JP6419470B2 - 電解処理方法及び電解処理装置 - Google Patents
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Description
電解法による水素製造方法の種類、反応式は、以下の通りである。
(1)アルカリ水電解
カソード: 2H2O + 2e- → H2 + 2OH-
アノード: 2OH- → 1/2O2 + H2O+2e-
(2)固体高分子水電解
アノード: H2O → 2H+ + 1/2O2 +2e-
カソード: 2H+ + 2e- → H2
(3)高温水蒸気電解
カソード: H2O + 2e- → H2 + O2 -
アノード: O2 - →1/2O2 + 2e-
(1)蒸留水を直接分解できる。つまり、アルカリ水溶液電解法では欠かすことのできない電解質の溶解、中和及び電解質の除去が不要で、試料水の滅容倍率が原理的に無制限である。
(2)気泡によって電極表面がおおわれることがないので大電流で電解でき、電解時間を短縮できる。
(3)水素ガスと酸素ガスがSPE膜の両側に分離されて発生するので、ガスの処理が容易である。これは爆発性混合気体を扱っていた従来法よりはるかに安全である。
しかし、これら特許文献1及び2並びに非特許文献1を用いた場合、水素の製造の場合と同様に、分析機器や小規模濃縮処理には適用できても大規模処理には適していない。利用される電解液が純水であるため、電解液に電流が流れないため構成要素の固体高分子膜を20〜30Kg/cm2相当の面圧で陽極、陰極で強くかしめる必要がある。従って、電解槽の各部材が高強度であることが求められ、1m2以上の大型反応面積を確保することは経済性や操作性を考慮すると現実的ではなく、大容量の重水を含む原料水の電解濃縮や分画には、設備費も嵩み、適していない。
アルカリ水溶液に金属電極を挿入して電解する方法については、すでに多くの研究が行われ、標準的な手法として公にマニュアル化されている。この方法ではトリチウム濃度を1段で濃縮している。しかし、実際面となると、従来の電解濃縮法にはいくつかの間題がある。それらは、実験操作が煩雑であること、トリチウム濃縮倍率が電解質濃度の上限に制限されること、水素と酸素の混合ガスが発生し爆発の危険性があること、電解に時間がかかること、大容量の処理に適していないことである。
以上の問題は、1段で稀薄含有物の分離捕獲という観点で技術を考えるため、アルカリ電解質水溶液を扱う為の厄介さ、両極で発生するガスを分離しにくいこと、金属表面で気泡が生成し電解電流を大きくしにくいことなど主に従来のアルカリ水溶液電解法に起因している。
従って、塩化物イオンとともにアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオンを含有する原料水にアルカリ水を添加した電解液を使用し、水素を製造する場合若しくは電解濃縮により汚染水を処理する場合、前記した固体高分子水電解方法を用いることはできず、アルカリ水電解方法以外の水電解方法を採用することはできない。
従って、本発明によれば、塩化物イオンを含有する原料水をアルカリ水電解する場合、塩化物イオンが、電解槽、電解液循環タンク、電解液循環パイプ、その他電解処理プロセスに使用する機器内に析出塩として析出する前に、抜き出しパイプより電解液の一部を循環パイプより抜出し、抜き出しパイプに設けた蒸発器、分離器においてスラリーとして析出除去するので、電解槽、電解液循環タンク、電解液循環パイプ、その他電解プロセスに使用する機器内に析出塩が沈殿することがなく、電解運転を停止することなく、析出塩によるパイプ等の目詰まり、電解槽、電極の腐食を起こすことなく、安定して長期間連続運転することができる。また、抜き出しパイプに設けた蒸発器、分離器において析出除去された析出塩のスラリーの上澄み液は、第1の分岐循環パイプより塩化物イオンの少ない電解液として電解液の濃度調整に有効利用できる。
