JP6416054B2 - エンジンの燃料供給方法及びエンジンの燃料供給装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給方法及びエンジンの燃料供給装置 Download PDF

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Description

本発明はエンジンの燃料供給方法及びエンジンの燃料供給装置に関するものであり、液化天然ガス(LNG)等の液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを長期にわたり貯蔵し、又は外部に放出させずに、エンジンの駆動に利用させることが可能なエンジンの燃料供給方法及びエンジンの燃料供給装置に関する。
天然ガス自動車は粒子状物質(PM:Particulate Matter)の排出がほとんどなく、NOx等の排出量も比較的少ないことから、大気汚染防止の観点に於いても有利な側面を持つ。そのため、天然ガス自動車の普及が望まれている。しかし、例えば、実用化が先行している圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)自動車等では、圧縮天然ガスの1回の充填に於ける航続距離が短く、かつ、その充填時間も長いという課題があり、小型トラックなどにのみの普及にとどまっている。
この問題を解決するために、液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)を燃料として搭載するLNG自動車の開発が進められている。LNGは大気圧に於いて−162℃と超低温であり、二重殻真空断熱容器の燃料タンクで保冷された状態で保持される。走行時はLNGを気化器で蒸発させ、天然ガスとしてエンジンに供給する。
しかし、液化天然ガスの場合、燃料タンクへの侵入熱により気化して、いわゆるボイルオフガス(BOG:Boil Off Gas)が発生し、当該燃料タンクの内圧を上昇させる。そのため、燃料タンクには安全弁が設けられており、例えば、作動圧力(約2MPa)に達すると、当該安全弁よりBOGを大気に放出させている。
BOGは可燃性ガスであり危険性がある。また、温室効果ガスでもあるため、環境負荷の点を考慮すると、大気への放出は極力避けたい。例えば、従来のLNGトラックの開発が国交省による「次世代低公害車開発・実用化促進プロジェクト」の対象車種として行われているが(下記、非特許文献1参照)、当該トラックをエンジンが停止した状態で放置した場合、4日間程度でBOGを大気に放出するとされている。従って、BOGの大気放出までの期間を更に伸ばすことが課題となっている。
前記の課題に関し、例えば、特許文献1には、BOGを貯蔵する気体貯蔵容器を設け、LNG燃料タンクの圧力を一定範囲に調節したり、圧縮機でBOGを気体貯蔵容器へ昇圧させて送り込んだりする燃料供給システムが開示されている。しかし、システム内の圧力調整によりBOGを気体貯蔵容器に保持する場合、気体貯蔵容器の容量を大きくする必要があるため、車載用途には不向きである。また、圧縮機を用いた場合には、当該圧縮機が故障するリスクがあり、メンテナンスも煩雑になるという課題もある。
特開2005−351133号公報
後藤雄一、「次世代自動車技術とシェール革命」、株式会社情報機構、p.70−72(2014)
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、液化ガス燃料から発生する蒸発ガスの貯蔵期間の長期化と、系外への放出の抑制を可能にし、エンジンの燃料に利用することが可能なエンジンの燃料供給方法及びエンジンの燃料供給装置を提供することにある。
前記従来の課題は、以下に述べる発明により解決される。
即ち、本発明に係るエンジンの燃料供給方法は、前記の課題を解決する為に、エンジンの燃料供給装置を用いたエンジンの燃料供給方法であって、前記エンジンの燃料供給装置は、液化ガス燃料を貯蔵するための液化ガス燃料タンクと、前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを貯蔵する蒸発ガス貯蔵部と、前記蒸発ガスを、前記液化ガス燃料タンクから前記蒸発ガス貯蔵部に排出するための蒸発ガス排出路と、前記蒸発ガス排出路を介して前記蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出する際に、前記液化ガス燃料タンク内の圧力を調節するための第1圧力制御弁と、前記蒸発ガス貯蔵部に貯蔵されている蒸発ガスを、エンジンに供給するための蒸発ガス供給路と、前記蒸発ガス供給路に設けられ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を調節するための第2圧力制御弁とを備え、前記蒸発ガス貯蔵部には、前記液化ガス燃料タンクから排出された前記蒸発ガスを吸着して貯蔵するための吸着剤が設けられており、前記エンジンが停止しており、かつ、前記液化ガス燃料タンクで発生した前記蒸発ガスにより、当該液化ガス燃料タンク内の圧力が一定値以上に高くなった場合、前記第1圧力制御弁を開状態にし、一定量の当該蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出させ、前記吸着剤に当該蒸発ガスを吸着させて貯蔵し、前記エンジンが駆動している場合、前記液化ガス燃料タンクから前記液化ガス燃料を前記エンジンに供給すると共に、前記第2圧力制御弁を開状態にし、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を減圧して、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスを脱着させ、当該脱着した蒸発ガスを、前記蒸発ガス供給路を介して前記エンジンに供給することを特徴とする。
前記の構成によれば、エンジンの停止中に液化ガス燃料タンク内で液化ガス燃料から蒸発ガスが発生し、これにより、液化ガス燃料タンク内の圧力が所定値以上に高くなった場合、第1圧力制御弁を開状態にすることにより、蒸発ガス排出路を介して、当該蒸発ガスを蒸発ガス貯蔵部に排出させる。また、蒸発ガス貯蔵部には、蒸発ガスを吸着により固定化することが可能な吸着剤が設けられているので、当該蒸発ガス貯蔵部の容量を抑制しつつ、多量の蒸発ガスを貯蔵することが可能になる。そのため、系外への蒸発ガスの放出をできるだけ延ばし、又は抑制することができる。
また、前記の構成によれば、液化ガス燃料タンクから液化ガス燃料をエンジンに供給し、当該エンジンを駆動させているときには、第2圧力制御弁を開状態にし、蒸発ガス貯蔵部の内圧を減圧することで、吸着剤に吸着している蒸発ガスを脱着させる。更に、脱着した蒸発ガスは、蒸発ガス供給路を介してエンジンに燃料の一部として供給される。その結果、前記の構成によれば、液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを系外に放出させることなく、エンジンの駆動に効率良く利用することができ、効率性に優れている。
前記の構成に於いては、前記エンジンが駆動している場合に、前記吸着剤を加熱することが好ましい。これにより、吸着剤の吸着容量を低下させ、吸着している蒸発ガスの脱着を促進させることができる。その結果、吸着剤に吸着している蒸発ガスを、エンジンに一層効率的に供給することができる。
前記の構成に於いて、前記蒸発ガス貯蔵部には、前記吸着剤を冷却するための蓄冷材が設けられ、前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部との間には、前記液化ガス燃料を前記蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部が設けられており、前記エンジンが駆動している場合に於いて、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたときは、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給して、当該蓄冷材を冷却し、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給するのを停止することが好ましい。
前記の構成によれば、蒸発ガス貯蔵部には蓄冷材が設けられており、これにより、吸着剤の冷却が可能となっている。また、液化ガス燃料タンクと蒸発ガス貯蔵部との間には、液化ガス燃料を蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部が設けられているので、当該液化ガス燃料を用いて蓄冷材の冷却を可能にしている。そして、エンジンが駆動している場合であって、吸着剤に吸着していた蒸発ガスが一定量以上、燃料の一部としてエンジンに供給されたときは、液化ガス燃料タンクに貯蔵されている液化ガス燃料を、液化ガス燃料供給部により蓄冷材に供給する。これにより、蓄冷材を冷却しておくことができる。さらに、蓄冷材による吸着剤の冷却により、当該吸着剤の吸着能を向上させることができる。その一方、吸着剤に吸着している蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、液化ガス燃料供給部による液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部への液化ガス燃料の供給を停止し、蓄冷材を冷却させないようにする。これにより、吸着剤からの蒸発ガスの脱着が阻害されるのを防止することができ、エンジンの燃料に効率的に利用することができる。
また前記の構成に於いて、前記エンジンの燃料供給装置は、前記蒸発ガス貯蔵部を内部に収容し、前記液化ガス燃料タンクから供給された液化ガス燃料中に浸漬させて、前記吸着剤を冷却させるための蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクと、前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクとの間に設けられ、前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに供給するための液化ガス燃料供給路とを備え、前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたとき、 及び/又は前記エンジンが停止しているときは、前記液化ガス燃料供給路を介して前記液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに液化ガス燃料を供給することにより、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させ、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤を冷却し、前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、前記液化ガス燃料供給路を介して蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクから前記液化ガス燃料タンクに液化ガス燃料を供給することにより、当該蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内に貯蔵されている液化ガス燃料の液面を低下させて、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させないようにし、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤の冷却を停止することが好ましい。
