JP6303702B2 - スクラッチラベル - Google Patents
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Description
シート基材上に「秘密情報」を設けた部分を、「秘密情報」表示部、「秘密情報」印字部、または、「秘密情報」形成部と、適宜、表現する。
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目のどの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったかの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
本発明のスクラッチラベルの第1の態様は、
シート基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含むスクラッチ隠蔽層、体積ホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記体積ホログラム形成層に、屈折率変化領域として記録された所定パターン表示領域が含まれており、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、前記屈折率変化領域として記録された前記所定パターン表示領域、及び、前記体積ホログラム形成層から再生される体積ホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
シート基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、スクラッチ隠蔽層、体積ホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記体積ホログラム形成層に、屈折率変化領域として記録された所定パターン表示領域が含まれており、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、前記屈折率変化領域として記録された前記所定パターン表示領域、及び、前記体積ホログラム形成層から再生される体積ホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベルを提供することができ、その「秘密情報」の覗き見や、偽造及び変造を困難とし、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチラベルを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層と前記体積ホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層と前記体積ホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とする第1の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その偽造防止性と意匠性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層の前記体積ホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層の前記体積ホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より偽造防止性と意匠性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
第1〜第3の何れかの態様のスクラッチラベルにおいて、前記体積ホログラム形成層に記録された前記屈折率変化領域が、前記スクラッチラベルを、前記シート基材上に設けられた前記秘密情報を覆うように、前記シート基材上に貼着した後に、結像光学系を用いて設けられることを特徴とするものである。
第1〜第3の何れかの態様のスクラッチラベルにおいて、前記体積ホログラム形成層に記録された前記屈折率変化領域が、前記スクラッチラベルを、前記シート基材上に設けられた前記秘密情報を覆うように、前記シート基材上に貼着した後に、結像光学系を用いて設けられることを特徴とするスクラッチラベルを提供することができ、その偽造防止性と意匠性をさらに高めたスクラッチラベルを提供することができる。
スクラッチ隠蔽層、体積ホログラム形成層、及び、粘着層からなる本発明のスクラッチラベルを、適宜な配置で、その「秘密情報」を覆うように設けた後、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去すると、その「秘密情報」が視認可能となると同時に、スクラッチ隠蔽層の背後にある体積ホログラム形成層から再生される体積ホログラム再生像が視認可能となるスクラッチカードを作成することにより、その「秘密情報」を第三者が目視によって判読したり、不正者が盗読することを防ぎ、且つ、正当な使用者がスクラッチ隠蔽層をスクラッチして、その「秘密情報」を判読できるスクラッチカードを提供することができる。
この場合において、記録媒体中の「物体光」と「参照光」との相互作用は、屈折率の変化する材料の屈折率変化という「フリンジ(干渉縞)」を形成するが、このフリンジは、記録用媒体の面に対して、ほぼ平行な面となる。
