JP2015218688A - ターボ過給機付エンジンの制御装置 - Google Patents

ターボ過給機付エンジンの制御装置 Download PDF

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貴史 西尾
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Abstract

【課題】タービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることが可能なターボ過給機付エンジンの制御装置を提供する。【解決手段】ターボ過給機付エンジンの制御装置(ECU50)は、コンプレッサ上流圧力、コンプレッサ下流圧力及びコンプレッサ通過流量に基づいて、コンプレッサ回転数を推定するコンプレッサ回転数推定部51と、コンプレッサ回転数に基づいてタービン回転数を推定するタービン通過流量推定部53と、エンジンシステムの運転状態に基づいてタービン通過流量を推定するタービン通過流量推定部53と、タービン下流側状態値に基づいてタービン下流排気ガス圧力を推定するタービン下流排気ガス圧力推定部54と、タービン回転数、タービン通過流量及びタービン下流排気ガス圧力に基づいて、タービン上流排気ガス圧力を推定するタービン上流排気ガス圧力推定部55と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、ターボ過給機付エンジンの制御装置に係わり、特に、ターボ過給機を有するエンジンシステムにおいて排気ガス圧力を推定するターボ過給機付エンジンの制御装置に関する。
この種の技術が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、ターボ過給機付エンジンにおいて、コンプレッサ上下流圧力比(コンプレッサ圧力比)及び吸入空気量に基づいてコンプレッサ運転状態を推定し、このコンプレッサ運転状態に基づいてタービン運転状態を推定し、これら推定されたコンプレッサ運転状態及びタービン運転状態に基づいて排気ガス圧力を推定する技術が開示されている。
特開2009−203918号公報
上記した特許文献1に開示された技術では、タービン通過流量及びタービン回転数に基づいて、タービン下流の排気ガス圧力(タービン下流排気ガス圧力)を推定している。しかしながら、タービン下流排気ガス圧力はタービン下流の排気系の状態(例えばタービン下流側の排気ガス温度や排気通路における圧力損失など)によって変化するが、特許文献1に開示された技術では、そのようなタービン下流の排気系の状態を考慮に入れていないため、精度の高いタービン下流排気ガス圧力を得ることができない。したがって、特許文献1に開示された技術では、タービン下流排気ガス圧力に基づいて推定するタービン上流の排気ガス圧力(タービン上流排気ガス圧力)の推定精度が低いと言える。
なお、一般的に、ターボ過給機を有するエンジンシステムでは、コストやレイアウト上の観点などから、タービン上流排気ガス圧力を検出するセンサが設けられておらず、推定によってタービン上流排気ガス圧力を求めている(例えば、上記したように、タービン下流排気ガス圧力を推定し、このタービン下流排気ガス圧力に基づいてタービン上流排気ガス圧力を求めている)。また、このタービン上流排気ガス圧力は、種々の制御を的確に実施する上で重要な情報である。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、タービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることが可能なターボ過給機付エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、排気通路上に設けられ、排気ガスにより回転されるタービンと、吸気通路上に設けられ、このタービンの回転により駆動されて吸気を昇圧させるコンプレッサとを有するターボ過給機を含むエンジンシステムに適用されるターボ過給機付エンジンの制御装置であって、コンプレッサの上流側の吸気の圧力であるコンプレッサ上流圧力と、このコンプレッサの下流側の吸気の圧力であるコンプレッサ下流圧力と、このコンプレッサを通過する吸気の流量であるコンプレッサ通過流量とに基づいて、コンプレッサ回転数を推定するコンプレッサ回転数推定手段と、コンプレッサ回転数推定手段が推定したコンプレッサ回転数に基づいて、タービン回転数を推定するタービン回転数推定手段と、エンジンシステムの運転状態に基づいて、タービンを通過する排気ガスの流量であるタービン通過流量を推定するタービン通過流量推定手段と、タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて、このタービンの下流側の排気ガスの圧力であるタービン下流排気ガス圧力を推定するタービン下流排気ガス圧力推定手段と、タービン回転数推定手段が推定したタービン回転数と、タービン通過流量推定手段が推定したタービン通過流量と、タービン下流排気ガス圧力推定手段が推定したタービン下流排気ガス圧力とに基づいて、タービンの上流側の排気ガスの圧力であるタービン上流排気ガス圧力を推定するタービン上流排気ガス圧力推定手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいてタービン下流排気ガス圧力を推定するので、タービン下流排気ガス圧力を精度良く推定することができる。したがって、本発明によれば、このタービン下流排気ガス圧力に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、タービン下流排気ガス圧力推定手段は、タービン下流側状態値として大気圧を用い、この大気圧が高いほど、高い値を有するタービン下流排気ガス圧力を推定する。
