JP6542592B2 - ターボ過給機付きエンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

ここに開示された技術は、ターボ過給機付きエンジンの制御装置に関するものである。
この種の技術が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、ターボ過給機付きエンジンにおいて、コンプレッサ圧力比及び吸入空気量に基づいてコンプレッサ運転状態を推定し、このコンプレッサ運転状態に基づいてタービン運転状態を推定し、これら推定されたコンプレッサ運転状態及びタービン運転状態に基づいて排気圧力を推定する技術が開示されている。
特開2009−203918号公報
ところで、排気通路におけるタービンの上流側の排気の圧力(タービン上流圧力)は、エンジンの制御に用いられる場合がある。タービン上流圧力は、センサで検出できるが、コストやレイアウト上の観点などから、タービン上流圧力を検出するセンサを排気通路に設けていないエンジンもある。そのような場合、タービン上流圧力は、推定により求められる。例えば、タービン下流の排気の圧力(タービン下流圧力)を推定した上で、タービン下流圧力に基づいてタービン上流圧力が推定される。そのため、タービン下流圧力の推定精度を高めることができれば、タービン上流圧力の推定精度を高めることができる。
特許文献1に開示された技術は、タービン通過流量及びタービン回転数に基づいて、タービン下流圧力を推定している。しかしながら、タービン下流圧力は、タービン通過流量及びタービン回転数だけでなく、その他のパラメータにも依存している。つまり、タービン下流圧力の推定精度には、さらに向上させる余地がある。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タービン上流圧力の推定精度を向上させることにある。
ここに開示された技術は、排気通路に設けられたタービン及び吸気通路に設けられたコンプレッサを有するターボ過給機を備えたターボ過給機付きエンジンの制御装置を対象とする。この制御装置は、前記コンプレッサの上流側の吸気の圧力であるコンプレッサ上流圧力と、前記コンプレッサの下流側の吸気の圧力であるコンプレッサ下流圧力と、前記コンプレッサを通過する吸気の流量であるコンプレッサ通過流量とに基づいて、前記コンプレッサの出力であるコンプレッサ出力を推定するコンプレッサ出力推定部と、前記コンプレッサ上流圧力と前記コンプレッサ下流圧力と前記コンプレッサ通過流量とに基づいて、前記コンプレッサの効率であるコンプレッサ効率を推定するコンプレッサ効率推定部と、前記タービンを通過する排気の流量であるタービン通過流量を、前記タービンの上流側と下流側との圧力の比であるタービン圧力比と前記タービン通過流量との関係を定めたタービン通過流量マップを用いて、推定するタービン通過流量推定部と、前記タービンの効率であるタービン効率を、前記タービン圧力比と前記タービン効率との関係を定めたタービン効率マップを用いて、推定するタービン効率推定部と、前記タービンの下流側の排気の圧力であるタービン下流圧力を推定するタービン下流圧力推定部と、前記コンプレッサ出力、前記コンプレッサ効率、前記タービン通過流量、前記タービン下流圧力及び前記タービン効率に基づいて、前記タービンの上流側の排気の圧力であるタービン上流圧力を推定するタービン上流圧力推定部とを備え、前記タービン下流圧力推定部は、前記タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて前記タービン下流圧力を推定し、前記タービン通過流量推定部及び前記タービン効率推定部はそれぞれ、タービン通過流量マップ及びタービン効率マップを用いて、暫定的に定めたタービン圧縮比から前記タービン通過流量及び前記タービン効率を推定し、前記タービン上流圧力推定部は、前記タービン圧力比、前記タービン通過流量及び前記タービン効率から求まる前記タービンの仕事と、前記コンプレッサ出力及び前記コンプレッサ効率から求まる前記コンプレッサの仕事と、が釣り合うことを示す関係式が収束するまで、前記タービン圧力比の値を変更すると共に、前記関係式が収束したときのタービン圧力比と、前記タービン下流圧力とから、前記タービン上流圧力を推定する。
この構成によれば、コンプレッサ出力、コンプレッサ効率、タービン通過流量、タービン下流圧力及びタービン効率に基づいてタービン上流圧力が推定される。詳しくは、コンプレッサの仕事は、コンプレッサ出力及びコンプレッサ効率に基づいて求められる。タービンの仕事は、タービン出力及びタービン効率に基づいて求められ、タービン出力は、タービン上流圧力、タービン下流圧力及びタービン通過流量に基づいて求められる。これらコンプレッサの仕事とタービンの仕事とは、釣り合う。そのため、これらの関係を考慮すると、コンプレッサ出力、コンプレッサ効率、タービン通過流量、タービン下流圧力及びタービン効率に基づいてタービン上流圧力が推定される。
このとき、タービン下流圧力は、タービン下流側状態値に基づいて推定される。タービン下流圧力は、タービン下流の排気系の状態に依存して変化する。そのため、タービン下流側状態値を考慮することによって、タービン下流圧力を精度良く推定することができる。こうして、精度良く推定されたタービン下流圧力に基づいて、前述の如く、タービン上流圧力を推定することによって、タービン上流圧力を精度良く推定することができる。
また、前記タービン下流圧力推定部は、大気圧を前記タービン下流側状態値として用い、大気圧が高いほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定してもよい。
