JP6418808B2 - ホウ酸を有効成分とする水性ベイト剤および水性ベイト剤を収容した匍匐性衛生害虫用の害虫防除器具 - Google Patents

ホウ酸を有効成分とする水性ベイト剤および水性ベイト剤を収容した匍匐性衛生害虫用の害虫防除器具 Download PDF

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Description

本発明は、ホウ酸を有効成分とする水性ベイト剤および水性ベイト剤を収容した匍匐性衛生害虫防除器具に関する。
匍匐性衛生害虫の一例であるゴキブリ類は、防除されるべき害虫として非常に重要である。ゴキブリ類に対して、これまでに種々の防除方法が採用されている。
特許文献1には、衛生害虫防除剤としてのベイト剤が開示されており、特許文献2には、害虫防除用の固形毒餌剤が開示されており、特許文献3には、害虫防除用の水性ベイト剤が開示されている。特許文献3に開示された水性ベイト剤は、液体状態であるため、よく知られているゲルタイプ(柔性固体状)、グミタイプ(弾性固体状)、粉剤などよりも調製が容易であり、ゴキブリ等に対する害虫防除剤としても優れている。特許文献4には、水に殺虫用物質を含有させた薬液を収容した容器の上部の開口部へ向けて、細長い形状の芯材を介して容器内部の薬液を吸い上げる構成を有する害虫駆除器が開示されている。
特許文献2に記載されているように、ホウ酸は、ゴキブリ忌避の目的で固形(いわゆるホウ酸ダンゴ)にて古くから用いられている。また、特許文献3および4には、水性ベイト剤の活性成分の例としてホウ酸が挙げられており、特許文献5には、ホウ酸水溶液におけるホウ酸濃度が3〜30%であることが記載されている。そして、3%以上のホウ酸を用いることが教示されている特許文献5には、高濃度(3%以上)のホウ酸水溶液における保存中のホウ酸結晶の析出を抑制する目的でホウ酸水溶液にホウ砂を加える技術が開示されている。
特開平10−139604号公報(平成10年5月26日公開) 特開2007−070275号公報(平成19年3月22日公開) 特開2000−053505号公報(平成12年2月22日公開) 特開2012−157322号公報(平成24年8月23日公開) 特開平9−263507号公報(平成9年10月7日公開)
しかしながら、特許文献5に記載されているように、ホウ酸は溶媒に溶けにくい。特許文献5では、ホウ酸の溶解性を向上させて高濃度のホウ酸溶液を得る手段が検討されている。このように、溶液形態のホウ酸を用いたゴキブリ類の防除技術は、ホウ酸をできるだけ高濃度で用いることが教示されており、その改良技術も、高濃度のホウ酸溶液にて発生する不具合の改善(ホウ酸析出の抑制)に過ぎない。すなわち、ホウ酸の析出を考慮しなくてもよい程度に低い濃度のホウ酸溶液をゴキブリ類の防除に有効に用いるための技術は、これまで一切知られていない。
本発明の目的は、低濃度のホウ酸溶液をゴキブリ類の防除に有効に用いるための技術を提供することにある。
本発明者らは、低濃度のホウ酸溶液を有効に機能するために考慮すべき事項を鋭意検討した結果、特定のホウ酸溶液を特定の構成を有する防除器具と組み合わせて用いることによって、高濃度のホウ酸溶液に匹敵するゴキブリ類防防除効果を奏するということを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
本発明に係る害虫防除器具は、水性ベイト剤を収容しているボトル部と、上記ボトル部の上面部に設けられた第1開口部を介して上記ボトル部の内部と外部との間を連通する吸液部とが設けられたベイト剤収納部、および、第1開口部の上方を覆いかつ上記ボトル部との間に隙間を空けて係止されるカバー部を備えており、上記水性ベイト剤がホウ酸水溶液であることを特徴としている。
上記構成により、害虫防除目的において従来想定されていなかった濃度範囲にてホウ酸水溶液を用いたとしても、従来用いられていた濃度に匹敵する効果を得ることができる。
本発明において、上記ホウ酸水溶液は、ホウ砂を含んでいないことが好ましい。本発明は、低濃度のホウ酸水溶液であっても十分な防除効果を奏する。しかも、その効果はホウ砂が含まれている場合よりもはるかに優れている。
上記カバー部は上記上面部を部分的に覆っても上記上面部の全面を覆ってもよく、上記カバー部が上記上面部を部分的に覆う場合は、上記カバー部の端部から上記上面部までの距離が6.5mm以上であることが好ましく、上記カバー部が上記上面部の全面を覆う場合は、上記上面部の端部から上記カバー部までの距離が6.5mm以上であることが好ましい。これにより、目的の害虫が吸液部へ接近する効率を格段に向上させることができる。さらに、ホウ酸水溶液による非常に高い防除効力が、これまで想定されなかった濃度範囲において得られる。
