JP6419600B2 - プラズマ溶接用電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ溶接用電源装置に関する。
プラズマ溶接においては、プラズマ溶接用電源装置にて生成した出力電力を溶接トーチに供給すると共に該トーチにプラズマガスを供給し、これらが協働してトーチ・母材間にプラズマアークを生じさせ溶接を行うものである。このようなプラズマ溶接に用いる溶接トーチとしては、中心に電極を有し、該電極周りにプラズマガス噴射用で二重構造をなすノズルを、更にその周りにシールドガス噴射用のノズルを有する構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
ここで、図4は、従来のプラズマ溶接用電源装置50の一構成例を示す。プラズマガス噴射用の二重ノズル構造をなす溶接トーチTHにおいて電極a側から順に第1ノズルb、第2ノズルcとすると、溶接を実施する際には先ず、高周波回路51及びトランス52にて生成した高周波電圧が電極aと第1ノズルbとの間に印加され、電極a・第1ノズルb間に高周波放電を発生させる。次いで、電極aと第1ノズルbとの間にパイロット回路53にて生成したパイロットアーク電力が供給され、先の高周波放電に基づき電極aと第1ノズルbとの間に一先ずパイロットアークを点弧させる。次いで、切替スイッチ(マグネットスイッチ)SWにてパイロットアーク電力の供給先が第2ノズルc側に切り替えられ、パイロットアークを電極aと第2ノズルcとの間に移行させる。
このように溶接トーチTHでは、実溶接を行う前の待機状態としてパイロットアークを点弧させておき、実溶接に移行する際にはメイン回路54にて生成したメインアーク電力が電極aと母材Mとの間に供給される。これにより、先のパイロットアークに基づいて電極a・母材M間にメインアーク(プラズマアーク)が生じるようになっている。
特開2014−602号公報
ところで、図4に示す一構成例では、パイロット回路53の出力電路が途中から第1ノズルb側と第2ノズルc側とに分岐し、分岐後の第1ノズルb側の電路上に切替スイッチSWが配置されている。即ち、切替スイッチSWがオンの時には、第1及び第2ノズルb,cの両側にパイロットアーク電力が供給され、切替スイッチSWがオフになると、第1ノズルb側へのパイロットアーク電力の供給が停止されると共に、第2ノズルc側にその電力が集約される。つまり、パイロットアークを一先ず第1ノズルbにて点弧するまで切替スイッチSWはオン状態とされ、パイロットアークを第2ノズルc側に移行する際に切替スイッチSWがオフされる。
このような構成であるために、パイロットアークを第2ノズルc側に移行すべく切替スイッチSWがオフに切り替えられる瞬間に該スイッチSWの機械接点間で放電が生じてパイロットアーク電流が消費されることがあると、第2ノズルc側へのパイロットアークの移行に支障を来すことが懸念される。特に、電極aと第1ノズルbとの間、電極aと第2ノズルcとの間の各インピーダンスは溶接トーチの接続状態やガスの流れ方等で成り行きで変化するため、第1ノズルb側への電流配分が多い状態で切替スイッチSWがオフされると放電による電流消費も大きく、第2ノズルc側が過渡的に電流不足に陥る場合がある。つまり、パイロットアークの第2ノズルc側への移行時に、場合によってはパイロットアークが消弧してしまう虞もあった。パイロットアークが消弧した場合、再始動する必要があるため、溶接工数が増加してしまう。
そのため、パイロットアークをノズルb,c間で移行させる二重ノズル構造の溶接トーチTHを用いるものでは、パイロットアークのスタート性をより良好とすることが検討課題となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、パイロットアークのスタート性を向上させることができるプラズマ溶接用電源装置を提供することにある。
