本発明の技術的思想は、あらゆる作業車両に適用することが可能である。本願では、代表的な作業車両であるトラクタを用いて説明する。
まず、トラクタ1について簡単に説明する。
図1は、トラクタ1を示している。図2は、図1の矢印Xから見た図であり、図3は、図1の矢印Yから見た図である。また、図4は、図1の矢印Zから見た図である。なお、図中には、トラクタ1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。
トラクタ1は、主に、フレーム11と、エンジン12と、トランスミッション13と、フロントアクスル14と、リヤアクスル15と、で構成されている。また、トラクタ1は、キャビン16を備えている。キャビン16は、その内側が操縦室になっており、運転座席161のほか、アクセルペダル162やシフトレバー163などが配置されている(図10参照)。
フレーム11は、トラクタ1の前部における骨格をなす。フレーム11は、トランスミッション13やリヤアクスル15とともにトラクタ1のシャシを構成する。以下に説明するエンジン12は、フレーム11によって支持される。
エンジン12は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。つまり、エンジン12は、燃料を燃やすことによって回転動力を生み出す。なお、エンジン12には、エンジン制御装置が接続されている(図示せず)。エンジン制御装置は、オペレータがアクセルペダル162(図10参照)を操作すると、その操作に応じてエンジン12の運転状態を変更する。また、エンジン12には、排気浄化装置12Eが備えられている。排気浄化装置12Eは、排気に含まれる微粒子や一酸化炭素、炭化水素などを酸化させる。
トランスミッション13は、エンジン12の回転動力をフロントアクスル14やリヤアクスル15に伝達する。トランスミッション13には、連結機構を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、トランスミッション13には、無段変速装置131が備えられている(図5参照)。無段変速装置131は、オペレータがシフトレバー163(図10参照)を操作すると、その操作に応じてトランスミッション13の作動状態を変更する。
フロントアクスル14は、エンジン12の回転動力をフロントタイヤ141に伝達する。フロントアクスル14には、トランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、フロントアクスル14には、操舵装置が並設されている(図示せず)。操舵装置は、オペレータがハンドル164(図10参照)を操作すると、その操作に応じてフロントタイヤ141の舵角を変更する。
リヤアクスル15は、エンジン12の回転動力をリヤタイヤ151に伝達する。リヤアクスル15には、トランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、リヤアクスル15には、PTO装置33が設けられている(図5参照)。PTO装置33は、オペレータがPTOスイッチ165(図10参照)を操作すると、その操作に応じて牽引する作業機械に回転動力を伝達する。また、リヤアクスル15には、リンク機構35が設けられている(図6参照)。
次に、トラクタ1の動力伝達系統について説明する。
図5は、トラクタ1の動力伝達系統を示している。但し、本図は、本願発明の説明に必要な部分のみを簡略的に表している。
上述したように、本トラクタ1は、作業機械に回転動力を入力するシャフト(以降「PTOシャフト331」とする)を備えている。また、本トラクタ1は、PTOシャフト331を回転状態又は停止状態に切り替えるクラッチ(以降「PTOクラッチ341」とする)を備えている。ここでは、PTOシャフト331やPTOクラッチ341で構成されるPTO装置33について説明する。
PTOシャフト331は、ベアリングを介して回転自在に支持されている。ファイナルギヤ332は、PTOシャフト331に取り付けられている。そのため、PTOシャフト331とファイナルギヤ332は、一体となった状態で回転する。
アイドラシャフト333は、ベアリングを介して回転自在に支持されている。アイドラギヤ334は、アイドラシャフト333に取り付けられている。そのため、アイドラシャフト333とアイドラギヤ334は、一体となった状態で回転する。なお、アイドラギヤ334は、ファイナルギヤ332と噛み合っている。
ドリブンシャフト335は、ベアリングを介して回転自在に支持されている。ドリブンギヤ336は、ドリブンシャフト335に固定された電磁クラッチに取り付けられている。そのため、ドリブンシャフト335とドリブンギヤ336は、電磁クラッチが作動すると一体となった状態で回転する。なお、ドリブンシャフト335は、アイドラシャフト333に連結されている。本PTO装置33においては、合計五つのドリブンギヤ336を備えている。一のドリブンギヤ336は、リバースギヤに噛み合っている。
ドライブシャフト337は、ベアリングを介して回転自在に支持されている。ドライブギヤ338は、ドライブシャフト337に取り付けられている。そのため、ドライブシャフト337とドライブギヤ338は、一体となった状態で回転する。なお、ドライブギヤ338は、ドリブンギヤ336に噛み合っている。本PTO装置33においては、合計五つのドライブギヤ338を備えている。一のドライブギヤ338は、リバースギヤに噛み合っている。
