以下、図1〜図20を用い、画像読取装置100を含む複合機101(画像形成装置に相当)を例に挙げ、本発明の実施形態を説明する。本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(複合機101)
図1を用いて、実施形態に係る複合機101を説明する。図1は、実施形態に係る複合機101の一例を示す図である。
図1に示すように、複合機101は、画像読取部1、原稿搬送部2、操作パネル3を含む。また、複合機101には制御部4、印刷部5が設けられる。印刷部5は、給紙部5a、搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。
制御部4は、複合機101の全体制御を司る。制御部4は、CPU41を含む。又、複合機101には、ROM、HDDやフラッシュROMのような不揮発性メモリーとRAMのような揮発性のメモリーを含む記憶部6が設けられる。記憶部6は、制御に関するプログラムやデータを記憶する。制御部4は、記憶部6のプログラムやデータを利用して各部を制御する。制御部4は、各部を制御してスキャンや印刷や送信や画像データの記憶のような各種ジョブを行わせる。又、制御部4には、画像読取部1の出力(画像データ)に基づき画像処理を行う画像処理部42が設けられる。
操作パネル3は、複合機101の状態、メッセージ、設定用画面を表示する。また、操作パネル3はスキャンやコピーのようなジョブに関する設定操作を受け付ける。制御部4は、操作パネル3と通信し設定内容を認識する。
印刷部5の給紙部5aは、印刷に用いる用紙を1枚ずつ送り出す。搬送部5bは、用紙を搬送し、印刷済み用紙を機外に排出する。画像形成部5cは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部5dは、転写されたトナー像を用紙に定着させる。制御部4は印刷部5の動作を制御する。
又、複合機101は、通信部43を含む。通信部43は、PCやサーバーのようなコンピューター200やFAX装置300と、ネットワークやケーブルや公衆回線を介して通信可能に接続される。通信部43は、原稿読み取りに基づく画像データをコンピューター200やFAX装置300に送信できる(スキャン送信機能)。
(画像読取装置100の概要)
次に、図1〜図3を用いて、実施形態に係る画像読取装置100の概要を説明する。図2、図3は、実施形態に係る画像読取装置100の一例を示す図である。
図1に示すように、実施形態に係る画像読取装置100は、画像読取部1、原稿搬送部2、制御部4、記憶部6を含む。このように、画像読取装置100は、複合機101の一部である。
図2に示すように、画像読取部1の上面左側に、主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)を長手方向とし、透明板状の送り読取用コンタクトガラス11が配される。そして、画像読取部1の上面で送り読取用コンタクトガラス11の右側に、透明板状の載置読取用コンタクトガラス12が配される。書籍のような原稿を1枚ずつ読み取るとき、使用者は、原稿搬送部2を持ち上げ、読取面を下向きにして、載置読取用コンタクトガラス12に原稿を載置する。
画像読取部1内には、第1移動枠13a、第2移動枠13b、ワイヤー14a、巻取ドラム14b、レンズ15と、原稿に照射された光が入射され、1ライン毎に原稿を読み取り、画像データを生成するためのイメージセンサー16が設けられる。
第1移動枠13aは、LEDや蛍光管のような主走査方向に沿って原稿に光を照射する光源17と、第1ミラー17aを支持する。第2移動枠13bは、第2ミラー17bと第3ミラー17cを支持する。複数本のワイヤー14aが、第1移動枠13a及び第2移動枠13bには取り付けられる(尚、図2では、便宜上、ワイヤー14aは1本のみ図示)。又、ワイヤー14aの他端は巻取ドラム14bに接続される。巻取ドラム14bは、巻取モーター14c(図4参照)を駆動源とする。巻取モーター14cの正逆回転により、第1移動枠13aと第2移動枠13bを水平方向に自在に移動させることができる。
光源17から発せられた光は、原稿に当たり反射する。第1ミラー17a〜第3ミラー17cは、反射光をレンズ15に導く。レンズ15は、反射光を集光しイメージセンサー16に入射する。イメージセンサー16は、ライン状に受光素子(光電変換素子)を複数並べたラインセンサー7を含む。
そして、イメージセンサー16の各受光素子(各画素)は、反射光のレベル(受光量)に応じたアナログの電気信号(電流、電圧)を出力する。原稿の主走査方向(原稿搬送方向と垂直な方向)にライン単位で読取が行われ、ライン単位の読取を副走査方向(原稿搬送方向)に連続して繰り返し行って、1枚の原稿が読み取られる。
次に、原稿搬送部2を説明する。原稿搬送部2は、読み取りを行う原稿を1枚ずつ、自動的、連続的に送り読取用コンタクトガラス11に搬送する。原稿搬送部2は、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ21、原稿供給ローラー22、原稿搬送路23、複数の原稿搬送ローラー対24a、24b、24c、原稿排出ローラー対25、原稿排出トレイ26を備える。又、原稿搬送部2は、図2の紙面奥側を支点として画像読取部1に上下方向に開閉自在に取り付けられ、画像読取部1の各コンタクトガラスを上方から押さえるカバーとして機能する。
