JP2019193159A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冊子の見開きなど厚さが一定でない原稿を、背景板で押さえながら背景板とセンサとを移動させつつスキャンすると、背景板とセンサとの距離の変化により背景の明度が変化し、原稿領域の特定が困難であった。【解決手段】入力された画像の背景領域の明度の差に基づいて、原稿の厚さが一定でないか否かを判定する。厚さが一定でない原稿であれば、背景領域の明度に応じた閾値で画像を二値化して背景領域と原稿領域とを特定する。【選択図】図8

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
従来、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取るシートフィード型の画像読取装置(特許文献1参照)や、原稿を搬送せずガラス板の上に原稿を載置してガラス板に沿って画像読取センサを移動させることで原稿の画像を読み取るフラットベット型の画像読取装置(特許文献2参照)、これらを複合した画像読取装置(特許文献3参照)などが知られている。一般的には、冊子などの原稿を読み取る場合にはフラットベット型の画像読取装置を使用し、シート状の原稿を大量に読み取る場合にはシートフィード型の画像読取装置を使用することが多い。
特開2017−171426号公報 特開2007−142706号公報 特開2016−220061号公報
しかしながら、最近になって、パスポートなどの冊子を見開いた状態で搬送し、効率良く画像を読み取れる画像読取装置が望まれている。冊子の見開きは厚さが一定であるとは限らず、一冊の冊子の読み取り中に厚さが変化する。厚さの変化は背景板と読み取り用のセンサとの距離の変化を招き、距離の変化は背景板の明度を変化させる。このため原稿領域を正しく検出できず、良好な画像読取が困難であった。
本発明は上記従来例に鑑みて成されたもので、冊子を搬送しながら良好な画像読取を行える画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。本発明の一側面によれば、本発明は、入力画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
入力画像が厚みの変化する特殊原稿を読み取った特殊原稿画像か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記入力画像から原稿領域を特定する処理手段と
を有することを特徴とする。
また他の側面によれば、本発明は、原稿を画像センサに対して相対的に移動させつつ前記画像センサにより前記原稿を含む所定の範囲を読み取る読み取り手段と、
前記画像センサに向けて、背景板により原稿を押し当てる押し当て手段と、
前記読み取り手段により読み取った画像の背景領域の明度の差が所定の閾値を超える場合に、前記原稿が厚みの変化する特殊原稿であると判定する判定手段と、
前記判定手段により前記原稿が前記特殊原稿であると判定された場合に、前記背景領域の中の明度の高い領域と明度の低い領域それぞれに応じた基準で原稿領域を特定する処理手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、冊子を搬送しながら良好な画像読取を行える画像読取装置を実現することができる。例えば、原稿の厚みの変化を調べることで特殊な原稿かを判定し、特殊な原稿だった場合には、原稿の厚みが変化することで発生する画像への影響を回避しまたは補正することで良好な画像を読み取ることができる。
本発明における特殊原稿の例を示す図。 画像読取部の画像読取位置周囲の拡大画像を示す図。 厚い原稿を読み取る時における画像読取部の画像読取位置周囲の拡大画像を示す図。 薄い原稿を読み取る時における画像読取部の画像読取位置周囲の拡大画像を示す図。 図1の特殊原稿を画像読取装置で読み取ったときの画像の例を示す図。 厚手領域と薄手領域との境界周辺での明度と搬送距離との関係を示したグラフ。 本発明における画像読取装置全体の構成図。 本発明における画像読取部の構成図。 本発明における特殊原稿判定のフローチャート。 図4の画像を本発明において特殊原稿画像と判定された後に厚手領域、薄手領域、境界領域それぞれに分割した例を示す図。 本発明において特殊原稿画像の原稿領域を特定する為に二値化した例を示す図。 本発明における原稿領域特定のフローチャート。 本発明の画像読取装置全体の構成図。 本発明の図13の画像読取装置の制御ユニットのブロック図。
