JP2583659Y2 - スクラッチオフくじ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、剥離層を削り取ってく
じマークを見るスクラッチオフくじに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、スクラッチオフくじとしては、図
３に示すようなものが知られている。このスクラッチオ
フくじは、例えばカード形の用紙１の表面に複数のくじ
マーク２を印刷し、この用紙１のくじマーク印刷領域に
透明な保護膜３を形成するとともに、この保護膜３の上
に各くじマーク２をそれぞれ覆い隠す剥離層４を設けた
もので、上記保護膜３は一般に透明ニスを塗布して形成
され、また剥離層４は一般に銀インキをスクリーン印刷
して形成されている。

【０００３】このスクラッチオフくじは、各くじマーク
２を覆い隠している剥離層４をコイン等によって削り取
り、透明な保護膜３をとして見えるくじマーク２を読み
とって当たり、外れを知るもので、このスクラッチオフ
くじには、２つのくじマークを表出させて両方のマーク
が一致したときに当たりとするものや、くじマーク自体
が当たり，外れのマークであるもの等、種々のタイプの
ものがある。

【０００４】

【考案が解決しようとしする課題】しかしながら、上記
従来のスクラッチオフくじは、その裏面から強い光Ａを
当てると、用紙１面に印刷されているくじマーク２の影
が剥離層４を透かして見えるために、当たりとなるくじ
マークがどこにあるのかを不正に読み取られてしまうと
いう問題を持っていた。なお、くじマーク２の色を黄色
等の淡色とすれば、剥離層４を透かして見えるくじマー
ク２の影が薄くなるが、これだけでは、くじマーク２の
不正な読み取りを完全に防ぐことは出来なかった。

【０００５】本考案は上記のような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、くじマーク
が不正に読み取られたり、改ざんされるのを確実に防止
することが出来るセキュリティ性の高いスクラッチオフ
くじを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的達成のため、本
考案は、くじマークがホログラムから成るスクラッチオ
フくじを提供する。以下、図面を参照して本考案を説明
する。図１及び図２は本考案に係るスクラッチオフくじ
の断面図である。

【０００７】すなわち、本考案に係るスクラッチオフく
じは、用紙１、表面にホログラムを形成した樹脂層５、
剥離層４からなる。

【０００８】用紙１は通常のカード紙、板紙などが使用
出来るが、塩化ビニル，ポリエステル等のプラスチック
シートであっても良い。

【０００９】また、本考案に用いるホログラムは、レリ
ーフ型、リップマン型いずれでも良いが、大量複製が可
能というの点でレリーフ型が好ましい。なお、レリーフ
型ホログラムを用紙上に形成する際は下記のような層構
成となる。

【００１０】樹脂層５は、その表面にくじマークとして
レリーフ型ホログラムを構成する凹凸を形成するもの
で、凹凸が形成し易いものが好ましく、例えば、塩化ビ
ニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、等が使
用できる。

【００１１】樹脂層５にホログラムの凹凸を形成する方
法は公知である。すなわち、樹脂層５に予め作成したホ
ログラムスタンパを重ね、押圧して樹脂層５にスタンパ
の凹凸を形成させれば良い。

【００１２】また、樹脂層５の表面に形成したホログラ
ムをより明るく見やすいものとすべく、図２に示したよ
うに反射性薄膜層６を設け、更に、その表面に保護層３
を形成するのも有効である。

【００１３】反射性薄膜層６は、樹脂層５の凹凸に沿っ
て形成される必要がある。反射性薄膜としてはアルミニ
ウム、錫、ニッケル、銅、金、銀、ＺｎＳ、ＴｉＯ、Ｓ
ｉＯ等が使用でき、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の方法によって設けることが出
来る。厚みは１００〜１０００Åで良い。

【００１４】保護層３は反射性薄膜層６を保護する為の
ものであり、ポリエステル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニ
ル共重合樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレンウ
レタン樹脂等、またアクリレート系モノマー、オリゴマ
ーから成る紫外線硬化型樹脂に、ポリエチレンワック
ス、シリコン等の滑剤を添加して成るコーティング剤
を、塗布形成して成るものである。

【００１５】また、くじマークとしてレリーフ型ホログ
ラムを設ける方法として、予め公知の手法にて作成した
ホログラム転写箔を用紙１に転写して形成することも可
能である。