上記吸液部は吸液芯からなっていてもよいが、吸液芯と吸液芯を包み込むシースを有していることが好ましい。シースに包み込まれていることによって吸液芯の破損および/または変形を防止することができる。また、シースを介してボトル部と吸液部とを密着させることによって、ボトル部からホウ酸水溶液を漏出させることなく防除器具を使用することができる。この場合、シースの端部には、上記ボトル部の上面部に設けられた第1開口部と密着する栓部が構成されていることがより好ましい。さらに、シースが、ホウ酸水溶液との接触面積を一定に保つように吸液芯を包み込む構成を有している場合は、ボトル部内部に残存するホウ酸水溶液の量にかかわらず、吸液芯から吸い上げられるホウ酸水溶液の量を一定に保つことができる。
第2開口部が上記ボトル部の上面部または上記栓部に設けられていることが好ましく、これにより、器具を構成する際にボトル部の耐圧性を考慮することが必要でなくなる。さらに、上記ボトル部の内部に液体を封止するための通気性の液体封止部が、第2開口部を覆っていることが好ましく、これにより、容器の内圧が上昇した場合に水性ベイト剤が吸水芯を通して外部へ漏出することを防止し得る。
本発明に係る水性ベイト剤は、網翅目昆虫を防除するために、1〜5質量%のホウ酸を含有していることを特徴としており、水溶液形態であることが好ましい。本発明に係る水性ベイト剤は、ネオニコチノイド系化合物をさらに含有していてもよく、グルコース、フルクトース、スクロースおよびマルトースからなる群より選択される1種または複数種の糖をさらに含有していることが好ましく、上記糖が25質量%以下であることが好ましい。また、本発明に係る水性ベイト剤は、B型粘度計で測定した粘度が2.8〜4mPa・s(25℃、60回転、50秒後)の範囲内であることが好ましい。
本発明は、目的の害虫に水性ベイト剤を大量に吸飲させることができると同時に、水性ベイト剤からのホウ酸の結晶析出を抑えることができ、さらには、目的の害虫が摂取する水性ベイト剤による吸液部での目詰まりを防止すること、保存時の凍結を回避することを実現する。
本発明の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の全体構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態の全体構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す上方図および斜視図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の要部構成を示す断面図である。
〔1〕水性ベイト剤
本発明は、地上を歩き回る性質(すなわち匍匐性)の衛生害虫(以下、匍匐性衛生害虫という。)を防除するための水性ベイト剤(すなわち、匍匐性衛生害虫防除用水性ベイト剤)を提供する。特に、水性ベイト剤としてホウ酸水溶液を用いることによって、本発明は網翅目昆虫を効率よく防除することができる。
本発明の水性ベイト剤は、ホウ酸を有効成分として含有している。ホウ酸は、古くからゴキブリ忌避剤の有効成分として用いられており、その形態としてはいわゆる「ホウ酸ダンゴ」がよく知られている。
本発明の水性ベイト剤の対象とする害虫は、網翅目昆虫(チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等)であり、本発明の水性ベイト剤は特にチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリに対して有効である。
本発明の水性ベイト剤を構成するための溶媒としては水が必須であり、本発明の水性ベイト剤は、基本的にホウ酸および水から構成される。そして、標的害虫が摂食しやすいように液体状態を保持していることが好ましく、本発明の水性ベイト剤の形態は水溶液、分散液、縣濁液であることが好ましく水溶液であることがより好ましい。
本発明の水性ベイト剤を構成する水は、特段の不純物(例えば、標的害虫の忌避効果を阻害する物質)が含まれていなければ精製されていなくてもよいが、蒸留水やイオン交換水などの精製水が好ましく使用される。
溶媒として水とともに水溶性有機溶剤が用いられてもよく、その場合、該有機溶剤としては、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられるが、水と相溶性があればこれらに限定されない。
媒体として、水とともに水溶性有機溶剤を使用する場合、水溶性有機溶剤が多過ぎると水性ベイト剤としての特徴が損なわれることから、通常は水性ベイト剤中の含量として50質量%以下であるが、水含量と水溶性有機溶剤含量の対比において、水溶性有機溶剤の含量よりも水の含量が多いことが望ましい。
