JP6412738B2 - 肉質改良剤 - Google Patents

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本発明は、硬い肉質の畜肉、獣肉又は魚肉を使用しても、軟らかくて口溶けのよい肉製品とすることができる肉質改良剤に関する。
畜肉、獣肉又は魚肉を使用した肉製品は様々なものがあり、その調理方法も焼成、蒸し、フライ、煮る、炒め等様々であるが、一貫して求められる食感は軟らかさである。
これは、畜肉、獣肉や魚肉自体、筋が多い等もともと噛み切りにくい食感になりやすい場合が多い上に、これらの加熱調理により肉質が硬く締まり肉汁や脂肪が流出する上、調理後、時間が経つにつれ、更に硬い食感になってしまう。特に焼肉やステーキ等の焼成調理の場合はこの傾向が顕著である。
このため、古来、軟らかい食感の肉製品を得るため、様々工夫や研究が行われてきた。
一般的な方法としては、食用油脂や乳化油脂をピックルする方法(例えば特許文献1〜3参照)、乳化剤を使用する方法(例えば特許文献4〜6参照)、アルカリ性塩類を使用する方法(例えば特許文献7〜8参照)、麹やパパイン等のたんぱく質分解酵素を使用する方法(例えば特許文献9〜10参照)等が開示されている。
しかし、食用油脂や乳化油脂をピックルする方法では、肉製品が本来もっている脂肪組織の風味や食感と異なるものを付与するものであるため、調理時に油脂の流出が多く、軟らかさの改良効果も大きくはないという問題があった。また、乳化剤を使用する方法では、ねとりのある食感を感じるおそれがあり、アルカリ性塩類を使用する方法では焼色に影響がでたり粘りのある食感になったりしてしまうという問題等があった。
たんぱく質分解酵素を使用する方法は確実に軟らかい食感になるが、酵素作用の温度や時間の調節が難しいため一定の品質とすることは難しく、また、ある程度の苦味や異味の発生が見られるという問題もあった。
特開昭60−41467号公報 特開昭58−89161号公報 特開平03−277250号公報 特開昭54−62356号公報 特開平7−170942号公報 特開平08−140629号公報 特開昭61−239862号公報 特開平04−36167号公報 特開平05−252911号公報 特開平7−50982号公報
従って、本発明の目的は、硬い肉質の畜肉、獣肉又は魚肉を使用しても、軟らかくて口溶けのよい肉製品とすることができる肉質改良剤を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、従来技術で使用されていた食品や食品添加物とも全く異なる低分子化合物であるカルバミドに、肉製品の食感を改善する作用があることを見出した。そして有機酸塩やカリウムと組み合わせることでその効果が顕著に高まることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、(A)カルバミドを有効成分として含有する肉質改良剤を提供するものである。
また本発明は、上記肉質改良剤を使用して得られた肉製品提供するものである。
また本発明は、上記肉質改良剤を肉製品に使用することを特徴とする肉製品の食感改良方法を提供するものである。
本発明の肉質改善剤を使用することにより、硬い肉質の畜肉又は魚肉であっても軟らかくて口溶けのよい畜肉又は魚肉食品とすることができる。
以下、本発明について好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の肉質改良剤は、(A)カルバミドを有効成分として含有する。
カルバミドとは、化学式(H2N)2C=Oと表される無色無臭の白色結晶であり、哺乳類や両生類が摂取した過剰窒素分を排出する形態としても知られるものである。
一方、カルバミドは、水になじみやすく保湿作用を有することから、化粧品の原料としても利用され、また国によっては食品添加物としても利用されている。
本発明の肉質改良剤に上記(A)カルバミドを含有させるには、カルバミドの製剤そのものを用いてもよく、またカルバミドを含有する飲食品を用いてもよい。このようなカルバミドを含有する飲食品としては、例えば、チーズホエー等の乳原料を挙げることができる。