尚、前記電解液の循環パイプより抜き出した電解液を濃縮したとき、蒸発した水分は、蒸気のまま排出しても、凝縮器により凝縮し、水分として排出しても、その濃度は、極めて薄くなっているので、原料水としてトリチウム廃液のような廃液を使用した場合であっても、公害問題が生じることはない。
図1において、1は、アルカリ水電解槽であり、このアルカリ水電解槽1は、陽極を収容する陽極室2と、陰極を収容する陰極室3と、前記陽極室2と前記陰極室3とを区画する隔膜4により構成されている。5は、循環タンク、6は、高濃度のアルカリ水7(一般には、当該アルカリ水は初期のアルカリ電解液を調整する場合にのみ必要)を貯留するアルカリ水タンク、8は、供給ポンプであり、アルカリ水タンク6内のアルカリ水7は、供給ポンプ8により、循環タンク5に供給される。9は、原料水10を貯留する原料タンク、11は、供給ポンプであり、原料タンク9内の原料水10は、供給ポンプ11により、循環タンク5に供給される。アルカリ水7と原料水10は、循環タンク5内で混合され、所定の濃度のアルカリ水に調整された電解液16が生成される。
循環タンク5内で混合され、所定の濃度に制御された電解液は、循環ポンプ12a、熱交換器13aを介してアルカリ水電解槽1の陽極室2に供給されるとともに、循環ポンプ12b、熱交換器13bを介してアルカリ水電解槽1の陰極室3に供給される。
同時に、陰極室3内においては、水素ガスが生成され、陰極側気液分離装置14bにより、生成した水素ガスと電解液とに気液分離され、分離された電解液は、循環パイプ17により、循環タンク5に循環される。陰極側気液分離装置14bにて気液分離された水素ガスは、陰極側水封装置15bを経て排気される。尚、前記両電解室内のアルカリ濃度をコントロールすると共に電解で消失する水の相当量を原料水として供給し、電解条件を一定に維持しながら電解を継続するため、原料タンク9より供給する原料水として、水が供給される。
尚、前記電解液の循環パイプ17より抜き出した電解液を濃縮したとき、蒸発器19より蒸発した水分は、蒸気のまま排出しても、凝縮器23により凝縮し、水分として排出しても、その濃度は、極めて薄くなっているので、原料水としてトリチウム廃液のような廃液を使用した場合であっても、公害問題が生じることはない。
本発明におけるアルカリ水電解においては、例えば、原料水として、トリチウムを含有する重水よりなるトリチウム廃液よりなる原料水を用いた場合、この原料水には、大凡、2,000〜11,000ppmの塩化物イオンが含まれている。このような原料水に高濃度のアルカリ水を所定のアルカリ濃度になるように添加した電解液が使用されるが、電解液としては、苛性カリ又は苛性ソーダ等の苛性アルカリが好ましく、その濃度としては、5〜40質量%が好ましい。特に、電力消費量を抑えることを鑑みれば電気電導度が高い領域である15〜35質量%が好ましい。しかし、電解に係るコスト、腐食性、粘性、操作性を考慮すると、20〜30質量%とすることが更に好ましい。
アルカリ濃度一定の運転には、初期アルカリ濃度調整後、水消耗量に相当する量の原料水を連続的に供給する方法がある。また、間欠連続運転で処理原料水の減量化を求める場合には、初期に調整した電解液の減少を確認する方法がある。このとき、初期に調整したアルカリ濃度は、減少した水分量に比例して濃度は高くなる。
上記領域で好ましくないのは、液抵抗が増大する領域であり、例えば40質量%を上回るような場合、発生ガスの電解液からの離脱がし難くなる傾向があり(液の粘稠性が高まる)、セル電圧が高まり結果的にジュール熱の発生によりセル温度が高くなり電解液の冷却が必要になる等余分な運転管理が必要になることである。
