JP6415757B2 - 空気調和装置の室内機 - Google Patents
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Description
特許文献1には、固定爪と爪受けとを用い、前側ケーシングが背面ケーシングに取り付けられた技術が開示されている。
したがって、背面ケーシングと前側ケーシングとの上端の合わせ部には、成形バラつきあるいは組立バラつきが存在するため、隙間が生じ易い。このように生じる隙間を完全に防ぐことは、困難である。
侵入した油あるいは溶剤は、背面ケーシングと前側ケーシングとを係止する固定爪および爪受けの位置に到達することがある。
よって、固定爪または爪受けに生じるクレージングの影響を考慮する必要がなくなる。空気調和装置の室内機が設置される場所は、たとえばすぐ近くにキッチンがあったり、その部屋で油あるいは溶剤を使うような所であったりする場合でもよく、設置場所を考慮する必要がなくなる。
なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
さらに、明細書全文に示されている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置の室内機100を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置の室内機100における図1のZ−Z断面を示す説明図である。図3は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置の室内機100の全体を分解して示す斜視図である。
背面ケーシング20および前側ケーシング40は、非晶性プラスチックで成形された部品である。
第1上下風向板35は、湾曲した板状部材で構成されている。第1上下風向板35は、運転時に第2上下風向板36と第3上下風向板37との間に位置する。第2上下風向板36は、吹出口50後方に配置される。第3上下風向板37は、吹出口50の前方に配置される。第3上下風向板37は、第2上下風向板36よりも小型である。第1上下風向板35、第2上下風向板36および第3上下風向板37は、図示しない駆動用モータによって回動可能である。
この時、左右風向板は、回動することで、送風ファン32によって吹出す熱交換された空気の左右方向の風向を調整している。また、第1上下風向板35、第2上下風向板36および第3上下風向板37は、回動することで、送風ファン32によって吹出す熱交換された空気の上下方向の風向を調整している。
図3に示す裏板10は、複数本のビスを用いて室内壁面に固定される。裏板10の上端には、図示しない係止体が突出している。
背面ケーシング20は、裏板10の係止体に背面ケーシング20の上縁を引っ掛ける。そして、背面ケーシング20は、係止体に上縁が引っ掛けられた後、図示しない複数本のビスを用いて裏板10に固定される。
内部部品30は、熱交換器31、送風ファン32および電装箱を有し、裏板10に固定された背面ケーシング20の前側に取り付けられる。
図4は、本発明の実施の形態に係る背面ケーシング20および前側ケーシング40を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態に係る背面ケーシング20および前側ケーシング40を示す上面図である。図6は、本発明の実施の形態に係る背面ケーシング20の固定爪22を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態に係る背面ケーシング20の固定爪22における図6のX−X断面を示す説明図である。図8は、本発明の実施の形態に係る前側ケーシング40の爪受け43を示す斜視図である。図9は、本発明の実施の形態に係る前側ケーシング40の爪受け43における図8のY−Y断面を示す説明図である。図10は、本発明の実施の形態に係る固定爪22が爪受け43に係止された状態の断面を図2のA部を拡大して示す説明図である。
図6、図7に示すように、背面ケーシング20の上壁21には、上壁21の下面21aから下方に突出する複数の固定爪22が設けられている。固定爪22は、前方側に上部が下部よりも前方に存在する傾斜を有する。
固定爪22は、上壁21の前方縁部よりも後方に位置している。つまり、背面ケーシング20の上壁21は、固定爪22よりも前方に前方部分21bを有する。