送り読取用コンタクトガラス11の上面側の位置に、ガイド部材27が設けられる。ガイド部材27は白色である。原稿は、送り読取用コンタクトガラス11とガイド部材27の間を通過しつつ搬送される。原稿が搬送されていないときに読取を行うと、イメージセンサー16はガイド部材27を読み取る。
操作パネル3のスタートキー(不図示)が押されると(読取実行入力がなされると)、原稿供給ローラー22は、原稿トレイ21にセットされた原稿を原稿搬送路23に原稿を1枚ずつ送り出す。原稿は、複数の原稿搬送ローラー対24a〜24cやガイドに導かれ、送り読取用コンタクトガラス11の上面側を通過する。この通過の際、画像読取部1が読取を行う。そして、読取が完了した原稿は、原稿排出ローラー対25から原稿排出トレイ26に排出される。原稿供給ローラー22、原稿搬送ローラー対24a〜24c、原稿排出ローラー対25は、原稿搬送モーター28(図4参照)を駆動源として回転する。
ここで、図3を用いて、送り読取用コンタクトガラス11の近傍の構成を説明する。図3に示すように、原稿搬送部2にはガイド部材27が設けられる。原稿搬送部2が閉じられているとき、ガイド部材27は、送り読取用コンタクトガラス11に対向する。読取位置(読み取りラインの位置)は、ガイド部材27の下方の何れかの位置に設定される。原稿トレイ21から搬送された原稿は、ガイド部材27と送り読取用コンタクトガラス11との間を通過する。
ガイド部材27の上流側に原稿搬送ローラー対24cが設けられる。ガイド部材27の下流側に原稿排出ローラー対25が設けられる。原稿搬送ローラー対24cは、原稿を読取位置(送り読取用コンタクトガラス11)に向けて搬送する。原稿排出ローラー対25は、読取位置を通過した原稿を原稿排出トレイ26に向けて搬送する。ガイド部材27の上流側近傍には第1コロ24dが、下流側近傍には第2コロ24eが設けられる。各コロは、原稿を下向きに押す。第2コロ24eに対向して排出ガイド24fが設けられる。排出ガイド24fは、搬送される原稿をすくい上げる。
ここで、具体的な原稿読取動作の一例を説明しておく。まず、原稿搬送部2により搬送される原稿の読取の場合、巻取モーター14cが駆動し、第1移動枠13aは、送り読取用コンタクトガラス11の下方(ガイド部材27の下方)に固定される。そして、通過する原稿に対し光源17は光を照射する。一方、載置読取用コンタクトガラス12上に載置された原稿を読み取る場合、光源17を点灯させつつ第1移動枠13a及び第2移動枠13bを巻取ドラム14bやワイヤー14aにより、ホームポジションから右方向に水平に移動させる。そして、イメージセンサー16による、走査動作を、順次原稿の先端から後端まで連続的に行うことで、原稿全体が読み取られ、原稿画像が電気信号に変換される。
(原稿搬送部2と画像読取部1の制御)
次に、図4を用いて、実施形態に係る原稿搬送部2と画像読取部1の制御を説明する。図4は、実施形態に係る原稿搬送部2と画像読取部1の一例を示す図である。
原稿搬送部2には、原稿搬送制御部20が設けられる(図3参照)。原稿搬送制御部20は、CPUや、制御用のプログラムやデータを記憶するメモリーを含む基板である。原稿搬送制御部20は、制御部4や読取制御部10と通信可能に接続される。原稿搬送制御部20は、制御部4や読取制御部10からの原稿搬送開始の指示を受け、原稿搬送部2の動作制御を行う。
また、原稿トレイ21に用紙が存在する否かを検知するための原稿セットセンサーS1が原稿搬送部2に設けられる(図2参照)。原稿読取を伴うジョブの実行指示が操作パネル3になされたとき、制御部4は、読取指示を原稿搬送制御部20に送信する。原稿搬送制御部20は、原稿セットセンサーS1の出力を確認し、原稿トレイ21に用紙が存在する否かを検知する。原稿トレイ21に原稿があるとき、原稿搬送制御部20は原稿搬送モーター28を駆動させ、原稿供給ローラー22や各原稿搬送ローラー対を回転させる。
図2に示すように、原稿トレイ21には、原稿トレイ21にセットされた原稿を主走査方向で挟むように規制する一対の規制板21aが設けられる(図2では一方のみ可視)。規制板21aは主走査方向(原稿搬送方向と垂直な方向)にスライド可能である。使用者は各規制板21aの内側と原稿端が接するように各規制板21aをスライド移動させる。
また、原稿搬送部2には、セット原稿の主走査方向の幅を検知するための幅検知センサーS2が設けられる(図4参照)。幅検知センサーS2は、規制板21aと接続され、規制板21aの位置に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を含む。幅検知センサーS2の出力値は、可変抵抗によって規制板21aの位置に応じ変化する。幅検知センサーS2の出力は、原稿搬送制御部20に入力される。原稿搬送制御部20内のメモリーは、出力電圧値に対応する原稿サイズ(用紙サイズ)を定めた定義データを記憶する。原稿搬送制御部20は、定義データと幅検知センサーS2の出力電圧値の大きさに基づき、セット原稿の主走査方向の幅を認識する。
一方、画像読取部1には、読取制御部10が設けられる(図3参照)。読取制御部10は、CPU、メモリー、集積回路などを含む基板である。読取制御部10は、制御部4からの指示、信号を受け、画像読取部1の動作の制御を行う。
