以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る映像表示システム10の全体構成の一例を示す図である。図2Aは、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)12の構成の一例を示す図である。図2Bは、本実施形態に係る中継装置16の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る映像表示システム10は、HMD12とエンタテインメント装置14と中継装置16とディスプレイ18とカメラマイクユニット20とコントローラ22とを含んでいる。
本実施形態に係るHMD12には、例えば図2Aに示すように、制御部30、記憶部32、2つの通信部34(第1通信部34a及び第2通信部34b)、入出力部36、表示部38、センサ部40、音声出力部42、カメラ部44が含まれる。
制御部30は、例えばHMD12にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。
記憶部32は、例えばROMやRAM等の記憶素子などである。記憶部32には、制御部30によって実行されるプログラムなどが記憶される。
第1通信部34a及び第2通信部34bは、それぞれ例えばアレイアンテナが内蔵された無線LANモジュールなどの通信インタフェースである。本実施形態では図1に示すように、第1通信部34a及び第2通信部34bは、HMD12の前側上方に配置されている。
本実施形態では第1通信部34aで行われる通信の通信規格と第2通信部34bで行われる通信の通信規格とは異なっている。例えば第1通信部34aでは60GHz帯での通信が行われ、第2通信部34bでは5GHz帯での通信が行われる。
60GHz帯での通信の方が5GHz帯の通信よりも通信可能な最大レートは高い。また60GHz帯での通信の方が5GHz帯の通信よりも直進性が強く、また通信可能距離は短い。本実施形態では、無線通信の電波状況に応じて、中継装置16との通信に、第1通信部34aを用いるか第2通信部34bを用いるかが切替可能になっている。また本実施形態では公知の適応変調符号化技術により、無線通信の電波状況に応じて、第1通信部34aや第2通信部34bの変調方式や符号化方式を適応的に変化させることができるようになっている。
入出力部36は、例えばHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポート、USBポート、AUXポートなどの入出力ポートである。
表示部38は、HMD12の前側に配置されている、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイであり、エンタテインメント装置14が生成する映像などを表示させる。また表示部38は、HMD12の筐体に収容される。表示部38は、例えばエンタテインメント装置14が出力して中継装置16で中継される映像信号を受信して、当該映像信号が表す映像を出力するようにしてもよい。本実施形態に係る表示部38は、例えば左目用の画像と右目用の画像を表示することによって三次元画像を表示させることができるようになっている。なお表示部38は三次元画像の表示ができず二次元画像の表示のみができるものであっても構わない。
センサ部40は、例えば加速度センサやモーションセンサなどといったセンサである。センサ部40は、HMD12の回転量、移動量などの計測結果を所定のフレームレートで、制御部30に出力する。
音声出力部42は、例えばヘッドホンやスピーカ等であり、エンタテインメント装置14が生成する音声データが表す音声などを出力する。音声出力部42は、例えばエンタテインメント装置14が出力して中継装置16で中継される音声信号を受信して、当該音声信号が表す音声を出力する。
カメラ部44は、例えばデジタルカメラなどのカメラであり、所定のフレームレートでHMD12を装着するユーザの周辺の様子を撮影する。図1に示すように、本実施形態に係るカメラ部44には、例えば4つのカメラが含まれている。これらの4つのカメラは、それぞれ、例えば図1に示すように、表示部38の上方左側、表示部38の上方右側、HMD12の筐体の左側面、及び、HMD12の筐体の右側面に配置されている。これらのカメラは例えば魚眼レンズを備えたカメラなどといった、HMD12の周囲の全方向又は一部の方向を撮影可能なカメラであっても構わない。またカメラ部44が、HMD12の筐体の内側に配置された、HMD12を装着するユーザの視線方向を検出する赤外線カメラを含んでいてもよい。
