JP5693821B2 - 皮膚のエストロゲン応答性を測定する方法、及び、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測する皮膚検査方法 - Google Patents

皮膚のエストロゲン応答性を測定する方法、及び、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測する皮膚検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚のエストロゲン応答性を測定する方法、及び、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測する皮膚検査方法に関する。
一般的に、皮膚老化は、加齢による自然老化、紫外線等による傷害が原因で生じる光老化、閉経等による女性ホルモンのアンバランスが原因で生じる更年期障害老化に大別される。これまでの研究から、主な皮膚老化現象として知られるシワ・タルミは、真皮の細胞外マトリックス成分の減少及び変性により、皮膚弾力性の低下が起こることで生じることが分かってきた。又、キメが粗くなる現象は、筋肉の衰えや水分不足によって皮溝が深く不規則な状態となり、皮丘自体の弾力が失われることで生じることが分かってきた。
女性ホルモンは、女性の健康維持にとって大切な働きをしている性ステロイドホルモンである。女性ホルモンには、卵胞ホルモンであるエストロゲン、黄体ホルモンであるプロゲステロン、子宮平滑筋収縮作用のあるオキシトシン等がある。それらの中でも、エストロゲンは糖代謝や骨、脳、血管等の器官に影響を及ぼしており、皮膚においても、ケラチノサイトの増殖促進作用及び線維芽細胞におけるコラーゲンやプロテオグリカンの生成促進作用を有し、表皮の新陳代謝や真皮の弾力性維持に重要な役割を果たしている(非特許文献1〜3)。
体内に存在するエストロゲンを定量する方法は、ELISAキットで測定する方法、高速液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)で測定する方法、ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)で測定する方法等が知られている(特許文献1)。試料は、血液を採取したり、皮膚や臓器等の対象部位を採取後に破砕したりして得る。
しかしながら、血液、皮膚、臓器等を採取する方法は痛みを伴い、その後の処理にも手間がかかるため、容易に測定することはできなかった。今までのところ、皮膚から簡便にエストロゲンを定量する方法は知られていない(第一の観点の課題)。
皮膚におけるエストロゲンの作用低下は、表皮の新陳代謝低下や真皮の弾力性低下等を引き起こし、シワ・タルミ等の皮膚老化現象につながると考えられる。エストロゲンの減少による作用低下に対しては、エストロゲン自体を投与したり、その分泌を促進したりすることが有効であり、美容皮膚科においては、エストロゲンを皮膚に塗布する外用療法等が行われている。
一方、エストロゲンが皮膚細胞に存在するエストロゲンレセプターに結合することによってその作用が引き起こされることから、エストロゲンレセプターも重要な働きをしていると考えられる。最近の研究から、エストロゲンレセプターが紫外線等によって傷害を受けると、エストロゲンが存在してもその作用は現れなくなることが明らかとなってきた(特許文献2)。
このようなことから、皮膚のエストロゲン自体の量と、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性とは、必ずしも相関があるとは言えないと考えられる。すなわち、実際のエストロゲン応答性は、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲンの反応性を測定することにより、初めて知ることができると推察される(第二の観点の課題)。
実際のエストロゲン応答性を測定する方法として、赤血球におけるグルコースの取り込みを測定する方法が発明されている(特許文献3)。しかしながら、この方法では血液試料を用い、且つ放射性グルコースで標識するため、皮膚から簡便に測定できないと考えられる。
同年齢で比較すると、シワ・タルミ等の皮膚老化現象が進行しているヒトがいる一方で、それほど進行していないヒトもいる。このような皮膚老化の進行の差の原因は、遺伝や生活環境等の様々な要因が考えられるため、一概には言えない。しかしながら、皮膚老化の進行状態を予測することができれば、化粧品の使用方法を提示することが可能になる。例えば、将来、シワ・タルミが生じやすい、又はキメが粗くなりやすいと予測されれば、念入りにアンチエイジング対応の医薬品、医薬部外品及び化粧品を使用することで、シワ・タルミを予防・改善したり、キメを粗くなりにくくしたりすることができると考えられる(第三の観点の課題)。
今までに、皮膚老化の進行状態を検査する方法が発明されているが、この方法はヒトではなく、老化モデル動物を使用する(特許文献4)。すなわち、老化モデル動物の皮膚全層を採取し、破砕後に目的となる遺伝子の発現を検査するため、容易にヒトにおいて実施することは難しいと考えられる。又、今までのところ、エストロゲン応答性から皮膚老化の進行状態を予測する方法は知られていない。
特許第3774888号 特開2005−29493号 特表平10−505673号 特開2005−53789号
Uzaka M.,Biochim.Biophys.Acta.,673,387−393,1981. Varila E.,Br.J.Obstet.Gynaecol.,102,985−989,1995. Urano R.,J.Dermatol.Sci.,9,176−184,1995. 大栗基樹,日本香粧品学会誌,32(2),123−129,2008.