本発明の肉質改良剤は、上記(A)カルバミドをそのまま単独で使用してもよく、また各種の添加剤と混合して、常法により粉体、顆粒状、錠剤、液剤等の形状に製剤化して使用してもよい。これらの製剤中の上記(A)カルバミドの含有量は、固形分として、好ましくは0.05〜100質量%、より好ましくは1〜90質量%、更に好ましくは3〜70質量%、最も好ましくは5〜50質量%である。
本発明の肉質改良剤において、カルバミドの含有量が固形分として0.05質量%よりも少ないと有効成分が少なすぎるため本発明の効果が発揮できない。
本発明の肉質改良剤においては、上記(A)カルバミドに加えて、(B)有機酸又は有機酸塩を含有することが、より本発明の効果を高めることができる点、及び、本発明の肉質改良剤を浸漬液やピックル液等の液状の形態で肉に適用する際に、pH調整せずとも水で溶解・希釈するだけで、浸漬液やピックル液として好ましいpHとすることも可能である点で好ましい。
上記(B)有機酸又は有機酸塩の好ましい含有量は、上記(A)カルバミドと、上記(B)有機酸又は有機酸塩の合計量の質量比が、(A):(B)=5〜95:95〜5となる量であることが好ましく、7〜90:93〜10がより好ましく、15〜70:85〜30が最も好ましい。
上記有機酸としては、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられ、上記有機酸塩としては、これら有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
本発明では上記有機酸として乳酸を使用することがより良好な肉質の改善効果が得られることに加え風味のよい肉製品が得られる点で好ましい。
本発明の肉質改良剤は(C)カリウムを含有することが畜肉、獣肉又は魚肉に対する浸透性が高まる点、及び、畜肉、獣肉又は魚肉におけるもっとも含量の高いミネラルであることから、風味に影響がない点から好ましい。
本発明において上記(C)カリウム源となる配合材料としては、クエン酸カリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、しゅう酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、塩化カリウム等の無機カリウム塩及び有機酸カリウム塩が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記(C)カリウムの好ましい含有量は、上記(A)カルバミドと、上記(C)カリウムの質量比が、(A):(C)=5〜95:95〜5となる量であることが好ましく、15〜90:85〜10がより好ましく、15〜60:85〜40が最も好ましい。
本発明の肉質改良剤は、上記有効成分((A)カルバミド、(B)有機酸又は有機酸塩及び(C)カリウム)のみからなるものであってもよく、また各種の添加剤と混合して、常法により粉体、顆粒状、錠剤、液剤等の形状に製剤化して使用してもよい。これらの製剤中の上記有効成分((A)カルバミド、(B)有機酸又は有機酸塩及び(C)カリウム)の含有量は、固形分として、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜100質量%、更に好ましくは10〜100質量%である。
粉体、顆粒状、錠剤等の形状に製剤化するための添加剤としては、アルギン酸類、ペクチン、海藻多糖類、カルボキシメチルセルロース等の増粘多糖類や、乳糖、でんぷん、二酸化ケイ素等の賦形剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、ステビア等の甘味料、微粒二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、リン酸二ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の固結防止剤、ビタミン類、香料、酸化防止剤、光沢剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上のものが適宜選択して用いられる。本発明の肉質改良剤中における上記各種添加剤の含有量は、添加剤の種類によって異なるが、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
