JP2015218688A - ターボ過給機付エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、一般的に、ターボ過給機を有するエンジンシステムでは、コストやレイアウト上の観点などから、タービン上流排気ガス圧力を検出するセンサが設けられておらず、推定によってタービン上流排気ガス圧力を求めている(例えば、上記したように、タービン下流排気ガス圧力を推定し、このタービン下流排気ガス圧力に基づいてタービン上流排気ガス圧力を求めている)。また、このタービン上流排気ガス圧力は、種々の制御を的確に実施する上で重要な情報である。
このように構成された本発明においては、タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいてタービン下流排気ガス圧力を推定するので、タービン下流排気ガス圧力を精度良く推定することができる。したがって、本発明によれば、このタービン下流排気ガス圧力に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、大気圧が高いほどタービン下流排気ガス圧力が高くなるという傾向を考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
このように構成された本発明においては、タービンと排気浄化触媒との間を通過する排気ガスの温度が高いほどタービン下流排気ガス圧力が高くなるという傾向を考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
このように構成された本発明においては、タービンの下流側の排気通路における圧力損失に応じてタービン下流排気ガス圧力が変化することを考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
このように構成された本発明においては、タービンの下流側の排気通路を通過する排気ガスの流量に応じてタービン下流排気ガス圧力が変化することを考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
このように構成された本発明においては、タービンバイパス通路及びウエストゲートバルブを有するエンジンシステムに関して、エンジンから排出された排気ガスのうちでタービンに供給されなかった排気ガスの流量を適切に差し引いてタービン通過流量を求めるので、タービン通過流量を精度良く求めることができる。したがって、このタービン通過流量に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
このように構成された本発明においては、EGR通路を有するエンジンシステムに関して、エンジンから排出された排気ガスのうちでタービンに供給されなかった排気ガスの流量を適切に差し引いてタービン通過流量を求めるので、タービン通過流量を精度良く求めることができる。したがって、このタービン通過流量に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
また、吸気通路10には、ターボ過給機4のコンプレッサ4aを迂回して吸気を流すエアバイパス通路6が設けられている。具体的には、エアバイパス通路6は、一端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の上流側の吸気通路10に接続され、他端がコンプレッサ4aの上流側の吸気通路10に接続されている。また、このエアバイパス通路6上には、エアバイパス通路6を流れる吸気を制御するエアバイパスバルブ7が設けられている。
また、排気通路30には、排気ガスを吸気通路10に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路32が接続されている。このEGR通路32は、一端がタービン4bの上流側の排気通路30に接続され、他端がスロットルバルブ11の下流側の吸気通路10に接続されている。加えて、EGR通路32には、還流させる排気ガスを冷却するEGRクーラ33と、EGR通路32を流れる排気ガスを制御するEGRバルブ34とが設けられている。
更に、排気通路30には、ターボ過給機4のタービン4bを迂回して排気ガスを流すタービンバイパス通路35が設けられている。このタービンバイパス通路35上には、タービンバイパス通路35を流れる排気ガスを制御するウエストゲートバルブ(W/Gバルブ)36が設けられている。
加えて、エンジンシステム100の排気系においては、EGRバルブ34の開度であるEGR開度を検出するEGR開度センサ65が設けられ、ウエストゲートバルブ36の開度であるW/G開度を検出するW/G開度センサ66が設けられ、タービン4bの下流側の排気通路30上(詳しくはタービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30上)に、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ67と、排気ガス温度を検出する温度センサ68とが設けられている。
エアフロメータ61は、検出した吸入空気量に対応する検出信号S61をECU50に供給し、温度センサ62は、検出した吸気温度に対応する検出信号S62をECU50に供給し、圧力センサ63は、検出した過給圧に対応する検出信号S63をECU50に供給し、圧力センサ64は、検出したインマニ圧に対応する検出信号S64をECU50に供給し、EGR開度センサ65は、検出したEGR開度に対応する検出信号S65をECU50に供給し、W/G開度センサ66は、検出したW/G開度に対応する検出信号S66をECU50に供給し、O2センサ67は、検出した酸素濃度に対応する検出信号S67をECU50に供給し、温度センサ68は、検出した排気ガス温度に対応する検出信号S68をECU50に供給する。また、エンジンシステム100には、大気圧を検出する大気圧センサ60が設けられており、この大気圧センサ60は、検出した大気圧に対応する検出信号S60をECU50に供給する。
なお、ECU50は、本発明における「ターボ過給機付エンジンの制御装置」に相当する。
図3は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法を示すブロック図であり、図4は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法で用いるコンプレッサ回転数マップであり、図5は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法で用いるタービン回転数マップである。