「実質的に固体」とは塗布された皮膜が、溶剤を除去した後に、一般的に固体材料の有している諸特性(例えば寸法安定性)を有していることを意味している。
そして、「領域内の屈折率」と、その「領域」の「周辺領域の屈折率」との差、すなわち、「領域間屈折率差△n」は、△n≧0.01、さらには、△n≧0.05、より好適には、△n≧0.1とする。
特に、この「光の像」は、その「光の像」を通して、「秘密情報」を判別可能であるため好適である。
熱放射による白熱電球、ハロゲン電球とルミネッセンスによる蛍光ランプ、アーク灯、水銀ランプ、蛍光水銀ランプ、安定器内蔵型水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムランプ、無電極放電灯、低圧放電灯、発光ダイオード、例陰極型蛍光管、外部電極型蛍光管、エレクトロルミネッセンスライト、紫外線ランプ、赤外線ランプ等を用いることができる。
しかし、スクラッチ隠蔽層の体積ホログラム形成層と接している面とは反対の面(スクラッチラベルとしての最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層の体積ホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層の体積ホログラム形成層と接している面を「光学的な鏡面」とする。
さらには、その「平板」、もしくは、「ロール」を電離放射線透過性の素材を用いて作製し、その「平板」、もしくは、「ロール」を体積ホログラム形成層に押し当てたまま、電離放射線を十分に照射して、「平坦な面」形状を高い精度に保ったまま、その物理特性を上記したレベルまで向上させることも好適である。
」)を得てもよい。
予め、体積ホログラム形成層面やシート基材面に固着し、且つ、爪等によっては剥がすことができない強度(硬度)を有する樹脂層を用いて、「文字パターン」の印刷を行っておき、このパターン部分を除いて、通常のスクラッチ隠蔽層の下層を設け、それらを全て覆うように、スクラッチ隠蔽層の上層を設ける等の工夫が必要となる。
(シート基材、及び、「秘密情報」形成部)
本発明のスクラッチラベルH1、または、H2を貼着して構成されるスクラッチシートSS1に用いられるシート基材S1としては、「秘密情報」S2表示部を設けることができ、本発明のスクラッチラベルH1、または、H2を貼着できるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたり、さらに複雑に組み合わせたりしたものなどを用いることができる。
その形状も、あらゆる形状、すなわち、シート状、フィルム状、板状、立方体状、直方体状、カード形状(磁気カード、ICカード、非接触ICカード、ポストカード、グリーティングカード、名刺、ポイントカード、ライセンスカード、遊戯用カード等の形形状)、はがき形状、リーフ形状、帳票形状、伝票形状、Sメール形状、ラベル形状、シール形状、証券類形状、通帳形状、パスポート形状、郵便物形状、配送物形状、封筒状、袋状、箱状、ケース状、円盤状、ディスク状、楕円体状、球体状、曲面形状、棒状、及びこれらの組み合わせや、これらに変形、切断、穴あけ、接着等の加工処理を施したものなどを採用することができる。さらには、電子端末や、携帯用端末等、あらゆる工業製品やあらゆる商品をもシート基材S1として採用することができる。
赤外線照射に対しては、さらに赤外線吸収剤等を、紫外線照射に対しては、さらに紫外線吸収剤等を、X線照射に対しては、金属板の中でも鉛材料等を、電子線等の粒子線照射に対しては、それらの粒子線を吸収する素材を混在させることで、その効果を増すことができる。
その中でも、その「汎用性」(加工汎用性を含む。この「加工汎用性」とは、カード基材を積層体とする等の製造ラインや製造条件が確立していることを意味する。)から、「JIS規格やISO規格で定められている『プリペイドカード』として用いられているカード基材及び形状」が望ましい。
具体的には、50μm〜1000μmの厚さの乳白ポリエチレンテレフタレートが好適である。
この識別手段としては、目視識別、携帯カメラ認識やバーコード認識等の光学的識別、機械識別、その他の物理的識別手段等をいう。
これらの「秘密情報」S2をスクラッチシートSS1のシート基材S1上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。(図3〜図5参照。)
もちろん、電子端末のディスプレー上に「秘密情報」S2を表示するものであってもよい。
感熱発色材料としては、発色剤、顕色剤、及び、増感剤からなる系を用いることができ、発色剤としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、クリスタルバイオレットラクトン等のフタリド化合物等、顕色剤としては、4−4´ビフェノール、1−ナフトール等の酸など、さらに、増感剤としては、4−ベンジルビフェニル、フルオレン等を用いる。
(スクラッチ隠蔽層、及び地紋印刷)
本発明のスクラッチラベルH1、または、H2のスクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、体積ホログラム形成層2の上にスクラッチ隠蔽層1を設ける際に、その体積ホログラム形成層2の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
