JP6421483B2 - スクラッチカード - Google Patents
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Description
また、その「ホログラム層の断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光」として、そのカード基材の「断面」に入射した「光」を用い、且つ、「ホログラム層の断面の内、他方の断面から出射した出射光」として、カード基材の「異なる断面」から出射した「光」を用いることで、
すなわち、「所定の入射光」を、予め「カード基材の断面」から入射させ、「カード基材」内部を透過させて、「ホログラム層の断面の内、一方の断面」へと「入射」させるものとし、そして、その「所定の入射光」が、「ホログラム層」を通過し、回折した「光」となって、「ホログラム層の断面の内、他方の断面」から「出射」する「出射光」とし、さらに、その「出射光」が、やはり「カード基材」内部を透過して、「カード基材の異なる断面」から出射するものとすることで、「第一の体積ホログラム再生像」の再生手段(真正性判定の手段となる。)を、カード基材の4つの断面の内、一方の断面から「所定の光」を入射させ、他方の断面から出射させるという、非常に簡易なものとすることで、その真正性判定を容易なものとすることができる。
このような「屈折率変化領域」は、体積ホログラム形成層内の所定の領域(二次元平面領域、もしくは、三次元体積領域。これが、「所定パターン表示領域としての屈折率変化領域」となる。)に対して、「その領域内」で「エネルギー強度を一定」とした「エネルギー照射」を施すことで得られる。
また、本発明において、「光学的な鏡面」とは、ある「層」の表面の平滑性が、実質的に、平均表面粗さRaで、0.01μm〜0.1μmであることを意味する。そして、この「光学的な鏡面」をその表面に有する「ある層」の上に、その表面平滑性を維持した状態(その表面形状に何らの変化を及ぼさないことを意味する。)で、「別の層」を重ねた際に、この「ある層」と「別の層」との界面が、「光学的な鏡面」であるという。
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ゲームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目のどの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層とカード基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったかの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
本発明のスクラッチカードの第1の態様は、
カード基材の一方の表面に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、前記表面の少なくとも一部に、前記秘密情報を覆うように体積ホログラム形成層及び、スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、前記スクラッチ隠蔽層の最表面が、前記カード基材の前記表面と面一、または、前記カード基材の前記表面から凹んだ位置にあり、且つ、前記体積ホログラム形成層の断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光により、前記所定の入射光に基づく第一の体積ホログラム再生像が再生されるとともに、前記体積ホログラム形成層の断面の内、他方の断面から出射された出射光から、前記第一の体積ホログラム再生像を視認することができ、さらに、前記体積ホログラム形成層に、所定パターン表示領域として屈折率変化領域が記録されており、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、及び、前記屈折率変化領域による前記所定パターン表示領域が視認可能となることを特徴とするものである。
カード基材の一方の表面に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、前記表面の少なくとも一部に、前記秘密情報を覆うように体積ホログラム形成層及び、スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、前記スクラッチ隠蔽層の最表面が、前記カード基材の前記表面と面一、または、前記カード基材の前記表面から凹んだ位置にあり、且つ、前記体積ホログラム形成層の断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光により、前記所定の入射光に基づく第一の体積ホログラム再生像が再生されるとともに、前記体積ホログラム形成層の断面の内、他方の断面から出射された出射光から、前記第一の体積ホログラム再生像を視認することができ、さらに、前記体積ホログラム形成層に、所定パターン表示領域として屈折率変化領域が記録されており、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、及び、前記屈折率変化領域による前記所定パターン表示領域が視認可能となることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、その「秘密情報」の覗き見や、偽造及び変造を困難としたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様のスクラッチカードにおいて、前記所定の入射光は、前記カード基材の断面に入射したものであり、且つ、前記出射光は、前記カード基材の前記断面と同一の断面、または、異なる断面から出射するものであることを特徴とするものである。
前記所定の入射光は、前記カード基材の断面に入射したものであり、且つ、前記出射光は、前記カード基材の前記断面と同一の断面、または、異なる断面から出射するものであることを特徴とする第1の態様のスクラッチカードを提供することができ、その「第一の体積ホログラム再生像」の判定を容易とし、偽造及び変造を、より困難としたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様または第2の態様のスクラッチカードにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、前記屈折率変化領域による前記所定パターン表示領域、及び、前記体積ホログラム形成層により再生される第二の体積ホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