上記水性ベイト剤中の有効成分としてのホウ酸は1〜5質量%であることが好ましく、2〜3質量%であることがより好ましい。なお、本発明の水性ベイト剤は、低濃度のホウ酸水溶液であっても十分な防除効果を奏するが、ホウ酸の溶解度を向上させるための周知技術を組み合わせて用いてもよい。特許文献5に記載されるように、ホウ酸の析出を抑制するためにホウ砂が添加されてもよいが、後述する実施例にて示すようにホウ砂の添加は本発明の効果を抑制するので、本発明の水性ベイト剤はホウ砂を含まないことが好ましい。
ホウ酸以外の害虫防除用の有効成分が、水または水と水性媒体との混合溶剤に溶解された水溶液もまた本発明に含まれる。本発明の水性ベイト剤の有効成分としてホウ酸に追加して使用可能なものとしては、ネオニコチノイド系化合物、例えば、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、イミダクロプリド(imidac1oprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等が挙げられるが、本発明に用いられる水性ベイト剤の有効成分としてホウ酸に追加して使用できるものはこれらに限定されない。
本発明の水性ベイト剤は、非飛散性または非揮発性であることが好ましく、有効成分および水の他に食餌成分、誘引剤および/または芳香剤、界面活性剤、防腐剤、紫外線吸収剤、水溶性有機溶剤およびpH調節剤などの他の成分を適宜含有していてもよい。
水性ベイト剤に好ましい食餌成分としては、糖、脂質、デンプン、タンパク質、アミノ酸等が挙げられるがこれらに限定されず、具体的な成分としても特に限定されず、当該分野において公知の種々の物質が使用され、その含量は、水性ベイト剤中の含量として通常25質量%以下である。好ましくは5〜20質量%、より好ましくは7〜15質量%の天然甘味料が水性ベイト剤に含まれ、天然甘味料としては、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)等からなる群より選択される糖が単独または組み合わせて用いられることが好ましい。
その他、本発明の水性ベイト剤は、目的の害虫を誘引する誘引剤(および/または芳香剤)を含んでいてもよい。好ましい誘引剤としては、フレーバー類、動植物のエキス類、フェロモン類等が挙げられるがこれらに限定されず、具体的な成分としても特に限定されず、当該分野において公知の種々の物質を、単独で、あるいは適宜組み合わせて用いればよい。
誘引剤や芳香剤を使用する場合、その使用量は任意であるが、一般的には水性ベイト剤中の含量としてそれぞれ1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。
界面活性剤を使用する場合、その使用量は、水性ベイト剤中の含量として10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
また、水性ベイト剤は、必要に応じて、防腐剤(酸化防止剤、保存剤等)、香料等を含んでいてもよく、これらを含む場合にその含量は0.5質量%程度以下である。これらについても、具体的な成分は特に限定されず、当該分野において公知の種々の物質を用いればよい。
その他、必要に応じて色素など水性ベイト剤として通常使用される上記例示以外の各種成分を適宜含有していても差し支えない。
本発明の水性ベイト剤は、特に、B型粘度計で測定した水性ベイト剤の粘度が2.8〜4mPa・s(25℃、60回転、50秒後)の範囲内であることが好ましく、3.1〜4mPa・sの範囲内であることがより好ましい。これにより、水性ベイト剤の有効成分の効力が最大化されるだけでなく、結晶化を抑え、後述する本発明の防除器具における吸液芯の目詰まりを防止することができる。
〔2〕防除器具
本発明の水性ベイト剤は、後述する防除器具を用いて使用することによって、水性ベイト剤の有効成分の効力が最大化される。すなわち、本発明は、上述した水性ベイト剤を収容した防除器具を提供する。
薬液を収容した匍匐性衛生害虫防除器具を、屋内、特に人の居住空間内に配置する際には、配置した器具に触れる際に薬液が人に接触しないことや、器具が転倒した際に薬液が漏出しないことが強く求められている。本発明の防除器具を用いれば、薬液が人に接触したり、薬液が漏出したりすることを回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る防除器具10の斜視図であり、図2a〜図2cはそれぞれ、本発明の実施の形態に係る防除器具10の斜視図、側面図および断面図である。
