JP6411788B2 - 吊り治具 - Google Patents

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Description

本発明は、バルコニーユニットを吊り上げるための吊り治具に関する。
従来、予め工場で製造された複数の建物ユニットを建築現場で相互に接合するユニット式建物が利用されている。このようなユニット式建物によれば、建物の内外装等の殆ど全ての作業が工場で行われるため、建築現場での作業が軽減され、短期間で建物を完成することができる。
ユニット式建物にバルコニーを設ける場合、床部と手摺壁部とを有する断面L字型のバルコニーユニットを予め工場で製造し、このバルコニーユニットを建築現場で建物本体に接合することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−018411号公報
ところで、バルコニーユニットの手摺壁には、厚みがあって重量の大きい外壁材が用いられる場合がある。このようなバルコニーユニットを、例えばバルコニー床部の四つのコーナー部分に吊りワイヤーを係止した状態で吊り上げてしまうと、バルコニーユニット自体が重量のある手摺壁側に傾いてしまう場合がある。このように傾いてしまうと、運搬作業や施工が困難となる場合がある。また、バルコニーユニットのいずれか三箇所に吊りワイヤーを係止して吊り上げる場合であっても、バルコニーユニットが傾く可能性がある。
また、このように外壁材が重量物であるため、輸送時において、バルコニー床部と手摺壁との間の接合部分等には、振動等により大きな負荷がかかる場合がある。
本発明の課題は、輸送時においてバルコニーユニットを補強するとともに、吊り上げ時においてバルコニーユニットの傾きを確実に防ぐことである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1、図3及び図4に示すように、
平面視矩形状の床部2と、当該床部2の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁3と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニット1に取り付けられ、当該バルコニーユニット1の吊り上げ作業に用いられる吊り治具10であって、
前記手摺壁3の上端部において前記床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、
両端部がそれぞれ前記二つの横材11の先端部に接続され、前記床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、
前記床部2に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材11及び前記梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備え、
前記枠状部17又は手摺壁3の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー9係止用の吊り金具15を取り付けるための吊り金具取付部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項1に記載の発明は、
前記梁材13の両端部はそれぞれ、前記縦材12の上端部を介して前記横材11に接続され、
前記枠状部17は、少なくとも前記二つの横材11、前記梁材13及び前記二つの縦材12の上端部で構成され、
前記吊り金具取付部は、前記二つの横材11の基端部にそれぞれ設けられた第1吊り金具取付部116と、前記二つの縦材12の上端部にそれぞれ設けられた第2吊り金具取付部124と、であることを特徴とする。
加えて、請求項1に記載の発明は、
前記横材11は、ウェブ111及びフランジ112、113を有し前記バルコニーユニット1の側方に開口する溝型鋼で形成され、
前記第1吊り金具取付部116は、前記溝型鋼の前記ウェブ111の外面に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、平面視矩形状の床部2と、当該床部2の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁3と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニット1に取り付けられ、当該バルコニーユニット1の吊り上げ作業に用いられる吊り治具10が、手摺壁3の上端部において床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、両端部がそれぞれ二つの横材11の先端部に接続され、床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、床部2に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも二つの横材11及び梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備えているので、バルコニーユニット1と吊り治具10とを、略直方体状をなすように組み合わせることができ、床部2と手摺壁3との間の接合部分等を補強することができる。これによって、例えば輸送時において床部2と手摺壁3との間の接合部分等に大きな負荷がかかったとしても、吊り治具10が支えとなり、バルコニーユニット1の破損を確実に防止することができる。
また、少なくとも二つの横材11及び梁材13で構成される枠状部17又は手摺壁3の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー9係止用の吊り金具15を取り付けるための吊り金具取付部が設けられているため、計四つの吊り金具15が互いに床部2に対して略同じ高さに配置され、且つ当該四つの吊り金具15が手摺壁3の上端部と略同じ高さに配置されるため、バルコニーユニット1を吊り上げた際に、このバルコニーユニット1が重量のある手摺壁3側に傾くことを確実に防ぐことができる。これによって、バルコニーユニットの運搬作業や施工を容易に行うことができる。更に、床部2と手摺壁3との間の接合部分にも、吊り上げ時の力がかかりにくくなる。