液剤の形状に製剤化する場合は、液体に溶解又は分散させることにより得られる。そのような液体としては、水、エタノール、プロピレングリコール等が挙げられる。本発明の肉質改良剤中における上記液体の含有量は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
本発明の肉質改良剤は、本発明の効果を阻害しない範囲(上記有効成分100質量部に対して好ましくは50質量部以下)において、上記製剤化のための添加剤以外に、他の品質改良剤や添加剤と併用することができる。
これらの例としては各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等の油脂;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リポキシシゲナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ等の酵素、有機酸以外の酸、重炭安等のアルカリ、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、コンソメ、ブイヨン等の植物及び動物エキス、着香料、調味料、酒類、糖類や糖アルコール類、甘味料、デキストリン、オリゴ糖、ゲル化剤や増粘安定剤、卵類、乳や乳製品、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果汁、香辛料、ハーブ等が挙げられる。
但し、酵素、特にプロテアーゼについては、酵素作用の温度や時間の調節が難しいため肉製品を一定の品質とすることが難しく、また、ある程度の苦味や異味の発生が見られるという問題もあるため、使用しないことが好ましい。
本発明の肉質改良剤が油脂を含有する場合は、ショートニング等の油脂や、マーガリン等のW/O型乳化物、クリーム、マヨネーズ等のO/W型乳化物中に添加分散又は溶解した形態とすることもできる。
本発明の肉質改良剤の製造方法は特に制限されず、粉体等の固体原料、液体原料等を任意に混合又は溶解することができる。また、一度水溶液とした後に溶媒を留去し、均一に調製することももちろん可能である。
次に本発明の肉製品について述べる。
本発明の肉製品は、畜肉、獣肉又は魚肉に対し、上記本発明の肉質改良剤を添加して製造した食品である。
具体的には、例えば生ハム、焼肉、ステーキ、煮物、蒸物、から揚げ、竜田揚げ、素揚げ、くんせい、豚の角煮、ローストビーフ、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、ミートパテ、チキンナゲット、ミートコロッケ、メンチカツ、チキン南蛮、シュウマイの具、餃子の具、肉まんの具、牛丼の具、つくね、ハム、ハムステーキ、ソーセージ、刺身、焼き魚、煮魚、魚フライ、干魚、かまぼこ、つみれ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ、塩辛、佃煮、珍味等があげられるが、中でも本発明の効果が高い点で、焼肉、ステーキ、煮物、蒸物、から揚げ、竜田揚げ、素揚げ、くんせい、豚の角煮、ローストビーフ、チキンナゲット、チキン南蛮、牛丼の具、ハム、ハムステーキ、塩辛、佃煮等のすりつぶしやミンチ加工していない状態の畜肉、獣肉又は魚肉を使用する肉製品であることが好ましい。