このように構成された本発明においては、大気圧が高いほどタービン下流排気ガス圧力が高くなるという傾向を考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、更に、タービンと、このタービンの下流側の排気通路上に設けられた排気浄化触媒との間を通過する排気ガスの温度を取得する排気ガス温度取得手段を有し、タービン下流排気ガス圧力推定手段は、排気ガス温度取得手段が取得した排気ガス温度をタービン下流側状態値として用い、この排気ガス温度が高いほど、高い値を有するタービン下流排気ガス圧力を推定する。
このように構成された本発明においては、タービンと排気浄化触媒との間を通過する排気ガスの温度が高いほどタービン下流排気ガス圧力が高くなるという傾向を考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、タービン下流排気ガス圧力推定手段は、タービンの下流側の排気通路における圧力損失をタービン下流側状態値として用い、この圧力損失に基づいてタービン下流排気ガス圧力を推定する。
このように構成された本発明においては、タービンの下流側の排気通路における圧力損失に応じてタービン下流排気ガス圧力が変化することを考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、タービン下流排気ガス圧力推定手段は、タービンの下流側の排気通路を通過する排気ガスの流量であるタービン下流排気ガス流量をタービン下流側状態値として用い、このタービン下流排気ガス流量に基づいてタービン下流排気ガス圧力を推定する。
このように構成された本発明においては、タービンの下流側の排気通路を通過する排気ガスの流量に応じてタービン下流排気ガス圧力が変化することを考慮して推定を行うので、タービン下流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、更に、タービンを迂回して排気ガスを流すように構成されたタービンバイパス通路上に設けられたウエストゲートバルブの開度に基づいて、このタービンバイパス通路を通過する排気ガスの流量であるタービンバイパス通路通過流量を推定するタービンバイパス通路通過流量推定手段を有し、タービン通過流量推定手段は、タービンバイパス通路通過流量推定手段が推定したタービンバイパス通路通過流量に基づいてタービン通過流量を推定する。
このように構成された本発明においては、タービンバイパス通路及びウエストゲートバルブを有するエンジンシステムに関して、エンジンから排出された排気ガスのうちでタービンに供給されなかった排気ガスの流量を適切に差し引いてタービン通過流量を求めるので、タービン通過流量を精度良く求めることができる。したがって、このタービン通過流量に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、更に、タービンの上流側の排気ガスを吸気通路に還流させるように構成されたEGR通路を通過する排気ガスの流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定手段を有し、タービン通過流量推定手段は、EGR流量推定手段が推定したEGR流量に基づいてタービン通過流量を推定する。
このように構成された本発明においては、EGR通路を有するエンジンシステムに関して、エンジンから排出された排気ガスのうちでタービンに供給されなかった排気ガスの流量を適切に差し引いてタービン通過流量を求めるので、タービン通過流量を精度良く求めることができる。したがって、このタービン通過流量に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を適切に向上させることができる。
本発明のターボ過給機付エンジンの制御装置によれば、タービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることができる。
本発明の実施形態によるターボ過給機付エンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態によるECUの機能構成図である。 本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法を示すブロック図である。 本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法で用いるコンプレッサ回転数マップである。 本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法で用いるタービン回転数マップである。 本発明の実施形態によるタービン下流排気ガス圧力の推定方法を示すブロック図である。 本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力推定処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるターボ過給機付エンジンの制御装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるターボ過給機付エンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
図1に示すように、エンジンシステム100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路10と、この吸気通路10から供給された吸気と、後述する燃料噴射弁23から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン20(例えばガソリンエンジン)と、このエンジン20内の燃焼により発生した排気ガスを排出する排気通路30と、エンジンシステム100全体を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを有する。
