JP6410242B1 - 防振部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】船舶用機器を支持する防振部材に大きな振動や繰り返し荷重がかかっても、ボルトの脱落や振動吸収材の剥離を防止し、十分な防振機能を果たすことができるとともに、製造工程や組立工程を簡素化した防振部材を提供する。【解決手段】電子部品を内蔵した機器を搭載した取付台3と、前記取付台に複数の防振部材を介して取り付けられた据付基台2と、を有する船舶用機器の防振部材A1において、前記防振部材は、前記取付台の下面にボルト15aにより取り付けられ下方が開口した筐体状の上部横移動防止板17aと、前記据付基台の上面にボルト15bにより取り付けられ上方が開口した筐体状の下部横移動防止板17bと、前記上部横移動防止板と前記下部横移動防止板の間に間装された振動吸収材16と、から構成され、前記上部横移動防止板の側板20aの下端と前記下部横移動防止板の側板20bの上端は所定の第1の間隙Gを挟んで対向している。【選択図】図1
Description
本発明は防振部材に関し、特に、船舶内に電子回路基板等を内蔵した機器を有する盤を搭載する場合に、盤外部から機器に伝わる振動の大きさを減衰させるための防振部材に関する。
振動に対して脆弱な機器を、船舶等の振動の多い環境に設置する場合、機器が振動によって破損することを防止するために防振部材を使用して設置する場合がある。例えば、船舶の内部には、電力を供給するための発電装置、潤滑油及び冷却水を循環させるためのポンプ、送風のためのファンやブロア等の装置が設置されており、それらの運転をコントロールするための制御盤や、電力を分配するための配電盤等の盤が設置されている。
このような盤の内部には電気電子回路を備えた様々な機器が設置されており、例えば、インバータユニットや自動電圧調整器等が挙げられる。これらの機器は、回路基板上にICやLSI、抵抗素子、コンデンサー等の回路素子がはんだ付けされた実装部品を備えており、それらの実装部品が振動によって剥離したり、抵抗素子や電解コンデンサーの脚が折れる等といった事象が発生しやすいため、電気電子回路を備えていない機器よりも振動に対し脆弱である。
一方、船舶は推進のために、通常は船尾にプロペラを備えており、そのプロペラをメインエンジンで駆動している。また、船内に電力を供給するための発電機を駆動する発電用エンジンも備えている。これらのエンジンは振動の発生源であり、船体構造を通じて振動が伝達していく。船舶に搭載する盤では、盤内部の機器を固定金具を介して取り付けているが、エンジン等からの振動が船体を伝わってきて盤に伝わり、機器は固定金具を伝って振動の影響を受けてしまう。
このように、船舶内の各種機器はエンジン等の振動にさらされるため、機器内部に設置されている振動に対し脆弱な部品に対しては防振対策を施す必要がある。通常は振動によって発生する応力に耐え得るように、例えば、抵抗素子や電解コンデンサー等で脚付きの実装部品を基板上に立てて実装する場合、脚が折れないようにシリコンコーキングを塗布する防振対策を講じている。また、振動によって剥離しやすい実装部品も同様にシリコンコーキングを塗布することで防振対策を講じている。
しかしながら、上記のような防振対策を施しても、はんだ付けしている脚が折れ、例えば面実装部品の抵抗素子が基板から剥がれる場合がある。また、回路基板と回路基板の間で電気信号を伝達するためのケーブルおよびケーブルを接続するためのコネクタを備えた機器もあるが、コネクタの接点が振動により摩耗し信号が伝達できなくなる場合もある。コネクタの接点は振動に対して強化することが困難な部品で、防振対策を講じることができないものもある。
このような場合は、振動による損傷を防止するため、機器を防振部材を介して盤に取り付ける場合がある。防振部材とは振動を伝えたくない装置や機器等を、柔軟な素材を介して設置することで振動を吸収し、伝達される振動の加速度を小さくするものである。
以下、従来の防振部材の具体例を図9〜図20を用いて説明する。
図9に示すように、振動防止の対象となる機器1は取付台3に取り付けられ、取付台3は防振部材Bを介して据付基台2に設置固定されている。この据付基台2は、本件発明が対象としている技術分野においては盤の構造部材そのものか、構造部材に結合されているものであり、この据付基台2にエンジン等からの振動が伝達されてくる。