以下では、現在得られた任意の状態値(ガス量や回転数など)を、標準状態での状態値へと補正する処理を適宜「標準状態換算処理」と呼ぶ。また、上記のように標準状態換算処理を行った吸入空気量を「標準状態吸入空気量」と呼ぶ。吸入空気量は一義的にコンプレッサ通過流量となるため、この標準状態吸入空気量のことを適宜「標準状態コンプレッサ通過流量」と言い換える。
このような標準状態換算処理を行うのは、後述するコンプレッサ回転数マップ(図4参照)及びタービン回転数マップ(図5参照)が標準状態での状態値によって規定されたものであるからである。つまり、コンプレッサ回転数マップ及びタービン回転数マップから所望の値を得るためには、マップを参照する際に用いる実際の状態値を標準状態での状態値へと補正する必要があるからである。また、コンプレッサ回転数マップ及びタービン回転数マップから得られた所望の値は標準状態での状態値であるため、この標準状態での状態値を実際の状態値へと補正する必要もある。
以上のことから、「標準状態」は、コンプレッサ回転数マップ又はタービン回転数マップを作成した際の状態値(ガス量や圧力や回転数など)により規定された状態に対応するものである。したがって、コンプレッサ回転数マップにおける標準状態と、タービン回転数マップにおける標準状態とは、基本的には一致しない。そのため、コンプレッサ回転数マップを用いるために行う標準状態換算処理と、タービン回転数マップを用いるために行う標準状態換算処理とでは、それぞれに対応する標準状態に応じた処理を行うこととなる。
ここで、図4を参照すると、コンプレッサ回転数マップでは、横軸に示すコンプレッサ通過流量(標準状態コンプレッサ通過流量に対応する)と、縦軸に示すコンプレッサ上下流圧力比とに応じた、複数のコンプレッサ回転数が規定されている。図4では、1つの例として、5つのコンプレッサ回転数A1〜A5を含むコンプレッサ回転数マップを示している。コンプレッサ回転数推定部51は、このようなコンプレッサ回転数マップを参照して、標準状態コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ上下流圧力比に対応するコンプレッサ回転数を決定する。なお、コンプレッサ回転数マップは、事前に作成されて、ECU50内のメモリなどに記憶されている。
ここで、実コンプレッサ回転数は過渡的なものであるため、つまり圧力などを検出してから回転数を求めるまでの時間的な遅れがあるため、厳密には、実コンプレッサ回転数は実タービン回転数に一致しない。しかしながら、定性的にはこのような遅れがあるものの、タービン4bの応答性が比較的遅いため、実タービン回転数として実コンプレッサ回転数を用いても、本実施形態における推定精度にほとんど影響を与えない。
なお、予測タービン前ガス温度は、エンジン回転数やエンジン負荷などにより規定されたマップから決定される。また、排気ガス比熱比は、理論空燃比にて規定された温度テーブルから決定される(実際の空燃比に基づいて更に補正した値を用いてもよい)。また、空気比熱比は、基本的には定数が用いられる(種々の状態値を加味して決定してもよい)。
なお、EGR流量推定部58及びタービンバイパス通路通過流量推定部57が用いるタービン上流排気ガス圧力には、例えば、図3に示す推定方法により前回求められた値が適用される。また、タービンバイパス通路通過流量推定部57が用いるタービン下流排気ガス圧力には、後述する方法により求められた値が適用される。
なお、予測タービン上流ガス温度、排気ガス比熱比、及び空気比熱比は、上記したタービン回転数推定部52が用いるものと同様である。また、タービン上流排気ガス圧力には、例えば、図3に示す推定方法により前回求められた値が適用される。
ここで、図5を参照すると、タービン回転数マップでは、横軸に示すタービン上下流圧力比と、縦軸に示すタービン通過流量(標準状態タービン通過流量に対応する)とに応じた、複数のタービン回転数(標準状態タービン回転数)が規定されている。図5では、1つの例として、5つのタービン回転数B1〜B5を含むタービン回転数マップを示している。タービン上流排気ガス圧力推定部55は、このようなタービン回転数マップを参照して、標準状態タービン回転数及び標準状態タービン通過流量に対応するタービン上下流圧力比を決定する。なお、タービン回転数マップは、事前に作成されて、ECU50内のメモリなどに記憶されている。
前述したように、最終的に求めるべきタービン上流排気ガス圧力を得るに当たってタービン下流排気ガス圧力が必要となるが(図3参照)、本実施形態では、ECU50のタービン下流排気ガス圧力推定部54が、タービン4bの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて、このタービン下流排気ガス圧力を推定する。つまり、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、タービン4bの下流側の排気系の状態を考慮に入れて、タービン下流排気ガス圧力を推定する。
具体的には、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、タービン下流側状態値として、タービン4bの下流側にあるテールパイプ部の排気ガス圧力に相当する大気圧と、タービン4bと排気浄化触媒37との間を通過する排気ガスの温度(以下では適宜「タービン下流排気ガス温度」と呼ぶ。)と、タービン4bの下流側の排気通路30における圧力損失(以下では適宜「タービン下流排気系圧力損失」と呼ぶ。)と、タービン4bの下流側の排気通路30を通過する排気ガスの流量であるタービン下流排気ガス流量とを用いて、タービン下流排気ガス圧力を推定する。
より詳しくは、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、大気圧が高い場合や、タービン下流排気ガス温度が高い場合や、タービン下流排気系圧力損失が大きい場合や、タービン下流排気ガス流量が多い場合には、高い値を有するタービン下流排気ガス圧力を推定する。こうするのは、大気圧が高い場合や、タービン下流排気ガス温度が高い場合や、タービン下流排気系圧力損失が大きい場合や、タービン下流排気ガス流量が多い場合には、タービン4bの下流側の排気通路30に排気ガスが流れにくくなり、タービン下流排気ガス圧力が上昇する傾向にあるからである。