吸気通路10には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナー2と、通過する吸気を圧縮して吸気圧力を上昇させる、ターボ過給機4のコンプレッサ4aと、通過する吸気を冷却するインタークーラ9と、通過する吸気量を調整するスロットルバルブ11と、エンジン20に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク13と、が設けられている。
また、吸気通路10には、ターボ過給機4のコンプレッサ4aを迂回して吸気を流すエアバイパス通路6が設けられている。具体的には、エアバイパス通路6は、一端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の上流側の吸気通路10に接続され、他端がコンプレッサ4aの上流側の吸気通路10に接続されている。また、このエアバイパス通路6上には、エアバイパス通路6を流れる吸気を制御するエアバイパスバルブ7が設けられている。
エンジン20は、主に、吸気通路10から供給された吸気を燃焼室21内に導入する吸気バルブ22と、燃焼室21に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁23と、燃焼室21内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ24と、燃焼室21内での混合気の燃焼により往復運動するピストン27と、ピストン27の往復運動により回転されるクランクシャフト28と、燃焼室21内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路30へ排出する排気バルブ29とを有する。
排気通路30には、上流側から順に、通過する排気ガスによって回転され、この回転によって上記したようにコンプレッサ4aを駆動する、ターボ過給機4のタービン4bと、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気ガスの浄化機能を有する排気浄化触媒37、38と、が設けられている。
また、排気通路30には、排気ガスを吸気通路10に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路32が接続されている。このEGR通路32は、一端がタービン4bの上流側の排気通路30に接続され、他端がスロットルバルブ11の下流側の吸気通路10に接続されている。加えて、EGR通路32には、還流させる排気ガスを冷却するEGRクーラ33と、EGR通路32を流れる排気ガスを制御するEGRバルブ34とが設けられている。
更に、排気通路30には、ターボ過給機4のタービン4bを迂回して排気ガスを流すタービンバイパス通路35が設けられている。このタービンバイパス通路35上には、タービンバイパス通路35を流れる排気ガスを制御するウエストゲートバルブ(W/Gバルブ)36が設けられている。
また、図1に示すエンジンシステム100には、各種のセンサが設けられている。具体的には、エンジンシステム100の吸気系においては、エアクリーナー2の下流側の吸気通路10上(詳しくはエアクリーナー2とコンプレッサ4aとの間の吸気通路10上)に、吸入空気量を検出するエアフロメータ61と、吸気温度を検出する温度センサ62とが設けられ、コンプレッサ4aとスロットルバルブ11との間の吸気通路10上に、過給圧を検出する圧力センサ63が設けられ、スロットルバルブ11の下流側の吸気通路10上(詳しくはサージタンク13内)に、インマニ圧を検出する圧力センサ64が設けられている。
加えて、エンジンシステム100の排気系においては、EGRバルブ34の開度であるEGR開度を検出するEGR開度センサ65が設けられ、ウエストゲートバルブ36の開度であるW/G開度を検出するW/G開度センサ66が設けられ、タービン4bの下流側の排気通路30上(詳しくはタービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30上)に、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ67と、排気ガス温度を検出する温度センサ68とが設けられている。
エアフロメータ61は、検出した吸入空気量に対応する検出信号S61をECU50に供給し、温度センサ62は、検出した吸気温度に対応する検出信号S62をECU50に供給し、圧力センサ63は、検出した過給圧に対応する検出信号S63をECU50に供給し、圧力センサ64は、検出したインマニ圧に対応する検出信号S64をECU50に供給し、EGR開度センサ65は、検出したEGR開度に対応する検出信号S65をECU50に供給し、W/G開度センサ66は、検出したW/G開度に対応する検出信号S66をECU50に供給し、O2センサ67は、検出した酸素濃度に対応する検出信号S67をECU50に供給し、温度センサ68は、検出した排気ガス温度に対応する検出信号S68をECU50に供給する。また、エンジンシステム100には、大気圧を検出する大気圧センサ60が設けられており、この大気圧センサ60は、検出した大気圧に対応する検出信号S60をECU50に供給する。
ECU50は、CPU、CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。ECU50は、上述した各種センサから供給された検出信号に基づいて、種々の制御や処理を行う。
次に、図2は、本発明の実施形態によるECUの機能構成図を示す。