図9に示すように、振動防止の対象となる機器1は取付台3に取り付けられ、取付台3は防振部材Bを介して据付基台2に設置固定されている。この据付基台2は、本件発明が対象としている技術分野においては盤の構造部材そのものか、構造部材に結合されているものであり、この据付基台2にエンジン等からの振動が伝達されてくる。
防振部材Bは、図10に示すように、据付基台2と取付台3の間に間装される振動吸収材5aと、取付台3と当て板4の間に間装される振動吸収材5bと、取付台3の貫通孔13dに装着される振動吸収材5cと、ボルト6と、ナット14とから構成される。また、据付基台2にはボルト6と螺合するねじ付きの貫通孔13fが設けられている。
防振部材Bを据付基台2に位置決めするため、ボルト6は据付基台2に設けた貫通孔13fから振動吸収材5bまで貫通し、当て板4を介してナット14により据付基台2、取付台3及び振動吸収材5a〜5cを挟持固定する構造となっている。
据付基台2に大きな衝撃や大きな振動振幅が加わり、取付台3の上方向の移動量が大きくなった場合は、振動吸収材5a及び振動吸収材5bが当て板4の問で圧縮され、取付台3の上方向の移動を緩和する。
取付台3の貫通孔13dに設けている振動吸収材5cは、取付台3の横方向の振動を吸収する。取付台3の横方向の移動量が大きくなった場合は、振動吸収材5cはボルト6と貫通孔13dの間で圧縮され、横方向の移動を制限する。このように、ボルト6、貫通孔13d及び当て板4は、取付台3の上下及び左右方向の移動量を制限するストッパーの役割も果たしている。
上述のようにボルト6、貫通孔13d及び当て板4を配置することで、振動吸収材5a〜5cは接着剤等で接着しなくても、防振機能を果たすことができる。
次に、防振部材Bの作用を説明する。
船舶に搭載されたエンジン等から伝わってきた上下方向の振動により、据付基台2が上下に振動する場合を想定する。
船舶に搭載されたエンジン等から伝わってきた上下方向の振動により、据付基台2が上下に振動する場合を想定する。
この上下の振動は、振動吸収材5aに伝達されるが、振動吸収材5aは柔軟な物質でできており、据付基台2が振動振幅により上に移動したときは振動吸収材5aが上下方向に縮むことで、上振幅方向の振幅を吸収する。一方、据付基台2が振動の振幅により下に移動したときは、振動吸収材5aが上下方向に伸びることで、下振幅方向の振幅を吸収する。
このとき、振動吸収材5bは据付基台2が振動振幅により上に移動したときは振動吸収材5bが上下方向に伸びることで、上振幅方向の振幅を吸収する。また、据付基台2が振動振幅により下に移動したときは、振動吸収材5bが上下方向に縮むことで、下振幅方向の振幅を吸収する。
次に、何らかの原因により、大きな上下方向の衝撃が加わったときの当て板4と振動吸収材5bの役割を説明する。図11は当て板4と振動吸収材5bが設けられていない防振部材Cの構成図である。
図11に示す防振部材Cにおいて、例えば、据付基台2を下方向に移動させる大きな衝撃(1G以上)が加わった場合、当て板4及びナット14がない場合には据付基台2の下方向への移動を制限するものがなく、図12(a)に示すように、ボルト6が取付台3のボルトを通す貫通孔13dから脱落してしまうことがある。
このとき、据付基台2及び取付台3に横方向の力が加わると、貫通孔13dの中心とボルト6の中心が合致しなくなる。この状態で大きな衝撃がなくなった場合、据付基台2及び取付台3が元の位置に戻ろうとするが、ボルト6が貫通孔13dの中心と合致していないため、ボルト6の先端が取付台3に干渉し元の状態に戻らなくなる(図示せず)。
このようなボルト6の抜け落ちを防止するため、当て板4及びナット14により、据付基台2の下方向の移動を規制する。その際、当て板4が取付台3に直接接触するように構成すると、据付基台2が下方向の振幅で移動した場合の振幅を吸収できなくなるため、図10に示すように、振動吸収材5bを間装している。
次に、上記のような大きな衝撃ではなく、据付基台2に例えば1G以上の上下の振動加速度が加わったときの当て板4と振動吸収材5bの作用を説明する。
図11に示す当て板4と振動吸収材5bが設けられていない防振部材Cでは、据付基台2に1G以上の下方向の振動が加わると、図12(b)のように振動吸収材5aと据付基台2の接触面に隙間が生じてしまい、振動を吸収する役割を果たさないことになる。このように、下方向の振動によって据付基台2上の振動吸収材5aが浮き上がることを、当て板4と振動吸収材5bが防止している。