しかも、工場等で製造されたバルコニーユニット1に吊り治具10を取り付け、この吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を輸送車両の荷台に運搬し、補強を兼ねて吊り治具10を取り付けたまま輸送し、現場では吊り治具10を用いて吊り上げてバルコニーユニット1の施工を行うことができる。すなわち、バルコニーユニット1が工場等で製造されてから、現場で建物本体に接合されるまでの間の作業効率を向上させることができるので、利便性に優れる。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、第1吊り金具取付部116が、手摺壁3に取り付けられる二つの横材11の基端部に設けられ、第2吊り金具取付部124が、床部2に立設して取り付けられた二つの縦材12の上端部に設けられているので、吊り金具15は手摺壁3に対して直接的に取り付けられるものではない。このため、手摺壁3の上端部に笠木が設けられていたり、手摺壁3の内側に内壁材が設けられていたりしても、当該バルコニーユニット1に吊り治具10を取り付けて、バルコニーユニット1を吊り上げることができる。
また、横材11の基端部は手摺壁3に取り付けられている箇所であり、縦材12は床部2に対して立設して取り付けられている部材であるため、横材11の基端部及び縦材12の上端部は上向きの力に対して耐久性が高く、バルコニーユニット1を吊り上げた際に第1及び第2吊り金具取付部116、124に負荷がかかっても、吊り治具10を構成する各部材が変形する等の破損をより効果的に防止することができる。
加えて、請求項1に記載の発明によれば、吊り上げ時に上向きの力がかかる第1吊り金具取付部116が、鉛直に配置されたウェブ111の外面に設けられた状態となるので、吊り上げ時に横材11の第1吊り金具取付部116が設けられている箇所にかかる力を効果的に分散できる。これによって、吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を吊り上げた際に横材11の基端部が変形してねじれてしまうことをより確実に防止することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1、図3及び図4に示すように、
平面視矩形状の床部2と、当該床部2の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁3と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニット1に取り付けられ、当該バルコニーユニット1の吊り上げ作業に用いられる吊り治具10であって、
前記手摺壁3の上端部において前記床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、
両端部がそれぞれ前記二つの横材11の先端部に接続され、前記床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、
前記床部2に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材11及び前記梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備え、
前記枠状部17又は手摺壁3の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー9係止用の吊り金具15を取り付けるための吊り金具取付部が設けられていることを特徴とする。
前記梁材13の両端部はそれぞれ、前記縦材12の上端部を介して前記横材11に接続され、
前記枠状部17は、少なくとも前記二つの横材11、前記梁材13及び前記二つの縦材12の上端部で構成され、
前記吊り金具取付部は、前記二つの横材11の基端部にそれぞれ設けられた第1吊り金具取付部116と、前記二つの縦材12の上端部にそれぞれ設けられた第2吊り金具取付部124と、であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、例えば図5に示すように、
両端部がそれぞれ前記二つの横材11の基端部に接続され、前記手摺壁3に沿って設けられる第2梁材18を更に備え、
前記枠状部17は、少なくとも前記二つの横材11、前記梁材13及び前記第2梁材18を有して平面視矩形状に構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第2梁材18の両端部が二つの横材11の基端部に接続されて設けられているため、二つの横材11が梁材13及び第2梁材18によって支えられ、吊り治具10Aの耐久性を向上することができる。これにより、バルコニーユニット1の破損をより確実に防止することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1、図3及び図4に示すように、
平面視矩形状の床部2と、当該床部2の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁3と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニット1に取り付けられ、当該バルコニーユニット1の吊り上げ作業に用いられる吊り治具10であって、
前記手摺壁3の上端部において前記床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、
両端部がそれぞれ前記二つの横材11の先端部に接続され、前記床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、
前記床部2に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材11及び前記梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備え、
前記枠状部17又は手摺壁3の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー9係止用の吊り金具15を取り付けるための吊り金具取付部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、吊り治具10において、
前記二つの縦材12は、前記床部2の長手方向において前記二つの横材11よりも内側に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、二つの縦材12が、床部2の長手方向において二つの横材11よりも内側に設けられているので、床部2の短手方向両側縁部に、枠状部17よりも高さの低い他の部材が設けられている構成のバルコニーユニット1に対しても、当該他の部材を避けて吊り治具10を取り付けることができる。したがって、そのような構成のバルコニーユニット1であっても運搬作業や施工を容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1、図3及び図4に示すように、
