JP6421439B2 - 未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置 - Google Patents

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Description

本発明は、未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置に関する。
従来より、成型ドラムに未加硫ゴム帯状部材の貼り付けた円筒状のゴム製品を製造する方法が知られている(特許文献1〜3参照)。
この製造方法では、成形ドラムの支軸を架台で支持し、成形ドラムの円筒部に未加硫ゴム帯状部材を手作業で貼り付ける。
円筒部に貼り付ける未加硫ゴム帯状部材は、原反から繰り出された帯状部材を所定長さで切断したものである。帯状部材の円筒部への貼り付けは、帯状部材を帯状部材の幅方向の端部が一定のラップ量で重なり合うように成形ドラムの円筒部の周方向に巻き付けることで行なわれる。
このように一定のラップ量をもって帯状部材の幅方向の端部を重ね合わせることで加硫後の製品強度を確保している。
特開昭60−148940号公報 特開2013−244660号公報 特開2012−57716号公報
しかしながら、帯状部材は未加硫ゴム製であり、その幅方向の寸法はばらつきを有しているので、手作業によりラップ量を一定に制御するには限界があった。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、その目的は、成形ドラムへの帯状部材の巻き付けに際して隣接する帯状部材のラップ量のばらつきを抑制し、加硫後の製品強度を確保し、耐久性の向上を図る上で有利な未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、所定の長さに切断された複数の未加硫ゴム帯状部材の幅方向の端部が一定のラップ量で重なり合うように、前記未加硫ゴム帯状部材を1枚ずつ成形ドラムの円筒部の周方向に巻き付ける未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置であって、前記成形ドラムを回転させる回転駆動部と、前記円筒部の筒軸方向と交差する方向に延在し前記未加硫ゴム帯状部材を前記円筒部に向けて搬送させるコンベアと、前記未加硫ゴム帯状部材と前記円筒部の外周面とを圧接、離間させる圧接離間用移動部と、前記円筒部の回転角度位置を示す回転位置情報を検出する回転位置検出部と、前記コンベアによる前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の移動量を検出する測長部と、前記未加硫ゴム帯状部材を前記円筒部に巻き付ける前に、前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端および他端の位置をそれぞれ検出する端部検出部と、前記測長部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の移動量と、前記端部検出部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の位置とに基づいて、前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の位置に対応付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の位置の情報である端部位置情報を生成する端部位置情報生成部と、前記測長部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の移動量と、前記端部検出部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の位置および他端の位置とに基づいて、前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の位置に対応付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の寸法の情報である第1の幅寸法情報を生成する第1の幅寸法情報生成部と、前記回転位置検出部で検出された前記回転位置情報と、前記第1の幅寸法情報生成部で生成された前記第1の幅寸法情報とに基づいて、前記成形ドラムの円筒部の回転位置に対応付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の寸法の情報である第2の幅寸法情報を生成する第2の幅寸法情報生成部と、前記圧接離間用移動部により前記未加硫ゴム帯状部材と前記円筒部の外周面とを圧接する前に、前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における相対的な位置を変位させる変位部と、前記未加硫ゴム帯状部材を円筒部に最初に巻き付けるに際して、前記端部位置情報に基づいて、前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端が前記円筒部の外周面に沿って延在する予め定められた巻き付け予定線に合致するように、前記変位部により前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における位置を制御し、前記未加硫ゴム帯状部材を円筒部に2番目以降に巻き付けるに際して、前記円筒部に既に巻き付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の前記第2の幅寸法情報に基づいて、ラップ量が一定となるように、前記変位部により前