原稿読み取りを開始するとき、読取制御部10は、巻取ドラム14bを回転させ、第1移動枠13aと第2移動枠13bを移動させる。又、読取制御部10は、光源17を点灯させる点灯回路17d、イメージセンサー16、AFE部18aや補正処理部18bと接続される。
読取制御部10は、制御部4からの読み取り開始の指示に基づき、点灯回路17dに光源17を点灯させる。イメージセンサー16は、複数の受光素子(光電変換素子)が並べられたBk(Black/White)のラインセンサーを含む。各受光素子(各画素)は、原稿の反射光の大きさに応じたアナログ電気信号を出力する。なお、R、G、Bのラインセンサーを含むイメージセンサー16を採用し、カラー読み取り可能としてもよい。
AFE部18aは、イメージセンサー16によって得られた各画素のアナログ電気信号の補正、増幅を行う。また、AFE部18aは、補正、増幅後のアナログ電気信号の量子化を行って画像データを生成する。各画素の画素値は、濃度を示す。AFE部18aは、1色、1画素につき、8〜10ビットに量子化する。
補正処理部18bは、AFE部18aが出力した画像データを補正する。具体的に、補正処理部18bは、ガンマ補正やシェーディング補正のような光源17やイメージセンサー16の特性に由来する歪みを補正する。補正処理部18bを画像読取部1に設ける例を説明するが、補正処理部18bを設けず、補正処理部18bの処理を画像処理部42が行うようにしてもよい。補正処理部18bによって処理された画像データは、画像メモリー19に蓄えられた後、記憶部6に転送される。印刷を行うとき、画像処理部42は、別の画像処理を行った後の画像データを画像形成部5cに送信し、画像形成部5cは、画像データに基づいてトナー像を形成する。送信を行うとき、通信部43は、画像処理部42による画像処理後の画像データを送信先に送信する。
又、読取制御部10は、ホームセンサーS4と接続される。ホームセンサーS4は、第1移動枠13aがホームポジションに到達したことを検知するセンサーである。読取制御部10は、ジョブが完了すると第1移動枠13aをホームポジションに戻す。又、ホームポジションからどれだけ移動させた範囲が、第1移動枠13aがガイド部材27の下方に位置するかを示す情報が、記憶部6に記憶される。送り読み取りのとき、読取制御部10は、イメージセンサー16内の各読取ラインがガイド部材27の下方に収まる範囲内となるように、第1移動枠13aを移動させる。
(画像処理部42)
次に、図5を用いて、実施形態に係る画像読取装置100の画像処理部42を説明する。図5は、実施形態に係る画像読取装置100の画像処理部42の一例を示す図である。
送り読取用コンタクトガラス11に付着物やキズがある場合がある。付着物やキズの部分では、原稿への照射光や原稿からの反射光が減衰する。その結果、付着物やキズの位置を読み取る受光素子への入射光量が減る。付着物やキズによって、読み取りに基づき得られた画像データには副走査方向へ延びる比較的濃度の濃いスジが現れることがある。このスジは、原稿にはなく、原稿の再現性を低下させる。
このようなスジの除去、低減のため、付着物やキズに対応する画素を判定する処理が行うことがある。例えば、所定の閾値と読み取りに基づき得られた画像データを比較し、閾値よりも濃い画素をスジに対応する画素と判定することがある。しかし、閾値を固定値とすると、閾値よりも濃い下地の原稿では、下地もスジと誤判定してしまう。
また、読み取った原稿画像の下地(背景、地肌、用紙色)の濃度を検出し、各画素の画素値と前記下地の画素値の差を算出し、差が所定差よりも小さい画素をスジに対応する画素と判定することがある。しかし、正常な画素もスジと判定されてしまうので、所定差を大きくできない。そのため、そこで、下地が白である場合、スジのうち、薄いものしかスジと判定されず、濃いスジを検出できない。
画像処理部42は、ハードウェアとして、閾値設定部7と、異常画素判定部8と、スジ補正部9を含む。閾値設定部7は、正確にスジの画素(付着物やキズに対応する画素の位置)を判定するため、第1閾値Th1と第2閾値Th2を設定する。異常画素判定部8は、第1閾値Th1と第2閾値Th2に基づきスジ画素p1の位置を正確に判定する。スジ補正部9は、画像データのうち、スジ画素p1と判定した位置の画素の画素値を補正する。なお、閾値設定部7、異常画素判定部8、スジ補正部9は、プログラムと画像処理部42やCPUの演算によって機能的に実現されてもよい。
第1閾値Th1と第2閾値Th2の設定は、原稿を搬送するごとに行うようにしてもよい。あるいは、読取ジョブの1枚目の原稿読み取りのときだけ行うようにしてもよい。
(第1閾値Th1の設定と第1異常画素の判定)
次に、図6〜図12を用いて、実施形態に係る画像読取装置100での第1閾値Th1の設定と第1異常画素の判定を説明する。図6は、実施形態に係る第1閾値Th1の設定の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、原稿サイズに応じたブロック数の一例を示す図である。図8は、原稿の厚さに応じたブロック数の一例を示す図である。図9は、実施形態に係る画像読取装置100でのブロック分割の一例を示す図である。図10は、実施形態に係る第1閾値Th1の設定の一例を示す図である。図11、図12は、実施形態に係る第1異常画素の判定を説明するための図である。