上記の畜肉、獣肉又は魚肉に対する、本発明の肉質改良剤の添加量は、特に限定されず、使用する畜肉、獣肉又は魚肉や、求める食感改良効果の強さに応じて適宜決定されるが、畜肉、獣肉又は魚肉100質量部に対し、肉質改良剤に含まれる(A)カルバミドとして、0.0000001〜2質量部、より好ましくは0.000001〜0.5質量部、更に好ましくは0.00001〜0.1質量部である。0.0000001質量部未満、又は2質量部を超えると、肉質改良効果が認められ難く、また2質量部を超えると、異味が感じられるおそれがある。
上記畜肉又は獣肉の種類としては牛、豚、鶏、羊、馬、鹿、兎、猪、熊等の畜肉や獣肉を挙げることができ、魚肉の種類としてはサケ、スケトウダラ、ホキ、タイ、マグロ、カジキ、イワシ、サバ、アジ、サンマ、ウナギ、ハモ、タチウオ、コイ、フナ等の魚類をはじめ、アザラシ、鯨等の海獣類等の海産魚介類、タコ、イカ等の軟体動物類、オキアミ、イセエビ、エビ等の海産甲殻類等を挙げることができる。
上記畜肉、獣肉又は魚肉の形態としては、ブロック、スライス、切り身、サイの目、ミンチ、スティック、細切、スリ身その他の肉塊や骨付きの肉塊等が用いられるが、高い肉質改良効果が得られる点から、ブロック、スライス、サイの目、スティック、細切であることが好ましく、特に好ましくは表面から内部まで均質な肉質改良効果が得られる点でスライス品を使用する。
また、上記畜肉、獣肉又は魚肉は、生肉に限られず、冷凍品、冷凍解凍品、冷蔵品、チルド品であってもよく、また、成形肉や脂肪注入肉であってもよい。また、上記畜肉、獣肉又は魚肉は、2種以上の畜肉、獣肉又は魚肉を混合して用いてもよい。
上記畜肉、獣肉又は魚肉に対する、本発明の肉質改良剤の添加方法としては特に限定されず、畜肉、獣肉又は魚肉を使用して肉製品を製造する際の加工時、調理時、飲食時等に、畜肉、獣肉又は魚肉に混合、散布、噴霧、注入、浸漬等、任意の手段により行なわれる。
具体的には、肉質改良剤を添加した浸漬液に畜肉、獣肉又は魚肉を漬けた後に必要に応じミンチやスライス等の加工をした後に焼く、煮る、フライする等の調理を行う方法や、調理前に本発明の肉質改良剤を散布、噴霧、注入する方法、フライする際に使用するバッター液中に本発明の肉質改良剤を添加しておく方法、煮物を製造する際の煮込み汁に本発明の肉質改良剤を添加しておく方法、練製品の製造時に原材料の1つとして本発明の肉質改良剤を添加する方法、等が挙げられるが、浸漬液を使用する方法であることが安定した効果が得られる点で好ましい。
また、ミンチ肉や成形肉を製造する際に本発明の肉質改良剤を添加する方法、ピックル液に本発明の肉質改良剤を添加する方法によっても可能である。
本発明の肉質改良剤の添加方法として、浸漬液、バッター液又は煮込み汁を使用する方法の場合、液中のカルバミドの濃度は、0.00001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.0001〜1質量%、更に好ましくは0.001〜0.3質量%である。0.00001質量%未満であると、畜肉、獣肉又は魚肉に上記カルバミド含量とすることができず、5質量%を超えると畜肉、獣肉又は魚肉中にカルバミドの濃度勾配を生じ、得られる肉製品の食感が均質でなくなってしまうおそれがある。
また、浸漬液、バッター液又は煮込み汁を使用する方法の場合、油脂、乳化剤、たんぱく質分解酵素等の公知の肉質改良剤を併用してもよく、また、ヨーグルト、牛乳等の乳や乳製品、醤油、だし、みりん、塩、酒等の調味成分を添加してもよいが、たんぱく質分解酵素については上述のとおり使用しないことが好ましい。
また、浸漬液、バッター液又は煮込み汁を使用する方法の場合、pH3〜7、好ましくはpH3〜6とすることが好ましい。pH3未満であると、酸味が感じられやすくなり、pH7超であると、アルカリ変性が起きたり、風味に違和感を来すおそれがある。
また、浸漬液、バッター液又は煮込み汁を使用する方法の場合、好ましい接触時間は1分〜24時間であり、より好ましくは10分〜2時間である。
次に、本発明の肉質改良方法について述べる。
本発明の肉質改良方法は、肉製品を製造する際に、畜肉、獣肉又は魚肉に対し、上記本発明の肉質改良剤を添加して製造するものであり、肉製品の味質を維持したまま肉質を改善するものである。