従って、原料水が濃縮されると、アルカリ濃度が向上するので、アルカリ濃度が40質量%を超えないように、原料水を添加し、アルカリ濃度を一定に維持することが好ましい。
上記のように、原料水として、例えば、トリチウムを含有する重水よりなるトリチウム廃液よりなる原料水を用いた場合、この原料水には、大凡、2,000〜11,000ppmの塩化物イオンが含まれている。このようなトリチウム廃液以外にも、廃液中には、塩化物イオンを含有していることが多く、このような塩化物イオンを含有する廃液を原料水として使用し、アルカリ水電解により、連続電解を行った場合、塩化物イオンは、時間の経過とともに濃縮され、塩化物イオン濃度は、高くなり続け、一定時間経過すると、塩化物イオンは、析出塩として、電解槽、陽極、陰極、ポンプ、循環パイプその他の機器に沈着し、これらの機器が腐食されるとともに、パイプ等を詰まらせる原因となり、連続電解を継続することができなくなる。
このため、従来は、一定時間電解を行った後、電解槽の運転を停止し、電解液中の塩化物イオンを凝集沈殿法等により除去した後、運転を再開せざるを得ない。
本発明は、このような不都合を解消するため、所定の時間連続電解を行い、電解液中の塩化物イオンが、一定濃度以上になり、循環パイプ等において塩化物イオンが析出塩として析出する前に、電解液の循環パイプに、分岐循環パイプを接続し、電解液の一部を抜き出し、上記した方法により、電解液の循環を循環タンクにより継続しながら、分岐ラインに接続した蒸発器、分離器により、電解液を濃縮し、塩をスラリーとして析出除去している。
アルカリ水に対するNaClの溶解度は、アルカリ濃度及び温度に依存して変化することが知られている。アルカリ水に対するNaClの溶解度は、表1及び図2に示すようにアルカリ濃度が低いほど高く、温度が高いほど高い。
本発明の好ましい範囲としてのアルカリ濃度は、5〜40質量%であり、温度は、電解槽は、70〜90℃で運転されるが、循環パイプ等においては、50〜60℃に近くなっていることがある。
例えば、アルカリとして、NaOHを使用した場合、温度が40℃、アルカリ水濃度が30%の場合、食塩の溶解度は、5.0であり、NaClは、50g/Lになるまで析出することはない。従って、このような場合、電解液中のNaClが50g/Lになったとき、電解液の一部を抜出し、蒸発器19、遠心分離器21により析出塩をスラリーとして分離除去し、電解液の塩化物濃度を50g/L未満に維持すれば、電解液の循環パイプを含めて電解槽、その他の付属機器において、塩化物イオンが析出塩として析出することがなく、安定して連続電解を継続することができる。
尚、温度が40℃、アルカリ水濃度が10%の場合、塩化ナトリウム溶解度は、18.2であり、NaClは、182g/Lになるまで析出することはないので、電解液中のNaClが182g/Lになったとき、電解液の一部を抜出し、蒸発器19、遠心分離器21により析出塩をスラリーとして分離除去すればよい。分離除去されるスラリーは、容器からの取り出し操作が容易となることを考慮しながらスラリー濃度を決定することが出来る。
更に、本発明においては、前記各気液分離装置14a、14bによって、発生ガスを分離した前記電解液を、前記陽極室2と前記陰極室3との両電解室に循環供給することにより、前記両電解室内のアルカリ濃度をコントロールすると共に、電解で消失する水の相当量を原料水として、原料タンク9より、循環タンク5を経由して、前記陽極室2と前記陰極室3との両電解室に供給し、電解条件を一定に維持しながら電解を継続する。
濃度一定にコントロールする為には、循環タンク5に原料水10を連続的に水消耗した相当量を供給することである。