この構成によれば、大気圧が高いほどタービン下流圧力が高くなるという傾向を考慮して推定を行うので、タービン下流圧力の推定精度を向上させることができる。
また、ターボ過給機付きエンジンの制御装置は、前記タービンと前記排気通路において前記タービンの下流側に設けられた排気浄化触媒との間を通過する排気の温度を取得する排気温度取得部をさらに備え、前記タービン下流圧力推定部は、前記排気温度取得部が取得した排気温度を前記タービン下流側状態値として用い、前記排気温度が高いほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定してもよい。
この構成によれば、タービンと排気浄化触媒との間を通過する排気の温度が高いほどタービン下流圧力が高くなるという傾向を考慮して推定を行うので、タービン下流圧力の推定精度を向上させることができる。
また、前記タービン下流圧力推定部は、前記排気通路の前記タービンの下流側における圧力損失を前記タービン下流側状態値として用い、前記圧力損失が大きいほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定してもよい。
この構成によれば、排気通路のタービンの下流側における圧力損失に応じてタービン下流圧力が変化することを考慮して推定を行うので、タービン下流圧力の推定精度を向上させることができる。
また、前記タービン下流圧力推定部は、前記排気通路のうち前記タービンの下流側の部分を通過する排気の流量であるタービン下流流量を前記タービン下流側状態値として用い、前記タービン下流流量が多いほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定してもよい。
この構成によれば、タービンの下流側の排気通路を通過する排気の流量に応じてタービン下流圧力が変化することを考慮して推定を行うので、タービン下流圧力の推定精度を向上させることができる。
さらに、ターボ過給機付きエンジンの制御装置は、前記排気通路のうち前記タービンの上流側の排気を前記吸気通路に還流させるように構成されたEGR通路を通過する排気の流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定部をさらに備え、前記タービン下流圧力推定部は、前記EGR流量に基づいて前記タービン下流流量を推定してもよい。
この構成によれば、EGR通路を有するエンジンに関して、エンジンから排出された排気のうちでタービンに供給されなかった排気の流量を差し引いてタービン下流流量を求めるので、タービン下流流量を精度良く求めることができる。したがって、このタービン下流流量に基づいて推定するタービン上流圧力の推定精度を向上させることができる。
前記排気通路のうち前記タービンの上流側の排気を前記吸気通路に還流させるように構
成されたEGR通路の上流端と下流端との圧力差、及び、前記EGR通路に設けられたEGRバルブの開度に基づいてEGR量を制御すると共に、推定した前記タービン上流圧力を前記EGR通路の上流端の圧力として用いてもよい。
前記ターボ過給機付きエンジンの制御装置によれば、タービン上流圧力の推定精度を向上させることができる。
図1は、エンジンシステムの概略構成図である。 図2は、ECUの機能構成図である。 図3は、タービン上流圧力の推定方法を示すブロック図である。 図4は、タービン上流圧力の推定方法で用いるコンプレッサ効率マップである。 図5は、タービン上流圧力の推定方法で用いるタービン通過流量・効率マップである。 図6は、タービン下流圧力の推定方法を示すブロック図である。 図7は、タービン上流圧力の推定処理のフローチャートである。 図8は、その他の実施形態に係るタービン通過流量の推定方法を示すブロック図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈エンジンシステムの構成〉
図1は、実施形態によるターボ過給機付エンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
図1に示すように、エンジンシステム100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路10と、この吸気通路10から供給された吸気と後述する燃料噴射弁23から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン20(例えばガソリンエンジン)と、このエンジン20内の燃焼により発生した排気を排出する排気通路30と、エンジンシステム100全体を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを有する。
吸気通路10には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ2と、通過する吸気を昇圧させる、ターボ過給機4のコンプレッサ4aと、通過する吸気を冷却するインタークーラ9と、通過する吸気量を調整するスロットルバルブ11と、エンジン20に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク13とが設けられている。
また、吸気通路10には、コンプレッサ41によって過給された吸気の一部を、コンプレッサ41の上流側に還流するためのエアバイパス通路6が設けられている。具体的には、エアバイパス通路6は、一端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の上流側の吸気通路10に接続され、他端がコンプレッサ4aの上流側の吸気通路10に接続されている。また、このエアバイパス通路6には、エアバイパス通路6を流れる吸気の流量を制御するエアバイパスバルブ7が設けられている。