尚、上記肉質改良剤の畜肉、獣肉又は魚肉への添加方法や添加量は上述のとおりである。
<肉質改良剤の調製>
〔実施例1〜9及び比較例1〕
カルバミド10質量%水溶液、乳酸50質量%水溶液、乳酸ナトリウム50質量%水溶液、塩化カリウム及び水を[表1]に記載した配合で混合し、本発明の肉質改良剤A〜I及び比較の肉質改良剤である肉質改良剤Jを調製した。
得られた肉質改良剤は下述の評価試験1(焼き魚)、評価試験2(ステーキ)に供した。
Figure 0006412738
<肉製品の製造・評価>
[評価試験1]
鯖の切り身を、上記肉質改良剤A〜Jをそれぞれカルバミド含量が0.002質量%となる量を水に溶解した浸漬液に2時間浸漬したのち、常法により塩焼きした。尚、浸漬液を使用せずに塩焼きしたものも比較のために用意した。
得られた鯖の塩焼きは室温で30分放冷したあと喫食し、食感を評価した。評価は11人のパネラーに対し、浸漬液を使用せずに塩焼きしたものと比較して、どちらが食感(軟らかさ・口溶け)が良かったかを「肉質改良剤を使用したものが明らかに良好」「肉質改良剤を使用したものがやや良好」「肉質改良剤を使用したものと差がない」「肉質改良剤を使用したものが悪い」の4段階評価してもらい、下記の評価基準にしたがって数値化した点数を表2に記載した。
(評価基準)
「肉質改良剤を使用したものが明らかに良好」=5点、「肉質改良剤を使用したものがやや良好」=3点、「肉質改良剤を使用したものと差がない」=1点、「肉質改良剤を使用したものが悪い」=−1点とし、11人のパネラーの合計点数を下記の評価基準にあてはめた。
◎=45点以上
○+=34点以上44点以下
○=23点以上33点以下
○−=12点以上22点以下
△=1点以上11点以下
×=0点以下
Figure 0006412738
[評価試験2]
アメリカ産ステーキ用牛肉に、上記肉質改良剤A〜J 0.1質量部をそれぞれ水99.9質量部に溶解した浸漬液に2時間浸漬したのち、常法によりフライパンに油をひいてソテーした。なお、浸漬液を使用せずに焼成したものも比較のために用意した。
得られた牛肉のステーキは室温で30分放冷したあと喫食し、食感を評価した。評価は15人のパネラーに対し、浸漬液を使用せずにソテーしたものと比較して、どちらが食感(軟らかさ・口溶け)が良かったかを「肉質改良剤を使用したものが明らかに良好」「肉質改良剤を使用したものがやや良好」「肉質改良剤を使用したものと差がない」「肉質改良剤を使用したものが悪い」の4段階評価してもらい、下記の評価基準にしたがって数値化した点数を表3に記載した。
(評価基準)
「肉質改良剤を使用したものが明らかに良好」=5点、「肉質改良剤を使用したものがやや良好」=3点、「肉質改良剤を使用したものと差がない」=1点、「肉質改良剤を使用したものが悪い」=−1点とし、15人のパネラーの合計点数を下記の評価基準にあてはめた。
◎=61点以上
○+=46点以上60点以下
○=31点以上45点以下
○−=16点以上30点以下
△=1点以上15点以下
×=0点以下
Figure 0006412738
〔実施例8〕
鶏胸肉に包丁を入れて2つに開いて平板状とし、これを、上記肉質改良剤C 20質量部を水80質量部に溶解した浸漬液に10分浸漬した。その後、「マキシマム」(中村食品製)を少量振ったあと、片栗粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、再度片栗粉をまぶした。180℃に加温したナタネ油でフライしたのち、甘酢をくぐらせ、本発明の肉製品であるチキン南蛮を得た。なお、浸漬液を使用せずにフライしたものも比較のために用意した。
得られたチキン南蛮は室温で30分放冷したあと喫食し、食感を評価したところ、本発明の肉質改良剤を使用したチキン南蛮は、肉質改良剤を使用しなかったチキン南蛮に比べて肉質が軟らかくて口溶けのよいものであった。
[実施例9]
市販のモツ鍋スープ100質量部に上記肉質改良剤B0.4質量部を添加、溶解した(PH=5.5)。この肉質改良剤を含有するモツ鍋スープ750gを鍋に入れ、鳥モツのぶつ切り400g、キャベツ500g、ニラ300g、たまねぎ200gを入れて15分間煮込んだ。ここで鳥モツを引上げ食したところ、軟らかく口どけのよい食感であった。