またカメラ部44によって、HMD12と中継装置16との間の距離を特定できるようになっていても構わない。例えば表示部38の上方左側及び上方右側に配置されたカメラがステレオカメラとして構成されていてもよい。そして当該ステレオカメラが撮影する画像に基づいて、HMD12と中継装置16との間の距離を特定できるようになっていても構わない。またカメラ部44が、HMD12からHMD12の前方に配置された中継装置16までの距離が測定可能な赤外線カメラ等の装置(測距装置)を備えていてもよい。
本実施形態に係るエンタテインメント装置14は、例えばゲームコンソール、DVDプレイヤ、Blu−ray(登録商標)プレイヤなどといったコンピュータである。本実施形態に係るエンタテインメント装置14は、例えば記憶されているゲームプログラムの実行や光ディスクに記録されたコンテンツの再生などによって映像や音声を生成する。そして本実施形態に係るエンタテインメント装置14は、生成される映像を表す映像信号や生成される音声を表す音声信号を、中継装置16を経由して、HMD12やディスプレイ18に出力する。
本実施形態に係る中継装置16は、エンタテインメント装置14から出力される映像信号や音声信号を中継してHMD12やディスプレイ18に出力するコンピュータである。
本実施形態に係る中継装置16には、例えば図2Bに示すように、制御部50、記憶部52、2つの通信部54(第1通信部54a及び第2通信部54b)、入出力部56が含まれる。
制御部50は、例えば制御回路、又は、中継装置16にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである。
記憶部52は、例えばROMやRAM等の記憶素子などである。記憶部52には、制御部50によって実行されるプログラムなどが記憶される。
第1通信部54a及び第2通信部54bは、例えばアレイアンテナが内蔵された無線LANモジュールなどの通信インタフェースなどである。本実施形態では、図1に示すように、中継装置16の前側に、第1通信部54a及び第2通信部54bが含まれている。
本実施形態では第1通信部54aで行われる通信の通信規格と、第2通信部54bで行われる通信の通信規格とは異なっている。例えば第1通信部54aでは60GHz帯での通信が行われ、第2通信部54bでは5GHz帯での通信が行われる。
上述した通り、60GHz帯での通信の方が5GHz帯の通信よりも通信可能な最大レートは高い。また60GHz帯での通信の方が5GHz帯の通信よりも直進性が強く、また通信可能距離は短い。本実施形態では、無線通信の電波状況に応じて、HMD12との通信に、第1通信部34aを用いるか第2通信部34bを用いるかが切替可能になっている。
入出力部56は、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポート、USBポートなどの入出力ポートである。
本実施形態に係るディスプレイ18は、例えば液晶ディスプレイ等であり、エンタテインメント装置14から出力される映像信号が表す映像などを表示させる。
本実施形態に係るカメラマイクユニット20は、例えば被写体を撮像した画像をエンタテインメント装置14に出力するカメラ20a及び周囲の音声を取得して当該音声を音声データに変換してエンタテインメント装置14に出力するマイク20bを含んでいる。また本実施形態に係るカメラ20aはステレオカメラである。
HMD12と中継装置16とは、例えば、無線通信によるデータの送受信が互いに可能になっている。本実施形態では、HMD12と中継装置16との間での通信が行われる際に、第1通信部34aと第1通信部54aとの間の60GHz帯での通信、又は、第2通信部34bと第2通信部54bとの間の5GHz帯での通信が行われる。
エンタテインメント装置14と中継装置16とは、例えば、HDMIケーブルやUSBケーブルなどを介して接続されている。中継装置16とディスプレイ18とは、例えば、HDMIケーブルなどを介して接続されている。エンタテインメント装置14とカメラマイクユニット20とは、例えば、AUXケーブルなどを介して接続されている。
本実施形態に係るコントローラ22は、エンタテインメント装置14に対する操作入力を行うための操作入力装置である。ユーザは、コントローラ22が備える方向キーやボタンを押下したり、操作スティックを傾けたりすることで、コントローラ22を用いて各種の操作入力を行うことができる。そして本実施形態では、コントローラ22は、操作入力に対応付けられる入力データをエンタテインメント装置14に出力する。また本実施形態に係るコントローラ22は、USBポートを備えている。そしてコントローラ22は、USBケーブルでエンタテインメント装置14と接続することで、有線で入力データをエンタテインメント装置14に出力することができる。また本実施形態に係るコントローラ22は、無線通信モジュール等を備えており、無線で入力データをエンタテインメント装置14に出力することができるようにもなっている。