第一及び第二の観点において、本発明は、皮膚から簡便に、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定する方法を提供することを課題とする。
第三の観点において、本発明は、エストロゲン応答性を測定することができる因子を指標にして、皮膚老化の進行状態を予測する方法を提供することを課題とする。
第一及び第二の観点において、本発明者は、皮膚から簡便に、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定する方法について、鋭意検討した。その結果、EFP(Estrogen−responsive Finger Protein)タンパクをコードする遺伝子の発現を調べることにより、皮膚におけるエストロゲン応答性が測定できることを見出した。又、この遺伝子の発現産物は、テープストリップ等によって皮膚から容易に、且つ非侵襲的に採取することができることを見出した。
又、本発明者は、ケラチノサイトにエストロゲンの一種である17β−エストラジオールを曝露させたところ、EFPmRNAの発現量が増加することを明らかにした。このことから、エストロゲンが皮膚に存在するエストロゲンレセプターに結合し、EFPタンパクが産生されると推察された。
さらに、本発明者は、ケラチノサイトに17β−エストラジオールを曝露させたところ、細胞増殖促進効果を見出したが、老化誘導したケラチノサイトに17β−エストラジオールを曝露しても、細胞増殖促進効果を見出すことはできなかった。この時、老化誘導したケラチノサイトでは、EFPmRNAの発現量が減少していた。これらのことから、皮膚にエストロゲンが存在しても、エストロゲンレセプター以下で作用する反応系が加齢等により傷害を受けると、その作用が現れなくなることが推察された。
以上から、被験対象の皮膚からテープストリップ等によって採取したEFPタンパクをコードする遺伝子の発現産物であるmRNA発現量を指標にして、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定することができると考えられた。
第三の観点において、本発明者は、EFPmRNAの発現量を指標にして、皮膚老化の進行状態を予測する方法について、鋭意検討した。その結果、EFPmRNAの発現量とシワ・タルミの形成、又はキメの粗さとの間に関連性を見出した。すなわち、同年齢である女性被験者の、上腕内側部のEFPmRNAの発現量と顔面部の鼻唇溝(法令線)の関連性を調べたところ、上腕内側部のEFPmRNAの発現量と顔面部の鼻唇溝(法令線)のシワ面積率に相関があることを明らかにした。又、上腕内側部のEFPmRNAの発現量と上腕内側部のキメの粗さを調べたところ、上腕内側部のEFPmRNAの発現量と上腕内側部のキメの粗さに相関があることを明らかにした。
以上から、EFPmRNAの発現量を指標にして、皮膚老化の進行状態を予測することができると考えられた。
第一、第二及び第三の観点から、本発明は、以下に列挙する皮膚検査方法を提供する。
[1]皮膚のEFPタンパクをコードする遺伝子の発現量を測定することを特徴とする、皮膚のエストロゲン応答性を評価する方法。
[2]エストロゲン応答性の評価結果を基に、皮膚老化の進行状態を予測する方法。
[3]エストロゲン応答性の評価方法が、[1]に記載の方法である[2]に記載の方法。
[4]皮膚のエストロゲン応答性を基に、皮膚老化の進行状態を予測するための方法であって、
(1)被験対象から皮膚のサンプルを得る工程、
(2)該サンプルのEFPタンパクをコードする遺伝子の発現を定量化する工程、
(3)工程(2)で測定した遺伝子発現量を用いて、エストロゲン応答性を測定する工程、及び
(4)工程(3)で算出したエストロゲン応答性から、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測する工程
を含む皮膚検査方法。
[5]前記遺伝子発現の定量化がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)によって行われる、[4]に記載の皮膚検査方法。
[6]前記皮膚サンプルが被験対象の皮膚より採取した角質である、[4]〜[5]のいずれかに記載の皮膚検査方法。
[7]前記[4]〜[6]より得られた結果から、化粧品の使用方法を提示することを特徴とする皮膚検査方法。