[第一実施形態]
以下本発明の実施の形態を、図7を参照して説明する。
●画像処理装置の構成
図7は本実施形態にかかる画像処理装置の構成を示すブロック図である。101は、本実施形態における画像処理装置である。画像処理装置101は、少なくとも画像読取機能と読み取った画像データを出力する機能とを有しており、印刷機能などその他の機能をさらに有していてもよい。画像読取部111は、原稿から画像を読み取り、画像判定部112、領域算出部113、画像処理部114に画像を出力する。画像判定部112は、画像読取部111が読み取った画像が特殊原稿を読み取った特殊原稿画像かを判定する画像判定部である。領域算出部113は、画像判定部112の判定結果と画像読取部111が読み取った画像から原稿領域を算出する領域算出部である。画像処理部114は、画像読取部111が読み取った画像に対して、領域算出部113によって算出された原稿領域を基に補正処理を行う画像処理部である。出力部115は、画像処理部114によって補正処理を行われた画像を外部端末へ出力する出力部である。出力部115は、例えば通信により画像を出力するが、印刷出力や、記憶媒体への出力などであってもよい。また特殊原稿とは、たとえばパスポートなどの冊子を含む。
●画像読取部の構成および動作
図8は本発明にかかる画像読取部111の構成図である。201は読み取る原稿を置く原稿台である。202は原稿を画像読取位置Pに搬送する搬送ローラーである。203は原稿の有無を検出する検知センサである。204は原稿に対して読み取りセンサと同じ側にあり、原稿に光を照射するLEDなどの光源である。205はLED204から出て原稿によって反射した光を1ライン分読み取る読み取りセンサである。読取センサ205は例えばCMOSセンサで構成したコンタクトイメージセンサや、電荷結合素子(CCD)などの画像センサでよい。また本例ではラインセンサであるが、面センサであってもよい。読取センサ205は、原稿を含む所定範囲の画像を読み取る。206は読み取った原稿を排出する排紙ローラーである。207はLED204の側へ原稿を押し当てる押し当て部材である。LED204と読取センサ205で原稿を読み取る位置を画像読取位置Pとする。また、読取センサ205は原稿の外側を読み取っているときは、押し当て部材207を読み取っているものとする。原稿Qは、少なくとも画像読取位置Pを含む範囲が透明な部材で構成されたプラテンに沿って搬送され、押し当て部材207は、原稿Qをそのプラテンに押し当てる。押し当て部材207は、読み取られた画像データの中で原稿領域の外側の背景領域となる部材である。そのため、押し当て部材207の読取センサ205側の表面は原稿と一定値以上の明度差があり識別しやすい色とする。原稿は一般的には白色を基調色とすることから、押し当て部材207の色はたとえばアイボリーやグレーなど、原稿の基調色と明度差が出る色であってよい。あるいは、押し当て部材207を白色とした場合であっても、LED204により照射される光が原稿を照射することで生じる影により原稿領域と背景領域との明度差を生じるためそれを利用して原稿領域と背景領域とを判別してもよい。
この画像処理装置101内の画像読取部111による画像の読み取りについて、図8を用いて説明する。まず搬送ローラー202を回転させて原稿台201に置かれている原稿Qを搬送する。原稿Qを搬送し原稿Qが検知センサ203の位置まで到達すると、検知センサ203が原稿を検知する。検知センサ203によって原稿を検知したら、搬送ローラー202の回転数をカウントする。そして、搬送ローラー202があらかじめ決められた回転数だけ回転したら、原稿が画像読取位置Pの付近まで到達したとして、LED204を点灯させて反射する光を読取センサ205を用いて読み取る。そうすることで、1ライン分の画像データを取得することができる。ここで読み取ったラインデータは1ラインずつ画像判定部112、領域算出部113、画像処理部114それぞれへ順次転送する。なお、この読み取り動作を行っている間、搬送ローラー202と排紙ローラー206を回転させて原稿を搬送する。原稿を1ライン分搬送すると次の1ラインが読み取られる。また、原稿Qの後端が画像読取位置Pに到達してからあらかじめ決められた回転数だけ排紙ローラー206を回した後で画像の読取を終了させる。以上の動作を行うことで、原稿を画像データとして読み取っていく。