図3A及び図3Bは、本実施形態に係る映像表示システム10が部屋に配置されている様子の一例を模式的に示す図である。本実施形態では、図3Aに示すように、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在する場合は、HMD12の第1通信部34aが、中継装置16の第1通信部54aとの間で60GHz帯による通信を行う。一方、図3Bに示すように、HMD12と中継装置16とが異なる部屋のなかに存在する場合は、HMD12の第2通信部34bが、中継装置16の第2通信部54bとの間で5GHz帯による通信を行う。
本実施形態では例えば、カメラ部44が撮影する、HMD12及び中継装置16の少なくとも一方がおかれた環境の画像に基づいて、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在するか異なる部屋のなかに存在するかを判定する。例えば、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれている場合は、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在すると判定される。一方、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれていない場合は、HMD12と中継装置16とが異なる部屋のなかに存在すると判定される。
そして本実施形態では、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在すると判定される際には、HMD12と中継装置16とが60GHz帯での通信を行うよう制御される。一方、HMD12と中継装置16とが異なる部屋のなかに存在すると判定される際には、HMD12と中継装置16とが5GHz帯での通信を行うよう制御される。
このように本実施形態では、カメラ部44が撮影する画像に基づいて特定される、HMD12と中継装置16との位置関係に基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯が決定されることとなる。
HMD12と中継装置16とが異なる部屋のなかに存在する場合は、HMD12と中継装置16との間は壁や扉などで遮られるため、60GHz帯などといった高周波数帯での通信品質が低い可能性が高い。そこで本実施形態では、カメラ部44が撮影する画像に基づいて、HMD12と中継装置16とが異なる部屋のなかに存在すると判定される場合には、HMD12と中継装置16とが5GHz帯などといった低周波数帯による通信を行うよう制御される。例えばHMD12と中継装置16との間で60GHz帯による通信が行われている際に、HMD12を装着したユーザが、中継装置16が配置されている部屋から別の部屋に移動したとする。この場合はHMD12と中継装置16との間の通信が5GHz帯による通信に切り替わる。このようにして本実施形態では、通信品質が確認されてから通信に用いられる電波の周波数帯が切り替わる場合よりも早くHMD12や中継装置16がおかれた環境の変化に応じて通信に用いられる電波の周波数帯が切り替わることとなる。
またミリ波には、通信可能な最大レートが高いなどといったメリットがあるため、マイクロ波による通信中でもミリ波による通信での通信品質が確保できるのであれば、マイクロ波による通信からミリ波による通信に切り替わることが望ましい。そこで本実施形態では例えばHMD12と中継装置16との間で5GHz帯による通信が行われている際に、HMD12を装着したユーザが、中継装置16が配置されている部屋に別の部屋から移動したとする。この場合はHMD12と中継装置16との間の通信が60GHz帯による通信に切り替わる。このようにして本実施形態によれば、高周波数帯による通信の通信品質が高くなるような環境の変化に応じて高周波数帯による通信に切り替わることとなる。
なお例えば、カメラ部44が撮影する画像に基づいてHMD12と中継装置16との間に電波を通さない遮蔽物が存在するか否かが判定されても構わない。そしてHMD12と中継装置16との間に電波を通さない遮蔽物が存在すると判定される場合に、HMD12と中継装置16とが5GHz帯での通信を行うよう制御されてもよい。またHMD12と中継装置16との間に電波を通さない遮蔽物が存在しないと判定される場合に、HMD12と中継装置16とが60GHz帯での通信を行うよう制御されてもよい。