前記の構成によれば、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内には、蒸発ガス貯蔵部を浸漬して冷却するための液化ガス燃料が満たされており、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部に設けられている吸着剤を間接的に冷却可能にしている。蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内の液化ガス燃料は、液化ガス燃料タンクより液化ガス燃料供給路を介して供給されるものである。
例えば、吸着剤を冷却し蒸発ガスに対する吸着能を向上させたい場合には、蒸発ガス貯蔵部を液化ガス燃料中に浸漬させ、間接的に吸着剤を冷却することにより可能となる。また、吸着剤に吸着している蒸発ガスを脱着させたい場合には、蒸発ガス貯蔵部を液化ガス燃料中に浸漬されない様にし、これにより、吸着剤の冷却を停止して、蒸発ガスの脱着が阻害されない様にする。
ここで、蒸発ガス貯蔵部の液化ガス燃料への浸漬の制御は、前記液化ガス燃料供給路を用いることで可能になる。エンジンが駆動している場合であって、吸着剤に吸着している蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたとき、及び/又はエンジンが停止しているときは、液化ガス燃料供給路を介して、液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに、液化ガス燃料を供給することにより、蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させ、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている吸着剤を間接的に冷却可能にする。その一方、エンジンが駆動している場合であって、吸着剤に吸着している蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、液化ガス燃料供給路を介して、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクから液化ガス燃料タンクに、液化ガス燃料を戻すことにより、蒸発ガス貯蔵部が液化ガス燃料中に浸漬しない様にする。その結果、蒸発ガスが吸着剤から脱着するのを阻害されない様にすることができる。
前記構成に於いては、前記吸着剤は、BET法により測定した比表面積が800〜2500m2/gの範囲であり、嵩密度が0.2〜1.2g/cm3の範囲の分子ふるい炭素からなる活性炭であり、温度25℃、吸着圧力1MPaの条件下でのメタンの平衡吸着量が、当該活性炭の充填体積当たり、30ml/ml以上であることが好ましい。前記分子ふるい炭素からなる活性炭は、比表面積が800m/g以上であるので、アルカン類等の蒸発ガスの分離能が急激に低下するのを抑制することができる。その一方、前記比表面積が2500m/g以下であるので、嵩密度が低下するのを抑制することができる。また、前記活性炭は、嵩密度が0.2g/cm以上であるので、当該活性炭の充填体積当りの吸着容量を良好に維持することができる。その一方、前記嵩密度が1.2g/cm以下であるので、活性炭の細孔の連通性が低下するのを防止し、吸着能力の低下を抑制することができる。すなわち、前記の構成であると、例えば、椰子殻活性炭等と比較して、蒸発ガスの吸着能に優れているので、蒸発ガスの貯蔵期間の長期化、又は系外への放出の一層抑制を可能にする。
また、本発明のエンジンの燃料供給装置は、前記の課題を解決する為に、液化ガス燃料を貯蔵する液化ガス燃料タンクと、前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを貯蔵する蒸発ガス貯蔵部と、前記蒸発ガスを、前記液化ガス燃料タンクから前記蒸発ガス貯蔵部に排出するための蒸発ガス排出路と、前記蒸発ガス排出路を介して前記蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出する際に、前記液化ガス燃料タンク内の圧力を調節するための第1圧力制御弁と、前記蒸発ガス貯蔵部に貯蔵されている蒸発ガスを、エンジンに供給するための蒸発ガス供給路とを備えるエンジンの燃料供給装置であって、前記蒸発ガス貯蔵部には、前記液化ガス燃料タンクから排出された前記蒸発ガスを吸着して貯蔵するための吸着剤が設けられ、前記蒸発ガス供給路には、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を調節するための第2圧力制御弁が設けられており、前記エンジンが駆動している場合、前記液化ガス燃料タンクは前記エンジンに液化ガス燃料を供給しており、また、前記第2圧力制御弁は開状態となることにより、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を減圧し、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスを脱着させ、当該脱着した蒸発ガスを、前記蒸発ガス供給路を介して前記エンジンに供給させるものであることを特徴とする。
前記の構成によれば、エンジンの停止中に液化ガス燃料タンクで蒸発ガスが発生し、これにより、液化ガス燃料タンク内の圧力が所定値以上に高くなった場合、第1圧力制御弁が開状態となることにより、蒸発ガス排出路を介して、当該蒸発ガスを蒸発ガス貯蔵部に排出させる。そのため、系外への蒸発ガスの放出を抑制することができる。また、蒸発ガス貯蔵部には、蒸発ガスを吸着により固定化することが可能な吸着剤が設けられているので、当該蒸発ガス貯蔵部の容量を抑制しつつ、多量の蒸発ガスを貯蔵することが可能になる。
また、前記の構成によれば、液化ガス燃料タンクから液化ガス燃料をエンジンに供給し、当該エンジンを駆動させているときには、第2圧力制御弁が開状態となり、これにより、蒸発ガス貯蔵部の内圧を減圧するので、吸着剤に吸着していた蒸発ガスを脱着させることができる。更に、蒸発ガス供給路により、脱着した蒸発ガスをエンジンに燃料の一部として供給する。その結果、前記の構成によれば、液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを系外に放出させることなく、エンジンの燃料に効率良く利用することができ、効率性に優れている。
前記の構成に於いて、前記蒸発ガス貯蔵部には、前記エンジンが駆動している場合に、前記吸着剤を加熱するための加熱部が設けられていることが好ましい。エンジンの駆動中に、加熱部が吸着剤を加熱することにより、当該吸着剤の吸着容量を低下させ、吸着している蒸発ガスの脱着を促進させることができる。その結果、吸着剤に吸着している蒸発ガスを、エンジンに一層効率的に供給することができる。
前記の構成に於いては、前記蒸発ガス貯蔵部には、前記吸着剤を冷却するための蓄冷材が設けられ、前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部との間には、前記液化ガス燃料を前記蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部が設けられており、前記液化ガス燃料供給部は、前記エンジンが駆動している場合に於いて、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたときは、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給して、当該蓄冷材を冷却し、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給するのを停止することが好ましい。
前記の構成によれば、蒸発ガス貯蔵部には蓄冷材が設けられており、これにより、吸着剤の冷却を可能にしている。また、液化ガス燃料タンクと蒸発ガス貯蔵部との間に、液化ガス燃料を蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部を備えているので、当該液化ガス燃料を用いて蓄冷材を冷却することができる。そして、エンジンが駆動している場合であって、吸着剤に吸着していた蒸発ガスが一定量以上、燃料の一部としてエンジンに供給されたときは、液化ガス燃料供給部は、液化ガス燃料タンクに貯蔵されている液化ガス燃料を蓄冷材に供給する。これにより、蓄冷材を冷却しておくことができる。さらに、蓄冷材による吸着剤の冷却により、当該蓄冷材の吸着能を向上させることができる。その一方、吸着剤に吸着している蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給していないときは、液化ガス燃料供給部は、液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部への液化ガス燃料の供給を停止し、蓄冷材を冷却しないようにする。これにより、吸着剤からの蒸発ガスの脱着が阻害されるのを防止することができ、エンジンの燃料に効率的に利用することができる。