図2に示すように、ECU50は、機能的には、コンプレッサ回転数を推定するコンプレッサ回転数推定部51と、タービン回転数を推定するタービン回転数推定部52と、タービン4bを通過する排気ガスの流量であるタービン通過流量を推定するタービン通過流量推定部53と、タービン4bの下流側の排気ガスの圧力(厳密には、タービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30を通過する排気ガスの圧力)であるタービン下流排気ガス圧力を推定するタービン下流排気ガス圧力推定部54と、タービン4bの上流側の排気ガスの圧力であるタービン上流排気ガス圧力を推定するタービン上流排気ガス圧力推定部55と、温度センサ68が検出した排気ガス温度(検出信号S68に対応する)を取得する排気ガス温度取得部56と、タービンバイパス通路35を通過する排気ガスの流量であるタービンバイパス通路通過流量を推定するタービンバイパス通路通過流量推定部57と、EGR通路32を通過する排気ガスの流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定部58と、を有する。
なお、ECU50は、本発明における「ターボ過給機付エンジンの制御装置」に相当する。
次に、図3乃至図5を参照して、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法を示すブロック図であり、図4は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法で用いるコンプレッサ回転数マップであり、図5は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力の推定方法で用いるタービン回転数マップである。
図3に示すように、まず、ECU50のコンプレッサ回転数推定部51が、エアフロメータ61が検出した吸入空気量を、所定の標準状態(所定の温度や圧力などにより規定された状態に相当する。以下同様とする。)での吸入空気量へと補正する処理を行う。具体的には、コンプレッサ回転数推定部51は、現在の大気圧及び吸気温度(それぞれ大気圧センサ60及び温度センサ62によって検出される)に基づいて、エアフロメータ61が検出した吸入空気量を、標準状態での吸入空気量へと補正する処理を行う、つまり標準状態での吸入空気量に換算する処理を行う。
以下では、現在得られた任意の状態値(ガス量や回転数など)を、標準状態での状態値へと補正する処理を適宜「標準状態換算処理」と呼ぶ。また、上記のように標準状態換算処理を行った吸入空気量を「標準状態吸入空気量」と呼ぶ。吸入空気量は一義的にコンプレッサ通過流量となるため、この標準状態吸入空気量のことを適宜「標準状態コンプレッサ通過流量」と言い換える。
このような標準状態換算処理を行うのは、後述するコンプレッサ回転数マップ(図4参照)及びタービン回転数マップ(図5参照)が標準状態での状態値によって規定されたものであるからである。つまり、コンプレッサ回転数マップ及びタービン回転数マップから所望の値を得るためには、マップを参照する際に用いる実際の状態値を標準状態での状態値へと補正する必要があるからである。また、コンプレッサ回転数マップ及びタービン回転数マップから得られた所望の値は標準状態での状態値であるため、この標準状態での状態値を実際の状態値へと補正する必要もある。
以上のことから、「標準状態」は、コンプレッサ回転数マップ又はタービン回転数マップを作成した際の状態値(ガス量や圧力や回転数など)により規定された状態に対応するものである。したがって、コンプレッサ回転数マップにおける標準状態と、タービン回転数マップにおける標準状態とは、基本的には一致しない。そのため、コンプレッサ回転数マップを用いるために行う標準状態換算処理と、タービン回転数マップを用いるために行う標準状態換算処理とでは、それぞれに対応する標準状態に応じた処理を行うこととなる。
また、コンプレッサ回転数推定部51は、大気圧センサ60が検出した大気圧と、圧力センサ63が検出した過給圧とに基づいて、コンプレッサ4aの上流側と下流側の吸気圧力の比であるコンプレッサ上下流圧力比(過給圧/大気圧)を求める。そして、コンプレッサ回転数推定部51は、図4に示すようなコンプレッサ回転数マップを参照して、上記のようにして得られた標準状態コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ上下流圧力比に対応するコンプレッサ回転数を決定する。こうして決定されるコンプレッサ回転数は、標準状態での回転数であるため、以下では適宜「標準状態コンプレッサ回転数」と呼ぶ。
ここで、図4を参照すると、コンプレッサ回転数マップでは、横軸に示すコンプレッサ通過流量(標準状態コンプレッサ通過流量に対応する)と、縦軸に示すコンプレッサ上下流圧力比とに応じた、複数のコンプレッサ回転数が規定されている。図4では、1つの例として、5つのコンプレッサ回転数A1〜A5を含むコンプレッサ回転数マップを示している。コンプレッサ回転数推定部51は、このようなコンプレッサ回転数マップを参照して、標準状態コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ上下流圧力比に対応するコンプレッサ回転数を決定する。なお、コンプレッサ回転数マップは、事前に作成されて、ECU50内のメモリなどに記憶されている。
再び図3を参照すると、コンプレッサ回転数推定部51は、上記のようにして得られた標準状態コンプレッサ回転数を、現在の温度などに対応する実際のコンプレッサ回転数(以下では「実コンプレッサ回転数」と呼ぶ。)へと補正する。つまり、コンプレッサ回転数推定部51は、標準状態でのコンプレッサ回転数を、現在の状態に応じたコンプレッサ回転数へと換算する処理を行う。具体的には、コンプレッサ回転数推定部51は、標準状態コンプレッサ回転数に対して、温度センサ62が検出した吸気温度を乗算することにより、実コンプレッサ回転数を求める。
