JP6418882B2 - 排気ガス圧力の推定装置 - Google Patents

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本発明は、排気ガス圧力の推定装置に関する。
従来、エンジンの排気ガス圧力を推定する排気ガス圧力の推定装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された排気ガス圧力の推定装置では、排気多岐管に接続されたタービンと、タービンの上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路上に設けられたバイパス弁とを備えるエンジンにおいて、エンジンの吸入空気量及び燃料供給量等に基づいて、タービン上流側における排気ガス圧力(排気多岐管における排気ガス圧力)が推定される。
特開平09−014023号公報
近年、例えばEGR制御に利用するために、エンジンの排気多岐管における排気ガス圧力(以下、「エキマニ圧力」ともいう)を推定することが望まれる場合がある。しかし、上述したような従来技術では、バイパス弁の開口面積が変化する場合、排気ガス圧力を高精度に推定することが困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、タービンの上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路上にバイパス弁を備えるエンジンにおいて、エキマニ圧力を高精度に推定できる排気ガス圧力の推定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、エキマニ圧力の支配因子を実験データに基づき特定することにより、エキマニ圧力は、吸気圧力と、排気ガス流量と、タービン及びバイパス弁の開口面積割合とに基づいて算出されるエキマニ圧力関数との相関が強いという知見を得た。そこで、本発明者らは、これらの支配因子に基づいてエキマニ圧力に相関を有するエキマニ圧力関数を算出し、当該エキマニ圧力関数を変数とする近似式に基づいて推定すると、エキマニ圧力を高精度に推定できるという知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明に係る排気ガス圧力の推定装置は、排気多岐管に接続されたタービンと、タービンの上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路上に設けられたバイパス弁と、を備えるエンジンの排気ガス圧力を推定する推定装置であって、エンジンの吸気多岐管における吸気圧力を取得する吸気圧力取得部と、エンジンの排気ガス流量を取得する排気ガス流量取得部と、排気多岐管における排気ガス圧力を推定する推定部と、を備え、推定部は、吸気圧力と、排気ガス流量と、タービン及びバイパス弁の開口面積割合とに基づいて排気多岐管における排気ガス圧力に相関を有するエキマニ圧力関数を算出し、当該エキマニ圧力関数を変数とする近似式に基づいて排気多岐管における排気ガス圧力を推定し、バイパス弁の全開時を1としたときのバイパス弁の開度割合に対するバイパス弁の開口面積割合の関係を模擬するための所定のべき乗数を用いて、エキマニ圧力関数を算出する。
この排気ガス圧力の推定装置では、吸気圧力と、排気ガス流量と、タービン及びバイパス弁の開口面積割合とに基づいて排気多岐管における排気ガス圧力に相関を有するエキマニ圧力関数が算出され、当該エキマニ圧力関数を変数とする近似式に基づいて排気多岐管における排気ガス圧力が推定される。よって、上記知見を利用し、エキマニ圧力を高精度に推定することが可能となる。
上記作用効果を好適に奏する場合として、具体的には、エキマニ圧力関数Pemfは、下式(1)で表されてもよい。
Pemf=Pabs×Ggas/R…(1)
但し、
Pabs:吸気多岐管における吸気圧力の絶対圧
Ggas:エンジンの排気ガス流量
R :タービン及びバイパス弁の開口面積割合
また、上記作用効果を好適に奏する場合として、具体的には、タービン及びバイパス弁の開口面積割合Rは、下式(2)及び下式(3)で表されてもよい。
R=1+A×…(2)
r=1−{(100−100×B)/100} …(3)
但し、
A:タービンの開口面積に対するバイパス弁の全開時開口面積の比
B:バイパス弁の全開時を1としたときのバイパス弁の開度割合