もちろん、スクラッチラベルH1、または、H2を形成した後の、そのスクラッチ隠蔽層1上に改めて、同様の印刷方式を用いて地紋印刷5を設けてもよい。
また、本発明のスクラッチラベルH1、または、H2において、スクラッチ隠蔽層1の体積ホログラム形成層2から「はみ出す部分」がある場合には(図示せず。)、その「はみ出す部分」については、特にスクラッチオフ適正を持たせる必要がないため、シート基材S1の上に強固に粘着させて、スクラッチ隠蔽層1のスクラッチオフの際に、シート基材S1上に残る部分として設計してよい。
(体積ホログラム形成層、屈折率変化領域、及び、黒色層)
適宜な剥離性フィルム上に設けた、または、適宜な剥離性フィルム上に設けてある地紋印刷5の上に設けた、スクラッチ隠蔽層1のその全面、もしくは、その一部に、体積ホログラム形成層2を設ける。(図1、または、図2参照。図1、または、図2には、スクラッチ隠蔽層1の全面に、体積ホログラム形成層2を設けた例を図示している。適宜な剥離性フィルムは図示していない。)
本発明のスクラッチラベルH1、または、H2の体積ホログラム形成層2には、各種の透明な材料又は、透明なフィルムが用いられる。
〔アクリレート及びアルファーアルキルアクリレートエステル、例えば、ポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル、〕、〔ポリビニルエステル、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル;エチレン/酢酸ビニル共重合体〕、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジェン及びイソプレン重合体及び共重合体、エポキシ化物、例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物、〔ポリアミド、例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアシツクアミド〕、〔セルロースエステル、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート〕、〔セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、並びにエチルセルロース〕、ポリカーボネート等、並びに、〔ポリビニルアセタール、例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール〕等。
以下に、その方法を説明する。
また反射型ホログラムの場合には、参照光を用いずとも、その波長選択性により、所定の波長でのみ再生された「物体」の像、すなわち反射型ホログラム再生像を視認することができる。この場合の「再生角度」も同様である。
ホログラムとしては、レーザー再生ホログラム、白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子、複合回折格子で構成されるホログラムなどを、適宜、記録することができる。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し、「秘密情報」S2として、もしくは、「秘密情報」S2の一部構成情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。(図示せず。)
体積ホログラムは、「上記のようにして記録した体積ホログラム形成層2(単独の層。)」上に、「まだ体積ホログラムを記録していない体積ホログラム形成層2と、スクラッチ隠蔽層1、さらには、適宜な剥離性フィルムの積層体」のその体積ホログラム形成層2面上に、「単独の層である記録済み体積ホログラム形成層2」を密着させて重ねたものに(インデックスマッチング液等をその間に挿入してもよい。)、その「記録済み体積ホログラム形成層2」側から、適宜なレーザー光を照射する方法により、大量に複製することができる。(図示せず。)
この体積ホログラム形成層2内に、上記した手段を用いて、「所定パターン表示領域」として、上記した「所定パターン」を表示可能なように、「屈折率変化領域N1」を記録する。(図1、または、図2参照。図1、及び、図2において、「所定パターン」そのものは、表示していない。また、「結像光学系」も図示していない。)
このとき、その「屈折率変化領域N1」、すなわち、「『所定パターン』表示領域」として記録された「屈折率変化領域N1」を、体積ホログラム形成層2の形成面に垂直上方から観察した際に、視認できる「パターン」が「所定パターン」表示となる。
本発明のスクラッチラベルH2の体積ホログラム形成層2の背面に、すなわち、体積ホログラム形成層2と粘着層3の間(「秘密情報」S2形成部に対応する位置を除く。逆に、本発明のスクラッチラベルH2を、シート基材S1上に貼着する際には、この『黒色層4を設けていない位置』に、そのシート基材S1上の「秘密情報」S2を併せるように貼着する必要がある。)の所定の位置に、黒色層4を設ける。(図2参照。図2においては、便宜的に、黒色層4を体積ホログラム形成層2の全面に設けた図を示している。)