図6のフローチャートのスタートは、原稿の搬送の開始時点である。原稿ごとに第1閾値Th1を定める場合では、スタートは各原稿の搬送開始時点である。読取ジョブの1枚目の原稿でのみ第1閾値Th1と第2閾値Th2を定める場合では、スタートは1枚目の原稿の搬送開始時点である。スタートのとき、原稿搬送制御部20は、原稿セットセンサーS1によって原稿トレイ21に原稿がセットされていることを認識している。
まず、原稿搬送制御部20は、幅検知センサーS2の出力に基づき、セットされた原稿のサイズ(主走査方向の幅)を認識する(ステップ♯11)。続いて、原稿搬送制御部20は主走査方向での画像データの分割数(ブロック数)を確定する(ステップ♯12)。
原稿をきちんとセットしようとして、原稿の主走査方向の幅よりも一対の規制板21aの間隔を少し狭くしてしまう場合がある。この場合、原稿はたわんだ状態で原稿トレイ21から送り出され、搬送される。
送り読取用コンタクトガラス11に対し、原稿にたわみや浮きがある部分は、たわみや浮きが無い部分に比べ、暗く読み取られる場合がある。また、反対に、たわみや浮きの影響によって、原稿のうち、送り読取用コンタクトガラス11に接する部分は、送り読取用コンタクトガラス11と離れている部分に比べ、明るく読み取られる場合がある。このように、原稿のが一部が浮くと、主走査方向で暗く読み取られやすい部分と明るく読み取られやすい部分ができる。
そこで、主走査方向の画像データを複数のブロックに分割し、ブロックごとに第1閾値Th1と第2閾値Th2を求める。これにより、主走査方向のうち、たわみや浮きがあるブロックでは、たわみや浮きに応じた第2閾値Th2が設定される。たわみや浮きが無いブロックでは、たわみや浮きが無い状態に対応した第2閾値Th2が設定される。つまり、各ブロックで最適な各閾値が設定される。そのため、主走査方向で閾値を1つだけ設定する場合に比べ、適切な閾値を設定し、正確にスジ画素p1を判定することができる。
ブロック数は、固定値でもよい。ここで、原稿の端部分は送り読取用コンタクトガラス11に対して、特に浮きやすい傾向がある。そこで、固定の値とする場合、ブロック数は、3以上とされる。これにより、画像データは、端部を含む2つのブロックと、それ以外のブロックを少なくとも1つ含むように分割される。原稿の端部が浮いても、端部のブロックでは、適切な閾値が設定される。
用紙の主走査方向の幅が広いほど、原稿の端部分が送り読取用コンタクトガラス11に対して浮く傾向がある。そこで、画像処理部42(閾値設定部7)は、原稿搬送制御部20と通信して原稿の主走査方向の幅を認識する。そして、閾値設定部7は、セットされた原稿の主走査方向の幅が大きいほど画像データの主走査方向での分割数を多くする。なお、原稿搬送制御部20は、幅検知センサーS2の出力に基づき、原稿の主走査方向の幅を認識している。
図7に示すように、原稿の主走査方向の幅が狭いほど、ブロック数を少なくする。図7の例では、原稿の主走査方向の幅にあわせ、3段階(ブロック数3、4、又は5)の何れかに分類する例を示しているが、2段階でもよいし、4段階以上でもよい。
また、薄い用紙ほど柔らかくたわみやすく、端部分が浮きやすい。そこで、実施形態に係る画像処理部42(閾値設定部7)は、セット原稿が厚いほど画像データの主走査方向での分割数を多くしてブロック数を少なくする。操作パネル3は、セットされた原稿の厚さの設定を受け付ける。なお、原稿の厚さのセットがなされずに読み取りが開始されたとき、厚さは「普通」と扱われる。
図8に示すように、セット原稿が薄いほど、ブロック数を多くする。図8の例では、原稿の厚さにあわせ、3段階(ブロック数3、4、又は5)の何れかに分類する例を示しているが、2段階でもよいし、4段階以上でもよい。
原稿の主走査方向の幅に基づき定めたブロック数と、原稿の厚さに基づき定めたブロック数が異なるとき、閾値設定部7は、多い方のブロック数を適用する。そして、図9は、主走査方向を4つブロックで分割する例を示す。主走査方向での各ブロックの幅は、均等でもよいが、浮きやすい端部に着目し、両端のブロックの幅を両端以外のブロックよりも短くしてもよい。
次に、読取制御部10は、原稿読み取り前に、ガイド部材27の読み取りを行う(ステップ♯13)。具体的には、読取制御部10は、巻取モーター14cを動作させて第1移動枠13a(読み取りラインの位置)をガイド部材27の下方に移動させ、光源17を点灯させ、イメージセンサー16を動作させる。
ここで、ガイド部材27(送り読取用コンタクトガラス11)の上流側に原稿検知センサーS3が設けられる(図2、図4参照)。例えば、原稿検知センサーS3は、光センサーである。原稿検知センサーS3は、原稿の存在を検知しているときといないときで出力レベルが異なる。原稿搬送制御部20は、原稿検知センサーS3の出力に基づき、原稿検知センサーS3の設置位置への原稿の先端到達と後端通過を認識する。
