JP6423290B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、成膜装置に関するものであり、特にスパッタリングによって被処理体に薄膜を形成する成膜装置に関するものである。
電子デバイスの製造においては、被処理体に対して種々の処理が行われる。被処理体に施される処理の一種としては、薄膜の形成が例示される。被処理体に薄膜を形成する装置としては、スパッタリング用の成膜装置が知られている。
例えば、特許文献1及び2には、処理容器、ステージ、複数のターゲット及び複数のシャッターを備えたスパッタリング用の成膜装置が記載されている。これらの成膜装置では、ステージは、処理容器内に設けられており、当該ステージの中心を通るように鉛直方向に延びる中心軸線を中心に回転可能に構成されている。複数のターゲットは、ステージの上方において周方向に配列されている。複数のシャッターは、ステージと複数のターゲットとの間に設けられており、互いに独立して回転することができるようになっている。特許文献1及び2に記載の成膜装置では、複数のシャッターを回転させることによって、複数のターゲットから選択される一つの又は二つ以上のターゲットをステージに対して露出させ、露出されたターゲットから放出されるターゲット材料を被処理体上に堆積させている。また、ターゲット材料を被処理体上に堆積させる際にステージを中心軸線回りに回転させることで被処理体上に形成される薄膜の均一性を向上させている。
特開2009−221595号公報 特開2005−256112号公報
ところで、被処理体を極低温に冷却した状態で薄膜を形成することによって特性を向上することができる素子が存在する。このような素子としては、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等に用いられる垂直磁化型の磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)素子が例示される。MTJ素子は、二つの磁性層、及び、これら二つの磁性層間に設けられたトンネルバリア層を有している。このようなMTJ素子の製造では、第1磁性層上にトンネルバリア層が形成され、次いで、トンネルバリア層上に第2磁性層が形成される。出願人は、この第2磁性層を極低温下で形成することによって、MTJ素子の特性を向上することができることを見出している。
具体的には、成膜温度を摂氏−50度以下に設定してトンネルバリア層上に第2磁性体を形成したMTJ素子は、高い垂直磁気異方性エネルギーを有することを見出している。極低温下で形成された第2磁性層は、MTJ素子の特性を向上させる高品質な薄膜であるといえる。
高品質の薄膜を形成するために、冷却装置において冷却された被処理体を成膜装置内に搬送し、当該成膜装置内で冷却された被処理体上に薄膜を形成することが考えられる。しかしながら、冷却装置から成膜装置に被処理体を搬送する間に被処理体の温度が上昇してしまうので、被処理体の冷却効果が低減してしまう恐れがある。また、冷却装置から成膜装置へ被処理体を搬送する工程が追加された分だけ処理スループットが低下してしまう。
したがって、処理スループットの低下を防止しつつ、高品質の薄膜を形成することができる成膜装置が要請されている。
一側面においては、スパッタリングによって被処理体上に薄膜を形成する成膜装置が提供される。この成膜装置は、処理容器と、処理容器内にガスを供給するガス供給部と、鉛直方向に延びる中心軸線にその中心が一致するように処理容器内に配置された非回転のステージであり、被処理体を摂氏−50度以下に冷却可能な冷却機能を有する、該ステージと、処理容器内且つステージの上方で、環状に延在するターゲットを保持するホルダと、ターゲットに印加される電圧を発生する電源と、ターゲットに対向するように処理容器の外部に配置されたマグネットと、中心軸線周りにマグネットを回転させるマグネット回転機構と、を備える。
一側面に係る成膜装置は、被処理体を摂氏−50度以下に冷却可能な冷却機能を有するステージを備えているので、被処理体の冷却、及び、スパッタリングによる薄膜の形成を同一装置内で行うことができる。よって、被処理体の搬送中に当該被処理体の温度が上昇することを防止することができ、被処理体を極低温に維持した状態で当該被処理体上に薄膜を形成することができる。その結果、被処理体上に高品質の薄膜を形成することができる。また、本成膜装置では、被処理体を搬送する工程を省略することができるので、処理スループットの低下を防止することができる。
ところで、特許文献1、2に記載された従来の成膜装置では、ステージを回転させることによって被処理体上に形成される薄膜の均一性を向上させている。一方、被処理体を極低温に冷却する機能を有するステージでは、冷熱を伝える冷却ヘッドがステージ本体に接触していることが一般的であり、構造上、当該ステージに被処理体を回転させる機構を備えることが難しい。これに対し、本成膜装置では、ターゲットの周囲においてマグネットを回転させている。よって、マグネットから放出される磁力線によってガスのプラズマが集中する領域がターゲットの周方向に沿って移動することとなる。これにより、中心軸線の周方向においてターゲットが均一に消耗される。その結果、中心軸線の周方向において、被処理体上にターゲットの材料を均一に堆積することができる。したがって、被処理体に形成される薄膜の均一性を向上させることができる。