第1の態様または第2の態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、前記屈折率変化領域による前記所定パターン表示領域、及び、前記体積ホログラム形成層により再生される第二の体積ホログラム再生像が視認可能となることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチカードを提供することができ、その「秘密情報」の覗き見や、偽造及び変造を、より困難としたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様から第3の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層と前記体積ホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層と前記体積ホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とする第1の態様から第3の態様の何れかの態様のスクラッチカードを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その偽造防止性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様から第4の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層の前記体積ホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層の前記体積ホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様から第4の態様の何れかの態様のスクラッチカードを提供することができ、より偽造防止性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様から第5の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする第1の態様から第5の態様の何れかの態様のスクラッチカードを提供することができ、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第7の態様は、
第1の態様から第6の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記体積ホログラム形成層に記録された前記屈折率変化領域が、前記カード基材の前記表面の一部に、前記秘密情報を覆うように前記体積ホログラム形成層及び、前記スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられた後に、結像光学系を用いて設けられていることを特徴とするものである。
第1の態様から第6の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、隅から隅までの屈折率が、その周辺領域の屈折率から、均一な、より高い屈折率に変化した前記屈折率変化領域を前記体積ホログラム形成層に記録していることを特徴とするものである。
上記第7の態様のスクラッチカードによれば、
隅から隅までの屈折率が、その周辺領域の屈折率から、均一な、より高い屈折率に変化した前記屈折率変化領域を前記体積ホログラム形成層に記録していることを特徴とする第1から第6の態様の何れかの態様のスクラッチカードを提供することができ、「所定のパターン」をより鮮明なものとして、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチカードを提供することができる。
このとき、触針式表面粗さ計を用いて、カード基材に埋め込まれているスクラッチ隠蔽層の最表面とその周辺のカード基材表面を測定(すなわち、「スクラッチ隠蔽層等を埋め込んだ部分とカード基材表面との『埋め込み境界線』の周辺領域」を「その境界線に直交する方向」に測定)し、その境界線における段差が、1.0μm以下である状態が「面一」となっている状態である。
但し、この凹みの4つの側面と、埋め込まれた「ホログラム層」の4つの断面との間に「隙間」が発生するため、その「隙間」を適宜な「充填材料(屈折率差を緩和するためのインデックスマッチング液など)」を充填する必要が生じるという課題を含んでおり、また、偽造や変造を防止する観点からは、加熱及び加圧によりカード基材に埋め込む方式が望ましい。
上記した、「投影」する角度、すなわち、「収束」させる角度は、「開き角度」として、比較的小さくすることが望ましく、5度〜30度、好適には、5度〜10度とする。
そして、「ホログラム」を記録するための「参照光」は、所定の光学系にて、「平行光」とし、その「断面」に対して、ほぼ「垂直」に入射させ、この「参照光」が、「奥行」方向に延びて(進んで)、上記した「裏面」に対しても、ほぼ「垂直」に到達するものとする。
この場合において、記録媒体中の「物体光」と「参照光」との相互作用は、屈折率の変化する材料の屈折率変化という「フリンジ(干渉縞)」を形成するが、このフリンジは、記録用媒体の面に対して、ほぼ平行な面となる。
「実質的に固体」とは塗布された皮膜が、溶剤を除去した後に、一般的に固体材料の有している諸特性(例えば寸法安定性)を有していることを意味している。
ここで、本発明のスクラッチカードの真正性を判定する際に、2枚のスクラッチカード(スクラッチカードA、及び、スクラッチカードB)を用い、それぞれに埋め込んであるスクラッチ隠蔽層を接するように重ね合わせ、一つの平面となった、2枚のカード基材の断面にほぼ均等に「所定の入射光」を入射させ、それぞれの「体積ホログラム」を通過させた後、同様に一つの平面となった、2枚のカード基材の他の断面からの出射光により、体積ホログラム再生像を再生させることができる。
体積ホログラム形成層の形成面に平行に設けられた「二次元平面領域」では、その「『二次元平面領域』の形そのもの」として、
また、「三次元体積領域」では、「その『三次元体積領域』をその形成面に平行な面で切り取った断面形状(厳密には、全ての「断面形状」を重ねあわせた、その最大領域を成す「形状」となる。)」として、視認(もしくは、表示)される。
特に、観察者から見て「所定パターン」を表示可能となるような、「『二次元平面領域、もしくは、三次元体積領域』を「エネルギーの像」、例えば、「光の像」(以下、「エネルギーの像」の代表例として「光の像」につき詳述する。)を、レンズ系を含む光学系を用いて、体積ホログラム形成層内に結像させる、「結像光学系」を用いることで、その「領域」内の隅々までを、瞬時に、且つ、均一に、変化させることができ、簡便に、且つ、再現性良く高い精度で、所望の「屈折率変化領域」を設けることができ、好適である。
熱放射による白熱電球,ハロゲン電球とルミネッセンスによる蛍光ランプ,アーク灯、水銀ランプ,蛍光水銀ランプ,安定器内蔵型水銀ランプ,メタルハライドランプ,高圧ナトリウムランプ,低圧ナトリウムランプ、無電極放電灯、低圧放電灯、発光ダイオード、例陰極型蛍光管、外部電極型蛍光管、エレクトロルミネッセンスライト、紫外線ランプ、赤外線ランプ等を用いることができる。
しかし、スクラッチ隠蔽層の体積ホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要があるため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、一旦、スクラッチ隠蔽層の、体積ホログラム形成層と接する面を「光学的な鏡面」とし、その面の「光学的な鏡面」性を維持したまま、体積ホログラム形成層を設けて、2層積層体を形成後、その適宜な剥離性フィルムを剥がして、スクラッチカードのカード基材上の所定の位置に配置後、カード基材に設ける手順とすることも好適である。