一方、アルカリ濃度を放置し、漸次高濃度になるがままとし、アルカリ水電解濃度の限界40質量%まで維持し、電解液の減容化を確認することができる。また、斯かる状態に対し、原料水を供給開始し最終濃度40質量%をその後維持することも可能である。
いずれにしても、本発明で提案する循環システムでは、いずれの手法も運転可能であり、融通性のあるものとなっている。
更に、本発明においては、前記陰極側水封装置15bの水面の高さと前記陽極側水封装置15aの水面の高さを調整することにより、前記陰極室3の室内の圧力と前記陽極室2の室内の圧力を調節し、前記陽極室2内に発生する酸素ガスが前記陰極室3内に発生する水素ガスに混入する比率を制御している。
陽極ガス(酸素ガス)および陰極ガス(水素ガス)を陽極側気液分離装置14a、陰極側気液分離装置14bにて分離したのち、各々のガスを陽極側水封装置15a、陰極側水封装置15bにて水封したのち排気するとき、陰極側水封装置15bの水面の高さを陽極側水封装置15aの水面の高さより高くすると、陰極側のガス圧が陽極側のガス圧より高くなり、陽極室2内で発生する酸素ガスの陰極室3への移行を低減することができ、水素ガスの純度を向上することができる。一方、逆に、酸素ガスの純度を向上したい場合には、陽極側水封装置15aの水面の高さを陰極側水封装置15bの水面の高さより高くすると、陽極側のガス圧が陰極側のガス圧より高くなり、陰極室2内で発生する水素ガスの陽極室3への移行を低減することができ、酸素ガスの純度を向上することができる。
アルカリ水電解槽1としては、隔膜4の両側に陽極及び陰極を設けた2室型電解槽が用いられるが、陽極及び陰極は、隔膜4に密着したゼロギャップ型電解槽、隔膜4から若干だけ離して設けたファイナイト型電解槽、又は、隔膜4とは離間して設けた離間型電解槽を用いることができる。運転電密にも拠るが運転中の膜の位置変動や振幅防止のため並びに膜隔膜4を損傷させないために、陽極室、陰極室の運転差圧を付けることが好ましく、50〜500mmH2Oの差圧を設けることができ、この差圧により、更に前記陽極室2内に発生する酸素ガスが前記陰極室3内に発生する水素ガスに混入する比率を制御することができる。
また、隔膜として中性隔膜を使用する場合、使用する隔膜の孔径を小さくするか、表面を特殊加工した隔膜を使用することにより、陽極室内で発生する酸素ガスの陰極室への移行を、又は陰極室内で発生する水素ガスの陽極室への移行を低減することも可能となる。
前記隔膜4としては、中性隔膜並びにフッ素型若しくは炭化水素型の食塩電解用陽イオン交換膜及び燃料電池用陽イオン交換膜を使用することができる。陽イオン交換膜を使用した場合、水素中酸素濃度が、0.07%のとき、酸素中水素濃度は、0.13%程度となる。
一方、前記隔膜4としては、特殊加工した中性隔膜を使用した場合、水素中酸素濃度が0.06〜0.09%のとき、酸素中水素濃度は、0.05〜0.08%となる。
陽極及び陰極としては、アルカリ水電解に耐えうる材料で且つ陽極過電圧、陰極過電圧が小さいものを選択する必要がある。従来では、陽極は鉄又は鉄にNiメッキを施したものが用いられている。また、陰極では、Ni基材そのままかNi基材に活性陰極をコーティングしたものが用いられている。ここでも陽極、陰極共にニッケルエクスパンドメッシュ、多孔質ニッケルエクスパンドメッシュ、鉄よりなる基体の表面に貴金属又はその酸化物被覆を有する金属電極等を使用できる。
陽極として、ニッケル基体の表面にニッケル酸化物を被覆した陽極を使用した場合、電解液中の塩化物イオンが高くなっても腐食しないことが分かった。
原料水として、90g/L濃度のNaClを含有する溶液を使用し、電解液としては、16質量%のNaOHを使用し、陽極、陰極、隔膜、時間、温度、電極面積、電流密度としては、表2に示す条件を用い、隔膜を両極間に挟み、ゼロギャップの状態で組み立てて使用した。