一実施形態では、ターゲットとステージとの間に設けられたシャッターであり、ターゲットの一部をステージに対して露出させる開口が形成された、該シャッターと、シャッターを中心軸線周りに回転させるシャッター回転機構と、ステージとマグネットとを結ぶ直線上に開口が配置された状態で、マグネットとシャッターとが同期して中心軸線周りに回転するように、マグネット回転機構及びシャッター回転機構を制御する制御部と、を更に備えてもよい。ステージとマグネットとを結ぶ直線上に開口が配置されることで、当該開口によってターゲットが露出している領域にガスのプラズマが集中する。本成膜装置では、ターゲットが露出している領域は中心軸線の周方向に移動するので、周方向においてターゲットの消耗を均一にすることができる。したがって、中心軸線の周方向において、ターゲットの材料を被処理体上に均一に堆積させることができる。その結果、被処理体に形成される薄膜の均一性をより向上させることができる。
一実施形態では、上述のターゲットである第1のターゲットを保持する第1のホルダと、該第1のターゲットとは異なる材料から構成された第2のターゲットを保持する第2のホルダと、を備えてもよい。このような構成では、互いに異なる材料から構成される二つのターゲットを保持することができる。これにより、2種類のターゲット材料を被処理体上に堆積することができる。
一実施形態の成膜装置は、上述のシャッターである第1のシャッターと、第1のシャッターに沿って設けられた第2のシャッターとを備え、第1のシャッターには上述の開口を含む複数の開口が形成され、第2のシャッターには複数の開口が形成されており、シャッター回転機構は、第1のシャッター及び第2のシャッターを中心軸線周りに独立して回転させることが可能であり、制御部は、第1のターゲット及び第2のターゲットの一方又は双方を選択的にステージに対して露出させるように、又は、第1のターゲット及び第2のターゲットの双方がステージに対して遮蔽されるように、シャッター回転機構を制御してもよい。このような構成では、第1のターゲットの材料、及び、第2のターゲットの材料を選択的に被処理体上に堆積させることができる。
一実施形態の成膜装置は、上述のマグネットである第1のマグネットと、第2のマグネットとを備え、第1のマグネットは、第1のターゲットに対向するように処理容器の外部に配置され、第2のマグネットは、第2のターゲットに対向するように処理容器の外部に配置され、マグネット回転機構は、第1のマグネット及び第2のマグネットを中心軸線周りに回転させてもよい。
本発明の一側面及び実施形態によれば、処理スループットの低下を防止しつつ、高品質の薄膜を形成することができる。
一実施形態に係る成膜装置を概略的に示す図である。 第1のターゲット、第2のターゲット、第1のシャッター及び第2のシャッターの斜視図である。 第1のシャッター及び第2のシャッターの上方からの平面図である。 第1のシャッター及び第2のシャッターの上方からの平面図である。 第1のシャッター及び第2のシャッターの上方からの平面図である。 一実施形態の成膜方法を示す流れ図である。 第1のシャッター及び第2のシャッターの平面図に第1のマグネット及び第2のマグネットを投影した図である。 実験例1及び比較実験例1で作成したMTJ素子の磁化曲線を示すグラフである。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一実施形態に係る成膜装置を概略的に示す図であり、当該成膜装置の縦断面を示している。図1に示す成膜装置10は、処理容器12を備えている。処理容器12は、例えば、アルミニウムから構成されており、接地電位に接続されている。処理容器12は、その内部に空間Sを画成している。この処理容器12の底部には、空間Sを減圧するための排気装置14が、アダプタ14aを介して接続されている。また、処理容器12の側壁には、被処理体(以下、「ウエハ」という)Wの搬送用の開口15が形成されており、当該側壁に沿って開口15を開閉するためのゲートバルブGVが設けられている。
処理容器12内には、ステージ16が設けられている。ステージ16は、ウエハWを載置するための非回転の載置台であり、処理容器12内に配置されている。なお、ステージ16は、処理容器12内において上下方向に移動可能に設けられていてもよい。ステージ16は、ベース部16a及び静電チャック16bを含んでいる。ベース部16aは、例えば、銅といった熱伝導率の高い材料から構成されており、略円盤形状を有している。
ベース部16a上には、静電チャック16bが設けられている。静電チャック16bは、誘電体膜と、当該誘電体膜の内層として設けられた電極と、を有する。静電チャック16bの電極には、直流電源SDCが接続されている。静電チャック16b上に載置されたウエハWは、静電チャック16bが発生する静電気力によって、当該静電チャック16bに吸着される。なお、静電チャック16bの上面においてウエハWが載置される領域は、ウエハW用の載置領域PRを構成する。
ステージ16の中心は、鉛直方向に沿って延びる中心軸線Zに略一致している。即ち、この中心軸線Zは、載置領域PRの中心、即ちステージ16の中心を鉛直方向に通る軸線である。