エンジン20は、主に、吸気通路10から供給された吸気を燃焼室21内に導入する吸気バルブ22と、燃焼室21に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁23と、燃焼室21内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ24と、燃焼室21内での混合気の燃焼により往復運動するピストン27と、ピストン27の往復運動により回転されるクランクシャフト28と、燃焼室21内での混合気の燃焼により発生した排気を排気通路30へ排出する排気バルブ29とを有する。
排気通路30には、上流側から順に、通過する排気によって回転させられ、この回転によってコンプレッサ4aを回転駆動する、ターボ過給機4のタービン4bと、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気の浄化機能を有する排気浄化触媒37、38とが設けられている。
また、排気通路30には、排気を吸気通路10に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路32が接続されている。このEGR通路32は、一端がタービン4bの上流側の排気通路30に接続され、他端がスロットルバルブ11の下流側の吸気通路10に接続されている。加えて、EGR通路32には、還流させる排気を冷却するEGRクーラ33と、EGR通路32を流れる排気の流量を制御するEGRバルブ34とが設けられている。
さらに、排気通路30には、排気にターボ過給機4のタービン4bを迂回させるタービンバイパス通路35が設けられている。このタービンバイパス通路35には、タービンバイパス通路35を流れる排気の流量を制御するウェイストゲートバルブ(W/Gバルブ)36が設けられている。
また、図1に示すエンジンシステム100には、各種のセンサが設けられている。具体的には、エンジンシステム100の吸気系においては、エアクリーナ2の下流側の吸気通路10(詳しくはエアクリーナ2とコンプレッサ4aとの間の吸気通路10)に、吸入空気量を検出するエアフロメータ61と吸気温度を検出する温度センサ62とが設けられ、コンプレッサ4aとスロットルバルブ11との間の吸気通路10に、過給圧を検出する圧力センサ63が設けられ、スロットルバルブ11の下流側の吸気通路10(詳しくはサージタンク13内)に、インマニ圧を検出する圧力センサ64が設けられている。
また、エンジンシステム100の排気系においては、EGRバルブ34の開度であるEGR開度を検出するEGR開度センサ65が設けられ、ウェイストゲートバルブ36の開度であるW/G開度を検出するW/G開度センサ66が設けられ、タービン4bの下流側の排気通路30(詳しくはタービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30)に、排気中の酸素濃度を検出するO2センサ67と排気温度を検出する温度センサ68とが設けられている。
エアフロメータ61は、検出した吸入空気量に対応する検出信号S61をECU50に供給し、温度センサ62は、検出した吸気温度に対応する検出信号S62をECU50に供給し、圧力センサ63は、検出した過給圧に対応する検出信号S63をECU50に供給し、圧力センサ64は、検出したインマニ圧に対応する検出信号S64をECU50に供給し、EGR開度センサ65は、検出したEGR開度に対応する検出信号S65をECU50に供給し、W/G開度センサ66は、検出したW/G開度に対応する検出信号S66をECU50に供給し、O2センサ67は、検出した酸素濃度に対応する検出信号S67をECU50に供給し、温度センサ68は、検出した排気温度に対応する検出信号S68をECU50に供給する。また、エンジンシステム100には、大気圧を検出する大気圧センサ60が設けられており、この大気圧センサ60は、検出した大気圧に対応する検出信号S60をECU50に供給する。
ECU50は、CPUと、CPU上で実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリとを備えるコンピュータにより構成される。ECU50は、上述した各種センサから供給された検出信号に基づいて、種々の制御や処理を行う。
図2は、ECUの機能構成図を示す。図2に示すように、ECU50は、機能的には、コンプレッサ4aの効率であるコンプレッサ効率を推定するコンプレッサ効率推定部51と、コンプレッサ4aの出力であるコンプレッサ出力を推定するコンプレッサ出力推定部52と、タービン4bの上流側の排気の圧力であるタービン上流圧力を推定するタービン上流圧力推定部53と、タービン4bの下流側の排気の圧力(厳密には、タービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30を通過する排気の圧力)であるタービン下流圧力を推定するタービン下流圧力推定部54と、温度センサ68が検出した排気温度(検出信号S68に対応する)を取得する排気温度取得部55と、エンジン20から排出される排気の総流量を推定する排気総流量推定部56と、EGR通路32を通過する排気の流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定部57とを有する。尚、ECU50は、「ターボ過給機付エンジンの制御装置」の一例である。
ECU50は、タービン上流圧力を推定し、推定したタービン上流圧力を用いて種々の制御を実行する。例えば、ECU50は、タービン上流圧力を用いて、EGR流量の制御を行う。具体的には、ECU50は、EGR通路32の上流端と下流端の圧力差及びEGRバルブ34の開度に基づいてEGR量を制御する。このとき、ECU50は、推定されたタービン上流圧力をEGR通路32の上流端の圧力として用いる。尚、圧力センサ64によって検出されるインマニ圧がEGR通路32の下流端の圧力として用いられる。