上記課題を解決するプラズマ溶接用電源装置は、電極、その外側に第1ノズル、更にその外側に第2ノズルを少なくとも有する溶接トーチが接続対象であり、前記溶接トーチの電極と溶接対象との間にメインアークを点弧して前記溶接対象の溶接を行うためのメインアーク電力の生成と、溶接前の待機状態としてパイロットアークを点弧するためのパイロットアーク電力の生成とを行う電力生成部を備えると共に、前記パイロットアークの点弧の過程で前記溶接トーチの電極・第1ノズル間から電極・第2ノズル間に前記パイロットアークを移行させるべく、その移行時に前記パイロットアーク電力の供給を前記第1ノズルを含む供給先から前記第2ノズルに切り替える切替スイッチを含んで構成されるプラズマ溶接用電源装置であって、前記第1ノズルが接続される前記電源装置の第1出力端子の電路上に第1コイルを設けると共に、前記第2ノズルが接続される前記電源装置の第2出力端子の電路上に第2コイルを設け、前記切替スイッチにより前記パイロットアーク電力の供給先が前記第2ノズル側に切り替えられた際に、前記第1コイルにて蓄積した電磁エネルギーを前記第2コイル側に伝達して前記第2コイルを流れるパイロットアーク電流が増加するように前記第1及び第2コイルが磁気結合して構成される。
この構成によれば、電源装置の第1出力端子(第1ノズルの接続側)の電路上に第1コイルが設けられると共に、電源装置の第2出力端子(第2ノズルの接続側)の電路上に第2コイルが設けられ、切替スイッチにてパイロットアーク電力の供給先が第2ノズル側に切り替えられた際に、第1及び第2コイルの磁気結合により第1コイルにて蓄積した電磁エネルギーが第2コイル側に伝達されこの第2コイルを流れるパイロットアーク電流が増加する動作となる。これにより、パイロットアークを第1ノズルから第2ノズルに移行する際、切替スイッチの動作時に第2ノズル側へのパイロットアーク電流が過渡的に減少することが抑制され、パイロットアークのスタート性がより良好となる。
上記のプラズマ溶接用電源装置において、高周波電圧を生成する高周波回路とそれを昇圧するトランスとを有し、前記パイロットアークの点弧前に前記溶接トーチの電極・第1ノズル間に高周波放電を生じさせるべく、前記第1ノズルが接続される前記電源装置の第1出力端子に前記トランスの二次コイルから昇圧した高周波電圧を供給する高周波電圧生成部を備えるものであり、前記第1コイルは、前記トランスの二次コイルと兼用して構成されることが好ましい。
この構成によれば、電源装置に備えられる高周波電圧生成部のトランスの二次コイルが、第2ノズル側のパイロットアーク電流の増加を図るための第2コイルと磁気結合される第1コイルと兼用するため、電源装置の部品数低減に寄与する。
上記のプラズマ溶接用電源装置において、前記トランスの一次コイル、前記第1コイルを兼用する前記トランスの二次コイル、及び前記第2コイルは、矩形環状のコア部材の対向する各辺部に前記トランスの一次及び二次コイルと前記第2コイルとを分けて巻装するコイル装置として構成されることが好ましい。
この構成によれば、矩形環状のコア部材の一方の辺部にトランスの一次コイル及び二次コイル(第1コイル)が巻装され、対向する他方の辺部に第2コイルが巻装されることで、これらを含むコイル装置が軸方向にコンパクトに構成可能である。またこのような構成とすることで、高周波電圧を伝達する本来の相手同士である一次及び二次コイルを近接配置できて結合性を良好とでき、一方で第2コイルとは若干離間できて高周波電圧の伝達を極力抑制することが構造的に行い易い。
上記のプラズマ溶接用電源装置において、前記コア部材における前記トランスの一次及び二次コイルが巻装される部分と前記第2コイルが巻装される部分との間に非磁性部が介装されて構成されることが好ましい。
この構成によれば、トランスの一次及び二次コイルが巻装される部分と第2コイルが巻装される部分との間に非磁性部が介装されてコア部材が構成されることで、第2コイル側へのパイロットアーク電流に基づく電磁エネルギーの伝達を極力維持しつつ、第2コイル側への高周波電圧の伝達を一層抑制することが可能である。
上記のプラズマ溶接用電源装置において、前記電源装置の第2出力端子には、高周波除去用のコンデンサが接続されることが好ましい。
この構成によれば、電源装置の第2出力端子に高周波除去用のコンデンサが接続されることで、第2出力端子の電路上に設けられる第2コイルに対して第1コイル側から高周波電圧が伝達されてもその高周波電圧が第2出力端子から出力されるのが抑制される。
上記のプラズマ溶接用電源装置において、前記電力生成部は、前記メインアーク電力を生成するメインアーク電力生成部と、前記パイロットアーク電力を生成するパイロットアーク電力生成部とが別々に構成されることが好ましい。
この構成によれば、メインアーク電力を生成するメインアーク電力生成部と、パイロットアーク電力を生成するパイロットアーク電力生成部とが別々に構成されることで、各電力生成部にそれぞれ特化した回路構成及び制御とすることが可能となる。