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における位置を制御する変位量制御部とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記変位部は、前記未加硫ゴム帯状部材の搬送方向において前記コンベアの上流側に配置され、前記未加硫ゴム帯状部材を導入して前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における位置を変位させる蛇行修正装置で構成されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、未加硫ゴム帯状部材を成形ドラムの円筒部に最初に巻き付けるに際して、未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の端部位置情報に基づいて、未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端が円筒部の外周面に沿って延在する予め定められた巻き付け予定線に合致するように未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の円筒部の筒軸方向における位置を制御する。また、未加硫ゴム帯状部材を円筒部に2番目以降に巻き付けるに際して、円筒部に巻き付けられた未加硫ゴム帯状部材の幅方向の寸法の情報である第2の幅寸法情報に基づいて、ラップ量が一定となるように、未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の円筒部の筒軸方向における位置を制御する。したがって、隣り合う未加硫ゴム帯状部材のラップ量のばらつきを抑制することができ、加硫後のゴム製品強度を確保し、耐久性の向上を図る上で有利となる。また、未加硫ゴム帯状部材の幅方向における寸法精度を緩和することができるため、未加硫ゴム帯状部材のコストを抑制できゴム製品の低コスト化を図る上でも有利となる。
請求項2記載の発明によれば、変位部の構成の簡素化を図れ、巻き付け装置の小型化を図る上で有利となる。
実施の形態に係る未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置の構成を示す説明図である。 測長部の構成を示す平面図である。 実施の形態に係る未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置の制御系の構成を示すブロック図である。 未加硫ゴム帯状部材(内層ゴム用の未加硫ゴムシート)を成形ドラムの円筒部の外周面に巻き付ける工程の説明図である。 (A)は1枚目の未加硫ゴム帯状部材が成形ドラムの円筒部の外周面に巻き付けられた状態を示す説明図、(B)は1枚目の未加硫ゴム帯状部材の他端に2枚目の未加硫ゴム帯状部材の一端がラップ量ΔLをもって重ね合わされて成形ドラムの円筒部の外周面に巻き付けられた状態を示す説明図である。 成形ドラムの円筒部の円筒部の回転角度位置と第1の幅寸法情報とが対応付けられた第2の幅寸法情報の一例を示す説明図である。 (A)、(B)は未加硫ゴム帯状部材(繊維補強した未加硫ゴムシート)を成形ドラムの円筒部の外周面に巻き付ける工程の説明図である。
次に、本発明の未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置について図面を参照して説明する。
図1、図3に示すように、未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置10は、成形ドラム12と、成形ドラム12を回転可能に支持する支持装置14と、回転位置検出部16と、コンベア18と、蛇行修正装置20と、測長部22と、端部検出部24と、制御部26とを含んで構成されている。
成形ドラム12は、円筒状ゴム製品成形用で、図1、図4に示すように、円筒部1202と、円筒部1202の端部から突設された支軸1206とを有し、支軸1206は支持装置14の架台1402で回転可能にかつ昇降可能に支持されている。
図3に示すように、架台1402の内部には、支軸1206を介して円筒部1202を回転させる回転駆動部28と、支軸1206を昇降させる昇降駆動部30と、架台1402と共に成形ドラム12をその筒軸方向に沿って前進または後退させる架台移動部32とが設けられている。
本実施の形態では、昇降駆動部30は、未加硫ゴム帯状部材2と円筒部1202の外周面とを圧接、離間させる圧接離間用移動部を構成している。
回転位置検出部16は、成形ドラム12の円筒部1202の回転角度位置を示す回転位置情報を検出するものである。回転位置検出部16として、支軸1206の回転角度を検出する回転エンコーダなど従来公知の様々なセンサが使用可能である。
図1に示すように、コンベア18は、成形ドラム12の下方の床上に配置されている。
コンベア18は、載置された未加硫ゴム帯状部材2を搬送するコンベアベルト1802を備えている。
また、平面視した状態で、コンベア18は、その長手方向を成形ドラム12の筒軸方向に対して直交する方向に延在する位置と、その長手方向を成形ドラム12の筒軸方向に対して90度よりも小さい角度で交差する方向に延在する位置との間で移動可能に構成されている。
蛇行修正装置20は、コンベア18の上方に配置され、原反から繰り出され不図示の切断装置によって一定の長さで切断された未加硫ゴム帯状部材2を導入して、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の位置を変位させるものである。
本実施の形態では、蛇行修正装置20は、一対の蛇行修正ローラ2002と、ローラ支持部2004と、ローラ移動部2006とを含んで構成されている。