センターシャフト339は、ベアリングを介して回転自在に支持されている。センターギヤ340は、センターシャフト339に固定されたPTOクラッチ341に取り付けられている。そのため、センターシャフト339とセンターギヤ340は、PTOクラッチ341が作動すると一体となった状態で回転する。なお、センターシャフト339は、ドライブシャフト337に連結されている。本PTO装置33においては、センターギヤ340にエンジン12の回転動力が伝達される。
このような構造により、PTOクラッチ341が作動している状態では、エンジン12の回転動力がPTOシャフト331へ伝達されることとなる。反対に、PTOクラッチ341が作動していない状態では、エンジン12の回転動力がPTOシャフト331へ伝達されることはない。即ち、PTOクラッチ341は、PTOシャフト331を回転状態又は停止状態に切り替えるのである。
次に、トラクタ1のリンク機構35について説明する。
図6は、トラクタ1のリンク機構35を示している。以下では、リンク機構35にロータリー10が取り付けられた状態を想定する。なお、図7から図9は、ロータリー10の動作を示している。矢印Uは、ロータリー10が上昇する動作を表し、矢印Rは、ロータリー10が稼動する動作を表す。
リンク機構35は、ロータリー10の高さ自動制御や傾き自動制御を実現できる。リンク機構35は、トップブラケット351と、トップリンク352と、を具備している。また、リンク機構35は、ロワブラケット353と、ロワリンク354と、を具備している。更に、リンク機構35は、リフトアーム355と、昇降用アクチュエータ356と、リフトリンク357と、傾倒用アクチュエータ358と、を具備している。
トップブラケット351は、リヤアクスル15の後部に取り付けられている。トップブラケット351は、互いに平行となる二枚のプレートを溶接したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
トップリンク352は、トップブラケット351のヒンジ部に取り付けられている。トップリンク352は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とトップブラケット351のピン孔を重ね合わせた状態でピンP1が挿入されることにより、該ピンP1を中心として回動自在に連結されている。また、トップリンク352は、先端部に取り付けられたクレビスのピン孔とロータリー10のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。
ロワブラケット353は、リヤアクスル15の下部に取り付けられている。ロワブラケット353は、互いに平行となる二枚のプレートを溶接したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
ロワリンク354は、ロワブラケット353のヒンジ部に取り付けられている。ロワリンク354は、基端部に設けられたピン孔とロワブラケット353のピン孔を重ね合わせた状態でピンP2が挿入されることにより、該ピンP2を中心として回動自在に連結されている。また、ロワリンク354は、先端部に取り付けられたフックがロータリー10のロッド(図示せず)に掛けられることにより、該ロッドを中心として回動自在に連結されている。
リフトアーム355は、リヤアクスル15の側部に取り付けられている。リフトアーム355は、基端部に設けられたピン孔にリヤアクスル15のピンP3が嵌め込まれることにより、該ピンP3を中心として回動自在に連結されている。また、リフトアーム355は、先端部にクレビスが形成されており、該クレビスにユニバーサルジョイント355Jが取り付けられている。
昇降用アクチュエータ356は、リフトアーム355の中央部に取り付けられている。昇降用アクチュエータ356は、シリンダに取り付けられたクレビスのピン孔とリフトアーム355のピン孔を重ね合わせた状態でピンP4が挿入されることにより、該ピンP4を中心として回動自在に連結されている。また、昇降用アクチュエータ356は、ピストンロッドに取り付けられたクレビスのピン孔とロワブラケット353のピン孔を重ね合わせた状態でピンP5が挿入されることにより、該ピンP5を中心として回動自在に連結されている。
リフトリンク357は、左側のリフトアーム355とロワリンク354に取り付けられている。リフトリンク357は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とユニバーサルジョイント355Jのピン孔を重ね合わせた状態でピンP6が挿入されることにより、該ピンP6を中心として回動自在に連結されている。また、リフトリンク357は、先端部に取り付けられたクレビスのピン孔とロワリンク354のピン孔を重ね合わせた状態でピンP7が挿入されることにより、該ピンP7を中心として回動自在に連結されている。
傾倒用アクチュエータ358は、右側のリフトアーム355とロワリンク354に取り付けられている。傾倒用アクチュエータ358は、シリンダに取り付けられたクレビスのピン孔とユニバーサルジョイント355Jのピン孔を重ね合わせた状態でピンP8が挿入されることにより、該ピンP8を中心として回動自在に連結されている。また、傾倒用アクチュエータ358は、ピストンロッドに取り付けられたクレビスのピン孔とロワリンク354のピン孔を重ね合わせた状態でピンP9が挿入されることにより、該ピンP9を中心として回動自在に連結されている。
このような構造により、昇降用アクチュエータ356のピストンロッドが摺動して押し出されると(昇降用アクチュエータ356が伸張すると)、リフトアーム355が上方へ回動することとなる。すると、リフトアーム355がリフトリンク357と傾倒用アクチュエータ358を介して左右のロワリンク354を引き上げるので、ロータリー10の高さが高くなるのである(図7から図9の矢印U参照)。
