以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、図3等、表示領域911が示される図面においては、表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
当否の抽選(当否判定)は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が、図1に示す始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。なお、本実施形態では入賞「口」(入賞した遊技球が内部に取り込まれるもの)であるが、入賞「領域」(入賞した遊技球がそのまま遊技領域902を流下するもの。入賞領域をゲートのような態様としたものが例示できる)であってもよい。
始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。つまり、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として、直接的に大当たりの当選の有無を判定するものである。
また、本実施形態では、上記当否判定を行うための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始されることとなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(以下、保留(情報)と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大の保留情報の数は四つである。なお、当否判定を行うために取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。表示領域911には、当該保留情報の存在を示す表示(保留表示50;図3等参照)がなされるようにしてもよい。また、始動入賞口904に入賞したことを契機として即座に当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶手段に記憶させておく構成としてもよい(かかる場合には、当否判定結果それ自体が保留情報ということになる)。
当否判定結果が大当たりであるかはずれであるかは、表示装置91の表示領域911に表示される複数種(本実施形態では七種)識別図柄10の組み合わせによって報知される。図2(a)に示すように、本実施形態では、「1」〜「7」の数字(後述する主図柄11である)を含む三つの識別図柄10群(左の識別図柄10群・中の識別図柄10群・右の識別図柄10群)が変動表示される。各識別図柄10群は、ある当否判定結果を報知する演出の開始と同時に変動を開始し、大当たりに当選している場合には識別図柄10は最終的に所定の組み合わせで停止する。当該所定の組み合わせとしては、同じ識別図柄10の三つ揃いが例示できる。はずれである場合には識別図柄10は大当たりとなる組み合わせ以外の組み合わせで停止する。
本実施形態における各識別図柄10は、主図柄11および付随図柄12を含む(図2(a)参照)。主図柄11は、例えば数字やアルファベットといった文字を含む部分である。上述したように、本実施形態における主図柄11は「1」〜「7」の数字のいずれかを含む。一方、本実施形態における付随図柄12はキャラクタを表した絵柄を含む部分である。具体的には、キャラクタA〜Gのいずれかを表した絵柄を含む。付随図柄12は、演出効果を高めるための部分であるため、演出に合わせて大きさや形態等が変化する場合がある。例えば、付随図柄12を構成するキャラクタが動作等する場合がある。
本実施形態では、付随図柄12の態様として、少なくとも、基本態様121と一または複数種の特殊態様122が設定されている(図2(b)参照)。なお、ここでいう「態様」とは、静止した画像(静止画)として特定されるものだけでなく、動きのある画像(動画)として特定されるものを含む。つまり、基本態様121と特殊態様122とは、遊技者が見た目上区別することができる差異が設定されているものであれば、当該差異の設定手法はどのようなものであってもよい(大きさの違い、形態の違い、動きの違い等、種々考えられる)。各図においては、基本態様121と特殊態様122の差を簡略化して示している。
一方、主図柄11は基本的にはその態様が変化しないものであり(変化することを否定するものではないが、どのように変化したとしても、当該図柄が表す内容(文字の内容)は表示されている際には常に判断可能な態様とすることが望ましい)、当該主図柄11により、遊技者は各識別図柄10を容易に区別することが可能になる。基本的には、遊技者は、当該主図柄11をみて、当否判定結果がどのようなものとなったか等を把握する。
大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、大入賞口906が頻繁に開放状態となり、遊技者が多くの遊技球(いわゆる出玉)を獲得することができるものであって、公知の遊技機と同様であるため詳細な説明を省略する。
○ステップアップ演出
本実施形態にかかる遊技機1は、ステップアップ演出20を実行することが可能である。ステップアップ演出20は、対象当否判定結果を報知する演出の少なくとも一部として実行されるものであって、所定の演出要素が段階的にステップアップしていくものである。本実施形態におけるステップアップ演出20は、複数種のキャラクタが段階的に表示されていくものである。つまり、複数種のキャラクタそれぞれが表示される可能性があり、一つのキャラクタが表示されることが一つの要素演出の発生ということになる。ステップアップ演出20は、当該要素演出が一または複数回発生する可能性がある(全く発生せずに終了することもある)。キャラクタの種類の数はどのようなものであってもよいが、本実施形態では、上述した付随図柄12に対応するキャラクタA〜F(キャラクタGを除く)の六種類が設定されている。図3に示すように、一種類のキャラクタが表示される毎に一段階ステップアップするという概念の演出である。最終的に当該段階が何段階までステップアップしたかによって、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が示唆される。本実施形態では、ステップアップした段階が高いほど、当該蓋然性が高くなるように設定されている。
各キャラクタが表示される前の段階(図3(a)参照)では、各キャラクタが表示される位置を示すシルエットが表示されている。いずれかのキャラクタが表示されることが決定された場合、対応するシルエットの位置に当該キャラクタが明瞭に表示される(図3(b)(c)参照)。遊技者は、シルエットの数(本実施形態では、ステップアップが全く発生していない状態では、六種類のキャラクタに対応する六種類のシルエットが表示されている)により、ステップアップの段階が何段階まで存在するのかを把握することができる。そして、ステップアップの途中段階では、表示されたキャラクタの数により、ステップアップが何段階まで進行したのかを把握することが可能である。なお、シルエットの態様はどのようなものであってもよい。各キャラクタが表示された状態とシルエットの状態が明瞭に判別することができればよい。つまり、ステップアップが発生した状態と、ステップアップが発生していない状態を明確に区別することができさえすればよい。以下の説明では、各キャラクタがシルエットで表示された状態を第一態様21と、明瞭に表示された状態を第二態様22と称することもある。なお、第二態様22として表示されるあるキャラクタの画像と、それに対応する付随図柄12として表示されるキャラクタの画像は全く同じでなくてもよい。遊技者が同じキャラクタであることを同一視できればよい。
本実施形態では、ステップアップが全く発生していない状態において、キャラクタGに相当する画像が第一態様21にある各キャラクタ(各キャラクタのシルエット)とともに表示される(図3(a)等参照)。つまり、ステップアップが全く発生していない状態から、キャラクタGは第二態様22に相当する画像(以下、基本画像22aと称することもある)で第一態様21にある各キャラクタとともに表示されている。本実施形態では、基本画像22aは、第一態様21にある各キャラクタに挟まれるようにして中央に表示される。つまり、基本画像22aの一方側に第一態様21にある一または複数種のキャラクタが表示され、他方側にも第一態様21にある一または複数種のキャラクタが表示される。このような基本画像22aが表示されていることにより、遊技者は、キャラクタが段階的に表示されていく演出が発生するのではないかということを把握することが可能となる。