なお、読み取りの開始タイミングと、終了タイミングをずらすことで、図5のように、画像の上端と下端に押し当て部材207を読み取った背景板領域を作成することができる。すなわち、上述した読み取り開始タイミングよりも早いタイミングで読み取りを開始し、読み取り終了タイミングよりも遅いタイミングで読み取りを終了する。こうすることで、画像の上端(前端)と下端(後端)それぞれに押し当て部材207を画像として読み込んだ背景板領域を作成できる。さらに、読取センサ205の長さよりも原稿の幅が短い場合には、余白部分は背景板領域となる。図5においては、画像500の中に原稿領域501があり、その周りを背景板領域が囲んでいる。
以下、読取センサ205が一度に読み出す向きを主走査方向、主走査方向と垂直で、原稿の搬送方向を副走査方向とする。また、図5など画像で見たときに主走査方向は左右方向、副走査方向は上下方向とする。
●原稿読取機構
図2は画像読取装置において、原稿読取位置周辺を拡大した図である。原稿は左側から右側へ搬送されるものとする。読取センサ205は、LED204を光源として、点Bの位置を読み取る。点Bに原稿がある場合は原稿を読み取り、無い場合は押し当て部材207を読み取る。原稿があっても主走査方向の原稿の背景として押し当て部材207を読み取る。すなわち、読み取った画像において原稿の外側は押し当て部材207を読み取った結果になっている。前述したように、読取センサ205によって原稿が無いときに読み取られる読み取り部材207が背景板領域(あるいは背景領域とも呼ぶ)である。また、押し当て部材207は上下に移動するようになっている。原稿が無い状態では、押し当て部材207は読取センサ205の側へ近付いた状態で待機している。ここで原稿の先端が点Aの位置まで来ると、押し当て部材207は原稿によって上に押し上げられる。また、原稿の後端が点Cを過ぎたとき、押し当て部材207は下に落ちて最初の位置に戻る。そのためには例えば押し当て部材207をばね等によって適切な力でプラテンに押し当てるように構成しておけばよい。なお、ここで言うプラテンとは、読取センサ205において原稿と接する面を構成するガラス面である。
図3、図4はそれぞれ厚い原稿を読み取ろうとした時の原稿読取位置周辺の様子、薄い原稿を読み取ろうとした時の原稿読取位置周辺の様子である。図2の初期状態では、読取センサ205と押し当て部材207との距離はほとんどない。そこで原稿が搬送されると、原稿の厚さに応じて押し当て部材207が押し上げられている。このため、図3のように厚い原稿を読み取ろうとした時は、図4のように薄い原稿を読み取ろうとした時と比較すると読取センサ205と押し当て部材207との距離は離れていることが分かる。
読取センサ205で読み取る画像は、読取センサ205と読み取り対象との距離が離れれば離れるほど暗くなる。このため、図3のように厚い原稿を読み取ろうとした時の方が、図4のように薄い原稿を読み取ろうとした時と比較して、読取センサ205で押し当て部材207を読み取った時に画像は暗くなる。
また、原稿の厚さが一定であれば押し当て部材207が上下に移動するのは、原稿先端が点Aの位置に来て押し当て部材207を押し上げるときと、原稿後端が点Cの位置から抜けて押し当て部材207が元の位置に戻るときだけである。そのため、点Bで原稿を読み取っている間は背景板領域の明度は一定である。なおここでは明度を用いて説明するが、たとえばLuv表色系を用いた場合には、輝度成分についても同様のことがいえる。
ここで、例えば、画像中で背景板の明度と同じ明度の画素を画像中から特定、除外し、残った領域を原稿領域とすることができる。また、隣り合う画素と明度差がある画素を検出して、検出した画素を原稿と背景の境界画素として原稿領域を計算して原稿領域を検出することができる。
原稿を搬送し搬送路上のラインセンサで読み取るスキャナーにおいて、厚みが一定でない原稿を読み取るときには、厚さの違う部分を含めて画像を読み取ることが求められる。その一例として、パスポートの特定のページを見開きで読み取る場合について、以下説明する。
図1は上記のような原稿の例である。図1の場合、301の部分で綴じられており、左側のページ302が厚く、右側のページ303が薄くなっている。
図1のような原稿を搬送すると原稿の途中で原稿の厚さが変化することから、いくつか問題が発生する。その1つとして、背景板の明度の変化がある。搬送途中に厚さが変化する原稿を読み取ると、原稿の厚い部分である厚手領域と、原稿の薄い部分である薄手領域の境界で押し当て部材207が厚み方向に移動する。このため、厚手領域と薄手領域の境界で背景板の明度も変化する。厚手領域の明度は、薄手領域の明度に比べて低下する。図5は図1の原稿を読み取った画像の例である。原稿の厚さは原稿を綴じている部分である301で変化する。すなわち、図5の304のように明度が変化する境界領域が現れる。