また、ECU50は、タービン上流圧力を用いて、タービンバイパス流量の制御を行う。具体的には、タービン上流圧力がわかると、タービン4bの上流側と下流側との排気圧力の比であるタービン圧力比もわかるので、ECU50は、目標過給圧に必要なタービン仕事量を求めると共に、求めたタービン仕事量に必要なタービン通過流量をタービン圧力比に基づいて求める。そして、ECU50は、必要なタービン通過流量を実現するようにウェイストゲートバルブ36の開度を調整する。
これらの制御を行う上でタービン上流圧力が必要であり、ECU50は、タービン上流圧力の推定を行っている。尚、以上のタービン上流圧力を用いた制御は、一例であり、ECU50は、タービン上流圧力を別の制御に用いてもよい。
〈タービン上流圧力の推定〉
図3乃至図5を参照して、タービン上流圧力の推定方法について詳細に説明する。
図3は、タービン上流圧力の推定方法を示すブロック図であり、図4は、タービン上流圧力の推定方法で用いるコンプレッサ効率マップであり、図5は、タービン上流圧力の推定方法で用いるタービン通過流量・効率マップである。
図3に示すように、まず、ECU50のコンプレッサ効率推定部51が、エアフロメータ61が検出した吸入空気量を、所定の標準状態(所定の温度や圧力などにより規定された状態に相当する。以下同様とする。)での吸入空気量へと補正する処理を行う。具体的には、コンプレッサ効率推定部51は、実際の大気圧及び吸気温度(それぞれ大気圧センサ60及び温度センサ62によって検出される)に基づいて、エアフロメータ61が検出した吸入空気量を標準状態での吸入空気量へと補正する処理、即ち、標準状態での吸入空気量に換算する処理を行う。尚、吸入空気量は、一義的にコンプレッサ通過流量となるため、この吸入空気量のことを適宜「コンプレッサ通過流量」と言い換える。
以下では、実際に得られた任意の状態値(ガス量や回転数など)を、標準状態での状態値へと補正する処理を適宜「標準状態換算処理」と呼ぶ。また、標準状態換算処理を行った状態値を、「標準」という接頭語を付して称する。例えば、標準状態換算処理をされたコンプレッサ通過流量を「標準コンプレッサ通過流量」と称する。一方、実際の状態に対応する状態値を、「実」という接頭語を付して称する。例えば、実際の状態におけるコンプレッサ回転数を「実コンプレッサ回転数」と称する。
このような標準状態換算処理を行うのは、後述するコンプレッサ効率マップ(図4参照)が標準状態での状態値によって規定されたものであるからである。つまり、コンプレッサ効率マップに基づいて状態値を求めるためには、マップを参照する際に用いる状態値を実際の状態値から標準状態での状態値へと変換する必要がある。したがって、ここでの標準状態は、コンプレッサ効率マップを作成した際の、温度や圧力などにより規定される状態である。ただし、ECU50は、コンプレッサ効率マップ以外のマップを用いる場合もあり、その場合には、使用するマップに対応する標準状態に応じた標準状態換算処理を行う。
さらに、コンプレッサ効率推定部51は、大気圧センサ60が検出した大気圧と圧力センサ63が検出した過給圧とに基づいて、コンプレッサ4aの上流側と下流側との吸気圧力の比であるコンプレッサ圧力比(過給圧/大気圧)を求める。そして、コンプレッサ効率推定部51は、図4に示すようなコンプレッサ効率マップを参照して、前述のようにして得られた標準コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ圧力比に対応するコンプレッサ効率ηcを決定する。こうして決定されるコンプレッサ効率ηcは、標準状態での効率であり、前述したように「標準コンプレッサ効率」と称される。
ここで、図4を参照すると、コンプレッサ効率マップでは、横軸に示すコンプレッサ通過流量(標準コンプレッサ通過流量に対応する)と、縦軸に示すコンプレッサ圧力比とに応じたコンプレッサ効率が規定されている。コンプレッサ効率推定部51は、このようなコンプレッサ効率マップを参照して、標準コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ圧力比に対応するコンプレッサ効率ηcを決定する。なお、コンプレッサ効率マップは、予め作成されて、ECU50内のメモリなどに記憶されている。
次いで、ECU50のコンプレッサ出力推定部52は、コンプレッサ出力を推定する。具体的には、コンプレッサ出力推定部52は、吸気のガス定数と吸気の比熱比と吸気温度と吸入空気量と大気圧と過給圧とを用いて、以下の式(1)によりコンプレッサ出力Lcdを演算する。吸気温度は、温度センサ62によって検出され、吸入空気量は、エアフロメータ61によって検出され、過給圧は、圧力センサ63によって検出され、大気圧は大気圧センサ60によって検出される。
Figure 0006542592
ここで、Ra:吸気のガス定数(空気のガス定数)、κa:吸気の比熱比(空気の比熱比)、T1:コンプレッサ上流温度(吸気温度)、Ga:コンプレッサ通過流量(吸入空気量)、P1:コンプレッサ下流圧力(過給圧)、P2:コンプレッサ上流圧力(大気圧)である。こうして算出されるコンプレッサ出力Lcdは、標準状態での出力であり、前述したように「標準コンプレッサ出力」と称される。
続いて、ECU50のタービン上流圧力推定部53は、タービン上流圧力を推定すると共に、タービン4bを通過する排気の流量であるタービン通過流量及びタービン4bの効率であるタービン効率を推定する。詳しくは、タービン出力Ltdは、以下の式(2)で表される。