このように、ステップアップ演出20では、所定の演出要素が段階的に変化していく。本実施形態では、当該所定の演出要素として、第一態様21から第二態様22に変化する可能性がある六種類のキャラクタが設定されているため、最大のステップアップの段階は六段階である。
○連続演出
本実施形態にかかる遊技機1は、擬似連続演出30を実行することが可能である。擬似連続演出30は、変動する識別図柄10(群)を擬似停止させた後、再び変動を開始する単位演出を一または複数回繰り返す演出である。なお、擬似停止の態様とは、識別図柄10が完全に停止していないが、遊技者には停止しているように見える態様をいう。例えば、識別図柄10がわずかに揺れているような状態とすることで、擬似停止の態様が構築される。対象の当否判定結果を報知する際に、識別図柄10を完全に「停止」させることになるところ、停止したかのようにみせる演出として「擬似停止」が用いられる。
擬似連続演出30は、基本的には、当該単位演出の発生回数によって当否判定結果が示唆されるものである。本実施形態では、単位演出の発生回数が多くなればなるほど、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、信頼度と称することもある)が高まるように設定されている。本実施形態では、かかる「単位演出の発生回数」による示唆とは別に、「確定図柄10aの擬似停止順」により信頼度が示唆される。ここでいう確定図柄10aは、単位演出が発生することを示す識別図柄10である。単位演出が発生する際、三つの識別図柄10群のそれぞれから選択された識別図柄10が所定の組み合わせで擬似停止することになるが、当該所定の組み合わせとして、確定図柄10aを含む組み合わせが設定されている。本実施形態では、確定図柄10aとして「7」の主図柄11(キャラクタGの付随図柄12)を含む識別図柄10が設定されている(図2(a)参照)。
本実施形態では、単位演出が発生する組み合わせとして、二番目に擬似停止する識別図柄10群から選択された識別図柄10が確定図柄10aであるもの(図4(b)参照)または三番目(最後)に擬似停止する識別図柄10群から選択された識別図柄10が確定図柄10aであるもの(図4(d)参照)が設定されている。つまり、一番目に擬似停止する識別図柄10群を除いた識別図柄10群から選択されたものに確定図柄10aが含まれているか否かが基準となる。一番目に擬似停止する識別図柄10が確定図柄10aである態様も、単位演出が発生する示唆として設定されていてもよい。本実施形態では、基本的には、左の識別図柄10群→右の識別図柄10群→中の識別図柄10群の順で停止していくことになるため、(停止順が変化するような特殊な演出が発生した場合を除き)中の識別図柄10群または右の識別図柄10群から選択されて擬似停止した識別図柄10が確定図柄10aである場合に単位演出が発生することになる。
そして、本実施形態では、二番目に擬似停止する識別図柄10群から選択された識別図柄10が確定図柄10aである場合(以下、第二擬似停止態様と称することもある)(図4(a)(b)参照)よりも、三番目に擬似停止する識別図柄10群から選択された識別図柄10が確定図柄10aである場合(以下、第三擬似停止態様と称することもある)(図4(a)(c)(d)参照)の方が、大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されている。その理由は、本実施形態における擬似連続演出30が、上述したステップアップ演出20と絡めた演出となっているからである。当該両演出の関係性については後述するが、擬似連続演出30とステップアップ演出20をそれぞれ独立した演出とすることを否定するものではない。
このように、本実施形態にかかる擬似連続演出30(示唆演出)によれば、確定図柄10aが擬似停止するか否かということだけでなく、確定図柄10aが停止する順番にも遊技者が注目することになるから、趣向性の高い演出とすることが可能である。
また、本実施形態では、他の識別図柄10との関係における確定図柄10aの擬似停止順が遅いほど、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されている。なお、本実施形態では、確定図柄10aの擬似停止順のパターンは二つのみ(第二擬似停止態様と第三擬似停止態様のみ)であるが、三つ以上のパターンが設定された場合であっても、このように設定するとよい。確定図柄10aが早く確定図柄10aが擬似停止すると、早くに単位演出(連続演出)の発生が確定するという点において喜ばしい状況といえる。したがって、遊技者は早く確定図柄10aが擬似停止することを願う。しかし、本実施形態のような構成とすれば、早く確定図柄10aが擬似停止すると、単位演出が発生することが確定するという側面においては喜ばしい状況であるものの、確定図柄10aの擬似停止順による当否判定結果が大当たりとなる示唆としてはあまり好ましくない状況であるといえる。このような相反する状況が生じうるものであるため、演出の内容が面白みのあるものとすることが可能である。
○ステップアップ演出と連続演出の関係
以下、ステップアップ演出20と擬似連続演出30の関係について、一部上記説明と重複するが説明する。
本実施形態では、擬似連続演出30を構成する単位演出が発生した場合、それによりステップアップ演出20における演出要素が必ず一段階以上ステップアップするように設定されている。詳細を後述するように、第二擬似停止態様が発生した場合には一段階のステップアップが、第三擬似停止態様が発生した場合には二段階のステップアップが発生する。以下、このように単位演出とステップアップがセットとなって発生する演出を複合演出と称することもある。
また、本実施形態では、ステップアップ演出20における演出要素は、単位演出の発生時以外にも発生することがある。つまり、単位演出を経ずに、演出要素がステップアップすることがある。例えば、図3に示したように、全ての図柄が変動している最中に演出要素がステップアップすることもある。以下、このように単位演出を経ずに演出要素がステップアップする演出を単独演出と称することもある。
このように設定されているため、対象当否判定結果を報知するに際し発生するステップアップの発生回数は、必ず単位演出の発生回数以上となる。例えば、単独演出が全く発生しなかった場合であって、単位演出発生時のステップアップが一段階である場合には「ステップアップの発生回数=単位演出の発生回数」となる。また、例えば単独演出が発生した場合であって、単位演出発生時のステップアップが一段階である場合には「ステップアップの発生回数=単位演出の発生回数+単独演出の発生回数」となる。
このように、本実施形態にかかる遊技機1によれば、演出要素のステップアップが、単位演出の発生によって必ず発生するため、連続演出とステップアップの発生回数がリンクした趣向性の高い遊技性を実現することが可能である。より具体的には、擬似連続演出30は単位演出の発生回数によって、ステップアップ演出20はステップアップの発生回数によって対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性を示唆するというものであり、特定の演出の発生回数が増加すればするほど、遊技者にとって喜ばしい状況となるという点において共通するものである。両者がこのような関係性にあることを利用し、一方(単位演出)が発生した場合に必ず他方(ステップアップ)が発生するという関係にすることで、一方(単位演出)が発生した場合に遊技者が二重の喜びを得ることができるようにしている。また、一方(単位演出)が発生しない場合であっても他方(ステップアップ)が発生する可能性があるようにすることで、両者の独立性(基本的には別々の演出であるということ)が担保されている。ゆえに、一方の進行があまり芳しくない状況であっても、他方が進行するといった状況が生じ得るため、大当たりに期待がもてない変動が多くなり、遊技者が興醒めしてしまうおそれを低減することが可能である。