本実施形態の防除器具10は、ベイト剤収納部9とベイト剤収納部9を覆うカバー部7とを備えている。ベイト剤収納部9は、ボトル部1と、ボトル部1の内部に水性ベイト剤6を収容した際にその水性ベイト剤6をボトル部1の内部から外部へ吸い出すための吸液部2とを備えており、ボトル部1の上面部1aおよび吸液部2がカバー部7によって覆われている。
ボトル部1は、防除器具10を床面上に配置する際に床面と対向する底部1bと、床面上に対向させることが意図されない上面部1aとからなり、ボトル部1の上面部1aには第1開口部(微小孔)3が設けられている。吸液部2は、第1開口部3を封止しかつ第1開口部3を介してボトル部1の内部と外部とを連通させる構成を有している。
吸液部2は吸液芯のみからなっていてもよいが、吸液芯2bと吸液芯2bを包み込むシース2aを有していることが好ましく、シース2aに包み込まれていることによって吸液芯2bの破損および/または変形を防止することができる。また、シース2aが、水性ベイト剤6との接触面積を一定に保つように吸液芯2bを包み込む構成を有している場合は、ボトル部内部に残存する水性ベイト剤6の量にかかわらず、吸液芯から吸い上げられる水性ベイト剤6の量を一定に保つことができる。さらに、シース2aを介してボトル部1と吸液部2とを密着させることによって、ボトル部1から水性ベイト剤6を漏出させることなく防除器具10を使用することができる。この場合、シース2aの端部には、ボトル部1の上面部1aに設けられた第1開口部3と密着する栓部2cが構成されていることがより好ましい。
図1および図2cには、シース2aおよびシース2aの内腔を嵌通する吸液芯2bが設けられた吸液部2が示されており、吸液芯2bは、ボトル部1の内部方向および外部方向の端面(それぞれ内部端および外部端ともいう。)とシース2aの内腔と密接する側面とを有しており、吸液芯2bの外部端の近傍の、シース2aの端部に、第1開口部3と密着する栓部2cが構成されている。
ボトル部1の内部に水性ベイト剤6を収容し、吸液部2を、第1開口部3を介してボトル部1の外部から内部へ向けて挿入し、栓部2cが第1開口部3と密着することによって、吸液芯2bの内部端が水性ベイト剤6と接し、吸液芯2bの外部端がボトル部1の外部に面する。吸液部2によって第1開口部3が封止されており、かつシース2aの内腔が吸液芯2bと密接しているため、ボトル部1の内部と外部との間は、吸液芯2bによってのみ連通されており、ボトル部1の内部の水性ベイト剤6は吸液芯2bを通ってボトル部1の外部へ吸い出される。
このように、本実施形態の防除器具10は、ボトル部1の上面部1aへ接近した匍匐性衛生害虫に、吸液部2の吸液芯2bの外部端の端面へ吸い上げられた水性ベイト剤6を舐めさせることによって殺虫する、匍匐性衛生害虫を防除する器具である。
本実施形態の防除器具10は、ボトル部1から水性ベイト剤6を漏出させることなく使用することができる器具である。ボトル部1の形状は、害虫が吸液芯2bの外部端へ到達することができればよく、図1等に示される半円球形状に限定されない。ボトル部1の内部へ収容する水性ベイト剤6の量や、外観に関する使用者の嗜好を考慮して設計されてもよく、円柱形状、角柱形状(立方体または直方体)、あるいは円錐または角錐の形状であってもよい。
防除器具10は、チャイルドプルーフとして機能するカバー部7を備えているので、ベイト剤収納部9の外表面に露出している吸液部2に乳幼児が触れる可能性を排除することができる。
カバー部7は、第1開口部3の上方を覆いかつボトル部1との間に隙間を空けてボトル部1と係止されている。カバー部7は、ボトル部1に繋ぎ止めるための係止部7aを有している。図2a〜図2cに示した防除器具10では、カバー部7の辺縁部に形成された凸部7b(脚部7b’および引掛け部7b’’)が係止部7aと連絡しており、凹部が、防除器具10の外部から吸液部2へ目的の害虫が接近するための侵入口8を形成している。
なお、図2a〜図2cには、ボトル部1の上面部1aの形状に沿って、その全面を覆う構造のカバー部7を示したが、カバー部7は、乳幼児の指がボトル部1の吸液部2に触れることを避けるように第1開口部3の上方を覆いかつボトル部1に係止されていればよく、かつ目的の害虫が吸液部2へ接近することを妨げないのであれば、上面部1aの全面が覆われていても上面部1aの一部が覆われていてもよい。
ボトル部1とカバー部7との関係を示す概略図を図4a〜図4bに示す。カバー部7が上面部1aを部分的に覆う場合(図4a)、すなわち、侵入口8が上面部1aとカバー部7とによって規定される場合、カバー部7の辺縁部に凹部および/または凸部は必要ない。ボトル部1とカバー部7との間の隙間の距離dは、目的の害虫が出入りしやすい距離(3mm以上)であればよいが、カバー部7において侵入口8を規定する端部7cとボトル部1との最短距離dを6.5mm以上にすると、目的の害虫が吸液部2へ接近する効率を格段に向上させることができる。