前記の構成に於いて、前記蒸発ガス貯蔵部を内部に収容し、前記液化ガス燃料タンクから供給された液化ガス燃料中に浸漬させて、前記吸着剤を冷却させるための蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクと、前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクとの間に設けられ、前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに供給するための液化ガス燃料供給路とを備え、前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたとき、及び/又は前記エンジンが停止しているときは、記液化ガス燃料供給路を介して前記液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに液化ガス燃料を供給することにより、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させ、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤を冷却し、前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、前記液化ガス燃料供給路を介して蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクから前記液化ガス燃料タンクに液化ガス燃料を戻すことにより、当該蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内に貯蔵されている液化ガス燃料の液面を低下させて、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させないようにし、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤の冷却を停止させることが好ましい。
前記の構成によれば、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内には、蒸発ガス貯蔵部を浸漬して冷却するための液化ガス燃料が満たされており、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部に設けられている吸着剤を間接的に冷却可能としている。蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内の液化ガス燃料は、液化ガス燃料タンクより液化ガス燃料供給路を介して供給されるものである。
例えば、吸着剤を冷却し蒸発ガスに対する吸着能を向上させたい場合には、蒸発ガス貯蔵部を液化ガス燃料で浸漬させ、間接的に吸着剤を冷却することにより可能となる。また、吸着剤に吸着している蒸発ガスを脱着させたい場合には、蒸発ガス貯蔵部が液化ガス燃料で浸漬されない様にし、これにより、吸着剤の冷却を停止して、蒸発ガスの脱着が阻害されない様にする。
より具体的には、液化ガス燃料タンクと液体貯蔵部冷却用タンクとの間に、液化ガス燃料供給路を設け、エンジンが駆動している場合であって、吸着剤に吸着していた蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたとき、及び/又はエンジンが停止しているときは、液化ガス燃料供給路を介して、液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに、液化ガス燃料を供給することにより、蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させ、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている吸着剤を間接的に冷却可能にする。その一方、エンジンが駆動している場合であって、吸着剤に吸着している蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、液化ガス燃料供給路を介して、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクから液化ガス燃料タンクに、液化ガス燃料を戻すことにより、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内に貯蔵されている液化ガス燃料の液面を低下させ、蒸発ガス貯蔵部に対する冷却を停止する。その結果、蒸発ガスが吸着剤から脱着するのを阻害されない様にすることができる。
前記の構成に於いて、前記吸着剤は、BET法により測定した比表面積が800〜2500m2/gの範囲であり、嵩密度が0.2〜1.2g/cm3の範囲の分子ふるい炭素からなる活性炭であり、温度25℃、吸着圧力1MPaの条件下でのメタンの平衡吸着量が、当該活性炭の充填体積当たり、30ml/ml以上であることが好ましい。前記分子ふるい炭素からなる活性炭は、比表面積が800m/g以上であるので、アルカン類等の蒸発ガスの分離能が急激に低下するのを抑制することができる。その一方、前記比表面積が2500m/g以下であるので、嵩密度が低下するのを抑制することができる。また、前記活性炭は、嵩密度が0.2g/cm以上であるので、当該活性炭の充填体積当りの吸着容量を良好に維持することができる。その一方、前記嵩密度が1.2g/cm以下であるので、活性炭の細孔の連通性が低下するのを防止し、吸着能力の低下を抑制することができる。すなわち、前記の構成であると、例えば、椰子殻活性炭等と比較して、蒸発ガスの吸着能に優れているので、蒸発ガスの貯蔵期間の長期化、又は系外への放出の一層抑制を可能にする。
また、本発明の自動車は、前記の課題を解決する為に、前記に記載のエンジンの供給装置を備えたことを特徴とする。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、エンジンの停止中に液化ガス燃料タンク内の液化ガス燃料から蒸発ガスが発生しても、当該蒸発ガスを貯蔵する蒸発ガス貯蔵部に吸着剤を設けており、当該吸着剤に蒸発ガスを吸着させて貯蔵するので、当該蒸発ガスの貯蔵量を増加させることができる。その結果、系外への蒸発ガスの放出までの期間を長期化することができ、又は抑制することが可能になる。また、吸着剤を用いることにより蒸発ガス貯蔵部の容量も抑えることができる。さらに、エンジンの駆動中は、吸着剤に吸着している蒸発ガスを脱着させて、燃料の一部としてエンジンに供給するので、当該蒸発ガスを系外に放出させることなく、エンジンの駆動にも利用することができ、効率性に優れている。
本発明の実施の形態1に係るエンジンの燃料供給装置を表す概略説明図である。 分子ふるい炭素からなる活性炭及び椰子殻活性炭に関する吸着等温線を表すグラフである。 本発明の実施の形態2に係るエンジンの燃料供給装置を表す概略説明図である。 本発明の実施の形態3に係るエンジンの燃料供給装置を表す概略説明図である。
(実施の形態1)
<エンジンの燃料供給装置>
本実施の形態1に係るエンジンの燃料供給装置(以下、「燃料供給装置」という。)について、図1を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大又は縮小等して図示した部分がある。
本実施の形態の燃料供給装置1は、液化ガス燃料タンク11と、蒸発ガス貯蔵部12と、蒸発ガス排出路13と、第1圧力制御弁14と、蒸発ガス供給路15と、第2圧力制御弁16とを主な構成要素として備える。
液化ガス燃料タンク11は、炭化水素系の天然ガスや石油ガス、及び水素等の燃料ガスを液化状態にした液化ガス燃料17を貯蔵するためのものである。より具体的な液化ガス燃料17の例としては、液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)等が挙げられる。LNGの沸点は−162℃であるため、これを液化ガス燃料17に用いる場合には、液化ガス燃料タンク11は断熱性を有するものが好ましい。これにより、液化ガス燃料タンク11への侵入熱により、液化ガス燃料が気化して発生する蒸発ガス(ボイルオフガス(BOG:Boil Off Gas)。以下、「BOG」という。)の抑制が可能になる。
液化ガス燃料タンク11には、BOGを排出するための蒸発ガス排出路13が接続されている。蒸発ガス排出路13は、例えば、液化ガス燃料タンク1の上部で接続されている。また、蒸発ガス排出路13には、第1圧力制御弁14が設けられている。第1圧力制御弁14は、例えば、液化ガス燃料タンク11内で発生したBOGに起因して、内部の圧力が一定の値以上に上昇した場合に、開状態になる様に制御するものである。これにより、液化ガス燃料タンク11の内部圧力の許容値を超えない様にすることができる。
また、液化ガス燃料タンク11には、液化ガス燃料17をエンジンに供給するための燃料供給路18が接続されている。この燃料供給路18には、液化状態にある燃料ガスを熱媒体と熱交換することで気化するための熱交換器19が設けられている。この熱交換器19により液化ガス燃料17は燃料ガスに変換され、エンジンに供給される。燃料供給路18の熱交換器19の下流側には、エンジンに供給される燃料ガス及び後述するBOGの圧力を調整するための圧力調整弁20が設けられている。これにより、気化された液化ガス燃料をエンジンに供給することができる。
蒸発ガス貯蔵部12は、液化ガス燃料タンク11から蒸発ガス排出路13を介して排出されたBOGを、一時的に貯蔵するためのものである。蒸発ガス貯蔵部12には、BOGを吸着又は脱着させることが可能な吸着剤(詳細については、後述する。)が設けられている。
蒸発ガス貯蔵部12には、吸着剤を加熱するための加熱部21が設けられている。これにより、吸着剤に吸着した蒸発ガスを脱着させたい場合に、当該加熱部21による吸着剤の加熱で当該吸着剤の吸着容量を低下させ、脱着の促進を図ることができる。加熱部21としては、例えば、ヒーターやエンジンの冷却水を用いることができる。
また、蒸発ガス貯蔵部12には、BOGをエンジンに供給するための蒸発ガス供給路15が設けられている。更に、蒸発ガス供給路15には、第2圧力制御弁16が設けられている。第2圧力制御弁16は、エンジンにBOGを供給する際に、蒸発ガス貯蔵部12の内部の圧力を低下させることにより、吸着剤からBOGを脱着させることを可能にする。また、蒸発ガス供給路15には、BOGをエンジンに供給する際に開状態となる開閉弁22が設けられている。尚、蒸発ガス供給路15に於いては、蒸発ガス貯蔵部12と第2圧力制御弁16との間にコンプレッサを設置してもよい。これにより、BOGの脱着の際に、蒸発ガス貯蔵部12内の圧力を一層低下させることができる。
<エンジンの燃料供給方法>
次に、本実施の形態1に係る燃料供給装置1を用いたエンジンの燃料供給方法について説明する。
先ず、エンジンの停止中に於いて、液化ガス燃料タンク11内に貯蔵されている液化ガス燃料17からBOGが発生し、これにより、液化ガス燃料タンク11内の圧力が一定値以上(例えば、1.5MPa以上)に高くなった場合、第1圧力制御弁14を開状態にする。これにより、一定量のBOGは蒸発ガス貯蔵部12に排出させる。