また、本実施形態における擬似連続演出30は、確定図柄10aが二番目に擬似停止する第二擬似停止態様が発生した場合よりも、確定図柄10aが三番目に擬似停止する第三擬似停止態様が発生した場合の方が、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まるものである。その理由は、第二擬似停止態様の結果として一段階のステップアップが発生するように設定されている(図5参照)のに対し、第三擬似停止態様の結果として二段階のステップアップが発生する(図6参照)ように設定されているからである。ステップアップ演出20は、最終的なステップアップの段階が高くなればなるほど当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まるものであるところ、第二擬似停止態様が発生した場合よりも第三擬似停止態様が発生した場合の方が、発生するステップアップの段階が高くなるように設定されているのであるから、第三擬似停止態様の方がステップアップ演出20に与える影響は遊技者にとってより好ましいものであるといえる。つまり、本実施形態における連続演出において確定図柄10aが擬似停止する順番は、ステップアップ演出20を介して、間接的に信頼度を示唆しているものである。
第二擬似停止態様(図5参照)が発生する場合、確定図柄10aが擬似停止する前に、既に一つの識別図柄10が擬似停止していることになる(図5(a)〜(c)参照)。また、第三擬似停止態様が発生する場合(図6参照)、確定図柄10aが擬似停止する前に、既に二つの図柄が擬似停止していることになる(図6(a)〜(d)参照)。したがって、本実施形態では、確定図柄10aが擬似停止する前に、既に擬似停止している識別図柄10(以下、対象図柄14と称することもある。対象図柄14となり得る図柄は、図2(a)に示す通りである)の数と、ステップアップ演出20においてステップアップする段階の数を一致させているということである。
そして、本実施形態では、対象図柄14と、ステップアップするキャラクタをリンクさせている。上述したように、ステップアップ演出20において、ステップアップするキャラクタはキャラクタA〜Fである。つまり、確定図柄10a以外の識別図柄10が有する付随図柄12のキャラクタに対応するものである。第二擬似停止態様が発生する場合、確定図柄10aが擬似停止する前に既に一つの対象図柄14が擬似停止している(図5(a)〜(c)参照)。当該一つの対象図柄14が有する付随図柄12に対応するキャラクタを、第一態様21から第二態様22に変化させる(図5(d)〜(f)参照)。つまり、一つのキャラクタに対応する演出要素がステップアップする。なお、第二擬似停止態様が発生する場合、中の識別図柄10群の変動を擬似停止させるか否かは適宜設定可能である。つまり、中の識別図柄10群の変動を擬似停止させた後、再び三つの識別図柄10群の変動を開始させるようにしてもよいし、既に確定図柄10aの擬似停止によって単位演出が発生することは示されたのであるから、中の識別図柄10群の変動を擬似停止させずに再び三つの識別図柄10群の変動を開始させるようにしてもよい。
第三擬似停止態様が発生する場合、確定図柄10aが擬似停止する前に既に二つの対象図柄14が擬似停止している(図6(a)〜(d)参照)。当該二つの対象図柄14のそれぞれが有する付随図柄12に対応するキャラクタを、第一態様21から第二態様22に変化させる(図6(e)〜(g)参照)。つまり、二つのキャラクタに対応する演出要素がステップアップする。このように、本実施形態では、確定図柄10aが擬似停止する前に既に停止している対象図柄14が有する付随図柄12に対応させるようにしてステップアップが進行する。
本実施形態では、対象図柄14がステップアップ対象となる演出要素に対応するものであることを分かりやすくするため、対象図柄14の付随図柄12は基本態様121から特殊態様122とされる(図5(d)、図6(e)参照)。つまり、特殊態様122となった対象図柄14のキャラクタが、ステップアップするキャラクタ(第二態様22とされるキャラクタ)であることを分かりやすくする。基本態様121から特殊態様122とするタイミングおよび特殊態様122を維持する期間は適宜設定することができる。また、ステップアップが発生する際に、特殊態様122とされたキャラクタのみを表示し、ステップアップの対象がより分かりやすくなるようにしてもよい(図5(e)、図6(f)参照)。
確定図柄10aとして設定された識別図柄10は、付随図柄12としてキャラクタGが対応づけられたものであるが、当該キャラクタGは、上述した基本画像22aの状態でステップアップ演出20の開始時(ステップアップが全く発生していない状態)から表示されているものである(図3(a)参照)。そのため、キャラクタGがステップアップの対象となる演出要素となることはない。つまり、本実施形態では、ステップアップの対象とならない演出要素に対応する識別図柄10を、単位演出(擬似連続演出30)が発生することを示す確定図柄10aとした上で、それ以外の識別図柄10をステップアップの対象となる演出要素のそれぞれに対応するものとしている。そして、確定図柄10aよりも前に擬似停止した識別図柄10(対象図柄14)を、ステップアップの対象となるように対応づけることで、擬似連続演出30とステップアップ演出20がリンクした構成としている。また、ステップアップの対象とならない演出要素に対応する識別図柄10(確定図柄10a)は、基本画像22aとして表示することで、ステップアップ演出20の進行を分かりやすくするための要素として機能させている。
このように、本実施形態では、擬似連続演出30の一部である示唆演出(「確定図柄10aの擬似停止順」によって信頼度が示唆される演出)と、所定の演出要素が段階的にステップアップするステップアップ演出20と組み合わされた複合演出が実行される。このように、擬似連続演出30(示唆演出)をステップアップ演出20と絡めたものとすることで、演出の分かりやすさ、趣向性を向上させることが可能である。
また、確定図柄10aが擬似停止した際、既に停止または擬似停止している他の識別図柄10(対象図柄14)の数と、演出要素がステップアップする段階の数が一致するように設定されており、確定図柄10aの停止順と、ステップアップの段階の数とがリンクするため、両演出の関係性を分かりやすくすることが可能である。
さらには、確定図柄10aが擬似停止した際、既に擬似停止している他の識別図柄10(対象図柄14)が有する付随図柄12に対応するキャラクタが第一態様21から第二態様22に変化するため、ステップアップの対象となるキャラクタと、識別図柄10が有する付随図柄12として設定されたキャラクタがリンクする分かりやすい演出とすることが可能である。
また、本ステップアップが発生したことを示す第二態様22のキャラクタ画像が表示される際、それに対応する付随図柄12が事前に他の付随図柄12に比して目立つ状態にされる(本実施形態では特殊態様122とされる)という、ステップアップ演出20と付随図柄12を有する識別図柄10がリンクした趣向性の高い演出を実行することが可能である。また、目立つ状態とされる付随図柄12により、表示される第二態様22のキャラクタ画像がどのようなものであるかを分かりやすくすることが可能である。
以下、上記実施形態を具体化、変形、改良等した例(具体例)について説明する。以下で説明する具体例を組み合わせて適用した構成としてもよい。
・第一具体例
本例は、いわゆる先読み演出によって、ステップアップが発生することが予告されるように設定されたものである。先読み演出それ自体は公知であるため詳細な説明を省略するが、先読み演出は、対象当否判定結果を報知するに際し、当該対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを、それよりも前に報知が完了する一または複数の当否判定結果(以下、先の当否判定結果と称することもある)を報知するための演出を利用して示唆するものである。
先読み演出によるステップアップの予告の具体的な態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、一または複数の先の当否判定結果を報知する演出中に発生する特定先読み演出40(右隅に演出画像41が表示される)によって、ステップアップが発生するかどうかが予告される(図7(a)参照)。特定先読み演出40の結末が成功結末411(図7(b)参照)となった場合にステップアップが発生することが確定する。一方、成功結末411とならなかった場合(図示されない失敗結末となった場合)にはステップアップが発生することは確定しない。このような特定先読み演出40が一種のみ設定された構成としてもよいし、複数種設定された構成としてもよい。