また、ステージ16は、ウエハWを摂氏−50度以下に冷却可能な冷凍機18を備えている。冷凍機18は、ステージ16に載置されたウエハWを冷却する冷却機能をステージ16に提供する。冷凍機18は、本体部18a及び冷却ヘッド18bを有している。冷却ヘッド18bは、冷却面を提供しており、ベース部16aに接している。本体部18aは、ヘリウム(He)といったガスを用いたギボード・マクマーン(Gifford−McMahon)サイクル(G−Mサイクル)により、冷却ヘッド18bを冷却する。かかる冷凍機18は、ステージ16に載置されたウエハWを摂氏−50度以下の温度、より好ましくは摂氏−100度以下の温度に冷却する冷却能力を有している。なお、冷凍機18は、上述した温度範囲内の温度にウエハWを冷却することができれば、G−Mサイクルを用いる冷凍機に限定されるものではない。
ステージ16の上方には、第1のターゲット20a及び第2のターゲット20bが設けられている。なお、図1に示す実施形態では、2つのターゲットが設けられているが、ターゲットの個数は、1つ以上であればよく、例えば3つ以上の任意の個数であってもよい。
第1及び第2のターゲット20a,20bは、ステージ16と対峙するように処理容器12内に設けられている。第1のターゲット20aは、中心軸線Zの周方向に延在する環状をなしている。より詳細には、第1のターゲット20aは、中心軸線Zにその中心が一致する円錐面に沿った表面形状を有している。第2のターゲット20bは、第1のターゲット20aの下方に設けられている。即ち、第1及び第2のターゲット20a,20bは、中心軸線Z方向に沿って並設されている。第2のターゲット20bは、中心軸線Zを中心とする環状をなしており、中心軸線Zにその中心が一致する円錐面に沿った表面形状を有している。第1及び第2のターゲット20a,20bのステージ16側の表面は、何れも載置領域PRに向くように中心軸線Zに垂直な平面(即ち、水平面)に対して傾斜している。第1のターゲット20aの水平面に対する傾斜角度は、第2のターゲット20bの水平面に対する傾斜角度と異なっている。具体的には、中心軸線Zを含む平面による切断面から見たときに、第1のターゲット20aの表面と水平面とがなす角度は、第2のターゲット20bの表面と水平面とがなす角度よりも小さくなっている。
第1及び第2のターゲット20a,20bは、形成すべき薄膜の種類に応じて任意に選択される材料から構成される。例えば、第1及び第2のターゲット20a,20bは、コバルト(Co)、鉄ボロン(FeB)、コバルト鉄ボロン(CoFeB)、タングステン(W)、タンタル(Ta)等から構成され得る。また、第1のターゲット20aと第2のターゲット20bとは、互いに異なる材料から構成されていてもよい。例えば、薄膜としてコバルト鉄ボロン層を形成するときには、第1のターゲット20aがコバルトから構成され、第2のターゲット20bが鉄ボロンから構成されていてもよい。
第1及び第2のターゲット20a,20bは、金属製の第1のホルダ22a及び第2のホルダ22bによってそれぞれ保持されている。第1、第2のホルダ22a、22bは、中心軸線Zを中心とする環状をなしており、絶縁部材25を介して処理容器12の天部にそれぞれ支持されている。第1のターゲット20aには第1のホルダ22aを介して電源24aが接続されており、第2のターゲット20bには第2のホルダ22bを介して電源24bが接続されている。なお、成膜装置10は、電源24a,24bに代えて、第1及び第2のターゲット20a,20bに対して選択的に電圧を印加可能な単一の電源を備えていてもよい。
また、成膜装置10には、第1のマグネット26a及び第2のマグネット26bが設けられている。第1のマグネット26aは、第1のホルダ22aを介して第1のターゲット20aに対向するように処理容器12の外部に配置されている。第2のマグネット26bは、第2のホルダ22bを介して第2のターゲット20bに対向するように処理容器12の外部に配置されている。第1のマグネット26aにはアーム28aの一端が結合されており、第2のマグネット26bにはアーム28bの一端が結合されている。アーム28a及びアーム28bの他端は、回転軸30に結合されている。回転軸30は、中心軸線Zに沿って延在しており、その端部が回転駆動装置32に結合されている。回転駆動装置32は、回転軸30を中心軸線Zを中心に回転させる動力を発生する。この動力によって、第1及び第2のマグネット26a,26bは、それぞれ第1及び第2のターゲット20a,20bの外周において、別個に独立して中心軸線Z周りに回転する。アーム28a,28b、回転軸30及び回転駆動装置32は、第1及び第2のマグネット26a,26bを中心軸線Z周りに回転させるマグネット回転機構R1として機能する。なお、回転駆動装置32は、後述する制御部Cntに接続されており、制御部Cntによってその駆動が制御される。