一対の蛇行修正ローラ2002は、前記切断装置から鉛直方向下方に向かって供給される未加硫ゴム帯状部材2をその厚さ方向で挟持するものであり、各ローラ2002の軸線は、互いに平行し、未加硫ゴム帯状部材2の厚さ方向から見て未加硫ゴム帯状部材2の長手方向と直交している。
ローラ支持部2004は、一対の蛇行修正ローラ2002を回転可能に支持するとともに、その軸線方向に、すなわち未加硫ゴム帯状部材2の幅方向に一対の蛇行修正ローラ2002を移動可能に支持するものである。
ローラ移動部2006は、ローラ支持部2004を未加硫ゴム帯状部材2の幅方向に変位させるアクチュエータで構成されている。このようなアクチュエータとして、電気シリンダなどの従来公知の様々なアクチュエータが使用可能である。
本実施の形態では、蛇行修正装置20は、昇降駆動部30(圧接離間用移動部)により未加硫ゴム帯状部材2と円筒部1202の外周面とを圧接する前に、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2A(図4)の円筒部1202の筒軸方向における相対的な位置を変位させる変位部を構成している。
なお、本実施の形態では、蛇行修正装置20が一対の蛇行修正ローラ2002を用いるものである場合について説明したが、蛇行修正装置20として従来公知の様々な構成のものが使用可能である。
図1、図2に示すように、測長部22は、ガイドローラ2202と、エンコーダ2204とを備えている。
ガイドローラ2202は、未加硫ゴム帯状部材2を搬送する方向でコンベア18の上流側の直上箇所で蛇行修正装置20の下方に設けられている。
ガイドローラ2202は、蛇行修正装置20から供給される未加硫ゴム帯状部材2の進行方向を90度屈曲させて、コンベア18上に案内するものであり、未加硫ゴム帯状部材2の厚さ方向の一方の面に当接することで未加硫ゴム帯状部材2の移動に追従して回転するものである。
エンコーダ2204は、ガイドローラ2202の回転量に基づいて未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の移動量を検出するものである。
図2に示すように、端部検出部24は、未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202に巻き付ける前に、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aおよび他端2Bの位置をそれぞれ検出するものである。
本実施の形態では、端部検出部24は、未加硫ゴム帯状部材2の搬送方向においてガイドローラ2202の下流側に設けられ、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の両側の端部の上方にそれぞれ配置された二次元変位センサ2402によって構成されている。
それら二次元変位センサ2402は、未加硫ゴム帯状部材2の長手方向と直交する方向に延在する帯状のレーザー光を照射し、レーザー光の反射光に基づいて未加硫ゴム帯状部材2の幅方向における未加硫ゴム帯状部材2の両側の端部の位置をそれぞれ検出する。
図3に示すように、制御部26は、制御プログラムを実行するCPU、インタフェース部などがバスによって接続されたマイクロコンピュータによって構成されたものである。
インターフェース部には、コンベア18、回転駆動部28、昇降駆動部30、架台移動部32、ローラ移動部2006、エンコーダ2204、端部検出部24が接続されると共に、不図示のディスプレイなどの表示部、キーボードやマウスなどの入力部が接続されている。
CPUは、制御プログラムを実行することにより、コンベア18、回転駆動部28、昇降駆動部30、架台移動部32の制御を行なう。
また、CPUは、制御プログラムを実行することにより、端部位置情報生成部26Aと、第1の幅寸法情報生成部26Bと、第2の幅寸法情報生成部26Cと、変位量制御部26Dを実現するものである。
端部位置情報生成部26Aは、測長部22のエンコーダ2204で検出された未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の移動量と、端部検出部24で検出された未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの位置とに基づいて、未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の位置に対応付けられた未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの位置の情報である端部位置情報を生成するものである。
本実施の形態では、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aは、成形ドラム12に未加硫ゴム帯状部材2が巻き付けられた場合に、支軸1206と反対側に位置する側の未加硫ゴム帯状部材2の端部である。
第1の幅寸法情報生成部26Bは、測長部22のエンコーダ2204で検出された未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の移動量と、端部検出部24で検出された未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの位置および他端2Bの位置とに基づいて、未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の位置に対応付けられた未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の寸法の情報である第1の幅寸法情報を生成するものである。