次に、エンジン等から伝わってきた左右方向の振動により、据付基台2が左右に振動するときの当て板4、振動吸収材5a〜5c及びボルト6の作用を説明する。
図13に示すように、据付基台2の左右の振動によりボルト6を通じて据付基台2とともに当て板4も左右に動く。一方、取付台3は振動吸収材5aおよび振動吸収材5bにより、据付基台2と当て板4からは機械的に絶縁されており、据付基台2と当て板4の振動による移動の影響を受けない状態である。この状態で、左右の振動を据付基台2が受けたときは、ボルトを通す貫通孔13dに接しているボルト6が周囲に設けた振動吸収材5cを圧縮することで振動を吸収する。
ここで、仮にボルト6がない場合に、据付基台2に左右方向の衝撃または振動が加わることを想定する。このボルト6がない防振部材を防振部材Dとして図14(a)、(b)に示す。
この防振部材Dでは、据付基台2と当て板4は左右方向に移動するが、機器1が設置された取付台3はその場に留まろうとするため、振動吸収材5aが変形して変位を吸収する。ここで、振動吸収材5aと据付基台2または取付台3との間の摩擦力よりも大きな衝撃または振動が加わった場合には、図14(a)のように、取付台3の位置が振動吸収材5aに対してずれてしまうことになる。
このような振動もしくは衝撃が複数回繰り返された場合には、取付台3のずれが徐々に大きくなっていく現象が発生し、このとき、取付台3に接している振動吸収材5aの体積が少なくなるため、振動吸収性能が低下する。さらにずれが大きくなれば、取付台3が振動吸収材5aから落ちてしまうこともある。振動吸収材5aと据付基台2の接触面でも上記のような現象は発生する。この現象を防止するためにも、ボルト6を通す貫通孔13d及びボルト6がストッパーの役割をしている。
また、上記の例では振動吸収材5aと据付基台2の間の摩擦力が振動吸収材5aのせん断強度より小さい場合を想定したが、振動吸収材5aと据付基台2の間の摩擦力が振動吸収材5aのせん断強度より大きい場合を想定する。
据付基台2が左右に移動すると、振動吸収材5aと据付基台2の接触面は摩擦力により振動方向に移動するが、取付台3は元の位置に留まろうとする力が作用するため、図14(b)に示すように、振動吸収材5aにはせん断力が発生する。ここでボルト6及び貫通孔13dがない状態を想定すると、据付基台2と取付台3の変位は制限が無い状態となってしまい、振動吸収材5aのせん断強度を上回るような左右方向の大きな振幅振動や衝撃が加われば、振動吸収材5aが切れる現象が起こる。この現象を防止するためにも、ボルト6を通す貫通孔13d及びボルト6がストッパーの役割をしている。
(従来の防振部材の課題)
以上、従来の防振部材における当て板4、振動吸収材5a〜5c及びボルト6の機能について説明したが、従来の防振部材は以下に説明するような課題がある。
以上、従来の防振部材における当て板4、振動吸収材5a〜5c及びボルト6の機能について説明したが、従来の防振部材は以下に説明するような課題がある。
図10に示すような従来の防振部材Bでは、水平方向の振動時に、取付台3が振動吸収材5cを介してボルト6を水平方向に押すため、据付基台2の雌ネジとボルト6の雄ネジが擦れ合い、ネジ山が削れて摩耗するという課題がある。これを繰り返すことで最終的にはネジ山が無くなり、ボルト6が脱落するなどの問題が生じる。
また、ボルト6と取付台3の貫通孔13dとの間に振動吸収材5cを設けており、振動吸収材5aと振動吸収材5bの間に振動吸収材5cを間装する必要がある。したがって、製造、組立に手間がかかる構造となっているため、防振部材Bの製造、組立工程が複雑化し、作業時間の長期化やコスト増を招くという課題がある。
また、防振部材Bの組立を行う際は、図15(a)、(b)に示すように、ボルト6を通す貫通孔13b〜13fを整合させる必要がある。しかしながら、図16(a)、(b)に示すように、例えば据付基台2のボルトを通す貫通孔13fが整合していないと、ボルト6が通らなくなり、防振機構を構成できなくなる恐れがある。このため、ボルト6が通り、かつ、振動を吸収するだけの隙間を設けるのに必要なだけの貫通孔13b〜13fの加工精度及び組立精度が要求される。
また、従来の防振部材Bに強い衝撃を与えたとき、取付台3の貫通孔13dにボルト6が接して、ボルト6が曲がり変形する場合がある。それに伴い、ボルト6の周囲に設けている取付台3の防振部材5cの形状も変形してしまうので振動吸収性が低下する可能性がある。また、振動吸収材5aと振動吸収材5bも同様にボルト6の変形による影響で振動吸収性能が低下する可能性がある。