第1及び第2のターゲット20a,20bとステージ16との間には、第1のシャッター34及び第2のシャッター36が設けられている。第1のシャッター34は、周方向に沿って延在する表面を有する部材であり、第1及び第2のターゲット20a,20bに沿って設けられている。第1のシャッター34は、第1のターゲット20aに対面する第1の部分34a、及び、第2のターゲット20bに対面する第2の部分34bを含んでいる。即ち、第1のシャッター34の第1の部分34a及び第2の部分34bの表面は、互いに異なる角度で中心軸線Zに垂直な平面に対して傾斜している。第2のシャッター36は、第1のシャッター34の下方で第1のシャッター34に沿って設けられている。第2のシャッター36は、第1のシャッター34の第1の部分34aに対面する第1の部分36a、及び、第1のシャッター34の第2の部分34bに対面する第2の部分36bを含んでいる。即ち、第2のシャッター36の第1の部分36a及び第2の部分36bの表面は、互いに異なる角度で中心軸線Zに垂直な平面に対して傾斜している。
図2及び3を更に参照して、第1及び第2のシャッター34,36について更に説明する。図2は、第1及び第2のターゲット20a,20b、並びに、第1及び第2のシャッター34,36の斜視図である。図3は、第1及び第2のシャッター34,36の上方からの平面図である。図2、3に示すように、第1及び第2のシャッター34,36のそれぞれには、ターゲット20の一部をステージ16に対して露出させるための複数の開口が形成されている。これらの開口の面積は、第1及び第2のマグネット26a,26bの第1及び第2のターゲット20a,20bに面した表面の面積以上である。
具体的に、第1のシャッター34には、第1の開口AP1及び第2の開口AP2が形成されている。図3(a)に示すように、第1の開口AP1及び第2の開口AP2は、中心軸線Zを中心とする円の接線方向において、幅W1を有している。また、第1の開口AP1は第1のシャッター34の第1の部分34aに形成されており、第2の開口AP2は第1のシャッター34の第2の部分34bに形成されている。この第1の開口AP1は、第1のシャッター34において、中心軸線Zから距離r1だけ離れた位置から距離r2だけ離れた位置まで延在している。第2の開口AP2は、中心軸線Zの周方向において第1の開口AP1と180度ずれた位置に形成されており、第1のシャッター34において、中心軸線Zから距離r3だけ離れた位置から距離r4だけ離れた位置まで延在している。ここで、中心軸線Zから第1の部分34aと第2の部分34bとの間の境界BDまでの距離をRとしたときに、距離r1〜r4は、r1<r2<R<r3<r4という関係を有している。
第2のシャッター36には、第3の開口AP3、第4の開口AP4、及び、第5の開口AP5が形成されている。図3(b)に示すように、第3の開口AP3、第4の開口AP4、及び、第5の開口AP5は、中心軸線Zを中心とする円の接線方向において、幅W1を有している。第3の開口AP3は、第2のシャッター36の第1の部分36a及び第2の部分36bを横断するように形成されている。また、第4の開口AP4は第2のシャッター36の第2の部分36bに形成されており、第5の開口AP5は第2のシャッター36の第1の部分36aに形成されている。この第3の開口AP3は、第2のシャッター36において、中心軸線Zから距離r1だけ離れた位置から距離r4だけ離れた位置まで延在している。第4の開口AP4は、中心軸線Zの周方向において第3の開口AP3と180度ずれた位置に形成されており、中心軸線Zから距離r3だけ離れた位置から距離r4だけ離れた位置まで延在している。第5の開口AP5は、中心軸線Zの周方向において第3の開口AP3及び第4の開口AP4と90度ずれた位置に形成されており、中心軸線Zから距離r1だけ離れた位置から距離r2だけ離れた位置まで延在している。
なお、第3の開口AP3は、必ずしも第1の部分36a及び第2の部分36bを横断するように形成されていなくてもよい。例えば、第3の開口AP3は、第1の部分36aに形成された第6の開口と、第2の部分36bに第6の開口とは別個に形成された第7の開口を含んでなる開口であり、当該第6及び第7の開口が中心軸線Zの周方向において第4の開口AP4と180度ずれた位置に形成されていてもよい。また、第5の開口AP5の形成位置は、中心軸線Zの周方向において第3の開口AP3及び第4の開口AP4に対して90度ずれた位置に限られない。第5の開口AP5は、中心軸線Zの周方向において第3の開口AP3及び第4の開口AP4からずれた位置に形成されていればよく、例えば中心軸線Zの周方向において第3の開口AP3から30度ずれた位置、又は、45度ずれた位置に形成されていてもよい。
第1のシャッター34の中央部分には、図1に示すように、第1の回転軸38が結合されている。この第1の回転軸38は筒状の部材であり、その中心軸線は、中心軸線Zに略一致している。第1の回転軸38の一端は、処理容器12の内部において第1のシャッター34の中央部分に結合されている。また、第2のシャッター36の中央部分には、第2の回転軸40が結合されている。この第2の回転軸40は略柱状の部材であり、第1の回転軸38と同軸になるように、第1の回転軸38に挿通されている。第2の回転軸40の一端は、処理容器12の内部において第2のシャッター36の中央部分に結合されている。また、第1の回転軸38及び第2の回転軸40は、処理容器12の上部を通過して処理容器12の外部まで延在している。処理容器12の外部において、第1の回転軸38及び第2の回転軸40の他端は、回転駆動装置42に接続されている。