本発明のプラズマ溶接用電源装置によれば、パイロットアークのスタート性を向上させることができる。
一実施形態におけるプラズマ溶接用電源装置の構成図である。 電源装置に備えられるコイル部の構成図である。 電源装置の動作を説明するための波形図である。 従来のプラズマ溶接用電源装置の構成図である。
以下、プラズマ溶接用電源装置の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のプラズマ溶接用電源装置10は、商用電源から供給される三相の交流入力電力からプラズマアーク溶接に適した直流出力電力を生成する電源装置である。本実施形態の電源装置10は、メイン回路(メインアーク電力生成部)11、パイロット回路(パイロットアーク電力生成部)12、及び高周波電圧発生部13を備えている。
メイン回路11は、溶接に用いるメインアークのための電力を生成する回路である。メイン回路11は、例えばインバータやトランス(図示略)等を含む回路構成よりなり、商用交流電力からメインアークに適した直流出力電力(メインアーク電力)を生成するように構成されている。また、メイン回路11に対しては、その時々に適した出力値となるように電流フィードバックによる出力制御(PWM制御)が行われる。このようなメイン回路11のマイナス側及びプラス側出力端子は、電源装置10におけるマイナス側出力端子T1及びプラス側出力端子T2にそれぞれ接続されている。つまり、メイン回路11にて生成されるメインアーク電力は、電源装置10の出力端子T1,T2から出力される。因みに、出力端子T1はコンデンサC1を介してアース接続(ケースアース)される。
パイロット回路12は、溶接前の待機状態として点弧させておくパイロットアークのための電力を生成する回路である。パイロット回路12は、例えばメイン回路11と同様にインバータやトランス(図示略)等を含み、商用交流電力からパイロットアークに適した直流出力電力(パイロットアーク電力)を生成するように例えばメイン回路11よりも小型に構成されている。また、パイロット回路12に対しては、パイロットアークの点弧に適した一定電流が生じる出力制御が行われる。このようなパイロット回路12のマイナス側出力端子は、メイン回路11と共通のマイナス側出力端子T1に接続されている。
一方、パイロット回路12のプラス側出力端子は、本実施形態では後述の補助コイル18と切替スイッチSWとの間の接続点Nに接続されている。接続点Nは、一方では補助コイル18を介して電源装置10の出力端子T3に接続され、他方では切替スイッチSW及び後述のトランス15の二次コイル17を介して電源装置10の出力端子T4に接続されている。つまり、パイロット回路12にて生成されるパイロットアーク電力は、切替スイッチSWがオフの時には出力端子T3から出力され、切替スイッチSWがオンの時には各出力端子T3,T4からそれぞれ分配されて出力される。
高周波電圧発生部13は、高周波回路14及びトランス15を備えている。高周波回路14の出力端子間にはトランス15の一次コイル16が接続されている。トランス15の二次コイル17の第1端子はマグネットスイッチ(MS)よりなる切替スイッチSW及び補助コイル18を介して出力端子T3に接続され、第2端子は電源装置10の出力端子T4に接続されている。そして、高周波電圧発生部13は高周波回路14にて生成した数MHzの高周波電圧をトランス15を介して十数kVまで昇圧し、昇圧した高周波電圧は出力端子T4から出力される。
また、トランス15の一次及び二次コイル16,17と補助コイル18とは磁気結合されている。補助コイル18は、切替スイッチSWをオフした際に二次コイル17からパイロットアーク電流に基づく電磁エネルギーを受け取るのを主たる目的として二次コイル17と磁気的に結合されている(詳細は後述)。そのため、補助コイル18が磁気結合されているが故に各コイル16,17からの高周波電圧が補助コイル18側にも伝達されるが、この高周波電圧が出力端子T3から出力されるのを抑制するために出力端子T3はコンデンサC2を介してアース接続(ケースアース)されている。