さらに、変形したボルト6を交換する際、変形したボルト6を反時計周りに回転させる必要があるが、曲がっているボルト6を回転させることが困難な場合には、取付台3を上方に取り外す必要がある。この場合には、取付台3に設置された機器1を取り外すことになる。したがって、ボルト6が変形するといった不具合が発生した場合、ボルト6の交換に時間がかかったり、作業負担やコスト増が生じるという課題がある。
図17に示す従来の防振部材Dでは、上下の取付鋼板9に振動吸収材5dを間装し、据付基台2と取付台3に取付鋼板9をボルト7で取り付けている。振動吸収材5dは取付鋼板9に接着剤で接着している構造となっている。
図10に示す従来の防振部材Bでは、上述したようなボルト6に関する欠点を有するが、この防振部材Dは、防振部材Bが有する欠点を解消している。しかしながら、据付基台2と取付台3に多数の貫通孔を空ける必要があるため、その加工に作業時間とコストが増加する。また、ボルト7を通す貫通孔を揃える必要があるため、加工および組立精度を高くする必要がある。
また、据付基台2と取付台3に間装している振動吸収材5dを接着しているため、経年劣化等で剥離する恐れがあるが、防振部材Dは図10で説明したようなボルト6および貫通孔13dの役割を果たすものがない。したがって、接着が剥がれた状態で左右の振幅が大きい振動が加わった場合、振動吸収材5dがずれ動き、振動吸収材5dが脱落するという課題がある。
次に、図18〜図20に示す従来の防振部材Fの例では、据付基台2上に複数個の振動吸収材5eが配列されており、その上に機器1の取付台3を設置し、当て部材10a、10bと据付基台2上にある振動吸収材5eによって振動を抑える構造となっている。すなわち、当て部材10aと10bが図10に示す防振部材Bのボルト6とボルト6を通す貫通孔13dによるストッパーの役割を果たしている。
また、振動吸収材5f、5gは取付台3と接している面に僅かに圧接された状態で間装されている。振動吸収材5fは、図20(a)に示すように、取付台3に沿った平板状の当て部材10aに設けられ、振動吸収材5gは、図20(b)に示すように、取付台3の角部に設けられたL字型の当て部材10bに設けられている。取付台3に沿った平板状の当て部材10aには2カ所ボルト8を貫通させ、L字型の当て部材10bにはボルト8を3カ所貫通させて固定している。
当て部材10a、10bの振動吸収材5f、5gに隣接して、振動吸収材5f、5gの移動を規制するための移動防止手段11a、11bを取り付けている。この移動防止手段11a、11bは、ボルトもしくは接着剤を使用して固定しており、振動吸収材5f、5gの移動を妨げる役目を果たしている。また、取付台3を支えるため、取付台3の下に設置している振動吸収材5eの固定は移動防止手段12で行っている。
上記のような当て部材10aと10bの構造により、防振部材Eは、図10に示す従来の防振部材Bのボルト6に関する課題と、図17に示す振動吸収材5dの脱落の課題を解決している。しかしながら、当て部材10a、10b及び据付基台2に多数の貫通孔を設ける必要があるため、製造工程が複雑化するとともに、貫通孔を整合させるために高い精度が求められるため、製造コスト、作業時間が増大するという課題がある。
上述したように、従来の防振部材では、各構成要素の貫通孔の位置が整合していないとボルトが通らず、防振部材の組立ができないため、ボルトを通す貫通孔の位置の加工精度及び組立精度を確保する必要がある。そのため、防振部材の製造及び組立工程が増加し、製造コスト、作業時間が増大するという課題がある。
また、ボルトにストッパーとしての役割を持たせた構成では、大きな振動や衝撃が加わることでボルトが曲がり、防振部材の振動吸収率が変わってしまい、十分な防振機能を果たすことができなくなったり、曲がったボルトの交換に時間とコストがかかるという課題がある。
さらに、ボルトに力が繰り返し加わることで、ネジ山が削れてボルトが脱落するという課題がある。
さらに、ボルトに力が繰り返し加わることで、ネジ山が削れてボルトが脱落するという課題がある。