次いで、ECU50のタービン回転数推定部52が、このようにして得られた実コンプレッサ回転数に基づいて、タービン回転数を推定する。具体的には、タービン回転数推定部52は、この実コンプレッサ回転数をタービン回転数として推定する、つまりタービン回転数として実コンプレッサ回転数を採用する。このタービン回転数は、実コンプレッサ回転数に対応する実際のタービン回転数であり、標準状態での値に換算されたものではないので、以下では「実タービン回転数」と呼ぶ。
ここで、実コンプレッサ回転数は過渡的なものであるため、つまり圧力などを検出してから回転数を求めるまでの時間的な遅れがあるため、厳密には、実コンプレッサ回転数は実タービン回転数に一致しない。しかしながら、定性的にはこのような遅れがあるものの、タービン4bの応答性が比較的遅いため、実タービン回転数として実コンプレッサ回転数を用いても、本実施形態における推定精度にほとんど影響を与えない。
次いで、タービン回転数推定部52は、このようにして得られた実タービン回転数を、標準状態でのタービン回転数(以下では「標準状態タービン回転数」と呼ぶ。)へと補正する処理、つまり標準状態換算処理を行う。具体的には、タービン回転数推定部52は、予測されたタービン上流側の排気ガス温度である予測タービン上流ガス温度と、排気ガス比熱比と、空気比熱比とに基づいて、実タービン回転数を標準状態タービン回転数へと換算する処理を行う。このように実タービン回転数を標準状態の値に換算するのは、この後に、標準状態タービン回転数によって規定されたタービン回転数マップ(図5参照)を用いるからである。
なお、予測タービン前ガス温度は、エンジン回転数やエンジン負荷などにより規定されたマップから決定される。また、排気ガス比熱比は、理論空燃比にて規定された温度テーブルから決定される(実際の空燃比に基づいて更に補正した値を用いてもよい)。また、空気比熱比は、基本的には定数が用いられる(種々の状態値を加味して決定してもよい)。
他方で、上記したようにコンプレッサ回転数推定部51及びタービン回転数推定部52が処理を行っている際に、ECU50のタービン通過流量推定部53が、タービン通過流量を求める。具体的には、タービン通過流量推定部53は、まず、吸入空気量及び燃焼A/F(空燃比)に基づいて、エンジン20から排出された排気ガス総流量を求める。吸入空気量は、エアフロメータ61によって検出され、燃焼A/Fは、O2センサ67によって検出された酸素濃度に基づいて求められる。
次いで、タービン通過流量推定部53は、このようにして得られた排気ガス総流量から、当該排気ガス総流量のうちでタービン4bに流れなかった排気ガス流量を減算することで、タービン通過流量を求める。具体的には、タービン通過流量推定部53は、排気ガス総流量から、EGR通路32を通過した排気ガスの流量(EGR流量)、及びタービンバイパス通路35を通過した排気ガスの流量(タービンバイパス通路通過流量)を減算することで、タービン通過流量を求める。この場合、ECU50のEGR流量推定部58が、EGR開度センサ65が検出したEGR開度と、圧力センサ64が検出したインマニ圧と、タービン上流排気ガス圧力とに基づいて、EGR流量を求める。また、ECU50のタービンバイパス通路通過流量推定部57が、W/G開度センサ66が検出したW/G開度と、上記したものと同様の予測タービン前ガス温度と、タービン上流排気ガス圧力と、タービン下流排気ガス圧力とに基づいて、ベルヌーイの定理を用いて、タービンバイパス通路通過流量を求める。
なお、EGR流量推定部58及びタービンバイパス通路通過流量推定部57が用いるタービン上流排気ガス圧力には、例えば、図3に示す推定方法により前回求められた値が適用される。また、タービンバイパス通路通過流量推定部57が用いるタービン下流排気ガス圧力には、後述する方法により求められた値が適用される。
次いで、タービン通過流量推定部53は、上記のようにして得られたタービン通過流量を、標準状態でのタービン通過流量(以下では「標準状態タービン通過流量」と呼ぶ。)へと補正する処理、つまり標準状態換算処理を行う。具体的には、タービン通過流量推定部53は、予測タービン上流ガス温度と、排気ガス比熱比と、空気比熱比と、タービン上流排気ガス圧力とに基づいて、実際のタービン通過流量を標準状態タービン通過流量へと換算する処理を行う。このように実際のタービン通過流量を標準状態の値に換算するのは、この後に、標準状態タービン通過流量によって規定されたタービン回転数マップ(図5参照)を用いるからである。
なお、予測タービン上流ガス温度、排気ガス比熱比、及び空気比熱比は、上記したタービン回転数推定部52が用いるものと同様である。また、タービン上流排気ガス圧力には、例えば、図3に示す推定方法により前回求められた値が適用される。
次いで、ECU50のタービン上流排気ガス圧力推定部55が、図5に示すようなタービン回転数マップを参照して、タービン回転数推定部52が求めた標準状態タービン回転数及びタービン通過流量推定部53が求めた標準状態タービン通過流量に対応する、タービン4bの上流側と下流側の排気ガス圧力の比であるタービン上下流圧力比(タービン上流排気ガス圧力/タービン下流排気ガス圧力)を決定する。
ここで、図5を参照すると、タービン回転数マップでは、横軸に示すタービン上下流圧力比と、縦軸に示すタービン通過流量(標準状態タービン通過流量に対応する)とに応じた、複数のタービン回転数(標準状態タービン回転数)が規定されている。図5では、1つの例として、5つのタービン回転数B1〜B5を含むタービン回転数マップを示している。タービン上流排気ガス圧力推定部55は、このようなタービン回転数マップを参照して、標準状態タービン回転数及び標準状態タービン通過流量に対応するタービン上下流圧力比を決定する。なお、タービン回転数マップは、事前に作成されて、ECU50内のメモリなどに記憶されている。