C:所定のべき乗数
r:バイパス弁の開口面積割合
本発明によれば、タービンの上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路上にバイパス弁を備えるエンジンにおいて、エキマニ圧力を高精度に推定することが可能となる。
実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置を示す概略構成図である。 実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置を示すブロック図である。 排気ガス圧力の推定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 (a)は、バイパス弁の開度割合Bに対するバイパス弁の開口面積割合rの関係を示すグラフである。(b)は、エキマニ圧力関数Pemfに対するエキマニ圧力実測値Pemの関係を示すグラフである。 (a)は、実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置で推定したエキマニ圧力の推定精度を示すグラフである。(b)は、従来の排気ガス圧力の推定装置で推定したエキマニ圧力の推定精度を示すグラフである。
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置を示す概略構成図である。図1に示すように、排気ガス圧力の推定装置1は、エキゾーストマニホールド(排気多岐管)11に接続された高圧段タービン(タービン)T1と、高圧段タービンT1の上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路2e上に設けられたバイパス弁20と、を備えるエンジン100において、エキゾーストマニホールド11における排気ガス圧力(エキマニ圧力)を推定する。
エンジン100は、例えばバスやトラック等の車両Vの駆動用として用いられる。図示する例では、エンジン100は、直列に6つのシリンダ(気筒)10を有する直列6気筒のディーゼルエンジンとされている。エンジン100では、各シリンダ10にインジェクタ9がそれぞれ設けられ、これらのインジェクタ9によって各シリンダ10内に燃料が噴射される。インジェクタ9は、ECU30に電気的に接続されている。
エンジン100は、各シリンダ10に空気を分配して供給するインテークマニホールド(吸気多岐管)8と、各シリンダ10から排気された排気ガスを合流させるエキゾーストマニホールド11と、を有している。エンジン100は、高圧段コンプレッサC1及び高圧段タービンT1を有する高圧段ターボ50と、低圧段コンプレッサC2及び低圧段タービンT2を有する低圧段ターボ51と、を備えている。
高圧段タービンT1は、エンジン100のエキゾーストマニホールド11に接続されている。高圧段タービンT1は、エキゾーストマニホールド11から導入された排気ガスを排気管2fへ導出する。高圧段タービンT1は、高圧段コンプレッサC1と同軸で回転可能とされており、エキゾーストマニホールド11から導入された排気ガスにより回転される。
高圧段コンプレッサC1は、エンジン100の吸気側におけるインタークーラ6の下流に配置されている。高圧段コンプレッサC1は、高圧段タービンT1と同軸で回転されることで空気を圧縮し、圧縮した当該空気をアフタークーラ7へ向けて過給する。
低圧段タービンT2は、エンジン100の排気側における高圧段タービンT1の下流に配置されている。低圧段タービンT2は、排気管2fから導入された排気ガスを排気管2gへ導出する。低圧段タービンT2は、低圧段コンプレッサC2と同軸で回転可能とされており、排気管2fから導入された排気ガスにより回転される。
低圧段コンプレッサC2は、エンジン100の吸気側におけるエアクリーナ3の下流に配置されている。低圧段コンプレッサC2は、低圧段タービンT2と同軸で回転されることで空気を圧縮し、圧縮した当該空気をインタークーラ6へ向けて過給する。
また、エンジン100は、バイパス流路2eと、バイパス弁20と、アクチュエータ21とを備えている。バイパス流路2eは、高圧段タービンT1の上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせる流路である。ここでのバイパス流路2eは、エキゾーストマニホールド11と排気管2fとを接続するように設けられている。