また、カバー部7が上面部1aの全面を覆う場合(図4b)、すなわち、侵入口8が床面とカバー部7とによって規定される場合は、侵入口8として機能する凹部がカバー部7の辺縁部に設けられていればよい。ボトル部1とカバー部7との間の隙間の距離d、およびカバー部7において侵入口8を規定する端部7cと床面との距離dは、目的の害虫が出入りしやすい距離(3mm以上)であればよいが、ボトル部1の端部1cとカバー部7との最短距離dを6.5mm以上にすると、目的の害虫が吸液芯2bへ接近する効率を格段に向上させることができる。
特に、上述したd〜dが13mm未満であることが好ましい。このような構成を有していることにより、防除器具10は、目的の害虫が吸液部2へ接近することを妨げることなく、乳幼児が誤って吸液部2に触れることを防止することができる。
なお、カバー部7は、ボトル部1と同様にその形状が円柱形状、角柱形状(立方体または直方体)、あるいは円錐または角錐の形状であってもよく、図1〜図2に示された形状だけでなく図5に示された形状であってもよい。図5に示したカバー部には図中Z方向に垂直な方向(主にX方向)に侵入口8が形成されており、吸液部2と対向する領域を仮想線にて示した。
また、防除器具10の使用時までにボトル部1の水性ベイト剤6が蒸散することを避けるために、使用者によって容易に脱離し得るキャップまたはシールが使用時まで吸液部2の外端部を覆っていることが好ましい。このような構成を採用する場合、防除器具10はボトル部1およびカバー部7が分離して提供されてもよく、防除器具10使用時に、カバー部7は、キャップまたはシールを脱離したボトル部1に係止されればよい。
図3a〜図3cに示すように、ボトル部1の上面部1aには、第2開口部4が設けられていてもよく、この場合、ボトル部1の内部に水性ベイト剤6を封止するための通気性の液体封止部5が、第2開口部4を覆っていることが好ましい。
特許文献4には、上記容器本体の開口部との嵌合による密着手段を有する蓋体を具備しているため、誤って転倒させたとしても容器本体内の薬液が漏洩しない旨が記載されている。特許文献4にはまた、開口部に嵌合する蓋体が容器本体を密閉すると内圧が下がり薬液が芯材で吸液されにくくなるため、薬液が常に安定して芯材で吸液されるように、蓋体は、薬液を通さないが空気を通す微小な孔を1つ又は複数有していることが好ましい旨が記載されている。
特許文献4に記載の害虫駆除器は、開口部と蓋体とが嵌合によって密着しているため、容器が転倒したとしても開口部と蓋体との間から薬液が漏出しない。そして、蓋体に形成された微小な孔は、容器が転倒していない状態であれば薬液が孔に接していないので薬液を通さないが空気を通す構成といえる。しかし、容器が転倒して薬液が孔に接している状態であれば、よほど速やかに正立させない限り薬液が孔から漏出することは明らかである。
また、特許文献4では、容器の内圧の低下に起因する不都合が考慮されているが、内圧が上昇した場合に薬液が芯材を通して外部へ溢れる可能性について対策が採られていない。実際、特許文献4に記載の害虫駆除器の蓋体上面には、浸み出した薬液を留める液溜りが設置されており、このことは薬液が浸み出すことを前提とした構成であることを示している。
図3a〜図3cに示した防除器具10は、ボトル部1の内部に水性ベイト剤6を収容し、吸液部2を、第1開口部3を介してボトル部1の外部から内部へ向けて挿入し、栓部2cが第1開口部3と密着することによって、吸液芯2bの内部端が水性ベイト剤6と接し、吸液芯2bの外部端がボトル部1の外部に面する。吸液部2によって第1開口部3が封止されており、かつシース2aの内腔が吸液芯2bと密接しているため、ボトル部1の内部と外部との間は、吸液芯2bおよび第2開口部4によってのみ連通されており、ボトル部1の内部の水性ベイト剤6は吸液芯2bを通ってボトル部1の外部へ吸い出され、ボトル部1の内外の気体は第2開口部4を介してボトル部1の内外を移動し得る。
通気性の液体封止部5が、第2開口部4を覆っているため、ボトル部1が転倒したとしてもボトル部1の内部に収容された水性ベイト剤6が第2開口部4から漏出しない。第2開口部4は、底面部以外の領域に設けられていればよく、ボトル部1の上面部1aに限定されない。すなわち、第2開口部4は栓部2cに設けられていてもよい。第2開口部4が栓部2cに設けられている構成を図3cに示す。
本実施形態の防除器具10は、第2開口部4が設けられていることにより、ボトル部1の耐圧性が考慮されなくてもよい。さらに、容器を配置した室温の上昇に伴って容器が加温されたとしても、膨張したボトル部1内部の空気は第2開口部4からボトル部1外部へ追い出されるため、ボトル部1の内部の水性ベイト剤6が吸液芯2bを介してボトル部1の外部へ漏出することがない。なお、第2開口部4(および液体封止部5)は、乳幼児の接触による破損を避けるため、ボトル部1の上面部1aおよび吸液部2と同様にカバー部7によって覆われていることが好ましい。