それぞれ、体積ホログラムデザインとの同調性、各層厚さとのバランス、使用する樹脂層の屈折率差、接着性を考慮して形成方法、形成パターン形状を定める。
(カード基材、及び、「秘密情報」形成部)
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、「スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1」に用いられるカード基材1としては、「秘密情報」2表示部を設けることができ、体積ホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4を、そのカード基材1上に設け、且つ、体積ホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4を、そのカード基材1に埋め込むことができるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたり、さらに複雑に組み合わせたりしたものなどを用いることができる。且つ、その表面や裏面に、本発明のスクラッチカードH2及び7の用途に応じた印刷等の手段による適宜な表示を設けたものであってもよい。(図1〜図5参照。図3〜図5では、カード基材1の表面に「☆スクラッチカード☆」などの印刷を施しているが、この「印刷デザイン」を、スクラッチ隠蔽層4の上に設けてもよいし、また、この「印刷デザイン」を体積ホログラム形成層3に記録する「ホログラムデザイン」として、体積ホログラム形成層3に記録しておいてもよい。)
その形状も、あらゆる形状、すなわち、シート状、フィルム状、板状、立方体状、直方体状、カード形状(磁気カード、ICカード、非接触ICカード、ポストカード、グリーティングカード、名刺、ポイントカード、ライセンスカード、遊戯用カード等の形形状)、はがき形状、リーフ形状、帳票形状、伝票形状、Sメール形状、ラベル形状、シール形状、証券類形状、通帳形状、パスポート形状、郵便物形状、配送物形状、封筒状、袋状、箱状、ケース状、円盤状、ディスク状、楕円体状、球体状、曲面形状、棒状、及びこれらの組み合わせや、これらに変形、切断、穴あけ、接着等の加工処理を施したものなどを採用することができる。さらには、電子端末や、携帯用端末等、あらゆる工業製品やあらゆる商品をもカード基材1として採用することができる。
赤外線照射に対しては、さらに赤外線吸収剤等を、紫外線照射に対しては、さらに紫外線吸収剤等を、X線照射に対しては、金属板の中でも鉛材料等を、電子線等の粒子線照射に対しては、それらの粒子線を吸収する素材を混在させることで、その効果を増すことができる。
その中でも、その「埋め込み適正」(接着層、体積ホログラム形成層3やスクラッチ隠蔽層4の積層体をそのカード基材1内に安定して埋め込むことができると共に、そのスクラッチ隠蔽層4の最表面とカード基材1の表面とを再現性良く「面一」とすることができる性質をいう。)及び「汎用性」(加工汎用性を含む。この「加工汎用性」とは、「保護層/磁気層/接着層」からなる磁気ストライプをカード基材に埋め込んだり、カード基材を積層体とする等の製造ラインや製造条件が確立していることを意味する。)から、「JIS規格やISO規格で定められている『プラスチックカード』として用いられているカード基材及び形状」が望ましい。
具体的には、50μm〜1000μmの厚さの軟質塩化ビニルシートや硬質塩化ビニルシート、もしくは、その組み合わせ(積層体という意味。)が好適である。
カード基材1として、100μmの軟質塩化ビニルシートを用いて、
厚さ25μの積層体(カード基材1の厚さの約1/4の厚さを有する。厚さ10μで、幅10mmの帯状の体積ホログラム形成層3と、厚さ15μmで、幅10mmの帯状のスクラッチ隠蔽層4の積層体。)を、150℃の加温、及び106Paの加圧にて、3mm厚さの表面鏡面仕上げのステンレス板で挟み込み、「常温→加温→150℃→冷却→常温」の加熱&冷却サイクル(1サイクル30分〜90分。)を通した場合には、体積ホログラム形成層3とスクラッチ隠蔽層4が全て、カード基材1内に埋め込まれ、スクラッチ隠蔽層4の最表面とカード基材1の表面が面一となった。
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1が秘匿する「秘密情報」2としては、文字、図形、記号、模様、マーク、形状、立体、もしくは、これらの結合、または、これらと色彩との結合その他、さらには、識別コード、識別番号、識別文字等のあらゆる識別情報、その他何らかの手段によって識別することが可能なものであれば、特に制限はなく、採用することができる。(図1〜図4参照。)
この識別手段としては、目視識別、携帯カメラ認識やバーコード認識等の光学的識別、機械識別、その他の物理的識別手段等をいう。
これらの「秘密情報」2をスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1のカード基材1上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。(図1〜図4参照。)
もちろん、電子端末のディスプレー上に「秘密情報」2を表示するものであってもよい。
感熱発色材料としては、発色剤、顕色剤、及び、増感剤からなる系を用いることができ、発色剤としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、クリスタルバイオレットラクトン等のフタリド化合物等、顕色剤としては、4−4´ビフェノール、1−ナフトール等の酸など、さらに、増感剤としては、4−ベンジルビフェニル、フルオレン等を用いる。
但し、これらの発色、または、消色機構を用いる場合には、上記したカード基材1への埋め込み条件下ではそれらの変化を示さない材料を使用するか、または、その条件下で変化したとしても、常温に戻すことで元に戻る可逆変化性を有する材料を使用する。
(スクラッチ隠蔽層)
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1のカード基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、体積ホログラム形成層3、さらには、その上に、スクラッチ隠蔽層4を設けて、本発明のスクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1を得る。
この埋め込みの際、スクラッチ隠蔽層4の最表面を、カード基材1の最表面より、所定の深さだけ凹ませることもできる。(図示せず。)
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1のスクラッチ隠蔽層4に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、体積ホログラム形成層3の上にスクラッチ隠蔽層4を設ける際に、その体積ホログラム形成層3の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
(体積ホログラム形成層、及び地紋印刷)