平面視矩形状の床部2と、当該床部2の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁3と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニット1に取り付けられ、当該バルコニーユニット1の吊り上げ作業に用いられる吊り治具10であって、
前記手摺壁3の上端部において前記床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、
両端部がそれぞれ前記二つの横材11の先端部に接続され、前記床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、
前記床部2に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材11及び前記梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備え、
前記枠状部17又は手摺壁3の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー9係止用の吊り金具15を取り付けるための吊り金具取付部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、
前記梁材13の両端部はそれぞれ、前記縦材12の上端部を介して前記横材11に接続され、
前記枠状部17は、少なくとも前記二つの横材11、前記梁材13及び前記二つの縦材12の上端部で構成され、
前記吊り金具取付部は、前記二つの横材11の基端部にそれぞれ設けられた第1吊り金具取付部116と、前記二つの縦材12の上端部にそれぞれ設けられた第2吊り金具取付部124と、であることを特徴とする。
加えて、請求項4に記載の発明は、吊り治具10において、
前記二つの縦材12は、前記床部2の長手方向において前記二つの横材11よりも内側に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、第1吊り金具取付部116が、手摺壁3に取り付けられる二つの横材11の基端部に設けられ、第2吊り金具取付部124が、床部2に立設して取り付けられた二つの縦材12の上端部に設けられているので、吊り金具15は手摺壁3に対して直接的に取り付けられるものではない。このため、手摺壁3の上端部に笠木が設けられていたり、手摺壁3の内側に内壁材が設けられていたりしても、当該バルコニーユニット1に吊り治具10を取り付けて、バルコニーユニット1を吊り上げることができる。
また、横材11の基端部は手摺壁3に取り付けられている箇所であり、縦材12は床部2に対して立設して取り付けられている部材であるため、横材11の基端部及び縦材12の上端部は上向きの力に対して耐久性が高く、バルコニーユニット1を吊り上げた際に第1及び第2吊り金具取付部116、124に負荷がかかっても、吊り治具10を構成する各部材が変形する等の破損をより効果的に防止することができる。
加えて、請求項4に記載の発明によれば、二つの縦材12が、床部2の長手方向において二つの横材11よりも内側に設けられているので、床部2の短手方向両側縁部に、枠状部17よりも高さの低い他の部材が設けられている構成のバルコニーユニット1に対しても、当該他の部材を避けて吊り治具10を取り付けることができる。したがって、そのような構成のバルコニーユニット1であっても運搬作業や施工を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1及び図3に示すように、請求項1又は2に記載の吊り治具10において、
前記二つの縦材12は、前記床部2の長手方向において前記二つの横材11よりも内側に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、二つの縦材12が、床部2の長手方向において二つの横材11よりも内側に設けられているので、床部2の短手方向両側縁部に、枠状部17よりも高さの低い他の部材が設けられている構成のバルコニーユニット1に対しても、当該他の部材を避けて吊り治具10を取り付けることができる。したがって、そのような構成のバルコニーユニット1であっても運搬作業や施工を容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図1及び図3に示すように、請求項3から5のいずれか一項に記載の吊り治具10において、
前記床部2の短手方向両側縁部には、立ち上がり壁4が設けられ、
前記二つの縦材12は、前記床部2の長手方向において前記二つの横材11よりも前記立ち上がり壁4の厚さ分だけ内側に設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、床部2の短手方向両側縁部に、立ち上がり壁4が設けられ、二つの縦材12が、床部2の長手方向において二つの横材11よりも立ち上がり壁4の厚さ分だけ内側に設けられているので、当該立ち上がり壁4を避けて吊り治具10を取り付けることができる。したがって、床部2の短手方向両縁部に立ち上がり壁4が設けられた構成のバルコニーユニット1であっても運搬作業や施工を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明は、例えば図2及び図4に示すように、請求項1から6のいずれか一項に記載の吊り治具10において、
前記縦材12の下端部には、前記床部2の上面に載置固定される固定プレート121が一体的に設けられており、
前記固定プレート121には、前記床部2の縦材固定部22に形成されるボルト孔22aに対応するボルト孔が形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、縦材12の下端部に、床部2の上面に載置固定される固定プレート121が一体的に設けられており、当該固定プレート121に、床部2の縦材固定部22に形成されるボルト孔22aに対応するボルト孔が形成されているので、縦材12を、床部2上に確実かつ強固に立設させることができる。これによって、吊り治具10及びバルコニーユニット1を補強することができる。
請求項8に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項7に記載の吊り治具10において、
