JP6424011B2 - 角栓形成抑制効果を有する素材のスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
角栓は、皮脂とタンパク質の混合物であるが、その形成メカニズムの詳細は不明である。そこで、まずは皮脂に着目し、皮脂量と角栓数の関係を調べた。具体的には、18名の男性被験者の小鼻部の皮脂量、角栓数を計測し、相関性の有無を調べた。なお、皮脂量の測定にはセブメーター(Courage+Khazaka)を用いた。また、角栓数の計測に関しては、角栓に含まれる物質が、紫外線に照射によって蛍光を発するという特性を利用した。具体的には、肌測定機器VISIA(登録商標) Evolution(Canfield Scientific)を用いて全顔の紫外線写真を撮影後、小鼻部の一定面積を切り出し、ImageJ(NIH)を用いた2値化を行うことで、単位面積あたりの角栓数を測定した。その結果、皮脂量と角栓数には相関性が見られなかった(図1)。このことから、角栓中には皮脂が含まれているが、皮脂が原因となって、角栓形成が進行することはないことが示唆された。
(A):表皮ケラチノサイトを培養するステップ
(B):(A)で培養した表皮ケラチノサイトに被験物質を添加するステップ
(C):(B)の後、表皮ケラチノサイトのケラチン17遺伝子発現量及び/又は表皮ケラチノサイトのケラチン17タンパク質量を測定するステップ
(D):(C)で測定した表皮ケラチノサイトのケラチン17遺伝子発現量
及び/又は表皮ケラチノサイトのケラチン17タンパク質量を指標に角栓形成抑制効果を有する素材を選別するステップ
以下の説明では、上記ステップの順に現れる内容に関し、説明していく。
又、被検物質は植物エキスに限らず、表皮ケラチノサイトに添加出来るものであれば特に限定はなく、動物由来エキス、菌類の培養物、又はこれらの酵素等処理物、化合物又はその誘導体等であっても被検物質として用いることが出来、液状の他、粉末状、ジェル状等であっても差し支えない。また、そのままでは培地に溶解しない場合は、界面活性剤等の可溶化剤を適宜使用することにより溶解させることで被験物質として用いることができる。
例えば、以下のような式で表すことが出来る。
植物原体5gに10倍の重量の蒸留水を50g加えて60℃、4時間加熱抽出した。抽出後、ろ過をし、植物原体を取り除いた後、固形蒸発残分が2%になるように蒸留水で希釈した。最後に、等量の1,3ブチレングリコールにてさらに希釈した。
以上の操作によって、固形蒸発残分が1%になるように調整したエキスを得た。
試験には、ヒト新生児由来表皮ケラチノサイト(クラボウ)を用いた。増殖用培地として、無血清培地であるHumedia−KG2(クラボウ)を用い、培養環境は、37℃、5%CO2/95%空気の加湿条件で行った。
25cm2培養フラスコに増殖用培地を入れ、3〜4日間培養してほぼ飽和状態となった継代回数2回の細胞を用いた。表皮ケラチノサイトは、カルシウム、マグネシウムを含まないリン酸緩衝液(PBS−液)で1回洗浄し、次にEDTA(200μg/mL)を含むトリプシン(0.05%;wt/vol)にて処理を行なった後に、ピペッティングにより分散させ、血球計算盤で細胞数を計測した。
24穴培養プレートに1×105個 /mLになるように専用培地に細胞を懸濁し、24プレートに500μLずつ播種した。48時間後にエキスを終濃度0.5%になるように培地に加えた。なお、コントロールとして、それぞれのエキスの溶媒として用いた1,3ブチレングリコールを終濃度0.5%になるように加えた。6時間のインキュベート後、ケラチン17の発現を促進させるインターフェロンγを500U/mLになるように細胞に添加した。そのうち、前述のコントロールにインターフェロンγ処理を行ったものをコントロール(+インターフェロン−γ)とし、インターフェロン-γ処理を行わなかったものをコントロール(無処置)とした。ここから24時間インキュベート後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いて、Total RNAを抽出した。
(TaKaRa) を用いて逆転写を行い、cDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、ケラチン17、GAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸 デヒドロゲナーゼ;ハウスキーピング遺伝子として使用)の発現量を以下のプライマー及び酵素を用いて、リアルタイムPCR(7500 Real Time PCR System、アプライドバイオシステムズ)にて測定した。
プライマーは、ケラチン17用センスプライマー(5’−GGATGCCGAGGATTGGTTCT−3’)、アンチセンスプライマー(5’−ACTCTGCACCAGCTCACTGTTG−3’)、GAPDH用センスプライマー(5’−CCACATCGCTCAGACACCAT−3’)、アンチセンスプライマー(5’−TGACCAGGCGCCCAATA−3’)を用いた。PCRの反応にはPower SYBR Green Master Mix(アプライドバイオシステムズ)を使用し、遺伝子発現の解析は比較Ct法にて行った。
コントロールとの差が20%以上の素材を効果あり、20%未満の素材を効果なしと判断し、ケラチン17遺伝子発現抑制効果が認められたオランダガラシエキス、ダイズエキスとケラチン遺伝子発現抑制効果が認められなかったセイヨウニワトコエキスを用いて角栓形成抑制効果について評価した。
処方例1と4、処方例2と4、処方例3と4の作用の比較を目的として、各比較は4名の被験者に、市販されているシートタイプのパックによる小鼻周辺部の角栓の除去を行い 、その後1日2回、洗顔後に右側小鼻には処方例1〜3に示した製剤、左側小鼻には処方例4に示した製剤をそれぞれ小鼻周辺部に塗布してもらった。角栓数の測定は、試験開始時の角栓除去直前および、2週間の処方例1〜4塗布後に行った。
角栓に含まれる物質が、紫外線に照射によって蛍光を発するという特性を利用し、肌測定機器VISIA(登録商標)Evolution(Canfield Scientific)を用いて全顔の紫外線写真を撮影した。写真の撮影は試験開始時の角栓除去直前と、開始から2週間後に行った。撮影した写真の画像は、被験者毎に同一の領域、面積となるようにトリミングし、その後、ImageJ(NIH)を用いた画像解析により角栓数の計測 を行った。
尚、ケラチン17タンパク質を指標とした場合においても同様の結果が得られた。
以上の結果から、ケラチン17量を指標にすることにより、角栓形成効果のある成分のスクリーニングが行うことが出来ることが分かる。
Claims (2)
- 表皮ケラチノサイトのケラチン17遺伝子発現量
及び/又は
表皮ケラチノサイトのケラチン17タンパク質量
を指標とし、
前記遺伝子発現量及び/又はタンパク質量を低減させる素材を
角栓形成抑制効果を有すると判定する角栓形成抑制剤のスクリーニング方法。 - 次の(A)〜(D)の工程を含む角栓形成抑制効果を有する素材をスクリーニングする方法。
(A):表皮ケラチノサイトを培養するステップ
(B):(A)で培養した表皮ケラチノサイトに被験物質を添加するステップ
(C):(B)の後、表皮ケラチノサイトのケラチン17遺伝子発現量
及び/又は表皮ケラチノサイトのケラチン17タンパク質量を測定する
ステップ
(D):(C)で測定した表皮ケラチノサイトのケラチン17遺伝子発現量
及び/又は表皮ケラチノサイトのケラチン17タンパク質量を指標に
前記発現量及び/又はタンパク質量を低減させる素材を
角栓形成抑制効果を有する素材として選別するステップ
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JP2014074648A JP6424011B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 角栓形成抑制効果を有する素材のスクリーニング方法 |
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