第2の幅寸法情報生成部26Cは、回転位置検出部16で検出された回転位置情報と、第1の幅寸法情報生成部26Bで生成された第1の幅寸法情報とに基づいて、成形ドラム12の円筒部1202の回転位置に対応付けられた未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の寸法の情報である第2の幅寸法情報を生成するものである。
変位量制御部26Dは、未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202に最初に巻き付けるに際して、端部位置情報に基づいて、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが円筒部1202の外周面に沿って延在する予め定められた巻き付け予定線X(図4)に合致するように、蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の円筒部1202の筒軸方向における位置を制御するものである。
また、変位量制御部26Dは、未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202に2番目以降に巻き付けるに際して、第2の幅寸法情報に基づいて、ラップ量ΔL(図4)が一定となるように、蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を制御するものである。
次に、本発明に係る巻き付け装置10を用いた円筒部1202への未加硫ゴム帯状部材の貼り付けを行なう。
本実施の形態では、未加硫ゴム帯状部材2は、円筒部1202の軸方向の長さよりも短い幅の帯状の未加硫ゴムシートと、複数枚の繊維補強した未加硫ゴムシートとで構成され、それら未加硫ゴムシートを円筒部1202に巻き付けることにより円筒状ゴム製品を製造する場合について説明する。
まず、内層ゴム用の未加硫ゴムシートからなる1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けについて説明する。
予め、コンベア18は、平面視した状態で、その長手方向が成形ドラム12の筒軸方向と直交する方向に延在するように配置されている。
原反から繰り出された未加硫ゴム帯状部材2を不図示の切断装置で切断し、切断された1枚目の未加硫ゴム帯状部材2を鉛直方向下方に搬送し蛇行修正装置20とガイドローラ2202を介してコンベア18上に導く。
ガイドローラ2202が未加硫ゴム帯状部材2の搬送に追従し回転することにより、測長部22は、未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の移動量を検出する。
また、端部検出部24は、コンベア18上に供給される未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の両側の端部2A、2Bの位置を検出する。
端部位置情報生成部26Aは、測長部22から供給される未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の移動量と、端部検出部24から供給される未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の両側の端部2A、2Bの位置とに基づいて端部位置情報を生成する。
変位量制御部26Dは、端部位置情報生成部26Aから供給される端部位置情報に基づいて、コンベア18上に載置された未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが円筒部1202の外周面に沿って延在する巻き付け予定線Xに合致するように蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の円筒部1202の筒軸方向における位置を制御する。本実施の形態では、巻き付け予定線Xは、円筒部1202の長手方向の一端に対応している。
次に、コンベア18上に未加硫ゴム帯状部材2が載置された状態で、昇降駆動部30により成形ドラム12を下降させ、円筒部1202の外周面を未加硫ゴム帯状部材2の上面に圧接させ、回転駆動部28により成形ドラム12を回転させると共に、円筒部1202の回転速度に同期してコンベア18を搬送することで未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202の外周面に貼り付ける。
これにより、図4、図5(A)に示すように、1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが巻き付け予定線Xに合致するように円筒部1202の外周面に巻き付けられる。
また、第2の幅寸法情報生成部26Cは、回転位置検出部16から供給される成形ドラム12の円筒部1202の回転位置情報と、第1の幅寸法情報生成部26Bから供給される第1の幅寸法情報とに基づいて第2の幅寸法情報を生成する。
第2の幅寸法情報は、図6に例示するように、円筒部1202の回転位置(0°、60°、……300°)と1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の寸法(510mm、515mm、……511mm)とが対応付けられたものである。
1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の円筒部1202への巻き付けが終了したならば、昇降駆動部30により成形ドラム12を上昇させ、コンベア18上に載置される次の未加硫ゴム帯状部材2(2枚目の未加硫ゴム帯状部材2)が、既に1枚目の未加硫ゴム帯状部材2が巻き付けられた箇所の隣位の円筒部1202の箇所となるように、架台移動部32により架台1402と共に成形ドラム12を前進または後退させる。