再び図3を参照すると、タービン上流排気ガス圧力推定部55は、タービン下流排気ガス圧力に対して、上記のようにして得られたタービン上下流圧力比を乗算することで、タービン上流排気ガス圧力を求める。ここで用いるタービン下流排気ガス圧力には、後述する方法により求められた値が適用される。
次に、本発明の実施形態によるタービン下流排気ガス圧力の推定方法について説明する。
前述したように、最終的に求めるべきタービン上流排気ガス圧力を得るに当たってタービン下流排気ガス圧力が必要となるが(図3参照)、本実施形態では、ECU50のタービン下流排気ガス圧力推定部54が、タービン4bの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて、このタービン下流排気ガス圧力を推定する。つまり、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、タービン4bの下流側の排気系の状態を考慮に入れて、タービン下流排気ガス圧力を推定する。
具体的には、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、タービン下流側状態値として、タービン4bの下流側にあるテールパイプ部の排気ガス圧力に相当する大気圧と、タービン4bと排気浄化触媒37との間を通過する排気ガスの温度(以下では適宜「タービン下流排気ガス温度」と呼ぶ。)と、タービン4bの下流側の排気通路30における圧力損失(以下では適宜「タービン下流排気系圧力損失」と呼ぶ。)と、タービン4bの下流側の排気通路30を通過する排気ガスの流量であるタービン下流排気ガス流量とを用いて、タービン下流排気ガス圧力を推定する。
より詳しくは、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、大気圧が高い場合や、タービン下流排気ガス温度が高い場合や、タービン下流排気系圧力損失が大きい場合や、タービン下流排気ガス流量が多い場合には、高い値を有するタービン下流排気ガス圧力を推定する。こうするのは、大気圧が高い場合や、タービン下流排気ガス温度が高い場合や、タービン下流排気系圧力損失が大きい場合や、タービン下流排気ガス流量が多い場合には、タービン4bの下流側の排気通路30に排気ガスが流れにくくなり、タービン下流排気ガス圧力が上昇する傾向にあるからである。
なお、タービン下流排気ガス温度は、タービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30上に設けられた温度センサ68によって検出される排気ガス温度であり、ECU50の排気ガス温度取得部56によって取得される。このタービン下流排気ガス温度を温度センサ68によって検出することに限定はされず、排気通路30上に温度センサ68を設けずに、エンジンシステム100の運転状態に基づいてタービン下流排気ガス温度を推定してもよい。
また、タービン下流排気系圧力損失は、タービン4bの下流側の排気通路30における管路摩擦係数(タービン4bから排気通路30の終端部(外部に排気ガスが排出される箇所)までの配管による圧力損失や、排気浄化触媒37、38による圧力損失などを含む。)によって規定される定数である。このタービン下流排気系圧力損失は、事前に求められて、ECU50内のメモリなどに記憶される。
また、タービン下流排気ガス流量は、厳密には、タービン4bの下流側であって、タービンバイパス通路35が接続された排気通路30上の箇所よりも下流側を流れる排気ガスの流量である。したがって、このタービン下流排気ガス流量には、タービン4bを通過した排気ガスの流量だけでなく、タービン4bを迂回した排気ガスの流量、つまりタービンバイパス通路35を通過した排気ガスの流量も含まれる。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態によるタービン下流排気ガス圧力の推定方法について具体的に説明する。図6は、本発明の実施形態によるタービン下流排気ガス圧力の推定方法を示すブロック図である。
図6に示すように、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、まず、タービン通過流量推定部53が求めた排気ガス総流量から、EGR流量推定部58が求めたEGR流量を減算することで、タービン下流排気ガス流量を求める。そして、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、このタービン下流排気ガス流量と、大気圧センサ60が検出した大気圧と、温度センサ68が検出したタービン下流排気ガス温度(ECU50の排気ガス温度取得部56によって取得される)と、ECU50内のメモリなどに記憶されたタービン下流排気系圧力損失とに基づいて、ベルヌーイの定理を用いて、タービン下流排気ガス圧力を求める。
なお、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、このようなタービン下流排気ガス圧力の推定処理を、図3に示したタービン上流排気ガス圧力の推定処理と並行して実行する。