前側ケーシング40は、重ね代部41よりも前方に上部吸込口60が形成された天面意匠パネル42を有する。重ね代部41は、天面意匠パネル42に対して上壁21の厚み分だけ1段段差を形成して下方に設けられている。
図5、図8、図9に示すように、前側ケーシング40には、固定爪22の下側から固定爪22を係止する複数の爪受け43が設けられている。爪受け43は、重ね代部41から後方に水平に突出している。爪受け43は、中央にて固定爪22を収容する収容凹部43aと、収容凹部43aの左右両側にて補強するリブ43bと、を有する。爪受け43の後方先端は、固定爪22に接触したときに固定爪22をガイドするように先細りしている。
上壁21の上面21cおよび天面意匠パネル42の上面42aは、固定爪22が爪受け43に係止された際に、面一に構成されている。
図5、図8、図9、図10に示すように、重ね代部41における爪受け43の前方には、上方に開口する凹部44が形成されている。凹部44は、開口形状が長方形である。凹部44は、全周囲を重ね代部41に囲まれている。凹部44は、空気調和装置の室内機100の寿命である10年分の油あるいは溶剤を貯留できる十分な内部容量を有する。
図8に示すように、凹部44は、爪受け43の左右幅L1よりも広い左右幅L2を有する。すなわち、凹部44の左右中心は、爪受け43の左右中心と前後方向に延びる中心線で一致している。図8では、Y−Y断面のための一点鎖線が中心線に相当している。そして、凹部44の左右幅L2は、爪受け43の左右幅L1よりも広く、爪受け43の全左右幅の前方に広がっている。
図2、図10に示すように、凹部44は、固定爪22が爪受け43に係止された際に、上壁21の前方端縁21dを前後方向にまたぐ前後幅を有する。これは、背面ケーシング20と前側ケーシング40との上端の合わせ部には、成形バラつきあるいは組立バラつきが存在するため、隙間80が生じるためである。
ここで、重ね代部41は、凹部44以外の上面41aが水平面となっている。このため、重ね代部41は、固定爪22が爪受け43に係止された際に、凹部44の周囲を含み上面41aを上壁21の下面21aに接触させて上壁21の下に重ねられている。このため、凹部44と爪受け43との間には、上壁21の下面21aに接触した重ね代部41の縁部である上面41aが存在し、上壁21と重ね代部41とが密接する。
よって、空気調和装置の室内機100が設置される場所は、爪受け43のクレージングの影響を考慮する必要がない。空気調和装置の室内機100が設置される場所は、たとえばすぐ近くにキッチンがあったり、その部屋で油あるいは溶剤を使うような所であったりする場合でもよく、設置場所を考慮する必要がなくなる。このように実施の形態によれば、信頼性の高い空気調和装置の室内機100を得ることができる。
また、凹部44は、前側ケーシング40にて空気調和装置の室内機100の左右両端部の間にわたる重ね代部41に設けられ、凹部44自体に応力がかかっていない。このため、油あるいは溶剤が凹部44に付着して貯留されても、凹部44のクレージングが発生しない。
たとえば、凹部44の形状は、重ね代部41から突出しなければ、爪受け43の根元のみに形成されるものでもよい。ただし、凹部の形状は、空気調和装置の室内機100の寿命である10年分の油あるいは溶剤を貯留できる十分な内部容量を確保する必要がある。
また、固定爪22および爪受け43の形状は、上記実施の形態で用いた形状に限られず用いることができる。
この構成によれば、重ね代部41における爪受け43の前方には、上方に開口する凹部44が形成されている。これにより、背面ケーシング20と前側ケーシング40との上端の合わせ部に成形バラつきあるいは組立バラつきにより隙間80が生じ、油あるいは溶剤がその隙間80から侵入しても、油あるいは溶剤が凹部44に付着して貯留される。そのため、侵入した油あるいは溶剤は、応力がかかっている爪受け43に到達しない。したがって、侵入する油あるいは溶剤によって爪受け43に生じるクレージングが防止できる。
よって、爪受け43に生じるクレージングの影響を考慮する必要がなくなる。空気調和装置の室内機100が設置される場所は、たとえばすぐ近くにキッチンがあったり、その部屋で油あるいは溶剤を使うような所であったりする場合でもよく、設置場所を考慮する必要がなくなる。
この構成によれば、背面ケーシング20と前側ケーシング40との上端の合わせ部に成形バラつきあるいは組立バラつきにより隙間80が生じ、凹部44がその隙間80に開口する。このため、油あるいは溶剤が隙間80から侵入すると、侵入した油あるいは溶剤は、すぐに凹部44に付着して貯留される。