本例では、特定先読み演出40の結末が成功結末411となった場合、対象当否判定結果を報知する演出において、必ず一段階のステップアップが発生することが確定する(図7(d)参照)。なお、当該特定先読み演出40によって予告されたステップアップは、単位演出とともに発生するステップアップではない。また、二段階以上のステップアップが特定先読み演出40によって予告されることがあるような設定としてもよい。また、本例では、ステップアップの発生が確定していることを示すため、対象当否判定結果を報知する演出の開始後、実際にステップアップが発生するまで、ステップアップの発生が確定していることを示す予告画像42が表示される(図7(c)参照)。
なお、本例に変更を加え、先読み演出として実際にステップアップが発生することがあるようにしてもよい。つまり、先の当否判定結果を報知する演出中に、対象当否判定結果を報知する演出においてステップアップが発生することが「予告」されるのではなく、一または複数の先の当否判定結果を報知する演出中に、実際にステップアップが発生することがあるように設定してもよい。当該先の当否判定結果を報知する演出において発生したステップアップは、対象当否判定結果を報知する演出まで引き継がれる。つまり、対象当否判定結果を報知する演出の開始時点において、一または複数段階のステップアップが進行している場合がある構成とする。
このように、いわゆる先読み演出によってステップアップの発生が予告されたり、ステップアップが発生したりする場合があるようにすることで、バリエーションに富んだ遊技性を実現することが可能となる。
・第二具体例
第一具体例のように、いわゆる先読み演出によって、ステップアップが発生することが予告されることがある構成とする場合、以下のように制御するとよい。
本例では、対象当否判定結果を報知する演出において、ステップアップが発生する可能性があるタイミング(以下、当該タイミングを特定タイミングと称することもある)は少なくとも六か所設定される。つまり、最大のステップアップの段階の数以上の特定タイミングが設定される。本例では、図8に示すように、対象当否判定結果を報知する演出の開始時(対象当否判定結果を報知する識別図柄10の変動開始時。以下単に変動開始時(点)と称することもある)から所定時点までの間に六ヶ所の特定タイミングT1〜T6が設定されている。なお、当該所定時点は適宜設定することができる。対象当否判定結果の報知が完了する時点であってもよいし、いわゆるリーチ状態が成立する時点であってもよい。つまり、変動開始時点から所定時点までが、ステップアップが発生する可能性がある期間として設定された期間ということになる。また、特定タイミングT1〜T6は、固定されていてもよいし、変動毎に変化しうるものであってもよい。いわゆる保留によって変動時間が変化する設定である場合には、特定タイミングT1〜T6が変動毎に変化しうるものとすればよい。
上記実施形態において説明したように、単位演出発生時には必ずステップアップが発生することになるから、単位演出が発生する可能性がある時点も特定タイミングとして設定されている(本例では、特定タイミングT2およびT4)。そして、基本的には、対象当否判定結果を報知する演出の開始時(対象当否判定結果を報知する識別図柄10の変動開始時。以下単に変動開始時と称することもある)に、当否判定結果を踏まえ、ステップアップが最終的に何段階まで進行するか(ステップアップの段階数)ということと、各ステップアップがどの特定タイミングにおいて発生するかということを抽選により決定する。このように、変動開始時に「ステップアップの段階数」および「各ステップアップの発生タイミング」を抽選するのは、単位演出の発生とステップアップの発生がリンクしているからである。上述したように、単位演出は、識別図柄10を利用した演出であるため、当該識別図柄10が変動を開始する前、すなわち変動開始時までに、「ステップアップの段階数」および「各ステップアップの発生タイミング」を抽選する。なお、各抽選は、当否判定結果の当否によって異なる(当否に応じた異なる抽選テーブルが設けられている)。
図9に示す当該抽選(制御)は、特定先読み演出40により、ステップアップの発生が予告されている場合と予告されていない場合とで異なる。特定先読み演出40によりステップアップの発生が予告されている(特定先読み演出40によって一または複数段階のステップアップが確定している)場合(S1「Yes」)、予告されたステップアップを加味して、「ステップアップの段階数」(S2)および「各ステップアップの発生タイミング」(S3)を抽選する。つまり、対象当否判定結果を踏まえ、最終的なステップアップの段階数Ntを決定することになるが、特定先読み演出40によってNa段階のステップアップの発生が予告されている場合には、かかる分を除いたステップアップの段階数、すなわちNt−Na段階分に関し、上記特定タイミングのうちから発生タイミングを決定する。また、本例におけるステップアップ演出20は、各キャラクタA〜Fが第一態様21から第二態様22に変化することがステップアップとして設定されているため、キャラクタがステップアップする順も併せて抽選により決定される(S4)。
特定先読み演出40によりステップアップの発生が予告されていない場合(S1「No」)の場合には、そのまま(先読み分を加味せずに)「ステップアップの段階数」(S5)および「各ステップアップの発生タイミング」(S6)、「ステップアップする順」(S7)を抽選する。
S2〜4、またはS5〜7における抽選によって決定されたステップアップの具体的態様は、表示装置91を制御する手段等に送信され(S8)、それに基づき演出が進行することになる。
ここで、特定先読み演出40によって予告されたステップアップは、複数の特定タイミングのうちの最初(一番目)の特定タイミングT1(図8参照)において発生するように設定されている。本例では、先読みによって予告されているステップアップの段階が複数である場合には、最初の特定タイミングにおいて一気に複数段階のステップアップが発生するようにしている。したがって、上記S3の抽選は、特定タイミングT1を除いた抽選態様となる。
ただし、先読みによって予告されているステップアップの段階が複数である場合には、最初(一番目)の特定タイミングT1、二番目の特定タイミングT2・・・といったように、最初の特定タイミングから順に、予告された分の複数のステップアップが発生するようにしてもよい。
このように、特定先読み演出40によって演出要素のステップアップが発生することが予告された場合、ステップアップが発生する可能性がある特定タイミングのうちのいずれかを、先読みによって確定している分にあてる。そして、それを加味して、変動開始時までに、「ステップアップの段階数」および「各ステップアップの発生タイミング」を抽選により決定する。このようにすることで、ある当否判定結果を報知する演出が開始される際に、ステップアップが発生する回数およびそのタイミングを決定する制御が複雑化するのを抑制することが可能である。
また、特定先読み演出40によって演出要素のステップアップが発生することが予告された場合、当該先読みによって予告されているステップアップが、最初の特定タイミングにおいて発生するようにすることで、ある当否判定結果を報知する演出が開始される際に、ステップアップが発生する回数およびそのタイミングを決定する制御が複雑化するのを抑制することが可能であるだけでなく、先読みによって予告されたステップアップが最初に発生するから、先読みとステップアップの関係を分かりやすくすることが可能である。
・第三具体例
第一具体例のように、特定先読み演出40によって、ステップアップが発生することが予告されることがある構成とする場合、当該特定先読み演出40は、「先読み」であるのであるから、基本的には、一または複数の先の当否判定結果を報知する演出中に発生する。ただし、本例では、特定先読み演出40が、対象当否判定結果を報知する演出中にも実行されることがある(図10参照)。つまり、対象当否判定情報に対応する当否判定結果を報知する演出の開始(対象当否判定結果を報知するための識別図柄10が変動を開始する時点(図11(a)においてX1で示す時点);以下、対象変動開始時点X1と称することもある)前から開始後にかけて継続的に実行される(図10(a)〜図10(c)参照)。
上述したように、特定先読み演出40の結果が成功結末411(遊技者に有利な結末)となった場合(図10(c)参照)、その後のステップアップ演出20において、演出要素が一または複数段階ステップアップする(図10(d)参照)こと、すなわち本例では一または複数種のキャラクタが表示されることが予告される。ステップアップの発生は信頼度が高まるということであるため、特定先読み演出40の結末が間接的に信頼度を示唆しているともいえる。
