JP6418204B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

車両の前部車体構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6418204B2
JP6418204B2 JP2016145497A JP2016145497A JP6418204B2 JP 6418204 B2 JP6418204 B2 JP 6418204B2 JP 2016145497 A JP2016145497 A JP 2016145497A JP 2016145497 A JP2016145497 A JP 2016145497A JP 6418204 B2 JP6418204 B2 JP 6418204B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dash panel
vehicle
cover member
panel
steering shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016145497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018016100A (ja
Inventor
田中 潤一
潤一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2016145497A priority Critical patent/JP6418204B2/ja
Publication of JP2018016100A publication Critical patent/JP2018016100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6418204B2 publication Critical patent/JP6418204B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルを備えた車両の車体前部構造に関する。
従来、車両の進行方向を制御するためのステアリング機構では、運転者によるステアリングホイールの操作により生じたステアリングシャフトの回転が、該回転を増幅させるためのステアリングギアボックスなどを介して車輪に伝達される。エンジンルームと車室とを車体前後方向に仕切るダッシュパネルには、ステアリングシャフトを挿通させるための貫通孔が形成されている。
特許文献1には、エンジンルームのダスト、泥水、騒音などが車室内に入り込むのを防止するために、前記貫通孔にカバー部材を設けることが記載されている。特許文献2には、ステアリングシャフトの組立を容易に行うために、前記貫通孔を大きく開口させるとともに前記貫通孔にカバー部材を設けることが記載されている。
また、一般的に、車両の車体前部では、ダッシュパネルの前面に、車体前後方向に延びるフロントサイドフレームが設けられている。フロントサイドフレームは、エンジンルームの左右両側部に設けられ、車両の前面衝突時には、該フロントサイドフレームがエンジンルーム内で座屈または屈曲することで、衝撃荷重のエネルギーが吸収される。これにより、ダッシュパネルに加わる衝突荷重が低減し、ダッシュパネルの車室内側への変形が抑制される。
特許第5352740号明細書 特許第4997308号明細書
ところで、車両の前面衝突時には、エンジンルームに配置されたパワートレインがダッシュパネルの位置まで後退して、パワートレインからダッシュパネルに荷重が入力されるおそれがある。このとき、エンジンルーム内において、パワートレインの後退を許容するためのスペース(いわゆるクラッシュストローク)が十分に確保されていれば、パワートレインがダッシュパネルの位置まで後退することはなく、または、少なくとも、パワートレインからダッシュパネルに入力される荷重を十分に小さくすることができる。
しかし、近年、車両の軽量化やデザイン上の要請により、エンジンルームを含む車体前部が小型化されることがある。この場合、パワートレインのクラッシュストロークを確保することが困難になるため、前面衝突時にパワートレインからダッシュパネルに入力される荷重を小さくしてダッシュパネルの車室内側への変形を抑制するためには、例えばパワートレインの後退を抑制するための部材を別途設ける必要がある。しかし、この場合、車体前部の小型化が阻害されるおそれがある。
そこで、本発明は、車体前部の小型化とダッシュパネルの車室内側への変形の抑制とを両立可能な車両の前部車体構造を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る車両の前部車体構造は次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、
エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルを備えた車両の前部車体構造であって、