反対に、昇降用アクチュエータ356のピストンロッドが摺動して引き込まれると(昇降用アクチュエータ356が収縮すると)、リフトアーム355が下方へ回動することとなる。すると、リフトアーム355がリフトリンク357と傾倒用アクチュエータ358を介して左右のロワリンク354を押し下げるので、ロータリー10の高さが低くなるのである。
加えて、傾倒用アクチュエータ358のピストンロッドが摺動して押し出されると(傾倒用アクチュエータ358が伸張すると)、傾倒用アクチュエータ358が取り付けられている右側のロワリンク354のみが下方へ回動することとなる。すると、左側のロワリンク354がそのまま維持されるのに対し、右側のロワリンク354が押し下げられるので、ロータリー10が右下がりに傾くのである。
反対に、傾倒用アクチュエータ358のピストンロッドが摺動して引き込まれると(傾倒用アクチュエータ358が収縮すると)、傾倒用アクチュエータ358が取り付けられている右側のロワリンク354のみが上方へ回動することとなる。すると、左側のロワリンク354がそのまま維持されるのに対し、右側のロワリンク354が引き上げられるので、ロータリー10が右上がりに傾くのである。
次に、トラクタ1の操縦室について説明する。
図10は、運転座席161とその周囲を示している。また、図11は、オペレータの視界を示している。
上述したように、キャビン16は、その内側が操縦室になっており、運転座席161のほか、アクセルペダル162やシフトレバー163などが配置されている。また、運転座席161の周囲には、ブレーキペダル166やクラッチペダル167、リバーサレバー168、スピードダイヤル169、インストルメントパネル170、コントロールパネル171などが配置されている。オペレータは、運転座席161に座った状態でアクセルペダル162やシフトレバー163などを操作し、トラクタ1を操縦することができる。
更に、本トラクタ1においては、運転座席161の近傍にディスプレイ2を具備している。ディスプレイ2は、オペレータが右手で操作できるよう、運転座席161の右前側に配置されている。以下に、トラクタ1の情報ネットワークについて簡単に説明するとともに、ディスプレイ2及び該ディスプレイ2に関する制御システムについて説明する。
図12は、トラクタ1の情報ネットワークを示している。また、図13は、ディスプレイ2を示している。そして、図14は、ディスプレイ2に関する制御システムを示している。
本トラクタ1は、最大限の性能を発揮できるよう、各所に情報ネットワークが張り巡らされている。具体的には、エンジン12のほか、トランスミッション13、インストルメントパネル170、コントロールパネル171、ディスプレイ2が互いに情報を共有できるコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)を構成している。
本トラクタ1において、ディスプレイ2は、サイドコンソールの上に配置されている(図10、図11参照)。ディスプレイ2は、液晶パネル21と、エンコーダダイヤル22と、エンターボタン23と、を有している。また、ディスプレイ2は、五つのコマンドボタン24・25・26・27・28を有している。
液晶パネル21は、ディスプレイ2の前面中央に設けられている。液晶パネル21は、制御装置3からの指示に基づいて所定の画面を表示できる。例えば、液晶パネル21は、制御装置3からの指示に基づいてオープニング画面S1を表示できる(図15参照)。また、液晶パネル21は、制御装置3からの指示に基づいてその他の画面を表示できる(図16から図20参照)。なお、液晶パネル21は、いわゆるタッチパネルであっても良い。
エンコーダダイヤル22は、ディスプレイ2の上面右側に設けられている。エンコーダダイヤル22は、液晶パネル21に表示された要素の選択に際して、タブをスクロールさせる若しくはハイライトをトラバースさせる旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、エンコーダダイヤル22は、表示された数字や英文字の選択に際して、タブをスクロールさせる旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16参照)。また、エンコーダダイヤル22は、表示されたアイコンの選択に際して、ハイライトをトラバースさせる旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図17、図18参照)。
エンターボタン23は、エンコーダダイヤル22と一体的に設けられている。エンターボタン23は、液晶パネル21に表示された要素のうち、一の要素を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、エンターボタン23は、表示された数字や英文字のうち、一の数字若しくは英文字を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16参照)。また、エンターボタン23は、表示されたアイコンのうち、一のアイコンを決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図17、図18参照)。なお、本ディスプレイ2において、エンターボタン23は、エンコーダダイヤル22自体が押し込まれる構造となっているが、該エンコーダダイヤル22の上端面に押しボタンを設けた構造であっても良い。
