JP6422007B2 - 非接触温度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の加熱ローラの温度を測定することに好適な非接触温度センサに関する。
一般に、複写機やプリンタに使用されている加熱ローラ(定着ローラ)には、その温度を測定するために温度センサが非接触状態に設置されているものがある。このような非接触温度センサとしては、例えば特許文献1に、樹脂フィルムの表面に導体パターンが形成され、この導体パターン上に感温素子が実装されたフレキシブルプリント基板と、このフレキシブルプリント基板をその周縁部分で固定した筐体とを備えた非接触温度センサが提案されている。
また、特許文献2には、赤外線透過性フィルムの裏面にガラス溶封されたサーミスタ素子が固定された非接触温度センサが記載されている。この非接触温度センサでは、赤外線透過性フィルムの端部又は周縁部が固定用フランジを有するベースに固定されている。また、サーミスタ素子はリード線を介して電気的に接続されている。
特開2010−43930号公報 特開2004−205417号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来の技術では、感温素子が実装されたフレキシブルプリント基板やフィルムがその周縁部分や端部で筐体やベースに固定されているため、赤外線を受けて生じた熱がフィルムを介して周囲の筐体やベースに逃げてしまい、温度の検出精度が低くなってしまうという問題があった。また、感温素子の熱容量が大きいと共に配線による熱コンダクタンスが大きく、応答性も悪くなってしまうという問題があった。
さらに、フレキシブルプリント基板やフィルムがその周縁部分や端部で筐体やベースに固定されているため、複写機等の加熱ローラの温度を測定する際に、ローラとセンサとの間に紙が詰まった場合に筐体やベースが曲がる又は折れる等の問題があった。このため、紙を取り除いた後にローラとセンサとの距離が変わってしまい、原状を回復できない不都合があった。また、このような破損の問題があるため、従来はセンサを支障のない距離までローラから離して配置しており、検出精度が落ちてしまう問題があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、熱の逃げを抑制でき、高精度で応答性に優れていると共に、紙詰まりがあった場合でも原状を回復できる非接触温度センサを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る非接触温度センサは、絶縁性フィルムと、前記絶縁性フィルムの表面に設けられたサーミスタ部と、前記絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパッド電極と、前記絶縁性フィルムの表面側で前記一対のパッド電極に接着された一対のリードフレームとを備え、前記サーミスタ部が前記絶縁性フィルムの先端側に配されたサーミスタ形成領域に設けられ、前記パッド電極が前記絶縁性フィルムの基端側に配された電極形成領域に形成され、前記一対のリードフレームの先端側が、前記サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配され、前記一対のリードフレームが、弾性を有し、前記サーミスタ形成領域が、前記一対のリードフレームの先端側に囲まれた領域の中空に前記一対のリードフレームの先端側に接触しない状態で突出していることを特徴とする。
この非接触温度センサでは、一対のリードフレームの先端側が、サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配され、一対のリードフレームが、弾性を有し、サーミスタ形成領域が、一対のリードフレームの先端側に囲まれた領域の中空に一対のリードフレームの先端側に接触しない状態で突出しているので、サーミスタ部が周囲のリードフレームで機械的に保護されると共に、周囲のリードフレームと非接触であるために熱がリードフレームに逃げ難く、高い応答性かつ高い検出精度を得ることができる。サーミスタ形成領域が中空に非接触で突き出ており、リードフレームにまで延ばさないことで小さい面積に設定可能であり、センサが小型化できる。さらに、複写機のローラ等を測定対象とした場合、紙詰まりでローラとの距離が変わっても、紙を取り除いた際にリードフレームのバネ性(弾性)によりセンサ位置が元に戻り、原状を回復することができる。
第2の発明に係る非接触温度センサは、第1の発明において、基端側が前記絶縁性フィルムの前記電極形成領域の裏面側に接着され、先端側が前記サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレームを備えている。
すなわち、この非接触温度センサでは、基端側が絶縁性フィルムの電極形成領域の裏面側に接着され、先端側がサーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレームを備えているので、表面側のリードフレームに加えて裏面側フレームによってもサーミスタ形成領域が機械的に保護され、より高い剛性を有して補強される。また、電極形成領域をリードフレームと裏面側フレームとで挟んで支持することができ、リードフレームとパッド電極との接合強度を維持して信頼性の向上を図ることができる。