画像読取部1は、原稿搬送制御部20から原稿の先端到達と後端通過の検知の通知を受ける。画像読取部1は、原稿の搬送開始から原稿が送り読取用コンタクトガラス11に到達するまでの間にガイド部材27を読み取る。具体的に、原稿ごとに第1閾値Th1を定める場合、画像読取部1は、紙間(ガイド部材27の下方に原稿が存在していない間)でガイド部材27を読み取る。また、ジョブの1枚目の原稿の搬送時にのみ第1閾値Th1を定める場合、画像読取部1は、原稿搬送開始から、原稿検知センサーS3の原稿の先端到達検知時点に固定時間(原稿検知センサーS3から送り読取用コンタクトガラス11までの搬送距離を仕様上の原稿搬送速度で除して得られる時間)を加算した時点までの間にガイド部材27を読み取る。
画像読取部1は、ガイド部材27の読み取りに基づき生成した画像データを、記憶部6に出力する(ステップ♯14)。そして、閾値設定部7は、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データに基づき、ブロックごとに第1閾値Th1を定める(ステップ♯15)。
ここで、本実施形態では、画像読取部1は、読み取りラインの位置を固定したまま、複数回(複数ライン)のガイド部材27を読み取る。その結果、複数ライン分の画像データが生成される。そして、閾値設定部7は、主走査方向の位置ごとに、複数ライン分の画素値の平均値を求める。そして、閾値設定部7は、平均値を画素順(主走査方向)に並べた1ライン分の第1閾値設定用画像データを生成する。
そして、閾値設定部7は、ガイド部材27の読み取りで得られた画像データ(第1閾値設定用画像データ)のブロックごとに画素値に関するヒストグラムを生成する。図10は、閾値設定部7が生成するヒストグラムの一例を示す。そして、閾値設定部7は、各ヒストグラム(各ブロック)で最も個数が多い画素値である第1最頻出画素値を認識する(図10参照)。更に、閾値設定部7は、第1最頻出画素値よりも所定値Δ1分暗い(濃い)画素値を第1閾値Th1と定める(図10参照)。
続いて、閾値設定部7は、各ブロックの第1閾値Th1を第1閾値記憶部71(レジスタ、図5参照)に記憶させる(ステップ♯16)。これにより、ブロックごとの第1閾値Th1の設定が完了する。
続いて、異常画素判定部8は、ブロックごとに各画素の画素値(平均値)と対応する第1閾値Th1を比較し、第1閾値Th1よりも暗い画素を第1異常画素と判定する(ステップ♯17)。具体的に、異常画素判定部8は、第1閾値設定用画像データの各画素の値と、画素が属するブロックに対応する第1閾値Th1を比較し、第1閾値Th1よりも暗い画素を抽出する。
ここで、第1異常画素の判定を図11と図12を用いて説明する。図11に示すように、送り読取用コンタクトガラス11に付着物やキズがない場合、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データの各画素の画素値は、主走査方向で略同様な値となる。ガイド部材27はシェーディング補正での白基準板としても用いることができる。そのため、ガイド部材27は、真っ白である。その結果、ガイド部材27の読み取った各画素の画素値は、ほぼ真っ白を示す値となる。図11は、画素値が8ビットの範囲(0〜255)であり、255が真っ白を示す場合のあるブロックの画素値の分布の一例を示す。図11では、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データの各画素の画素値が250程度である例を示している。
ただし、ガイド部材27のうち、一部が色褪せたり、汚れが付着したりする場合がある。しかし、本実施形態の画像読取装置100では、主走査方向を複数のブロックに分ける。従って、各ブロックのガイド部材27の状態に応じた第1閾値Th1が設定される。色褪せたり、汚れが付着したりしている部分を含むブロックの第1閾値Th1は、ガイド部材27の色褪せや汚れが無いブロックに比べて暗めの値となる。
一方、図12は、送り読取用コンタクトガラス11の付着物やキズを読み取った場合での、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データにおける画素の画素値の一例を示す。送り読取用コンタクトガラス11上の付着物やキズのある場所に対応する画素の画素値は、図11で示す画素値に比べて暗い(濃い)値となる。図12の例では、矢印の範囲内が第1異常画素と判定される。
そして、異常画素判定部8は、第1異常画素と判定した画素の位置(座標)を第1異常画素記憶部81に記憶させる(ステップ♯18、図5参照)。異常画素判定部8は第1異常画素が主走査ラインの先端画素から何番目かのような第1異常画素の位置を示す情報を第1異常画素記憶部81に記憶させる。そして、本フローは終了する(エンド)。
(第2閾値Th2の設定と第2異常画素の判定)
次に、図13、図15〜図17を用いて、実施形態に係る画像読取装置100での第2閾値Th2の設定と第2異常画素の判定を説明する。図13は、実施形態に係る第2閾値Th2の設定の流れの一例を示すフローチャートである。図15は、実施形態に係る第2閾値Th2の設定の一例を示す図である。図16、図17は、実施形態に係る第2異常画素の判定を説明するための図である。
第2閾値Th2は、第1閾値Th1とともに設定される。原稿ごとに各閾値を定める場合、図13のフローチャートのスタートは、原稿読取開始前にガイド部材27の読み取りを行った時点である。読取ジョブの1枚目の原稿でのみ各閾値を定める場合、図13のフローチャートのスタートは、1枚目の原稿読み取り前にガイド部材27の読み取りを行った時点である。