コマンドボタン24・25・26は、ディスプレイ2の前面上部に設けられている。コマンドボタン24・25・26は、液晶パネル21に所定の画面が表示されている場合において、他の画面に切り替える旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、コマンドボタン24・25は、液晶パネル21にホーム画面S3が表示されている場合において、ショートカット画面(オペレータが任意に設定した画面)に切り替える旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図17参照)。また、コマンドボタン26は、液晶パネル21にカスタマイズ画面S4が表示されている場合において、ホーム画面S3に切り替える旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図18参照)。
コマンドボタン27も、ディスプレイ2の前面上部に設けられている。具体的には、コマンドボタン26に隣接した位置に設けられている。コマンドボタン27は、エンターボタン23と同様に、一の要素を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、コマンドボタン27は、表示された数字や英文字のうち、一の数字若しくは英文字を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16参照)。また、コマンドボタン27は、表示されたアイコンのうち、一のアイコンを決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図17、図18参照)。更に、コマンドボタン27は、設定事項を記憶する旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図19、図20参照)。
コマンドボタン28も、ディスプレイ2の前面上部に設けられている。具体的には、コマンドボタン27に隣接した位置に設けられている。コマンドボタン28は、液晶パネル21に所定の画面が表示されている場合において、一つ前の画面に戻る旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、コマンドボタン28は、液晶パネル21にカスタマイズ画面S4が表示されている場合において、ホーム画面S3に戻る旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図18参照)。また、コマンドボタン28は、液晶パネル21に昇降連動カスタマイズ画面S5や旋回連動カスタマイズ画面S6が表示されている場合において、カスタマイズ画面S4に戻る旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図19、図20参照)。
以下に、制御態様を設定するための操作方法について説明する。
図15から図20は、ディスプレイ2に表示される画面を示している。但し、各図は、本願発明の説明に必要な部分のみを簡略的に表している。
まず、ディスプレイ2には、オープニング画面S1が表示される(図15参照)。オープニング画面S1では、中央付近にシンボルマークSmが表示される。シンボルマークSmは、サプライヤメーカを象徴する意匠である。シンボルマークSmは、黒色の背景画像に浮き上がり、オペレータに強い印象を与える。
次に、ディスプレイ2には、ロック解除画面S2が表示される(図16参照)。ロック解除画面S2では、横一列に暗証番号を入力するためのスクロールボックスSb1・Sb2・Sb3・Sb4が表示される。スクロールボックスSb1・Sb2・Sb3・Sb4は、選択されているいずれか一つがハイライトされる(図中のH部参照)。スクロールボックスSb1・Sb2・Sb3・Sb4は、0から9までの数字若しくはAからFまでの英文字をスクロールできる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって数字若しくは英文字を選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
なお、ロック解除画面S2においては、コマンドボタン25・26を押すことによって数字若しくは英文字を選択し、コマンドボタン27を押すことによって決定することができる。また、コマンドボタン28を押すことによって決定を取り消すこともできる。加えて、暗証番号を間違ったときは、その旨のメッセージが表示される。ロック解除画面S2では、オペレータの氏名が記されたダイアログボックスDb1と、作業予定が記されたダイアログボックスDb2と、が表示される。オペレータは、これらのダイアログボックスDb1・Db2から自身の作業予定を把握できる。
次に、ディスプレイ2には、ホーム画面S3が表示される(図17参照)。ホーム画面S3では、上下二列にメニューを選択するためのアイコンIa1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8が表示される。アイコンIa1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8は、選択されているいずれか一つがハイライトされる(図中のH部参照)。そして、ハイライトは、エンコーダダイヤル22の回転に応じてトラバースされる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって所望のアイコン(Ia1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8のいずれか)を選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