また、この明度の変化は押し上げ部材207がどのように移動するかに依存する。押し当て部材207がゆっくり移動すれば明度は少しずつ変化するが、明度が変化する範囲は広くなる。逆に押し上げ部材207が素早く移動した場合は、明度が変化する範囲は狭いが、明度の変化は急激になる。なおここでいう範囲とは副走査方向の長さを示す。
図6は厚手領域と薄手領域との境界で変化する背景板領域の明度の様子を表したグラフである。図6(a)は厚さの変化が急峻な場合であり、図6(b)は、図6(a)に比べて厚さの変化が緩やかな場合を示している。厚さの変化率が、そのまま明度の変化率に反映されている。厚手領域と薄手領域の境界の様子で、原稿の形状によって、明度の異なる境界領域の範囲も異なる。そのため、このような明度の変化が発生する境界領域を、原稿領域を特定する処理で原稿領域と背景板領域との境界だと誤認識する恐れがある。図6に示したような画像では、背景板領域の明度が一定でないため、明度から背景板領域を検出することはできない。また、隣り合う画素の明度差を基に原稿と背景板の境界を検出しようとしても、境界領域でも明度差があるために原稿領域と背景板領域との境界であると誤検出してしまうおそれがある。
●原稿判定処理
次に、画像読取部111で読み取った画像を基に、画像判定部112が、原稿の位置によって厚さが変化する特殊原稿かを判定する処理について図9のフローチャートを用いて説明する。まず、画像上端の背景板領域の明度BTを測定する(S101)。画像上端の背景板領域はたとえば、原稿の先端が読み取り位置Pに達する前に押し当て部材207の表面を読み取ることで測定できる。次に、画像下端の背景板の明度BBを測定する(S102)。画像下端の背景板領域は、原稿の後端が読み取り位置Pを過ぎた後に押し当て部材207の表面を読み取ることで測定できる。背景板領域の明度を測定するときは、背景板領域内のラインの適当な画素の明度を取得しても良いし、該当ラインの明度を平均化して求めても良い。
次に、明度BTと明度BBを比較する(S103)。明度の差が閾値THより大きいならば、読み取った最中に厚みが変化した特殊原稿だと判定する(S104)。もし明度の差が予め定められた閾値TH以下の場合は、読み取った原稿は厚みがほぼ一定の一般原稿だと判定する(S105)。S104、S105では、判定の結果を示す情報が記憶されてもよい。閾値THは、たとえば、背景板領域内に閾値THの明度差があっても背景板領域であることを正しく識別できる程度の値であればよい。したがって、たとえば一般原稿を読み取ったときの背景板領域の明度の分布を予め調査し、最大の明度と最小の明度との差よりもいくらか大きい値を閾値THとして用いてよい。あるいは、厚手領域と薄手領域との厚みの差が異なる複数とおりの特殊原稿を実際に読み取った画像から、原稿領域と背景板領域との境界を領域算出部113により検出し、正しく検出できた特殊原稿の厚手領域と薄手領域との厚さの差の上限を閾値THとして用いてもよい。もちろんこの閾値THを領域算出部113のアルゴリズムから論理的に得られる場合には、そのアルゴリズムから特定してもよい。なお領域の検出は領域の特定ともいうことができ、したがって領域算出部は領域特定部と言い替えてもよい。
なお特殊原稿と判定した場合は、画像を上下に分けたときに画像上端を含む画像上部と画像下端を含む画像下部のどちらが原稿の薄い領域を読み取った薄手領域か、また原稿の厚い領域を読み取った厚手領域かを調べても良い。例えば、上端の明度BTと下端の明度BBを比較してBT<BBならば画像下部が薄手領域となる。逆に、BT>BBならば画像上部が薄手領域となる。以上により、特殊原稿だった場合は画像上部と画像下部のどちらが薄手領域か、を判定することができる。
また、厚手領域と薄手領域の境界となる境界領域がどこにあるかを決定しても良い。例えば、読み取られた特殊画像がパスポートのような冊子を読み取ったものと想定する。冊子を読み取った場合、厚さが変化するのは綴じ部、すなわち原稿の中央部になる。このため、画像の副走査方向における中央部に加えて、予め決められた範囲を境界領域と判定すれば良い。すなわち、画像内において副走査方向の画像の高さをH、予め決められた範囲を示す閾値をlとすると画像内の全ての画素において副走査方向の位置を表す座標すなわちy座標が、
|H/2 - y| < l ...式1
を満たす全ての画素が境界領域となる。ここで、背景板領域を含む画像の上端(前端と同じ)のy座標を0とする。すなわち、副走査方向について中央の位置y=H/2を中心として長さlの領域に含まれる画素が境界領域を構成する。