本発明は、第一、第二及び第三の観点に基づいて鋭意検討し、見出されたものである。本発明の方法により、皮膚のEFPタンパクをコードする遺伝子の発現産物であるmRNAの発現量を指標にして、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定し、その結果から、皮膚老化の進行状態を予測するための皮膚検査方法を提供することが可能になる。非侵襲的に皮膚老化の進行状態を予測することができれば、化粧品の使用方法を提示することが可能になり、皮膚老化を予防・改善することができるという利点がある。
図1は顔面部の鼻唇溝(法令線)のレプリカを示した説明図である(実験例4)。 図2は上腕内側部のキメのレプリカを示した説明図である(実験例4)。
本発明は、皮膚のEFPタンパクをコードする遺伝子の発現産物であるmRNAの発現量を指標にして、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定し、その結果から、皮膚老化の進行状態を予測するための皮膚検査方法(以下、「皮膚老化予測法」とも言う)を提供する。本発明の皮膚老化予測法では、被験対象の皮膚より採取したサンプルを用いてEFPタンパクをコードする遺伝子発現の定量化を行い、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定する。その結果を基に、シワ・タルミの生じやすさ、又はキメの粗さを評価する。さらに、皮膚より採取したサンプルとして角質を用いることにより、非侵襲的な評価が可能になる。
本発明の「皮膚老化の進行状態を予測する」とは、将来的に生じると考えられるシワ・タルミや将来的に粗くなると考えられるキメ等の皮膚老化現象を、現在の皮膚状態から科学的根拠に基づいて推測することである。
本発明に用いる「被験対象の皮膚」とは、紫外線に曝されにくく、光老化の影響が比較的少ない部位の皮膚、例えば、上腕内側部、前腕内側部、背部、臀部又は大腿内側部等、日常的に衣服に覆われている部位の皮膚が望ましい。又、このような試料(組織もしくは細胞)の培養物であっても良い。
本発明に用いる被験対象の皮膚より採取した「角質」とは、皮膚の中で最外層に存在する角質層における細胞を示す。皮膚の中で最外層に存在する角質におけるEFPタンパクをコードする遺伝子の発現を解析することから、本発明の皮膚老化予測法は、皮膚をあまり傷つけず、且つ容易に実施可能なものになる。
皮膚からの角質の採取方法は特に限定されないが、可能な限り、非侵襲的な採取方法を採用することが好ましい。すなわち、角質の採取の際、顆粒層や有棘層等の角質層以外の部分を、可能な限り、傷つけないことが望まれる。非侵襲的な採取方法としては、例えば、粘着性のテープや接着剤等を皮膚へ付着させた後に剥がす方法や、粗面の材料(例えば、不織布等)で皮膚表面を擦る方法によって角質を採取することができる。非常に簡便に実施できる点において、前者の方法は特に好ましい。尚、以降に実施される遺伝子発現の定量化に影響しないものである限り、粘着性のテープや接着剤に用いられる材料(接着成分)は特に限定されない。
本発明における「遺伝子発現の定量化」とは、遺伝子の転写産物であるmRNA発現量を測定することである。又は、遺伝子の発現産物であるタンパク量を測定しても良い。
mRNA発現量の測定には、マイクロアレイ解析や、逆転写反応を行った後にPCR法を行う方法等を用いることができる。これらの方法は、常法に従って実施すれば良い。各方法について様々なプロトコールが報告されており、当業者であれば公知のプロトコールに従い、又は公知のプロトコールを適宜修正・変更したプロトコールによって、適切な測定系を構築し、実施することができる。尚、mRNA発現量の測定による遺伝子発現の定量化の詳細については後述する。
一方、タンパク量の測定であれば、例えば、蛍光物質、色素、酵素等を利用する免疫染色法、ウエスタンブロット法、免疫測定法(例えば、ELISA法やEIA法等)等を用いることができる。これらの方法についても、常法に従って実施すれば良い。各方法について様々なプロトコールが報告されており、当業者であれば公知のプロトコールに従い、又は公知のプロトコールを適宜修正・変更したプロトコールによって、適切な測定系を構築し、実施することができる。
本発明の「皮膚老化予測法」は、好ましくは、以下の一連のステップ(1)〜(4)によって実施される。