〔実施例10〕
鶏胸肉300gに包丁を入れて2つに開いて平板状とし、これを、上記肉質改良剤I 0.025質量部、塩2.5質量部、醤油41.025質量部、料理酒36.5質量部、ごま油12質量部、おろし生姜7.5質量部を混合した浸漬液(pH4.5)に3時間浸漬した。その後、小麦粉:片栗粉=4:1の混合物をまぶし、180℃に加温したナタネ油でフライし、本発明の肉製品である鶏のから揚げを得た。なお、肉質改良剤を添加せずにフライしたものも比較のために用意した。
得られた鶏のから揚げは室温で30分放冷したあと喫食し、食感を評価したところ、本発明の肉質改良剤を使用した鶏のから揚げは、肉質改良剤を使用しなかった鶏のから揚げに比べて肉質が軟らかくて口溶けのよいものであった。
〔実施例11〕
牛こまぎれ肉150g及びくし型切りにしたたまねぎ400gを、上記肉質改良剤D 5質量部、砂糖10質量部、醤油50質量部を、水200質量部に溶解した煮込み汁(pH4.9)に投入し、弱火で5分間煮た後、水分を切ってから丼ご飯の上に積置し、牛丼を得た。なお、肉質改良剤を添加せずに煮たものも比較のために用意した。
得られた牛丼を喫食し、食感を評価したところ、本発明の肉質改良剤を使用した牛丼は、肉質改良剤を使用しなかった牛丼に比べて肉質が軟らかくて口溶けのよいものであった。
[実施例12]
水100質量部に、上記肉質改良剤H 5質量部、全卵(正味)60質量部、小麦粉100質量部を添加、溶解し、クエン酸でpH5となるように調整し、バッター液を得た。ここにサケの切り身を5分間浸漬後、パン粉を付着させ、180℃に加温したナタネ油でフライし、本発明の肉製品であるサケフライを得た。なお、肉質改良剤を含有しないバッター液を使用したものも比較のために用意した。
得られたサケフライを喫食し、食感を評価したところ、本発明の肉質改良剤を使用したサケフライは、肉質改良剤を使用しなかったサケフライに比べて肉質が軟らかくて口溶けのよいものであった。
[実施例13]
市販のプレーンヨーグルト100質量部に上記肉質改良剤A 0.01質量部を添加、溶解した(pH=4.8)。鶏の胸肉100gに対しこの肉質改良剤を含有するプレーンヨーグルト5gを塗布し、袋に入れて5℃で10時間静置した。オリーブオイルを張ったフライパンにおろしにんにく1.5gを加えて熱し、ここに上記プレーンヨーグルトを塗布して10時間静置した鶏の胸肉を置きソテーし、本発明の肉製品である鶏のガーリックソテーを得た。なお、肉質改良剤を含有しないプレーンヨーグルトを使用したものも比較のために用意した。
得られた鶏のガーリックソテーを喫食し、食感を評価したところ、本発明の肉質改良剤を使用した鶏のガーリックソテーは、肉質改良剤を使用しなかった鶏のガーリックソテーに比べて肉質が軟らかくて口溶けのよいものであった。

Claims (5)

  1. (A)カルバミドを有効成分とする肉質改良剤を肉製品に使用する肉製品の食感改良方法であって、肉質改良剤の添加方法が、カルバミドの濃度が0.00001〜5質量%である浸漬液、バッター液又は煮込み汁を使用する方法である、肉製品の食感改良方法。
  2. 更に、肉質改良剤が、(B)有機酸又は有機酸塩を含有する、請求項1記載の肉製品の食感改良方法。
  3. 上記有機酸が、乳酸であることを特徴とする、請求項2記載の肉製品の食感改良方法。
  4. 上記肉質改良剤における、上記(A)カルバミドと、(B)有機酸又は有機酸塩の合計が、質量比で(A):(B)=95〜5:5〜95である、請求項1〜3の何れか一項に記載の肉製品の食感改良方法。
  5. 更に、肉質改良剤が、(C)カリウムを含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の肉製品の食感改良方法。
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