回転駆動装置42は、第1の回転軸38及び第2の回転軸40を個別に回転させる動力を発生する。この動力によって、第1の回転軸38及び第2の回転軸40を中心軸線Zを中心に互いに独立して回転させることができる。これに伴い、第1及び第2のシャッター34,36を中心軸線Z周りに独立して回転させることができる。第1及び第2のシャッター34,36を中心軸線Z周りに独立して回転させることにより、第1のシャッター34に形成された複数の開口、及び、第2のシャッター36に形成された複数の開口の位置を中心軸線Zの周方向において調整することができる。第1の回転軸38、第2の回転軸40及び回転駆動装置42は、第1及び第2のシャッター34,36を中心軸線Z周りに独立して回転させるシャッター回転機構R2として機能する。なお、回転駆動装置42は、後述する制御部Cntに接続されており、制御部Cntによってその駆動が制御される。
図1に示すように、成膜装置10は、処理容器12内にガスを供給するガス供給部44を更に備えている。ガス供給部44は、一実施形態においては、ガスソース44a、マスフローコントローラといった流量制御器44b、及び、ガス導入部44cを備えている。ガスソース44aは、処理容器12内において励起されるガスのソースであり、例えば、Arガスのソースである。ガスソース44aは、流量制御器44bを介してガス導入部44cに接続されている。ガス導入部44cは、ガスソース44aからのガスを処理容器12内に導入するガスラインである。
また、成膜装置10は、制御部Cntを更に備えている。制御部Cntは、成膜装置10の各要素を制御する。制御部Cntは、例えば、コンピュータ装置であり、キーボード又はタッチパネルといった入力装置、レシピを記憶するメモリといった記憶部、中央処理装置(CPU)、及び、成膜装置10の各部に制御信号を出力するための出力インタフェイスを有し得る。
例えば、制御部Cntは、回転駆動装置42に制御信号を送出することにより、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置及び回転速度を個別に制御する。これにより、制御部Cntは、第1及び第2のターゲット20a,20bの一方又は双方を選択的にステージ16に対して露出させることができる。なお、以下では、第1及び第2のシャッター34,36の開口を介してステージ16に対して露出されているターゲット内の領域を「露出領域」という。
図4、5は、第1及び第2のシャッター34,36を上方から重ねて見た平面図である。例えば、制御部Cntは、図4(a)に示すように、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置を制御することができる。図4(a)では、第1のシャッター34の第1の開口AP1が、第2のシャッター36の第5の開口AP5と重なる位置に配置されている。この回転位置では、第1のシャッター34の第2の開口AP2は、第2のシャッター36の第3の開口AP3及び第4の開口AP4と重ならない位置に配置される。即ち、図4(a)では、中心軸線Zの周方向において、第1の開口AP1が第5の開口AP5と同じ位置に配置されており、第2の開口AP2が第2のシャッター36に形成された何れの開口からもずれた位置に配置されている。したがって、第1及び第2のシャッター34,36が図4(a)に示す回転位置になるように回転駆動装置42が制御されることで、第1のターゲット20aの一部分が、第1の開口AP1及び第5の開口AP5を介してステージ16に対して露出され、第2のターゲット20bがステージ16に対して遮蔽される。
また、制御部Cntは、図4(b)に示すように、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置を制御することができる。図4(b)では、第1のシャッター34の第2の開口AP2が、第2のシャッター36の第3の開口AP3の一部と重なる位置に配置されている。この回転位置では、第1のシャッター34の第1の開口AP1は、第2のシャッター36の第4の開口AP4及び第5の開口AP5と重ならない位置に配置される。即ち、図4(b)では、中心軸線Zの周方向において、第1の開口AP1が第2のシャッター36に形成された何れの開口からもずれた位置に配置され、第2の開口AP2が第3の開口AP3と同じ位置に配置されている。したがって、第1及び第2のシャッター34,36が図4(b)に示す回転位置になるように回転駆動装置42が制御されることで、第1のターゲット20aがステージ16に対して遮蔽され、第2のターゲット20bの一部分が第2の開口AP2及び第3の開口AP3を介してステージ16に対して露出される。
また、制御部Cntは、図5(a)に示すように、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置を制御することができる。図5(a)では、第1のシャッター34の第1の開口AP1が、第2のシャッター36の第3の開口AP3の一部と重なる位置に配置されている。この回転位置では、第1のシャッター34の第2の開口AP2は、第2のシャッター36の第4の開口AP4と重なる位置に配置されている。即ち、図5(a)では、中心軸線Zの周方向において、第1の開口AP1が第3の開口AP3と同じ位置に配置されており、第2の開口AP2が第4の開口AP4と同じ位置に配置されている。したがって、第1及び第2のシャッター34,36が図5(a)に示す回転位置になるように回転駆動装置42が制御されることで、第1のターゲット20aの一部分が第1の開口AP1及び第3の開口AP3を介してステージ16に対して露出されると共に、第2のターゲット20bの一部分が、第2の開口AP2及び第4の開口AP4を介してステージ16に対して露出される。