因みに、トランス15を構成する一次及び二次コイル16,17と補助コイル18とは、図2に示すように矩形環状をなすコア部材19の対向する各辺部19x,19yのそれぞれに巻装され、コア部材19及びコイル16〜18を含むコイル装置が軸方向にコンパクトとなる構成となっている。また、一次及び二次コイル16,17と補助コイル18とをコア部材19の各辺部19x,19yに分けて巻装することで、一次コイル16と二次コイル17との間隔の方が二次コイル17と補助コイル18との間隔よりも小さい構成とし易く、一次コイル16と二次コイル17との磁気結合が補助コイル18側よりも良好となる構成としている。つまり、一次コイル16と二次コイル17とは高周波電圧を伝達する本来の相手同士であり、補助コイル18側にはその高周波電圧の伝達を極力抑制したい関係にあるため、コア部材19及びコイル16〜18を含むコイル装置の構造的にも合理的となっている。
ここで、電源装置10に用いる溶接トーチTHは、中心に電極aが設けられ、その外側に第1ノズル(カソードスリーブ)bが、更にその外側に第2ノズル(アノードスリーブ)cが、最も外側にシールドキャップdが設けられてなる。電極aと第1ノズルbとの間、及び第1ノズルbと第2ノズルcとの間からはそれぞれプラズマガスが噴射され、第2ノズルcとシールドキャップdとの間からはシールドガスが噴射される。ガスの供給路及び供給源については図示を省略している。このような溶接トーチTHは、電極aが電源装置10の出力端子T1と、第1ノズルbが出力端子T4と、第2ノズルcが出力端子T3とそれぞれ接続される。溶接対象の母材Mは、電源装置10の出力端子T2と接続される。
そして、電源装置10内に備えられる制御回路20は、メイン回路11、パイロット回路12、高周波電圧発生部13(高周波回路14)、及び切替スイッチSWの動作を制御する。また、制御回路20は、プラズマガス及びシールドガスの噴射時期や噴射量等についても制御し、プラズマアーク溶接に係る動作の統括的な制御を行っている。
次に、本実施形態のプラズマ溶接用電源装置10の動作、特にパイロットアークのスタート時の動作を中心に図1及び図3を用いて説明する。尚、ガスの噴射態様についてはその時々で適切に行われるものとし、以下の説明では省略する。
溶接を実施するに際して先ず、制御回路20は切替スイッチSWをオンとすると共に、高周波回路14を駆動して高周波電圧の生成を行う(図3のt1)。高周波回路14で生じた高周波電圧はトランス15にて昇圧され、昇圧された高周波電圧は電源装置10の出力端子T4から出力されて溶接トーチTHの第1ノズルbに供給される。溶接トーチTHの電極aは電源装置10の出力端子T1に接続されていることから、溶接トーチTHの電極aと第1ノズルbとの間に高周波放電が生じる。尚、電源装置10の出力端子T3において高周波電圧はコンデンサC2にて吸収されるため、出力端子T3からの高周波電圧の出力は抑制されている。
次いで、溶接トーチTHの電極aと第1ノズルbとの間に高周波放電を生じさせた状態で、制御回路20はパイロット回路12を駆動してパイロットアーク電力の生成を行う(図3のt2)。パイロット回路12で生じたパイロットアーク電力は、電源装置10の出力端子T3から溶接トーチTHの第2ノズルcに供給されると共に、出力端子T4から第1ノズルbに供給される。この時、電極aと第1ノズルbとの間に高周波放電が生じていることから、この高周波放電を拠り所として電極aと第1ノズルbとの間にパイロットアークが点弧する。尚、制御回路20は、パイロット回路12を駆動後に程なくして高周波回路14の駆動を停止する。
次いで、制御回路20は切替スイッチSWをオフする(図3のt3)。即ち、電極aと第1ノズルbとの間で点弧しているパイロットアークを電極aと第2ノズルcとの間に移行すべく、制御回路20は切替スイッチSWをオフしてパイロットアーク電力を第2ノズルc側(電源装置10の出力端子T3側)に集約させる。
ここで、切替スイッチSWがオフされる前においては、パイロット回路12から出力されるパイロットアーク電流が接続点Nから分岐し、出力端子T4に向かうべく二次コイル17を流れると共に、出力端子T3に向かうべく補助コイル18を流れている。二次コイル17と補助コイル18とはコア部材19(図2参照)にて磁気的に結合状態にあり、このコア部材19に各電流に基づく同方向の電磁エネルギーが蓄積される。そして、切替スイッチSWがオフされると、二次コイル17側で蓄積した電磁エネルギーが補助コイル18側に伝達され、補助コイル18を流れる電流を増加させようと動作する。つまり、背景技術で述べた切替スイッチSWのオフ時に過渡的に第2ノズルc側のパイロットアーク電流が不足してパイロットアークが消弧してしまうようなことが本実施形態では抑制されている。