第3の発明に係る非接触温度センサは、第1又は第2の発明において、前記サーミスタ形成領域の裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルムを備えていることを特徴とする。
すなわち、この非接触温度センサでは、サーミスタ形成領域の裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルムを備えているので、保護フィルムが裏面側で輻射熱を遮蔽して、外気等の影響や測定対象物以外からの熱の干渉を抑制することができる。
なお、本発明に係る非接触温度センサは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記サーミスタ部に互いに対向して形成された一対の電極と、一端が前記一対の電極に接続されていると共に他端が前記一対のパッド電極に接続された一対の配線部とを備え、前記配線部が、膜厚100〜300nmの薄膜で前記絶縁性フィルムの表面にパターン形成されたパターン配線部であることが好ましい。
すなわち、この非接触温度センサでは、配線部が、膜厚100〜300nmの薄膜で絶縁性フィルムの表面にパターン形成されたパターン配線部であるので、通常のプリント基板等で配線として用いられている厚さ100μm程度の金属箔に比べてナノレベルの薄膜化によって大幅に熱コンダクタンスが小さくなって、さらに高い応答性を得ることができる。なお、膜厚が100nm未満の場合は、絶縁性フィルムが曲がった際に断線することがあり、膜厚が300nmを超える場合は、従来の金属箔の配線と同様に熱コンダクタンスが大きくなってしまうため、上記膜厚範囲とすることが好ましい。
さらに、本発明に係る非接触温度センサは、前記絶縁性フィルムが、前記サーミスタ形成領域と前記電極形成領域との間に、前記パターン配線部が配された配線形成領域を有し、前記配線形成領域が、前記サーミスタ形成領域及び前記電極形成領域よりも幅狭に形成されていることが好ましい。
すなわち、この非接触温度センサでは、配線形成領域が、サーミスタ形成領域及び電極形成領域よりも幅狭に形成されているので、配線形成領域を介して熱が逃げ難くなり、より高い応答性を得ることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る非接触温度センサによれば、一対のリードフレームの先端側が、サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配され、一対のリードフレームが、弾性を有し、サーミスタ形成領域が、一対のリードフレームの先端側に囲まれた領域の中空に一対のリードフレームの先端側に接触しない状態で突出しているので、サーミスタ部が周囲のリードフレームで機械的に保護されると共に、熱がリードフレームに逃げ難く、高い応答性かつ高い検出精度を得ることができ、さらに熱容量が小さいことで、高い応答性を得ることができる。また、複写機のローラ等を測定対象とした場合、紙詰まりでローラとの距離が変わっても、リードフレームのバネ性により原状を回復することができる。したがって、従来よりもローラに近づけて設置することも可能になり、高い検出精度を得ることが可能になる。
したがって、本発明の非接触温度センサによれば、サーミスタ部が保護されていると共に、高い応答性で正確に温度を非接触で測定することができ、複写機やプリンタ等の加熱ローラの温度測定用として好適である。
本発明に係る非接触温度センサの一実施形態を示す内部を透視した平面図(a)及びA−A線断面図(b)である。 本実施形態において、センサ部を示す平面図である。 本実施形態において、センサ部の製造工程を工程順に示す要部の斜視図である。 本実施形態において、リードフレーム取り付け工程を示す平面図である。 本実施形態において、裏面側フレーム取り付け工程を示す平面図及び正面図である。 本実施形態において、保護フィルム取り付け工程を示す平面図及び正面図である。
以下、本発明に係る非接触温度センサにおける一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面の一部では、各部を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
本実施形態の非接触温度センサ1は、図1から図3に示すように、絶縁性フィルム2と、絶縁性フィルム2の表面にサーミスタ材料でパターン形成された薄膜サーミスタ部3(サーミスタ部)と、薄膜サーミスタ部3の上に複数の櫛部4aを有して互いに対向してパターン形成された一対の櫛型電極4と、絶縁性フィルム2の表面にパターン形成された一対のパッド電極5と、一端が一対の櫛型電極4に接続されていると共に他端が一対のパッド電極5に接続され絶縁性フィルム2の表面にパターン形成された一対のパターン配線部6と、絶縁性フィルム2の表面側で一対のパッド電極5に接着された一対のリードフレーム7とを備えている。
