JP6421367B2 - レンズユニット、撮像装置及び画像投影装置 - Google Patents
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Description
また、光軸に対して直交する面内、即ち撮像素子面に対して、平行にレンズを保持する可動部材を動かす(以後、この動きをシフトと呼ぶ)シフト動作を行うレンズユニットが知られている。(例えば特許文献2〜5など参照)
このようなシフト動作を行うレンズユニットを、カメラ等の撮像装置に用いることで、カメラ位置固定での撮影範囲の微調整や、鏡面被写体の撮影時のレンズ自体の写り込み防止、建築写真などでのパースペクティブをコントロールした撮影が可能となる。
また、このようなシフト動作を行うレンズユニットを、プロジェクタ等の画像投影装置に用いることで、使用者がプロジェクタの姿勢やスクリーンの位置を調整することなく、投射された画像を移動させることが可能となる。
ところで、画像投影装置において、ズーム動作により投影画角を調整したときには、スクリーン上での中心線の位置が変わり、プロジェクタの姿勢やスクリーンの位置を調整する必要がある。
また、撮像装置において、ズーム動作により撮影画角を調整したときには、広角側において被写体の遠近感が強調される、いわゆるパースペクティブ効果による遠近感強調が起こり、目視と異なる撮影画像が得られることにより違和感が生じる。
しかしながら、単にシフト動作とズーム動作とを各々独立した機構で実現するのみでは、ズーム機構の光学設計に応じてシフト動作による移動量を制御する手段が別途必要となり、部品点数の増加や、制御の複雑化を招くおそれがある。
また、光軸方向の動作であるズーム動作と、光軸に対して垂直方向の動作であるシフト動作とを組み合わせて行うには、動作軸が異なるために、駆動源を複数用いるか、かさ歯車などの動作方向を変える部材が必要となり、さらに部品点数の増加を招くおそれがある。
画像投影装置100は、光束を射出する光源101と、投射すべき平面画像を画像情報として表示して、光束を変調する空間光変調素子102と、光源からの光を折り返して空間光変調素子102に照射して光像を生成する照明部103と、を有している。
画像投影装置100はまた、画像を投影面104に投影するための投影光学系たるレンズユニット200と、投影面104に投影するべき画像を表示するために空間光変調素子102を制御する制御部109と、を有している。
照明部103は、かかる構成により、照射された光速を波長に応じて反射あるいは透過して光路を選択するための光路選択手段としての機能を有する。
ここで、入射光の光軸方向たる光軸の進行方向をZ軸、光軸方向に垂直なラジアル方向のうち、ここでは鉛直方向をY軸と定め、Z軸およびY軸にそれぞれ垂直な方向をX軸と定める。なお、X軸、Y軸、Z軸それぞれの方向について、図2に示す矢印の方向をそれぞれ正方向と定める。
また、Z軸に垂直な平面において、図2に示した矢印の方向を正として、光軸の周りを回転する方向をR方向と定める。
レンズユニット200は、レンズを支持するための鏡筒11と、鏡筒11をR方向へ回転させることでレンズをZ軸方向へ移動させるズーム機構21と、R方向への回転運動に連動して鏡筒11をY軸方向に移動させるレンズシフト機構3と、を有している。
レンズユニット200はまた、鏡筒11を回転可能に支持する支持部としての不動部41と、不動部41によってR方向に回転可能に、かつY方向に鏡筒11とともに移動可能に支持された回転部31と、を有している。
レンズユニット200はまた、図3に示すように、鏡筒11をY軸正方向に付勢する弾性部材18を有している。
鏡筒11はまた、回転部31にZ軸方向に貫通すなわち挿通して支持される円筒状のレンズ支持部材である。
少なくとも1つ以上のレンズ群15、16、17は、ズーム機構21によって鏡筒11のR方向の回転運動に連動してZ軸方向へ移動する。ここでレンズ群15、16、17はそれぞれ、単一のレンズであっても、あるいは複数のレンズを組み合わせて所望のレンズ特性を得られるようにしたレンズ群であっても良い。よって、ズーム機構21は、鏡筒11内の少なくとも1枚のレンズを回転運動によりZ軸方向に移動させる。
ズーム用カム溝22は、ここでは鏡筒11に3本開けられており、互いにZ軸方向への傾きが異なっている。ズーム用カム溝22はまた、鏡筒11のR方向への回転によってズーム用ピン23の移動方向を規制する移動方向規制手段としての機能を有する。
レンズシフト機構3は、図4に示すように、不動部41と回転部31との間に、R方向へ回転運動する際の不動部41と回転部31との間の摩擦力を低減するための摩擦力低減手段たる摺動部14を有している。