前記ダッシュパネルには、ステアリングシャフトを貫通させるためのステアリングシャフト貫通孔が設けられ、
前記ステアリングシャフト貫通孔には、車体前方へ向けて隆起する隆起部を有するカバー部材が設けられ、
前記カバー部材は、前記ダッシュパネルを構成する材料よりもヤング率が小さい金属材料で構成されており、前記ダッシュパネルよりも車体前後方向についての圧縮強度が低いことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記カバー部材の隆起部は、前記ステアリングシャフト貫通孔を画定する縁部を有し、
前記縁部には、該縁部に沿って補強部材が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記補強部材は、前記カバー部材を構成する材料よりもヤング率が大きい材料で構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の発明において、
前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部には、トンネル開口部が設けられ、
前記トンネル開口部の外縁に沿って車幅方向に延びるように設けられたクロスメンバをさらに備え、
前記カバー部材は、前記ダッシュパネルに固定された固定部を有し、
前記クロスメンバは、前記カバー部材にオーバラップして設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ダッシュパネルのステアリングシャフト貫通孔に、ダッシュパネルよりも車体前後方向についての圧縮強度が低いカバー部材が設けられているので、前面衝突が生じてパワートレインが後退したときには、パワートレインは、カバー部材において車体の前方へ向けて隆起する隆起部にまず当接し、該カバー部材に荷重を入力し、座屈などの変形を生じさせる。これにより、パワートレインからダッシュパネルに入力される可能性のある衝突荷重のエネルギーの少なくとも一部がカバー部材に吸収され、ひいてはダッシュパネルの車室内側への変形を抑制できる。
また、カバー部材が、ダッシュパネルを構成する材料よりもヤング率が小さい材料で構成されていることにより、カバー部材の車体前後方向についての圧縮強度がダッシュパネルよりも小さくなるので、上記効果が具体的に達成される。
請求項に記載の発明によれば、カバー部材の隆起部に、ステアリングシャフト貫通孔を画定する縁部に沿って補強部材が設けられていることにより、パワートレインから入力される荷重を受けたときに縁部に破れなどの損傷の発生を抑制できる。
請求項に記載の発明によれば、補強部材がカバー部材を構成する材料よりもヤング率が大きい材料で構成されていることにより、請求項の効果が具体的に達成される。
請求項に記載の発明によれば、トンネル開口部の外縁に沿って車幅方向に延びるように設けられたクロスメンバが、カバー部材にオーバラップして設けられているので、パワートレインからカバー部材に入力される荷重が、クロスメンバの長さにわたって分散される。これにより、カバー部材によるエネルギー吸収能力を高めることができる。

本発明の実施形態に係る車体構造を備えた車両の前部を後側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体構造を備えた車両の前部を左側から見た側面図である。 本発明の実施形態に係る車体構造を備えた車両の前部を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る車体構造を備えた車両の前部を示す正面図である。 ステアリングシャフト貫通孔に設けられるカバー部材を車体前方側から見た図である。 ステアリングシャフト貫通孔に設けられるカバー部材を車体後方側から見た図である。 図4のA−A線断面図である。 ダッシュパネルの車幅方向中央に設けられるパネル補強部材を示す図である。 図4のB−B線断面図である。 図4のC−C線断面図である。 図4のD−D線断面図である。 図4のE−E線断面図である。 本発明の他の実施形態に係る車体構造を備えた車両の前部を示す正面図である。 図13のF−F線断面図である。 図13、図14に示す実施形態の変形例を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。以下の説明では、必要に応じて特定の方向を示す用語(前、後、左、右、上、下)を用いるが、これらの用語は本発明の理解を容易にするために用いているのであって、これらの用語により本発明の範囲が限定されると理解するべきではない。また、前記特定の方向を示す用語は、車体を基準とした方向を指すものとする。したがって、実施形態で用いる「車幅方向」は、左右方向に一致する。
(ダッシュパネル10)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車体構造を備えた車両1の前部には、車室とエンジンルームとを前後方向に仕切るダッシュパネル10が設けられている。エンジンルームは、エンジンやバッテリ、変速機などが収容される空間である。なお、本発明では、車両が電気自動車である場合にも、車体前部においてバッテリ、変速機などが収容される空間をエンジンルームという。