(1)被験対象の皮膚より採取した角質を用意するステップ、
(2)前記角質から抽出したmRNAを試料として遺伝子発現の定量化を行い、EFPタンパクをコードする遺伝子の発現量を算出するステップ、
(3)ステップ(2)で算出した発現量を用いて、皮膚のエストロゲン応答性を測定するステップ、及び
(4)ステップ(3)で算出したエストロゲン応答性から、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測するステップ。
ステップ(1)では、被験対象の皮膚より採取した角質を用意する。好ましくは、紫外線の曝露が少ない上腕内側部、前腕内側部、背部、臀部又は大腿内側部等より角質を採取する。以下に、角質の採取法及びRNAの抽出法の具体例を示す。
(a)顆粒層や有棘層等を傷つけないように、最外層である角質層の一部を剥離する。例えば、粘着性のテープを皮膚へ付着させた後に剥がし(必要に応じて、数回繰り返す)、角質を採取する。
(b)採取した角質を、SLS、β−メルカプトエタノール、グアニジンイソチオシアネート等を含む溶解性緩衝液に浸した後、タンパク質分解酵素を加え、反応させる。
(c)反応終了後、例えば、超音波破砕機等の物理的な力によって、角質を破砕する。
(d)角質破砕物を含む溶液から、周知の核酸抽出法に準じた方法や市販されたキットを用いた方法により、RNAを抽出する。例えば、グアニジンイソチオシアネート、フェノール又はクロロホルムを用いたRNA抽出法や、ニッポンジーン社のISOGEN、インビトロジェン社のTrizol Reagent、あるいはQIAGEN社のRNeasy KitやAmbion社のRNAqueous−4PCR Kit等を用いる方法によってRNAを抽出する。
(e)必要に応じて、DNA分解酵素を反応させ、DNAを除去する。
(f)必要に応じて、エタノール沈殿等の核酸濃縮法を用い、RNAを濃縮する。
ステップ(2)では、採取した角質から抽出したmRNAを試料として遺伝子発現の定量化を行う。そして、当該遺伝子発現の定量化により、特定の遺伝子の発現量を算出する。このように、本発明の一態様では、角質中に残存するmRNA発現量を指標とした遺伝子発現の定量化を行う。尚、遺伝子発現の定量化では、「遺伝子の発現量」は絶対値又は相対値(比較対象又は標準の発現量との比率や差等)として算出される。
遺伝子発現の定量化において、その発現量が調べられることになる「EFP」とは、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に産生される、エストロゲン応答性RINGフィンガータンパクをコードしている遺伝子である。本発明者は、EFPタンパクをコードしている遺伝子発現の差によってエストロゲン応答性を測定し、その結果を基に、シワ・タルミの生じやすさ、又はキメの粗さを評価することに成功した。
ここで、角質から抽出したmRNAを用いた遺伝子発現の定量化方法の具体例を、以下に示す。
RT−PCRを用いた方法
(a)抽出したRNAを鋳型に、逆転写酵素を用いてcDNAを合成する。
(b)cDNAを鋳型に、ターゲットとなる遺伝子に対応するプライマーを用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子に対応するDNA断片を得る。
(c)内部標準となるような遺伝子(β−アクチン、GAPDH、ケラチン6B等)の反応も並行して行う。
(d)得られたDNA断片の電気泳動を行った後、エチジウムブロマイド等で染色してバンドの強度を測定し、その遺伝子の発現量とする。
(e)必要に応じて、SYBR green等の蛍光色素やTaqman probe等の蛍光プローブを用いて定量PCR反応を行い、発現量を定量する。
(f)内部標準となる遺伝子の発現量に対する、目的の遺伝子の発現量の比率を算出する。
ステップ(3)では、ステップ(2)で算出した発現量を用いて、エストロゲン応答性を測定する。例えば、算出した発現量を、予め設定した基準発現量と比較して、その比率を計算する。そして、その比率が、エストロゲン応答性の評価が関連付けられた複数の区分の中のいずれに該当するのかを調べる。区分の設定に関する具体例を以下に示す。
(例1)エストロゲン応答性(低い):比率<a、(中程度):a≦比率<b、(高い):b≦比率
