサノン50部を混合して、感光性樹脂組成物(E−1)を調製した。
<ブラックマトリクスの作製工程>
10cm角のガラス基板(日本電気硝子製カラーフィルタ用ガラス板「OA−10」)を信越化学製シランカップリング剤「KBM−603」の1%希釈液に3分間浸漬し、10秒間水洗して、エアーガンで水切り後、110℃のオーブンで5分間乾燥した。このガラス基板上に、上記にて調製した感光性樹脂組成物(E−1)をスピンコーターを用いて塗布した。1分間真空乾燥後、ホットプレート上で90℃にて90秒間加熱乾燥し、乾燥膜厚約3.5μmの塗布膜を得た。その後、塗布膜側から、15μm幅の細線パターンマスクを介して画像露光を施すもの(パターン1)と、マスクを介さずに全面に露光を施すもの(パターン2)との2通りの露光を行った。露光条件は、それぞれ3kW高圧水銀灯を用い50mJ/cm2(i線基準)とした。次いで、0.05%の水酸化カリウムと0.08%のノニオン性界面活性剤(花王製「A−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、23℃において水圧0.15MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄しブラックマトリクス(F−1)を得た。なお、シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、未露光の塗布膜が溶解除去される時間の1.5倍とした。
実施例7
実施例6の着色剤1を顔料A−3 7.5部に、着色剤2をCromophtal Orange K 2960 3.75部に、着色剤3をPaliogen Red Violet K 5411 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−2)を得た。
実施例8
実施例6の着色剤1を顔料A−3 3.0部に、着色剤2をCromophtal Orange K 2960 6.0部に、着色剤3をPaliogen Red Violet K 5411 6.0部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−3)を得た。
実施例9
実施例6の着色剤1を顔料A−3 12.0部に、着色剤2をPV Fast Orange H4GL01(Clariant社製、C.I.ピグメントオレンジ72) 1.5部に、着色剤3をPaliogen Red Violet K 5411 1.5部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−4)を得た。
実施例10
実施例6の着色剤1を顔料A−3 7.5部に、着色剤2をPV Fast Orange H4GL01 3.75部に、着色剤3をPaliogen Red Violet K 5411 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−5)を得た。
実施例11
実施例6の着色剤1を顔料A−3 3.0部に、着色剤2をPV Fast Orange H4GL01 6.0部に、着色剤3をPaliogen Red Violet K 5411 6.0部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−6)を得た。
実施例12
実施例6の着色剤1を顔料A−3 12.0部に、着色剤2を化合物G 1.5部、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 1.5部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−7)を得た。
Figure 0006424991
化合物Gは以下の操作を行い作製した。
N−ブロモスクシンイミド 53部を温度が10℃以下の濃硫酸52500部に添加し、次いで特開平11−335575に記載の方法で合成した化合物H(下記構造)350部を添加し、室温で20時間撹拌した。次いでこれを氷525000部に注ぎ、沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、酸が検出されなくなるまで水で洗浄し、次いで30000部のエタノールで洗浄し、90℃で乾燥し、生成物I 390部を得た。
Figure 0006424991
得られた生成物I 390部をN,N−ジメチルホルムアミド2000部に添加し、次いで4−ジメチルアミノピリジン100部、ジ−tert−ブチルジカーボネート800部(「tert」はターシャリーの意味で記載している)を添加し、室温で16時間攪拌した。次いでこれを水8000部に注ぎ、クロロホルム8000部で抽出し、クロロホルム層を減圧下で濃縮し生成物Jを得た。
得られた生成物Cを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/ジメチルスルホキシド)で分離して得られた化合物Gを含有する溶液を濃縮し、N,N−ジメチルアセトアミド500部及びトルエン−4−スルホン酸一水和物50部を添加し、130℃で4時間攪拌し、沈殿物を得た。沈殿物を濾過し、N,N−ジメチルアセトアミド200部及びメタノール800部で洗浄し、90℃で乾燥し、化合物Gを得た(3.4部、収率 0.6%)。
実施例13
実施例6の着色剤1を顔料A−3 7.5部に、着色剤2を化合物G 3.75部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−8)を得た。
実施例14
実施例6の着色剤1を顔料A−3 3.0部に、着色剤2を化合物G 6.0部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 6.0部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−9)を得た。
実施例15
実施例6の着色剤1を顔料A−3 1.5部に、着色剤2を化合物G 10.5部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 3.0部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−10)を得た。
実施例16
実施例6の着色剤1を顔料A−1 7.5部に、着色剤2を化合物G 3.75部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−11)を得た。
実施例17
実施例6の着色剤1を顔料A−2 7.5部に、着色剤2を化合物G 3.75部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−12)を得た。
実施例18
実施例6の着色剤1を顔料A−4 7.5部に、着色剤2を化合物G 3.75部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−13)を得た。
実施例19