次に、2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けについて説明する。
原反から繰り出された未加硫ゴム帯状部材2を切断し、切断された2枚目の未加硫ゴム帯状部材2を鉛直方向下方に搬送し蛇行修正装置20とガイドローラ2202を介してコンベア18上に導く。
1枚目の場合と同様に、測長部22は未加硫ゴム帯状部材2の長手方向の移動量を検出し、端部検出部24はコンベア18上に供給される未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の両側の端部2A、2Bの位置を検出する。
変位量制御部26Dは、第2の幅寸法情報生成部26Cから供給される、円筒部1202に既に巻き付けられた1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の第2の幅寸法情報に基づいて、ラップ量ΔLが一定となるように、蛇行修正装置20により2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置(2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの位置)を制御する。
次に、昇降駆動部30により成形ドラム12を下降させ、円筒部1202の外周面を未加硫ゴム帯状部材2の上面に圧接させ、円筒部1202の回転速度に同期してコンベア18を搬送することで未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202の外周面に貼り付ける。
回転駆動部28により成形ドラム12を回転させると共に、円筒部1202の回転速度に同期してコンベア18を搬送することで円筒部1202の外周面に巻き付けられる。
これにより、図4、図5(B)に示すように、2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の他端2Bにラップ量ΔLをもって重ねられた状態で円筒部1202の外周面に巻き付けられる。
なお、2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けがなされている際に、第2の幅寸法情報生成部26Cは、2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の第2の幅寸法情報を生成する。
2枚目の未加硫ゴム帯状部材2の円筒部1202への巻き付けが終了したならば、昇降駆動部30により成形ドラム12を上昇させ、コンベア18上に載置される次の未加硫ゴム帯状部材2(3枚目の未加硫ゴム帯状部材2)が、既に2枚目の未加硫ゴム帯状部材2が巻き付けられた箇所の隣位の円筒部1202の箇所となるように、架台用移動部28により架台1402と共に成形ドラム12を前進または後退させる。
以下、このような動作を繰り返して行なうことにより、図4に示すように、円筒部1202の外周面の全域に帯状の内層ゴム用の未加硫ゴムシートを巻き付ける。
次に、円筒部1202の外周面の全域に巻き付けられた内層ゴム用の未加硫ゴムシートからなる未加硫ゴム帯状部材2の全域に、複数枚の繊維補強した未加硫ゴムシートからなる未加硫ゴム帯状部材2を順に巻き付ける。
予め、コンベア18は、平面視した状態で、その長手方向が成形ドラム12の筒軸方向と90度よりも小さい角度φ、例えば、φ=50度で交差する方向に延在するように配置されており、成形ドラム12は、円筒部1202の外周面がコンベア18上の未加硫ゴム帯状部材2に圧接可能な箇所まで移動されている。
未加硫ゴム帯状部材2が繊維補強した未加硫ゴムシートで構成されている場合、図7(A)に示すように、変位量制御部26は、1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けに際して、端部位置情報に基づいてコンベア18上に載置された未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが円筒部1202の外周面に沿って延在する巻き付け予定線Xに合致するように蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を制御する。本実施の形態では、巻き付け予定線Xは、円筒部1202の外周面上で筒軸方向と平行する直線に対して上記角度φで交差する仮想線である。
次に、昇降駆動部30により成形ドラム12を下降させ、円筒部1202の外周面を未加硫ゴム帯状部材2の上面に圧接させ、円筒部1202の回転速度に同期してコンベア18を搬送することで未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202の外周面に貼り付ける。
そして、未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202に2番目以降に巻き付けるに際しても、変位量制御部26Dは、上記と同様に端部位置情報に基づいて未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが巻き付け予定線Xに合致するように蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の円筒部1202の筒軸方向における位置(未加硫ゴム帯状部材2の一端2Aの位置)を制御する。