(例1)では区分数を3としているが、区分数は特に限定されるものではない。例えば、区分数を2〜10のいずれかにすることができる。区分数、及び各区分に関連付けられる基準発現量の値の範囲は、予備実験の結果を基に任意に設定可能である。
ステップ(4)では、ステップ(3)で算出したエストロゲン応答性から、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測する。例えば、ステップ(3)で算出したエストロゲン応答性が、シワ・タルミの形成、又はキメの粗さが関連付けられた複数の区分の中のいずれに該当するのかを調べる。区分の設定に関する具体例を、(例2)及び(例3)に示す。
(例2)シワ・タルミ(生じやすい):エストロゲン応答性が低い、(中程度):エストロゲン応答性が中程度、(生じにくい):エストロゲン応答性が高い
(例3)キメ(粗くなりやすい):エストロゲン応答性が低い、(中程度):エストロゲン応答性が中程度、キメ(粗くなりにくい):エストロゲン応答性が高い
(例2)及び(例3)では、区分数を3としている。区分数は特に限定されるものではないが、あまりに区分数が多いと、シワ・タルミの形成、又はキメの粗さの差異が分かりにくくなるため、区分数は2〜5程度が好ましい。
前記ステップ(1)〜(4)より得られた結果から、化粧品の使用方法を提示することが可能になる。例えば、シワ・タルミが生じやすい、又はキメが粗くなりやすいと予測されれば、念入りにアンチエイジング対応の医薬品、医薬部外品及び化粧品を使用することで、シワ・タルミを予防・改善したり、キメを粗くなりにくくしたりすることができると考えられる。又、今後、どのような化粧品を使用したら良いか悩んでいる人に対して、適切な医薬品、医薬部外品及び化粧品を提案することができるという利点もある。この評価方法は、皮膚のエストロゲン応答性に関連する遺伝子の発現量という科学的根拠に基づいた評価を行うことから、その客観性及び信頼性は高い。
以下、本発明を効果的に説明するために、実験例を挙げる。尚、本発明はこれにより限定されるものではない。
実験例1 ヒトケラチノサイトにおける、エストロゲンによるEFPタンパクをコードする遺伝子の発現変化
培養細胞を用いて、エストロゲンの一種である17β−エストラジオールによるEFPタンパクをコードする遺伝子発現の定量化を行った。すなわち、6cmシャーレにヒトケラチノサイトを播種し、37℃、5%CO条件下で培養した。コンフルエントな状態になったところで、100nMの17β−エストラジオール(SIGMA社)を添加した培地に交換し、さらに24時間培養を行った。その後、細胞よりTrizol Reagent(Invitrogen社)を用いて総RNAの抽出を行い、細胞から抽出した総RNAを基に、RT−PCR法によりEFPmRNA発現量の測定を行った。同時に、内部標準として、GAPDHmRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
EFP用のプライマーセット
CCTGACCAAGAGGGATGAGTTC(配列番号1)
AGGTCTATGGTGCTCTGGTGGAT(配列番号2)
GAPDH用のプライマーセット
TGAACGGGAAGCTCACTGG(配列番号3)
TCCACCACCCTGTTGCTGTA(配列番号4)
その結果を表1に示す。図示の通り、ヒトケラチノサイトを17β−エストラジオールで処理すると、EFPmRNAの発現量は増加した。このことから、エストロゲンが皮膚に存在するエストロゲンレセプターに結合し、EFPmRNAが産生されると考えられた。
実験例2 ヒトケラチノサイトにおける、エストロゲン及び老化誘導による細胞増殖の変化
96穴プレートにヒトケラチノサイトを播種し、0.5%FBSを含む培養液を用い、37℃、5%CO条件下で3日間培養した。次に、10mMのGlyoxal(TCI社)で処理し、細胞を老化誘導した。その後、1nMの17β−エストラジオール(SIGMA社)を加えた0.5%FBSを含む培養液で、さらに3日間培養した。細胞数の測定は、染色法により行った。すなわち、培養終了後、メタノールを用いて細胞を固定した。続いて、0.1%メチレンブルーを加え、細胞の染色を行った。乾燥させた後、0.1NのHClを各穴に加えてよく攪拌させ、マイクロプレートリーダーを用いて650nmの吸光度を測定した。