実施例6の着色剤1を顔料A−5 7.5部に、着色剤2を化合物G 3.75部に、着色剤3をCromophtal Orange K 2960 3.75部に変更した以外は前記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−14)を得た。
比較例3
実施例6の着色剤1〜3をFastogen Blue EP−CF 12.0部、Cromophtal Orange K 2960 1.5部、Paliogen Red Violet K 5411 1.5部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−15)を得た。
比較例4
実施例6の着色剤1〜3をFastogen Blue EP−CF 7.5部、Cromophtal Orange K 2960 3.75部、Paliogen Red Violet K 5411 3.75部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−16)を得た。
比較例5
実施例6の着色剤1〜3をFastogen Blue EP−CF 3.0部、Cromophtal Orange K 2960 6.0部、Paliogen Red Violet K 5411 6.0部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−17)を得た。
比較例6
実施例6の着色剤1〜3をFastogen Blue EP−CF 12.0部、 FASTOGEN Super Red ATY−TR(DIC株式会社製C.I.ピグメントレッド177) 3.0部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−18)を得た。
比較例7
実施例6の着色剤1〜3をFastogen Blue EP−CF 7.5部、 FASTOGEN Super Red ATY−TR 7.5部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−19)を得た。
比較例8
実施例6の着色剤1〜3をFastogen Blue EP−CF 3.0部、 FASTOGEN Super Red ATY−TR 12.0部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−20)を得た。
比較例9
実施例6の着色剤1〜3をPaliogen Blue L6360 12.0部、Cromophtal Orange K 2960 1.5部、Paliogen Red Violet K 5411 1.5部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−21)を得た。
比較例10
実施例6の着色剤1〜3をPaliogen Blue L6360 7.5部、Cromophtal Orange K 2960 3.75部、Paliogen Red Violet K 5411 3.75部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−22)を得た。
比較例11
実施例6の着色剤1〜3をPaliogen Blue L6360 3.0部、Cromophtal Orange K 2960 6.0部、Paliogen Red Violet K 5411 6.0部に変更した以外は上記実施例6と同様な操作を行い、ブラックマトリクス(F−23)を得た。
<評価>
実施例6〜19、比較例3〜11で作製したブラックマトリクスのOD値、365nm吸光度及び700nm吸光度を、比較例4の値を100に換算して、下表に記載した。
本発明組成物から得られたブラックマトリクスは、365nmの吸光度が比較例4のブ
ラックマトリクスより低いにも関わらず、比較例3〜11のブラックマトリクスに比べてOD値が顕著に向上した。
また、PB−25を50%含む実施例7、10、13、16、17、18、19のブラックマトリクス同士を比較した場合、PB−25と化合物Gを併用した実施例13、16、17、18、19のブラックマトリクスは700nmの吸光度が大きく好ましい。さらに実施例13、16、17、18、19のブラックマトリクスの700nmの吸光度は比較例4対比200前後の値であれば同程度とみなすことができ、この場合、700nmの吸光度の大小より、OD値の大小が重要特性となる。この観点から、平均一次粒子径が50nm〜160nmの範囲にある顔料A−2、A−3、A−4をそれぞれ含む実施例13、17、18のブラックマトリクスは700nmの吸光度が大きく、かつ、高いOD値を有しており特に優れた性能を示すことがわかる。
Figure 0006424991

Claims (5)

  1. 2以上の有機顔料を含有してなる遮光性顔料組成物であって、
    有機顔料として、少なくとも、下記一般式(1):
    Figure 0006424991
    (式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基である)で表される有機顔料(A)を含有することを特徴とする遮光性顔料組成物。
  2. 前記有機顔料(A)が、C.I.ピグメントブルー25又はC.I.ピグメントブルー26であることを特徴とする請求項1に記載の遮光性顔料組成物。
  3. 前記有機顔料(A)が、下記条件を満たす有機顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮光性顔料組成物。
    (条件:可視光領域(380nm〜780nm)における吸光度が波長580nm〜780nmにおいて最大となり、365nmにおける吸光度が最大吸光度の50%以下、555nm及び700nmにおける吸光度が最大吸光度の50%以上である。)
  4. さらに、下記一般式(2)および一般式(3)で表される化学構造を含むベンズイミダゾロン系顔料、下記一般式(4)で表される化学構造を含むベンズイミダゾロンジオキサジン系顔料のうち、一方又は両方を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の遮光性顔料組成物。
    Figure 0006424991
    (式(2)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
    Figure 0006424991
    Figure 0006424991
    (式(4)中、X、X、X、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;X、X、X、Xの内、1つ以上はハロゲン原子であり;R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を示す)
  5. 請求項1〜4いずれか一項に記載の遮光性顔料組成物を含有するディスプレイ用遮光性部材。
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