さらに、制御部Cntは、図5(b)に示すように、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置を制御することができる。図5(b)では、第1のシャッター34の第1の開口AP1及び第2の開口AP2は、第2のシャッター36の第3の開口AP3、第4の開口AP4及び第5の開口AP5の何れとも重ならない位置に配置されている。即ち、図5(b)では、中心軸線Zの周方向において、第1の開口AP1及び第2の開口AP2が第2のシャッター36に形成された何れの開口からもずれた位置に配置されている。したがって、第1及び第2のシャッター34,36が図5(b)に示す回転位置になるように回転駆動装置42が制御されることで、第1のターゲット20aがステージ16に対して遮蔽されると共に、第2のターゲット20bがステージ16に対して遮蔽される。
上述のように、制御部Cntは、第1及び第2のターゲット20a,20bの一方又は双方を選択的にステージ16に対して露出させるように、回転駆動装置42を制御することができる。また、制御部Cntは、第1及び第2のターゲット20a,20bの双方をステージ16に対して遮蔽することもできる。
また、制御部Cntは、回転駆動装置32に制御信号を送出することにより、第1及び第2のマグネット26a,26bの回転位置及び回転速度を制御することができる。例えば、制御部Cntは、第1のマグネット26aが第1のターゲット20aの露出領域に対面し、第2のマグネット26bが第2のターゲット20bの露出領域に対面するように、第1及び第2のマグネット26a,26bの回転位置を調整することができる。即ち、この回転位置では、ステージ16と第1のマグネット26aとを結ぶ直線上、及び、ステージ16と第2のマグネット26bとを結ぶ直線上に、第1のシャッター34の開口、及び、第2のシャッター36の開口が配置されることになる。さらに、制御部Cntは、当該回転位置を維持した状態で、第1及び第2のマグネット26a,26bと第1及び第2のシャッター34,36が同期して回転するように回転駆動装置32及び回転駆動装置42を制御することができる。
このような成膜装置10では、ガス供給部44から処理容器12内にガスが供給され、電源24a,24bによって第1及び第2のターゲット20a,20bに電圧が印加されると、処理容器12内に供給されたガスが励起される。そして、第1及び第2のターゲット20a,20bにプラズマ中の正イオンが衝突することで、第1及び第2のターゲット20a,20bからターゲット材料が放出される。これにより、第1及び第2のターゲット20a,20bを構成する物質がウエハW上に堆積する。ここで、成膜装置10では、第1及び第2のターゲット20a,20bの露出領域が、第1及び第2のマグネット26a,26bと同期して周方向に移動する。これにより、プラズマ中の正イオンの衝突によるターゲットの消耗を中心軸線Zの周方向において均一にすることができる。これに伴い、中心軸線Zの周方向から、第1及び第2のターゲット20a,20bの材料をウエハW上に均一に堆積させることができる。その結果、ステージ16を中心軸線Z周りに回転させることなく、ウエハW上に薄膜を均一に形成することができる。
次に、図1に示す成膜装置10の動作を説明すると共に、一実施形態の成膜方法について説明する。図6は、一実施形態の成膜方法MTを示す流れ図である。方法MTでは、ウエハWを摂氏−50度以下の極低温に冷却した状態で、ウエハW上にCoFeB膜が形成される。このような薄膜を形成するために、成膜装置10は、コバルトから構成された第1のターゲット20a、及び、鉄ボロンから構成された第2のターゲット20bを備えている。
図6に示す方法MTでは、まず工程ST1においてウエハWがステージ16上に載置される。次いで、工程ST2においては、冷凍機18によってステージ16上のウエハWが摂氏−50度以下の極低温に冷却される。次いで、工程ST3〜ST5が行われる。工程ST3〜ST5では、第1及び第2のターゲット20a,20bの双方がステージ16に対して遮蔽された状態で、第1及び第2のターゲット20a,20bの表面を削る処理、即ち、プリスパッタリングが行われる。工程ST3においては、制御部Cntが回転駆動装置42を制御することによって、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置が調整される。具体的に、工程ST3においては、第1及び第2のシャッター34,36が図5(b)に示す回転位置になるように回転駆動装置42が制御される。これにより、第1及び第2のターゲット20a,20bの双方がステージ16に対して遮蔽される。