また、タービン下流排気系圧力損失は、タービン4bの下流側の排気通路30における管路摩擦係数(タービン4bから排気通路30の終端部(外部に排気ガスが排出される箇所)までの配管による圧力損失や、排気浄化触媒37、38による圧力損失などを含む。)によって規定される定数である。このタービン下流排気系圧力損失は、事前に求められて、ECU50内のメモリなどに記憶される。
また、タービン下流排気ガス流量は、厳密には、タービン4bの下流側であって、タービンバイパス通路35が接続された排気通路30上の箇所よりも下流側を流れる排気ガスの流量である。したがって、このタービン下流排気ガス流量には、タービン4bを通過した排気ガスの流量だけでなく、タービン4bを迂回した排気ガスの流量、つまりタービンバイパス通路35を通過した排気ガスの流量も含まれる。
なお、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、このようなタービン下流排気ガス圧力の推定処理を、図3に示したタービン上流排気ガス圧力の推定処理と並行して実行する。
4a コンプレッサ
4b タービン
10 吸気通路
20 エンジン
30 排気通路
32 EGR通路
34 EGRバルブ
35 タービンバイパス通路
36 ウエストゲートバルブ
37、38 排気浄化触媒
50 ECU
51 コンプレッサ回転数推定部
52 タービン回転数推定部
53 タービン通過流量推定部
54 タービン下流排気ガス圧力推定部
55 タービン上流排気ガス圧力推定部
61 エアフロメータ
62、68 温度センサ
63、64 圧力センサ
65 EGR開度センサ
66 W/G開度センサ
67 O2センサ
100 エンジンシステム
Claims (7)
- 排気通路上に設けられ、排気ガスにより回転されるタービンと、吸気通路上に設けられ、このタービンの回転により駆動されて吸気を昇圧させるコンプレッサとを有するターボ過給機を含むエンジンシステムに適用されるターボ過給機付エンジンの制御装置であって、
上記コンプレッサの上流側の吸気の圧力であるコンプレッサ上流圧力と、このコンプレッサの下流側の吸気の圧力であるコンプレッサ下流圧力と、このコンプレッサを通過する吸気の流量であるコンプレッサ通過流量とに基づいて、コンプレッサ回転数を推定するコンプレッサ回転数推定手段と、
上記コンプレッサ回転数推定手段が推定したコンプレッサ回転数に基づいて、タービン回転数を推定するタービン回転数推定手段と、
上記エンジンシステムの運転状態に基づいて、上記タービンを通過する排気ガスの流量であるタービン通過流量を推定するタービン通過流量推定手段と、
上記タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて、このタービンの下流側の排気ガスの圧力であるタービン下流排気ガス圧力を推定するタービン下流排気ガス圧力推定手段と、
上記タービン回転数推定手段が推定したタービン回転数と、上記タービン通過流量推定手段が推定したタービン通過流量と、上記タービン下流排気ガス圧力推定手段が推定したタービン下流排気ガス圧力とに基づいて、上記タービンの上流側の排気ガスの圧力であるタービン上流排気ガス圧力を推定するタービン上流排気ガス圧力推定手段と、
を有することを特徴とするターボ過給機付エンジンの制御装置。 - 上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記タービン下流側状態値として大気圧を用い、この大気圧が高いほど、高い値を有する上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
- 更に、上記タービンと、このタービンの下流側の排気通路上に設けられた排気浄化触媒との間を通過する排気ガスの温度を取得する排気ガス温度取得手段を有し、
上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記排気ガス温度取得手段が取得した排気ガス温度を上記タービン下流側状態値として用い、この排気ガス温度が高いほど、高い値を有する上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1又は2に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。 - 上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記タービンの下流側の排気通路における圧力損失を上記タービン下流側状態値として用い、この圧力損失に基づいて上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
- 上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記タービンの下流側の排気通路を通過する排気ガスの流量であるタービン下流排気ガス流量を上記タービン下流側状態値として用い、このタービン下流排気ガス流量に基づいて上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1乃至4の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
- 更に、上記タービンを迂回して排気ガスを流すように構成されたタービンバイパス通路上に設けられたウエストゲートバルブの開度に基づいて、このタービンバイパス通路を通過する排気ガスの流量であるタービンバイパス通路通過流量を推定するタービンバイパス通路通過流量推定手段を有し、
上記タービン通過流量推定手段は、上記タービンバイパス通路通過流量推定手段が推定したタービンバイパス通路通過流量に基づいて上記タービン通過流量を推定する、請求項1乃至5の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。 - 更に、上記タービンの上流側の排気ガスを吸気通路に還流させるように構成されたEGR通路を通過する排気ガスの流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定手段を有し、
上記タービン通過流量推定手段は、上記EGR流量推定手段が推定したEGR流量に基づいて上記タービン通過流量を推定する、請求項1乃至6の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
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