なお、ホーム画面S3においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってアイコン(Ia1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8のいずれか)を選択することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、コマンドボタン28を押すと、ロック解除画面S2に戻ることができる。加えて、『前ページ』と記されたボタンBa1若しくは『次ページ』と記されたボタンBa2を選択して決定したときは、別のホーム画面S3に切り替わる。選択できないアイコンについては、グレーアウトされる(図中のG部参照)。
ここでは、『トラクタ設定』と記されたアイコンIa2を選択して決定する。
ディスプレイ2には、カスタマイズ画面S4が表示される(図18参照)。カスタマイズ画面S4では、左右二列にメニューを選択するためのアイコンIb1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8が表示される。アイコンIb1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8は、選択されているいずれか一つがハイライトされる(図中のH部参照)。そして、ハイライトは、エンコーダダイヤル22の回転に応じてトラバースされる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって所望のアイコン(Ib1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8のいずれか)を選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
なお、カスタマイズ画面S4においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってアイコン(Ib1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8のいずれか)を選択することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、コマンドボタン28を押すと、ホーム画面S3に戻ることができる。加えて、『前ページ』と記されたボタンBb1若しくは『次ページ』と記されたボタンBb2を選択して決定したときは、別のカスタマイズ画面S4に切り替わる。選択できないアイコンについては、グレーアウトされる(図示せず)。
次に、カスタマイズ画面S4における『昇降連動PTO』と記されたアイコンIb3を選択し、決定した場合を想定する。
ディスプレイ2には、昇降連動カスタマイズ画面S5が表示される(図19参照)。昇降連動カスタマイズ画面S5では、ダイアログボックスDc1が表示される。ダイアログボックスDc1の上方には、セレクトスイッチSc1が表示される。以降に、ダイアログボックスDc1の意味と対応するセレクトスイッチSc1の意味について説明する。
ダイアログボックスDc1は、PTOシャフト331の回転が停止した後に自動的にリンク機構35を上昇させる制御において、PTOシャフト331の回転が停止してからリンク機構35が上昇を始めるまでの時間Tcを調節する部分である。換言すると、ダイアログボックスDc1は、ロータリー10が停止した後に自動的に該ロータリー10を上昇させる制御において、ロータリー10が停止してから上昇を始めるまでの時間Tcを調節する部分である。(図7参照)。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって時間Tcを選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。時間Tcは、秒単位で表される。
また、セレクトスイッチSc1が『ON』である場合に、かかる制御が実行される。つまり、セレクトスイッチSc1が『ON』である場合に、自動的に昇降用アクチュエータ356が作動してロータリー10を持ち上げるのである。一方、セレクトスイッチSc1が『OFF』である場合は、PTOシャフト331の回転が止まっても昇降用アクチュエータ356が作動しないので、ロータリー10の位置は保たれる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって『ON』又は『OFF』のいずれかを選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
このように、本トラクタ1(作業車両)は、運転座席161の近傍にディスプレイ2を具備する。そして、ディスプレイ2は、時間Tc(PTOシャフト331の回転が停止してからリンク機構35が上昇を始めるまでの時間)を調節するための画面(昇降連動カスタマイズ画面S5)を表示できる。これにより、本トラクタ1(作業車両)は、オペレータが画面(昇降連動カスタマイズ画面S5)を見ながら制御態様を調節できるので、かかる操作が容易となる。
加えて、ディスプレイ2は、シャフト(PTOシャフト331)の回転が停止した後に自動的にリンク機構35を上昇させる制御について実行するか否かを選択するための画面(昇降連動カスタマイズ画面S5)を表示できる。これにより、本トラクタ1(作業車両)は、制御態様の切り替え操作が容易となる。
更に、昇降連動カスタマイズ画面S5では、ダイアログボックスDc2が表示される。ダイアログボックスDc2の上方には、セレクトスイッチSc2が表示される。以降に、ダイアログボックスDc2の意味と対応するセレクトスイッチSc2の意味について説明する。