【００１６】剥離層４は樹脂層５或いは、保護層３の上
にレリーフ型ホログラムから成るくじマークに対応させ
て形成し、くじマークを隠ぺいしまた、スクラッチオフ
くじとして爪やコインで擦って剥離できる樹脂層であ
る。

【００１７】この剥離層４は、例えば銀インキのスクリ
ーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷により、くじ
マークをそれよりも広く覆うパターンに形成されてい
る。そしてこの剥離層４のパターンは同一パターンとさ
れている。

【００１８】また、更に剥離層４として特開昭６１−１
８５５００号で示されているような熱転写箔をホットス
タンプして形成することも可能である。

【００１９】

【作用】すなわち、本考案によるスクラッチオフくじ
は、剥離層を削り取ることにより、ホログラムより成る
くじマークが確認出来るものであり、ホログラムは印刷
によるマークと異なり、わずかの遮蔽層の存在によって
もそのパターンは判別が出来ず、強い光を当てても濃度
差が出来ない為に、くじマークが不正に読み取られるこ
とを確実に防止することが出来る。

【００２０】

【実施例】以下に本考案のスクラッチオフくじの実施例
を述べる。なお、材料、層構成は下記に限定されるもの
ではない。

【００２１】〔実施例１〕 ２５０ｇ／ｍ² の厚紙の片面に下記に示す樹脂組成から
なるコーティング剤をロールコートにて塗布乾燥させて
２μｍ厚の樹脂層を形成した。

【００２２】 ・アクリルポリオール ２５．０重量％ （メチルメタクリレート／２ーヒドロキシエチルメタクリレート共重合体） ・ニトロセルロース ５．０重量％ ・キシレンジイソシアネート ５．０重量％ ・トルエン ３５．０重量％ ・メチルエチルケトン ３０．０重量％

【００２３】次に「当たり」の文字パターンを形成した
ホログラムスタンパーを樹脂層表面に重ね、１３０℃、
４０Ｋｇ／ｃｍ² の条件で加熱加圧して樹脂層にホログ
ラムの凹凸を形成した、そして、この文字パターンに対
応した部分を覆い隠すように銀インキをシルクスクリー
ン印刷にて７μｍ厚に塗布形成してスクラッチオフくじ
を作成した。

【００２４】〔実施例２〕 実施例１で作成した用紙上に、ホログラムから成る文字
パターンを形成した樹脂層の上にアルミニウムを５００
Å厚に蒸着し、次にアクリレート系の紫外線硬化樹脂を
オフセット印刷にて塗布し保護層を設け、その上に実施
例１と同様にして銀インキを塗布し剥離層を形成しスク
ラッチオフくじを得た。

【００２５】〔実施例３〕 実施例１で作成した用紙上に、ホログラムから成る文字
パターンを形成した樹脂層の上にＺｎＳを８００Å厚に
蒸着し、次にアクリレート系の紫外線硬化樹脂をオフセ
ット印刷にて塗布し保護層を設け、その上に実施例１と
同様にして銀インキを塗布し剥離層を形成しスクラッチ
オフくじを得た。

【００２６】以上の実施例１〜３で作成したスクラッチ
くじを裏面、表面両方向から２００ワットのサーチライ
トの光ににて透かして文字マークを判別しようとした
が、全く不可能であった。

【００２７】また、剥離層をコインにて削り取ったとこ
ろ、虹色に光るくじマークを見ることが出来た。

【００２８】

【考案の効果】本考案のスクラッチオフくじは、くじマ
ークがホログラムから成る為に、くじマークが不正に読
み取られるのを完全に防止でき、しかも、一般のインキ
による印刷と異なり、ホログラムは作成自体が高度の技
術を必要とする為に、改ざんすることは困難であり、セ
キュリティ性の高いスクラッチオフくじを得ることがで
きる。

【００２９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すスクラッチオフくじの
断面図である。

【図２】本考案の一実施例を示すスクラッチオフくじの
断面図である。

【図３】従来のスクラッチオフくじの断面図である。

【符号の説明】

１ 用紙 ２ くじマーク ３ 保護膜 ４ 剥離層 ５ 樹脂層 ６ 反射性薄膜層

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】剥離層を削り取ってくじマークを見るスク
   ラッチオフくじにおいて、前記くじマークがホログラム
   から成ることを特徴とするスクラッチオフくじ。
2. 【請求項２】前記ホログラムがレリーフ型ホログラムで
   あることを特徴とする請求項１記載のスクラッチオフく
   じ。