ボトル部1の素材は、収容される水性ベイト剤6に影響を及ぼさない限り、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等)、オレフィン樹脂(例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等)、ガラス、セラミックスなどが好適に用いられる。また、内部に残存する水性ベイト剤6の量を目視するために、ボトル部1は透明であってもよい。
シース2aの素材もまた、収容される水性ベイト剤6に影響を及ぼさない限り、特に限定されず、ボトル部1の素材として例示したものが用いられてもよい。シース2aを設けることにより、露出された吸液芯2bの表面積を低減させ、浸み出しを防止することができる。容器が転倒した場合の浸み出しを防止することはいうまでもなく、正立している際のボトル部1の内圧の変動に伴う浸み出しも防止することができる。シース2aの長さは、内部に残存する水性ベイト剤6の量が多い局面から少ない局面にわたって、水性ベイト剤6と吸液芯2bとの接触面積が一定に保たれるように設定されればよく、シース2aから露出している吸液芯2bの長さが短いほど上記接触面積は一定に保たれる。すなわち、ボトル部1の内部にて、吸液芯2bの側面の全てがシース2aに覆われていることが好ましく、シース2aの端部は吸液芯2bの内部端の位置と一致することがより好ましい。この構成により、吸液芯2bは内部端の端面でのみ水性ベイト剤6と接触する。
ただし、この場合、吸液芯2bの内部端と水性ベイト剤6との接触を妨げないためには、シース2aおよび吸液芯2bをボトル部1の底部1bから離間して、底部1bに接触させないようにしなければならない。
一方、吸液芯2bの内部端をボトル部1の底部1bに接触させることによって、吸液部2の位置を安定的に保持することができるとともに、ボトル部1の内部に収容された水性ベイト剤6を余すところなく吸液芯2bの側面から吸い上げることができる。この場合、吸液芯2bの側面をシース2aから露出させることが必要であるが、シース2aの先端から突出する吸液芯2bの長さをできるだけ短くすることによって、水性ベイト剤6の残存量が少量の場合を除いて水性ベイト剤6と吸液芯2bとの接触面積が一定に保つことができ、かつ、ボトル部1の内部に収容された水性ベイト剤6を余すところなく吸液芯2bの側面から吸い上げることができる。シース2aの先端から突出する吸液芯2bの長さは、単位時間あたりに吸い上げられるべき水性ベイト剤6の量に基づいて、吸液芯2bの素材を考慮した上で設定されればよい。例えば、ボトル部1の底面部1bは、上記吸液芯2bの下端の直下が、辺縁部よりも下方へ押し下げられた形状であってもよい(図示せず)。これにより、シース2aの先端から突出する吸液芯2bの近傍に水性ベイト剤6が集められるので、水性ベイト剤6の残存量を極めて少なくすることができる。
吸液芯2bには、吸液性の素材が用いられればよく、合成繊維(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等)、天然繊維(例えば、綿、麻等)、またはこれらの複合材などからなる不織布、ガラス繊維等が挙げられ、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルからなる不織布が用いられる。吸液芯2bの長さは、第1開口部3から底部1bの最深部までの長さと栓部2cから突出する高さを考慮して適宜設定されればよい。
栓部2cは、シース2aの一部として一体構成されていても、シース2aと別部材がシース2aと接着された構成であってもよい。また、吸液部2によって第1開口部3を封止するに必要な構造として、第1開口部3および栓部2cには、例えば溝、突起等がそれぞれ対応して構成されていてもよい。さらに、吸液部2による第1開口部3の封止を容易にするために、シース2aの全体または第1開口部3との接触面は弾性素材によって構成されていてもよく、第1開口部3の栓部2cとの接触面は、弾性素材によって構成されていてもよい。
なお、上述したように、吸液部2は吸液芯のみからなっていてもよい(図6a〜図6c)。この場合、ベイト剤収納部9は、ボトル部1の上面部1aに設けられた第1開口部3を介してボトル部1の内部と外部との間を連通する吸液部2(吸液芯2b)が、ボトル部1の内部に収容されている水性ベイト剤を、ボトル部1の外向きの端部へ吸い上げる構成であればよい。また、この構成は、吸液部2を構成する栓部2cが、シース2aの有無にかかわらず、ボトル部1の上面部1aと一体成型されている態様ともいえる(図6bおよび図6d)。