前記縦材12の下端部側面には、前記固定プレート121を露出させるための作業用開口部123が形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、縦材12の下端部側面に、固定プレート121を露出させるための作業用開口部123が形成されているので、この作業用開口部123から手や工具を入れることができ、この固定プレート121と床部2とを確実かつ容易に接合させることができる。
本発明によれば、輸送時においてバルコニーユニットを補強するとともに、吊り上げ時においてバルコニーユニットの傾きを確実に防ぐことができる。
本発明の吊り治具がバルコニーユニットに取り付けられ、当該バルコニーユニットが吊り上げられた状態を示す斜視図である。 バルコニーユニットの床部の一部を示す概略平面図である。 本発明の吊り治具がバルコニーユニットに取り付けられた状態の概略平面図である。 図3におけるIV-IV線に沿った面の矢視断面図である。 変形例の吊り治具がバルコニーユニットに取り付けられ、当該バルコニーユニットが吊り上げられた状態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本発明の吊り治具10が取り付けられるバルコニーユニット1について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、吊り治具10がバルコニーユニット1に取り付けられ、この吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を吊り上げた状態を示す斜視図である。図2は、床部2の一部を示す概略平面図である。なお、図2においては、吊り治具10及び床材21を省略して示している。
バルコニーユニット1は、平面視矩形状の床部2と、この床部2の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁3と、床部2の短手方向の両側縁部に設けられる立ち上がり壁4と、を有し、側断面視L字型に形成されている。バルコニーユニット1には吊り治具10が取り付けられ、吊りワイヤー9により吊り上げられる。
バルコニーユニット1の床部2は、図1及び図2に示すように、枠体20と、床材21とを備えている。
枠体20は、複数の床枠材によって矩形枠状に組み立てられた矩形枠の内部に、根太や補強桟材等の複数の床構成材を組み付けることによって形成されている。なお、床枠材には断面コ字型の溝型鋼が用いられている。
また、枠体20の内周面には、後述する吊り治具10の縦材12の下端部が固定される縦材固定部22が設けられている。縦材固定部22は、枠体20の長手方向の両側縁のうち手摺壁3とは反対側の側縁部に二つ設けられ、枠体20の長手方向両端部よりも内側に配置され、且つ当該長手方向において後述する二つの横材11よりも内側に設けられている。また、二つの縦材固定部22は、後述する縦材12の取り付け位置に対応する位置に設けられている。当該縦材固定部22には、図2に示すように、ボルト孔22aが形成されている。
また、床材21は、枠体20及び縦材固定部22の上面に敷設されて、バルコニーユニット1の床面を構成している。
手摺壁3は、例えば、枠体20の長手方向の一側縁部の上面に、該枠体20の長手方向に間隔をあけて複数の支柱が立設され、当該複数の支柱の上端同士が頭つなぎによって連結され、当該複数の支柱の外部側に外壁材が取り付けられて構成されている。手摺壁3を構成する頭つなぎ及び外壁材の上端部には、高さ調整材や笠木等が設けられているものとしても良い。
手摺壁3を構成する外壁材としては、PALC(プレキャストオートクレーブド軽量気泡コンクリート)等のコンクリート製の外壁材が用いられている。このようなコンクリート製の外壁材は重量物であるものの、耐火性に優れ、バルコニーユニット1だけでなく、このバルコニーユニット1が取り付けられる建物本体の外壁材としても用いられている。
立ち上がり壁4は、上記手摺壁3の外壁材として用いられるPALC等のコンクリートで構成されている。バルコニーユニット1が建物本体に取り付けられた後に、立ち上がり壁4の上端部には、ガラス面材と当該ガラス面材の上端部に設けられる手摺とを備えたガラス手摺(図示略)が取り付けられる。
なお、上述のバルコニーユニット1は、手摺壁3が平面視において直線状に形成されたものであり、立ち上がり壁4が設けられている代わりに、該バルコニーユニット1の両側に、別のバルコニーユニットを連結できるような構成となっていても良い。別のバルコニーユニットとしては、上述のバルコニーユニット1と同じく手摺壁3が直線状のものでも良いし、手摺壁が平面視L字型に形成されたものでも良い。
バルコニーユニット1を吊り上げる吊りワイヤー9は、図1に示すように、1本のメインワイヤー9aと、この1本のメインワイヤー9aの先端部(図1では下端部)から分岐する4本のサブワイヤー9bとを備えており、メインワイヤー9aがクレーン等に係止され、4本のサブワイヤー9bが後述する四つの吊り金具15にそれぞれ係止されている。
続いて、上記バルコニーユニット1に取り付けられる本発明の吊り治具10について、図1〜図4を参照して説明する。
図3は、バルコニーユニット1に取り付けられた状態の吊り治具10の概略平面図である。図4は、図3に示すIV-IV線に沿った面の矢視断面図であって、吊り治具10の側断面図である。なお、図4においては、床材21や床部2を構成する部材の一部を省略して示している。
吊り治具10は、図1〜図4に示すように、手摺壁3の上端部において床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、両端部がそれぞれ二つの横材11の先端部に接続され、床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、床部2に立設して取り付けられ、少なくとも二つの横材11及び梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備えている。
横材11は、手摺壁3の上端部において、床部2の長手方向両端部にそれぞれ取り付けられ、床部2の短手方向(手摺壁3に対して略垂直方向)に沿って延在する部材である。横材11としては、ウェブ111及びフランジ112、113を有する断面コ字型の溝型鋼が用いられ、当該横材11はバルコニーユニット1の側方に向けて開口するように配置されている。また、横材11の基端部は閉塞されて端面114を形成し、当該端面114には複数のボルト孔(図示略)が形成されている。当該ボルト孔にボルト115が挿通されることによって、横材11の基端部が手摺壁3にボルト接合されている。また、横材11がバルコニーユニット1の側方に向けて開口するように配置されているため、端面114の手摺壁3に対する接合作業が容易になる。