また例えば、HMD12と中継装置16とが同じ部屋に存在する場合についても、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれているか否かに基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯が決定されても構わない。例えば、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれている場合は、HMD12と中継装置16とが60GHz帯での通信を行うよう制御されても構わない。また例えば、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれていない場合は、HMD12と中継装置16とが5GHz帯での通信を行うよう制御されても構わない。
また例えば、HMD12と中継装置16との間の距離に基づいて、HMD12と中継装置16とが5GHz帯での通信を行うか60GHz帯での通信を行うかが決定されても構わない。ここでHMD12と中継装置16との間の距離は例えば、カメラ部44に含まれるステレオカメラにより特定されても構わない。またHMD12が測距装置を含む場合には、当該測距装置によりHMD12と中継装置16との間の距離が特定されても構わない。
以下、HMD12の機能並びに本実施形態に係るHMD12で実行される処理についてさらに説明する。なお本実施形態に係るHMD12は、HMD12及び中継装置16の少なくとも一方がおかれた環境に基づいて、HMD12と中継装置16との間の通信で用いられる電波の周波数帯の決定する周波数帯決定装置としての役割を担うこととなる。
図4は、本実施形態に係るHMD12で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るHMD12で、図4に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図4に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
図4に示すように、本実施形態に係るHMD12は、機能的には例えば、画像取得部60、周波数帯決定部62、通信制御部64、を含んでいる。画像取得部60は、制御部30及びカメラ部44を主として実装される。周波数帯決定部62は、制御部30を主として実装される。通信制御部64は、制御部30、第1通信部34a、及び、第2通信部34bを主として実装される。
以上の機能は、コンピュータであるHMD12にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムを制御部30で実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してHMD12に供給される。
画像取得部60は、本実施形態では例えば、通信装置(ここでは例えばHMD12)及び当該通信装置の通信相手(ここでは例えば中継装置16)の少なくとも一方がおかれた環境の画像を取得する。画像取得部60は、例えば、カメラ部44が撮影する画像を取得する。
周波数帯決定部62は、本実施形態では例えば、画像取得部60が取得する画像に基づいて、通信装置(ここでは例えばHMD12)と通信相手(ここでは例えば中継装置16)との通信に用いられる電波の周波数帯を決定する。ここで上述のように、周波数帯決定部62は、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在するか否かに基づいて、HMD12と中継装置16との通信に用いられる電波の周波数帯を決定してもよい。また周波数帯決定部62は、HMD12と中継装置16との間の距離に基づいて、HMD12と中継装置16との通信に用いられる電波の周波数帯を決定してもよい。また周波数帯決定部62は、画像取得部60が取得した画像にHMD12又は中継装置16の像が含まれているか否かに基づいて、HMD12と中継装置16との通信に用いられる電波の周波数帯を決定してもよい。ここで周波数帯決定部62は、HMD12と中継装置16とが同じ部屋に存在する場合であっても、画像取得部60が取得した画像に中継装置16の像が含まれているか否かに基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯を決定してもよい。また例えば画像取得部60が取得した画像にHMD12の像が含まれているか否かに基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯を決定してもよい。
通信制御部64は、本実施形態では例えば、周波数帯決定部62により決定される周波数帯での通信が行われるよう制御する。通信制御部64は例えば、60GHz帯による通信が行われることが決定された際には、第1通信部34aにより通信が行われるよう制御する。また通信制御部64は例えば、5GHz帯による通信が行われることが決定された際には、第2通信部34bにより通信が行われるよう制御する。