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1のカード基材1の一方の表面に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、カード基材1の一部に、体積ホログラム形成層3を設け、さらには、その体積ホログラム形成層3をそのカード基材1に埋め込む。(図1〜図3参照。)
この際、体積ホログラム形成層3を、カード基材1の上にラミネートする手順、または、予め、体積ホログラム形成層3を、スクラッチ隠蔽層4の上に形成し、そのスクラッチ隠蔽層4の体積ホログラム形成層3が設けてある側を、カード基材1の「秘密情報」2形成部のある側に接するように、そして、その「秘密情報」2形成部の位置とそのスクラッチ隠蔽層4とが対面するように(スクラッチ隠蔽層4が「秘密情報」2を隠蔽するようにという意味。)重ね合わせた後、ラミネート(すなわち、積層体とすることを意味する。)する手順等により設けることができる。(手順は図示せず。)
さらには、体積ホログラム形成層3の「断面」を「光学的な鏡面」とするため、体積ホログラム形成層3を、予め、レーザー切断等の方法により、所定のサイズに切断し、その切断面(『断面』)を「光学的な鏡面」として仕上げた後、上記のような加工を施すことも好適である。(手順は図示せず。)
そして、体積ホログラム形成層3への「所定の入射光」や、体積ホログラム形成層3からの「所定の出射光」を、カード基材1の表面に平行な「光」ではなく、その表面に対して仰角10度〜60度の入射角、もしくは、出射角とするため、体積ホログラム形成層3の「断面」から内側に1mm〜10mmの領域に、「ホログラム『反射鏡』」(体積ホログラム用の記録材料に対して、互いに所定の角度を成す「コヒーレントな平行光」どおしの干渉縞を記録すると、その体積ホログラムは、入射光を鏡のように反射する『反射鏡』となる。この『反射鏡』を用いて、仰角10度とするためには、カード基材1の表面に対して5度の斜面となる『反射鏡』を記録し、仰角60度とするためには、カード基材1の表面に対して30度の斜面となる『反射鏡』を記録することを意味する。)を多重記録する。
〔アクリレート及びアルファーアルキルアクリレートエステル、例えば、ポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル、〕、〔ポリビニルエステル、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル;エチレン/酢酸ビニル共重合体〕、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジェン及びイソプレン重合体及び共重合体、エポキシ化物、例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物、〔ポリアミド、例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアシツクアミド〕、〔セルロースエステル、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート〕、〔セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、並びにエチルセルロース〕、ポリカーボネート等、並びに、〔ポリビニルアセタール、例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール〕等。
以下に、その方法を説明する。
また反射型ホログラムの場合には、参照光を用いずとも、その波長選択性により、所定の波長でのみ再生された「物体」の像、すなわち反射型ホログラム再生像を視認することができる。この場合の「再生角度」も同様である。
ホログラムとしては、レーザー再生ホログラム、白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子、複合回折格子で構成されるホログラムなどを、適宜、記録することができる。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し、「秘密情報」2として、もしくは、「秘密情報」2の一部構成情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。(図示せず。)
体積ホログラムは、「上記のようにして記録した体積ホログラム形成層3(単独の層。)」上に、「まだ体積ホログラムを記録していないカード基材1と体積ホログラム形成層3の積層体」のその体積ホログラム形成層3面上に、「単独の層である記録済み体積ホログラム形成層3」を密着させて重ねたものに(インデックスマッチング液等をその間に挿入してもよい。)、その「記録済み体積ホログラム形成層3」側から、適宜なレーザー光を照射する方法により、大量に複製することができる。(図示せず。)
この体積ホログラム形成層3内に、上記した手段を用いて、所定パターン表示領域として、上記した「所定パターン」を表示可能なように、「屈折率変化領域5」を記録する。(図1〜図3参照。)
このとき、その「屈折率変化領域5」、すなわち、「所定パターン」表示領域として記録された「屈折率変化領域5」を、体積ホログラム形成層3の形成面に垂直上方から観察した際に、視認できる「パターン」が「所定パターン」となる。(「所定パターン」は図示せず。また、「結像光学系」も図示していない。)
これらの体積ホログラム形成層3、及び/または、スクラッチ隠蔽層4の上に、さらには、黒色層の上に、本発明のスクラッチカードH2及び7の用途に応じた印刷デザインや、ホログラムデザインにより、オフセット印刷や、グラビア印刷等を用いて、1.0〜10.0μmの厚さで地紋印刷6を施す。(図5参照。体積ホログラム形成層3上に幾何学模様の地紋印刷6を施している。)
体積ホログラム形成層3、及び/または、スクラッチ隠蔽層4の上に、さらには、黒色層の上に、この地紋印刷6以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
但し、体積ホログラム形成層3やスクラッチ隠蔽層4の表面の一部が、上記したように、意図して「粗い粗面」を設けた部分である場合には、この大きな凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷6を行ってもよい。さらに、このような感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて、その大きな凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷6が破壊されるようにすることもできる。
そして、この地紋印刷6を、スクラッチ隠蔽層4上、及びスクラッチ隠蔽層4と体積ホログラム形成層3との間、の両方に設け、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層4の上下で、位置を異ならせたり、同一としたりすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。(図示せず。)
(黒色層)