本発明は上記した課題を解決するためになされたもので、防振部材に大きな振動や繰り返し荷重がかかっても、ボルトの脱落や振動吸収材の剥離を防止し、十分な防振機能を果たすことができるとともに、製造工程や組立工程を簡素化した防振部材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る防振部材は、電子部品を内蔵した機器を搭載した取付台と、前記取付台に複数の防振部材を介して取り付けられた据付基台と、を有する船舶用機器の防振部材において、前記防振部材は、前記取付台の下面にボルトにより取り付けられ下方が開口した筐体状の上部横移動防止板と、前記据付基台の上面にボルトにより取り付けられ上方が開口した筐体状の下部横移動防止板と、前記上部横移動防止板と前記下部横移動防止板の間に間装された振動吸収材と、から構成され、前記上部横移動防止板の側板の下端と前記下部横移動防止板の側板の上端は所定の第1の間隙を挟んで対向し、前記振動吸収材は、略中央に貫通孔が設けられているとともに、前記上部横移動防止板の側板と前記下部横移動防止板の側板から所定の第2の間隙を挟んで配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、防振部材に大きな振動や繰り返し荷重がかかっても、ボルトの脱落や振動吸収材の剥離を防止し、十分な防振機能を果たすことができるとともに、製造工程や組立工程を簡素化することができる。
以下、本発明に係る防振部材の実施形態を、図1〜図8を参照して説明する。なお、従来の防振部材と同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る防振部材A1について、図1〜図4を参照して説明する。
第1の実施形態に係る防振部材A1について、図1〜図4を参照して説明する。
(構成)
本実施形態に係る防振部材A1は、図1〜図3に示すように、据付基台2に固定される下部横移動防止板17bと取付台3に固定される上部横移動防止板17aと、下部横移動防止板17bと上部横移動防止板17aの内部に間装される振動吸収材16から構成される。
本実施形態に係る防振部材A1は、図1〜図3に示すように、据付基台2に固定される下部横移動防止板17bと取付台3に固定される上部横移動防止板17aと、下部横移動防止板17bと上部横移動防止板17aの内部に間装される振動吸収材16から構成される。
上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bは外形寸法が略同一で、それぞれの周縁は振動吸収材16の側面に対して所定の間隙G(第1の間隙)が形成されるように折り曲げられて側板20a、20bを形成している。
このように、上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bは、それぞれ上方及び下方が開口した矩形状の筐体形状となっている。
このように、上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bは、それぞれ上方及び下方が開口した矩形状の筐体形状となっている。
なお、上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bの形状は矩形状に限定されず、円形状、楕円形状、多角形状でもよい。
また、図1に示す例では、折り曲げ加工の簡便化のために、下部横移動防止板17bと上部横移動防止板17aの4隅に切欠き部を設けているが、切欠き部のサイズは適宜変更可能である。
また、図1に示す例では、折り曲げ加工の簡便化のために、下部横移動防止板17bと上部横移動防止板17aの4隅に切欠き部を設けているが、切欠き部のサイズは適宜変更可能である。
振動吸収材16は略中央に貫通孔21が設けられ、振動吸収材の上面及び下面は、それぞれ上部横移動防止板17aの下面及び下部横移動防止板17bの上面と接着剤等により接着されている。また、振動吸収材16の横方向幅は上部横移動防止板17aの側板20a及び下部横移動防止板17bの側板20bとの間に所定の間隙d(第2の間隙)が形成されるように設計されている。
上述したように、上部横移動防止板17aの側板20aの下端部と下部横移動防止板17bの側板20bの上端部は所定の間隙Gを挟んで対向している。
上述したように、上部横移動防止板17aの側板20aの下端部と下部横移動防止板17bの側板20bの上端部は所定の間隙Gを挟んで対向している。
下部横移動防止板17bは据付基台2にボルト15bにより固定され、上部横移動防止板17aは、取付台3にボルト15aにより固定される。これにより、振動吸収材16の貫通孔21にはボルト15a、15bが延在しない構造となっている。
