JP6424454B2 - 電子機器の筐体の製造方法 - Google Patents
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Description
はじめに、本願の開示する技術の第一実施形態を説明する。
第一実施形態では、図2の上図に示されるように、基材の一例として、耐熱性を有する耐熱フィルム18が用いられる。この耐熱フィルム18の材料としては、例えば、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー等が挙げられる。
続いて、図2の下図に示されるように、導電パターン14の表面に粉末供給装置26からトリアジン化合物を含む樹脂粉末28が供給される。この樹脂粉末28には、トリアジン化合物の他に、例えば、上述の樹脂部12と同材料であるポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリアミド等の熱可塑性樹脂の粉末が含まれる。
続いて、図3の上図に示されるように、耐熱フィルム18上に樹脂部12が形成される。このとき、より具体的には、耐熱フィルム18上に熱可塑性樹脂で形成され溶融された樹脂部12が加熱圧着される。この加熱圧着の方法としては、例えば、プレス成形、射出成形、真空成形等の全ての樹脂成形加工が適用可能である。この加熱圧着により、接着層16に含まれる樹脂材料と樹脂部12とが融着されて導電パターン14と樹脂部12とが接着層16を介して接着されると共に、樹脂部12に導電パターン14が埋め込まれて転写される。
続いて、図3の下図に示されるように、樹脂部12から耐熱フィルム18が剥がされる。そして、以上の製造方法により、樹脂部12に導電パターン14が転写された筐体10が得られる。
次に、本願の開示する技術の第二実施形態を説明する。
第二実施形態では、図5の上図に示されるように、耐熱フィルム18の表面にコーティング層38が形成される。そして、例えば、レーザ加工機40によるレーザ加工により、コーティング層38の一部が除去され、耐熱フィルム18上のコーティング層38に下地パターン42が形成される。
続いて、図5の下図に示されるように、この耐熱フィルム18上に形成された下地パターン42に印刷装置20から導電インク22が供給される。そして、この耐熱フィルム18上に導電インク22により導電パターン14が印刷されて形成される。この導電インク22を印刷する方法としては、導電インク22の粘度に応じて、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等の方法が適宜選択される。
続いて、図6の上図に示されるように、導電パターン14の表面に溶液供給装置46からトリアジン化合物を含む溶液48が供給される。そして、この溶液48が導電パターン14の表面に供給されることにより、導電パターン14の表面にトリアジン化合物を含む接着層36が形成される。このとき、トリアジン化合物は耐熱フィルム18とは反応せず、導電パターン14の表面層が選択的にトリアジン化合物で処理され、導電パターン14の表面層とトリアジン化合物とが化学的に結合する。
続いて、図6の中図に示されるように、耐熱フィルム18上にコーティング層38を介して樹脂部12が形成される。このとき、より具体的には、耐熱フィルム18上にコーティング層38を介して熱可塑性樹脂で形成され溶融された樹脂部12が加熱圧着される。この加熱圧着の方法としては、第一実施形態と同様に、例えば、プレス成形、射出成形、真空成形等の全ての樹脂成形加工が適用可能である。この加熱圧着により、接着層36に含まれる樹脂材料と樹脂部12とが融着されて導電パターン14と樹脂部12とが接着層36を介して接着されると共に、樹脂部12に導電パターン14が埋め込まれて転写される。
続いて、図6の下図に示されるように、樹脂部12から耐熱フィルム18が剥がされる。そして、以上の製造方法により、樹脂部12に導電パターン14が転写された筐体30が得られる。
図7には、第一適用例に係る電子機器50が示されている。この電子機器50は、一例として、ノート型のパーソナルコンピュータである。この電子機器50は、表示装置52と本体装置54とを有する。表示装置52は、例えば表示器等のユニット58と、このユニット58を収容する筐体60を備える。本体装置54は、例えば制御回路やバッテリ等のユニット68と、このユニット68を収容する筐体70を備える。また、表示装置52及び本体装置54の筐体60,70には、上述の第一実施形態又は第二実施形態に係る筐体10,30(図1,図4参照)が適用される。
図10には、第二適用例に係る電子機器80が示されている。この電子機器80は、一例として、スマートフォンである。この電子機器80は、例えば表示器、制御回路、及び、バッテリ等のユニット88と、このユニット88を収容する筐体90を備える。筐体90には、上述の第一実施形態又は第二実施形態に係る筐体10,30(図1,図4参照)が適用される。
筐体本体を形成する樹脂部と、
導電インクで形成されると共に、トリアジン化合物を含む接着層を介して前記樹脂部に接着された導電パターンと、
を備える電子機器の筐体。
(付記2)
前記導電パターンは、前記樹脂部に埋め込まれている、
付記1に記載の電子機器の筐体。
(付記3)
前記導電パターンは、前記樹脂部における前記導電パターンが埋め込まれた側の端面に露出する露出面を有し、
前記樹脂部における前記端面と、前記導電パターンにおける前記露出面とは、面一状である、
付記2に記載の電子機器の筐体。
(付記4)
前記樹脂部における前記導電パターンが埋め込まれた側の端面には、コーティング層が形成され、
前記導電パターンは、前記コーティング層における前記樹脂部と反対側の端面に露出する露出面を有し、