Figure 0006542592
ここで、Rg:排気のガス定数、κg:排気の比熱比、T2:タービン4bの上流側の排気温度(以下、「タービン上流温度」と称する)、Gg:タービン通過流量、P3:タービン下流圧力、P4:タービン上流圧力である。
また、タービン4bの仕事とコンプレッサ4aの仕事は釣り合うので、以下の式(3)が成り立つ。
Figure 0006542592
ここで、ηt:タービン効率であり、タービン4bの回転がシャフトを介してコンプレッサ4aに伝達される際の機械損失等も含むものである。
タービン上流圧力推定部53は、タービン4bの上流側と下流側との排気圧力の比(タービン上流の排気圧力/タービン下流の排気圧力)であるタービン圧力比P4/P3として任意の値を暫定的に設定し、設定したタービン圧力比P4/P3を図5に示すようなタービン通過流量・効率マップに照らし合わせて、タービン通過流量Gg及びタービン効率ηtを決定する。タービン通過流量・効率マップでは、横軸に示すタービン圧力比P4/P3が規定され、一方の縦軸にタービン通過流量Ggが規定され、他方の縦軸にタービン効率ηtが規定されている。タービン通過流量・効率マップには、タービン圧力比P4/P3に対するタービン通過流量Ggの関係、及び、タービン圧力比P4/P3に対するタービン効率ηtの関係がタービン回転数ごとに規定されている。図5では、6つのタービン回転数に対応するタービン圧力比P4/P3に対するタービン通過流量Ggの関係を示す曲線、及び、6つのタービン回転数に対応するタービン圧力比P4/P3に対するタービン効率ηtの関係を示す曲線が示されている。つまり、タービン上流圧力推定部53は、タービン回転数に対応する曲線を決定し、設定したタービン圧力比P4/P3の値を該曲線に照らし合わせて、対応するタービン通過流量Gg及びタービン効率ηtを決定する。タービン通過流量・効率マップは、予め作成されて、ECU50内のメモリなどに記憶されている。
尚、タービン上流圧力推定部53は、前述の演算を行うにあたり、タービン上流温度及びタービン回転数を推定する。例えば、タービン上流圧力推定部53は、予めメモリに記憶され、エンジン回転数やエンジン負荷などにより規定された温度マップに基づいてタービン上流温度を決定する。また、タービン上流圧力推定部53は、前述の標準コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ圧力比を、予めメモリに記憶されたタービン回転数マップに照らし合わせて実コンプレッサ回転数を求め、実コンプレッサ回転数、タービン上流温度、排気の比熱比及び空気の比熱比に基づいて標準タービン回転数を求める。
タービン上流圧力推定部53は、こうして決定したタービン圧力比P4/P3及びタービン通過流量Ggを式(2)に代入して、タービン出力Ltdを算出し、算出したタービン出力Ltdとタービン通過流量・効率マップから決定したタービン効率ηtとを式(3)の右辺に代入し、式(3)の右辺の値を算出する。一方、タービン上流圧力推定部53は、前述のように推定した標準コンプレッサ効率ηcと標準コンプレッサ出力Lcdとを式(3)の左辺に代入し、式(3)の左辺の値を算出する。タービン上流圧力推定部53は、こうして算出した式(3)の右辺の値と式(3)の左辺の値とを比較する。タービン上流圧力推定部53は、式(3)の右辺の値が式(3)の左辺の値に収束するまで、タービン圧力比P4/P3の値を変更し、タービン通過流量Gg及びタービン効率ηtの決定並びに式(3)の右辺の演算を繰り返す。タービン上流圧力推定部53は、式(3)の右辺の値が式(3)の左辺の値に収束したと判定したときのタービン圧力比P4/P3の値を最終的なタービン圧力比P4/P3として推定する。
尚、以上の説明からわかるように、タービン上流圧力推定部53は、タービン圧力比P4/P3を推定すると同時に、タービン通過流量Gg及びタービン効率ηtも推定している。すなわち、タービン上流圧力推定部53は、タービン4bを通過する排気の流量であるタービン通過流量を推定するタービン通過流量推定部、及び、タービン4bのタービン効率を推定するタービン効率推定部としても機能する。
タービン上流圧力推定部53は、こうして推定したタービン圧力比P4/P3とタービン下流圧力推定部54が推定するタービン下流圧力とに基づいてタービン上流圧力を求める。
〈タービン下流圧力の推定〉
次に、タービン下流圧力の推定方法について説明する。前述したように、最終的に求めるべきタービン上流圧力を得るに当たってタービン下流圧力が必要となる(図3参照)。タービン下流圧力を精度良く推定することができれば、タービン上流圧力を精度良く推定することができる。
ECU50のタービン下流圧力推定部54は、タービン4bの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいてタービン下流圧力を推定することによって、タービン下流圧力の推定精度を向上させている。つまり、タービン下流圧力推定部54は、タービン4bの下流側の排気系の状態を考慮してタービン下流圧力を推定する。
具体的には、タービン下流圧力推定部54は、タービン下流側状態値として、タービン4bの下流側にあるテールパイプ部の排気圧力に相当する大気圧と、タービン4bと排気浄化触媒37との間を通過する排気の温度(以下では適宜「タービン下流温度」と呼ぶ。)と、タービン4bの下流側の排気通路30における圧力損失(以下では適宜「タービン下流圧力損失」と呼ぶ。)と、タービン4bの下流側の排気通路30を通過する排気の流量であるタービン下流流量とを用いて、タービン下流圧力を推定する。