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1において、体積ホログラム形成層3の背面に、すなわち、カード基材1と体積ホログラム形成層3との間(その上に形成された「秘密情報」2形成部上を除く)の所定の位置に、黒色層を設けることができる。(図示せず。)
ここで、黒色層は、部分的、且つ、離散的に複数形成してもよい。そして、この黒色層のパターンによって、何らかのデザインを表すものとしてもよい。(図示せず。)
黒色層は、微粒子カーボンブラックや、超微粒子カーボンブラック、その他の炭素系黒色顔料や酸化物系黒色顔料の微粒子や超微粒子、さらには、含金属黒色染料(金属錯塩染料)等を、含有率で20〜70質量%として、透明樹脂、例えば、熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等に2次凝集を少なくするように、ガラスビーズやスチールビーズを用いたボールミル、ニーダー、ロールミル等による混練りを十分行い、溶剤等で粘度調整をして、グラビア方式、オフセット方式、シルクスクリーン方式、カーテンコート方式、ノズルコート方式、インクジェット方式さらには、フレキソ印刷方式を適宜用いて均一な厚さに形成することができる。(図示せず。)
この場合、体積ホログラム形成層3、または、カード基材1上との密着性の高いものを選定する。
(接着層)
本発明のスクラッチカードH2及び7、さらには、スクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1において、カード基材1(その上に形成されている「秘密情報」2形成部を覆うように設けることとなる。)と体積ホログラム形成層3との間、カード基材1と上記した黒色層との間、さらには、部分的ではあるが、カード基材1とスクラッチ隠蔽層4との間に、接着層を設けることができる。(図示せず。)
ここで、接着層としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。(参照。)
接着層に用いられる溶剤としては、溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ等。)等を用いることができる。
または、カード基材1上に、体積ホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4を形成する前に、その体積ホログラム形成層3のカード基材1側に、接着層を設け、スクラッチ隠蔽層4とともに、カード基材1に接着させる手順、さらには、カード基材1に埋め込む手順を採用することができる。
この際、カード基材1上の所定の位置に、「秘密情報」2として、連続数字1〜8が印字されており(図4参照。図4には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」2を覆うように、体積ホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4が設けられることとなる。(図1〜図3参照。)
また、本発明のスクラッチカード7のスクラッチ隠蔽層4上に、幾何学模様からなる地紋印刷6を施した。(図5参照。)
いずれの場合も、目視では、スクラッチ隠蔽層4で覆われた「秘密情報」2、さらには、体積ホログラム形成層3を、視認することはできず、また、この層を、爪等で破断なくきれいに剥がすことは、到底、不可能であると思われた。
その「所定の入射光」は、体積ホログラム形成層3に記録してある「第一の体積ホログラム」で回折されつつ体積ホログラム形成層3を通過し、「断面の内、一方の断面SEC1」の対向面にある、体積ホログラム形成層3の「4つの断面の内、他方の断面SEC2」から出射する「出射光」となり、カード基材1の、スクラッチ隠蔽層4が埋め込まれている領域の近傍の表面から、出射する。
また、体積ホログラム形成層3に記録してある「第一の体積ホログラム」を、体積ホログラム形成層3の「断面の内、一方の断面SEC1」と、「断面の内、他方の断面SEC2」に垂直な方向に入射する、「記録用の光源光と参照光」を用いて記録した場合には、
本発明のスクラッチカードH2及び7のカード基材1の4つの断面の内、一方の断面(『カード基材1の断面』。体積ホログラム形成層3の『断面の内、一方の断面SEC1』に平行、且つ、最も近い位置にある『カード基材1の断面』。)から、「所定の入射光」を垂直に入射させて、その「所定の入射光」が、カード基材1の中を通過して、体積ホログラム形成層3の「4つの断面の内、一方の断面SEC1」に、やはり、垂直に到達するようにし、体積ホログラム形成層3に記録してある「第一の体積ホログラム」で回折されつつ体積ホログラム形成層3を通過させる。
もちろん、「第一の体積ホログラム」が、「反射型体積ホログラム」であった場合には、その「出射光」は、「『所定の入射光』を入射させた『カード基材1の断面』と『同一の断面』」から出射する。
このカード基材1の所定の領域(カード基材1のほぼ中央に位置する領域。)に、インクジェットプリンターにて、「秘密情報」2として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した。(図1〜図3、及び、図4参照。)
ここで、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上に、膜厚100μmのフォトポリマー(「体積ホログラム形成層3」となる層。)が積層され、その上に保護フィルムとして、厚さ50μmポリエチレンテレフタレートフイルムが積層されたフォトポリマー積層フィルム(デュポン社製「HRF705」のフォトポリマー層を貼り合わせて所定の厚さとしたもの。)を用い、この積層フィルムを、縦30mm×横50mmのサイズに、その表面が滑らかな表面仕上げを施してあるステンレス製の断裁刃(刃先形状を『片刃形状』としたもの。)を用いて、丁寧にカッティングし、その4つの「断面」を滑らかな面(滑らかな平面)とした。
次いで、クリプトンレーザー(発光波長647nm)を光源とし、所定の透過型ホログラム撮影光学系(図示せず。)を用いて、縦10mm×横10mmの「真」と「正」の文字(文字太さ1.0mm。)を、5mmの間を開けて配置した「透過原稿」(この『透過原稿』の背後から、平行光をあてて透過させることにより、『縦10mm×横25mm』の広がりを持つ『物体1』とする。)を、透過型体積ホログラムとして、以下の手順により、体積ホログラム形成層3に、「第一の体積ホログラム(断面体積ホログラム)」を記録した。(記録する状況は図示せず。)
すなわち、露光強度2.0mWにて、「縦10mm×横25mm」のサイズの広がりを持つ「物体1の物体光」を、「『底面部分』が縦15mm×横30mmの大きさを有し、『半円筒レンズ部分』が焦点距離500mmを持つ『シリンドリカルレンズ』」を通して、その「物体1の物体光」の広がりを、縦0.1mm×横30mmのサイズまで圧縮し(縦方向の圧縮となる。この『物体1の物体光』はこの圧縮により、『明るさ』が強まるため、光路中に拡大光学系を挿入して、その強度を弱め、調整した。)、縦100μm×横30mmの長方形の形状をした「体積ホログラム形成層3」の「断面の内、他方の断面SEC2」の断面中央垂線に対して斜め(+45度。断面の縦方向に広がる角度)の角度で入射させ、この「物体1の物体光」と、同一方向に進み、且つ、その「断面の内、他方の断面SEC2」、及び、「その断面に対向している『断面の内、一方の断面SEC1』」の断面中央垂線に対して斜め(−45度。同上。)の角度で進む「平行光」を「参照光1」として、その「物体1の物体光」と、その「参照光1」を、50mJ/cm2の露光量となるように照射し、その「体積ホログラム形成層3」の中で干渉させ、「第一の体積ホログラム(断面体積ホログラム)」を記録した。(記録する状況は図示せず。)