このような特定先読み演出40は、対象当否判定結果を報知する演出が開始される時点の後の所定時点(図11(a)においてX2で示す時点;以下、当該時点を基準時点X2と称することもある)まで完了することが求められる。
本例では、基準時点X2は、対象当否判定結果を報知する演出中に実行されるステップアップ演出20の開始時点に設定される。なお、基準時点X2は、対象変動開始時点X1から一定時間後であってもよいし、対象変動開始時点X1からの時間が状況に応じて変化するものであってもよい。つまり、ステップアップ演出20の開始時点が、対象変動開始時点X1から一定時間後に設定されている場合には、基準時点X2は対象変動開始時点X1から一定時間後となる。一方、ステップアップ演出20の開始時点が、保留情報の数等のそのときの状況に応じて種々変化する場合には、基準時点X2は対象変動開始時点X1からの時間が種々変化することになる。
特定先読み演出40を実行するか否か、実行する場合にはその種類を決定するときには、上記基準時点X2までに特定先読み演出40が完了するか否かを判断して、特定先読み演出40の実行の可否を決定する。例えば、特定先読み演出40となりうる複数種の先読み演出が設定されており、その演出完了時間までの長さが異なる場合、上記基準時点X2まで完了しない演出は選択対象から除かれる。
このように、対象変動開始時点X1後に、特定先読み演出40の実行の可否を決定するための基準時点X2が設定されていれば、特定先読み演出40を含めた演出の制御を容易にすることが可能である。そして、上記基準時点X2をステップアップ演出20の開始時点とすることで、特定先読み演出40とステップアップ演出20を組み合わせた継続性のある演出の制御を容易にすることが可能である。
また、特定先読み演出40の完了時点が、上記基準時点X2の到達とほぼ同時となるように制御してもよい。つまり、特定先読み演出40からステップアップ演出20に至る一連の演出の流れをスムーズにするため、「間」が発生しないようにしてもよい。例えば、特定先読み演出40の開始時点を、当該特定先読み演出40が基準時点X2の到達と同時に完了するよう設定する。また、例えば、結果表示をそのまま表示し続ける等して特定先読み演出40の時間を長くし、当該特定先読み演出40が基準時点X2まで継続するよう調整する。
また、本例では、特定先読み演出40の結果は、対象変動開始時点X1よりも後に設定される(図10(c)参照)。より具体的には、結果表示は、対象変動開始時点X1よりも後、かつ上記基準時点X2よりも前に表示される(図11(a)に示す期間W中に表示される)。このように、特定先読み演出40の帰趨(遊技者に有利な結末となったか否か)を示す結果表示が、対象変動開始時点X1後に表示されるようにすることで、特定先読み演出40に対する遊技者の興味を、対象当否判定結果を報知する演出が開始されるまで継続させることが可能である。
また、上述したように、本例における特定先読み演出40は、先の当否判定結果を報知する演出から対象当否判定結果を報知する演出にかけて実行されることになるが、特定先読み演出40を実行する時間配分は、先の当否判定結果を報知する演出中の時間T1の方が、対象当否判定結果を報知する演出中の時間T2よりも長く設定される(T1、T2については図11(b)参照。なおT2は、図11(a)においてWで示した範囲と同じである)。つまり、T1>T2である。この逆、すなわちT1<T2であると、「先読み」としての機能が暈けてしまうからである。つまり、本例にかかる特定先読み演出40は、一部が対象当否判定結果を報知する演出中に実行されるものであるとはいえ、基本的には対象当否判定結果が当たりとなる信頼度を「事前に」示唆するものであるため、先の当否判定結果を報知する演出中の時間T1の方が長くなるようにする。なお、T1やT2の長さは常に一定である必要はない。T1>T2の関係を満たしていれば、T1およびT2それぞれの長さは変化してもよい。
なお、特定先読み演出40以外の先読み演出が実行可能であってもよい。つまり、一または複数の先の当否判定結果を報知する演出中に完了する通常の先読み演出(従来型の先読み演出)が発生することがあってもよい。例えば、一連の演出の内容や演出の長さは同じであるものの、その開始時点を制御することで、当該演出は特定先読み演出40としての機能しうるし、通常の先読み演出としても機能しうることになる。また、全ての先読み演出が、特定先読み演出40である構成としてもよい。
このように、本例では、特定先読み演出40は対象当否判定結果を報知する演出の開始前から当該対象当否判定演出の開始後にかけて実行される。つまり、対象当否判定結果を報知する演出の開始時点を跨いで継続的に実行される。したがって、先読み演出を実行することが可能な時間が長く、バリエーションに富んだ演出を実行することが可能となる。
また、特定先読み演出40は、対象当否判定結果を報知する演出の開始後にも実行されるため、当該対象当否判定結果を報知する演出の一部として実行されるステップアップ演出20が、特定先読み演出40から継続的に実行されるものとすることが可能である。つまり、特定先読み演出40とステップアップ演出20を組み合わせた継続性のある趣向性の高い演出を実行することが可能である。
・第四具体例
本例は、識別図柄10として、擬似連続演出30(単位演出)の発生を確定させる確定図柄10aだけでなくと、擬似連続演出30(単位演出)の発生を示唆する示唆図柄10bが設定された構成である。本例では、主図柄11が「7」の識別図柄10(付随図柄12がキャラクタG)が確定図柄10aとして、主図柄11が「3」の識別図柄10(付随図柄12がキャラクタC)が示唆図柄10bとして設定されている。図12に示すように、右の識別図柄10群から選択されて確定図柄10aが擬似停止した場合(図12(b)参照)には、単位演出が発生することが確定する。つまり、右に確定図柄10aが擬似停止した識別図柄10の組み合わせが、単位演出が発生することを示す所定の組み合わせとして設定されている。そして、右に確定図柄10aが擬似停止した場合、単位演出が発生することを示す確定演出60が実行される(図12(c)参照)。確定演出60それ自体の具体的な態様はどのようなものであってもよいが、確定図柄10aの付随図柄12として設定されているキャラクタGは、示唆図柄10bの付随図柄12として設定されているキャラクタCと同種のキャラクタである特定キャラクタ80を用いた演出であることが望ましい。確定図柄10aの付随図柄12から飛び出すようにして特定キャラクタ80が表示され、当該特定キャラクタ80が所定の動作を行う演出が確定演出60として実行される。
その後、確定図柄10aよりも前に擬似停止していた識別図柄10(対象図柄14)に対応するステップアップが実行され(図12(d)参照)、識別図柄10群が再変動する(図12(e)参照)。
一方、図13および図14に示すように、右の識別図柄10群から選択されて示唆図柄10bが擬似停止する(図13(b)参照)ことで、単位演出が発生する蓋然性が高いことが示される。つまり、右に示唆図柄10bが擬似停止した場合には、通常の識別図柄10(確定図柄10aおよび示唆図柄10b以外の識別図柄10)が擬似停止した場合に比して、その後単位演出が発生する蓋然性が高くなるように設定されている。このように、示唆図柄10bは、単位演出の発生を予告する図柄として機能する。
対象識別図柄群から選択されて示唆図柄10bが擬似停止した場合、分岐演出61が開始される(図13(c)参照)。分岐演出61は、その結末によって、単位演出が発生するか否かを示すものである。分岐演出61それ自体の具体的な内容はどのようなものであってもよいが、示唆図柄10bの付随図柄12として設定されているキャラクタC、すなわち、キャラクタGと同種のキャラクタである特定キャラクタ80を用いた演出であることが望ましい。