ダイアログボックスDc2は、リンク機構35が上昇した後に自動的にPTOシャフト331の回転を停止させる制御において、PTOシャフト331の回転が停止するロータリー10の高さHcを調節する部分である。換言すると、ダイアログボックスDc2は、ロータリー10が上昇した後に自動的に該ロータリー10を停止させる制御において、ロータリー10が停止する高さHcを調節する部分である(図8参照)。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって高さHcを選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。高さHcは、最大高さを100とした百分率で表される。
また、セレクトスイッチSc2が『ON』である場合に、かかる制御が実行される。つまり、セレクトスイッチSc2が『ON』である場合に、自動的にPTOクラッチ341が作動してロータリー10を止めるのである。一方、セレクトスイッチSc2が『OFF』である場合は、リンク機構35が上昇してもPTOクラッチ341が作動しないので、ロータリー10は稼働したままで保たれる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって『ON』又は『OFF』のいずれかを選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
このように、本トラクタ1(作業車両)は、運転座席161の近傍にディスプレイ2を具備する。そして、ディスプレイ2は、高さHc(PTOシャフト331の回転が停止するロータリー10の高さ)を調節するための画面(昇降連動カスタマイズ画面S5)を表示できる。これにより、本トラクタ1(作業車両)は、オペレータが画面(昇降連動カスタマイズ画面S5)を見ながら制御態様を調節できるので、かかる操作が容易となる。
加えて、ディスプレイ2は、リンク機構35が上昇した後に自動的にシャフト(PTOシャフト331)の回転を停止させる制御について実行するか否かを選択するための画面(昇降連動カスタマイズ画面S5)を表示できる。これにより、本トラクタ1(作業車両)は、制御態様の切り替え操作が容易となる。
なお、昇降連動カスタマイズ画面S5においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによって時間Tcや高さHcを選択したり、『ON』又は『OFF』のいずれかを選択したりすることはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、各セレクトスイッチSc1・Sc2の隣には、操作方法についての説明が記される。コマンドボタン28を押すと、カスタマイズ画面S4に戻ることができる。
次に、カスタマイズ画面S4における『旋回上昇』と記されたアイコンIb4を選択し、決定した場合を想定する。
ディスプレイ2には、旋回連動カスタマイズ画面S6が表示される(図20参照)。旋回連動カスタマイズ画面S6では、左右方向にスライドバーSdが表示される。以降に、スライドバーSdの意味について具体的に説明する。
スライドバーSdは、旋回時にロータリー10を上昇させる制御の応答速度を調節可能とした部分である。スライドバーSdは、左端側が遅鈍な制御態様になる方向であり、右端側が鋭敏な制御態様になる方向である。また、スライドバーSdの略中央部には、標準状態となる位置を表す矢印Adが表示されている。従って、スライドバーSdのインジケータIdが矢印Adよりも左側にある場合は、標準状態よりも遅鈍な制御態様が実現され、ロータリー10が上昇するハンドル164の角度が大きくなる。反対に、スライドバーSdのインジケータIdが矢印Adよりも右側にある場合は、標準状態よりも鋭敏な制御態様が実現され、ロータリー10が上昇するハンドル164の角度が小さくなる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによってインジケータIdを伸張又は短縮し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
このように、本トラクタ1(作業車両)は、運転座席161の近傍にディスプレイ2を具備する。そして、ディスプレイ2は、角度(リンク機構35が上昇するハンドル164の角度)を調節するための画面(旋回連動カスタマイズ画面S6)を表示できる。これにより、本トラクタ1(作業車両)は、オペレータが画面(旋回連動カスタマイズ画面S6)を見ながら制御態様を調節できるので、かかる操作が容易となる。
加えて、ディスプレイ2は、一端側を角度(リンク機構35が上昇するハンドル164の角度)が小さくなる方向とし他端側を角度(リンク機構35が上昇するハンドル164の角度)が大きくなる方向としたスライドバーSdを表示できる。これにより、本トラクタ1(作業車両)は、オペレータが調節前後の変化についてイメージしやすくなる。
なお、旋回連動カスタマイズ画面S6においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってインジケータIdを伸張又は短縮することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、ダイアログボックスDdには、操作方法についての説明が記される。コマンドボタン28を押すと、カスタマイズ画面S4に戻ることができる。更に、『前ページ』と記されたボタンBd1若しくは『次ページ』と記されたボタンBd2を選択して決定すると、別の旋回連動カスタマイズ画面に切り替わる。