読取制御部10は、ガイド部材27への原稿到達に基づき、原稿の先端側余白部分D1からの読み取りを開始する(ステップ♯21)。画像読取部1は、原稿検知センサーS3の先端検知後、前述の固定時間経過した時点から原稿の読み取りを開始する。
画像読取部1は、原稿の読み取りに基づき生成された画像データを、記憶部6に出力する(ステップ♯22)。そして、閾値設定部7は、原稿の読み取りに基づき得られた画像データのうち、原稿の先端側余白部分D1の画像データに基づき、ブロックごとに第2閾値Th2を求める(ステップ♯23)。具体的に、読取制御部10は、原稿の先端から原稿搬送方向下流側の数mm程度の範囲(余白の範囲)を先端側余白部分D1と扱う。なお、ブロック数、ブロック同士の境界の位置は、第1閾値Th1のときと同じとする。
ここで、先端側余白部分D1の幅は1ドットの幅よりも広い。そのため、先端側余白部分D1に対応する画像データは、複数ライン分となる。閾値設定部7は、先端側余白部分D1の画像データを用い、主走査方向の位置ごとに複数ライン分の画素値の平均値を求める。そして、閾値設定部7は、平均値を画素順(主走査方向)に並べた1ライン分の第2閾値設定用画像データを生成する。
そして、閾値設定部7は、第2閾値設定用画像データのブロックごとに画素値に関するヒストグラムを生成する。図15は閾値設定部7が生成するヒストグラムの一例を示す。そして、閾値設定部7は各ヒストグラムのブロック内での最も個数が多い画素値である第2最頻出画素値を認識する。更に、閾値設定部7は、第2最頻出画素値よりも所定値Δ1分暗い(濃い)画素値を第2閾値Th2と定める。
続いて、閾値設定部7は、各ブロックの第2閾値Th2を第2閾値記憶部72(レジスタ、図5参照)に記憶させる(ステップ♯24)。これにより、ブロックごとの第2閾値Th2の設定が完了する。更に、異常画素判定部8は、ブロックごとに、各画素の画素値(平均値)と対応する第2閾値Th2を比較し、第2閾値Th2よりも暗い画素を第2異常画素と判定する(ステップ♯25)。具体的に、異常画素判定部8は、第2閾値設定用画像データの各画素の値と、画素が属するブロックに対応する第2閾値Th2を比較し、第2閾値Th2よりも暗い画素を抽出する。
ここで、第2異常画素の判定を図16と図17を用いて説明する。図16に示すように、送り読取用コンタクトガラス11に付着物やキズがない場合、原稿の先端側余白部分D1の読み取りに基づき得られた画像データの各画素の画素値は、主走査方向で略同様な値となる。なお、図16では、下地(余白)が明灰色の原稿を読み取ったときのあるブロックの画素値の分布を示す。図16では、原稿の先端側余白部分D1の読み取りに基づき得られた画像データの各画素の画素値が190〜200程度である例を示している。
原稿の一部が、送り読取用コンタクトガラス11から浮く場合がある。しかし、本実施形態の画像読取装置100では、主走査方向を複数のブロックに分ける。従って、原稿の搬送状態応じた第2閾値Th2が設定される。
一方、図17は、送り読取用コンタクトガラス11の付着物やキズを読み取った場合での、原稿の先端側余白部分D1の読み取りに基づき得られた画像データの画素の画素値の分布の一例を示す。送り読取用コンタクトガラス11上の付着物やキズに対応する画素の画素値は、図16で示す画素値に比べて暗い(濃い)値となる。図17の例では、矢印の範囲内が第2異常画素と判定される。
そして、異常画素判定部8は、第2異常画素と判定した画素の位置(座標)を第2異常画素記憶部82に記憶させる(ステップ♯26、図5参照)。後に、第2異常画素がスジ画素p1か否かを判定するためである。具体的に、異常画素判定部8は、第2異常画素が主走査ラインの先端画素から何番目であるかのような第2異常画素の位置を示す情報を第2異常画素記憶部82に記憶させる。そして、本フローは終了する(エンド)。
(スジ画素p1の判定)
次に、図14を用いて、実施形態に係る画像読取装置100でのスジ画素p1の判定の流れの一例を説明する。図14は、実施形態に係るスジ画素p1の判定の流れの一例を示すフローチャートである。
図14のフローチャートのスタートは、第1閾値Th1と第2閾値Th2の設定を行い、第1異常画素と第2異常画素の判定を行った後、画像読取部1により原稿を読み取って画像データが得られた時点である。
異常画素判定部8は、画素第1異常画素と第2異常画素の位置(座標)を比べる(ステップ♯31)。そして、異常画素判定部8は、画像読取部1により原稿を読み取って得られた画像データの各画素のうち、主走査方向の位置が第1異常画素及び第2異常画素と同一の画素をスジ画素p1と判定する(ステップ♯32)。言い換えると、異常画素判定部8は、真っ白なガイド部材27を読み取ったときと原稿の余白を読み取ったときの何れでも(両方で)異常画素と判断された位置の画素は、読取用コンタクトガラス11に付着物やキズがある位置を読み取る画素(スジ画素p1)であると認識する。
(スジ画素p1の補正)
次に、図18〜図20を用いて、実施形態に係る画像読取装置100でのスジ画素p1の補正の一例を説明する。図18は、実施形態に係るスジ画素p1の補正の流れの一例を示すフローチャートである。図19、図20は、実施形態に係るスジ画素p1の補正の内容の一例を示す図である。