バイパス弁20は、バイパス流路2e上に設けられている。バイパス弁20は、アクチュエータ21により開度(開度割合)を制御され、バイパス流路2eを介して排気ガスをバイパスさせることで、高圧段タービンT1に流入する排気ガスの流量が任意に調整可能とされる。
アクチュエータ21は、バイパス弁20の開度を制御する駆動装置である。アクチュエータ21は、リンク21aと、バイパス弁駆動部21bとを有している。バイパス弁駆動部21bは、リンク21aを介してバイパス弁20を駆動する。バイパス弁駆動部21bは、例えば、モータ及びギアを有しており、ギアを介してモータの回転運動を直線運動に変換することで、リンク21aを連続的に直線運動させて、バイパス弁20を所定の開度に調整する。バイパス弁駆動部21bは、ECU30に電気的に接続されており、その動作をECU30のバイパス弁制御部35により制御される(図2参照)。
また、エンジン100は、EGRシステム15を備えている。EGRシステム15は、エキゾーストマニホールド11における排気ガスの少なくとも一部を吸気側にEGRガスとして還流させる。EGRシステム15は、EGRバルブ16と、エキゾーストマニホールド11とインテークパイプ2dとを連絡するEGRパイプ17と、EGRクーラ18とを備えている。EGRバルブ16は、例えばEGRパイプ17における下流側の位置に設けられ、EGRガスの流量を制御する。EGRクーラ18は、例えばEGRパイプ17におけるEGRバルブ16の上流側に設けられ、EGRガスを冷却する。
以上のように構成されたエンジン100では、その吸気側において、まず空気がエアクリーナ3により清浄化され、インテークパイプ2aを介して低圧段コンプレッサC2に流入され、当該低圧段コンプレッサC2で圧縮される。低圧段コンプレッサC2で圧縮された空気は、インテークパイプ2bを介してインタークーラ6に流入されて冷却された後、高圧段コンプレッサC1に流入され、当該高圧段コンプレッサC1で更に圧縮される。高圧段コンプレッサC1で圧縮された空気は、インテークパイプ2cを介してアフタークーラ7に流入されて冷却され、インテークパイプ2c及びインテークマニホールド8を介して各シリンダ10に適宜吸気される。
一方、エンジン100の排気側においては、バイパス弁20が閉じている場合、排気ガスがエキゾーストマニホールド11から高圧段タービンT1に導入された後、排気管2fを介して低圧段タービンT2に導入される。また、バイパス弁20が所定の開度割合で開いている場合、排気ガスの少なくとも一部がバイパス弁20に導入され、エキゾーストマニホールド11から高圧段タービンT1の下流側にバイパスされた後、排気管2fを介して低圧段タービンT2に導入される。
低圧段タービンT2から導出された排気ガスは、排気管2gを通って後処理装置12に導かれる。後処理装置12では、例えばDPF触媒により排気ガス中の粒子状物質が除去されて浄化されると共に、例えばSCR触媒により排気ガス中の窒素酸化物が還元されて浄化される。後処理装置12から導出された排気ガスは、マフラ(図示せず)により消音されて車外に排気される。
ここで、図2に例示するように、本実施形態の排気ガス圧力の推定装置1は、上記エンジン100におけるエキマニ圧力を推定すべく、空気量センサ40、インマニ圧力センサ(吸気圧力取得部)41、及びECU(Electronic Control Unit)30を備えている。
空気量センサ40は、エアクリーナ3の下流に設けられており、エアクリーナ3を介して吸い込まれる空気の質量流量(以下、「空気量Ga」という)を検出する。インマニ圧力センサ41は、インテークマニホールド8に設けられており、インテークマニホールド8における吸気圧力(インマニ圧力)Pimを取得する。空気量センサ40及びインマニ圧力センサ41は、ECU30に電気的に接続されており、空気量Ga及びインマニ圧力Pimの検出値がECU30に出力される。
ECU30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含む電子制御ユニットである。ECU30は、その機能的構成として、燃料噴射量算出部31と、排気ガス流量取得部32と、開口面積割合算出部33と、推定部34とを含んでいる。