なお、図2及び図3に示すように、上記の絶縁性フィルム2、薄膜サーミスタ部3、櫛型電極4、パッド電極5及びパターン配線部6によりセンサ部Sが構成されている。
また、上記センサ部Sは、パッド電極5が配された領域を除いて絶縁性フィルム2の表面に形成された保護膜8を備えている。
上記薄膜サーミスタ部3は、絶縁性フィルム2の先端側に配されたサーミスタ形成領域2aに形成されている。また、上記パッド電極5は、絶縁性フィルム2の基端側に配された電極形成領域2bに形成されている。さらに、絶縁性フィルム2は、サーミスタ形成領域2aと電極形成領域2bとの間に、パターン配線部6が配された配線形成領域2cを有している。この配線形成領域2cは、サーミスタ形成領域2a及び電極形成領域2bよりも幅狭に形成されている。
上記一対のリードフレーム7の先端側は、サーミスタ形成領域2aの周囲を非接触で囲んで配されている。すなわち、一対のリードフレーム7の先端側は、サーミスタ形成領域2aの両側方に延在し、さらにそれぞれ対向方向に曲がってサーミスタ形成領域2aの側方から前方を囲むように延びている先端部7aを有している。これらの先端部7aは、近接状態に対向している。また、一対のリードフレーム7の基端側は、サーミスタ形成領域2aの側方部分よりも幅広に形成され、電極形成領域2bの一対のパッド電極5に溶接されて接着されている。
したがって、一対のリードフレーム7は互いに平行に延在していると共に、サーミスタ形成領域2aの側方部分だけが幅狭に形成されて、サーミスタ形成領域2aを囲むように配設されている。このように、サーミスタ形成領域2aは、一対のリードフレーム7の先端側に囲まれた領域にこれらに接触しない状態で突出し、中空に浮いている状態とされている。
なお、リードフレーム7は、はんだ付けでパッド電極5に接合して接着しても構わない。
また、本実施形態の非接触温度センサ1は、基端側が絶縁性フィルム2の電極形成領域2bの裏面側に接着され、先端側がサーミスタ形成領域2aの周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレーム9と、サーミスタ形成領域2aの裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルム10とを備えている。したがって、この非接触温度センサ1では、図1の(b)に示すように、絶縁性フィルム2の表面側だけが開口しており、測定対象物からの輻射熱(図1中の一点破線矢印)を受けることができる。
なお、裏面側フレーム9は、熱膨張係数の違いによる変形を防ぐために、リードフレーム7と同じ金属材料で形成することが好ましい。また、リードフレーム7及び裏面側フレーム9は、測定対象物と平行な位置を維持するため、またセンサを曲げた際に位置を回復するために、ある程度の弾性を有した材料が好ましい。
上記パターン配線部6は、膜厚100〜300nmの薄膜で形成されている。
上記絶縁性フィルム2は、例えばポリイミド樹脂シートで形成されている。なお、絶縁性フィルム2としては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも作製できるが、加熱ローラの温度測定用としては、最高使用温度が230℃と高いためポリイミドフィルムが望ましい。
上記薄膜サーミスタ部3は、絶縁性フィルム2の先端側に配され、TiAlNのサーミスタ材料で形成されている。特に、薄膜サーミスタ部3は、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。
上記パターン配線部6及び櫛型電極4は、薄膜サーミスタ部3上に形成された膜厚5〜100nmのCr又はNiCrの接合層と、該接合層上にAu等の貴金属で膜厚50〜295nmで形成された電極層とを有している。
一対の櫛型電極4は、互いに対向状態に配されて交互に櫛部4aが並んだ櫛型パターンとされている。
上記保護膜8は、絶縁性樹脂膜等であり、例えば厚さ20μmのポリイミド膜が採用される。
上記保護フィルム10は、絶縁性樹脂フィルム等であり、例えばポリイミドフィルムが採用される。
上記薄膜サーミスタ部3は、上述したように、金属窒化物材料であって、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系の結晶系であってウルツ鉱型(空間群P6mc(No.186))の単相である。
また、この薄膜サーミスタ部3は、例えば膜厚100〜1000nmの膜状に形成され、前記膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶である。さらに、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸が強く配向していることが好ましい。
なお、膜の表面に対して垂直方向(膜厚方向)にa軸配向(100)が強いかc軸配向(002)が強いかの判断は、X線回折(XRD)を用いて結晶軸の配向性を調べることで、(100)(a軸配向を示すミラー指数)と(002)(c軸配向を示すミラー指数)とのピーク強度比から、「(100)のピーク強度」/「(002)のピーク強度」が1未満であることで決定する。