その結果を表2に示す。図示の通り、17β−エストラジオールで処理すると細胞数は増加し、老化誘導すると細胞数は減少した。又、老化誘導した後に17β−エストラジオールで処理しても、細胞増殖促進効果は認められなかった。このことから、皮膚にエストロゲンが存在しても、エストロゲンレセプター以下で作用する反応系が加齢等により傷害を受けると、その作用は現れなくなることが考えられた。
実験例3 ヒトケラチノサイトにおける、エストロゲン及び老化誘導によるEFPタンパクをコードする遺伝子の発現変化
実験例2において、17β−エストラジオール処理及び老化誘導したヒトケラチノサイトより、Trizol Reagent(Invitrogen社)を用いて総RNAの抽出を行った。その後、細胞から抽出した総RNAを基にRT−PCR法を行い、EFPmRNA発現量の測定を行った。同時に、内部標準として、GAPDHmRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは、上記実験例1と同様である。
その結果を表3に示す。図示の通り、ヒトケラチノサイトを17β−エストラジオールで処理するとEFPmRNAの発現量は増加するが、老化誘導するとEFPmRNAの発現量は減少した。又、老化誘導した後に17β−エストラジオールで処理しても、EFPmRNAの発現量は回復しなかった。このことから、皮膚にエストロゲンが存在しても、加齢等によりエストロゲンレセプター以下で作用する反応系が傷害を受けると、その作用は現れなくなることが考えられたが、この原因のひとつとして、EFPタンパクをコードする遺伝子が関与していると推察された。
実験例4 皮膚のEFPタンパクをコードする遺伝子の発現量の測定、及び皮膚表面形状の解析
1.角質に含まれるRNAの抽出
予め、月経周期を揃えるため、最終月経日から約一週間後の女性を被験者とした。女性被験者10名の上腕内側部の皮膚に、半径1cmの円状のテープ(3M、Blenderm)を一枚貼付し、十分に接着していることを確認した後、テープを剥がし取り、角質を含むテープを得た。この操作を4回繰り返し、同一部位から4枚のテープストリップサンプルを得た。得られた角質に含まれるRNAを、RNA抽出キット(Ambion社、RNAqueous−4PCR Kit)を用いて抽出した。すなわち、角質の付着したテープ4枚を、テープごとLysis/Binding Solutionに入れ、proteinase K(Invitrogen社)を添加し、56℃でインキュベートした。その後、超音波破砕機を用いて分散させた後、64%エタノールを加えて攪拌してテープを取り除き、角質抽出液を得た。付属のFilter CartrigeにRNAを吸着させた後、溶出液でRNAを溶出した。得られた溶出液にDNaseIを加え、残存しているDNAを完全に除去した後、エタノールを用いてRNAを沈殿させてRNAを濃縮した。得られたRNAのペレットを必要量の水に溶解し、角質に含まれる残存RNAを得た。
2.角質に含まれるRNAのPCR解析
上腕内側部の皮膚の角質より、上記実験例4の1.の方法で残存RNAを得た。各RNAをRT−PCRキット(Invitrogen社、SuperScript III Platinum SYBR Green Two−step qRT−PCR kit)を用いた定量PCR反応に供し、EFPmRNAの発現量を定量した。EFPmRNAの発現量は、β−アクチンmRNAの発現量で規格化(ノーマライズ)した。尚、EFPmRNA発現の測定に使用したプライマーは、上記実験例1と同様のものである。β−アクチンmRNAのプライマーは、次の通りである。
β−アクチン用のプライマーセット
AGCGCGGCTACAGCTTCA(配列番号5)
CTTAATGTCACGCACGATTTCC(配列番号6)
定量化はΔΔCt法で行い、EFPmRNAの発現比率を、基準となるEFPmRNA発現量に対する上腕内側部のEFPmRNA発現量の比率として算出した。基準となるEFPmRNA発現量は、BioChain Institute社から購入したTotal RNA(Catalog No.R1234218−P)から、上記実験例4の2.の方法でEFPmRNA発現量を算出したものを用いた。遺伝子発現比率が1以上となった場合は、上腕内側部の角質のEFPmRNA発現量が、基準値となるEFPmRNA発現量よりも高いことを示している。