なお、ナット14a、14bはそれぞれ上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bに固定されている。
なお、ナット14a、14bはそれぞれ上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bに固定されている。
また、据付基台2と取付台3にはボルト15a、15bの直径よりも大きな直径を持つ貫通孔18a及び18dが設けられている。本実施形態では、例えばボルト15a、15bの直径が12mmとすると、貫通孔18a及び18dの直径は15mm程度に設定され、直径方向で3mmの隙間がボルト15a、15bと貫通孔18a、18dとの間にそれぞれ生じるように構成されている。
また、上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bにもボルト15a、15bを通すために貫通孔18b、18cがそれぞれ設けられている。
また、上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bにもボルト15a、15bを通すために貫通孔18b、18cがそれぞれ設けられている。
(作用、効果)
上記のように構成された防振部材A1において、据付基台2に大きな衝撃や大振幅の振動が加わって、取付台3に対して据付基台2の位置が大きく変位した場合、図4に例示するように、振動吸収材16の側面が上部横移動防止板17aや下部横移動防止板17bの側面に接触することで、それ以上の変位を防ぐことができる。なお、図4では、説明の便宜上、ボルト15a、15bや貫通孔21等を省略している。
上記のように構成された防振部材A1において、据付基台2に大きな衝撃や大振幅の振動が加わって、取付台3に対して据付基台2の位置が大きく変位した場合、図4に例示するように、振動吸収材16の側面が上部横移動防止板17aや下部横移動防止板17bの側面に接触することで、それ以上の変位を防ぐことができる。なお、図4では、説明の便宜上、ボルト15a、15bや貫通孔21等を省略している。
したがって、上部横移動防止板17aや下部横移動防止板17bと振動吸収材16の接着面を引き剥がすような力が発生することがないため、振動吸収材16が剥離することはない。
また、経年劣化等で接着面が剥離したとしても、上部横移動防止板17a及び下部横移動防止板17bの折り曲げた側板20a、20bがストッパーとなり、取付台3がずれて脱落することを防止できる。また、ボルト15a、15bには振動による力は加わらないため、ネジ山が摩耗することもないのでボルト15a、15bが脱落することはない。
また、防振部材A1の組立に際しては、上述したように、ボルト15a、15bと貫通孔18a、18dとの間にぞれぞれ直径方向で3mm程度の隙間が形成されているので、貫通孔18a又は18dの中心が最大1.5mm程度ずれていてもボルト15a、15bを通すことができる。したがって、貫通孔18aと18dの加工精度は、従来のような高度な加工精度を必要としない。これにより、貫通孔の加工や防振部材の組立にかかる時間と費用を削減できる。
なお、上記したボルトの径及び貫通孔の径は一例であり、防振部材の大きさ等に応じて適宜変更可能である。
なお、上記したボルトの径及び貫通孔の径は一例であり、防振部材の大きさ等に応じて適宜変更可能である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る防振部材A2について、図5を参照して説明する。なお、図5では、説明の便宜上、ボルト15a、15bや貫通孔21等を省略している。
第2の実施形態に係る防振部材A2について、図5を参照して説明する。なお、図5では、説明の便宜上、ボルト15a、15bや貫通孔21等を省略している。
本第2の実施形態では、上部横移動防止板17aの折り曲げた側板20aの長さと、下部横移動防止板17bの折り曲げた側板20bの長さの合計が振動吸収材16の厚さより長く構成する。
すなわち、図5に示すように、下部横移動防止板17bが上部横移動防止板17a内に所定の間隙f(第3の間隙)をもって入り込むように下部横移動防止板17b及び上部横移動防止板17aのサイズを調整する。
また、下部横移動防止板17bの側板20bと上部横移動防止板17aの側板20aとの間の間隙dは適宜調整可能である。また、上部横移動防止板17aが下部横移動防止板17b内に入り込むように構成してもよい(図示せず)。