蒸発ガス貯蔵部12に排出されたBOGは、当該蒸発ガス貯蔵部12内に充填されている吸着剤により吸着され、貯蔵される。蒸発ガス貯蔵部12でのBOGの貯蔵量は、吸着剤を用いない場合と比較して、例えば、当該蒸発ガス貯蔵部12内の圧力が1MPa(abs.)の場合、約5〜7倍に増大させることができる。尚、この場合、吸着剤は加熱部21により加熱されない様にしている。また、開閉弁22は閉状態とし、BOGがエンジンに供給されないようにする。これにより、BOGが系外に漏出するのを防止することができる。
BOGを貯蔵する際の蒸発ガス貯蔵部12の内部の圧力(貯蔵圧力)は特に限定されないが、加圧条件下であることが好ましい。貯蔵圧力を大きくすることにより、吸着剤による吸着性能(貯蔵性能)を向上させることができる。貯蔵圧力としては、通常は0.2MPa以上であり、好ましくは0.3MPa〜0.7MPa、より好ましくは1.8MPa〜2.4MPaである。前記圧力を0.2MPa以上にすることにより、吸着剤に対するBOGの良好な吸着量を維持することができる。尚、貯蔵圧力の上限は、気体貯蔵部12の内部圧力の許容値に基づき適宜設定することができる。
次に、エンジンが駆動している場合、液化ガス燃料タンク11は、燃料供給路18を介して液化ガス燃料17をエンジンに供給する。また、第2圧力制御弁16を開状態とし、蒸発ガス貯蔵部12内の圧力を減圧する。これにより、吸着剤に吸着しているBOGを脱着させることができる。減圧させたときの蒸発ガス貯蔵部12内の圧力は特に限定されないが、例えば、−0.1MPa〜3MPa、好ましくは−0.1MPa〜1MPa、より好ましくは−0.1MPa〜0.5MPaまで減圧させる。
また、エンジンが駆動している場合、開閉弁22は開状態となっているので、BOGは蒸発ガス供給路15を介してエンジンに供給させることができる。尚、第1圧力制御弁14は閉状態となっている。また、前述の通り、蒸発ガス貯蔵部12と第2圧力制御弁16との間にコンプレッサを設けることにより、当該蒸発ガス貯蔵部12内の圧力が一層低下するようにしてもよい。
更に、吸着剤に於けるBOGの脱着の際には、加熱部21を用いて当該吸着剤を加熱してもよい。加熱温度は、−200℃〜250℃の範囲内が好ましく、0℃〜250℃の範囲内がより好ましく、60℃〜250℃の範囲内が更に好ましい。BOGを脱着させる際に吸着剤を加熱することにより、その吸着容量を低下させ、BOGの脱着を促進させることができる。
<吸着剤>
前記吸着剤としては特に限定されず、例えば、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、活性炭等が挙げられる。さらに、前記活性炭としては、ヤシ殻、コーヒー豆殻、木材、竹材等の植物原料の活性炭、石炭、石油ピッチ、タール等の鉱物油原料の活性炭、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂類を原料とした活性炭、分子ふるい炭素からなる活性炭等を用いることができる。吸着剤の形状としては特に限定されず、粉末吸着剤、粒状吸着剤、繊維状吸着剤のいずれでもよい。更に、前記粉末吸着剤、粒状吸着剤、繊維状吸着剤等を、バインダーを用いて粒状、ペーパー状又はその他適宜の形状に成形して使用することもできる。
前記に例示した吸着剤のうち、本実施の形態に於いては、分子ふるい炭素からなる活性炭が特に好ましい。
前記分子ふるい炭素からなる活性炭の比表面積は、800〜2500m/gの範囲であり、好ましくは900〜2200m/g、より好ましくは1000〜2000m/gである。前記比表面積を800m/g以上にすることにより、アルカン類の分離能が急激に低下するのを抑制することができる。その一方、前記比表面積を2500m/g以下にすることにより、嵩密度が低下するのを抑制することができる。尚、前記活性炭の比表面積は、比表面積測定装置(商品名;BELSORP MINI II、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて、窒素ガス吸着によるBET法で測定した値である。
前記分子ふるい炭素からなる活性炭の嵩密度(タップ密度)は、0.2〜1.2g/cmの範囲であり、好ましくは0.25〜1.0g/cm、より好ましくは0.28〜1.0g/cmである。前記嵩密度を0.2g/cm以上にすることにより、蒸発ガス貯蔵部12への充填当りの吸着容量を良好に維持することができる。その一方、前記嵩密度を1.2g/cm以下にすることにより、活性炭の細孔の連通性が低下するのを防止し、吸着能力の低下を抑制することができる。
尚、前記嵩密度の値は、メスシリンダーを用いて得ることができる。即ち、先ず、1Lのメスシリンダーの質量を予め測定しておき、当該メスシリンダーに前記活性炭を投入する。投入後、十分にタッピング充填を行い、活性炭の体積を測定する。さらに、充填後のメスシリンダーの質量を測定し、前記活性炭投入前の質量との差と、体積の値から嵩密度を算出することができる。
また、前記分子ふるい炭素からなる活性炭は、メタンの単位充填体積当たり平衡吸着量(メタン吸着量(L(Normal))/吸着剤充填体積(L))が、温度25℃、吸着圧力1MPaの条件下において、30ml/ml以上である。
前記分子ふるい炭素からなる活性炭のメタンに関する平衡吸着量は、例えば、自動ガス/蒸気吸着量測定装置(型番:BELSORP−18、日本ベル株式会社製)を用いて測定することができる。具体的には、当該活性炭としてのベルファイン(登録商標)BG−10(商品名、エア・ウォーターベルパール株式会社製)を2g秤取り、吸着温度273K、298K、323Kの3種類についてそれぞれ測定すると、図2に示す様な吸着等温線が得られる。尚、ベルファインBG−10の比表面積は1000m/gであり、嵩密度は0.57g/mlである。
比較のために、椰子殻活性炭(商品名;2GG、クラレケミカル株式会社製)を用いて、メタンの平衡吸着量を測定した場合についても、図2に示す。尚、椰子殻活性炭2GGの比表面積は1100〜1200m/gであり、嵩密度は0.46g/mlである。同図から分かる通り、分子ふるい炭素からなる活性炭を用いた場合には、椰子殻活性炭の場合と比較して、メタンに対する吸着性能が高いことが分かる。
前記分子ふるい炭素からなる活性炭は、熱硬化性フェノール樹脂粉末、熱硬化性樹脂の溶液及び高分子バインダーの均一混合物(以下、「均一混合物」という場合がある。)を粒状に成形し、非酸化性雰囲気又は弱酸化性雰囲気下に於いて500℃〜1100℃の範囲で一次加熱処理し、更に酸化性雰囲気下に於いて300℃〜1050℃の範囲で30分〜240分間、二次加熱処理して得られるものである。
前記熱硬化性フェノール樹脂粉末としては、粒径1〜150μmのフェノール樹脂の球状一次粒子、又はそれとその二次凝集物からなるものが用いられる。好ましい球状一次粒子の粒径は2〜80μmの範囲である。また、前記熱硬化性フェノール樹脂粉末は、少なくとも全体の50質量%は100タイラーメッシュ篩を通過し得る大きさのものが用いられる。より好ましくは、全体の少なくとも90重量%は100タイラーメッシュ篩を通過し得る大きさである。
更に、前記熱硬化性フェノール樹脂粉末は、適度に、しかしながら可成りの割合でメチロール基を含有するものが用いられる。即ち、KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルに於いて1600cm−1(ベンゼンに帰属する吸収ピーク)の吸収強度をD1600とし、900〜1015cm−1(メチロール基に帰属する吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収強度をD900〜1015とし、890cm−1(ベンゼン核の孤立の水素原子の吸収ピーク)の吸収強度をD890として表わした場合に、下記式(1)及び(2)を満足するものが用いられる。ここで、D900〜1015/D1600の比の値は、好ましくは0.3〜7.0の範囲であり、より好ましくは0.4〜0.5の範囲である。
900〜1015/D1600=0.2〜9.0…(1)
890/D1600=0.09〜1.0…(2)
更に、前記熱硬化性フェノール樹脂粉末は、還流下でのメタノールに対する溶解度が50質量%以下となる熱硬化性フェノール樹脂微粉末を用いることができる。
ここで、前記メタノール溶解度は、試料約100gを精秤し(その精秤重量Cとする)、100%のメタノール約500ml中に於いて30分間還流下で加熱処理した後、ガラスフィルターで濾過し、更にフィルター残試料をフィルター上で約100mlのメタノールで洗浄し、ついでフィルター残試料を100℃の温度で2時間乾燥し(その精秤重量をDとする)下記の式(3)で求められるものである。
メタノール溶解度(%)=(C−D)/C×100…(3)
前記式(3)で定義されるメタノール溶解度は、前記フェノール樹脂微粉末が架橋密度が適度にコントロールされ、かつメチロール基を可成り多量に含有しているという構造を有することによって発現する性質である。即ち、架橋密度が低くメチノール基の含有量が大きい場合にはメタノール溶解度が高く、逆に架橋密度が高く、反応性メチロール基が減少するとメタノール溶解度は低くなる。前記メタノール溶解度は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは2〜35質量%である。
前記熱硬化性樹脂の溶液としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂の溶液を好適に用いることができる。また、前記フェノール樹脂の溶液としては、例えば液状のレゾール樹脂やノボラック樹脂が挙げられる。
前記レゾール樹脂は、フェノール類をアルデヒド類と塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる初期生成物であり、通常メチロール基に富む質量平均分子量約600以下の自己熱架橋性のフェノール樹脂である。通常、メタノールやアセトンを溶媒として液状樹脂として使用されることが多いが、フェノール1モルに対し、1.5〜3.5モルのアルデヒド類をやや過剰のアルカリ触媒の存在下で反応させた初期縮合物を安定な水溶性の状態に保った水溶性レゾール樹脂としても使用される。レゾール樹脂の硬化を促進する硬化触媒としては、硫酸、塩酸等の無機酸、あるいはシュウ酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸、マイレン酸、マロン酸等の有機酸類を使用することができる。
前記ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を、モル比が例えば1/0.7〜1/0.9となるようなフェノール過剰の状態に於いて、例えばシュウ酸、ギ酸、塩酸等の酸触媒の存在下で、フェノールとホルマリンを反応させて得られる。メタノール、アセトン等の溶媒により液状樹脂として供給することができる。このノボラック樹脂は、例えばヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)を加えて加熱反応させることにより硬化することができる。