この時、その30mm×50mmサイズの積層フィルムの体積ホログラム形成層3の右下の部分に、開口部として「1111」の文字情報(認証番号)の逆像(フォントサイズ20ポイント)を設けた厚さ、1mmのステンレス遮蔽板を、そのステンレス遮蔽板と上記保護フィルムとが接する様に重ねた後、ステンレス遮蔽板の後方から、20Wハロゲンランプを用いて、体積ホログラム形成層3に対する露光量100mJ/cm2で光照射し、「1111」の文字情報の逆像として、「屈折率変化領域5」の「所定パターン」表示を記録した(本発明のスクラッチカード7の使用者は、『秘密情報』2に加えて、この『認証番号:1111』を読み取ることとなる。)。
その体積ホログラム形成層3の上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層4を15μmの厚さで形成し、本発明の実施例1のスクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1を得た。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
その「実施例1のスクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1」の「積層体」を、「表面を鏡面仕上げしたステンレス板」に挟みこみ、120℃、106Pa、及び、60分の、加熱、及び、加圧をし、次いで、冷却処理を施して、常温に戻し、スクラッチ隠蔽層4の最表面とカード基材1の表面を「面一」とし、本発明の実施例1のスクラッチカードH2、もしくは7を得た。(図2及び図3参照。)
この実施例1のスクラッチカードH2、もしくは7を、通常の蛍光灯下で観察したところ、スクラッチカードH2、もしくは7上にて、「カードの一部に埋め込まれた銀色の印刷層」を観察できるのみであり、その下に埋め込まれ、形成されている、「秘密情報」2の存在、さらには、「屈折率変化領域5」や、体積ホログラム形成層3の存在を窺い知ることはできなかった。(図2及び図3参照。『体積ホログラム形成層3』の『断面の内、一方の断面SEC1』、または、『断面の内、他方の断面SEC2』については、カード基材1の表面から、注意深く観察すると視認できたが、『それらの断面』から、『何らかの体積ホログラム』の存在を認識することは出来なかった。)
次いで、この実施例1のスクラッチカードH2、もしくは7上のカード基材1の表面に埋め込まれてる「銀色の印刷層」部分のスクラッチ隠蔽層4の下にある、体積ホログラム形成層3の「断面の内、一方の断面SEC1」、及び、「断面の内、他方の断面SEC2」(体積ホログラム形成層3を成す、『縦30mm×横50mm×厚さ100μmの直方体』の、『縦30mmの一辺と、厚さ100μmの一辺により形作られる長方形』で表される、対向する2つの『断面』となっている。)の内、「断面の内、一方の断面SEC1」に、斜め(+45度。断面の厚さ方向に広がる角度。)の角度で、記録時の「参照光1」と同様の平行光で、且つ、その「進行方向が逆」の「所定の入射光」を入射させる。
さらに、このスクラッチカードH2、もしくは7のカード基材1に埋め込まれている「銀色の印刷層」部分をコインで引っ掻く(「体積ホログラム形成層3、及びスクラッチ隠蔽層4」が積層されている領域の、そのスクラッチ隠蔽層4の一部をスクラッチにより除去する。)と、スクラッチ隠蔽層4が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」2の一部を視認でき、さらには、その「銀色の印刷層」の左下部分をスクラッチオフすると、「屈折率変化領域5」の「所定パターン」表示である「1111」の文字情報(認証番号)をも併せて視認できるようになり、このようなスクラッチカードH2、もしくは7を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1において、カード基材1の4つの断面を、その表面が滑らかな表面仕上げを施してあるステンレス製の断裁刃(刃先形状を『片刃形状』としたもの。)を用いて、丁寧にカッティングし、その4つの「断面」を滑らかな面(滑らかな平面)としたこと、及び、「物体1の物体光」を、「体積ホログラム形成層3」の「断面の内、他方の断面SEC2」に垂直に入射させ、この「物体1の物体光」と、同一方向に進み、且つ、その「断面の内、他方の断面SEC2」、及び、「その断面に対向している『断面の内、一方の断面SEC1』」に垂直に進む「平行光」を「参照光1」として、その「物体1の物体光」と、その「参照光1」を用いて、「第一の体積ホログラム(断面体積ホログラム)」を記録したこと(記録する状況は図示せず。)以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2のスクラッチカードH2、もしくは7を得た。
(実施例3)
スクラッチカードH2、もしくは7のカード基材1として、実施例1と同様に、総厚さ760μmの3層積層塩化ビニルシート(クレジットカードサイズ)を用いる。(図1〜図3参照。カード基材1の積層状況は図示せず。)
このカード基材1の所定の領域(カード基材1のほぼ中央に位置する領域。)に、インクジェットプリンターにて、「秘密情報」2として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した。(図1〜図3、及び、図4参照。)
ここで、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上に、膜厚100μmのフォトポリマー(「体積ホログラム形成層3」となる層。)が積層され、その上に保護フィルムとして、厚さ50μmポリエチレンテレフタレートフイルムが積層されたフォトポリマー積層フィルム(デュポン社製「HRF705」を貼り合わせて形成したもの。)を用い、反射型ホログラム(「第二の体積ホログラム」)として、クリプトンレーザー(発光波長647nm)を光源とし、所定の反射型ホログラム撮影光学系(図示せず。)を用いて、30mm×50mmサイズの「絵画モチーフ」(「物体2」)を反射型体積ホログラムとして、その結像位置を、記録面から2mmの位置として撮影した。
次いで、縦10mm×横10mmの「真」と「正」の文字(文字太さ1.0mm。)を、5mmの間を開けて配置した「透過原稿」(この『透過原稿』の背後から、平行光をあてて透過させることにより、『縦10mm×横25mm』の広がりを持つ『物体1』とする。)を透過型体積ホログラムとして、以下の手順により、体積ホログラム形成層3に、「第一の体積ホログラム(断面体積ホログラム)」を上記の反射型体積ホログラム記録に重ねて記録した。(『第二の体積ホログラム』と『第一の体積ホログラム(断面体積ホログラム)』を多重記録するという意味。記録する状況は図示せず。)