試験プロセスは、図1に示す通りであるが、電解温度は電解セル底部に設置されたヒーターでコントロールしている。電解液の循環方法は、アルカリ水電解槽1の下部に設置してある循環タンク5から循環ポンプ12a、12bで電解液を陽極室2及び陰極室3に流量40〜60ml/分で供給している。電解槽1の上部のノズルから排出されるそれぞれの気液流体は、気液分離器14a、14bを介し、液体は循環タンク5に戻され、ガス体は系外に放出される。
セル系内の圧力は、陽極室、陰極室それぞれ排出される酸素ガス並びに水素ガスを水封することで所定の条件を定めている。運転時に隔膜の振動を防止するために、陽極室、陰極室間の差圧は50〜100mmH2Oに保持した。
一方、製造される水素ガス純度又は酸素ガス純度のどちらを期待するかで、それぞれの水封システムの液高さをコントロールすることが出来るが、本実施例では、水素純度を高めることを目的とし陰極加圧の状態で差圧50mmH2Oとした。
水が分解した相当量の原水を連続的に供給し、初期調整したアルカリ濃度は初期のまま維持して電解した。
電解液容量は、500mL(電解セル:350mL、循環パイプ等:150mL)、電解電流は、7.54Aとした。
20日間(480時間)連続運転を行ったところ、電解液循環パイプ17中のNaClが119g/Lになった。この時点において、抜き出しパイプ18より電解液の一部を抜出し、蒸発器19、分離器21により、電解液を濃縮し、NaClをスラリーとして析出除去し、その上澄みである電解液を第1の分岐循環ポンプ22より、電解液循環タンク5に循環した。
本実施例における電解液中の塩化ナトリウムの溶解度は、16質量%のNaOH、温度40℃のとき、14.5であるので、電解液中のNaClは、145g/Lまでは、析出しないので、塩化物イオンが塩として系内に析出する前に濃縮除去することができ、電解液中のNaClを145g/L未満に維持したまま(119g/L以下)連続運転を継続できた。
尚、前記電解液の循環パイプ17より抜き出した電解液を濃縮したとき、蒸発器19により、蒸発した水分は、凝縮器23により凝縮し、凝縮された水分を第2の分岐循環パイプ24より前記電解液の循環タンク5に循環した。これにより、凝縮された水分は、電解液の濃度調整に有効利用されるとともに、電解液の循環プロセスの完全クローズド化が達成され、原料水としてトリチウム廃液のような廃液を使用した場合であっても、不純物が一切外部に出ることを防止することができた。
尚、表2の試験番号1−1に記載の通り、陽極として、Niメッシュを使用し、表面を酸化処理しなかった場合、溶接個所並びに溶接固定の一部に腐食が見られたが、表2の試験番号1−2に記載の通り、陽極として、Niメッシュを使用し、表面を酸化処理し、Niメッシュの表面に、Ni0.2Co0.8LaO3被覆を行った場合、陽極及び溶接個所の腐食は殆ど見られなかった。
原料水として、200g/L濃度のNaClを含有する溶液を使用し、電解液としては、4質量%のNaOHを使用し、陽極、陰極、隔膜、時間、温度、電極面積、電流密度としては、表2に示す条件を用い、隔膜を両極間に挟み、ゼロギャップの状態で組み立てて使用した。
その他の条件は、実施例1と同様とした。
5日間(120時間)連続運転を行ったところ、電解液循環パイプ17中のNaClが216g/Lになった。
本実施例における電解液中の食塩の溶解度は、4質量%のNaOH、温度40℃のとき、22.3であるので、電解液中のNaClは。223g/Lまでは、析出しないので、塩化物イオンが塩として系内に析出する前に濃縮除去することができ、電解液中のNaClを223/L未満に維持したまま(216g/L以下)連続運転を継続できた。
尚、表2の試験番号2−1に記載の通り、陽極として、Niメッシュを使用し、表面を酸化処理し、Niメッシュの表面に、NiCo2O4被覆を行ったが、塩化物イオンの濃度が高く、苛性の濃度が低いため、陽極及び溶接個所の腐食が見られた。