本第2の実施形態に係る防振部材A2によれば、上記第1の実施形態と同様な作用効果を奏するほか、上部横移動防止板17aと下部横移動防止板17bの強度の向上及び下部横移動防止板17bのストッパー機能の向上を図ることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る防振部材A3について、図6〜図8を参照して説明する。なお、図6〜図8では、説明の便宜上、ボルト15a、15bや貫通孔21等を省略している。
第3の実施形態に係る防振部材A3について、図6〜図8を参照して説明する。なお、図6〜図8では、説明の便宜上、ボルト15a、15bや貫通孔21等を省略している。
本第3の実施形態では、図6に示すように、分割面(接合面)19で高さ方向に分割された複数の振動吸収材16a、16bを用いる構成としている。振動吸収材16a、16bは分割面(接合面)19で接着剤により接着されている。
本第3の実施形態において、図6に示すように、下方の振動吸収材16bの高さ方向の長さをhとすると、上部横移動防止板17aの側板20aと下部横移動防止板17bの側板20bとの間の間隙Gが振動吸収材16bの長さhよりも小さく、かつ、分割面19の位置が横方向視で間隙Gと重ならないように、すなわち、図6の例では分割面19が上部横移動防止板17aの側板20aと重なる位置になるように構成する。
これにより、仮に振動吸収材16aと振動吸収材16bの分割面19(接着面)が剥離したとしても、分割面19の位置が間隙Gと重ならないため、図7(a)に示すように、上部横移動防止板17aの側板20aがストッパーとなって、振動吸収材16bの横移動を制限することができる。
一方、分割面19の位置が間隙Gと重なる場合は、図7(b)に示すように、振動吸収材16bの横移動を制限することができなくなり、防振機能を果たすことができなくなる。
なお、下部横移動防止板17bの側板20bの高さをhよりも大きくし、側板20bにストッパー機能を持たせるようにしてもよい。
なお、下部横移動防止板17bの側板20bの高さをhよりも大きくし、側板20bにストッパー機能を持たせるようにしてもよい。
本第3の実施形態に係る防振部材A3によれば、上記実施形態と同様な作用効果を奏するほか、振動吸収材16が分割されている場合でも、良好な防振効果を奏することができる。
なお、上記実施形態では、振動吸収材16が2つに分割されている例について説明したが、分割数が3以上であっても、分割面19の位置が間隙Gと重ならないように構成することで同様な作用効果を奏することができる。なお、図8は3つに分割された振動吸収材16a〜16cを用いた例を示す図である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
A1〜A3、B〜F…防振部材、1…機器、2…据付基台、3…取付台、4…当て板、5a〜5g…振動吸収材、6、7…ボルト、9…取付鋼板、10a、10b…当て部材、11a、11b、12…移動防止手段、13a〜13f…貫通孔、14a、14b…ナット、15a、15b…ボルト、16、16a〜16c…振動吸収材、17a…上部横移動防止板、17b…下部横移動防止板、18a〜18d…貫通孔、19…分割面(接合面)、20a、20b…側板、21…貫通孔
Claims (2)
- 電子部品を内蔵した機器を搭載した取付台と、前記取付台に複数の防振部材を介して取り付けられた据付基台と、を有する船舶用機器の防振部材において、
前記防振部材は、前記取付台の下面にボルトにより取り付けられ下方が開口した筐体状の上部横移動防止板と、前記据付基台の上面にボルトにより取り付けられ上方が開口した筐体状の下部横移動防止板と、前記上部横移動防止板と前記下部横移動防止板の間に間装された振動吸収材と、から構成され、
前記上部横移動防止板の側板の下端と前記下部横移動防止板の側板の上端は所定の第1の間隙を挟んで対向し、
前記振動吸収材は、略中央に貫通孔が設けられているとともに、前記上部横移動防止板の側板と前記下部横移動防止板の側板から所定の第2の間隙を挟んで配置されていることを特徴とする防振部材。 - 前記振動吸収材は高さ方向に分割された複数の振動吸収材からなり、前記複数の振動吸収材の接合面が横方向視で前記第1の間隙に重ならないように当該複数の振動吸収材を配置したことを特徴とする請求項1記載の防振部材。
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