ここで、黒色層4は、部分的、且つ、離散的に複数形成してもよい。そして、この黒色層4のパターンによって、何らかのデザインを表すものとしてもよい。(図示せず。)
黒色層4は、微粒子カーボンブラックや、超微粒子カーボンブラック、その他の炭素系黒色顔料や酸化物系黒色顔料の微粒子や超微粒子、さらには、含金属黒色染料(金属錯塩染料)等を、含有率で20〜70質量%として、透明樹脂、例えば、熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等に2次凝集を少なくするように、ガラスビーズやスチールビーズを用いたボールミル、ニーダー、ロールミル等による混練りを十分行い、溶剤等で粘度調整をして、グラビア方式、オフセット方式、シルクスクリーン方式、カーテンコート方式、ノズルコート方式、インクジェット方式さらには、フレキソ印刷方式を適宜用いて均一な厚さに形成することができる。(図示せず。)
この場合、体積ホログラム形成層2との密着性の高いものを選定する。
また、スクラッチ隠蔽層1、及び/または、体積ホログラム形成層2の上に、さらには、黒色層4の上に、この地紋印刷5以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
そして、この地紋印刷5を、スクラッチ隠蔽層1上、及び、スクラッチ隠蔽層1と体積ホログラム形成層2との間、の両方に設け、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層1の上下で、位置を異ならせたり、同一としたりすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。(図示せず。)
(粘着層)
本発明のスクラッチラベルH1、または、H2において、体積ホログラム形成層2の上に、または、黒色層4の上に、粘着層3を設ける。(図1、または、図2参照。)
ここで、粘着層3としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着層3の粘着力は、体積ホログラム形成層2、もしくは、黒色層4と粘着層3との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
この場合、粘着層3である「高屈折率樹脂層」の屈折率を、体積ホログラム形成層2の屈折率よりも、0.3以上、大きくなるように設計する。さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるようにするとより好適である。
このとき、シート基材S1上の所定の位置に、「秘密情報」S2として、連続数字1〜8が印字されており(図4参照。図4には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」S2を覆うように、粘着層3、体積ホログラム形成層2、もしくは、黒色層4と体積ホログラム形成層2、及び、スクラッチ隠蔽層1からなる、本発明のスクラッチラベルH1、または、H2が貼着している。
いずれの場合も、目視では、スクラッチ隠蔽層1で覆われた「秘密情報」S2、さらには、体積ホログラム形成層2を、視認することはできず、これらの層を、爪等で破断なくきれいに剥がすことは、到底、不可能であると思われた。
(実施例1)
スクラッチシートSS1用のシート基材S1として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、インクジェットプリンターにて、シート基材S1の所定の領域に、「秘密情報」S2として、「12345678」の番号(各「数字」文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した。(図4参照。)
これとは別に、表面をフッ素樹脂にて離形処理し、且つ、粗面化処理を施した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(表面粗さを3μm〜10μmとした「剥離性フィルム」。)上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層1を30μmの厚さで形成した。(図1参照。「剥離性フィルム」は図示せず。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の比較的高い(平均表面粗さRaが0.5μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とした。(図1参照。「剥離性フィルム」は図示せず。)
ここで、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上に、膜厚20μmのフォトポリマー(「体積ホログラム形成層2」となる層。)が積層され、その上に保護フィルムとして、厚さ23μmポリエチレンテレフタレートフイルムが積層されたフォトポリマーフィルム(デュポン社製「HRF705」)を用い、反射型体積ホログラムとして、クリプトンレーザー(発光波長647nm)を光源とし、所定の反射型体積ホログラム撮影光学系(図示せず。)を用いて、10mm×25mmサイズの「絵画モチーフ」を反射型体積ホログラムとして、その結像位置を、記録面から2mmの位置として撮影した。