原料水として、50g/L濃度のNaClを含有する溶液を使用し、電解液としては、32質量%のNaOHを使用し、陽極、陰極、隔膜、時間、温度、電極面積、電流密度としては、表2に示す条件を用い、隔膜を両極間に挟み、ゼロギャップの状態で組み立てて使用した。
その他の条件は、実施例1と同様とした。
5日間(120時間)連続運転を行ったところ、電解液循環パイプ17中の塩素イオンが54.02g/Lになった。
本実施例における電解液中の塩化ナトリウムの溶解度は、32質量%のNaOH、循環タンク5内の温度60℃のとき、5.8であり、電解液中のNaClは、58g/Lまでは、析出しないので、塩素イオンが塩として系内に析出する前に濃縮除去することができ、電解液中のNaClを58g/L以下に維持したまま(54g/L以下)連続運転を継続できた。
尚、表2の試験番号3−1に記載の通り、陽極として、Niメッシュを使用し、表面を酸化処理し、Niメッシュの表面に、NiCo2O4被覆を行った場合、陽極及び溶接個所の腐食は見られなかった。また、表2の試験番号3−2に記載の通り、陽極として、Niメッシュを使用し、表面を酸化処理しなかった場合においても、苛性の濃度が比較的高く、塩化物イオンの濃度が比較的低いため、溶接個所並びに溶接固定の腐食は、見られなかった。
原料水として、5g/L濃度のNaClを含有する溶液を使用し、電解液としては、16質量%のNaOHを使用し、陽極、陰極、隔膜、時間、温度、電極面積、電流密度としては、表2に示す条件を用い、隔膜を両極間に挟み、ゼロギャップの状態で組み立てて使用した。
その他の条件は、実施例1と同様とした。
20日間(480時間)連続運転を行ったところ、電解液循環パイプ17中の塩素イオンが6.61g/Lになった。
本実施例における電解液中の塩化ナトリウムの溶解度は、16質量%のNaOH、温度40℃のとき、14.5であるので、電解液中のNaClは、145g/Lまでは、析出しないので、塩化物イオンが塩として系内に析出する前に濃縮除去することができ、電解液中のNaClを145g/L以下に維持したまま(6.6g/L以下に)連続運転を継続できた。
尚、表2の試験番号4−1に記載の通り、陽極として、Niメッシュを使用し、表面を酸化処理しなかった場合においても、塩化物イオンの濃度が低かったため、溶接個所並びに溶接固定の一部に腐食が見られなかった。
2:陽極室
3:陰極室
4:隔膜
5:循環タンク
6:アルカリ水タンク
7:アルカリ水
8:供給ポンプ
9:原料タンク
10:原料水
11:供給ポンプ
12a:循環ポンプ
12b:循環ポンプ
13a:熱交換器
13b:熱交換器
14a:陽極側気液分離装置
14b:陰極側気液分離装置
15a:陽極側水封装置
15b:陰極側水封装置
16:電解液
17:電解液循環パイプ
18:抜き出しパイプ
19:蒸発器
20:スラリー受槽
21:遠心分離器
22:第1の分岐循環パイプ
23:凝縮器
24:第2の分岐循環パイプ
Claims (11)
- 塩化物イオンを含有する原料水とアルカリ水よりなる電解液とを循環タンクに供給して混合し、該循環タンク内で混合された原料水を含む電解液を、該循環タンクより、隔膜を有するアルカリ水電解槽の陽極室と陰極室にそれぞれ供給して電解処理し、該電解処理した際に前記原料水を含む電解液から発生するガスを回収又は除去し、該ガスを回収又は除去した後の電解処理がされた前記原料水を含む電解液を、前記循環タンクに循環し、該循環タンクを介して前記アルカリ水電解槽に循環させることにより、前記原料水を含む電解液を連続的に電解する電解処理方法において、