ダッシュパネル10は、ダッシュパネルロア11と、ダッシュパネルロア11の上縁部に接合されて該上縁部から上方に延びるダッシュパネルアッパ(図示せず)と、ダッシュパネルロア11の下縁部に接合されて該下縁部から下方に延びるトーボード12とを有する。トーボード12は、車室の底面を構成するフロアパネル(図示せず)とダッシュパネルロア11とを接続している。ダッシュパネル10の車幅方向中央下部には、上方へ膨出するトンネル部13が設けられている。
実施形態では、ダッシュパネル10は、高張力鋼板(以下、ハイテン鋼という)で構成されている。
ダッシュパネル10の前面には、前後方向に延びるフロントサイドフレーム14が左右一対に設けられている。車両の前面衝突時には、フロントサイドフレーム14がエンジンルーム内で座屈または屈曲して潰れることで、衝突荷重のエネルギーが吸収される。
ダッシュパネル10の前方には、タイロッドなどを介して左右の前輪に連結されるステアリングギヤ機構(図示せず)が配置されている。ステアリングギヤ機構は、運転者の操作によるステアリングホイール21の回転をステアリングギヤ機構へと伝達するためのステアリングシャフト22に連結されている(図2、図3を参照)。ステアリングシャフト22は、ユニバーサルジョイント23を介して互いに連結されたギヤ側シャフト22aとホイール側シャフト22bとを有する。ステアリングギヤ機構の前方には、エンジンや変速機からなるパワートレイン100が配置されている。
図4に示すように、ダッシュパネルロア11には、複数のビードが形成されている。ダッシュパネルロア11の車幅方向中央部に形成されて車室外側に突出するビード11aには、後述するパネル補強部材40を挟んで複数の貫通孔11b,11c,11dが形成されている。これらの貫通孔は、エンジンルームに配置されたコンプレッサ(図示せず)と、インストルメントパネルの内部空間に配置されたエアコンユニット(図示せず)とを接続するホースが通過する。
ダッシュパネル10の車幅方向中央下部には、ダッシュパネルロア11とトーボード12にわたって、トンネル部13を画定するトンネル開口部11eが設けられている。
実施形態では、ダッシュパネルロア11とトーボード12との境界10aに跨って、運転席(実施形態では、左側)の前方に略楕円形のステアリングシャフト貫通孔15が形成されている。ステアリングシャフト貫通孔15は、ステアリングシャフト22(実施形態ではギヤ側シャフト22a)が貫通するように形成されている。
(カバー部材30)
図1から図7に示すように、ステアリングシャフト貫通孔15には、カバー部材30が設けられている。図5、図6に示すように、カバー部材30は、ダッシュパネルロア11に固定された固定部31と、固定部31に接続され、前方へ向けて隆起する隆起部32とを有する。実施形態では、固定部31は、ダッシュパネルロア11の車室内側の面に溶接されて設けられた上側接合部31aと、トーボード12の車室内側の面に溶接されて設けられた下側接合部31bとを有する。変形例として、固定部31は、ダッシュパネル10の車室外側の面に設けられていてもよいし、少なくとも部分的にボルトなどの締結部材によりダッシュパネル10に固定されていてもよい。
カバー部材30の隆起部32は、上側接合部31aに接続されて上側から下側に向かって前方に傾斜して延びる上側傾斜面部32aと、下側接合部31bに接続されて下側から上側に向かって前方に傾斜して延びる下側傾斜面部32bとを有する。上側傾斜面部32aと下側傾斜面部32bとは、頂点部32cで接続されている。したがって、図7に示すように、カバー部材30では頂点部32cが最も前方に位置する。実施形態では、隆起部32の下側傾斜面部32bにより、ステアリングシャフト貫通孔15を画定する縁部が構成される。
カバー部材30は、例えば正面衝突の際に後退するパワートレイン100からダッシュパネル10に入力される衝突荷重のエネルギーの少なくとも一部を吸収し、これによりダッシュパネル10の車室内側への変形を抑制するために設けられている。したがって、カバー部材30は、前方から入力される荷重を受け、確実に座屈または屈曲して潰れることが好ましく、そのために車体前後方向(車体前方)についての圧縮強度がダッシュパネル10よりも小さくされる。
実施形態では、ダッシュパネル10を構成する材料よりもヤング率が小さい材料でカバー部材30を構成することにより、カバー部材30の車体前後方向についての圧縮強度を小さくしている。ダッシュパネルがハイテン鋼で構成されている場合、カバー部材30は通常の鋼板(冷間圧延鋼鈑)で構成されていてもよい。
なお、材料を選択する代わりに、カバー部材30の厚さを所望の値に設定することにより、カバー部材30の車体前後方向についての圧縮強度を小さくしてもよい。一方、カバー部材30は、衝突荷重のエネルギーを多く吸収するものであることが好ましい。したがって、カバー部材30の材料、厚さおよび形状は、カバー部材30の確実な座屈を担保しつつ所望のエネルギー量を吸収できるように設定される。