分岐演出61の結末としては、少なくとも、単位演出が発生することを示す結末(以下、成功結末611と称する)と、単位演出が発生しないことを示す結末(以下、失敗結末612)とが設定されている。分岐演出61は、示唆図柄10bの付随図柄12から飛び出すようにしてキャラクタC(特定キャラクタ80)が表示され、当該キャラクタCが所定の動作を行う演出である。そして、成功結末611の態様は、上記確定演出60の態様と同じである(図14(a)参照)。つまり、確定演出60は、単位演出が発生することを示す演出として設定されているため、分岐演出61における成功結末611の態様を確定演出60の態様と同じとすることで、単位演出の発生を分かりやすくしている。単位演出が発生する場合は、確定図柄10aが擬似停止する場合、示唆図柄10bが擬似停止する場合のいずれの場合であっても、同じ態様の演出(確定演出60でもあり、分岐演出61の成功結末611でもある演出)が実行されることになる。なお、このようにすることができるのは、分岐演出61および確定演出60が特定キャラクタ80を用いた演出であるからであるともいえる。
成功結末611が実行された後、示唆図柄10bよりも前に擬似停止していた識別図柄10に対応するステップアップが実行され(図14(b)参照)、識別図柄10群が再変動する(図14(c)参照)。
一方、失敗結末612(図15(a)参照)の態様はどのようなものであってもよい。成功結末611が実行されなかったことにより、遊技者は、単位演出の発生に至らなかったことを認識することが可能である。失敗結末612が実行された場合には、識別図柄10がはずれを示す態様で停止し(図15(b)参照)、はずれであることが報知される。その後、次の当否判定結果を報知する演出(次の識別図柄10の変動)が開始される(図15(c)参照)。
このように、本例では、複数種の識別図柄10には、単位演出が発生する蓋然性が高いことを示唆する示唆図柄10bが含まれる。つまり、単位演出が発生することが確定図柄10aを含む所定の組み合わせによって示されるだけでなく、示唆図柄10bによって単位演出が発生することが予告されるという面白みのある演出(連続演出の予告演出)を実行することが可能である。
また、確定図柄10aが有する付随図柄12のキャラクタGと、示唆図柄10bが有する付随図柄12のキャラクタCは同種のキャラクタ(特定キャラクタ80)である。したがって、確定図柄10aと示唆図柄10bが、ともに擬似連続演出30に関係する図柄であることを分かりやすくすることが可能である。特に、本例では、キャラクタCおよびキャラクタG以外のキャラクタA、B、D〜Fは、一つ一つが異なるキャラクタである(キャラクタCおよびキャラクタGのみが同種のキャラクタである)ため、キャラクタCおよびキャラクタGが同種のキャラクタであるということが強調される。
また、本例では、最初または最後に変動が停止または擬似停止する識別図柄10群以外の識別図柄10群である対象識別図柄群として、当該対象識別図柄群に含まれる示唆図柄10bを用いて擬似連続演出30の発生を予告している。そのようにすることの利点は以下の通りである。
最初に停止または擬似停止する識別図柄10(群)は、当否判定結果を示す基準となるため、それを利用して単位演出が発生する蓋然性が高いことを示すのはあまり好ましくない。また、最後に停止または擬似停止する識別図柄10(群)は、それにより当否判定結果が確定したように遊技者に見えてしまうため、それを利用して単位演出が発生する蓋然性が高いことを示すのはあまり好ましくない。よって、最初および最後に停止または擬似停止する識別図柄10(群)を利用して発生する蓋然性が高いことを示すようにすることが好ましい。
・第五具体例
本例は、ステップアップ演出20において補助画像81が表示されるようにするものである。以下、当該補助画像81について、図16および図17を参照しつつ説明する。補助画像81は、基本的にはステップアップの進行の程度を示す画像である。つまり、基本的にはステップアップの段階に応じて補助画像81の態様が変化していく。したがって、遊技者は、補助画像81によって、ステップアップの段階がどの程度まで進行したのかを容易に把握することが可能となる。本実施形態における補助画像81は、いわゆるエフェクトである。
ただし、ステップアップの最初の段階である一段階(一つのキャラクタが第二態様22になった段階)から、X段階(X≧2)までの範囲(以下、特定範囲と称することもある)、すなわちステップアップの始まりの段階を含めた連続する複数の段階においては、対応する補助画像81が設定されていない。つまり、一段階からX段階までは、補助画像81が表示されない(図16参照)。なお、本実施形態では、ステップアップ演出20の開始時、すなわちステップアップが全く発生していない状態(0段階)においても、補助画像81は表示されない(図16(a)参照)。本実施形態では、X=3に設定されている。つまり、第一段階から第三段階(三つのキャラクタが第二態様22になった段階)までが特定範囲として設定され、当該範囲においては補助画像81が表示されない(図16(b)(c)参照)。
そして、特定範囲以降、すなわちX+1段階目以降は、一段階のステップアップが発生する度に、補助画像81の態様を変化させていく(図17参照)。本実施形態では、4段階目以降は、一段階のステップアップが発生する度に、補助画像81の態様を変化させていく。具体的には、4段階目は紫色の画像(図17(a)参照)、5段階目は赤色の画像(図17(b)参照)、6段階目は虹色の画像(図17(c)参照)を補助画像81として表示させていく。なお、補助画像81の態様が変化する、変化しない、とは、補助画像81を構成する一または複数の特定の画像構成要素に基づき判断されるものとする(以下、補助画像81の態様が変化する、変化しないというときにおいて同じ)。本実施形態では、画像の色が異なっていれば補助画像81の態様が変化したものとし、画像の色が同じであれば補助画像81の態様が変化しないものとする。つまり、当該「色」以外の要素は、各段階において同じであってもよいし、異なっていてもよい。上記特定の画像構成要素は「色」以外の要素であってもよい。例えば、画像の形態や大きさ、画像の動き等が例示できる。複数の要素を組み合わせたものを特定の画像構成要素として設定してもよい。このように、態様が実質的に同じであると遊技者が判別することができる要素であれば、特定の画像構成要素として設定される要素はどのようなものであってもよい。また、補助画像81の具体的な態様は種々変更可能である。
このように、ステップアップ演出20におけるステップアップの進行を示す演出要素の段階が所定の段階にある特定範囲においては、補助画像81が表示されない。したがって、当該特定範囲においては、演出要素の段階がステップアップすること(本実施形態では、キャラクタが第一態様21から第二態様22に変化すること)に対して遊技者が注目することになる。
ステップアップ演出20に対する注目度合いを高めるためには、演出の始まりの部分(導入部分)が重要となる。つまり、演出の始まりの部分で遊技者の興味を惹くことができなければ、それ以降遊技者が演出に注目する蓋然性が低くなる。本実施形態では、ステップアップ演出20が開始されてからX段階に到達するまで、すなわちステップアップ演出20の始まりの部分において、補助画像81が表示されないから、演出要素の段階がステップアップすることに対する遊技者の興味を高めることが可能である。
なお、ステップアップの段階が一段階からX段階にある特定範囲において、補助画像81が表示されるようにしてもよい。ただし、当該特定範囲における補助画像81の態様は変化しないようにする。例えば、図18に示すように、特定範囲においては、「青」の補助画像81が表示されるようにし(図18(a)(b)参照)、それ以降は上述したように、ステップアップする度に補助画像81の態様が変化していく(図18(c)参照)構成とする。
このように、特定範囲において補助画像81は表示されるものの、その態様が変化しない構成とすることによっても、演出要素の段階がステップアップすること(本実施形態では、キャラクタが第一態様21から第二態様22に変化すること)に対する遊技者の興味を高めることが可能となる。ただし、特定範囲において全く補助画像81が表示されないようにすれば、遊技者の視線が補助画像81にいくということがなくなるため、ステップアップに対する遊技者の興味をより高めることが可能であるといえる。
・第六具体例
本例では、上記ステップアップ演出20において、演出要素の段階(第一態様21から第二態様22となるキャラクタの数)が最終段階(すなわち、本例では六段階)までステップアップする映像であって、映像の内容が固定化された専用映像82が図示されない記憶手段に記憶されている。ここで、「映像の内容が固定化された」とは、映像の具体的な内容が変化することがないものをいい、映像の長さが一定であるものをいう。つまり、本例における専用映像82は、ステップアップのタイミングや順番等が固定化され、最終的に六段階までステップアップする内容が収められた映像である(図19参照)。本例では一種の専用映像82が記憶手段に記憶されているが、複数種の専用映像82が記憶されていてもよい。