この非接触温度センサ1の製造方法について、図2から図5を参照して以下に説明する。
本実施形態の非接触温度センサ1の製造方法は、絶縁性フィルム2上に薄膜サーミスタ部3をパターン形成する薄膜サーミスタ部形成工程と、互いに対向した一対の櫛型電極4を薄膜サーミスタ部3上に配して絶縁性フィルム2上に一対のパターン配線部6をパターン形成する電極形成工程と、絶縁性フィルム2の表面に保護膜8を形成する保護膜形成工程と、パッド電極5にリードフレーム7を溶接するリードフレーム接着工程と、絶縁性フィルム2に裏面側フレーム9を接着する裏面側フレーム接着工程と、保護フィルム10を裏面側フレーム9に接着する保護フィルム接着工程とを有している。
より具体的な製造方法の例としては、図3の(a)に示す厚さ50μmのポリイミドフィルムの絶縁性フィルム2上に、Ti−Al合金スパッタリングターゲットを用い、窒素含有雰囲気中で反応性スパッタ法にて、TiAl(x=9、y=43、z=48)のサーミスタ膜を膜厚200nmで形成する。その時のスパッタ条件は、到達真空度5×10−6Pa、スパッタガス圧0.4Pa、ターゲット投入電力(出力)200Wで、Arガス+窒素ガスの混合ガス雰囲気下において、窒素ガス分率を20%で作製する。
成膜したサーミスタ膜の上にレジスト液をバーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒のプリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、さらに150℃で5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要なTiAlのサーミスタ膜を市販のTiエッチャントでウェットエッチングを行い、図3の(b)に示すように、レジスト剥離にて所望の形状の薄膜サーミスタ部3にする。
次に、薄膜サーミスタ部3及び絶縁性フィルム2上に、スパッタ法にて、Cr膜の接合層を膜厚20nm形成する。さらに、この接合層上に、スパッタ法にてAu膜の電極層を膜厚100nm形成する。
次に、成膜した電極層の上にレジスト液をバーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒のプリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントの順番でウェットエッチングを行い、図2及び図3の(c)に示すように、レジスト剥離にて所望のパターン配線部6及び櫛型電極4を形成する。
さらに、その上にポリイミドワニスを印刷法により塗布して、250℃、30分でキュアを行い、図3の(d)に示すように、20μm厚のポリイミド保護膜8を形成することで、センサ部Sが作製される。
次に、センサ部Sの一対のパッド電極5に、図4に示すように、一対のリードフレーム7をその基端側で溶接する。このとき、一対のリードフレーム7を、その先端側でサーミスタ形成領域2aを囲むように配置する。
さらに、図5に示すように、絶縁性フィルム2の裏面側に、一対のリードフレーム7と対向状態に、一対の裏面側フレーム9を接着剤等により接着する。このとき、一対のリードフレーム7の先端側と同様に、一対の裏面側フレーム9もその先端側でサーミスタ形成領域2aを囲むように配置する。
そして、図6に示すように、一対の裏面側フレーム9上にポリイミドフィルムの保護フィルム10を接着剤等で貼り付け、一対の裏面側フレーム9間の上部開口部分を塞ぐことで、非接触温度センサ1が作製される。
なお、複数のセンサ部Sを同時に作製する場合、絶縁性フィルム2の大判シートに複数の薄膜サーミスタ部3、櫛型電極4、パターン配線部6、パッド電極5及び保護フィルム10を上述のように形成した後に、大判シートから各センサ部Sに切断する。
このように本実施形態の非接触温度センサ1では、一対のリードフレーム7の先端側が、サーミスタ形成領域2aの周囲を非接触で囲んで配され、一対のリードフレーム7が、弾性を有し、サーミスタ形成領域2aが、一対のリードフレーム7の先端側に囲まれた領域の中空に一対のリードフレーム7の先端側に接触しない状態で突出しているので、薄膜サーミスタ部3が周囲のリードフレーム7で機械的に保護されると共に、周囲のリードフレーム7と非接触であるために熱がリードフレーム7に逃げ難く、高い検出精度を得ることができる。サーミスタ形成領域2aが中空に非接触で突き出ており、リードフレーム7にまで延ばさないことで小さい面積に設定可能であり、センサが小型化できる。さらに、複写機のローラ等を測定対象とした場合、紙詰まりでローラとの距離が変わっても、紙を取り除いた際にリードフレーム7のバネ性(弾性)によりセンサ位置が元に戻り、原状を回復することができる。したがって、従来よりもローラに近づけて設置することも可能になり、高い検出精度を得ることが可能になる。