前記メラミン樹脂は、メラミン−ホルムアルデヒドの初期縮合物であり、水溶性を有するので水溶液として使用できる。メラミン樹脂の硬化剤としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸やシュウ酸ジメチルエステルの様なカルボン酸エステル類、エチルアミン塩酸塩やトリエタノールアミン塩酸塩のようなアミン類の塩酸塩等を用いることができる。
前記高分子バインダーとしては、ポリビニルアルコール、又は水溶性若しくは水膨潤性セルロース誘導体を用いることができる。
前記ポリビニルアルコールとしては、重合度100〜5000、けん化度70%以上のものが好ましい。また、カルボキシル基等で一部変性されたものも好適に用いられる。
また、前記セルロース誘導体としては、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が好適に使用される。セルロース誘導体は、メトキシ基(−OCH)及び/又はヒドロキシプロポキシ基(−OCOH)の導入量、重合度等により調整した、各種粘度のものを用いることができる。
前記均一混合物における熱硬化性樹脂の溶液の混合量は、熱硬化性フェノール樹脂粉末100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、7〜40質量部がより好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。
また、前記均一混合物における高分子バインダーの混合量は、熱硬化性フェノール樹脂粉末100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましい。
前記均一混合物においては、水を混合させてもよい。この場合の水の添加量は、均一混合物固形分を基準にして、好ましくは5〜30重量%であり、より好ましくは8〜20重量%である。
また均一混合物においては、例えば澱粉、その誘導体又は変性体を添加してもよい。この場合の澱粉等の添加量は、熱硬化性フェノール樹脂微粉末100質量部当り5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部である。
前記澱粉等としては、例えば馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉の如き澱粉、酢酸澱粉、硫酸澱粉、燐酸澱粉の如きエステル化澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、カルボキシメチル澱粉の如きエーテル化澱粉、燐酸ジスターチ、グリセロールジスターチの如き架橋澱粉等の澱粉誘導体、あるいは酵素変性デキストリンの如き変性澱粉等を例示することができる。
前記澱粉等は、気孔形成剤として好適に作用するものであり、後述する非酸化性雰囲気下での炭化時の熱分解による気孔の生成に関与するものと考えられる。これらの成分は、粉体として水に分散させた状態で、又は温水でアルファー化処理等の熱処理をした状態で、使用することができる。
また、前記活性炭の製造にあたっては、その特性を失わない範囲内で、例えばエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸アンモニウム塩等の界面活性剤、液状熱硬化性樹脂の硬化剤、ポリビニルアルコールの架橋剤、押出造粒用の可塑剤、ヤシガラ微粉末、コール微粉末、タール、ピッチあるいはその他の合成樹脂等を少量加えることができる。これにより、作業性の一層の向上が可能になる。
前記均一混合物の作製においては、例えばリボンミキサー、V型ミキサー、コーンミキサー、ニーダー等の混合機を用いることができる。
前記均一混合物の作製においては、前記混合機を用いて、熱硬化性フェノール樹脂粉末、熱硬化性樹脂の溶液及び高分子バインダーをそのまま混合してもよい。また、水の存在下でこれらを混合することもできる。さらに、水を添加する場合は、3成分を混合する前に、高分子バインダーを水に溶解した形で添加することもできる。
また、所定量の熱硬化性フェノール樹脂微粉末に、必要に応じて澱粉等を加えて乾式混合したのち、所定量の熱硬化性樹脂の溶液及び予め温水に溶解して準備したポリビニルアルコールの如き高分子バインダーを加え、前記混合機にて十分に混合して作製してもよい。
前記均一混合物を粒状に成形する際には、例えば単軸又は二軸の湿式押出造粒機、バスケット・リューザー等の竪型造粒機、半乾式でのディスクペレッター等を用いることができる。
特に湿式の押出造粒剤機により造粒した粒状体は、粒子の強度が大きく、炭化後の活性炭の分離能も大きいので好ましい。粒状物の形状は特に限定されず、例えば円柱状又は球状とすることができる。この造粒により得られる粒状体の大きさは、特に限定されないが、例えば円柱状の場合、直径0.5〜5mm、長さ0.5〜10mm程度、球状の場合、直径0.5〜10mm程度が好ましい。
この様にして得られた粒状の成形体を、非酸化性雰囲気又は弱酸化性雰囲気下に於いて500〜1100℃の温度で一次加熱処理する。
前記非酸化性雰囲気は、例えばH、Ar、He、N等の不活性ガス雰囲気として得ることができる。また、弱酸化性雰囲気は、微量の酸化性ガスを含んだ雰囲気で、例えば、不活性ガスと微量の酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気又はこれらの混合物等の酸化性ガスを混合した雰囲気として得ることが出来る。この混合比率は特に限定しないが、非酸化性雰囲気の同一条件で加熱処理した場合の残炭率に対して、95%以上の残炭率になるように酸化性ガス量を決めるのが好ましい。残炭率が95%以上であれば、メタン、エタン、プロパンやブタンなど、常温で気体であるアルカン類を高純度に分離精製するのに適した細孔が形成されやすい。残炭率とは、加熱処理前の質量に対する加熱処理後の質量の割合を示す。
前記一次加熱処理は、加熱温度が500〜1100℃の範囲で行なわれる。500℃以上にすることにより、比表面積が大きく、吸着容量が十分であり、吸着選択性が高い活性炭を得ることができる。その一方、1100℃以下にすることにより、得られた活性炭の細孔が収縮するのを抑制し、比表面積、細孔容積が大きく、吸着容量の高い活性炭を得ることができる。
前記一次加熱処理の加熱温度は、好ましくは600〜1050℃の範囲であり、より好ましくは650〜1000℃の範囲である。また、前記加熱温度に到達するまでの昇温速度は、好ましくは5〜300℃/hrであり、より好ましくは10〜180℃/hrであり、更に好ましくは15〜120℃/hrである。
ついで、前記一次加熱処理された粒状の成形体に対し、二次加熱処理を行う。二次加熱処理は、酸化性雰囲気下に於いて、温度300〜1000℃の範囲で、30〜240分間行う。
酸化性雰囲気は、上述したように、酸化性ガスを含んだ雰囲気で、例えば、不活性ガスと酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気又はこれらの混合物等の酸化性ガスを混合した雰囲気として得ることが出来る。この混合比率は特に限定しないが、非酸化性雰囲気の同一条件で加熱処理した場合の残炭率に対して、65%以上の残炭率になるように酸化性ガス量を決めるのが好ましい。残炭率が65%以上であれば、メタン、エタン、プロパンやブタン等の常温で気体のアルカン類を高純度に分離精製するのに適した細孔が形成されやすい。
前記二次加熱処理は、加熱温度300〜1050℃の範囲で行なわれる。300℃以上にすることにより、細孔を十分に拡大させ、BOGの十分な吸着速度や脱着速度を得ることができる。その一方、1050℃以下にすることにより、細孔が拡大し過ぎることを防止することができる。
前記二次加熱処理の加熱温度は、例えば、加熱する際の酸化性雰囲気として水蒸気と窒素の混合ガス等を用いた雰囲気の場合、500〜950℃の範囲が好ましく、酸化性雰囲気として二酸化炭素を含む雰囲気の場合、800〜1000℃の範囲が好ましい。昇温速度は特に限定されないが、昇温は不活性ガスの雰囲気下で行い、加熱温度に達した後に、酸化性雰囲気に切り替えるのが望ましい。
(実施の形態2)
<エンジンの燃料供給装置>
本実施の形態2に係るエンジンの燃料供給装置について、図3を参照しながら以下に説明する。尚、前記実施の形態1に係る燃料供給装置1と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態のエンジンの燃料供給装置(以下、「燃料供給装置」という。)2は、前記実施の形態1の場合と同様、吸着剤が充填された蒸発ガス貯蔵部12を用いて、エンジンが停止している場合はBOGを貯蔵し、エンジンが駆動している場合は当該BOGをエンジンに供給して、BOGを長期にわたり貯蔵し、又は系外に放出されるのを防止すると共に、BOGを燃料の一部に利用することにより燃料消費の効率性を向上させるものである。
但し、本実施の形態の燃料供給装置2に於いては、燃料供給装置1と比較して、蒸発ガス貯蔵部12に、吸着剤を冷却するための蓄冷材充填タンク23を設け、更に、液化ガス燃料タンク11と蒸発ガス貯蔵部12との間に、液化ガス燃料17を蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部24が設けられている点が異なる。また、燃料供給路18には、液化ガス燃料タンク11からエンジンへの液化ガス燃料17の供給を制御するための開閉弁25が設けられている点が異なる。
蓄冷材充填タンク23は、蓄冷材と、他の熱交換器30とを備えている。蓄冷材は、吸着剤を一定期間冷却し、当該吸着剤に於けるBOGの吸着能を向上させるためのものである。蓄冷材としては特に限定されないが、例えば、水や不凍液等、常温では液体であり、冷却されたときは、固体に相変化するものが好ましい。特に、凝固温度が低く、かつ、凝固潜熱が大きい蓄冷材が好ましい。他の熱交換器は、液化ガス燃料タンク11から供給された液化ガス燃料17の温度で、前記蓄冷材を冷却させるためのものである。
液化ガス燃料供給部24は、液化ガス燃料タンク11に貯蔵されている液化ガス燃料17の一部を、蓄冷材充填タンク23を冷却する熱交換器30に供給させるものである。また、液化ガス燃料供給部24には、開状態又は閉状態に制御するための開閉弁26が設けられている。更に、液化ガス燃料供給部24は燃料供給路18にも接続されており、これにより、液化ガス燃料17が蓄冷材充填タンク23に供給された後は、当該燃料供給路18を通じてエンジンに供給させることができる。
尚、蒸発ガス貯蔵部12は断熱容器であることが好ましい。