前記循環タンクに循環された、前記電解処理がされた前記原料水を含む電解液の一部を抜き出して濃縮し、前記塩化物イオンを析出塩として析出させ、該析出塩をスラリーとして分離除去した後、該スラリーを分離除去した後の前記電解処理がされた前記原料水を含む電解液を前記循環タンクに循環するとともに、前記原料水を、前記循環タンクを介して前記アルカリ水電解槽に連続的に供給し、前記原料水を含む電解液を連続的に電解することを特徴とする電解処理方法。 - 前記濃縮をしたときに蒸発した水分を凝縮し、凝縮された水分を前記循環タンクに循環することを特徴とする請求項1に記載の電解処理方法。
- 前記原料水がトリチウムを含む重水を含有し、前記重水を電解濃縮することを特徴とする請求項1又は2に記載の電解処理方法。
- 前記循環タンクを介して循環させる前記電解処理がされた前記原料水を含む電解液中の塩化物イオンが、所定の濃度に蓄積され、電解液の循環パイプその他電解プロセスに使用する機器内において析出する前に、前記電解処理がされた前記原料水を含む電解液の一部を抜き出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解処理方法。
- 前記循環タンクを介して循環される前記電解処理がされた前記原料水を含む電解液中の前記塩化物イオンがアルカリ金属塩化物として50g/L以上になったとき、前記電解処理がされた前記原料水を含む電解液の一部を抜き出し、前記アルカリ金属塩化物を50g/L未満に維持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解処理方法。
- 前記循環タンク中のアルカリ濃度を5〜40質量%に維持して連続電解処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解処理方法。
- 隔膜と該隔膜の両側に設けられた陽極室と陰極室とを有するアルカリ水電解槽と、塩化物イオンを含有する原料水とアルカリ水よりなる電解液とが供給され混合される循環タンクと、該循環タンク内で混合された前記原料水を含む電解液を前記アルカリ水電解槽の陽極室と陰極室に循環供給するための電解液循環パイプと、該電解液循環パイプ内の電解処理がされた前記原料水を含む電解液の一部を抜き出す抜き出しパイプと、該抜き出しパイプに接続した蒸発器と、該蒸発器に接続され該蒸発器において塩化物イオンが析出塩として析出した析出塩をスラリーとして分離するための分離器と、該分離器に接続され該分離器内の電解処理がされた前記原料水を含む電解液を前記循環タンクに循環する第1の分岐循環パイプとを有してなり、電解処理がされた前記原料水を含む電解液を連続的に前記アルカリ水電解槽に循環供給するとともに、前記分離器により前記析出塩をスラリーとして分離除去し、前記分離器により分離された電解処理がされた前記原料水を含む電解液を前記第1の分岐循環パイプより前記循環タンクを介して前記アルカリ水電解槽に循環供給し、かつ、前記原料水を、前記循環タンクを介して前記アルカリ水電解槽に連続的に供給することを特徴とする電解処理装置。
- さらに、前記蒸発器に接続された、該蒸発器において蒸発した水分を凝縮するための凝縮器と、該凝縮器により凝縮された水分を前記電解液の循環タンクに循環する第2の分岐循環パイプとを有し、前記凝縮器により凝縮された水分を、前記循環タンクを介して前記アルカリ水電解槽に循環供給することを特徴とする請求項7に記載の電解処理装置。
- 前記陽極として、表面にニッケル酸化物を有するニッケル基体を使用したことを特徴とする請求項7又は8に記載の電解処理装置。
- 前記隔膜が中性隔膜である請求項7〜9のいずれか1項に記載の電解処理装置。
- 前記隔膜がイオン交換膜である請求項7〜9のいずれか1項に記載の電解処理装置。
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