燃料噴射量算出部31は、例えばエンジン100の運転状況等に基づいて、インジェクタ9で噴射される燃料量(以下、「燃料噴射量Gf」という)を算出する。燃料噴射量算出部31では、指令値としての燃料噴射量Gfが実際にインジェクタ9で噴射される燃料量と略等しくなるように、例えばインジェクタ9における燃料の輸送遅れ等を考慮して燃料噴射量Gfを算出する。燃料噴射量算出部31は、算出した燃料噴射量Gfを排気ガス流量取得部32に出力する。
排気ガス流量取得部32は、エンジン100の排気ガス流量を取得する。ここでの排気ガス流量取得部32は、例えば、空気量Gaの検出値及び燃料噴射量Gfの加算値により排気ガス流量Ggasを算出する。排気ガス流量取得部32は、算出した排気ガス流量Ggasを推定部34に出力する。
開口面積割合算出部33は、高圧段タービンT1及びバイパス弁20の開口面積割合Rを算出する。ここでの開口面積とは、高圧段タービンT1及びバイパス弁20がエキゾーストマニホールド11に接続されている箇所における開口部の面積を意味する。開口面積割合算出部33は、算出した開口面積割合Rを推定部34に出力する。
開口面積割合算出部33は、下式(a)及び下式(b)に従って高圧段タービンT1及びバイパス弁20の開口面積割合Rを算出する。ここで、「r」はバイパス弁20の開口面積割合である。
R=1+A×r…(a)
r=1−{(100−100×B)/100}…(b)
上式(a)において、「A」は、高圧段タービンT1の開口面積に対するバイパス弁20の全開時開口面積の比である。開口面積比Aとしては、高圧段タービンT1の開口面積を1としたときに、例えば0.2程度が採用される。「B」は、バイパス弁20の全開時を1としたときのバイパス弁の開度割合である。バイパス弁の開度割合Bとしては、例えば、バイパス弁制御部35がバイパス弁駆動部21bに出力する指令値としての開度割合が用いられる。当該指令値としての開度割合は、バイパス弁制御部35から開口面積割合算出部33へ出力されるものである。
「C」は、バイパス弁20の開度割合Bに対するバイパス弁20の開口面積割合rの関係を模擬するための、所定のべき乗数である。べき乗数Cの値は、図4(a)に例示するように、バイパス弁20の開度割合Bに対するバイパス弁20の開口面積割合rの関係を変化させる。べき乗数Cとしては、バイパス弁20の開度割合Bに対する流量変化(バイパス流路2eの有効開口面積の変化)が一般的に非線形で変化することを考慮して、例えば3程度が採用される。
なお、開口面積比A及びべき乗数Cは、例えば、エキマニ圧力実測値Pemとエキマニ圧力推定値F(Pemf)との相関(後述、図5(a)参照)における決定係数(相関係数R2乗)を最大とするように決定される。
推定部34は、インマニ圧力Pimと、排気ガス流量Ggasと、高圧段タービンT1及びバイパス弁20の開口面積割合Rとに基づいてエキマニ圧力に相関を有するエキマニ圧力関数Pemfを算出する。推定部34は、下式(c)に従ってエキマニ圧力関数Pemfを算出する。
Pemf=Pabs×Ggas/R…(c)
上式(c)において、「Pabs」は、インテークマニホールド8におけるインマニ圧力の絶対圧である。推定部34は、例えば、インマニ圧力Pimと、図示しない大気圧センサで検出した大気圧Patmとを加算して、インマニ圧力の絶対圧Pabsを算出する。
推定部34は、このエキマニ圧力関数Pemfを変数とする近似式Fに基づいてエキマニ圧力を推定し、エキマニ圧力推定値F(Pemf)を算出する。近似式Fは、図4(b)に例示するように、横軸座標値をPemfをとし、縦軸座標値をエキマニ圧力実測値Pemとしたプロット点群に基づく近似式である。近似式Fとしては、例えばPemfを変数とする3次関数とすることができる。近似式Fは、例えば、エキマニ圧力実測値Pemを計測可能な試験設備等を用いて予め実験的に導出され、推定部34に記憶される。そして、推定部34は、記憶されている近似式Fにエキマニ圧力関数Pemfを代入することで、エキマニ圧力推定値F(Pemf)を算出する。
次に、上記排気ガス圧力の推定装置1により実施されるエキマニ圧力推定値F(Pemf)を算出について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、空気量センサ40により空気量Gaが検出され(S1)、図示しない大気圧センサにより大気圧Patmが検出される(S2)。インマニ圧力センサ41によりインマニ圧力Pimが検出され(S3)、バイパス弁制御部35から開口面積割合算出部33へ出力された指令値としての開度割合に基づいて、バイパス弁20の開度割合Bが検出される(S4)。