カバー部材30の下側傾斜面部32bには、当該下側傾斜面部32bに沿って縁部補強部材33が設けられている。実施形態では、縁部補強部材33は、下側傾斜面部32bの車室内側の面の下方に、略U字形状を成すように溶接されて設けられている。変形例として、縁部補強部材33は、下側傾斜面部32bの車室外側の面に設けられてもよいし、少なくとも部分的にボルトなどの締結部材により縁部に固定されていてもよい。また、縁部補強部材33は、例えば下側傾斜面部32bの全体に、ステアリングシャフト貫通孔15を囲んで略O字形状を成すように設けられてもよい。
縁部補強部材33は、前方から入力される荷重による下側傾斜面部32bの破れなどの損傷を抑制するために設けられている。縁部補強部材33は、カバー部材30を構成する材料よりもヤング率が大きい材料で構成されている。当該ヤング率が大きい材料は、ハイテン鋼、マグネシウム合金、FRP(繊維強化プラスチック)であってもよい。
(パネル補強部材40)
ダッシュパネルロア11の車幅方向中央部には、略T字形状のパネル補強部材40が設けられている。パネル補強部材40は、ダッシュパネル10の剛性(曲げ剛性)を向上させ、ダッシュパネル10の左右縁部が前後方向に振れるような振動や、ダッシュパネル10の上下縁部が前後方向に振れるような振動を抑制し、これにより車室内の騒音を低減するために設けられている。したがって、好ましい実施形態では、パネル補強部材40は、曲げ剛性を高くするために、板厚が大きくされ、または、断面二次モーメントが大きくなるように形成されている。当該断面二次モーメントの大きい形状として、パネル補強部材40の車体前後方向の寸法(後述する頂面41a,42aの、ダッシュパネル10の車室外側の面に対する高さ)を大きくして断面積を大きくしてもよいし、ダッシュパネル10でパネル補強部材40が設けられる位置に車室内側に突出するビードを設けてもよい。
ダッシュパネル10において、トンネル開口部11eの周囲や、貫通孔11b〜11dの位置では、剛性が低くなっており、振動の起点となりやすい。そこで、図8から図13に示すように、パネル補強部材40は、ダッシュパネル10のトンネル開口部11eの上縁に沿って車幅方向に延びる第1部分41と、第1部分41から車体上下方向に延びる第2部分42とを有する。実施形態では、パネル補強部材40の第2部分42は、第1部分41の中央部を始点として延びている。
実施形態では、パネル補強部材40の第1部分41と第2部分42とは別体で構成されている。図8に示すように、パネル補強部材40の第1部分41は、車室内側に開口する略断面ハット状部材であり、互いに接続された頂面41a、周面41bおよびフランジ部41cを有する。第1部分41の頂面41aの両端部は、前方から見て略半円形に形成されている。周面41bおよびフランジ部41cは、全周にわたって連続して設けられている。
図8に示すように、パネル補強部材40の第1部分41は、車室内側に開口する略断面ハット状部材であり、互いに接続された頂面42a、周面42bおよびフランジ部42cを有する。また、第2部分42の頂面42aの上端部は、前方から見て方形に形成されている。第2部分42の周面42bおよびフランジ部42cは、下端部を除く全周にわたって連続して設けられている。第2部分42の下端部は開放されているが、第1部分41を部分的に覆っており、当該開放部は第1部分41により閉じられる。
実施形態では、第1部分41、第2部分42のフランジ部41c,42cは、ダッシュパネルロア11の車室外側の面に溶接されて設けられている。これにより、パネル補強部材40は、その全周にわたって、ダッシュパネルロア11との間で閉断面を形成している。実施形態では、図9、図10に示すように、パネル補強部材40の第2部分42とダッシュパネルロア11との間には上下方向に延びる閉断面C1が形成され、図9から図11に示すように、パネル補強部材40の第1部分41とダッシュパネルロア11との間には車幅方向に延びる閉断面C2が形成されている。このようにして、パネル補強部材40の剛性を向上させ、パネル補強部材40による振動抑制効果を効果的に得ることができる。
変形例として、パネル補強部材40は、ダッシュパネルロア11の車室内側の面に設けられていてもよいし、少なくとも部分的にダッシュパネル10にボルトなどの締結部材により固定されていてもよい。
実施形態では、第1部分41の頂面41aの高さと第2部分42の頂面42aの高さとは略等しい。具体的に言うと、頂面42aの高さは頂面41aの高さよりもわずかに大きい。これにより、第2部分42の下端部が第1部分41を覆ったときに、第1部分41と第2部分42の稜線同士が接続され、第1部分41と第2部分42との間で振動荷重が効果的に伝達される。