すなわち、「縦10mm×横25mm」のサイズの広がりを持つ「物体1の物体光」を、「『底面』形状が、縦15mm×横30mmであって、焦点距離500mmのシリンドリカルレンズ」を通して、その「物体2の物体光」の広がりを、縦0.1mm×横30mmのサイズまで圧縮(縦方向の圧縮となる。)し、縦100μm×横30mmの長方形の形状をした「体積ホログラム形成層3」の「断面の内、他方の断面SEC2」へほぼ垂直に入射させ、この「物体2の物体光」と、同一方向に進み、且つ、その「断面の内、他方の断面SEC2」、及び、「その断面に対向している『断面の内、一方の断面SEC1』」のいずれにも垂直に進む「平行光」を「参照光1」として、その「物体1の物体光」と、その「参照光1」を、その「体積ホログラム形成層3」の中で干渉させ、「第一の体積ホログラム(断面体積ホログラム)」を記録した。(記録する状況は図示せず。)
その後、多重記録した二つの「体積ホログラム」に対して、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2の紫外線を照射し、更に120℃で120分間加熱処理し、上記保護フィルムを剥離して、「『絵画モチーフ』及び『透過原稿』が多重記録された体積ホログラム形成層3が積層されている、厚さが200μmで、サイズが30mm×50mmのシート」を作製した。このときの回折効率は、第二の体積ホログラム、及び、第一の体積ホログラムにつき、それぞれ、30%、及び、20%とした。
その体積ホログラム形成層3の上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層4を15μmの厚さで形成し、実施例3のスクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1を得た。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
その「実施例3のスクラッチカードH2を作製するための中間生成物H1」の「積層体」を、「表面を鏡面仕上げしたステンレス板」に挟みこみ、120℃、106Pa、及び、60分の、加熱、及び、加圧をし、次いで、冷却処理を施して、スクラッチ隠蔽層4の最表面とカード基材1の表面を「面一」とし、本発明の実施例3のスクラッチカードH2、もしくは7を得た。(図2及び図3参照。)
この実施例3のスクラッチカードH2、もしくは7を、通常の蛍光灯下で観察したところ、スクラッチカードH2、もしくは7上にて、「カードの一部に銀色の印刷層」を観察できるのみであり、その下に形成されている、「秘密情報」2の存在、さらには、体積ホログラム形成層3の存在を窺い知ることはできなかった。(図2及び図3参照。『体積ホログラム形成層3』の『断面の内、一方の断面SEC1』、及び、『断面の内、他方の断面SEC2』は、注意深く観察すると視認できたが、『それらの断面』から、『何らかの体積ホログラム』の存在を認識することは出来なかった。)
次いで、この実施例3のスクラッチカードH2、もしくは7上の、カード基材1の表面に埋め込まれている「銀色の印刷層」部分の「断面の内、一方の断面SEC1、及び、断面の内、他方の断面SEC2」(縦30mm×横50mmの長方形の縦30mmの一辺と、厚さ100μmの一辺により形作られる長方形で表される断面となっている。)の内、カード基材1の対応する端面(所定の断面)を通して「断面の内、一方の断面SEC1」に垂直に、記録時の「参照光1」と同様の平行光であって、その「進行方向が逆」の「所定の入射光」を入射させると、「断面の内、他方の断面SEC2」から、そして、カード基材1の対応する端面(所定の断面とは異なる断面)から、「第一の体積ホログラム」による、「第一の体積ホログラム再生像」(物体1、すなわち、「真」及び「正」の文字からなる「透過原稿」の体積ホログラム再生像。)が再生され、視認することが出来た。(ホログラム再生像が再生されている状況は図示せず。)
次いで、この実施例3のスクラッチカードH2、もしくは7上の「銀色の印刷層」部分をコインで引っ掻く(「体積ホログラム形成層3、及びスクラッチ隠蔽層4」が積層されている領域の、そのスクラッチ隠蔽層4の一部をスクラッチにより除去する。)と、スクラッチ隠蔽層4が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」2の一部を視認でき、さらには、体積ホログラム形成層3による「第二の体積ホログラム再生像」(物体2、すなわち、『絵画モチーフ』の体積ホログラム再生像。)の一部を同時に観察でき、このようなスクラッチカードH2、もしくは7を偽造することは、さらに困難と思われた。(図示せず。)
(実施例4)
実施例3において、適宜な剥離性フィルム(厚さ38μの表面離形処理ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、一旦、スクラッチ隠蔽層4を形成し、その露出面と、その剥離性フィルムを、厚さ3mmのステンレス板2枚(その表面に樹脂コートを施して、平均表面粗さRaで、0.1μmとした「光学的な鏡面」に仕上げたもの。)の間に挟み込み、その両側から、200℃、109Paでの加圧をする平板プレス処理を施して、スクラッチ隠蔽層4の露出面を「光学的な鏡面」とし、この露出面を、「体積ホログラム形成層3が積層されている厚さ200μmのシート」の体積ホログラム形成層3面に接するようにラミネートし、その「厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフイルム」を剥離して、体積ホログラム形成層3をスクラッチ隠蔽層4上に転写形成した。
この実施例4のスクラッチカードH2、もしくは7を、実施例3と同様に評価したところ、体積ホログラム形成層3による第二の体積ホログラム再生像「絵柄モチーフ」がより鮮明に観察でき(図示せず。)、このようなスクラッチカードH2、もしくは7を偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例3と同様の良好な結果を得た。
(実施例5)
実施例1のスクラッチ隠蔽層4の体積ホログラム形成層3と接している面とは反対の面(スクラッチ隠蔽層4の露出している面)上に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷6を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例5のスクラッチカードH2、もしくは7を得た。(図2、図3、及び、図5参照。図2、及び、図3において、地紋印刷6は図示していない。図3において、「秘密情報」2を覆う層は、「3及び4」でなく、「3、4及び5」となる。)このとき、昇華転写プリンターの印字部分、すなわち、地紋印刷6の部分はスクラッチ隠蔽層4に浸透しており、スクラッチ隠蔽層4の最表面と、地紋印刷6の表面は同一面を形成している。
(実施例6)