また、基端側が絶縁性フィルム2の電極形成領域2bの裏面側に接着され、先端側がサーミスタ形成領域2aの周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレーム9を備えているので、表面側のリードフレーム7に加えて裏面側フレーム9によってもサーミスタ形成領域2aが機械的に保護され、より高い剛性を有して補強される。また、電極形成領域2bをリードフレーム7と裏面側フレーム9とで挟んで支持することができ、リードフレーム7とパッド電極5との接合強度を維持して信頼性の向上を図ることができる。
さらに、サーミスタ形成領域2aの裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルム10を備えているので、保護フィルム10が裏面側で輻射熱を遮蔽して、外気等の影響や測定対象物以外からの熱の干渉を抑制することができる。
また、パターン配線部6が、膜厚100〜300nmの薄膜で形成されているので、通常のプリント基板等で配線として用いられている厚さ100μm程度の金属箔に比べてナノレベルの薄膜化によって大幅に熱コンダクタンスが小さくなって、さらに高い応答性を得ることができる。
また、配線形成領域2cが、サーミスタ形成領域2a及び電極形成領域2bよりも幅狭に形成されているので、配線形成領域2cを介して熱が逃げ難くなり、より高い応答性を得ることができる。
なお、薄膜サーミスタ部3が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系の結晶系であってウルツ鉱型の単相であるので、非焼成で良好なB定数が得られると共に高い耐熱性を有している。
また、この金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であるので、膜の結晶性が高く、高い耐熱性が得られる。
さらに、この金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸を強く配向させることで、a軸配向が強い場合に比べて高いB定数が得られる。
したがって、本実施形態の非接触温度センサ1では、絶縁性フィルム2上に上記サーミスタ材料層で薄膜サーミスタ部3が形成されているので、非焼成で形成され高B定数で耐熱性の高い薄膜サーミスタ部3により、樹脂フィルム等の耐熱性の低い絶縁性フィルム2を用いることができると共に、良好なサーミスタ特性を有した薄型でフレキシブルなサーミスタセンサが得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、絶縁性フィルムにおいて薄膜サーミスタ部の反対側の面(サーミスタ形成領域の裏面)に特に何も形成していないが、この部分にAu等で赤外線反射膜を形成しても構わない。この場合、赤外線反射膜によって裏面側からの赤外線を反射してさらに測定対象物以外からの輻射熱の干渉を防ぐことができる。
また、上記実施形態では、裏面フレームと保護フィルムとを別体として接着しているが、これらを樹脂等でケース状に一体化して絶縁性フィルムの裏面に接着しても構わない。
1…非接触温度センサ、2…絶縁性フィルム、2a…サーミスタ形成領域、2b…電極形成領域、2c…配線形成領域、3…薄膜サーミスタ部(サーミスタ部)、4…櫛型電極、4a…櫛部、5…パッド電極、6…パターン配線部、7…リードフレーム、8…保護膜、9…裏面側フレーム、10…保護フィルム、S…センサ部

Claims (3)

  1. 絶縁性フィルムと、
    前記絶縁性フィルムの表面に設けられたサーミスタ部と、
    前記絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパッド電極と、
    前記絶縁性フィルムの表面側で前記一対のパッド電極に接着された一対のリードフレームとを備え、
    前記サーミスタ部が前記絶縁性フィルムの先端側に配されたサーミスタ形成領域に設けられ、
    前記パッド電極が前記絶縁性フィルムの基端側に配された電極形成領域に形成され、
    前記一対のリードフレームの先端側が、前記サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配され、
    前記一対のリードフレームが、弾性を有し、
    前記サーミスタ形成領域が、前記一対のリードフレームの先端側に囲まれた領域の中空に前記一対のリードフレームの先端側に接触しない状態で突出していることを特徴とする非接触温度センサ。
  2. 請求項1に記載の非接触温度センサにおいて、
    基端側が前記絶縁性フィルムの前記電極形成領域の裏面側に接着され、先端側が前記サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレームを備えていることを特徴とする非接触温度センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の非接触温度センサにおいて、
    前記サーミスタ形成領域の裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルムを備えていることを特徴とする非接触温度センサ。
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