ステップアップの段階がどの段階まで進行するかは、ステップアップ演出20を実行する対象の当否判定結果を踏まえて判断され、対象の当否判定結果を報知する演出において自動的にステップアップが進行する。本例では、ステップアップの段階が多いほど、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が高くなるように設定される。したがって、最終段階までステップアップが進行する演出が発生したときの信頼度は、他の段階までステップアップが進行する演出のそれぞれが発生したときの信頼度よりも高く(最も高く)設定されているということである。本例では、最終段階までステップアップが進行した場合、大当たりとなることが確定するように設定されている。また、最終段階までステップアップが進行する演出は、その発生する蓋然性(発生頻度)が、他の段階までステップアップが進行する演出のそれぞれが発生する蓋然性よりも低く設定されている。このように、本例では、信頼度が最も高く、かつ最も発生する蓋然性が低い演出に対応するものとして、専用映像82が設けられている。
専用映像82が設けられることの利点は次の通りである。ステップアップ演出20がどの段階まで進行するかは当否判定結果を踏まえて決定される。当該ステップアップの段階を踏まえた上で、対象の当否判定結果を報知する一連の演出が決定される。つまり、ステップアップするタイミングや、どのような態様でステップアップするかが決定される。従来型の制御手法では、段階数が増加すればするほど、所定の時間内に収まるようにステップアップのタイミング等を決定しなければならないから、その制御負荷は高くなる。
本例では、ステップアップが最終段階まで進行する少なくとも一部において、上記専用映像82を出力するため、その場合の制御負荷が低い。つまり、従来であればステップアップの段階数が多く、制御負荷が高くなっていたところ、本例では専用映像82を出力するだけでよいため、制御が容易である。
また、ステップアップが最終段階まで進行する演出が発生する蓋然性(発生頻度)は、他の段階までステップアップが進行する演出のそれぞれが発生する蓋然性よりも低く設定されているため、専用映像82を出力する機会は少ない。つまり、同じ内容である専用映像82が出力される頻度が多くなり、遊技者が飽きてしまうおそれは低い。
なお、本例では、ステップアップが最終段階まで進行することが決定された場合、必ず専用映像82が出力されるようにしているが、専用映像82が出力されないことがある設定としてもよい。
専用映像82を出力することが決定された場合であっても、表示装置91の表示領域911に専用映像82のみが出力されなければならないわけではない。例えば、専用映像82が出力されている際にも、上述した保留表示50が表示されるようにする場合には、当該保留表示50はその都度変化するものであるため、専用映像82に盛り込むことはできない。したがって、保留表示50を専用映像82に重ねるようにして表示する(図19において保留表示50は専用映像82の一部ではないため点線で示している)。また、識別図柄10の変動や停止(擬似停止等を含む。以下同じ)を専用映像82に盛り込んだ構成としてもよいし、保留表示50と同様に専用映像82に重ねるようにして表示する(識別図柄10の変動や停止態様等は別途抽選等により決定する)構成としてもよい。なお、上記識別図柄10が当否判定結果を分かりやすくするための演出上の図柄であるのに対し、当該識別図柄10とは別の本図柄(正確な当否判定結果や大当たりの種類等を示す図柄)を表示する場合には、当該本図柄は専用映像82に重ねるようにして表示することになる。このように、経時的に変化しうる表示、正確な情報を遊技者に伝えるための表示といった、遊技の状況等に応じてその都度変化しうる表示は、専用映像82として盛り込むことができないため、これらを表示する場合には、専用映像82に重ねるようにして表示する。
なお、最終段階ではない所定の段階までステップアップが進行するものに対応する専用映像82が設けられていてもよい。また、ある段階までステップアップが進行するものに対応する専用映像82と、当該ある段階とは異なる別の段階までステップアップが進行するものに対応する別の専用映像82が設けられた構成、すなわちそれぞれステップアップが進行する段階が異なる複数種の専用映像82が設けられた構成としてもよい。
・第七具体例
ステップアップ演出20において、ステップアップが何段階まで発生するか(要素演出が何回発生するか)ということだけでなく、ステップアップがどのような順番で発生するか(要素演出がどのような順番で発生するか)よって当否判定結果が当たりとなる蓋然性(信頼度)が示唆される構成とする。上述したように、ステップアップ演出20は、キャラクタA〜Fが第一態様21から第二態様22に変化するステップアップ(要素演出)が一または複数回発生するものである。以下の説明においては、キャラクタA〜Fそれぞれに対応する要素演出を、要素演出A〜Fと称することもある。
図20に示すように、要素演出Cの次に要素演出Fが発生する場合には、信頼度が高まるチャンスアップパターン(C.P.)として設定されている。つまり、要素演出C→要素演出Fという特定順番がチャンスアップパターンとして設定されている。要素演出Cおよび要素演出Fが発生する段階は特定の段階に限定されていてもよいし、限定されていなくてもよい。本例では、特定の段階に限定されていない。つまり、X(X≦5)段階目のステップアップとして要素演出Cが、X+1段階目のステップアップとして要素演出Fが発生したものであればよい。
一方、その逆、すなわち要素演出Fの次に要素演出Cが発生した場合は、上記のようなチャンスアップパターンとして設定されていない。このように、チャンスアップパターンを構成する複数種の要素演出が、チャンスアップパターンとは異なる順で発生した場合はチャンスアップパターンとして設定されていないことが好ましい。
これを踏まえ、要素演出C→要素演出F→要素演出Aの順でステップアップが発生した場合(第一演出例)と、要素演出F→要素演出C→要素演出Aの順でステップアップが発生した場合(第二演出例)の信頼度を比較する(図20に示す表の一段目と二段目を比較する)。なお、要素演出Fの次に要素演出Aが発生すること、要素演出Cの次に要素演出Aが発生することは、チャンスアップパターンではないとする。
第一演出例および第二演出例はいずれも、要素演出の発生回数が三回(ステップアップが三段階進行するもの)であり、その点において共通する。したがって、要素演出の発生回数によって示唆される信頼度という面においては同じである。しかし、第一演出例は、要素演出Cの次に要素演出Fが発生するというチャンスアップパターンを含んでいるため、チャンスアップパターンを全く含んでいない第二演出例よりも信頼度が高い。
しかも、第一演出例および第二演出例は、いずれも、ステップアップ演出20が完了した時点、すなわち演出の結末の態様はキャラクタA、C、Fが第二態様22となっているため同じである。つまり、ステップアップ演出20の結末の態様は同じであるにも拘わらず、それによって示唆される信頼度の高低は異なるといった状況が生じうるものである。このように、演出の途中を見逃してしまうと、信頼度が高まったことを把握できないおそれがあるため、結末に至るまでの過程にも注目させる演出とすることが可能である。
仮に、要素演出Cの次に要素演出Fが発生するということ以外のチャンスアップパターンが設定されていない場合、例えば要素演出F→要素演出C→要素演出Bの順でステップアップが発生する第三演出例の信頼度(図20に示す表の三段目)は、第二演出例と同じにされる。つまり、本例では、チャンスアップパターンが含まれない場合、要素演出の発生回数のみにより、信頼度が示唆されるように設定されている。
チャンスアップパターンは、三つ以上の要素演出の順により設定されていてもよい。例えば、要素演出C→要素演出F→要素演出Dという順で発生することがチャンスアップパターンとして設定されていてもよい。
なお、要素演出が所定の順番で発生するということがチャンスアップパターンであることを示す表示がなされるようにしてもよい。当該表示は、実際にチャンスアップパターンが発生したときになされるようにしてもよいし、チャンスアップパターンが発生していないときに、演出の説明として表示されるようにしてもよい。