第2開口部4を封止する通気性の液体封止部5は、通気性があり、水を通さない性能を有していれば、材質や形状は特に限定されず、本実施形態の防除器具10の構成を容易にするために、通気性と防水性を兼ね備えているもの(例えば、含フッ素ポリエチレン系樹脂のフィルム)を、接着層を介してボトル部1の上面部1aまたは栓部2cに固着させる構成であってもよい。
また、防除器具10の使用時までにボトル部1の水性ベイト剤6が蒸散することを避けるために、使用者によって容易に脱離し得るキャップまたはシールが使用時まで吸液芯2bの外端部および液体封止部5を覆っていることが好ましい。
本発明に係る防除器具は、ボトル部、吸液部、カバー部を使用時に組み立てる形態にて提供されてもよく、その場合、上記ボトル部に収容されるべきホウ酸水溶液とともにキットの形態にて提供される。具体的には、本発明は、水性ベイト剤を収容するためのボトル部と、上記ボトル部の上面部に設けられた第1開口部を介して上記ボトル部の内部と外部との間を連通する吸液部と、第1開口部の上方を覆いかつ上記ボトル部との間に隙間を空けて係止されるカバー部と、水性ベイト剤として上記ボトル部に収容されるべきホウ酸水溶液、とが含まれている防除器具キットを提供し得る。この場合、ホウ酸水溶液を収納したボトル部に吸液部を装着したベイト剤収納部がキットに含まれていてもよい。具体的には、本発明は、水性ベイト剤を収容するためのボトル部と、上記ボトル部の上面部に設けられた第1開口部を介して上記ボトル部の内部と外部との間を連通する吸液部とが設けられたベイト剤収納部、および、第1開口部の上方を覆いかつ上記ボトル部との間に隙間を空けて係止されるカバー部を備えている防除器具、ならびに水性ベイト剤として上記ボトル部に収容されるべきホウ酸水溶液が含まれている防除器具キットを提供し得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
〔試験1:ホウ酸濃度と効力との関係〕
樹脂製容器(外径46cm×36cm×高さ15cm)を用意し、この樹脂製容器の内の底面に紙ウェスを敷いた。ゴキブリの隠れ場所として、波型の紙製のシェルターを2枚重ねて設置した。シェルターの上にポリカップの蓋(直径10cm)を設置し、水を含ませた脱脂綿を置いた。逃亡防止のため、樹脂製容器の内部側面にフルオンを予め塗っておいた。
クロゴキブリ20頭(オス10頭、メス10頭)を樹脂製容器内に放飼し、樹脂製容器上部をナイロンゴースで覆い、約24時間馴化させた。放飼の翌日に、防除器具1個および固形飼料1個を上記樹脂製容器の内部に配置した。
本試験にて用いる防除器具は、図1および図2a〜図2cに示すように、ドーム状構造のベイト剤収納部の上方からカバー部によって覆われて構成されている。カバー部の辺縁部の最下端からベイト剤収納部までの最短距離は8mmに設定している。ベイト剤収納部には、底部の径が74mm、上面部の最大高が37mmのボトル部(最大容量60mL)の上面部に径5mmの微小孔が設けられており、ボトル部の内部には水性ベイト剤が注入された後に、吸液部を微小孔からボトル部へ底部まで押し込むことによって形成されている。吸液部の吸液芯には、ポリプロピレン製不織布を用いた。
ベイト剤a1〜a3を異なる防除器具にそれぞれ30mLずつ収容し、それぞれを効力試験に供した。ベイト剤a1は、ホウ酸(関東化学・試薬特級)2g、ショ糖(関東化学)10gをガラス瓶に入れ、全量が100gになるまでイオン交換水を加え、撹拌して溶質を溶解させた。ベイト剤a2およびベイト剤a3は、ホウ酸の量をそれぞれ3gおよび4gに変更した以外ベイト剤a1と同様に作製した。
防除器具を配置した7日後に樹脂製容器内の死虫数を調べ、算出した死虫率を以下に示す。なお、試験期間中、樹脂製容器内の気温を約25℃に維持した。処理区は各2反復、無処理区は1反復実施した。
Figure 0006418808
〔試験2:糖濃度と効力との関係〕
3質量%ホウ酸水溶液(ベイト剤b1)、3質量%ホウ酸および10質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤b2)、3質量%ホウ酸および20質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤b3)、3質量%ホウ酸および40質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤b4)を、上述した手順に従って作製し、それぞれを異なる防除器具に30mLずつ収容し、試験1と同様に効力試験に供した。
防除器具を配置した7日後における死虫率を以下に示す。
Figure 0006418808
〔試験3:糖濃度と粘度との関係〕