図18のスタートは、1枚の原稿の読み取りが完了し、生成された1ページ分の原稿の画像データが記憶部6に記憶された時点である。図18のフローは、原稿1ページの画像データが生成されるたびに実行される。そして、スジ補正部9(画像処理部42)は、主走査方向の画素のうち、スジ画素p1と判定された画素があるか否かを確認する(ステップ♯41)。スジ画素p1が無ければ(ステップ♯41のNo)、スジ画素p1の画素値を補正する必要はないので、本フローは終了する(エンド)。
一方、スジ画素p1があれば(ステップ♯41のYes)、スジ補正部9は、主走査方向でのスジ画素p1の位置を確認する(ステップ♯42)。そして、スジ補正部9は、1ページ分の原稿の画像データのうち、主走査方向でのスジ画素p1と判定した位置にあるライン(副走査方向にのびるライン)に含まれる各画素の画素値を補正する(ステップ♯43)。
1.主走査方向で連続していないスジ画素p1の補正
図19を用いて、主走査方向で連続していないスジ画素p1の補正を説明する。この場合、スジ補正部9は、スジ画素p1の画素値を、スジ画素p1に主走査方向で隣接する先端側の画素の画素値とスジ画素p1に主走査方向で隣接する後端側の画素の画素値の平均値に補正する。
図19では、主走査方向でn7番目の画素がスジ画素p1と判定されている。そして、図19では、スジ補正部9が、n6番目の画素値とn8番目の画素の画素値の平均値を、主走査方向でn7番目の画素の画素値と補正する例を示している。これにより、隣接する画素の画素値と連続性をもつようにスジ画素p1の画素値を補正することができる。この補正の結果、スジ補正部9は、画像データのうち、スジ画素p1に対応する位置の副走査方向にのびる1ラインに含まれる各画素の画素値を補正する。
2.主走査方向で連続する複数のスジ画素p1の補正
図20を用いて、主走査方向で連続するスジ画素p1の補正を説明する。この場合、スジ補正部9は、主走査方向で最も先端側のスジ画素p1よりも1つ先端側の画素(以下、「先端側正常画素」と称する。)の画素値から、主走査方向で最も後端側のスジ画素p1よりも1つ後端側の画素(以下、「後端側正常画素」)の画素値にむけて次第に変化して行くように複数個並ぶそれぞれのスジ画素p1の画素値を補正する。言い換えると、先端側正常画素の画素値から後端側正常画素の画素値まで線形補間するように連続するスジ画素p1の画素値を補正する。
図20では、主走査方向でn6番目〜n9番目の画素がスジ画素p1と判定されている。そして、図20では、スジ補正部9が、n5番目の画素(先端側正常画素)の画素値からn10番目の画素(後端側正常画素)の画素値に向けて、次第に変化して行くように、n6番目〜n9番目の各画素の画素値を補正する例を示している。これにより、一群のスジ画素p1と主走査方向で隣接する画素の画素値と連続性をもつように、複数のスジ画素p1をまとめて補正することができる。
具体的に、スジ補正部9は、先端側正常画素(n5番目の画素)の画素値から後端側正常画素画素(n10番目の画素)の画素値を減じて差を求める。そして、先端側正常画素から後端側正常画素までの距離(ドット数)を求める。そして、求めた差を求めた距離で除して傾きを求める。そして、スジ補正部9は、各スジ画素p1の値を、先端側正常画素の画素値+(傾き×先端側正常画素からの距離)で求める。尚、演算で求められた補正後のスジ画素p1の画素値に少数点以下の値が含まれるとき、切り捨てても良いし、切り上げてもよい。この補正の結果、スジ補正部9は、画像データのうち、スジ画素p1に対応する位置であって副走査方向にのびる複数ラインの束に含まれる各画素の画素値を補正する。
実施形態に係る画像読取装置100は、送り読取用コンタクトガラス11を含み、送り読取用コンタクトガラス11を通過する原稿を読み取り、画像データを生成する画像読取部1と、送り読取用コンタクトガラス11に対向し、かつ、画像読取部1の読み取り範囲に対向する位置に設けられ、搬送される原稿をガイドする単一色のガイド部材27を含み、セットされた原稿を送り読取用コンタクトガラス11に向けて搬送する原稿搬送部2と、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データを主走査方向で複数のブロックに分割し、ブロック内の最頻出の画素値に基づきブロックごとに第1閾値Th1を定めるとともに、原稿のうち予め定められた部分の読み取りに基づき得られた画像データを、第1閾値Th1を定めたときと同じ様に主走査方向で複数のブロックに分割し、ブロック内の最頻出の画素値に基づきブロックごとに第2閾値Th2を定める閾値設定部7と、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データの画素のうち、画素が属するブロックに対応する第1閾値Th1よりも暗い画素を第1異常画素と判定し、原稿のうち予め定められた部分の読み取りに基づき得られた画像データの画素のうち、画素が属するブロックに対応する第2閾値Th2よりも暗い画素を第2異常画素と判定し、画像読取部1により原稿を読み取って得られた画像データの各画素のうち主走査方向の位置が第1異常画素及び第2異常画素と同一の画素をスジ画素p1と判定する異常画素判定部8と、を備える。