そして、その積層体1の体積ホログラム形成層2の上に、下記組成の粘着層3用粘着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、粘着層3を30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<粘着層3用粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
イソホロンジイソシアネート 0.1質量部
トルエン 10質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
酢酸ビニル 30質量部
エチルセルソルブ 10質量部
この「剥離性フィルム、スクラッチ隠蔽層1、体積ホログラム形成層2、及び粘着層3」の積層体2を、「絵画モチーフ」に沿って、タテ15mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の第1実施例のスクラッチラベルH1を得た。(図1参照。)
このスクラッチラベルH1を、最初に準備してあった、スクラッチシートSS1用のシート基材S1の上の所定の位置に(図4の枠の位置。)、そのシート基材S1の上に印字してある「秘密情報」S2形成部を覆うように、貼着して、スクラッチシートSS1とした。(図3参照。図3において、「H1、H2」は、「H1」と、そして、「2〜3、4」は、「2〜3」となる。)
このスクラッチシートSS1を観察したところ、シート基材S1上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及び、その中に形成されている、「秘密情報」S2や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。
(実施例2)
実施例1において、適宜な剥離性フィルム(厚さ38μの表面離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、一旦、スクラッチ隠蔽層1を形成し、その露出面と、その剥離性フィルムを、厚さ3mmのステンレス板2枚(その表面に適宜な樹脂コートを施して、平均表面粗さRaで、0.1μmとし、「光学的な鏡面」に仕上げたもの。)の間に挟み込み、その両側から、200℃、109Paでの加熱及び加圧をする平板プレス処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の露出面を「光学的な鏡面」とし、この露出面を、実施例1と同様にして、体積ホログラム形成層2の表面に接するようにラミネートし、粘着層3を設けて、その「適宜な剥離性フィルム」を剥離し、同様にカットして、スクラッチ隠蔽層1、体積ホログラム形成層2、及び粘着層3からなる、本発明の実施例2のスクラッチラベルH1を得た。
そして、このスクラッチラベルH1を、実施例1と同様にして準備した、実施例2のスクラッチシートSS1用のシート基材S1の上の所定の位置に、そのシート基材S1の上に印字してある「秘密情報」S2形成部を覆うように、貼着して、実施例2のスクラッチシートSS1とした。(図3参照。)
このスクラッチシートSS1を、実施例1と同様に評価したところ、体積ホログラム形成層2による反射型体積ホログラム再生像「絵画モチーフ」がより鮮明に観察でき(図示せず。)、スクラッチラベルH1、さらには、スクラッチラベルH1を貼着したスクラッチシートSS1を偽造することは、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例3)
実施例1のスクラッチ隠蔽層1の体積ホログラム形成層2と接している面とは反対の面(スクラッチ隠蔽層1の露出している面)上に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷5を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例3のスクラッチラベルH1、及び、そのスクラッチラベルH1を貼着した実施例3のスクラッチシートSS1を得た。(図1及び図3〜図5参照。図1及び図3において、地紋印刷5は図示していない。図3において、「秘密情報」S2を覆う層は、「『2〜3、4』と『1』」でなく、「『2〜3』と『1、5』」となる。)このとき、昇華転写プリンターの印字部分、すなわち、地紋印刷5の部分はスクラッチ隠蔽層1に浸透しており、スクラッチ隠蔽層1の最表面と、地紋印刷5の表面は同一面を形成している。
(実施例4)
実施例1において、黒色層4として、下記組成の黒色層4用インキ組成物を用いて、体積ホログラム形成層2上に、スクリーン印刷方式を用いて、乾燥後の厚さ10μmでその全面に形成し(但し、シート基材S1に貼着する際に、「秘密情報」S2形成部の位置に当たる領域は、除いて形成した。すなわち、各「数字」文字のサイズ「高さ4mm、幅2mm」とその「位置間隔」に合わせた「開口部」を設けた。)、さらに、その上に、粘着層3を実施例1と同様にして設け、「スクラッチ隠蔽層1、体積ホログラム形成層2、黒色層4(一部「開口部」あり。)、及び粘着層3」の積層体3を形成して、本発明の実施例4のスクラッチラベルH2を作製したこと、及び、そのスクラッチラベルH2を、シート基材S1に貼着する際に、「秘密情報」S2形成部の各「数字」文字の位置と、黒色層4の「開口部」の位置が、同一となるように、位置合わせして、実施例4のスクラッチシートSS1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例4のスクラッチラベルH2、及び、そのスクラッチラベルH2を貼着したスクラッチシートSS1を得た。(図2、及び、図3参照。図3において、「H1、H2」は、「H2」となる。)
