JP6418386B2 - ロータリ圧縮機 - Google Patents
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Description
図10は、特許文献1のロータリ圧縮機100の構成を示している。図10に示すロータリ圧縮機100は、上下のシリンダ101、102の吸入ポート103と連通し合う吸入管104をセパレータ105に設け、セパレータ105内で吸入管104を分岐させた分岐部106を介して各シリンダ101、102内へ冷媒を供給する構成となっている。
すなわち、上述したロータリ圧縮機の振動や騒音を低減させて効率化を図る手段の1つとして、セパレータの厚みを小さくすることで、シャフト軸方向のモーメントを減少させることが考えられている。そして、上述した二本の吸入管が上下のシリンダに接続される場合には、ハウジングに対する上側吸入管と下側吸入管との間の部分の溶接が難しいといった加工性の問題があることから、その二本の吸入管同士の間の間隔として、両吸入管同士の間の部分を溶接するために必要な上下方向の距離が必要となっていた。そのため、上下のシリンダ同士を仕切るセパレータの厚さが一定の寸法が必要であり、セパレータの薄肉化に制約があった。
このようにセパレータの薄肉化と吸入管の一本化によって、ロータリ圧縮機全体の軽量化を図ることができ、かつセパレータを挟む二つのシリンダ同士の間隔を小さくすることができ、シャフト軸方向(垂直方向)のモーメントを減少させることができる。これにより、ロータリ圧縮機に生じる振動や騒音の低減を図ることができる。
さらに、本発明のロータリ圧縮機では、セパレータやシリンダの薄肉化に伴い、材料費を低減することができる。また、板金打ち抜き方法による加工が可能となることから、加工にかかる作業の効率化を図ることができる。
図1に示すように、本実施の形態のロータリ圧縮機(以下、単に圧縮機1という)は、上下方向に中心軸を有した円筒状の密閉型のハウジング11内に、ディスク状のシリンダ20A、20Bが上下2段に設けられた、いわゆる2気筒タイプである。これら一対のシリンダ20A、20Bの中央部には、それぞれ、上下方向に軸線を有した円筒状のシリンダ内壁面20Sが形成されている。
ここで、上段側のピストンロータ21Aと、下段側のピストンロータ21Bとは、その位相が互いに異なるように設けられている。
また、上下のシリンダ20A、20Bの間には、ディスク状のセパレータ24(図3参照)が設けられている。セパレータ24により、上段側のシリンダ20A内の空間Rと、下段側のシリンダ20Bの空間Rとが互いに連通せずに圧縮室R1と圧縮室R2とに仕切られている。
そして、シャフト22には、ピストンロータ21A、21Bの内側に、シャフト22の中心軸から直交する方向にオフセットした偏心軸部23A、23Bが形成されている。偏心軸部23A、23Bは、ピストンロータ21A、21Bの内径よりもわずかに小さな外径を有している。これにより、シャフト22が回転すると、偏心軸部23A、23Bがシャフト22の中心軸周りに旋回し、上下のピストンロータ21A、21Bがシリンダ20A、20B内で、偏心転動する。このとき、ブレード25は、コイルバネ25aにより押圧されているため、先端部がピストンロータ21A、21Bの動きに追従して進退し、ピストンロータ21A、21Bに常に押し付けられる。
アキュムレータ4には、アキュムレータ4内の冷媒を圧縮機1に吸入させるための吸入管40が設けられている。吸入管40の先端部40aは、開口部12を通して、吸入ポート30に接続されている。
なお、切欠部2A、2Bの形状は、前述したように上下に合わせた状態で円形断面形状であることに限定されることはなく矩形、楕円などの断面形状とすることも可能である。
図2に示すように、本実施の形態では、上下二つのシリンダ20A、20Bを合せて、それらシリンダ20A、20Bの上下面に設けられる切欠部2A、2Bに対して一本の吸入管40を直接、接続する構成にすることができる。つまり、一本の吸入管40がセパレータ24を通過せずに各シリンダ20A、20Bに接続する構成となり、セパレータ24内に吸入管40の分岐部分を介在させる必要がなくなるので、シリンダ部分での吸入面積を広く確保しつつ、セパレータ24の厚さ寸法を薄くすることができる。例えば、セパレータ24の厚さとして、従来1cm程度あったものを、本実施の形態では3mm程度の厚さに薄肉化することができる。
なお、セパレータ24は、シリンダ20A、20B内での圧縮で撓まない程度の厚みが確保されていれば良いのであって、可能な限り薄くすることが好ましい。
また、板金打ち抜き方法による加工が可能となることから、加工にかかる作業の効率化を図ることができる。
そのため、吸入手前の吸入管40の曲部遠心力で冷媒が下側のシリンダ20Bに流れ易くなっている場合において、上側のシリンダ20Aの吸入断面積を大きくすることで、上下のシリンダ20A、20Bに均等に冷媒を分配することができる。
