JP6423045B1 - ケーソン刃口 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地中に沈設される沈設構造物(100)の下端部を構成するケーソン刃口(4)であって、沈設構造物の沈設方向に直交する厚さが上端よりも薄く形成された薄肉部(6)を有し、沈設構造物の内面側における薄肉部の表面(61)は、当該薄肉部の上端及び下端を含む仮想平面(S)に対して少なくとも一部が沈設構造物の外面側となる位置に形成されている。
【選択図】図1
Description
沈設体を地中に沈設する際には、施工場所の地表面上にケーソン刃口を設け、ケーソン刃口の内側の地盤を掘削した後、ケーソン刃口の上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、ケーソン刃口を地中に沈設していく。ある程度の深さまでケーソン刃口を沈設させた後、ケーソン刃口の上端に別のリング体を連結し、リング体の内側を掘削し、リング体の上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、リング体を地中に沈設していく。このように、複数のリング体の連結による沈設体の組み立てと、地盤の掘削及び沈設体の押圧とを順に繰り返すことで、沈設体を地中に沈設することができる。
図7に示すように、沈設構造物の下端部に存在するケーソン刃口110,120は、下端部(先端部)110a,120aに向かうにつれて徐々に厚さが小さくなるように、一又は複数の傾斜部110b,120bが形成されている(例えば、特許文献1参照)。これは、ケーソン刃口110,120の下端部110a,120aの厚さを小さくすることで地中に沈設する際の抵抗を軽減し、沈設をより容易に行うためである。
図1に示すように、沈設構造物100は、地中に沈設された沈設体1と、沈設体1の内側の底部に設けられた底盤部2と、沈設体1を地中に沈設する際に用いる沈設アンカー3と、を備えている。
図1に示すように、沈設体1は、円筒状に構築されており、その軸線が鉛直方向に沿うように地中に沈設される。沈設体1は、平面視円環状のリング体をその軸線方向に複数連結して組み立てたものである。沈設体1を構成するリング体は、最下段のケーソン刃口4と、本リング7とが上下方向に積み上げられて構成されている。
ケーソン刃口4は、沈設体1の最下端に設けられるリング体であり、その下端に刃口を有している。ケーソン刃口4は、その歯先(先端)を外側に有している。本リング7は、ケーソン刃口4の上に複数段にわたって積み重ねられている。
図1に示すように、底盤部2は、沈設構造物100の基礎になると共に、地中の地下水が沈設体1の内側に湧き出すことを防止する。
底盤部2は、例えば、水中コンクリートによって構築されている。底盤部2は、その上面がほぼ水平面に沿うように構築されている。
図1に示すように、沈設アンカー3は、沈設体1を地中に沈設する工程において、最上端のリング体の上方からそのリング体に力を加えて地中に押し込む際に、地盤に反力をとるものである。図1に示すように、沈設アンカー3は、沈設体1の沈設位置の外側かつ下方に掘削された地盤に埋設、固定される定着部31と、定着部31に連結され、沈設体1の外壁面に沿って地表まで延び、リング体を押し込む沈設装置(図示略)の不動部分(基礎部等)に連結される連結部32とを有している。
定着部31は、例えば、掘削された地盤に流し込まれたグラウトによって形成されている。定着部31は、沈設体1の最下端のケーソン刃口4よりも外側において、ケーソン刃口4よりも深い位置に構築されている。
連結部32は、例えば、鋼線(ワイヤロープ)によって形成されている。連結部32の下端部は、グラウトの固化により定着部31に埋設、固定されており、上端部は、沈設装置の不動部分に連結、固定されている。
定着部31及び連結部32は、地表面に対して垂直な方向に沿って同一軸線上に延びるように形成されている。
その一方で、ケーソン刃口4の上端部の厚さTは従来のケーソン刃口50の厚さtと変わらないので、薄肉部6を設けても沈設後にケーソン刃口4の剛性不足で沈設体1が不安定になることがない。
また、薄肉部6の表面61は、階段状の段部62として形成されているので、沈設体1の内側の土砂を掘削する際に、薄肉部6の内側に存在する土砂が崩れやすくなるので、沈設体1の内側の土砂の掘削効率が向上する。
ケーソン刃口4の形状は、上記の形態に限られず、沈設時の抵抗を軽減するという目的を達成する限りにおいて、変更可能である。
例えば、図6(a)(b)に示すように、薄肉部6a,6bは、段階的に厚さが小さくなるものに限らず、ケーソン刃口4a,4bの下端部に向かうにつれて徐々に厚さが小さくなるものでもよい。薄肉部6a,6bの表面は、一つの曲面部62a,62bを有している。なお、薄肉部6a,6bの表面は、複数の曲面部を有していてもよいし、一部だけに曲面部を有していてもよい。図6(a)と図6(b)との違いは、ケーソン刃口4a,4bの下端面が傾斜面か水平面かの違いである。
図6(c)に示すように、薄肉部6cは、ケーソン刃口4cの下端部に向かうにつれて徐々に厚さが小さくなるものであり、薄肉部6cの表面は、二つの平面部62cを有している。なお、薄肉部6cの表面は、複数の平面部から形成されていてもよいし、一部だけに平面部が形成されていてもよい。
図6(d)に示すように、薄肉部6dは、ケーソン刃口4dの下端部に向かうにつれて徐々に厚さが小さくなるものであり、薄肉部6dの表面は、一つの曲面部62dとこの曲面部62dに連続する一つの平面部62eとを有している。なお、薄肉部6dの表面は、複数の曲面部及び平面部を有していてもよいし、一部だけに曲面部及び平面部を有していてもよい。
図6に示されたいずれの場合も、全ての薄肉部6a〜6dの各表面62a〜62eは、その上端Aから下端Zを含む一つの仮想平面Sに対して少なくとも一部(各表面62a〜62eについては全て)が沈設体1の外周面側の位置に形成されている。
2 底盤部
3 沈設アンカー
4,4a,4b,4c,4d ケーソン刃口
6,6a,6b,6c,6d 薄肉部
61 表面
62 段部
62a,62b,62d 曲面部
62c,62e 平面部
63 横平面部
64 縦平面部
100 沈設構造物
S 仮想平面
Claims (4)
- 地中に沈設される沈設構造物の下端部を構成するケーソン刃口であって、
前記沈設構造物の沈設方向に直交する厚さが上端よりも薄く形成された薄肉部を有し、
前記沈設構造物の内面側における前記薄肉部の表面は、前記沈設構造物の沈設方向に直交する厚さ方向に延在する横平面部と、前記横平面部に隣接し、前記沈設構造物の沈設方向に延在する縦平面部と、を有し、
前記沈設構造物の内面側における前記薄肉部の表面は、前記横平面部における前記沈設構造物の外面側の端部及び前記薄肉部の下端を含む仮想平面に対して少なくとも一部が前記沈設構造物の外面側となる位置に形成されていることを特徴とするケーソン刃口。 - 前記薄肉部は、下端部に向かうにつれて、徐々にまたは段階的に厚さが薄くなることを特徴とする請求項1に記載のケーソン刃口。
- 前記沈設構造物の内面側における前記薄肉部の表面は、少なくとも一部に複数の前記横平面部又は複数の前記縦平面部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のケーソン刃口。
- 前記沈設構造物の内面側における前記薄肉部の表面は、前記横平面部と前記縦平面部が連続する段部を複数有することを特徴とする請求項3に記載のケーソン刃口。
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