この構成によれば、油あるいは溶剤が侵入する隙間80の存在する爪受け43の前方に爪受け43よりも広い範囲で凹部44が形成されている。このため、隙間80から侵入した油あるいは溶剤は、凹部44を回避して爪受け43に到達することがない。よって、侵入した油あるいは溶剤は、応力がかかっている爪受け43に確実に到達しない。
この構成によれば、隙間80から侵入した油あるいは溶剤は、上壁21の下面21aと重ね代部41の上面41aとが接触しているので、凹部44以外に侵入していかない。よって、侵入した油あるいは溶剤は、応力がかかっている爪受け43に確実に到達しない。
この構成によれば、隙間80から侵入する油あるいは溶剤が空気調和装置の室内機100の左右両端部までの全幅で凹部44以外に到達することが防止できる。
この構成によれば、非晶性プラスチックは、応力がかかっているところに油あるいは溶剤が付着すると、プラスチック自身が持つ破断強度よりもはるかに低い応力で破壊するクレージングが発生する。しかし、隙間80から侵入した油あるいは溶剤は、応力がかかっている爪受け43に到達しない。したがって、侵入する油あるいは溶剤によって爪受け43に生じるクレージングが防止できる。
この構成によれば、応力がかかっている固定爪22および爪受け43が複数設けられるので、固定爪22および爪受け43の一つあたりにかかる応力を低減することができる。
この構成によれば、背面ケーシング20と前側ケーシング40との上端の合わせ部に成形バラつきあるいは組立バラつきにより隙間80が生じても、隙間80が大きくなり難い。このため、油あるいは溶剤が空気調和装置の室内機100内に浸入し難い。
また、空気調和装置の室内機100は、上面に余計な凹凸がなくなり、意匠性が向上する。
Claims (8)
- 熱交換器および送風ファンを前側に取り付ける背面ケーシングと、
前記背面ケーシングの前側にて前記熱交換器および前記送風ファンを取り囲む前側ケーシングと、
を備え、
前記背面ケーシングの上部には、前方に突出する上壁が設けられ、
前記前側ケーシングの上部には、後方に突出して前記上壁の下に重ねられる重ね代部が設けられ、
前記背面ケーシングの前記上壁には、下面から下方に突出する固定爪が設けられ、
前記前側ケーシングには、前記固定爪の下側から前記固定爪を係止する爪受けが設けられ、
前記上壁は、前記固定爪よりも前方に前方部分を有し、
前記爪受けは、前記重ね代部から後方に突出し、
前記重ね代部における前記爪受けの前方には、上方に開口する凹部が形成された空気調和装置の室内機。 - 前記凹部は、前記固定爪が前記爪受けに係止された際に、前記上壁の前方端縁を前後方向にまたぐ前後幅を有する請求項1に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記凹部は、前記爪受けの左右幅よりも広い左右幅を有する請求項1または2に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記重ね代部は、前記固定爪が前記爪受けに係止された際に、上面を前記上壁の下面に接触させて前記上壁の下に重ねられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記上壁および前記重ね代部は、前記空気調和装置の室内機の左右両端部までの間にわたって設けられた請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記背面ケーシングおよび前記前側ケーシングは、非晶性プラスチックで成形された請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記固定爪および前記爪受けは、複数設けられ、前記前側ケーシングから受ける応力が分散される請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記前側ケーシングは、前記重ね代部よりも前方に天面意匠パネルを有し、
前記重ね代部は、前記天面意匠パネルに対して前記上壁の厚み分だけ下方に設けられ、
前記上壁の上面および前記天面意匠パネルの上面は、前記固定爪が前記爪受けに係止された際に、面一に構成された請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
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