より詳しくは、タービン下流圧力推定部54は、大気圧が高い場合や、タービン下流温度が高い場合や、タービン下流圧力損失が大きい場合や、タービン下流流量が多い場合には、タービン下流圧力が高くなるようにタービン下流圧力を推定する。こうするのは、大気圧が高い場合や、タービン下流温度が高い場合や、タービン下流圧力損失が大きい場合や、タービン下流流量が多い場合には、タービン4bの下流側の排気通路30に排気が流れにくくなり、タービン下流圧力が上昇する傾向にあるからである。
尚、タービン下流温度は、タービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30上に設けられた温度センサ68によって検出される排気温度であり、ECU50の排気温度取得部55によって取得される。タービン下流温度の取得は、温度センサ68による検出に限られない。排気通路30に温度センサ68を設けず、エンジンシステム100の運転状態に基づいてタービン下流温度を推定してもよい。
また、タービン下流圧力損失は、タービン4bの下流側の排気通路30における管路摩擦係数(タービン4bから排気通路30の終端部(外部に排気が排出される箇所)までの配管による圧力損失や、排気浄化触媒37、38による圧力損失などを含む。)によって規定される定数である。このタービン下流圧力損失は、予めに求められて、ECU50内のメモリなどに記憶される。
また、タービン下流流量は、厳密には、排気通路30のうち、タービン4bの下流側であってタービンバイパス通路35が接続された部分よりも下流側を流れる排気の流量である。したがって、このタービン下流流量には、タービン4bを通過した排気の流量(タービン通過流量)だけでなく、タービン4bを迂回した排気の流量、即ち、タービンバイパス流量も含まれる。
次に、図6を参照して、タービン下流圧力の推定方法について具体的に説明する。図6は、タービン下流圧力の推定方法を示すブロック図である。
図6に示すように、タービン下流圧力推定部54は、EGR流量を排気総流量から減算することによってタービン下流流量を求める。具体的には、排気総流量推定部56は、吸入空気量及び燃焼A/F(空燃比)に基づいて、エンジン20から排出された排気総流量を求める。吸入空気量は、エアフロメータ61によって検出され、燃焼A/Fは、O2センサ67によって検出された酸素濃度に基づいて求められる。
EGR流量は、ECU50のEGR流量推定部57によって求められる。EGR流量推定部57は、EGR開度センサ65が検出したEGR開度と、圧力センサ64が検出したインマニ圧と、タービン上流圧力とに基づいてEGR流量を求める。尚、EGR流量推定部57が用いるタービン上流圧力には、例えば、前述の推定方法により前回求められた値が適用される。
タービン下流圧力推定部54は、排気総流量推定部56が求めた排気総流量からEGR流量推定部57が求めたEGR流量を減算することによってタービン下流流量を求める。
尚、タービン下流圧力推定部54は、タービン下流流量を以下のように推定してもよい。例えば、タービン下流圧力推定部54は、W/G開度センサ66が検出したW/G開度と、タービン上流温度と、タービン上流圧力と、タービン下流圧力とを用いて、ベルヌーイの定理に基づいて、タービンバイパス流量を求める。尚、タービン上流温度、タービン上流圧力及びタービン下流圧力には、例えば、前述の推定方法により前回求められた値が適用される。そして、タービン下流圧力推定部54は、求めたタービンバイパス流量を前述の推定方法により求められたタービン通過流量Ggに加算することによってタービン下流流量を求める。
続いて、タービン下流圧力推定部54は、このタービン下流流量と、大気圧センサ60が検出した大気圧と、温度センサ68が検出したタービン下流温度と、ECU50内のメモリなどに記憶されたタービン下流圧力損失とを用いて、ベルヌーイの定理に基づいてタービン下流圧力を求める。
尚、タービン下流圧力推定部54は、このようなタービン下流圧力の推定処理を前述のタービン上流圧力の推定処理と並行して実行してもよい。
以上、説明してきたタービン上流圧力の推定処理をフローチャートに表すと図7のようになる。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1において、コンプレッサ効率推定部51がコンプレッサ効率を推定する。具体的には、コンプレッサ効率推定部51は、標準コンプレッサ通過流量とコンプレッサ圧力比とを求め、コンプレッサ効率マップを参照してコンプレッサ効率ηcを推定する。
ステップS2において、コンプレッサ出力推定部52がコンプレッサ出力を推定する。具体的には、コンプレッサ出力推定部52は、吸入空気量等を用い、式(1)に基づいてコンプレッサ出力Lcdを演算する。
ステップS3において、タービン上流圧力推定部53がタービン圧力比を推定する。具体的には、タービン上流圧力推定部53は、ステップS1で推定したコンプレッサ効率ηc及びステップS2で推定したコンプレッサ出力Lcd等を用いて式(3)に基づいてタービン圧力比P4/P3の収束計算を実行し、タービン圧力比P4/P3を推定する。このとき、タービン上流圧力推定部53は、タービン通過流量Gg及びタービン効率ηtも同時に推定する。
ステップS4において、タービン下流圧力推定部54がタービン下流圧力を推定する。具体的には、タービン下流圧力推定部54は、タービン下流温度等のタービン下流側状態値に基づいてタービン下流圧力P3を推定する。
ステップS5において、タービン上流圧力推定部53がタービン上流圧力を推定する。具体的には、タービン上流圧力推定部53は、ステップS3で推定したタービン圧力比P4/P3及びステップS4で推定したタービン下流圧力P3に基づいてタービン上流圧力P4を推定する。