横材11の基端部には、ウェブ111の外面に第1吊り金具取付部116が設けられている。第1吊り金具取付部116は、横材11のウェブ111の外面に対し溶接等により接合されている。第1吊り金具取付部116の上面には、吊り金具15挿入用のボルト孔(図示略)が形成され、第1吊り金具取付部116の内部には吊り金具15に螺合するナット(図示略)が設けられており、これにより、第1吊り金具取付部116に吊り金具15が固定されている。
ここで、吊り金具15としては、頭部が環状に形成され、軸部にネジ山が形成されたアイボルトが用いられている。また、吊り金具15としては、アイボルトに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。なお、吊り金具15の環状部分の向きはいずれの向きであっても良く、特に限定されるものではない。
横材11のウェブ111の外面に第1吊り金具取付部116が設けられていることにより、横材11のフランジ112の外面に第1吊り金具取付部116が設けられている場合に比べて、横材11の耐久性を向上させることができる。すなわち、ウェブ111の外面に第1吊り金具取付部116が設けられていることで、吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を吊り上げた際に、横材11がバルコニーユニット1の荷重によって変形してねじれてしまうことをより確実に防止することができる。
縦材12は、床部2の長手方向の他側縁部の2箇所において床部2に対して略垂直方向に立設して取り付けられ、それぞれ上端部が横材11に接続されている部材である。縦材12としては、いわゆる角型鋼管が用いられている。
縦材12の下端部には固定プレート121が溶接等により固定されて一体的に設けられ、縦材12の下端部を閉塞する下端面を構成している。当該固定プレート121には、床部2の縦材固定部22のボルト孔22aに対応するボルト孔(図示略)が形成されている。また、固定プレート121のボルト孔に床材21を介してボルト122が挿通され、縦材固定部22の下部に設けられるナット(図示略)に螺合することで、縦材12と床部2とがボルト接合されている。これにより、縦材12が床部2の上面に載置固定されている。また、床部2の縦材固定部22が床部2の長手方向において二つの横材11よりも内側に設けられていることによって、二つの縦材12は床部2の長手方向において二つの横材11よりも内側に設けられているが、バルコニーユニット1を安定的に吊り上げる観点から、床部2の長手方向において二つの縦材が可能な限り離れて配置されていることが好ましい。また、縦材固定部22及び二つの縦材12は、床部2の長手方向において二つの横材11よりも立ち上がり壁4の厚さ分だけ内側に設けられており、これにより、立ち上がり壁4が設けられているバルコニーユニット1に対して吊り治具10が取り付け可能となっている。
また、縦材12の下端部側面には、固定プレート121を露出させるための作業用開口部123が形成されている。これにより、固定プレート121を露出させることができるので、この作業用開口部123から手や工具を入れることができ、固定プレート121と床部2とを確実かつ容易に接合することができる。
縦材12の上端部には、第2吊り金具取付部124が溶接等により固定されて一体的に設けられ、縦材12上端部を閉塞する上端面を構成している。第2吊り金具取付部124の上面には、吊り金具15挿入用のボルト孔(図示略)が形成され、第2吊り金具取付部124の下面側(縦材12の内側)には吊り金具15に螺合するナット(図示略)が設けられている。これにより、第2吊り金具取付部124に吊り金具15が固定されている。
図1及び図4に示すように、第1吊り金具取付部116に取り付けられている二つの吊り金具15と、第2吊り金具取付部124に取り付けられている二つの吊り金具15とは、床部2に対して互いに略同じ高さに配置されている。また、それら四つの吊り金具15は、手摺壁3の上端部と略同じ高さに配置されている。これにより、各吊り金具15に吊りワイヤー9が係止されてバルコニーユニット1が吊り上げられる際に、バルコニーユニット1が傾くことが抑制されて安定的に吊り上げられる。
なお、第1吊り金具取付部116又は第2吊り金具取付部124は、手摺壁3の上端部に設けられているものとしても良い。この場合にも、第1吊り金具取付部116及び第2吊り金具取付部124に取り付けられる4つの吊り金具15は、床部2に対して互いに略同じ高さに配置されることとなる。
横材11の先端部と縦材12の上端部との間には、床部2の長手方向に沿って接続部材14が設けられている。接続部材14としては、いわゆる角型鋼管が用いられている。接続部材14の一端部が、横材11の先端部においてウェブ111の外面に接合され、接続部材14の他端部が、縦材12の上端部の側面に接合されている。これにより、横材11と縦材12とが接続されて、横材11、縦材12及び接続部材14が一体的に構成されている。床部2の長手方向における接続部材14の長さとしては、立ち上がり壁4の厚さよりも長く形成されている。
梁材13は、床部2の長手方向に沿って設けられている部材である。梁材13の両端部はそれぞれ縦材12の上端部に接続されており、当該縦材12の上端部は上記したように横材11の先端部に接続されている。これにより、梁材13の両端部はそれぞれ、縦材12の上端部を介して横材11に接続されている。梁材13としては、断面コ字型の溝型鋼が用いられ、バルコニーユニット1の側方に向けて開口するように配置されている。また、梁材13の両端部は閉塞されて端面131を形成し、当該端面131には複数のボルト孔(図示略)が形成されている。また、縦材12の内部には、複数のボルト孔に対応するナット(図示略)が埋設されており、梁材13と縦材12とはボルト132によってボルト接合されている。これにより、吊り治具10の製造時に梁材13の長さを変更することで、吊り上げるバルコニーユニット1のサイズに応じて吊り治具10の形状を容易に変更することができる。また、梁材13がバルコニーユニット1の側方に向けて開口するように配置されているため、端面131の縦材12に対する接合作業が容易になる。
図1、図3及び図4に示す吊り治具10においては、上記した二つの横材11、二つの縦材12の上端部、梁材13及び二つの接続部材14により、平面視矩形枠状の枠状部17が構成されている。
なお、本実施の形態で用いられる各ボルトは、通常のボルトの他に、例えばハイテンションボルトが用いられている。このハイテンションボルトは、高張力の鋼で作られた強度の高いボルトであり、部材同士の接合状態を向上させることができる。
次に、吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を吊り上げる方法について説明する。