また本実施形態では、通信制御部64は、第1通信部34aによる通信が行われているか第2通信部34bによる通信が行われているかを管理する通信部特定データを保持する。例えば、第1通信部34aによる通信が行われている際には通信部特定データの値が「1」に設定され、第2通信部34bによる送信が行われている際には通信部特定データの値が「2」に設定される。なお通信部特定データの値が「1」に設定されている際には、通信制御部64は、第2通信部34bが停止するよう制御してもよい。また通信部特定データの値が「2」に設定されている際には、通信制御部64は、第1通信部34aが停止するよう制御してもよい。
以下、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在するか否かに基づき周波数帯が決定される場合に、本実施形態に係るHMD12において行われる処理の流れの一例を、図5に示すフロー図を参照しながら説明する。
まず、画像取得部60が、カメラ部44が撮影した画像を取得する(S101)。カメラ部44が所定のフレームレートで画像を撮影している際には、S101に示す処理では例えばカメラ部44が撮影した最新の画像を取得するようにしてもよい。
そして周波数帯決定部62が、S101に示す処理で取得した画像に基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯を決定する(S102)。ここでは例えば、周波数帯決定部62は、カメラ部44が撮影する画像に基づいてHMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在するか否かを特定する。そして同じ部屋のなかに存在することが特定された際には、通信に用いられる電波の周波数帯を60GHz帯と決定する。一方、異なる部屋のなかに存在することが特定された際には、通信に用いられる電波の周波数帯を5GHz帯と決定する。ここで周波数帯決定部62は、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれている場合は、HMD12と中継装置16とが同じ部屋のなかに存在すると判定してもよい。また周波数帯決定部62は、カメラ部44が撮影した画像に中継装置16の像が含まれていない場合は、HMD12と中継装置16とが異なる部屋のなかに存在すると判定してもよい。
そして通信制御部64が、S102に示す処理で決定された周波数帯、及び、保持している通信部特定データの値を確認する(S103)。
S102に示す処理で決定された周波数帯が60GHz帯であり、S103に示す処理で確認された通信部特定データの値が「2」である場合は、通信制御部64は、通信部特定データの値を「1」に変更する(S104)。そして通信制御部64は、第1通信部34aによる通信が行われるよう制御する(S105)。そして本処理例に示す処理は終了される。S105に示す処理で、通信制御部64は、第1通信部34aを起動し、第2通信部34bを停止させてもよい。
S102に示す処理で決定された周波数帯が5GHz帯であり、S103に示す処理で確認された通信部特定データの値が「1」である場合は、通信制御部64は、通信部特定データの値を「2」に変更する(S106)。そして、通信制御部64は、第2通信部34bによる通信が行われるよう制御する(S107)。そして本処理例に示す処理は終了される。S107に示す処理で、通信制御部64は、第2通信部34bを起動し、第1通信部34aを停止させてもよい。
その他の場合は、本処理例に示す処理は終了される。すなわちS102に示す処理で決定された周波数帯が60GHz帯でありS103に示す処理で確認された通信部特定データの値が「1」である場合は、本処理例に示す処理は終了される。また、S102に示す処理で決定された周波数帯が5GHz帯でありS103に示す処理で確認された通信部特定データの値が「2」である場合も、本処理例に示す処理は終了される。
そしてS101に示す処理に戻り、以後、S101〜S105に示す処理の実行が繰り返される。なお所定の時間間隔で上記S101〜S105に示す処理が実行されても構わない。
また上述のように、S102に示す処理において、周波数帯決定部62が、カメラ部44が撮影する画像に基づいてHMD12と中継装置16との間に電波を通さない遮蔽物が存在するか否かを特定してもよい。そして周波数帯決定部62は、電波を通さない遮蔽物が存在することが特定された場合に、通信に用いられる電波の周波数帯を5GHz帯と決定してもよい。また周波数帯決定部62は、電波を通さない遮蔽物が存在しないことが特定された場合に、通信に用いられる電波の周波数帯を60GHz帯と決定してもよい。
またS102に示す処理において、周波数帯決定部62が、HMD12と中継装置16との間の距離に基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯を決定してもよい。