次いで、電極aと第2ノズルcとの間にパイロットアークを移行させた状態が実溶接を行う前の待機状態であり、実溶接を行う指令が生じると、制御回路20はメイン回路11を駆動してメインアーク電力の生成を行う(図3のt4)。メイン回路11で生じたメインアーク電力は、電源装置10の出力端子T2から母材Mに供給され、先のパイロットアークを拠り所として電極aと母材Mとの間にメインアークが点弧するようになっている。そして、このメインアークによる母材Mの実溶接が行われる。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)第1ノズルbの接続側である電源装置10の出力端子T4の電路上にトランス15の二次コイル17(第1コイル)が設けられると共に、第2ノズルcの接続側である電源装置10の出力端子T3の電路上に補助コイル18(第2コイル)が設けられる。そして、切替スイッチSWのオフにてパイロットアーク電力の供給先が第2ノズルc側に切り替えられた際に、二次コイル17と補助コイル18との磁気結合により二次コイル17にて蓄積した電磁エネルギーが補助コイル18側に伝達されこの補助コイル18を流れるパイロットアーク電流が増加するように動作する。これにより、パイロットアークを第1ノズルbから第2ノズルcに移行する際、切替スイッチSWの動作時に第2ノズルc側へのパイロットアーク電流が過渡的に減少することを抑制でき、パイロットアークのスタート性を向上することができる。結果、パイロットアークが消弧する機会を減少でき、再始動を繰り返して溶接工数が増加してしまうことを抑制することができる。
(2)トランス15の二次コイル17が、第2ノズルc側のパイロットアーク電流の増加を図るための補助コイル18と磁気結合されるコイルと兼用する構成としたため、電源装置10の部品数低減に寄与することができる。
(3)矩形環状のコア部材19の一方の辺部19xにトランス15の一次コイル16及び二次コイル17を巻装し、対向する他方の辺部19yに補助コイル18を巻装する構成としたことで、これらを含む本実施形態のコイル装置は軸方向にコンパクトに構成することができる。またこのような構成とすることで、高周波電圧を伝達する本来の相手同士である一次及び二次コイル16,17を近接配置できて結合性を良好とでき、一方で補助コイル18とは若干離間できて高周波電圧の伝達を極力抑制することを構造的に行い易くなる。
(4)電源装置10の出力端子T3に高周波除去用のコンデンサC2を接続する構成としたことで、出力端子T3の電路上に設けられる補助コイル18に対して二次コイル17側から高周波電圧が伝達されても、その高周波電圧が出力端子T3から出力されるのを抑制することができる。
(5)メインアーク電力を生成するメイン回路11と、パイロットアーク電力を生成するパイロット回路12とを別々の電力生成部として構成したことで、各回路11,12にそれぞれ特化した回路構成及び制御とすることができる。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・補助コイル18とトランス15の二次コイル17とを磁気結合させたが、二次コイル17とは別にコイルを設け、別途設けたコイルと補助コイル18とを磁気結合させてもよい。
・コア部材19の対向する辺部19x,19yに一次及び二次コイル16,17と補助コイル18とをそれぞれ巻装したが、巻装位置はこれに限らず、例えば隣接の辺部にそれぞれ巻装してもよい。また、一次及び二次コイル16,17を異なる辺部に巻装してもよい。また、矩形環状のコア部材19を用いたが、その他の形状のものを用いてもよい。例えば、一直線状、L字状等のコア部材を用いてもよい。
・図2の破線で示すように、コア部材19において一次及び二次コイル16,17が巻装される部分と補助コイル18が巻装される部分との間に非磁性部19zを介装し、補助コイル18側へのパイロットアーク電流に基づく電磁エネルギーの伝達を極力維持しつつも、補助コイル18側への高周波電圧の伝達を一層抑制する態様としてもよい。非磁性部19zとしては、非磁性材料の部材や空隙も含む。
・電源装置10の出力端子T3に高周波除去用のコンデンサC2を接続したが、高周波の除去が可能な他の回路素子を設置してもよい。また、高周波除去用のコンデンサC2を省略してもよい。