まず、横材11、縦材12、梁材13及び接続部材14等を組み立てて、予め吊り治具10を作製しておく。すなわち、横材11の基端部には、第1吊り金具取付部116を設けておき、縦材12の上端部には、第2吊り金具取付部124を設けておき、下端部には固定プレート121を設けておく。このとき、梁材13としては、バルコニーユニット1のサイズに対応した長さのものを用いる。
続いて、このように予め作製された吊り治具10を、横材11が手摺壁3に対して略垂直方向に延在するように配置するとともに、縦材12が床部2に対して略垂直方向に延在するように配置する。
次に、縦材12の下端部を床部2に固定する。すなわち、縦材12の固定プレート121を床部2の上面に載置し、固定プレート121と縦材固定部22とをボルト122及びナット(図示略)によってボルト接合する。
続いて、横材11の基端部を手摺壁3に固定する。すなわち、横材11の端面114と手摺壁3とをボルト115によってボルト接合する。
以上のようにして、吊り治具10を、バルコニーユニット1の床部2及び手摺壁3に取り付けることができる。
続いて、横材11の第1吊り金具取付部116及び縦材12の第2吊り金具取付部124に、吊り金具15を取り付ける。なお、吊り治具10の作製段階で、予め吊り金具15を取り付けておいても良い。
そして、横材11基端部の吊り金具15と、縦材12上端部の吊り金具15とに吊りワイヤー9のサブワイヤー9bをそれぞれ係止してから、クレーン等によりメインワイヤー9aを巻き上げることによってバルコニーユニット1を吊り上げる。
以上のようにして、吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を吊り上げることができる。
吊り上げられたバルコニーユニット1は、その後、例えば輸送車両の荷台に運搬されたり、建物本体の側面に取り付けられたりする。
以上、本実施の形態によれば、手摺壁3の上端部において床部2の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ床部2の短手方向に沿って延在する二つの横材11と、両端部がそれぞれ二つの横材11の先端部に接続され、床部2の長手方向に沿って設けられる梁材13と、床部2に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも二つの横材11及び梁材13で構成される枠状部17に接続される二つの縦材12と、を備えているので、バルコニーユニット1と吊り治具10とを、略直方体状をなすように組み合わせることができ、床部2と手摺壁3との間の接合部分等を補強することができる。これによって、例えば輸送時において床部2と手摺壁3との間の接合部分等に大きな負荷がかかったとしても、吊り治具10が支えとなり、バルコニーユニット1の破損を確実に防止することができる。
また、少なくとも二つの横材11及び梁材13で構成される枠状部17又は手摺壁3の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ第1及び第2吊り金具取付部116、124が設けられているため、四つの吊り金具15が床部2に対して略同じ高さに配置され、且つ当該四つの吊り金具15が手摺壁3の上端部と略同じ高さに配置されるため、バルコニーユニット1を吊り上げた際に、このバルコニーユニット1が重量のある手摺壁3側に傾くことを確実に防ぐことができる。これによって、バルコニーユニットの運搬作業や施工を容易に行うことができる。更に、床部2と手摺壁3との間の接合部分にも、吊り上げ時の力がかかりにくくなる。
しかも、工場等で製造されたバルコニーユニット1に吊り治具10を取り付け、この吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を輸送車両の荷台に運搬し、補強を兼ねて吊り治具10を取り付けたまま輸送し、現場では吊り治具10を用いて吊り上げてバルコニーユニット1の施工を行うことができる。すなわち、バルコニーユニット1が工場等で製造されてから、現場で建物本体に接合されるまでの間の作業効率を向上させることができるので、利便性に優れる。
また、第1吊り金具取付部116が、手摺壁3に取り付けられる二つの横材11の基端部に設けられ、第2吊り金具取付部124が、床部2に立設して取り付けられた二つの縦材12の上端部に設けられているので、吊り金具15は手摺壁3に対して直接的に取り付けられたものではなく、手摺壁3の上端部に笠木が設けられていたり、手摺壁3の内側に内壁材が設けられていたりしても、当該バルコニーユニット1に吊り治具10を取り付けて、バルコニーユニット1を吊り上げることができる。また、横材11の基端部は手摺壁3に取り付けられている箇所であり、縦材12は床部2に対して立設して取り付けられている部材であるため、横材11の基端部及び縦材12の上端部は上向きの力に対して耐久性が高く、バルコニーユニット1を吊り上げた際に第1及び第2吊り金具取付部116、124に負荷がかかっても、吊り治具10を構成する各部材が変形する等の破損をより効果的に防止することができる。
また、横材11がウェブ111及びフランジ112、113を有しバルコニーユニット1の側方に開口する溝型鋼で形成され、第1吊り金具取付部116が当該横材11のウェブ111の外面に設けられているので、吊り上げ時に上向きの力がかかる第1吊り金具取付部116が、鉛直に配置されたウェブ111の外面に設けられた状態となり、吊り上げ時に横材11の第1吊り金具取付部116が設けられている箇所にかかる力を効果的に分散できる。これによって、吊り治具10を用いてバルコニーユニット1を吊り上げた際に横材11の基端部が変形してねじれてしまうことをより確実に防止することができる。
また、二つの縦材12が床部2の長手方向において二つの横材11よりも内側に設けられているので、床部2の短手方向両側縁部に、枠状部17よりも高さの低い他の部材が設けられている構成のバルコニーユニット1に対しても、当該他の部材を避けて吊り治具10を取り付けることができる。したがって、そのような構成のバルコニーユニット1であっても運搬作業や施工を容易に行うことができる。
また、床部2の短手方向両側縁部に立ち上がり壁4が設けられ、二つの縦材12が、床部2の長手方向において二つの横材11よりも立ち上がり壁4の厚さ分だけ内側に設けられているので、当該立ち上がり壁4を避けて吊り治具10を取り付けることができる。したがって、床部2の短手方向両縁部に立ち上がり壁4が設けられた構成のバルコニーユニット1であっても運搬作業や施工を容易に行うことができる。