したがって、未加硫ゴム帯状部材2が前述した内層ゴム用の未加硫ゴムシートで構成されている場合と異なり、変位量制御部26は、第2の幅寸法情報に基づく蛇行修正装置20による未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置の制御は行なわない。
これは、未加硫ゴム帯状部材2を構成する繊維補強した未加硫ゴムシートが繊維を含むことから、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の寸法のばらつきが無視でき、ラップ量ΔLのばらつきも許容範囲に収まるためである。
このようにして1層目の繊維補強した未加硫ゴムシートの巻き付けが終了したならば、コンベア18の角度を反転させ、その長手方向が成形ドラム12の筒軸方向と−φ=−50度の角度で交差する方向に延在するように配置し、成形ドラム12を円筒部1202の外周面がコンベア18上の未加硫ゴム帯状部材2に圧接可能な箇所まで移動させる。
すなわち、2層目の1枚目の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けに際して、図7(B)に示すように、変位量制御部26は、コンベア18上に載置された未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが円筒部1202の外周面に沿って延在する巻き付け予定線X′に合致するように蛇行修正装置20による未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を制御する。本実施の形態では、巻き付け予定線X′は、円筒部1202の外周面上に筒軸方向と平行する直線に対して上記角度−φで交差する直線である。
2層目における2枚目以降の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けは、1層目における2枚目以降の未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けと同様の手順で行われる。
そして、3層目以上は1層目と同様の手順で行われる。
本実施の形態では、繊維補強した未加硫ゴムシートからなる未加硫ゴム帯状部材2の巻き付けを2層にわたって行なう。
なお、繊維補強した未加硫ゴムシートからなる未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202に2番目以降に巻き付けるに際して、内層ゴム用の未加硫ゴムシートの巻き付けの場合と同様に、変位量制御部26が、第2の幅寸法情報に基づく蛇行修正装置20による未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置の制御を行っても良いことは無論である。
次に、巻き付けられた繊維補強した未加硫ゴムシートの表層部全域に外層ゴム用の未加硫ゴムシートからなる未加硫ゴム帯状部材2を巻き付ける。外層ゴム用の未加硫ゴムシートの巻き付けは、上述した内層ゴム用の未加硫ゴムシートの巻き付けの場合と同様の手順で行われる。
本実施の形態によれば、未加硫ゴム帯状部材2を成形ドラム12の円筒部1202に最初に巻き付けるに際して、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの端部位置情報に基づいて、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aが円筒部1202の外周面に沿って延在する予め定められた巻き付け予定線Xに合致するように、蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を制御する。また、未加硫ゴム帯状部材2を円筒部1202に2番目以降に巻き付けるに際して、円筒部1202に巻き付けられた未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の寸法の情報である第2の幅寸法情報に基づいて、ラップ量ΔLが一定となるように、蛇行修正装置20により未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を制御する。
したがって、隣り合う未加硫ゴム帯状部材2のラップ量ΔLのばらつきを抑制することができ、加硫後の製品強度を確保し、耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向のばらつきがあっても隣り合う未加硫ゴム帯状部材2のラップ量ΔLのばらつきを抑制することができるため、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向における寸法精度を緩和することができ、未加硫ゴム帯状部材2のコストを抑制でき製品の低コスト化を図る上でも有利となる。
また、本実施の形態では、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における相対的な位置を変位させる変位部として、未加硫ゴム帯状部材2の搬送方向においてコンベア18の上流側に配置され、未加硫ゴム帯状部材2を導入して未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの位置を変位させる蛇行修正装置20を用いたので、変位部の構成の簡素化を図れ、巻き付け装置10の小型化を図る上で有利となる。
なお、未加硫ゴム帯状部材2が載置されるコンベア18の成形ドラム12に対する位置を変位させるコンベア移動部を設け、このコンベア移動部により、未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を変位させる変位部を構成してもよい。