以下、周波数帯決定部62が、HMD12と中継装置16との間の距離に基づいて、通信に用いられる電波の周波数帯を決定する際における、上記S102に相当する処理の流れの一例を、図6に示すフロー図を参照しながら説明する。
まず、周波数帯決定部62は、S101に示す処理で取得した画像に基づいて、HMD12と中継装置16との間の距離Lを特定する(S201)。そして周波数帯決定部62は、通信制御部64が保持している通信部特定データの値を確認する(S202)。
S202に示す処理で通信部特定データの値が「1」であることが確認された場合は、周波数帯決定部62は、S201に示す処理で特定された距離Lが基準距離L1に値Δを加えた第1の閾値(L1+Δ)より大きいか否かを確認する(S203)。ここで基準距離L1は例えば8mである。また値Δは、S201に示す処理で特定された距離Lに応じた値、例えば0.1×Lである。なお値Δが、画像に基づく距離Lの認識精度に応じた値であってもよい。
S203に示す処理で、S201に示す処理で特定された距離Lが第1の閾値(L1+Δ)よりも大きいことが確認された場合は(S203:Y)、周波数帯決定部62は、通信に用いられる電波の周波数帯を5GHz帯と決定する(S204)。そして上記S103以降の処理が実行される。一方、S201に示す処理で特定された距離Lが第1の閾値(L1+Δ)以下であることが確認された場合は(S203:N)、周波数帯決定部62は、通信に用いられる電波の周波数帯を60GHz帯と決定する(S205)。そして上記S103以降の処理が実行される。
S202に示す処理で通信部特定データの値が「2」であることが確認された場合は、周波数帯決定部62は、S201に示す処理で特定された距離Lが基準距離L1に値Δを減じた第2の閾値(L1−Δ)より小さいか否かを確認する(S206)。
S206に示す処理で、S201に示す処理で特定された距離Lが第2の閾値(L1−Δ)よりも小さいことが確認された場合は、周波数帯決定部62は、通信に用いられる電波の周波数帯を60GHz帯と決定する(S207)。そして上記S103以降の処理が実行される。一方、S201に示す処理で特定された距離Lが第2の閾値(L1−Δ)以上であることが確認された場合は、周波数帯決定部62は、通信に用いられる電波の周波数帯を5GHz帯と決定する(S208)。そして上記S103以降の処理が実行される。
以上のようにすれば、周波数帯決定部62は、距離Lが第1の閾値(L1+Δ)よりも大きくなった際に、HMD12と中継装置16との間の通信に用いられる電波の周波数帯を第1の周波数帯(例えば60GHz帯)から第2の周波数帯(5GHz帯)に変更する。一方、周波数帯決定部62は、距離Lが第2の閾値(L1−Δ)よりも小さくなった際に、HMD12と中継装置16との間の通信に用いられる電波の周波数帯を第2の周波数帯(例えば5GHz帯)から第1の周波数帯(60GHz帯)に変更する。
このように通信に用いられる電波の周波数帯が、第1の周波数帯(高周波数帯)から第2の周波数帯(低周波数帯)に切り替わる場合と低周波数帯から高周波数帯に切り替わる場合とで、HMD12と中継装置16との間の距離の閾値が異なっていてもよい。また第1の閾値(L1+Δ)と第2の閾値(L1−Δ)との差(2×Δ)は、S201に示す処理で特定された距離Lに応じた値であっても構わない。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、図4に例示する機能の一部又は全部が、中継装置16やエンタテインメント装置14で実装されてもよい。この場合、中継装置16がHMD12との通信に第1通信部54aを用いるか第2通信部54bを用いるかが制御されることとなる。
またカメラ20aが撮影する、HMD12及び中継装置16の少なくとも一方がおかれた環境の画像に基づいて、HMD12と中継装置16との通信に用いられる電波の周波数帯が決定されてもよい。ここで例えばカメラ20aが撮影する画像にHMD12の像が含まれているか否かに基づいて、HMD12と中継装置16との通信に用いられる電波の周波数帯が決定されてもよい。例えば、カメラ部20aが撮影した画像にHMD12の像が含まれている場合は、HMD12と中継装置16とが60GHz帯での通信を行うよう制御されても構わない。また例えば、カメラ部20aが撮影した画像にHMD12の像が含まれていない場合は、HMD12と中継装置16とが5GHz帯での通信を行うよう制御されても構わない。
また本発明の適用範囲は、60GHz帯による通信と5GHz帯による通信の切り替えに限定されるものではなく、高周波数帯による通信と低周波数帯による通信の切り替え一般に適用可能である。
また、上記の具体的な文字列や数値及び図面中の具体的な文字列や数値は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。