<黒色層4用インキ組成物>
ウレタン樹脂 25部
カーボンブラック 20部
トルエン 15部
イソプロピルアルコール 15部
ブチルセルソルブ 25部
この実施例4のスクラッチラベルH2、及び、実施例4のスクラッチシートSS1を、実施例1と同様に評価したところ、体積ホログラム形成層2による反射型体積ホログラム再生像「絵画モチーフ」が非常に鮮明に観察でき、このスクラッチラベルH2、及び、スクラッチラベルH2を貼着したスクラッチシートSS1を偽造することは、非常に困難と思われたこと以外は実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層1を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のスクラッチラベルH1、及び、そのスクラッチラベルH1を貼着した実施例5のスクラッチシートSS1を得た。(図1及び図3参照。図3において、「H1、H2」は、「H1」と、そして、「2〜3、4」は、「2〜3」となる。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチラベルH1、及び、スクラッチシートSS1を、実施例1と同様に評価し、さらに、その「銀色のラベル」を不正に剥がす試みとして、シート基材S1を90度近く湾曲させたところ、スクラッチ隠蔽層1のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」状のシワが発生し、そのシワがシート基材S1を再び平らな状態に戻しても消えず(さらに、シワが発生した部分に、一部、裂け目まで発生。)、固定化してしまったことから、このスクラッチラベルH1、及び、スクラッチシートSS1の偽造が、非常に困難であると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例6)
実施例1において、体積ホログラム形成層2には、あらかじめ「屈折率変化領域N1」を記録せず、且つ、体積ホログラム形成層2の厚さを50μmとして、本発明の実施例1のスクラッチラベルH1を作製し、実施例1のシート基材S1上の所定の位置に貼着して、実施例1のスクラッチシートSS1を作製した(体積ホログラム形成層2には、「屈折率変化領域N1」は記録されていない。)。
このスクラッチラベルH1、及び、スクラッチシートSS1を、実施例1と同様に評価したところ、スクラッチ隠蔽層1をスクラッチオフした際には、「屈折率変化領域N1」の「所定パターン」表示である、「『縦2mm×横10mmの2次元平面領域』の一部」が併せて視認できたこと、以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(比較例)
実施例1において、体積ホログラム形成層2を設けず、スクラッチラベル、及び、スクラッチシートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチラベル、及び、スクラッチシートを得た。
SS1 スクラッチシート
S1 シート基材
S2 「秘密情報」
N1 屈折率変化領域
1 スクラッチ隠蔽層
2 体積ホログラム形成層
3 粘着層
4 黒色層
5 地紋印刷
Claims (4)
- シート基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含むスクラッチ隠蔽層、体積ホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、
前記体積ホログラム形成層に、屈折率変化領域として記録された所定パターン表示領域が含まれており、
且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、前記屈折率変化領域として記録された前記所定パターン表示領域、及び、前記体積ホログラム形成層から再生される体積ホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベル。 - 前記スクラッチ隠蔽層と前記体積ホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチラベル。
- 前記スクラッチ隠蔽層の前記体積ホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチラベル。
- 請求項1〜3の何れかに記載のスクラッチラベルにおいて、前記体積ホログラム形成層に記録された前記屈折率変化領域が、
前記スクラッチラベルを、前記シート基材上に設けられた前記秘密情報を覆うように、前記シート基材上に貼着した後に、結像光学系を用いて設けられることを特徴とするスクラッチラベル。
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