<エンジンの燃料供給方法>
次に、本実施の形態2に係る燃料供給装置2を用いたエンジンの燃料供給方法について説明する。
本実施の形態の燃料供給方法に於いては、蓄冷材充填タンク23に設けられている蓄冷材を用いて、吸着剤の予冷が行われる。予冷は、エンジンが駆動している場合であって、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されているBOGが一定量以上、エンジンに供給されているときに行われる。
具体的には、液化ガス燃料タンク11に貯蔵されている液化ガス燃料17の一部が、液化ガス燃料供給部24の開閉弁26を開状態にすることにより、当該液化ガス燃料供給部24を介して、蒸発ガス貯蔵部12に供給される。供給された液化ガス燃料17は、蓄冷材充填タンク23に於ける他の熱交換器30で一部が気化され、液化ガス燃料17の温度で蓄冷材を冷却する。冷却された蓄冷材は、エンジンが停止し、液化ガス燃料供給部24で液化ガス燃料17が供給されなくなった後も、一定期間吸着剤を冷却することができる。そして、他の熱交換器30により気化された液化ガス燃料は、燃料供給路18を介して熱交換器19に供給され、当該熱交換器19で完全に気化された後、燃料としてエンジンに供給される。
また、実施の形態1の場合と同様、液化ガス燃料タンク11は、燃料供給路18を介して、液化ガス燃料17をエンジンに供給する。尚、第2圧力制御弁16及び開閉弁22は閉状態となっており、BOGはエンジンに供給されない様になっている。また、第1圧力制御弁14も閉状態となっており、BOGが蒸発ガス貯蔵部12に供給されない様になっている。
エンジンの駆動を停止し、液化ガス燃料タンク11内の圧力が一定値以上(例えば、1.5MPa以上)となるBOGが発生したときは、実施の形態1の場合と同様、当該BOGを蒸発ガス貯蔵部12において貯蔵し、BOGが系外に放出されるのを防止する。
具体的には、第1圧力制御弁14を開状態にし、これにより、BOGを蒸発ガス排出路13を介して蒸発ガス貯蔵部12に排出させる。そして、蒸発ガス貯蔵部12内に充填されている吸着剤にBOGを吸着させ、これにより、一時的に貯蔵する。ここで、蒸発ガス貯蔵部12の吸着剤は、蓄冷材により予め冷却されているため、例えば、常温の際の吸着剤と比較して、BOGの吸着量は増大している。そのため、実施の形態1の場合と比較して、より多くのBOGを吸着させることができる。
尚、エンジンの停止中は、液化ガス燃料供給部24を閉状態とし、液化ガス燃料17の蓄冷材充填タンク23への供給を停止する。液化ガス燃料17の供給を停止しても、蓄冷材は一定期間、吸着剤を冷却させるので、吸着能が低下するのを抑制することができる。
エンジンが駆動している場合であって、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されているBOGが一定量以上、エンジンに供給されていないときは、実施の形態1の場合と同様、当該BOGを吸着剤から脱着させ、エンジンに供給する。
具体的には、実施の形態1の場合と同様、開閉弁22を開状態にし、かつ、第2圧力制御弁16も開状態とすることで、蒸発ガス貯蔵部12内の圧力を減圧させる。これにより、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されていたBOGを、蒸発ガス供給路15を介してエンジンに供給する。また、蒸発ガス貯蔵部12と第2圧力制御弁16との間にコンプレッサを設けて、当該蒸発ガス貯蔵部12内の圧力が一層低下するようにしてもよい。
また、液化ガス燃料供給部24の開閉弁26を閉状態にして、液化ガス燃料17が蒸発ガス貯蔵部12の蓄冷材充填タンク23に供給されるのを停止し、蓄冷材及び吸着剤が冷却されない様にする。
尚、実施の形態1の場合と同様、液化ガス燃料タンク11は、燃料供給路18を介して液化ガス燃料17をエンジンに供給している。また、加熱部21を用いて当該吸着剤を加熱してもよい。これにより、吸着剤の吸着容量を低下させ、BOGの脱着を促進させることができる。さらに、第1圧力制御弁14は閉状態となっている。
本実施の形態に於いて、吸着剤に吸着しているBOGが一定量以上、エンジンに供給されたのか否かについての判断は、例えば、蒸発ガス貯蔵部12の内部の圧力や駆動(走行)時間を基準に行うことができる。より具体的には、蒸発ガス貯蔵部12の内部圧力を基準にする場合には、当該内部圧力が一定値以上であるとき、吸着剤には、脱着していないBOGが残っているとして、液化ガス燃料17の一部の蓄冷材充填タンク23への供給を停止する。また、エンジンの駆動時間を基準とする場合には、当該駆動時間が一定時間以下であるとき、吸着剤には、脱着していないBOGが残っているとして、液化ガス燃料17の蓄冷材充填タンク23への供給を停止する。
(実施の形態3)
<エンジンの燃料供給装置>
本実施の形態3に係るエンジンの燃料供給装置について、図4を参照しながら以下に説明する。尚、前記実施の形態1の燃料供給装置1及び実施の形態2の燃料供給装置2と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態のエンジンの燃料供給装置(以下、「燃料供給装置」という。)3は、前記実施の形態1及び2の場合と同様、吸着剤が充填された蒸発ガス貯蔵部12を用いて、エンジンが停止している場合はBOGを貯蔵し、エンジンが駆動している場合は当該BOGをエンジンに供給して、BOGを長期にわたり貯蔵し、又は系外に放出されるのを防止すると共に、BOGを燃料の一部に利用することにより燃料消費の効率性を向上させるものである。
但し、本実施の形態の燃料供給装置3に於いては、燃料供給装置1と比較して、蒸発ガス貯蔵部12を冷却するための蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27が設けられている点が異なる。また、液化ガス燃料タンク11と蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27との間には、当該液化ガス燃料タンク11に貯蔵されている液化ガス燃料17の一部を蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27に供給するための液化ガス燃料供給路28と、液化ガス燃料タンク11と蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27との間の圧力を調節するための第3圧力制御弁29とが設けられている点が異なる。
蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27は、蒸発ガス貯蔵部12を内部に収容することができ、当該蒸発ガス貯蔵部12を、液化ガス燃料タンク11から供給された液化ガス燃料17に浸漬させることが可能な構造となっている。これにより、蒸発ガス貯蔵部12に充填されている吸着剤を冷却することができ、当該吸着剤の吸着能を向上させることができる。尚、LNGの沸点は−162℃であるため、そのような低温の液化ガス燃料を用いる場合には、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27は断熱性を有するものが好ましい。
また、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27の上部は、液化ガス燃料タンク11の底部よりも低くなる位置に設けられている。これにより、液化ガス燃料タンク11の内部と、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27の内部が等圧の場合には、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内を液化ガス燃料で十分に満たすことができるので、蒸発ガス貯蔵部12を十分に浸漬させることができる。
蒸発ガス貯蔵部12の冷却用の液化ガス燃料は、液化ガス燃料タンク11より、液化ガス燃料供給路28を介して蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27に供給される。液化ガス燃料供給路28は、液化ガス燃料タンク11に対しては、その底部に於いて接続されている。また、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27に対しても、その底部に於いて接続されている。
第3圧力制御弁29は、液化ガス燃料タンク11の内部と、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27の内部の圧力差を調整するためのものである。蒸発ガス貯蔵部12を冷却する場合は、第3圧力制御弁29を開状態にし、液化ガス燃料タンク11の内部と、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27の内部を等圧にする。その一方、蒸発ガス貯蔵部12を冷却させずに、吸着剤に吸着しているBOGを脱着させる場合は、第3圧力制御弁29を閉状態にし、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内の圧力を上昇させる。これにより、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内に満たされている液化ガス燃料の液面高さを上下に制御することができる。
<エンジンの燃料供給方法>
次に、本実施の形態3に係る燃料供給装置3を用いたエンジンの燃料供給方法について説明する。
本実施の形態の燃料供給方法に於いては、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27を用いて、吸着剤の予冷が行われる。予冷は、エンジンが駆動している場合であって、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されているBOGが一定量以上、エンジンに供給されているときに行われる。
具体的には、先ず、第3圧力制御弁29を開状態にすることにより、液化ガス燃料タンク11内の圧力と、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内の圧力を等圧にする。蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27は、その上部が液化ガス燃料タンク11の底部よりも低くなる位置に設けられているので、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内に満たされている液化ガス燃料の液面高さを上昇させることができる。その結果、蒸発ガス貯蔵部12を液化ガス燃料に浸漬させることができる。蒸発ガス貯蔵部12が液化ガス燃料に浸漬されると、当該蒸発ガス貯蔵部12内に充填されている吸着剤が冷却され、その結果、吸着剤のBOGに対する吸着能を向上させることができる。