次に、図7を参照して、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力推定処理について説明する。図7は、本発明の実施形態によるタービン上流排気ガス圧力推定処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1において、ECU50のコンプレッサ回転数推定部51が、コンプレッサ回転数を推定する。具体的には、コンプレッサ回転数推定部51は、最初に、大気圧センサ60が検出した大気圧と、温度センサ62が検出した吸気温度とに基づいて、エアフロメータ61が検出した吸入空気量を標準状態吸入空気量へと補正する処理を行う。コンプレッサ回転数推定部51は、この標準状態吸入空気量を標準状態コンプレッサ通過流量として用いる。これと同時に、コンプレッサ回転数推定部51は、大気圧センサ60が検出した大気圧と、圧力センサ63が検出した過給圧とに基づいて、コンプレッサ上下流圧力比を求める。そして、コンプレッサ回転数推定部51は、図4に示したようなコンプレッサ回転数マップを参照して、標準状態コンプレッサ通過流量及びコンプレッサ上下流圧力比に対応する標準状態コンプレッサ回転数を決定する。この後、コンプレッサ回転数推定部51は、温度センサ62が検出した吸気温度に基づいて、この標準状態コンプレッサ回転数を実コンプレッサ回転数へと補正する処理を行う。
次いで、ステップS2において、ECU50のタービン回転数推定部52が、ステップS1で得られた実コンプレッサ回転数に基づいて、タービン回転数を推定する。具体的には、タービン回転数推定部52は、実コンプレッサ回転数を実タービン回転数として採用する。そして、タービン回転数推定部52は、予測タービン上流ガス温度と、排気ガス比熱比と、空気比熱比とに基づいて、この実タービン回転数を標準状態タービン回転数へと補正する処理を行う。
次いで、ステップS3において、ECU50のEGR流量推定部58が、EGR開度センサ65が検出したEGR開度と、圧力センサ64が検出したインマニ圧と、タービン上流排気ガス圧力とに基づいて、EGR流量を求める。この場合、EGR流量推定部58は、タービン上流排気ガス圧力として、例えば、図7に示すフローのステップS8で前回求められたタービン上流排気ガス圧力を用いる。
次いで、ステップS4において、ECU50のタービンバイパス通路通過流量推定部57が、W/G開度センサ66が検出したW/G開度と、予測タービン前ガス温度と、タービン上流排気ガス圧力と、タービン下流排気ガス圧力とに基づいて、ベルヌーイの定理を用いて、タービンバイパス通路通過流量を求める。この場合、タービンバイパス通路通過流量推定部57は、タービン下流排気ガス圧力及びタービン上流排気ガス圧力として、例えば、図7に示すフローのステップS6及びS8で前回求められたタービン下流排気ガス圧力及びタービン上流排気ガス圧力をそれぞれ用いる。
次いで、ステップS5において、ECU50のタービン通過流量推定部53が、タービン通過流量を推定する。具体的には、タービン通過流量推定部53は、まず、エアフロメータ61が検出した吸入空気量と、O2センサ67が検出した酸素濃度に応じた燃焼A/Fとに基づいて、排気ガス総流量を求める。そして、タービン通過流量推定部53は、この排気ガス総流量から、ステップS3でEGR流量推定部58が求めたEGR流量と、ステップS4でタービンバイパス通路通過流量推定部57が求めたタービンバイパス通路通過流量とを減算することで、タービン通過流量を求める。そして、タービン通過流量推定部53は、予測タービン上流ガス温度と、排気ガス比熱比と、空気比熱比と、タービン上流排気ガス圧力とに基づいて、このタービン通過流量を標準状態タービン通過流量へと補正する処理を行う。
次いで、ステップS6において、ECU50のタービン下流排気ガス圧力推定部54が、タービン下流排気ガス圧力を推定する。具体的には、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、まず、タービン通過流量推定部53が求めた排気ガス総流量から、EGR流量推定部58が求めたEGR流量を減算することで、タービン下流排気ガス流量を求める。そして、タービン下流排気ガス圧力推定部54は、このタービン下流排気ガス流量と、大気圧センサ60が検出した大気圧と、温度センサ68が検出したタービン下流排気ガス温度(ECU50の排気ガス温度取得部56によって取得される)と、ECU50内のメモリなどに記憶されたタービン下流排気系圧力損失とに基づいて、ベルヌーイの定理を用いて、タービン下流排気ガス圧力を求める。
次いで、ステップS7において、ECU50のタービン上流排気ガス圧力推定部55が、タービン上下流圧力比を推定する。具体的には、タービン上流排気ガス圧力推定部55は、図5に示したようなタービン回転数マップを参照して、ステップS2でタービン回転数推定部52が求めた標準状態タービン回転数と、ステップS5でタービン通過流量推定部53が求めた標準状態タービン通過流量とに対応する、タービン上下流圧力比を決定する。
次いで、ステップS8において、タービン上流排気ガス圧力推定部55は、タービン上流排気ガス圧力を推定する。具体的には、タービン上流排気ガス圧力推定部55は、ステップS6でタービン下流排気ガス圧力推定部54が求めたタービン下流排気ガス圧力に対して、ステップS7で求めたタービン上下流圧力比を乗算することで、タービン上流排気ガス圧力を求める。
なお、ステップS1〜S2の処理と、ステップS3〜S5の処理と、ステップS6の処理とを、順番に実行することに限定はされず、並行して実行してもよい。つまり、ステップS1〜S2の処理と、ステップS3〜S5の処理と、ステップS6の処理とを同時に実行し、その後に、ステップS7、S8の処理を行ってもよい。
次に、本発明の実施形態によるターボ過給機付エンジンの制御装置による作用効果について説明する。
本実施形態によれば、タービン4bの下流側の排気系の状態を考慮してタービン下流排気ガス圧力を推定するので、具体的には、タービン4bの下流側の排気系の状態に相当する、大気圧と、タービン下流排気ガス温度と、タービン下流排気系圧力損失と、タービン下流排気ガス流量とに基づいて、タービン下流排気ガス圧力を推定するので(図6参照)、タービン下流排気ガス圧力を精度良く推定することができる。したがって、本実施形態によれば、このタービン下流排気ガス圧力に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、EGR流量及びタービンバイパス通路通過流量に基づいてタービン通過流量を求めるので、つまりエンジン20から排出された排気ガスのうちでタービン4bに供給されなかった排気ガスの流量を適切に差し引いてタービン通過流量を求めるので、タービン通過流量を精度良く求めることができる。したがって、このタービン通過流量に基づいて推定するタービン上流排気ガス圧力の推定精度を向上させることができる。