これにより、閾値を定めるための画像データを主走査方向で複数のブロックに分割し、ブロックごとに第1閾値Th1と第2閾値Th2を定める。従って、原稿の一部にたわみや浮きがあっても、たわみや浮きのある場所(ブロック)に適した第2閾値Th2を定めることができる。従って、ブロックごとに最適な第2閾値Th2を定めることができ、スジ画素p1を正確に検出することができる。また、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データと、原稿の読み取りに基づき得られた画像データの両方を用いて閾値を定め、両方の閾値の何れでも異常と認められる画素をスジ画素p1と判定する。これにより、ガイド部材27の色のバラツキ、使用による汚れがあっても、ガイド部材27の濃い色の部分や汚れ部分をスジ画素p1と誤判定することを防ぐことができる。また、下地が白以外の色である原稿や、再生紙、更紙のような下地の色が濃い原稿を読み込んだときでも、スジでは無い部分をスジ画素p1と誤判定することを防ぐことができる。
原稿の主走査方向の幅が広いほど、搬送される原稿の一部がたわみやすい傾向がある。特に、原稿の主走査方向の両方の端の部分は、送り読取用コンタクトガラス11に対して浮いた状態となりやすい傾向がある。そこで、原稿搬送部2は、セット原稿の主走査方向の幅検知用の幅検知センサーS2を含む。閾値設定部7は、セットされた原稿の主走査方向の幅が大きいほど画像データの主走査方向での分割数を多くしてブロック数を多くし、セットされた原稿の主走査方向の幅が小さいほど画像データの主走査方向での分割数を少なくしてブロック数を少なくする。
これにより、送り読取用コンタクトガラス11に対して一部が浮きやすい幅広の用紙ほど、ブロック数を多くすることができる。これにより、搬送原稿の状態に応じた(最適な)第2閾値Th2をそれぞれ部分(ブロック)で定めることができる。従って、スジ画素p1を正確に検出することができる。一方、送り読取用コンタクトガラス11に対しての浮きが生じにくい幅狭の原稿ではブロック数を減らし、処理負荷を減らすこともできる。
原稿が薄いほど、搬送される原稿の一部がたわみやすい傾向がある。特に、送り読取用コンタクトガラス11に対して原稿の端の部分は、浮いた状態となりやすい傾向がある。
そこで、複合機101(画像形成装置)は、セットされた原稿の厚さの設定を受け付ける操作パネル3を含む。閾値設定部7は、セット原稿が薄いほど画像データの主走査方向での分割数を多くしてブロック数を多くし、セット原稿が厚いほど画像データの主走査方向での分割数を少なくしてブロック数を少なくする。
これにより、送り読取用コンタクトガラス11に対しての浮きが生じ易い薄い用紙ほどブロック数を多くすることができる。これにより、搬送原稿の状態に応じた(最適な)第2閾値Th2をそれぞれ部分(ブロック)で定めることができる。従って、スジ画素p1を正確に検出することができる。一方、送り読取用コンタクトガラス11に対しての浮きが生じにくい厚い用紙では、ブロック数を減らし、処理負荷を減らすこともできる。
又、スジ画素p1が主走査方向で複数個並んでいるとき、スジ補正部9は、最も先端側のスジ画素p1よりも1つ先端側の画素の画素値から最も後端側のスジ画素p1よりも1つ後端側の画素の画素値にむけて画素値が次第に変化して行くように、複数個並ぶそれぞれのスジ画素p1の画素値を補正する。
これにより、主走査方向で連続するスジ画素p1の束を、スジ画素p1に隣接する画素の画素値を考慮して補正することができる。従って、スジがわからなくなるように補正することができる。
又、閾値設定部7は、ガイド部材27の読み取りに基づき得られた画像データ及び予め定められた部分の読み取りに基づき得られた画像データを3以上のブロックに分割する。そして、閾値設定部7は、ブロック内での最も個数が多い画素値である最頻出画素値をブロックごとに定め、各最頻出画素値よりも所定値Δ1だけ暗い値を、ブロックごとの第1閾値Th1と第2閾値Th2として定める。
これにより、送り読取用コンタクトガラス11に対して、浮きやすい原稿の端の部分を含む2つのブロックと、この2つのブロックの間の少なくとも1つのブロックに分割される。従って、原稿の端部分が送り読取用コンタクトガラス11に対して浮いても、原稿の端に対応するブロックでは、適切な第2閾値Th2が設定される。従って、送り読取用コンタクトガラス11に対し、原稿の端部分が浮いても、原稿の端に対応するブロックに含まれるスジ画素p1を正確に検出することができる。
又、ガイド部材27は白色である。また、原稿のうちの予め定められた部分は、搬送方向における原稿の先端側余白部分D1である。これにより、白色のガイド部材27を読み取った画像データのうち、暗い(濃い)画素が第1異常画素と判定され、原稿の先端側余白部分D1のような余白(原稿の下地、地肌、背景)部分の読み取りで得られた画像データのうち、暗い(濃い)画素が第2異常画素と判定されるので、正確にスジ画素p1の位置を検出することができる。
又、複合機101(画像形成装置)は、上述の画像読取装置100を含む。これにより、原稿の主走査方向の各部分に適切な閾値を設定するので、スジ画素p1を正確に検出し、高画質の画像形成装置を提供することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。