また、実施の形態1の場合と同様、液化ガス燃料タンク11は、燃料供給路18を介して、液化ガス燃料17をエンジンに供給する。尚、第2圧力制御弁16及び開閉弁22は閉状態となっており、BOGはエンジンに供給されない様になっている。また、第1圧力制御弁14も閉状態となっており、BOGが蒸発ガス貯蔵部12に供給されない様になっている。
エンジンの駆動を停止し、液化ガス燃料タンク11内の圧力が一定値以上(例えば、1.5MPa以上)となるBOGが発生したときは、実施の形態1の場合と同様、当該BOGを蒸発ガス貯蔵部12において貯蔵し、BOGが系外に放出されるのを防止する。
具体的には、第1圧力制御弁14を開状態にし、これにより、BOGを、蒸発ガス排出路13を介して蒸発ガス貯蔵部12に排出させる。そして、蒸発ガス貯蔵部12内に充填されている吸着剤にBOGを吸着させ、これにより、一時的に貯蔵する。ここで、蒸発ガス貯蔵部12の吸着剤は、蒸発ガス貯蔵部用冷却タンク27に満たされている液化ガス燃料により、予め冷却されているため、例えば、常温の際の吸着剤と比較して、BOGの吸着量は増大している。その結果、実施の形態1及び2の場合と比較して、より多くのBOGを吸着させることができる。
尚、エンジンの停止中は、第3圧力制御弁29を開状態にしてもよい。また、第2圧力制御弁16及び開閉弁22は閉状態となっており、BOGがエンジンに供給されない様になっている。
エンジンが駆動している場合であって、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されているBOGが一定量以上、エンジンに供給されていないときは、実施の形態1の場合と同様、当該BOGを吸着剤から脱着させ、これをエンジンに供給する。
具体的には、実施の形態1の場合と同様、開閉弁22を開状態にし、かつ、第2圧力制御弁16も開状態とすることで、蒸発ガス貯蔵部12内の圧力を減圧させる。これにより、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されていたBOGを、蒸発ガス供給路15を介してエンジンに供給する。また、蒸発ガス貯蔵部12と第2圧力制御弁16との間にコンプレッサを設けて、当該蒸発ガス貯蔵部12内の圧力が一層低下するようにしてもよい。
さらに、第3圧力制御弁29を閉状態とし、蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内の圧力を上昇させ、当該蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク27内に満たされている液化ガス燃料の液面高さを低下させる。これにより、液化ガス燃料による蒸発ガス貯蔵部12の冷却が停止され、当該蒸発ガス貯蔵部12は外気温により温められる。その結果、吸着剤に吸着している蒸発ガスの脱着が阻害されるのを防止することができる。
尚、実施の形態1の場合と同様、液化ガス燃料タンク11は、燃料供給路18を介して液化ガス燃料17をエンジンに供給している。また、実施の形態1の場合と同様、加熱部(図示しない)を用いて当該吸着剤を加熱してもよい。これにより、吸着剤の吸着容量を低下させ、BOGの脱着を一層促進させることができる。さらに、第1圧力制御弁14は閉状態となっている。
本実施の形態に於いて、吸着剤に吸着しているBOGが一定量以上、エンジンに供給されたのか否かについての判断は、実施の形態2において述べたのと同様、蒸発ガス貯蔵部12の内部の圧力や駆動(走行)時間を基準に行うことができる。
尚、本実施の形態3においては、エンジンが駆動している場合であって、蒸発ガス貯蔵部12に貯蔵されているBOGが一定量以上、エンジンに供給されている場合に吸着剤を予冷する場合を例にして説明した。しかしながら、本実施の形態は、この態様を限定されるものではなく、例えば、エンジンが停止しているときに、吸着剤の冷却を行うことも可能である。さらに、エンジンが駆動中の予冷と、エンジンが停止中の冷却を併用してもよい。
(その他の事項)
本実施の形態1〜3においては、蒸発ガス貯蔵部が1つの場合を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。液化ガス燃料タンクに貯蔵される液化ガス燃料の量等に応じて、蒸発ガス貯蔵部を複数備えた態様であってもよい。
また、本実施の形態1〜3に係るエンジンの供給装置は、トラック等のLNG自動車等に適用することができ、これにより、環境への影響が極めて少ない自動車を提供することができる。
1〜3 エンジンの燃料供給装置
11 液化ガス燃料タンク
12 蒸発ガス貯蔵部
13 蒸発ガス排出路
14 第1圧力制御弁
15 蒸発ガス供給路
16 第2圧力制御弁
17 液化ガス燃料
18 燃料供給路
19、30 熱交換器
20 圧力調整弁
21 加熱部
22、25、26 開閉弁
23 蓄冷材充填タンク
24 液化ガス燃料供給部
27 蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク
28 液化ガス燃料供給路
29 第3圧力制御弁

Claims (9)

  1. エンジンの燃料供給装置を用いたエンジンの燃料供給方法であって、
    前記エンジンの燃料供給装置は、
    液化ガス燃料を貯蔵するための液化ガス燃料タンクと、
    前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを貯蔵する蒸発ガス貯蔵部と、
    前記蒸発ガスを、前記液化ガス燃料タンクから前記蒸発ガス貯蔵部に排出するための蒸発ガス排出路と、
    前記蒸発ガス排出路を介して前記蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出する際に、前記液化ガス燃料タンク内の圧力を調節するための第1圧力制御弁と、
    前記蒸発ガス貯蔵部に貯蔵されている蒸発ガスを、エンジンに供給するための蒸発ガス供給路と、
    前記蒸発ガス供給路に設けられ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を調節するための第2圧力制御弁とを備え、
    前記蒸発ガス貯蔵部には、前記液化ガス燃料タンクから排出された前記蒸発ガスを吸着して貯蔵するための吸着剤前記吸着剤を冷却するための蓄冷材とが設けられ
    前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部との間には、前記液化ガス燃料を前記蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部が設けられており
    前記エンジンが停止しており、かつ、前記液化ガス燃料タンクで発生した前記蒸発ガスにより、当該液化ガス燃料タンク内の圧力が一定値以上に高くなった場合、前記第1圧力制御弁を開状態にし、一定量の当該蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出させ、前記吸着剤に当該蒸発ガスを吸着させて貯蔵し、
    前記エンジンが駆動しており、かつ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力が一定値以上の場合、前記液化ガス燃料タンクから前記液化ガス燃料を前記エンジンに供給すると共に、前記第2圧力制御弁を開状態にし、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を減圧して、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスを脱着させ、当該脱着した蒸発ガスを、前記蒸発ガス供給路を介して前記エンジンに供給するものであり、
    さらに、前記エンジンが駆動している場合に於いて、
    前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたときは、前記液化ガス燃料供給部より、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給して、当該蓄冷材を冷却し、
    前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、前記液化ガス燃料供給部より、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給するのを停止するエンジンの燃料供給方法。
  2. エンジンの燃料供給装置を用いたエンジンの燃料供給方法であって、
    前記エンジンの燃料供給装置は、
    液化ガス燃料を貯蔵するための液化ガス燃料タンクと、
    前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを、吸着剤を用いた吸着により貯蔵する蒸発ガス貯蔵部と、
    前記蒸発ガスを、前記液化ガス燃料タンクから前記蒸発ガス貯蔵部に排出するための蒸発ガス排出路と、
    前記蒸発ガス排出路を介して前記蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出する際に、前記液化ガス燃料タンク内の圧力を調節するための第1圧力制御弁と、
    前記蒸発ガス貯蔵部に貯蔵されている蒸発ガスを、エンジンに供給するための蒸発ガス供給路と、
    前記蒸発ガス供給路に設けられ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を調節するための第2圧力制御弁と、
    前記蒸発ガス貯蔵部を内部に収容し、前記液化ガス燃料タンクから供給された液化ガス燃料中に浸漬させて、前記吸着剤を冷却させるための蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクと、
    前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクとの間に設けられ、前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに供給するための液化ガス燃料供給路とを備え、
    前記エンジンが停止しており、かつ、前記液化ガス燃料タンクで発生した前記蒸発ガスにより、当該液化ガス燃料タンク内の圧力が一定値以上に高くなった場合、前記第1圧力制御弁を開状態にし、一定量の当該蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出させ、前記吸着剤に当該蒸発ガスを吸着させて貯蔵し、