ΔΔCt=(上腕内側部のEFPmRNAのCt値―上腕内側部のβ−アクチンmRNAのCt値)―(基準となるEFPmRNAのCt値―基準となるβ−アクチンmRNAのCt値)
遺伝子発現比率=2−ΔΔCt
その結果を表4に示す。図示の通り、EFPmRNA及びβ−アクチンmRNA共に、上腕内側部から検出可能であった。
3.顔面部の鼻唇溝(法令線)のレプリカ採取
上記実験例4の1.及び2.と同じ女性被験者の顔面部から、レプリカ剤SILFLO(アミックグループ社)を用いて鼻唇溝(法令線)のレプリカを採取した。その後、日本香粧品学会のガイドライン(非特許文献4)に則って、実体顕微鏡画像解析によるシワ面積率を算出した。
レプリカを基に、シワ面積率を算出した結果を表4に示す。
参考データとして、顔面部の鼻唇溝(法令線)のレプリカを、シワ面積率が小さい順に並べたものを図1に示す。シワ面積率の測定箇所は、四角にて囲んだ部位である。尚、右下のNo.は表4の被験者No.と同じである。
4.上腕内側部のキメのレプリカ採取
上記実験例4の1.及び2.と同じ女性被験者の上腕内側部から、レプリカ剤SILFLO(アミックグループ社)を用いてキメのレプリカを採取した。その後、実体顕微鏡を用いて、キメの粗さを「細かい:±」「中程度:+」「少し粗い:++」「粗い:+++」の4段階で評価した。
レプリカを基に、キメの粗さの評価を行った結果を表4に示す。
参考データとして、上腕内側部のキメのレプリカを、キメが細かい順に並べたものを図2に示す。尚、右下のNo.は表4の被験者No.と同じである。
表4から、上腕内側部のEFPmRNA発現量は、顔面部の鼻唇溝(法令線)の程度と相関していると推測された。すなわち、上腕内側部のEFPmRNA発現量が多いと、顔面部の鼻唇溝(法令線)のシワ面積率が小さいと考えられた。
又、表4から、上腕内側部のEFPmRNA発現量は、上腕内側部のキメの粗さと相関していると推測された。すなわち、上腕内側部のEFPmRNA発現量が多いと、上腕内側部のキメが細かいと考えられた。以上の結果から、EFPmRNAの発現量を指標にして、皮膚老化の進行状態を予測することができると考えられた。
実験例4を応用すると、化粧品の使用方法を提示することが可能になる。すなわち、現在のEFPmRNA発現量を測定し、発現量が予め設定した基準発現量より少ないことが分かれば、その被験者にはシワ・タルミを予防したり、キメを粗くなりにくくしたりする医薬品、医薬部外品及び化粧品が適していると分かる。又、今後、どのような化粧品を使用したら良いか悩んでいる人に対して、適切な医薬品、医薬部外品及び化粧品を提案することも可能である。
本発明の皮膚老化予測法によれば、皮膚のEFPmRNAの発現量を指標にして、エストロゲンがそのレセプターに結合した後に引き起こされるエストロゲン応答性を測定することができる。この手法では、試料を得る際の痛み等を伴わず、非侵襲的に皮膚のサンプルを得ることができる。又、得られたエストロゲン応答性から、皮膚老化の進行状態を予測することができる。さらには、皮膚老化の進行状態を予測することで、化粧品の使用方法を提示することが可能になり、皮膚老化を予防・改善することができる。

Claims (4)

  1. 皮膚のエストロゲン応答性を基に、皮膚老化の進行状態を予測するための方法であって、
    (1)被験対象から得られた皮膚のサンプルのEFP(Estrogen−responsive Finger Protein)タンパクをコードする遺伝子の発現を定量化する工程、
    )工程()で測定した遺伝子発現量を用いて、エストロゲン応答性を測定する工程、及び
    )工程()で算出したエストロゲン応答性から、シワ・タルミの形成、又はキメが粗くなるという皮膚老化の進行状態を予測する工程
    を含む皮膚検査方法。
  2. 前記遺伝子発現の定量化がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)によって行われる、請求項1に記載の皮膚検査方法。
  3. 前記皮膚サンプルが被験対象の皮膚より採取した角質である、請求項1又は2記載の皮膚検査方法。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚検査方法を行い、化粧品の使用方法を提示することを特徴とする皮膚検査方法。
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