また境界領域を決定するのに、背景板領域に含まれる画像左端を上下それぞれから順に確認していく方法がある。原稿画像の上端の画素の明度をBT、座標(x,y)の明度をP(x,y)、適当な閾値をThCとし、上端すなわちy=0からyの値を例えば1ずつ増加させて画素を走査したときに、
| P(0,y) - BT| > ThC ... 式2
を最初に満たした座標YTが境界領域の上端になる。ただしx=0を画像の左端のx座標とする。閾値ThCは前述した閾値THと同じ値でもよい。なお、上端の明度BT はS101で計測したものとする。次に下から順に走査したときに、
| P(0,y) - BB| > ThC ... 式3
を最初に満たした座標YBが境界領域の下端になる。なお、下端の明度BBはS102で計測したものとする。このとき、座標yが
YT<y<YB ... 式4
を満たす領域を境界領域としても良い。またこのとき、画像の左端が原稿画像とならないように、搬送路に壁を設けて読み取りセンサ左端に原稿が入らないようにしても良い。
図5の画像に対して特殊原稿を読み取った画像かを判定した場合、図5の画像上端の明度と画像下端の明度とを比較すると、画像下端に比べて画像上端は明度が低いことがわかる。よって、図5の画像は特殊原稿を読み取ったもので、画像上部が厚手領域、画像下部が薄手領域と判定できる。また、境界領域は画像中央部である。すなわち、図10で画像上部領域311が厚手領域、領域312が境界領域、画像下部領域313が薄手領域と判定される。なお上部とは前端側であり、下部とは後端側である。
●原稿領域の検出
次に、領域算出部113において画像から原稿領域を検出する処理を図12のフローチャートを用いて説明する。図12の処理の対象となる入力画像データは、処理対象の画像データの複製でよい。フローチャートの入力された画像に対してS201からS205により、図9の手順の判定結果すなわち特殊原稿か否かに応じて二値化処理を行う。なお、背景色Bに応じて二値化処理を行う場合、適当な閾値をThBとするとき、座標(x,y)に対して、
|P(x, y) - B| < ThB ... 式5
を満たすならばP(x,y) = 0、満たさないならばP(x,y) = 1とする。なお、式5でのP(x,y)は座標(x,y)の明度値である。なお明度1は明度の最高値であって、1ビット表現であればたとえば1画素あたり1ビットであるが、8ビットの階調表現の場合には値を255とすればよい。
入力画像が特殊原稿かどうかを判定して(S201)、もし特殊原稿だったと判断したら、境界領域から見て上の領域か下の領域かで別々の背景色を用いて処理する。まず画像上部領域311を式5において背景色B=BT(すなわち前端の明度) として二値化する(S202)。次に画像下部領域313を式5において背景色B=BB(すなわち後端の明度)として二値化する(S203)。最後に、境界領域である領域312を全て0に、すなわち全て黒にする(S204)。なお、ここでのBT、BBは画像判定部112で取得した背景板領域の上端及び下端それぞれの明度とする。二値化により、上部領域については前端部の明度との明度差が閾値より小さければ黒となる。下部領域については後端部の明度との明度差が閾値より小さければ黒となる。すなわち、上部領域および下部領域では、少なくとも背景板領域は黒となり、境界領域については全体が黒となる。
もしS201で特殊原稿ではなく一般原稿だったと判断したら、画像全体を式5において背景色B=BT (すなわち上端の明度)で二値化処理を行う(S205)。
図11は図10のように画像上部、画像下部、境界領域と判定された画像に対してS201-S205までの方式で二値化した例である。画像上部領域311,画像下部領域313は原稿の部分が白となって見える。また、領域312の部分は境界領域なので、全て黒になっている。原稿内部のコンテンツについては、背景板との明度の差が小さい部分のみ黒画素として残る。
次に、二値化した画像において画像内部の全画素を調べて、全ての白画素を含む最小の長方形を形成する(S206)。すなわち、P(x,y)=1を満たすかを画像内の全てのx,yに対して判定して、満たすときは4つの値xl, xr, yt, ybに対して
xl = min(x, xl)
xr= max(x, xr)
yt = min(y, yt)
yb = max(y, yb) ... 式6
とする。