また、縦材12の下端部に床部2の上面に載置固定される固定プレート121が一体的に設けられ、当該固定プレート121には床部2の縦材固定部22に形成されるボルト孔22aに対応するボルト孔が形成されているので、縦材12を、床部2上に確実かつ強固に立設させることができる。これによって、吊り治具10及びバルコニーユニット1を補強することができる。
また、縦材12の下端部側面に固定プレート121を露出させるための作業用開口部123が形成されているので、この作業用開口部123から手や工具を入れることができ、この固定プレート121と床部2とを確実かつ容易に接合させることができる。
なお、上記した実施形態によれば、二つの縦材12の上端部が二つの横材11の先端部にそれぞれ接続されるものとして説明したが、二つの縦材12の上端部は、枠状部17のいずれかの位置に接続されているものとしても良い。例えば、第1吊り金具取付部116や第2吊り金具取付部124が横材11の長さ方向中間位置や梁材13の長さ方向中間位置に設けられている場合、縦材12の上端部は、枠状部17の当該第1吊り金具取付部116や第2吊り金具取付部124が設けられている箇所の下部に接続されているものとしても良い。縦材12が第1吊り金具取付部116や第2吊り金具取付部124の下方に設けられていることで、吊り治具10の耐久性を向上することができ、バルコニーユニット1の破損をより確実に防止することができるため好ましい。
また、上記した実施形態によれば、吊り治具10を、立ち上がり壁4が設けられているバルコニーユニット1に対して用いられるものとして説明したが、立ち上がり壁4が設けられていないバルコニーユニット1に対して用いられるものとしても良い。この場合には、吊り治具10は、接続部材14を備えておらず、横材11の先端部と縦材12の上端部が直接的に接合されて構成されているものとしても良い。また、この場合には、縦材12の床部2に対する取り付け位置は、床部2の長手方向他側縁部において、より両端部寄りに配置されるものであっても良い。また、この場合には、二つの横材11、二つの縦材12の上端部及び梁材13により枠状部17が構成される。
また、上記した実施形態によれば、第1吊り金具取付部116が二つの横材11の基端部に設けられ、第2吊り金具取付部124が二つの縦材12の上端部に設けられているものとして説明したが、これに限られるものではなく、第1吊り金具取付部116及び第2吊り金具取付部124は、枠状部17のいずれか4箇所に設けられているものとしても良い。例えば、第1吊り金具取付部116は、枠状部17のうち横材11の長さ方向中間部に設けられているものとしても良いし、第2吊り金具取付部124は、枠状部17のうち梁材13の長さ方向中間部に設けられているものとしても良い。また、この場合には、横材11及び梁材13のうち、第1吊り金具取付部116や第2吊り金具取付部124が設けられている箇所の断面積が大きく形成されているものとしても良い。これにより、吊り治具10の耐久性を向上することができ、バルコニーユニット1の破損をより確実に防止することができる。
また、上記した実施形態によれば、吊り治具10の横材11及び梁材13が溝型鋼で構成されているものとして説明したが、例えば角型鋼管やその他の棒状部材で構成されているものとしても良い。同様に、上記した実施形態によれば、吊り治具10の縦材12及び接続部材14が角形鋼管で構成されているものとして説明したが、例えば溝型鋼やその他の棒状部材で構成されているものとしても良い。
[変形例]
ここで、図5を参照して吊り治具10の変形例について説明する。図5は、吊り治具10Aがバルコニーユニット1に取り付けられ、この吊り治具10Aを用いてバルコニーユニット1を吊り上げた状態を示す斜視図である。
以下に説明する以外の構成は上記実施形態の吊り治具10と略同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
変形例の吊り治具10Aは、図5に示すように、横材11、縦材12及び梁材13に加えて、第2梁材18を備えている。
第2梁材18は、両端部が二つの横材11の基端部に接続され、手摺壁3に沿って設けられている部材である。第2梁材18としては、図示例ではいわゆる角型鋼管が用いられているが、例えば断面コ字型の溝型鋼が用いられても良い。また、第2梁材18は、横材11に対して溶接により接続されているものとしても良いし、第2梁材18の両端部が閉塞されてボルト接合により横材11に接続されているものとしても良い。また、第2梁材18は、二つの横材11に接続されるとともに、手摺壁3に対して固定されているものとしても良い。この場合には、吊り治具10Aをバルコニーユニット1に対してより強固に取り付けることができ、バルコニーユニット1の吊り上げ時に、吊り治具10Aが変形して破損すること等をより確実に防止することができる。
変形例の吊り治具10Aにおいては、枠状部17は、このように構成される第2梁材18、二つの横材11及び梁材13を有して平面視矩形枠状に構成されている。
また、吊り治具10Aにおいては、梁材13が二つの横材11に直接的に接合されており、接続部材14を備えていない。
そして、第1吊り金具取付部116及び第2吊り金具取付部124は、枠状部17に設けられており、具体的には、第1吊り金具取付部116は第2梁材18の両端部にそれぞれ設けられ、第2吊り金具取付部124は梁材13の両端部にそれぞれ設けられている。
また、縦材12の上端部は、第2吊り金具取付部124の下方において枠状部17、すなわち梁材13に接続されている。これにより、枠状部17のうち第2吊り金具取付部14が設けられている箇所に負荷がかかっても、当該箇所が変形して破損すること等を防止することができる。
以上、変形例の吊り治具10Aによれば、第2梁材18が二つの横材11の基端部に接続されて設けられているため、二つの横材11が梁材13及び第2梁材18によって支えられ、吊り治具10Aの耐久性を向上することができる。これにより、バルコニーユニット1の破損をより確実に防止することができる。
1 バルコニーユニット
2 床部
3 手摺壁
4 立ち上がり壁
9 ワイヤー
9a メインワイヤー
9b サブワイヤー
10 吊り治具
11 横材
12 縦材
13 梁材
14 接続部材
15 吊り金具
16 固定プレート
17 枠状部
18 第2梁材
20 枠体
21 床材
22 縦材固定部
22a ボルト孔
111 ウェブ
112、113 フランジ
114 端面
115 ボルト
116 第1吊り金具取付部
121 固定プレート
122 ボルト
123 作業用開口部
124 第2吊り金具取付部
131 端面
132 ボルト

Claims (8)

  1. 平面視矩形状の床部と、当該床部の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニットに取り付けられ、当該バルコニーユニットの吊り上げ作業に用いられる吊り治具であって、