尚、これらのステップの順番は一例であり、各値の推定を実現できる限りは、ステップの順番を適宜入れ替えたり、複数のステップを並行して処理したりしてもよい。例えば、ステップS1とステップS2の順番を入れ替えたり、ステップS1とステップS2とを並行に処理したりしてもよい。
以上のように、ECU50は、コンプレッサ上流圧力とコンプレッサ下流圧力とコンプレッサ通過流量とに基づいてコンプレッサ出力を推定するコンプレッサ出力推定部52と、コンプレッサ上流圧力とコンプレッサ下流圧力とコンプレッサ通過流量とに基づいてコンプレッサ効率を推定するコンプレッサ効率推定部51と、タービン下流圧力を推定するタービン下流圧力推定部54と、タービン通過流量及びタービン効率を推定すると共に、コンプレッサ出力、コンプレッサ効率、タービン通過流量、タービン下流圧力及びタービン効率に基づいてタービン上流圧力を推定するタービン上流圧力推定部53とを備え、タービン下流圧力推定部54は、タービン下流側状態値に基づいてタービン下流圧力を推定する。
具体的には、タービン上流圧力推定部53は、タービン4bの仕事とコンプレッサ4aの仕事とが釣り合う関係に基づいてタービン上流圧力を推定する(前述の説明では、タービン上流圧力に対するタービン下流圧力の比の形でタービン上流圧力が推定される)。その際に、タービン上流圧力推定部53は、タービン4bの仕事とコンプレッサ4aの仕事とが釣り合う関係に基づいてタービン効率も推定する。さらに、タービン上流圧力推定部53は、タービン4bの仕事とコンプレッサ4aの仕事とが釣り合う関係に基づいてタービン通過流量も推定する。
つまり、この構成によれば、タービン4bの仕事とコンプレッサ4aの仕事とが釣り合う関係に基づいてタービン上流圧力を推定することができる。その際には、タービン下流圧力が必要であり、ECU50は、タービン下流側状態値に基づいてタービン下流圧力を推定している。ECU50は、タービン下流側状態値を考慮することによって、タービン下流圧力を精度良く推定することができる。その結果、タービン上流圧力も精度良く推定される。
具体的には、ECU50は、排気通路30の下流端部(テールパイプ部)の排気圧力である大気圧、タービン下流温度、タービン下流圧力損失及びタービン下流流量の少なくとも1つをタービン下流側状態値として用いてタービン下流圧力を推定している。これら大気圧、タービン下流温度、タービン下流圧力損失及びタービン下流流量は、タービン下流圧力に影響を与えうるパラメータであるので、これらの少なくとも1つを考慮することによって、タービン下流圧力の推定精度を向上させることができる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
エンジンシステム100の構成は、一例であり、この構成に限られるものではない。
また、タービン上流圧力推定部53は、式(3)の右辺の値が式(3)の左辺の値に収束するように、タービン圧力比P4/P3を求めているが、タービン圧力比P4/P3を求める際に用いる式は式(3)に限られるものではない。式(3)は、一例に過ぎず、コンプレッサ仕事とタービン仕事とが釣り合う関係に基づいて規定された式であれば、タービン圧力比P4/P3を求めることができる。例えば、式(3)を変形した式を用いて、タービン圧力比P4/P3の収束計算を実行してもよい。また、タービン上流圧力推定部53は、タービン圧力比P4/P3の収束計算を実行しているが、タービン下流圧力P4が推定されているので、タービン上流圧力P3を求めるように収束計算を実行してもよい。
また、タービン上流圧力推定部53は、タービン圧力比P4/P3の収束計算を実行する際に、タービン通過流量Ggをタービン通過流量・効率マップに基づいて決定し、タービン通過流量Ggの収束計算も同時に行っているが、これに限られるものではない。例えば、図8に示す推定方法によってタービン通過流量Ggを推定してもよい。
詳しくは、タービン上流圧力推定部53は、まず、吸入空気量及び燃焼A/F(空燃比)に基づいて、エンジン20から排出された排気総流量を求める。次いで、タービン上流圧力推定部53は、このようにして得られた排気総流量から、当該排気総流量のうちでタービン4bに流れなかった排気流量を減算することで、タービン通過流量を求める。具体的には、タービン上流圧力推定部53は、排気総流量からEGR流量及びタービンバイパス流量を減算することで、タービン通過流量を求める。EGR流量は、EGR流量推定部57が推定したものを用いる。タービンバイパス流量は、前記タービン下流流量の推定方法の説明で言及したように、W/G開度とタービン上流温度とタービン上流圧力とタービン下流圧力とを用いて、ベルヌーイの定理に基づいて求めることができる。次いで、タービン上流圧力推定部53は、得られたタービン通過流量を、タービン上流温度と排気の比熱比と空気の比熱比とタービン上流圧力とに基づいて、標準タービン通過流量へと換算する処理を行う。タービン上流圧力推定部53は、こうして推定した標準タービン通過流量を用いて、タービン圧力比P4/P3の収束計算を実行してもよい。
以上説明したように、ここに開示された技術は、ターボ過給機付きエンジンの制御装置について有用である。
100 エンジンシステム
10 吸気通路
20 エンジン
30 排気通路
32 EGR通路
37 排気浄化触媒
38 排気浄化触媒
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
50 ECU(制御装置)
51 コンプレッサ効率推定部
52 コンプレッサ出力推定部
53 タービン上流圧力推定部(タービン通過流量推定部、タービン効率推定部)
54 タービン下流圧力推定部
55 排気温度取得部
57 EGR流量推定部

Claims (7)