    前記エンジンが駆動しており、かつ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力が一定値以上の場合、前記液化ガス燃料タンクから前記液化ガス燃料を前記エンジンに供給すると共に、前記第2圧力制御弁を開状態にし、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を減圧して、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスを脱着させ、当該脱着した蒸発ガスを、前記蒸発ガス供給路を介して前記エンジンに供給するものであり、
    さらに、前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたとき、及び/又は前記エンジンが停止しているときは、
    前記液化ガス燃料供給路を介して前記液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに液化ガス燃料を供給することにより、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させ、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤を冷却し、
    前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、
    前記液化ガス燃料供給路を介して蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクから前記液化ガス燃料タンクに液化ガス燃料を供給することにより、当該蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内に貯蔵されている液化ガス燃料の液面を低下させて、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させないようにし、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤の冷却を停止するエンジンの燃料供給方法。
  3. 前記エンジンが駆動している場合に、前記吸着剤を加熱する請求項1又は2に記載のエンジンの燃料供給方法。
  4. 前記吸着剤は、BET法により測定した比表面積が800〜2500m/gの範囲であり、嵩密度が0.2〜1.2g/cmの範囲の分子ふるい炭素からなる活性炭であり、
    温度25℃、吸着圧力1MPaの条件下でのメタンの平衡吸着量が、当該活性炭の充填体積当たり、30ml/ml以上である請求項1〜の何れか1項に記載のエンジンの燃料供給方法。
  5. 液化ガス燃料を貯蔵する液化ガス燃料タンクと、
    前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを貯蔵する蒸発ガス貯蔵部と、
    前記蒸発ガスを、前記液化ガス燃料タンクから前記蒸発ガス貯蔵部に排出するための蒸発ガス排出路と、
    前記蒸発ガス排出路を介して前記蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出する際に、前記液化ガス燃料タンク内の圧力を調節するための第1圧力制御弁と、
    前記蒸発ガス貯蔵部に貯蔵されている蒸発ガスを、エンジンに供給するための蒸発ガス供給路とを備えるエンジンの燃料供給装置であって、
    前記蒸発ガス貯蔵部には、前記液化ガス燃料タンクから排出された前記蒸発ガスを吸着して貯蔵するための吸着剤と、前記吸着剤を冷却するための蓄冷材とが設けられ、
    前記蒸発ガス供給路には、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を調節するための第2圧力制御弁が設けられ
    前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部との間には、前記液化ガス燃料を前記蓄冷材に供給するための液化ガス燃料供給部が設けられており、
    前記エンジンが停止しており、かつ、前記液化ガス燃料タンクで発生した前記蒸発ガスにより、当該液化ガス燃料タンク内の圧力が一定値以上に高くなった場合、前記第1圧力制御弁が開状態になることにより、一定量の当該蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出させるものであり、
    前記エンジンが駆動しており、かつ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力が一定値以上の場合、前記液化ガス燃料タンクは前記エンジンに液化ガス燃料を供給しており、また、前記第2圧力制御弁は開状態となることにより、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を減圧し、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスを脱着させ、当該脱着した蒸発ガスを、前記蒸発ガス供給路を介して前記エンジンに供給させるものであり、
    さらに、前記液化ガス燃料供給部は、前記エンジンが駆動している場合に於いて、
    前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたときは、前記液化ガス燃料供給部より、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給して、当該蓄冷材を冷却し、
    前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、前記液化ガス燃料供給部より、当該液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部に於ける前記蓄冷材に供給するのを停止するエンジンの燃料供給装置。
  6. 液化ガス燃料を貯蔵する液化ガス燃料タンクと、
    前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料から発生する蒸発ガスを、吸着剤を用いた吸着により貯蔵する蒸発ガス貯蔵部と、
    前記蒸発ガスを、前記液化ガス燃料タンクから前記蒸発ガス貯蔵部に排出するための蒸発ガス排出路と、
    前記蒸発ガス排出路を介して前記蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出する際に、前記液化ガス燃料タンク内の圧力を調節するための第1圧力制御弁と、
    前記蒸発ガス貯蔵部に貯蔵されている蒸発ガスを、エンジンに供給するための蒸発ガス供給路と、
    前記蒸発ガス供給路に設けられ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を調節するための第2圧力制御弁と、
    前記蒸発ガス貯蔵部を内部に収容し、前記液化ガス燃料タンクから供給された液化ガス燃料中に浸漬させて、前記吸着剤を冷却させるための蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクと、
    前記液化ガス燃料タンクと前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクとの間に設けられ、前記液化ガス燃料タンク内の前記液化ガス燃料を前記蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに供給するための液化ガス燃料供給路とを備えるエンジンの燃料供給装置であって、
    前記エンジンが停止しており、かつ、前記液化ガス燃料タンクで発生した前記蒸発ガスにより、当該液化ガス燃料タンク内の圧力が一定値以上に高くなった場合、前記第1圧力制御弁が開状態になることにより、一定量の当該蒸発ガスを前記蒸発ガス貯蔵部に排出させるものであり、
    前記エンジンが駆動しており、かつ、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力が一定値以上の場合、前記液化ガス燃料タンクは前記エンジンに液化ガス燃料を供給しており、また、前記第2圧力制御弁は開状態となることにより、前記蒸発ガス貯蔵部内の圧力を減圧し、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスを脱着させ、当該脱着した蒸発ガスを、前記蒸発ガス供給路を介して前記エンジンに供給させるものであり、
    さらに、前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されたとき、及び/又は前記エンジンが停止しているときは、
    前記液化ガス燃料供給路を介して前記液化ガス燃料タンクから蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクに液化ガス燃料を供給することにより、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させ、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤を冷却し、
    前記エンジンが駆動している場合であって、前記吸着剤に吸着していた前記蒸発ガスが一定量以上、前記エンジンに供給されていないときは、
    前記液化ガス燃料供給路を介して蒸発ガス貯蔵部冷却用タンクから前記液化ガス燃料タンクに液化ガス燃料を供給することにより、当該蒸発ガス貯蔵部冷却用タンク内に貯蔵されている液化ガス燃料の液面を低下させて、前記蒸発ガス貯蔵部の少なくとも一部を液化ガス燃料中に浸漬させないようにし、これにより、当該蒸発ガス貯蔵部内に設けられている前記吸着剤の冷却を停止させるエンジンの燃料供給装置。
  7. 前記蒸発ガス貯蔵部には、前記エンジンが駆動している場合に、前記吸着剤を加熱するための加熱部が設けられている請求項5又は6に記載のエンジンの燃料供給装置。
  8. 前記吸着剤は、BET法により測定した比表面積が800〜2500m/gの範囲であり、嵩密度が0.2〜1.2g/cmの範囲の分子ふるい炭素からなる活性炭であり、
    温度25℃、吸着圧力1MPaの条件下でのメタンの平衡吸着量が、当該活性炭の充填体積当たり、30ml/ml以上である請求項5〜7の何れか1項に記載のエンジンの燃料供給装置。
  9. 請求項5〜8の何れか1項に記載のエンジンの供給装置を備えた自動車。
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