次に、図13、図14を用いて本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態では、パネル補強部材40の第1部分に符号141を付して説明する。この実施形態では、第1部分141は、トンネル開口部11eの上縁(外縁の一部)に沿って設けられた中央部142と、中央部142の両端に設けられ、トンネル開口部11eの外縁に沿って車幅方向から下方に傾斜して設けられた傾斜部143a,143bと、傾斜部143a,143bから車幅方向外側に、ダッシュパネルロア11とトーボード12との境界10cに沿って設けられた延設部144a,144bとを有する。この実施形態のように、第1部分141を車幅方向に長く設けることにより、パネル補強部材40による振動抑制効果をさらに効果的に得ることができる。
第1部分141は、フランジ部がダッシュパネルロア11に接合されていてもよいし、少なくとも部分的にダッシュパネル10にボルトなどの締結部材により固定されていてもよい。
図示している好ましい実施形態では、第1部分141の左側に設けられた延設部144bには、カバー部材30の隆起部32の上側傾斜面部32aに干渉しないように切欠き部144cが設けられており、第1部分141は切欠き部144cの位置でカバー部材30とオーバラップして設けられている。これにより、車両の前面衝突の際にパワートレイン100からカバー部材30に入力される荷重が、車幅方向に延びる第1部分141の長さにわたって分散される。これにより、カバー部材30によるエネルギー吸収能力を高めることができる。
(クロスメンバ50)
図15を用いて、図13、図14に示す実施形態の変形例について説明する。この変形例では、パネル補強部材40の第1部分141に対応するクロスメンバ50が設けられている。クロスメンバ50は、図4において、パネル補強部材40の第1部分41の全体と第2部分42の一部とを覆うように設けられている。クロスメンバ50は、トンネル開口部11eの上縁(外縁の一部)に沿って設けられた中央部51と、中央部51の両端に設けられ、トンネル開口部11eの外縁に沿って車幅方向から下方に傾斜して設けられた傾斜部52a,52bと、傾斜部52a,52bから車幅方向外側に、ダッシュパネルロア11とトーボード12との境界10cに沿って設けられた延設部53a,53bとを有する。図示している好ましい実施形態では、クロスメンバ50の左側に設けられた延設部53aには、カバー部材30の隆起部32の上側傾斜面部32aに干渉しないように切欠き部53cが設けられており、クロスメンバ50は切欠き部53cの位置でカバー部材30とオーバラップして設けられている。
以上、複数の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されると理解すべきではない。また、各実施形態に記載された特徴は、自由に組み合わせられてよい。また、上述の実施形態には、種々の改良、設計上の変更および削除が加えられてよい。
以上のように、本発明によれば、車体前部の小型化とダッシュパネルの車室内側への変形の抑制とを両立することが可能となるから、この種の車両の製造産業分野において本発明が好適に利用される可能性がある。
1 車両
10 ダッシュパネル
11 ダッシュパネルロア
11b〜11d 貫通孔
11e トンネル開口部
12 トーボード
13 トンネル部
15 ステアリングシャフト貫通孔
22 ステアリングシャフト
30 カバー部材
31 固定部
32 隆起部
33 縁部補強部材
40 パネル補強部材
41,141 第1部分
42 第2部分
50 クロスメンバ
100 パワートレイン
C1,C2 閉断面

Claims (4)

  1. エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルを備えた車両の前部車体構造であって、
    前記ダッシュパネルには、ステアリングシャフトを貫通させるためのステアリングシャフト貫通孔が設けられ、
    前記ステアリングシャフト貫通孔には、車体前方へ向けて隆起する隆起部を有するカバー部材が設けられ、
    前記カバー部材は、前記ダッシュパネルを構成する材料よりもヤング率が小さい金属材料で構成されており、前記ダッシュパネルよりも車体前後方向についての圧縮強度が低いことを特徴とする、
    車両の前部車体構造。
  2. 前記カバー部材の隆起部は、前記ステアリングシャフト貫通孔を画定する縁部を有し、
    前記縁部には、該縁部に沿って補強部材が設けられていることを特徴とする、
    請求項に記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記補強部材は、前記カバー部材を構成する材料よりもヤング率が大きい材料で構成されていることを特徴とする、
    請求項に記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部には、トンネル開口部が設けられ、
    前記トンネル開口部の外縁に沿って車幅方向に延びるように設けられたクロスメンバをさらに備え、
    前記カバー部材は、前記ダッシュパネルに固定された固定部を有し、
    前記クロスメンバは、前記カバー部材にオーバラップして設けられていることを特徴とする、
    請求項1からのいずれか1項に記載の車両の前部車体構造。