・メイン回路11とパイロット回路12とを別々の電力生成部として構成したが、メインアーク電力とパイロットアーク電力とを共に生成する一つの電力生成部で構成してもよい。
10 プラズマ溶接用電源装置
11 メイン回路(メインアーク電力生成部、電力生成部)
12 パイロット回路(パイロットアーク電力生成部、電力生成部)
13 高周波電圧生成部
14 高周波回路
15 トランス
16 一次コイル
17 二次コイル(第1コイル)
18 補助コイル(第2コイル)
19 コア部材
19x 辺部
19y 辺部
19z 非磁性部
T3 出力端子(第2出力端子)
T4 出力端子(第1出力端子)
TH 溶接トーチ
a 電極
b 第1ノズル
c 第2ノズル
M 母材(溶接対象)
SW 切替スイッチ
C2 コンデンサ

Claims (6)

  1. 電極、その外側に第1ノズル、更にその外側に第2ノズルを少なくとも有する溶接トーチが接続対象であり、前記溶接トーチの電極と溶接対象との間にメインアークを点弧して前記溶接対象の溶接を行うためのメインアーク電力の生成と、溶接前の待機状態としてパイロットアークを点弧するためのパイロットアーク電力の生成とを行う電力生成部を備えると共に、前記パイロットアークの点弧の過程で前記溶接トーチの電極・第1ノズル間から電極・第2ノズル間に前記パイロットアークを移行させるべく、その移行時に前記パイロットアーク電力の供給を前記第1ノズルを含む供給先から前記第2ノズルに切り替える切替スイッチを含んで構成されるプラズマ溶接用電源装置であって、
    前記第1ノズルが接続される前記電源装置の第1出力端子の電路上に第1コイルを設けると共に、前記第2ノズルが接続される前記電源装置の第2出力端子の電路上に第2コイルを設け、前記切替スイッチにより前記パイロットアーク電力の供給先が前記第2ノズル側に切り替えられた際に、前記第1コイルにて蓄積した電磁エネルギーを前記第2コイル側に伝達して前記第2コイルを流れるパイロットアーク電流が増加するように前記第1及び第2コイルが磁気結合して構成されていることを特徴とするプラズマ溶接用電源装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ溶接用電源装置において、
    高周波電圧を生成する高周波回路とそれを昇圧するトランスとを有し、前記パイロットアークの点弧前に前記溶接トーチの電極・第1ノズル間に高周波放電を生じさせるべく、前記第1ノズルが接続される前記電源装置の第1出力端子に前記トランスの二次コイルから昇圧した高周波電圧を供給する高周波電圧生成部を備えるものであり、
    前記第1コイルは、前記トランスの二次コイルと兼用して構成されていることを特徴とするプラズマ溶接用電源装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ溶接用電源装置において、
    前記トランスの一次コイル、前記第1コイルを兼用する前記トランスの二次コイル、及び前記第2コイルは、矩形環状のコア部材の対向する各辺部に前記トランスの一次及び二次コイルと前記第2コイルとを分けて巻装するコイル装置として構成されていることを特徴とするプラズマ溶接用電源装置。
  4. 請求項3に記載のプラズマ溶接用電源装置において、
    前記コア部材における前記トランスの一次及び二次コイルが巻装される部分と前記第2コイルが巻装される部分との間に非磁性部が介装されて構成されていることを特徴とするプラズマ溶接用電源装置。
  5. 請求項2〜4の何れか1項に記載のプラズマ溶接用電源装置において、
    前記電源装置の第2出力端子には、高周波除去用のコンデンサが接続されていることを特徴とするプラズマ溶接用電源装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のプラズマ溶接用電源装置において、
    前記電力生成部は、前記メインアーク電力を生成するメインアーク電力生成部と、前記パイロットアーク電力を生成するパイロットアーク電力生成部とが別々に構成されていることを特徴とするプラズマ溶接用電源装置。
JP2015030683A 2015-02-19 2015-02-19 プラズマ溶接用電源装置 Expired - Fee Related JP6419600B2 (ja)

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