続いて、推定部34によりインマニ圧力Pimと大気圧Patmとが加算され、インマニ圧力の絶対圧Pabsが算出される(S5)。燃料噴射量算出部31により燃料噴射量Gfが算出され(S6)、排気ガス流量取得部32により空気量Gaと燃料噴射量Gfとが加算されて排気ガス流量Ggasが算出される(S7)。
開口面積割合算出部33により、上式(a)及び上式(b)に従って高圧段タービンT1及びバイパス弁20の開口面積割合Rが算出される(S8)。そして、推定部34により、上式(c)に従ってエキマニ圧力関数Pemfが算出される(S10)。推定部34により、エキマニ圧力関数Pemfが近似式Fに代入されてエキマニ圧力推定値F(Pemf)が算出される(S10)。
このようにして推定されたエキマニ圧力推定値F(Pemf)の推定精度を、図5(a)及び図5(b)に例示する。図5(a)は、実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置で推定したエキマニ圧力の推定精度を示すグラフである。図5(b)は、従来の排気ガス圧力の推定装置で推定したエキマニ圧力の推定精度を示すグラフである。なお、図5(a)及び図5(b)において、直線Lは、エキマニ圧力推定値F(Pemf)とエキマニ圧力実測値Pemとが等しい点の集合を示す直線である。各図中では、エキマニ圧力推定値F(Pemf)のプロット点が直線Lに近いほど、エキマニ圧力推定値F(Pemf)の推定精度が高いと言うことができる。
図5(b)に示すように、従来の排気ガス圧力の推定装置では、特にバイパス弁が開口される領域(例えば約250kPaの領域)において、エキマニ圧力推定値の推定精度が低いことが読み取れる。この理由としては、下記のような事情が影響しているものと推認される。
すなわち、EGRシステムの制御精度の向上のため、エキマニ圧力を利用するモデルベース制御が適用されるところ、タービンに流入する排気ガスの流量がバイパス弁の開口面積の変化の影響を受けないという仮定の下でエキマニ圧力が推定されることが一般的であった。
一方で、エンジンの燃費向上を目的としてコンベンショナルターボを採用する場合においては、例えば燃費が重視される低中速中負荷時に最適となるようにタービン容量等を選定すると、高速高負荷域においてポンピングロスの増加及びタービン回転超過を招くことがあるため、タービンに流入する排気ガスの流量が任意に調整可能なバイパス弁が設けられる。しかし、この場合、バイパス弁の開口面積の変化の影響が無視できなくなることから、上記仮定の下でのエキマニ圧力の推定では、エキマニ圧力を高精度に推定することが困難であった。
この点、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、エキマニ圧力の支配因子を実験データに基づき特定することにより、エキマニ圧力は、インマニ圧力Pim(インマニ圧力の絶対圧Pabs)と、排気ガス流量Ggasと、高圧段タービンT1及びバイパス弁20の開口面積割合Rとに基づいて算出されるエキマニ圧力関数Pemfとの相関が強いという知見を得た。そこで、本発明者らは、これらの支配因子に基づいてエキマニ圧力に相関を有するエキマニ圧力関数Pemfを算出し、当該エキマニ圧力関数Pemfを変数とする近似式Fに基づいて推定すると、エキマニ圧力を高精度に推定することができるという知見を得た。その結果、図5(a)に示すように、本実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置1では、図5(b)の例と比べてエキマニ圧力推定値F(Pemf)の推定精度が高くなったことが読み取れる。
以上、本実施形態に係る排気ガス圧力の推定装置1では、上記知見から、エンジン100のエキゾーストマニホールド11における排気ガス圧力(エキマニ圧力)との相関が強いエキマニ圧力関数Pemfが算出され、当該エキマニ圧力関数Pemfを変数とする近似式Fを利用してエキマニ圧力推定値F(Pemf)が算出されることによって、バイパス弁20の開口面積割合rが変化する場合におけるエキマニ圧力推定値F(Pemf)の精度悪化が抑制される。その結果、高圧段タービンT1の上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路2e上にバイパス弁20を備えるエンジン100において、エキマニ圧力を高精度に推定することが可能となる。