このように、本例によれば、要素演出(ステップアップ)が何回発生するかということだけでなく、要素演出が発生する順番によっても当否判定結果が当たりとなる蓋然性が示唆されるという従来にない面白みのある演出とすることが可能である。
また、ステップアップ完了後の最終的な結末の態様が同じであっても、その途中の要素演出の発生順番によって当否判定結果が当たりとなる蓋然性が異なる場合があるように設定されているため、最終的な結末だけでなく、その結末に至るまでの過程にも注目させる演出とすることが可能である。
また、各要素演出には、キャラクタ(本例ではキャラクタA〜F)が対応づけられているため、要素演出の発生順を分かりやすくすることが可能である。
本例をさらに発展させた例として、図21(a)に示すように、要素演出の発生回数(ステップアップがどの段階まで進行したか)に応じてチャンスアップパターンが設定された構成とすることが挙げられる。つまり、要素演出の発生回数が二回の場合は、要素演出A→要素演出Cの順(特定順番)、三回の場合は要素演出C→要素演出Fの順(特定順番とは異なる順番)・・・といったようにする。
図21(a)に示した例のように、要素演出の発生回数のそれぞれに応じて設定されたチャンスアップパターンが互いに異なっていることが好ましいが、発生回数が二回と四回の場合はチャンスアップパターンが同じである、といったように、複数種の発生回数のうちの一部のチャンスアップパターンを同じにすることを否定するものではない。また、発生回数のそれぞれに応じたチャンスアップパターンを構成する要素演出の数は、図21(a)に示すように同じであってもよいし、少なくとも一部が異なるものとしてもよい。例えば、要素演出の発生回数が二回〜四回の場合はチャンスアップパターンを構成する要素演出の数は二つであるが、要素演出の発生回数が五回の場合はチャンスアップパターンを構成する要素演出の数が三つである、といった設定としてもよい。
なお、このような構成とする場合においても、チャンスアップパターンを構成する要素演出がチャンスアップパターンとは異なる順番で発生したパターンは、チャンスアップパターンとして設定されていないとよい。図21(a)に示した例で言えば、(要素演出A→要素演出Cの逆である)要素演出C→要素演出Aとなるパターン、(要素演出C→要素演出Fの逆である)要素演出F→要素演出Cとなるパターン、(要素演出A→要素演出Bの逆である)要素演出B→要素演出Aとなるパターン、(要素演出B→要素演出Fの逆である)要素演出F→要素演出Bとなるパターンは、いずれも、他のチャンスアップパターンとして設定されているものではない。
このような構成とすれば、要素演出の発生回数と、チャンスアップパターンが組み合わされたものとなるため、演出の趣向性がさらに高まる。例えば、要素演出A→要素演出Cの順で演出が進行した場合、ステップアップが二段階で留まるよう遊技者が願うことになる。
図21(a)に示す例をさらに発展させた例としては、図21(b)に示すように、要素演出の発生回数とチャンスアップパターンを構成する要素演出の数を一致させたものが考えられる。例えば、要素演出の発生回数が二回の場合は、要素演出A→要素演出Cの順、三回の場合は要素演出C→要素演出F→要素演出Bの順、要素演出の発生回数が四回の場合は、要素演出A→要素演出B→要素演出C→要素演出F・・・といったようにする。このようにすれば、ステップアップが完了するまで、チャンスアップパターンであるかどうかを把握することができないため、最後まで遊技者の興味を惹く演出とすることが可能である。
また、別の例としては、発生する要素演出の順によって、当否判定結果が大当たりとなることが確定するようにしたものが考えられる。例えば、要素演出C→要素演出Dの順で発生した場合は、大当たりとなることが確定する確定順番が設定される。なお、三つ以上の要素演出により、大当たりとなることが確定する確定順番が構成されていてもよい。このように、当否判定結果が当たりとなることが確定する要素演出の発生順番である確定順番が設定されていれば、演出の過程にも注目させる演出とすることが可能である。
このような構成とする場合、大当たりとなることが確定する確定順番を構成する要素演出がその他の順番で発生しても、大当たりとなることが確定しないように構成することが望ましい。つまり、上記例でいえば、要素演出D→要素演出Cの順で発生した場合には、大当たりとなることが確定しないようにする。三つ以上の場合も同様である。このように、確定順番を構成する要素演出がそれとは異なる順番で発生した場合であっても、当否判定結果が当たりとなることが確定しないようにすることで、演出の過程に対する注目の度合いをさらに高めさせることが可能である。
以上、本発明の実施形態(および具体例)について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるぱちんこ遊技機であるが、表示装置を備える回動式遊技機等の他の種類の遊技機にも適用することが可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1にかかる遊技機は、当否判定結果を報知する識別図柄を表示する表示手段と、前記識別図柄を用いた単位演出を一または複数回繰り返し、その回数によって当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する連続演出を実行する連続演出実行手段と、当否判定結果を示唆する演出要素が段階的にステップアップするステップアップ演出を実行するステップアップ演出実行手段と、を備え、前記ステップアップ演出は、前記単位演出の発生によって前記演出要素がステップアップするように、かつ前記単位演出の発生時以外にも前記演出要素がステップアップする可能性があるように設定されており、当該ステップアップの発生回数が前記単位演出の発生回数以上となるように構成されていることを特徴とする。
手段1にかかる遊技機によれば、演出要素のステップアップが、単位演出の発生によって必ず発生するため、連続演出とステップアップの発生回数がリンクした趣向性の高い遊技性を実現することが可能である。
手段2にかかる遊技機は、手段1に記載の遊技機において、ある当否判定結果を報知する演出が開始される時点より前に、前記演出要素のステップアップが発生する、または発生することを予告する先読み演出が実行される可能性があることを特徴とする。
手段2にかかる遊技機のように、いわゆる先読み演出によってステップアップが発生するまたはステップアップの発生が予告されることがあるようにすることで、バリエーションに富んだ遊技性を実現することが可能となる。
手段3にかかる遊技機は、手段2に記載の遊技機において、前記先読み演出によって前記演出要素のステップアップが発生することが予告された場合には、前記ある当否判定結果を報知する演出が開始される際に、前記先読み演出によって発生することが予告されたステップアップを加味して、当該ある当否判定結果を報知する演出において前記演出要素のステップアップが発生するタイミングを決定することを特徴とする。
手段3にかかる遊技機のように、先読み演出によって演出要素のステップアップが発生することが予告された場合、ステップアップが発生する可能性があるタイミングのうちのいずれかを、先読みによって確定している分にあてる。このようにすることで、ある当否判定結果を報知する演出が開始される際に、ステップアップが発生する回数およびそのタイミングを決定する制御が複雑化するのを抑制することが可能である。
手段4にかかる遊技機は、手段3に記載の遊技機において、前記先読み演出によって前記演出要素のステップアップが発生することが予告された場合には、前記演出要素のステップアップが発生する可能性がある複数のタイミングのうちの最初のタイミングにおいて当該先読み演出によって予告された前記演出要素のステップアップが発生するように設定されており、前記ある当否判定結果を報知する演出が開始される際に、前記最初のタイミングを除いて、前記先読み演出によって予告された前記演出要素のステップアップ以外のステップアップが発生するタイミングを決定することを特徴とする。
手段4にかかる遊技機のように、先読み演出によって演出要素のステップアップが発生することが予告された場合、当該先読みによって予告されているステップアップが、最初のタイミングにおいて発生するようにすることで、ある当否判定結果を報知する演出が開始される際に、ステップアップが発生する回数およびそのタイミングを決定する制御が複雑化するのを抑制することが可能であるだけでなく、先読みとステップアップの関係を分かりやすくすることが可能である。