図5に示すように、第1変形例による圧縮機1(ロータリ圧縮機)は、下側に位置するシリンダ20B側に冷媒が供給される流路領域40Aにおいて、この流路領域40Aの断面を小さくする凸部5A、5Bが設けられた構成となっている。図5に示す符号5Aの凸部は、流路領域40A内に含まれたセパレータ24の下面周縁部24aに設けられている。
第1変形例では、下側のシリンダ20B側に流れる切欠部2Bの流路領域40Aに凸部5A、5Bを設けることで、圧損を生じさせることができ、上下のシリンダ20A、20Bに供給される冷媒の流量の均等化を図ることが可能となる。
さらにまた、本変形例では、シリンダ20Bの切欠部2Bに凸部5Bが設けられているが、流路領域40A内であれば良いのであって、吸入ポート30や吸入管40の内面に設ける構成であってもかまわない。
次に、図6及び図7に示すように、第2変形例による圧縮機1(ロータリ圧縮機)は、セパレータ24のうち吸入管40の内部に位置する部分(屈曲部24c)が下方に向けて屈曲された構成になっている。
この場合には、セパレータ24の屈曲部24cが下側のシリンダ20Bの流入口部分が圧損を生じさせるように下向きに屈曲されているので、特別な部材を用いることなく、容易に上下のシリンダ20A、20Bに供給される冷媒の流量の均等化を図ることができる。
なお、本変形例では、セパレータ24の屈曲部24cが下向きに折り曲げられているが、上方に向けて折り曲げるようにしてもかまわない。
次に、図8に示すように、第3変形例による圧縮機1(ロータリ圧縮機)は、吸入管40の内部で、曲部40cよりもシリンダ20A、20B側に整流板6を設けた構成となっている。
この場合、吸入管40の曲部40cよりも下流側に整流板6が設けられているので、吸入管40の曲部40cにおける曲部遠心力による冷媒の偏りを抑制することができ、シリンダ20A、20Bに供給される冷媒の流量の均等化を図ることができる。
図9に示すように、第2の実施の形態による圧縮機1A(ロータリ圧縮機)は、1本の吸入管40で上側及び下側のシリンダ20A、20Bの手前に設けられる分岐管7に接続する構成となっている。分岐管7は、ハウジング11内で上下に分岐させ、分岐したそれぞれの先端がシリンダ20A、20Bの流入部に接続されている。
本第2の実施の形態では、分岐管7で圧損を変えることができ、シリンダ20A、20Bに供給される冷媒の流量の均等化を図ることができる。
2A 第1切欠部
2B 第2切欠部
4 アキュムレータ
5A、5B 凸部
6 整流板
7 分岐管
11 ハウジング
12 開口部
20A、20B シリンダ
21A、21B ピストンロータ
22 シャフト
23A、23B 偏心軸部
24 セパレータ
25 ブレード
40 吸入管
40c 曲部
Claims (7)
- ハウジングと、
該ハウジング内に備えられ、互いに分割され別体で設けられた複数のシリンダと、
前記ハウジングに接続され、前記複数のシリンダ内に冷媒を供給する吸入管と、
を備え、
前記複数のシリンダのうちの一のシリンダには、一面側に第1切欠部が設けられ、
前記複数のシリンダのうちの他のシリンダには、他面側に第2切欠部が設けられ、
前記一のシリンダと前記他のシリンダとの間には、当該シリンダのそれぞれの圧縮室を仕切るセパレータが設けられ、
前記第1切欠部と前記第2切欠部とが合された断面が前記吸入管の断面形状となることを特徴とするロータリ圧縮機。 - 前記第1切欠部と前記第2切欠部とのそれぞれの開口面積が異なることを特徴とする請求項1に記載のロータリ圧縮機。
- 上下方向に配列される前記複数のシリンダのうち上側に位置するシリンダの前記第1切欠部は、下側に位置するシリンダの前記第2切欠部によりも開口面積が大きいことを特徴とする請求項2に記載のロータリ圧縮機。
- 上下方向に配列される前記複数のシリンダのうち下側に位置するシリンダ側に前記冷媒が供給される流路領域には、該流路領域の断面を小さくする凸部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
- 前記吸入管には、前記複数のシリンダ同士の間を仕切る前記セパレータの一部が含まれ、
前記流路領域の内部に位置する部分の前記セパレータに前記凸部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のロータリ圧縮機。 - 前記吸入管には、前記複数のシリンダ同士を仕切る前記セパレータの一部が含まれ、
前記吸入管の内部に位置する部分の前記セパレータが下方に向けて屈曲されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。 - 前記吸入管には、整流板が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
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-
2014
- 2014-10-30 JP JP2014221688A patent/JP6418386B2/ja active Active
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