前記コーティング層における前記樹脂部と反対側の端面と、前記導電パターンにおける前記露出面とは、面一状である、
付記2に記載の電子機器の筐体。
(付記5)
前記導電パターンは、焼成されたものである、
付記1〜付記4のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記6)
前記接着層は、トリアジン化合物を含む樹脂粉末で形成されている、
付記1〜付記5のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記7)
前記接着層は、トリアジン化合物を含む溶液で形成されている、
付記1〜付記5のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記8)
前記樹脂部は、熱可塑性樹脂で形成されている、
付記1〜付記7のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記9)
前記樹脂部は、湾曲部を有し、
前記導電パターンは、前記湾曲部に埋め込まれている、
付記1〜付記8のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記10)
前記導電パターンは、アンテナである、
付記1〜付記9のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記11)
前記導電パターンは、回路パターンである、
付記1〜付記9のいずれか一項に記載の電子機器の筐体。
(付記12)⇒「請求項4」
ユニットと、
筐体本体を形成する樹脂部と、導電インクで形成されると共に、トリアジン化合物を含む接着層を介して前記樹脂部に接着された導電パターンとを有し、前記ユニットを収容する筐体と、
を備える電子機器。
(付記13)
前記筐体として、付記1〜付記11のいずれか一項に記載の筐体を備える、
付記11に記載の電子機器。
(付記14)
基材上に導電インクで導電パターンを形成し、
前記導電パターンの表面にトリアジン化合物を含む接着層を形成し、
前記基材上に樹脂部を形成すると共に、前記接着層を介して前記導電パターンと前記樹脂部とを接着し、
前記樹脂部から前記基材を剥がし、前記樹脂部に前記導電パターンが転写された電子機器の筐体を得る、
電子機器の筐体の製造方法。
(付記15)
前記基材上に熱可塑性樹脂で形成された前記樹脂部を加熱圧着して、前記接着層を介して前記導電パターンと前記樹脂部とを接着すると共に、前記樹脂部に前記導電パターンを埋め込む、
付記14に記載の電子機器の筐体の製造方法。
(付記16)
前記基材としての耐熱フィルム上に前記導電インクで前記導電パターンを形成した後、前記耐熱フィルム上の前記導電パターンを焼成する、
付記14又は付記15に記載の電子機器の筐体の製造方法。
(付記17)
トリアジン化合物を含む樹脂粉末で前記接着層を形成する、
付記14〜付記16のいずれか一項に記載の電子機器の筐体の製造方法。
(付記18)
トリアジン化合物を含む溶液で前記接着層を形成する、
付記14〜付記16のいずれか一項に記載の電子機器の筐体の製造方法。
(付記19)
可撓性を有する前記基材を平面状にした状態で前記基材上に前記導電インクで前記導電パターンを形成し、
前記基材を湾曲させた状態で前記基材上に熱可塑性樹脂で形成された前記樹脂部を加熱圧着して、前記接着層を介して前記導電パターンと前記樹脂部とを接着すると共に、前記樹脂部の湾曲部に前記導電パターンを埋め込む、
付記14〜付記18のいずれか一項に記載の電子機器の筐体の製造方法。
(付記20)
前記導電インクで前記導電パターンとしてのアンテナを形成する、
付記14〜付記19のいずれか一項に記載の電子機器の筐体の製造方法。
(付記21)
前記導電インクで前記導電パターンとしての回路パターンを形成する、
付記14〜付記19のいずれか一項に記載の電子機器の筐体の製造方法。
12 樹脂部
14 導電パターン
16,36 接着層
18 耐熱フィルム
22 導電インク
28 樹脂粉末
38 コーティング層
48 溶液
50,80 電子機器
58,68,88 ユニット
60,70,90 筐体
92 湾曲部
Claims (4)
- 基材上に導電インクで導電パターンを形成し、
前記導電パターンの表面にトリアジン化合物を含む樹脂粉末からなる接着樹脂層を形成し、
前記基材上に樹脂部を形成すると共に、前記接着樹脂層を介して前記導電パターンと前記樹脂部とを接着し、
前記樹脂部から前記基材を剥がし、前記樹脂部に前記導電パターンが転写された電子機器の筐体を得る、
電子機器の筐体の製造方法。 - 前記基材上に熱可塑性樹脂で形成された前記樹脂部を加熱圧着して、前記接着樹脂層を介して前記導電パターンと前記樹脂部とを接着すると共に、前記樹脂部に前記導電パターンを埋め込む、
請求項1に記載の電子機器の筐体の製造方法。 - 前記基材としての耐熱フィルム上に前記導電インクで前記導電パターンを形成した後、前記耐熱フィルム上の前記導電パターンを焼成する、
請求項1又は請求項2に記載の電子機器の筐体の製造方法。 - 可撓性を有する前記基材を平面状にした状態で前記基材上に前記導電インクで前記導電パターンを形成し、
前記基材を湾曲させた状態で前記基材上に熱可塑性樹脂で形成された前記樹脂部を加熱圧着して、前記接着樹脂層を介して前記導電パターンと前記樹脂部とを接着すると共に、前記樹脂部の湾曲部に前記導電パターンを埋め込む、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子機器の筐体の製造方法。
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