次いで、工程ST4においては、第1及び第2のシャッター34,36と第1及び第2のマグネット26a,26bとが、中心軸線Z周りに同期して回転される。次いで、工程ST5においては、電源24a,24bによって第1及び第2のターゲット20a,20bに電圧が印加される。これにより、第1及び第2のターゲット20a,20bの表面に付着した不純物等の除去、即ちプリスパッタリングが行われる。このプリスパッタリング時には、第1及び第2のターゲット20a,20bの双方がステージ16に対して遮蔽されているので、ウエハWの汚染が低減又は防止される。
方法MTでは、次いで工程ST6が行われる。工程ST6では、制御部Cntが回転駆動装置42を制御することによって、第1及び第2のシャッター34,36、並びに、第1及び第2のマグネット26a,26bを回転させた状態で、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置が再び調整される。具体的に、工程ST6においては、第1及び第2のシャッター34,36が図5(a)に示す回転位置になるように回転駆動装置42が制御される。これにより、第1のターゲット20aの一部分が第1の開口AP1及び第3の開口AP3を介してステージ16に対して露出されると共に、第2のターゲット20bの一部分が第2の開口AP2及び第4の開口AP4を介してステージ16に対して露出される。次いで、工程ST7が行われる。工程ST7においては、第1及び第2のシャッター34,36、並びに、第1及び第2のマグネット26a,26bを回転させた状態で、第1のターゲット20aの露出領域の外側に第1のマグネット26aが配置され、第2のターゲット20bの露出領域の外側に第2のマグネット26bが配置されるように、第1及び第2のシャッター34,36に形成された複数の開口に対する第1及び第2のマグネット26a,26bの相対位置が調整される。図7は、第1及び第2のシャッター34,36の上方からの平面図に第1及び第2のマグネット26a,26bを投影した図である。工程ST7では、図7(a)に示すように、第1のマグネット26aが、第1の開口AP1及び第3の開口AP3の一部に対面するように配置され、第2のマグネット26bが、第2の開口AP2及び第4の開口AP4に対面するように配置される。なお、一実施形態では、工程ST6及び工程ST7は同時に行われてもよい。
次いで、工程ST8では、第1及び第2のシャッター34,36と第1及び第2のマグネット26a,26bとが、再び中心軸線Z周りに同期して回転される。これにより、図7(b)に示すように、ステージ16と第1のマグネット26aと結ぶ直線上に第1の開口AP1及び第3の開口AP3の一部が配置され、且つ、ステージ16と第2のマグネット26bと結ぶ直線上に第2の開口AP2及び第4の開口AP4が配置された状態を維持しながら、第1及び第2のシャッター34,36、並びに、第1及び第2のマグネット26a,26bが回転する。これに伴い、ウエハW上に第1のターゲット20aの材料、及び、第2のターゲット20bの材料が堆積される。その結果、ウエハW上にCoFeB膜が形成される。
なお、図6に示す方法MTでは、第1及び第2のターゲット20a,20bの材料をウエハW上に同時に堆積させているが、一実施形態では、第1及び第2のターゲット20a,20bのうち選択された一方の材料のみをウエハW上に堆積させてもよい。その場合には、工程ST6において、第1及び第2のターゲット20a,20bのうち何れか一方のみがステージ16に対して露出されるように、第1及び第2のシャッター34,36の回転位置が調整される。また、ウエハW上に薄膜を形成する前にプリスパッタリングを行う必要がない場合には、方法MTの工程ST3〜ST5を省略することができる。この場合には、工程ST8において、第1及び第2のシャッター34,36と第1及び第2のマグネット26a,26bとを中心軸線Z周りに同期して回転させると同時に、又は、その後に電源24a,24bから第1及び第2のターゲット20a,20bに第1及び第2のターゲット20a,20bに電圧が印加される。
以下、種々の実験例について説明するが、本発明はこれらの実験例によって限定されるものではない。
実験例1及び比較実験例1では、図1に示す成膜装置10を用いて第1磁性層、トンネルバリア層、第2磁性層が順に積層された積層構造を含むMTJ素子を製造した。実験例1及び比較実験例1で製造されたMTJ素子では、第1磁性層及び第2磁性層をCoFeB層とし、トンネルバリア層を酸化マグネシウム(MgO)層とした。実験例1では、ステージ16の設定温度を50K(摂氏−223度)に設定してトンネルバリア層上に第2磁性層を形成した。一方、比較実験例1では、ステージ16の設定温度を300K(摂氏27度)に設定してトンネルバリア層上に第2磁性層を形成した。実験例1及び比較実験例1では、第2磁性層の成膜温度を除いては同様の条件でMTJ素子を製造した。