JP2016145497A 2016-07-25 2016-07-25 車両の前部車体構造 Active JP6418204B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016145497A JP6418204B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 車両の前部車体構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016145497A JP6418204B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 車両の前部車体構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018016100A JP2018016100A (ja) 2018-02-01
JP6418204B2 true JP6418204B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=61075291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016145497A Active JP6418204B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 車両の前部車体構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6418204B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7168440B2 (ja) * 2018-09-28 2022-11-09 トヨタ自動車株式会社 車両前部構造

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4516402B2 (ja) * 2004-10-18 2010-08-04 本田技研工業株式会社 ステアリングジョイントカバー
JP2010254011A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Suzuki Motor Corp 車体前部構造
JP5352740B2 (ja) * 2010-06-24 2013-11-27 本田技研工業株式会社 車体前部構造
JP5279802B2 (ja) * 2010-11-19 2013-09-04 本田技研工業株式会社 車両の前部車体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018016100A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7097235B2 (en) Impact energy absorbing structure of vehicle frame member
JP4297152B2 (ja) 車両前部構造
JP4272626B2 (ja) 車体下側部構造
US20100109370A1 (en) Front vehicle body structure
JP6881325B2 (ja) 下部車体構造
JP5776207B2 (ja) 車両前部構造
JP7028017B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP5417463B2 (ja) 自動車の車体前部構造
JP2011131735A (ja) 車両の前部構造
JP2007118736A (ja) 車体下部骨格構造
US20170036704A1 (en) Vehicle body structure
JP2007145129A (ja) 車体前部構造
JP2018016101A (ja) 車両の前部車体構造
JP6418204B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP5831246B2 (ja) 車体前部構造
JP2009184403A (ja) 車体前部構造
JP7020351B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP6164184B2 (ja) 自動車のボンネット構造
JP2009149265A (ja) 車体側部構造
JP6016246B2 (ja) 自動車の車体構造
JP2007055529A (ja) 自動車の車体構造
JP6221164B2 (ja) 車体構造
JP2008001149A (ja) 車両側部構造
JP5504014B2 (ja) 車両の車体側部構造
JP2010006285A (ja) フロアパネル補強構造

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6418204

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150