レンズシフト機構3は、不動部41に固定されて、鏡筒11の移動方向をY方向に規制するためのX方向規制部材43と、鏡筒11に固定されてX方向規制部材43と当接するX方向への移動規制手段たるX方向規制板12とを有している。
回転部31は、不動部41に対してZ軸方向については固定されている。よって溝32と突起部42とは常に係合している。回転部31は、かかる構成により、鏡筒11のY方向への移動を制御するシフト制御手段たるY方向制御板としての機能を有する。
突起部42は、不動部41に支持された円柱状の部材である。
突起部42は、溝32と係合することで、回転部31を溝32に沿った方向すなわちR方向に回転可能に支持している。
この点について詳細に説明するために、回転部31がR負方向に最大限回転した状態である基準状態を図5(a)に示し、回転部31がR正方向に最大限回転した状態である終端状態を図5(b)に示す。
基準状態は回転部31と不動部41との位相が最小の状態であり、終端状態は回転部31と不動部41との位相が最大の状態であるものとする。
図5(a)において、Y軸正方向に位置する突起部42は、Y軸正方向に位置する溝32の、R方向下流側端部であるAの位置において溝32と係合している。
また、Y軸負方向に位置する突起部42は、Y軸負方向に位置する溝32の、R方向下流側端部であるBの位置において溝32と係合している。
このとき、Aの位置における距離LはLaであり、Bの位置における距離LはLbである。
図5(b)において、Y軸正方向に位置する突起部42は、Y軸正方向に位置する溝32の、R方向上流側端部であるA’の位置において溝32と係合している。
また、Y軸負方向に位置する突起部42は、Y軸負方向に位置する溝32の、R方向上流側端部であるB’の位置において溝32と係合している。
このとき、A’の位置における距離LはLbであり、B’の位置における距離LはLaである。
なお、本実施形態においては、La>Lbが成り立っている。
したがって、距離Lについて、La≧L≧Lbが成り立っている。
ここで言うシフト量は、R方向の回転運動の回転半径の差であるから、鏡筒11の光軸がY軸方向へ変移する移動量と等しい。
距離Lは、シフト動作を滑らかに行うために、単位角度当たりのシフト量が、基準状態付近よりも終端状態付近において大きくなるように設定することが望ましい。
かかる構成により、図5(a)の状態から、回転部31を不動部41に対してR方向に回転させることで、図5(b)に示すように、回転部31は、不動部41に対してY軸正方向にシフトする。すなわち、レンズシフト機構3は、レンズ群15、16、17の光軸中心を、Y方向に移動させるレンズシフト機能を有している。
摺動部14は、不動部41と回転部31との間に、鏡筒11よりも外側に設けられたスラストベアリングであることが望ましい。
なお、ここで摺動部14は、スラストベアリングであるとしたが、回転部31を不動部41に対してR方向へ回転運動させる際に、Z軸方向に生じる力が十分に小さい場合には、ラジアルベアリング等の摺動部材を用いても良い。
また、回転部31と不動部41との摺動面に、コーティング等によって摩擦力の低減を行っても良い。
ここでは、図5(a)に示した基準状態に対応する状態を図6(a)、図5(b)に示した終端状態に対応する状態を図6(b)として示している。
このR方向の回転運動は、図示しないモーター等の駆動源を用いるものであっても良いし、手動で行っても良い。
ズーム用カム溝22は、既に述べたように、互いにZ軸方向に異なる傾きを持つ。
ズーム用ピン23は、図示しない支持部材に固定されており、それぞれのズーム用ピン23を固定した各支持部材は、鏡筒11に対してZ軸方向に可動に支持され、各々に対応したレンズ群15、16、17を固定している。
このようなズーム機構21を有するレンズユニット200において、鏡筒11がR正方向に回転運動すると、ズーム用カム溝22に沿ってズーム用ピン23が移動し、各ズーム用ピン23に固定された各支持部材がZ軸正方向へと移動する。
したがって、各支持部材に固定されたレンズ群15、16、17は、鏡筒11のR方向への回転運動の位相に対応した、ズーム用カム溝22のZ軸方向の傾きの分だけ、Z軸方向に移動する。
ズーム用カム溝22は、互いにZ軸方向に異なる傾きを持つから、レンズ群15、16、17のZ軸方向の間隔は、回転運動の位相に応じて変化する。
ズーム機構21は、かかる構成により、鏡筒11内の少なくとも1枚のレンズをR方向の回転運動によりZ軸方向に移動させてズーム動作を行う。
既に述べたように、鏡筒11と、回転部31とは、R方向の回転運動に対して、位相が同じになるように連結されている。
すなわち、図7(a)に示すように、レンズシフト機構3が基準状態のとき、ズーム機構21も基準状態である。
鏡筒11に連動して回転部31がR方向に回転運動することで、溝32が突起部42と係合しながら回転部31が不動部41に対して回転する。