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
10 吸気通路
20 エンジン
30 排気通路
32 EGR通路
34 EGRバルブ
35 タービンバイパス通路
36 ウエストゲートバルブ
37、38 排気浄化触媒
50 ECU
51 コンプレッサ回転数推定部
52 タービン回転数推定部
53 タービン通過流量推定部
54 タービン下流排気ガス圧力推定部
55 タービン上流排気ガス圧力推定部
61 エアフロメータ
62、68 温度センサ
63、64 圧力センサ
65 EGR開度センサ
66 W/G開度センサ
67 O2センサ
100 エンジンシステム

Claims (7)

  1. 排気通路上に設けられ、排気ガスにより回転されるタービンと、吸気通路上に設けられ、このタービンの回転により駆動されて吸気を昇圧させるコンプレッサとを有するターボ過給機を含むエンジンシステムに適用されるターボ過給機付エンジンの制御装置であって、
    上記コンプレッサの上流側の吸気の圧力であるコンプレッサ上流圧力と、このコンプレッサの下流側の吸気の圧力であるコンプレッサ下流圧力と、このコンプレッサを通過する吸気の流量であるコンプレッサ通過流量とに基づいて、コンプレッサ回転数を推定するコンプレッサ回転数推定手段と、
    上記コンプレッサ回転数推定手段が推定したコンプレッサ回転数に基づいて、タービン回転数を推定するタービン回転数推定手段と、
    上記エンジンシステムの運転状態に基づいて、上記タービンを通過する排気ガスの流量であるタービン通過流量を推定するタービン通過流量推定手段と、
    上記タービンの下流側の排気系の状態を示すタービン下流側状態値に基づいて、このタービンの下流側の排気ガスの圧力であるタービン下流排気ガス圧力を推定するタービン下流排気ガス圧力推定手段と、
    上記タービン回転数推定手段が推定したタービン回転数と、上記タービン通過流量推定手段が推定したタービン通過流量と、上記タービン下流排気ガス圧力推定手段が推定したタービン下流排気ガス圧力とに基づいて、上記タービンの上流側の排気ガスの圧力であるタービン上流排気ガス圧力を推定するタービン上流排気ガス圧力推定手段と、
    を有することを特徴とするターボ過給機付エンジンの制御装置。
  2. 上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記タービン下流側状態値として大気圧を用い、この大気圧が高いほど、高い値を有する上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  3. 更に、上記タービンと、このタービンの下流側の排気通路上に設けられた排気浄化触媒との間を通過する排気ガスの温度を取得する排気ガス温度取得手段を有し、
    上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記排気ガス温度取得手段が取得した排気ガス温度を上記タービン下流側状態値として用い、この排気ガス温度が高いほど、高い値を有する上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1又は2に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  4. 上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記タービンの下流側の排気通路における圧力損失を上記タービン下流側状態値として用い、この圧力損失に基づいて上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  5. 上記タービン下流排気ガス圧力推定手段は、上記タービンの下流側の排気通路を通過する排気ガスの流量であるタービン下流排気ガス流量を上記タービン下流側状態値として用い、このタービン下流排気ガス流量に基づいて上記タービン下流排気ガス圧力を推定する、請求項1乃至4の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  6. 更に、上記タービンを迂回して排気ガスを流すように構成されたタービンバイパス通路上に設けられたウエストゲートバルブの開度に基づいて、このタービンバイパス通路を通過する排気ガスの流量であるタービンバイパス通路通過流量を推定するタービンバイパス通路通過流量推定手段を有し、
    上記タービン通過流量推定手段は、上記タービンバイパス通路通過流量推定手段が推定したタービンバイパス通路通過流量に基づいて上記タービン通過流量を推定する、請求項1乃至5の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  7. 更に、上記タービンの上流側の排気ガスを吸気通路に還流させるように構成されたEGR通路を通過する排気ガスの流量であるEGR流量を推定するEGR流量推定手段を有し、
    上記タービン通過流量推定手段は、上記EGR流量推定手段が推定したEGR流量に基づいて上記タービン通過流量を推定する、請求項1乃至6の何れか1項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
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