実施例3において、黒色層に下記組成の黒色層用インキ組成物を用いて、「体積ホログラム形成層3が積層されている厚さ200μmのシート」の体積ホログラム形成層3上に、スクリーン印刷方式を用いて、乾燥後の厚さ10μmでその全面に形成して(但し、カード基材1に積層する際に、「秘密情報」2形成部の位置に当たる予定の領域は、除いて形成した。)、「体積ホログラム形成層3及び黒色層が積層されている厚さ210μmのシート」としたこと、及び、この「シート」の黒色層面を、カード基材1の「秘密情報」2形成部を含む面に接するようにして、積層したこと以外は、実施例3と同様にして、本発明の実施例6のスクラッチカードH2、もしくは7を得た。(図2及び図3参照。いずれも、黒色層は図示していない。)
<黒色層用インキ組成物>
ウレタン樹脂 25部
カーボンブラック 20部
トルエン 15部
イソプロピルアルコール 15部
ブチルセルソルブ 25部
この実施例6のスクラッチカードH2、もしくは7を、実施例3と同様に評価したところ、体積ホログラム形成層3による第二の体積ホログラム再生像「絵柄モチーフ」が非常に鮮明に観察でき、このスクラッチカードH2、もしくは7を偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例3と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層4を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例7のスクラッチカードH2、もしくは7を得た。(図2及び図3参照。)
<スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
この実施例7のスクラッチカードH2、もしくは7を実施例1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチ隠蔽層4を、その「層全体」を剥がす試みとして、カード基材1を90度近く湾曲させたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層4のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」状のシワが発生し、そのシワがカード基材1を再び平らな状態に戻しても消えず(逆に、シワが発生した部分に、一部、裂け目まで発生。)、固定化してしまったことから、このスクラッチカードH2、もしくは7の偽造が非常に困難であると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例8)
実施例2において、あらかじめ「屈折率変化領域5」を記録せず、体積ホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4をカード基材1に埋め込んだ後、カード基材1上の体積ホログラム形成層3形成領域の横の辺から、下側から、レンズを含む結像光学系を用いて、「縦5mm×横23mmの2次元平面領域」の「光の像」を入射させ、カード基材1を構成する250μmの透明軟質塩化ビニルシートを通過して、その透明軟質塩化ビニルシートと260μmの乳白硬質塩化ビニルシート(『不透明な塩化ビニルシート』である。)との界面で反射させ、カード基材1上に設けられた「秘密情報」2形成部をその光路に含んで、体積ホログラム形成層3の中央(厚さ方向の中央。)で結像させて、「秘密情報」2を一部含んだ「☆」(フォントサイズ10ポイントの『☆』の『マーク』)の「屈折率変化領域5」を記録した。
(比較例)
実施例1において、体積ホログラム形成層3を設けず、スクラッチカードを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチカードを得た。
H1 スクラッチカードH2を作製するための中間生成物
1 カード基材
2 「秘密情報」
3 体積ホログラム形成層
SEC1 断面の内、一方の断面
SEC2 断面の内、他方の断面
4 スクラッチ隠蔽層
5 屈折率変化領域
6 地紋印刷
Claims (7)
- カード基材の一方の表面に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、
前記表面の少なくとも一部に、前記秘密情報を覆うように体積ホログラム形成層及び、スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、
前記スクラッチ隠蔽層の最表面が、前記カード基材の前記表面と面一、または、前記カード基材の前記表面から凹んだ位置にあり、
且つ、前記体積ホログラム形成層の断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光により、前記所定の入射光に基づく第一の体積ホログラム再生像が再生されるとともに、前記体積ホログラム形成層の断面の内、他方の断面から出射された出射光から、前記第一の体積ホログラム再生像を視認することができ、
さらに、前記体積ホログラム形成層に、所定パターン表示領域として屈折率変化領域が記録されており、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、及び、前記屈折率変化領域による前記所定パターン表示領域が視認可能となることを特徴とするスクラッチカード。
- 請求項1に記載のスクラッチカードにおいて、
前記所定の入射光は、前記カード基材の断面に入射したものであり、且つ、前記出射光は、前記カード基材の前記断面と同一の断面、または、異なる断面から出射するものであることを特徴とするスクラッチカード。
- 請求項1または2に記載のスクラッチカードにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、前記屈折率変化領域による前記所定パターン表示領域、及び、前記体積ホログラム形成層により再生される第二の体積ホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチカード。 - 請求項1から3の何れかの請求項に記載のスクラッチカードにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層と前記体積ホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とするスクラッチカード。
- 請求項1から4の何れかの請求項に記載のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層の前記体積ホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするスクラッチカード。
- 請求項1から5の何れかの請求項に記載のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするスクラッチカード。
- 請求項1から6の何れかに記載のスクラッチカードにおいて、隅から隅までの屈折率が、その周辺領域の屈折率から、均一な、より高い屈折率に変化した前記屈折率変化領域を前記体積ホログラム形成層に記録していることを特徴とするスクラッチカード。
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