このような動作により、回転部31は、距離Lに応じて鏡筒11を回転すると共にY軸方向に移動させることで、光軸をY軸方向にシフトさせる。
回転運動の位相が最大になる終端状態において、図7(b)に示すように、光軸のシフト量は最大となる。
つまり、R方向の回転運動時に回転部31が不動部41に対して回転すると溝32内における突起部42の位置が変化することにより、鏡筒11が不動部41に対してY軸方向に移動する。
なお、弾性部材18は、レンズシフト機構3によるシフト動作のシフト量に合わせて上方に付勢する比例ソレノイドアクチュエーターとしても良い。
制御部109はまた、レンズユニット200のレンズシフト機構3と、ズーム機構21との動作を制御する制御手段である。
空間光変調素子102によって空間的な変調を付与された光束は、レンズユニット200によって結像・拡大されて投影面104に投影されることで、画像投影を行う。
しかしながら、投影すべき画像の倍率や、投影面104の設置位置にはある程度の自由度が求められている。
したがって、投影すべき画像の倍率を変更するために、言い換えるとレンズユニット200による入射側すなわち縮小側から、出射側すなわち拡大側へと光束が通過する際の画像投影面のサイズを拡大するために、ズーム機構21を設けられている。
しかし、単にズーム機構21を設けたのみでは、投影面104における画像の表示位置、言い換えると上下方向の中心線が変化してしまうため、その都度、投影面104とレンズユニット200との位置関係の調整を行うことになり、利便性を著しく損なう。
かかる構成により、ズーム動作と連動して、レンズシフト機構3のシフト動作が行われるから、投影面104での上下方向の中心線が変わることなく、ズーム倍率を変更することができる。
さらに、このような動作により、投影すべき画像の倍率に応じて、シフト量を変化させることで、投影面104において表示される画像の下限線を変えることなくズーム倍率を変更することも可能になる。
また、かかる構成により、複雑な機構や複数の駆動源を設けることなく、光軸方向の動作であるズーム動作と、光軸に対して垂直方向の動作であるシフト動作とを組み合わせて行うから、部品点数が抑えられて制御も容易である。
かかる構成により、鏡筒11の光軸の移動方向の延長線上に一対の突起部42が設置されているから、光軸が移動する際に、Y方向以外にはたらく力を低減して、R方向の回転運動およびシフト動作を、より省エネルギーでスムーズに行う。
かかる構成により、R方向の回転動作を行う際の、回転部31と不動部41との間の摩擦力を低減して、よりスムーズに光軸をY軸方向に移動させることができる。
かかる構成により、R方向への回転運動時に鏡筒11がX軸方向へ移動することを防いで、Y軸方向のみに制限されるから、よりスムーズに光軸をY軸方向に移動させることができる。
かかる構成により、弾性部材18が鏡筒11を上方に付勢するから、鏡筒11にはたらく重力を低減して、上方、下方いずれに鏡筒11を動作させる場合にも鏡筒11の移動速度を均一にする。
言い換えると、突起部42と、回転中心Oとの距離Lが小さいほど、単位回転角当たりのシフト量が大きい。
かかる構成により、シフト量あたりに必要な回転部31に加える力を均一化できて、より制御しやすく、スムーズに鏡筒11をY軸方向に移動させる。
図8に示す画像投影装置100は、図2〜図7で説明したレンズユニット200を画像投影装置100内の光路中に設けた構成を有している。
なお、以降の図面においては、他の実施形態の図と同様の構成ついては、図示を適宜省略し、あるいは、同一の符号を付する等して、説明を適宜省略する。
画像投影装置100は、光源101から射出された光束を選択する絞り107と、光束を反射するためのミラー105と、R、G、Bそれぞれの色情報に分解して反射するダイクロイックミラー103R、103G、103Bとを有している。
画像投影装置100はまた、表示すべき画像の色情報に基づいて通過した光束に画像情報を与える空間光変調素子102R、102G、102Bと、照射された光束を合成して反射することで、カラー画像に合成する画像合成素子106とを有している。
かかる画像投影装置100においても、画像合成素子106よりも光路下流において、レンズユニット200を設置して、図示しない投影面での上下方向の中心線が変わることなく、ズーム倍率を変更することができる。
画像投影装置100は、光束を射出する光源101と、表示すべき画像の色情報に基づいて通過した光束に画像情報を与える空間光変調素子102R、102G、102Bと、を有している。
画像投影装置100はまた、各光変調素子102R、102G、102Bを透過した光束を合成して偏向する画像合成素子106と、投影結像光学系たるレンズユニット200と、を有している。