    前記手摺壁の上端部において前記床部の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部の短手方向に沿って延在する二つの横材と、
    両端部がそれぞれ前記二つの横材の先端部に接続され、前記床部の長手方向に沿って設けられる梁材と、
    前記床部に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材及び前記梁材で構成される枠状部に接続される二つの縦材と、を備え、
    前記枠状部又は前記手摺壁の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー係止用の吊り金具を取り付けるための吊り金具取付部が設けられており、
    前記梁材の両端部はそれぞれ、前記縦材の上端部を介して前記横材に接続され、
    前記枠状部は、少なくとも前記二つの横材、前記梁材及び前記二つの縦材の上端部で構成され、
    前記吊り金具取付部は、前記二つの横材の基端部にそれぞれ設けられた第1吊り金具取付部と、前記二つの縦材の上端部にそれぞれ設けられた第2吊り金具取付部と、であり、
    前記横材は、ウェブ及びフランジを有し前記バルコニーユニットの側方に開口する溝型鋼で形成され、
    前記第1吊り金具取付部は、前記溝型鋼の前記ウェブの外面に設けられていることを特徴とする吊り治具。
  2. 平面視矩形状の床部と、当該床部の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニットに取り付けられ、当該バルコニーユニットの吊り上げ作業に用いられる吊り治具であって、
    前記手摺壁の上端部において前記床部の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部の短手方向に沿って延在する二つの横材と、
    両端部がそれぞれ前記二つの横材の先端部に接続され、前記床部の長手方向に沿って設けられる梁材と、
    前記床部に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材及び前記梁材で構成される枠状部に接続される二つの縦材と、を備え、
    前記枠状部又は前記手摺壁の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー係止用の吊り金具を取り付けるための吊り金具取付部が設けられており、
    両端部がそれぞれ前記二つの横材の基端部に接続され、前記手摺壁に沿って設けられる第2梁材を更に備え、
    前記枠状部は、少なくとも前記二つの横材、前記梁材及び前記第2梁材を有して平面視矩形状に構成されていることを特徴とする吊り治具。
  3. 平面視矩形状の床部と、当該床部の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニットに取り付けられ、当該バルコニーユニットの吊り上げ作業に用いられる吊り治具であって、
    前記手摺壁の上端部において前記床部の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部の短手方向に沿って延在する二つの横材と、
    両端部がそれぞれ前記二つの横材の先端部に接続され、前記床部の長手方向に沿って設けられる梁材と、
    前記床部に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材及び前記梁材で構成される枠状部に接続される二つの縦材と、を備え、
    前記枠状部又は前記手摺壁の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー係止用の吊り金具を取り付けるための吊り金具取付部が設けられており、
    前記二つの縦材は、前記床部の長手方向において前記二つの横材よりも内側に設けられていることを特徴とする吊り治具。
  4. 平面視矩形状の床部と、当該床部の長手方向の一側縁部に設けられる手摺壁と、を有し、側断面視L字型に形成されたバルコニーユニットに取り付けられ、当該バルコニーユニットの吊り上げ作業に用いられる吊り治具であって、
    前記手摺壁の上端部において前記床部の長手方向両端部に取り付けられ、それぞれ前記床部の短手方向に沿って延在する二つの横材と、
    両端部がそれぞれ前記二つの横材の先端部に接続され、前記床部の長手方向に沿って設けられる梁材と、
    前記床部に立設して取り付けられ、上端部が少なくとも前記二つの横材及び前記梁材で構成される枠状部に接続される二つの縦材と、を備え、
    前記枠状部又は前記手摺壁の上端部のうちのいずれか4箇所に、それぞれ吊りワイヤー係止用の吊り金具を取り付けるための吊り金具取付部が設けられており、
    前記梁材の両端部はそれぞれ、前記縦材の上端部を介して前記横材に接続され、
    前記枠状部は、少なくとも前記二つの横材、前記梁材及び前記二つの縦材の上端部で構成され、
    前記吊り金具取付部は、前記二つの横材の基端部にそれぞれ設けられた第1吊り金具取付部と、前記二つの縦材の上端部にそれぞれ設けられた第2吊り金具取付部と、であり、
    前記二つの縦材は、前記床部の長手方向において前記二つの横材よりも内側に設けられていることを特徴とする吊り治具。
  5. 請求項1又は2に記載の吊り治具において、
    前記二つの縦材は、前記床部の長手方向において前記二つの横材よりも内側に設けられていることを特徴とする吊り治具。
  6. 請求項3から5のいずれか一項に記載の吊り治具において、
    前記床部の短手方向両側縁部には、立ち上がり壁が設けられ、
    前記二つの縦材は、前記床部の長手方向において前記二つの横材よりも前記立ち上がり壁の厚さ分だけ内側に設けられていることを特徴とする吊り治具。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の吊り治具において、
    前記縦材の下端部には、前記床部の上面に載置固定される固定プレートが一体的に設けられており、
    前記固定プレートには、前記床部の縦材固定部に形成されるボルト孔に対応するボルト孔が形成されていることを特徴とする吊り治具。
  8. 請求項7に記載の吊り治具において、
    前記縦材の下端部側面には、前記固定プレートを露出させるための作業用開口部が形成されていることを特徴とする吊り治具。
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