ホウ酸濃度が3質量%でありかつショ糖濃度が0質量%、2.5質量%、5質量%、7.5質量%、20質量%または30質量%の水溶液(それぞれベイト剤c1〜c6)を、上述した手順に従って作製し、ベイト剤の粘度を測定した。測定機器には、東機産業株式会社製 B型粘度計(RB−85L型、ローターNo.1)を用い、測定条件は25℃、60回転、50秒で行った。
Figure 0006418808
〔試験4:ベイト容器内での溶液の凍結状態〕
ホウ酸濃度が3質量%でありかつショ糖濃度が0質量%、2.5質量%、5質量%、7.5質量%、10質量%、15質量%、20質量%、30質量%または40質量%の水溶液(それぞれベイト剤d1〜d9)を、上述した手順に従って作製し、カバー部を外した防除器具に30mLずつ収容し、パラフィルムで密閉した防除器具を冷凍庫にて−5℃にて3日間保管した際のベイト剤の凍結状態を調べた(+;凍結した、−;凍結せず)。
Figure 0006418808
〔試験5:糖濃度と吸液芯での目詰まりとの関係〕
3質量%ホウ酸および10質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤e1)、3質量%ホウ酸および20質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤e2)、3質量%ホウ酸および30質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤e3)、3質量%ホウ酸および40質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤e4)、5質量%ホウ酸および10質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤e5)を、上述した手順に従って作製し、カバー部を外した防除器具に30mLずつ収容し、防除器具を室温で放置した際のベイト剤の重量変化を経時的に測定し、4日後から7日後までの間の水の蒸散量を算出した。
Figure 0006418808
吸液芯中でホウ酸が結晶化することによって目詰まりが発生し、それにより水の蒸発が抑制されたと考えられる。
〔試験6:〕
2質量%ホウ酸および10質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤f1)、3質量%ホウ酸および10質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤f2)、3質量%ホウ酸、3質量%ホウ砂および10質量%ショ糖の水溶液(ベイト剤f3)を、上述した手順に従って作製し、それぞれを異なる防除器具に30mLずつ収容し、試験1と同様に効力試験に供した。
防除器具を配置した4日後および7日後における死虫率を以下に示す。
Figure 0006418808
本発明を用いれば、匍匐性衛生害虫であるゴキブリ等の網翅目昆虫を安全にかつ効率よく防除することができる。
1 ボトル部
1a 上面部
1b 底部
1c 端部
2 吸液部
2a シース
2b 吸液芯
2c 栓部
3 第1開口部(微小孔)
4 第2開口部
5 液体封止部
6 水性ベイト剤(ホウ酸水溶液)
7 カバー部
7a 係止部
7b 凸部
7c 端部(凹部)
8 侵入口
9 ベイト剤収納部
10 防除器具

Claims (1)

  1. 水性ベイト剤を収容しているボトル部と、上記ボトル部の上面部に設けられた第1開口部を介して上記ボトル部の内部と外部との間を連通する吸液部とが設けられたベイト剤収納部、および、
    第1開口部の上方を覆いかつ上記ボトル部との間に隙間を空けて係止されるカバー部を備えており、
    上記水性ベイト剤が2〜4質量%のホウ酸と、5〜20質量%のグルコース、フルクトース、スクロースおよびマルトースからなる群より選択される1種または複数種の糖を含有し、ホウ砂を含んでいないホウ酸水溶液である害虫防除器具において、
    上記カバー部が上記上面部を部分的に覆う場合の上記カバー部の端部から上記上面部までの距離が6.5mm以上であるか、または、上記カバー部が上記上面部の全面に覆う場合の上記カバー部の端部から上記上面部までの距離が6.5mm以上であり、
    上記吸液部が、吸液芯、および吸液芯と前記水性ベイト剤との接触面積を一定に保つように吸液芯を包み込むシースを有し、前記シースの端部に、上記ボトル部の上面部に設けられた第1開口部と密着する栓部が構成されており、
    第2開口部が上記ボトル部の上面部、または、栓部に設けられおり、上記ボトル部の内部に液体を封止するための通気性の液体封止部が、第2開口部を覆っていることを特徴とする害虫防除器具。
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