画像投影装置100は、光源101から射出された光束をそれぞれの色情報に分解し、空間光変調素子102R、102G、102Bを通過させて画像情報を与えた後、画像合成素子106を通過させることで、各色情報に分解された画像情報を合成する。
このようにして合成された画像を、レンズユニット200によって結像して投影面104に投影することで、画像投影を行うことができる。
かかる画像投影装置100においても、レンズユニット200を設置して、図示しない投影面での上下方向の中心線が変わることなく、ズーム倍率を変更することができる。
撮像装置400は、図2〜図7を用いて説明したレンズユニット200と、画像を取得する撮像モジュール402と、レンズユニット200を通過した光束の光路を選択するためのミラー404とを有している。
撮像装置400はまた、視野を確認するためのファインダー406と、ミラー404からファインダー406へと光を偏向させるプリズムたる偏向素子405と、露光時間を調整するシャッター408と、これらの部材を制御するための制御部109とを有している。
レンズユニット200以外の上述の構成は一般的な一眼レフカメラと同等であるが、ファインダー406とミラー404とを外し、変わりに液晶モニタを備えた所謂ミラーレス一眼レフの構成であっても良い。
このような撮像装置400において、レンズユニット200を通過した光束が、シャッター408を通過して、撮像モジュール402において結像することで、画像を撮影することができる。
11 鏡筒
12 X方向規制板
14 摺動部(ベアリング)
15 レンズ群
16 レンズ群
17 レンズ群
18 弾性部材
21 ズーム機構
22 ズーム用カム溝
23 ズーム用ピン
31 回転部
32 溝
41 支持部(不動部)
42 突起部
43 規制部材(X方向規制部材)
100 画像投影装置
103 照明部
104 投影面
109 制御部
200 レンズユニット
400 撮像装置
L 回転中心との
La 基準状態における回転中心と突起部との距離
Lb 終端状態における回転中心と突起部との距離
O 回転中心
R Z軸方向に対して垂直な平面の回転方向
Y ラジアル方向、鉛直方向
Z 光軸方向
Claims (8)
- 鏡筒内の少なくとも1枚のレンズを駆動源あるいは手動による当該ズーム機構の光軸を中心とする回転運動により当該鏡筒を通過する光軸方向に移動させるズーム機構と、
前記ズーム機構の前記回転運動に連動して前記鏡筒とともに前記光軸を中心に回転することで前記鏡筒全体を前記光軸方向と垂直なラジアル方向に移動させるレンズシフト機構と、
前記鏡筒を回転可能に支持し、当該レンズユニットに対して不動の支持部と、
前記支持部によって前記回転運動時に回転可能且つ前記ラジアル方向に前記鏡筒とともに移動可能に支持された回転部と、
を有し、
前記レンズシフト機構は、
前記支持部と前記回転部との一方に設けられた突起部と、
前記支持部と前記回転部との他方に設けられ、前記回転部の回転中心からの距離が前記支持部に対する当該回転部の位相に応じて変化した、前記突起部を受け入れる溝と、を有し、
前記回転運動時に前記回転部が前記支持部に対して回転すると前記溝内における前記突起部の位置が変化することにより、前記鏡筒と、前記回転部と、が前記支持部に対して前記ラジアル方向に移動することを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1記載のレンズユニットにおいて、
前記鏡筒は、前記回転部に挿通されていることを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1又は2記載のレンズユニットにおいて、
前記突起部は、前記ラジアル方向に沿って一対設けられていることを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1乃至3の何れか1つに記載のレンズユニットにおいて、
前記回転部と、前記支持部との間に、摩擦力を低減するための摺動部を有することを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載のレンズユニットにおいて、
前記鏡筒の移動方向を前記ラジアル方向に規制する規制部材を有することを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1乃至5の何れか1つに記載のレンズユニットにおいて、
前記ラジアル方向は鉛直方向を含み、前記鏡筒を前記ラジアル方向のうち上方に付勢する弾性部材を有することを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1乃至6の何れか1つに記載のレンズユニットを有する撮像装置。
- 請求項1乃至6の何れか1つに記載のレンズユニットを有する画像投影装置。
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