図8は、実験例1によって製造されたMTJ素子の磁化曲線、及び、比較実験例1によって製造されたMTJ素子の磁化曲線を示している。図8に示すように、比較実験例1によって製造されたMTJ素子のヒステリシスループの磁化曲線は大きく傾いているが、実験例1によって製造されたMTJ素子のヒステリシスループの磁化曲線は傾きが少なく、略垂直になっている。ここで、ヒステリシスループの磁化曲線の傾きが小さく、垂直に近いほど、垂直磁気異方性エネルギーは高い。図8に示す結果から、MTJ素子の製造においては、被処理体を極低温に冷却した状態でトンネルバリア層上に第2磁性層を形成することによって、MTJ素子の特性を向上することが可能であることが確認された。このような高い垂直磁気異方性エネルギーを有するMTJ素子は、MRAMの情報記憶安定性を向上させることができる。このように、実験例1において形成された第2磁性体は、MTJ素子の特性を向上することができる高品質な薄膜であるといえる。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、図1に示す成膜装置10は、2つのマグネットとして第1及び第2のマグネット26a,26bを備え、2つのシャッターとして第1及び第2のシャッター34,36を備えている。しかし、ターゲットの個数が1つである場合には、1つのマグネット及び1つのシャッターを備えていればよい。
また、一実施形態では、成膜装置10は、当該成膜装置10をメンテナンスするために処理容器12の上部を開放するための機構を備えていてもよい。例えば、処理容器12の側面にヒンジが設けられており、当該ヒンジを支点として処理容器12の第1及び第2のターゲット20a,20bと共に、処理容器12の上部が開閉できるようになっていてもよい。このような機構を備えることにより、第1及び第2のターゲット20a,20bの交換を容易にすることができる。また、このような構成とした場合に、第1及び第2のターゲット20a,20bを脱着する際に処理容器12の上部が脱落することを防止するために、処理容器12の側壁に結合されたアームによって処理容器12の上部が上方から支持されていてもよい。
10…成膜装置、12…処理容器、16…ステージ、18…冷凍機、20a…第1のターゲット、20b…第2のターゲット、22a…第1のホルダ、22b…第2のホルダ、26a…第1のマグネット、26b…第2のマグネット、30…回転軸、32…回転駆動装置、34…第1のシャッター、36…第2のシャッター、38…第1の回転軸、40…第2の回転軸、42…回転駆動装置、44…ガス供給部、AP1…第1の開口、AP2…第2の開口、AP3…第3の開口、AP4…第4の開口、AP5…第5の開口、Cnt…制御部、R1…マグネット回転機構、R2…シャッター回転機構、S…空間、W…ウエハ、Z…中心軸線。

Claims (4)

  1. スパッタリングによって被処理体上に薄膜を形成する成膜装置であって、
    処理容器と、
    前記処理容器内にガスを供給するガス供給部と、
    鉛直方向に延びる中心軸線にその中心が一致するように前記処理容器内に配置された非回転のステージであり、前記被処理体を摂氏−50度以下に冷却可能な冷却機能を有する、該ステージと、
    前記処理容器内且つ前記ステージの上方で、環状に延在するターゲットを保持するホルダと、
    前記ターゲットに印加される電圧を発生する電源と、
    前記ターゲットに対向するように前記処理容器の外部に配置されたマグネットと、
    前記中心軸線周りに前記マグネットを回転させるマグネット回転機構と、
    前記ターゲットと前記ステージとの間に設けられたシャッターであり、前記ターゲットの一部を前記ステージに対して露出させる開口が形成された、該シャッターと、
    前記シャッターを前記中心軸線周りに回転させるシャッター回転機構と、
    前記ステージと前記マグネットとを結ぶ直線上に前記開口が配置された状態で、前記マグネットと前記シャッターとが同期して前記中心軸線周りに回転するように、前記マグネット回転機構及び前記シャッター回転機構を制御する制御部と、
    を備える、成膜装置。
  2. 前記ターゲットである第1のターゲットを保持する第1のホルダと、該第1のターゲットとは異なる材料から構成された第2のターゲットを保持する第2のホルダと、を備える、請求項に記載の成膜装置。
  3. 前記シャッターである第1のシャッターと、前記第1のシャッターに沿って設けられた第2のシャッターとを備え、
    前記第1のシャッターには前記開口を含む複数の開口が形成され、前記第2のシャッターには複数の開口が形成されており、
    前記シャッター回転機構は、前記第1のシャッター及び前記第2のシャッターを前記中心軸線周りに独立して回転させることが可能であり、
    前記制御部は、前記第1のターゲット及び前記第2のターゲットの一方又は双方を選択的に前記ステージに対して露出させるように、又は、前記第1のターゲット及び前記第2のターゲットの双方が前記ステージに対して遮蔽されるように、前記シャッター回転機構を制御する、請求項に記載の成膜装置。
  4. 前記マグネットである第1のマグネットと、第2のマグネットとを備え、
    前記第1のマグネットは、前記第1のターゲットに対向するように前記処理容器の外部に配置され、前記第2のマグネットは、前記第2のターゲットに対向するように前記処理容器の外部に配置され、
    前記マグネット回転機構は、前記第1のマグネット及び前記第2のマグネットを前記中心軸線周りに回転させる、請求項又はに記載の成膜装置。
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