あるいは、成形ドラム12を当軸方向において前進または後退させる架台移動部32によって変位部を構成してもよい。
しかしながら、上記のコンベア移動部は、寸法、重量が大きなコンベア18を移動させるため、構造が複雑で大掛かりなものとなり、巻き取り装置10の大型化を招く不利がある。
また、架台移動部32は、成形ドラム12自体の重量が重いため、成形ドラム12の単位時間当たりの変位量を確保することが難しく、円筒部1202の回転速度に対応して未加硫ゴム帯状部材2の幅方向の一端2Aの円筒部1202の筒軸方向における位置を適切に変位させる上で不利がある。
2 未加硫ゴム帯状部材
2A 一端
2B 他端
10 巻き付け装置
12 成形ドラム
1202 円筒部
16 回転位置検出部
18 コンベア
20 蛇行修正装置(変位部)
22 測長部
24 端部検出部
26A 端部位置情報生成部
26B 第1の幅寸法情報生成部
26C 第2の幅寸法情報生成部
26D 変位量制御部
28 回転駆動部
30 昇降駆動部(圧接離間用移動部)

Claims (2)

  1. 所定の長さに切断された複数の未加硫ゴム帯状部材の幅方向の端部が一定のラップ量で重なり合うように、前記未加硫ゴム帯状部材を1枚ずつ成形ドラムの円筒部の周方向に巻き付ける未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置であって、
    前記成形ドラムを回転させる回転駆動部と、
    前記円筒部の筒軸方向と交差する方向に延在し前記未加硫ゴム帯状部材を前記円筒部に向けて搬送させるコンベアと、
    前記未加硫ゴム帯状部材と前記円筒部の外周面とを圧接、離間させる圧接離間用移動部と、
    前記円筒部の回転角度位置を示す回転位置情報を検出する回転位置検出部と、
    前記コンベアによる前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の移動量を検出する測長部と、
    前記未加硫ゴム帯状部材を前記円筒部に巻き付ける前に、前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端および他端の位置をそれぞれ検出する端部検出部と、
    前記測長部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の移動量と、前記端部検出部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の位置とに基づいて、前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の位置に対応付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の位置の情報である端部位置情報を生成する端部位置情報生成部と、
    前記測長部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の移動量と、前記端部検出部で検出された前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の位置および他端の位置とに基づいて、前記未加硫ゴム帯状部材の長手方向の位置に対応付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の寸法の情報である第1の幅寸法情報を生成する第1の幅寸法情報生成部と、
    前記回転位置検出部で検出された前記回転位置情報と、前記第1の幅寸法情報生成部で生成された前記第1の幅寸法情報とに基づいて、前記成形ドラムの円筒部の回転位置に対応付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の寸法の情報である第2の幅寸法情報を生成する第2の幅寸法情報生成部と、
    前記圧接離間用移動部により前記未加硫ゴム帯状部材と前記円筒部の外周面とを圧接する前に、前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における相対的な位置を変位させる変位部と、
    前記未加硫ゴム帯状部材を円筒部に最初に巻き付けるに際して、前記端部位置情報に基づいて、前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端が前記円筒部の外周面に沿って延在する予め定められた巻き付け予定線に合致するように、前記変位部により前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における位置を制御し、前記未加硫ゴム帯状部材を円筒部に2番目以降に巻き付けるに際して、前記円筒部に既に巻き付けられた前記未加硫ゴム帯状部材の前記第2の幅寸法情報に基づいて、ラップ量が一定となるように、前記変位部により前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における位置を制御する変位量制御部と、
    を備えることを特徴とする未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置。
  2. 前記変位部は、前記未加硫ゴム帯状部材の搬送方向において前記コンベアの上流側に配置され、前記未加硫ゴム帯状部材を導入して前記未加硫ゴム帯状部材の幅方向の一端の前記円筒部の筒軸方向における位置を変位させる蛇行修正装置で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の未加硫ゴム帯状部材の巻き付け装置。
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