なお、バイパス弁20の開度割合Bに対する流量変化としては、例えばバイパス弁20をノズルと仮定し、ノズル式を適用した計算式により推定された値を用いることも考えられる。しかし、バイパス弁20が設けられているバイパス流路2eでは、エキゾーストマニホールド11における排気ガスの温度等の状態変化が大きいことから、ノズル式を適用した計算式によりバイパス弁20の開度割合Bに対する流量変化を高精度に推定することは困難である。この点、本実施形態では、上述のようにべき乗数Cを用いて、バイパス弁20の開度割合Bに対するバイパス弁20の開口面積割合rの関係が模擬される。これにより、エキゾーストマニホールド11における排気ガスの温度等の状態変化の影響を受けることなく、エキマニ圧力を高精度に推定することが可能となる。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記実施形態における上式(b)において、バイパス弁20の開度割合B(バイパス弁20の全開時を1としたときのバイパス弁の開度割合)としては、バイパス弁制御部35がバイパス弁駆動部21bに出力する指令値としての開度割合を用いたが、バイパス弁20の実際の開度に基づく開度割合を用いてもよい。
例えば、上記実施形態では、バイパス流路2eは、エキゾーストマニホールド11と排気管2fとを接続するように設けられていたが、例えば高圧段ターボ50のハウジング内に設けられていてもよい。
1…排気ガス圧力の推定装置、100…エンジン、8…インテークマニホールド(吸気多岐管)、11…エキゾーストマニホールド(排気多岐管)、T1…高圧段タービン(タービン)、2e…バイパス流路、20…バイパス弁、32…排気ガス流量取得部、34…推定部、41…インマニ圧力センサ(吸気圧力取得部)、Pemf…エキマニ圧力関数、Pabs…インマニ圧力の絶対圧、Ggas…排気ガス流量、R…高圧段タービンT1及びバイパス弁20の開口面積割合。

Claims (3)

  1. 排気多岐管に接続されたタービンと、前記タービンの上流側から下流側に排気ガスをバイパスさせるバイパス流路上に設けられたバイパス弁と、を備えるエンジンの排気ガス圧力を推定する推定装置であって、
    前記エンジンの吸気多岐管における吸気圧力を取得する吸気圧力取得部と、
    前記エンジンの排気ガス流量を取得する排気ガス流量取得部と、
    前記排気多岐管における排気ガス圧力を推定する推定部と、を備え、
    前記推定部は、
    前記吸気圧力と、前記排気ガス流量と、前記タービン及び前記バイパス弁の開口面積割合とに基づいて前記排気多岐管における排気ガス圧力に相関を有するエキマニ圧力関数を算出し、当該エキマニ圧力関数を変数とする近似式に基づいて前記排気多岐管における排気ガス圧力を推定し、
    前記バイパス弁の全開時を1としたときの前記バイパス弁の開度割合に対する前記バイパス弁の開口面積割合の関係を模擬するための所定のべき乗数を用いて、前記エキマニ圧力関数を算出する、排気ガス圧力の推定装置。
  2. 前記エキマニ圧力関数Pemfは、下式(1)で表される、請求項1に記載の排気ガス圧力の推定装置。
    Pemf=Pabs×Ggas/R…(1)
    但し、
    Pabs:前記吸気多岐管における吸気圧力の絶対圧
    Ggas:前記エンジンの排気ガス流量
    R :前記タービン及び前記バイパス弁の開口面積割合
  3. 前記タービン及び前記バイパス弁の開口面積割合Rは、下式(2)及び下式(3)で表される、請求項1又は2に記載の排気ガス圧力の推定装置。
    R=1+A×…(2)
    r=1−{(100−100×B)/100} …(3)
    但し、
    A:前記タービンの開口面積に対する前記バイパス弁の全開時開口面積の比
    B:前記バイパス弁の全開時を1としたときの前記バイパス弁の開度割合
    C:前記所定のべき乗数
    r:前記バイパス弁の開口面積割合
JP2014208432A 2014-10-09 2014-10-09 排気ガス圧力の推定装置 Expired - Fee Related JP6418882B2 (ja)

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