  1. 排気通路に設けられたタービン及び吸気通路に設けられたコンプレッサを有するターボ過給機を備えたターボ過給機付きエンジンの制御装置であって、
    前記コンプレッサの上流側の吸気の圧力であるコンプレッサ上流圧力と、前記コンプレッサの下流側の吸気の圧力であるコンプレッサ下流圧力と、前記コンプレッサを通過する吸気の流量であるコンプレッサ通過流量とに基づいて、前記コンプレッサの出力であるコンプレッサ出力を推定するコンプレッサ出力推定部と、
    前記コンプレッサ上流圧力と前記コンプレッサ下流圧力と前記コンプレッサ通過流量とに基づいて、前記コンプレッサの効率であるコンプレッサ効率を推定するコンプレッサ効率推定部と、
    前記タービンを通過する排気の流量であるタービン通過流量を、前記タービンの上流側と下流側との圧力の比であるタービン圧力比と前記タービン通過流量との関係を定めたタービン通過流量マップを用いて、推定するタービン通過流量推定部と、
    前記タービンの効率であるタービン効率を、前記タービン圧力比と前記タービン効率との関係を定めたタービン効率マップを用いて、推定するタービン効率推定部と、
    前記タービンの下流側の排気の圧力であるタービン下流圧力を推定するタービン下流圧力推定部と、
    前記コンプレッサ出力、前記コンプレッサ効率、前記タービン通過流量、前記タービン下流圧力及び前記タービン効率に基づいて、前記タービンの上流側の排気の圧力であるタービン上流圧力を推定するタービン上流圧力推定部とを備え、
    前記タービン下流圧力推定部は、前記タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて前記タービン下流圧力を推定し、
    前記タービン通過流量推定部及び前記タービン効率推定部はそれぞれ、タービン通過流量マップ及びタービン効率マップを用いて、暫定的に定めたタービン圧縮比から前記タービン通過流量及び前記タービン効率を推定し、
    前記タービン上流圧力推定部は、前記タービン圧力比、前記タービン通過流量及び前記タービン効率から求まる前記タービンの仕事と、前記コンプレッサ出力及び前記コンプレッサ効率から求まる前記コンプレッサの仕事と、が釣り合うことを示す関係式が収束するまで、前記タービン圧力比の値を変更すると共に、前記関係式が収束したときのタービン圧力比と、前記タービン下流圧力とから、前記タービン上流圧力を推定することを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のターボ過給機付きエンジンの制御装置において、
    前記タービン下流圧力推定部は、大気圧を前記タービン下流側状態値として用い、大気圧が高いほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定することを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のターボ過給機付きエンジンの制御装置において、
    前記タービンと前記排気通路において前記タービンの下流側に設けられた排気浄化触媒との間を通過する排気の温度を取得する排気温度取得部をさらに備え、
    前記タービン下流圧力推定部は、前記排気温度取得部が取得した排気温度を前記タービン下流側状態値として用い、前記排気温度が高いほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定することを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のターボ過給機付きエンジンの制御装置において、
    前記タービン下流圧力推定部は、前記排気通路の前記タービンの下流側における圧力損失を前記タービン下流側状態値として用い、前記圧力損失が大きいほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定することを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のターボ過給機付きエンジンの制御装置において、
    前記タービン下流圧力推定部は、前記排気通路のうち前記タービンの下流側の部分を通過する排気の流量であるタービン下流流量を前記タービン下流側状態値として用い、前記タービン下流流量が多いほど前記タービン下流圧力が高くなるように前記タービン下流圧力を推定することを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
  6. 請求項5に記載のターボ過給機付きエンジンの制御装置において、
    前記排気通路のうち前記タービンの上流側の排気を前記吸気通路に還流させるように構
    成されたEGR通路を通過する排気の流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定部をさらに備え、
    前記タービン下流圧力推定部は、前記EGR流量に基づいて前記タービン下流流量を推定することを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のターボ過給機付きエンジンの制御装置において、
    前記排気通路のうち前記タービンの上流側の排気を前記吸気通路に還流させるように構成されたEGR通路の上流端と下流端との圧力差、及び、前記EGR通路に設けられたEGRバルブの開度に基づいてEGR量を制御すると共に、推定した前記タービン上流圧力を前記EGR通路の上流端の圧力として用いることを特徴とするターボ過給機付きエンジンの制御装置。
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