この処理を全ての画素に対して行うことで、4点(xl,yt ),(xl,yb ),(xr,yb ),(xr,yt )で形成される長方形が原稿領域となる。これはたとえば、上下左右の端部から行または列に着目して含まれた画素を検査し、白画素を含む行または列のうち最も端部側にある行または列を、原稿領域のうち背景板領域との境界を画定する行または列と判定できる。具体的には、y=0から行(主走査方向に沿った画素列)を走査し、黒画素のみであればyに1加算して次の行を走査する。これを繰り返して最初に現れた白画素が含まれた行を、原稿領域の上端として認定し上述したytとする。またy=画像の最下行の番号とし、y行を走査して黒画素のみであればyから1減算して次の行を走査する。最初に現れた白画素が含まれた行を、原稿領域の下端と認定して上述したybとする。左右についても同様に、x=0から列(副走査方向に沿った画素列)を走査し、黒画素のみであればyに1加算して次の列を走査する。最初に現れた白画素が含まれた列を、原稿領域の左端として認定し上述したxlとする。またx=画像の最右列の番号とし、x列を走査して黒画素のみであればxから1減算して次の列を走査する。最初に現れた白画素が含まれた列を、原稿領域の右端として認定し上述したxrとする。
以上により、入力画像から原稿領域を特定できる。この後、検出した原稿領域で画像を切り出し、出力部115を経由して画像を外部へ出力する。すなわち、特定された原稿領域に対応する領域を、入力画像から切り出してそれを原稿画像として出力する。このとき、ユーザーの設定や検出した原稿領域に応じて出力範囲を変更しても良い。例えば、境界領域を除外して出力しても良い。厚さが変化する境界領域は見開きの綴じ部分であることが多く、情報量も少ない。また、画像読み取り時に不具合が発生しやすい。境界領域を取り除くことで、画像読み取り時に不具合が発生しても、異常画像を出力しない。取り除いた境界領域は、白や黒など予め定めた色で置き換えてもよい。また、厚手領域と薄手領域を分けて出力しても良い。冊子の見開きページを読み取った場合、厚手領域、薄手領域のそれぞれ別々のページとなっている。このため、厚手領域と薄手領域とを分けて保存することで、実際の原稿におけるページの出力をすることができる。
本実施形態のS206では、原稿の領域を検出するのに背景の明度を用いて検出したが、他の方法を用いても良い。例えば、隣り合う画素との明度の差が閾値以上ある画素を境界としても良い。また特にそれらの画素のうち、最も外側(画像の外枠の近くの画素を境界としてもよい。
また、本実施例では式5のように閾値ThBを一定にしていたが、厚手領域と薄手領域とで閾値を変更し、相異なる閾値を用いても良い。厚手領域での背景板は暗いため明度差が出にくい。逆に、薄手領域での背景板は明るいため明度差が出やすい。そこで、厚手領域では閾値ThBをより小さい値に変更し、薄手領域では閾値ThBをより大きい値に変更する。このようにすることで、厚手領域、薄手領域共に原稿領域を検出しやすくすることができる。
本実施形態では、原稿領域を、その各辺が搬送方向に平行な長方形として検出したが、他の方法で求めても良い。例えば、実施形態の方法で二値化した後に全ての白画素を含むような凸多角形を形成する。形成した凸多角形の辺のうち最長の辺を調べて、その辺を共有しかつ凸多角形を内部に含む最小の長方形を原稿の矩形としても良い。この場合、原稿の傾きも同様に検出することができる。
また、読み取った原稿が特殊原稿か否かを判定する際に、原稿の厚さを、背景板の明度を用いて調べていたが、他の方法を用いても良い。例えば、距離センサを用いて背景板との距離を計測し、原稿読み取り中に原稿の厚さが大きく変化した場合に特殊原稿だと判定しても良い。
(変形例)
本発明は、画像読取部が搬送媒体の読取中に搬送路側から筐体内に向かって押し込まれたことを検知するセンサ部を設け、そのセンサ部の検知結果に基づいて、当該搬送媒体の画像データに対して所定の画像処理を行うようにしてもよい。この場合、センサ部が検知する前の読取データを基準として、センサ部が検知した後の読取データを補正するようにしてもよいし、センサ部が検知する前後の画像データの中間値(明度、輝度、彩度等の値)を求めてセンサ部が検知する前後の画像データをそれぞれ補正し、センサ部が検知する前後の画像データにおいて視覚的な差が生じないようにするようにしてもよい。
あるいは、CISや押し当て部材の、原稿の厚み方向についての位置を検知する位置センサを設け、原稿を読んでいる途中でその位置が所定量以上変化した場合にその位置を特殊原稿の厚みが変化する境界と判定することもできる。この場合、図12のステップS201では、原稿の厚みの所定量以上の変化を検知したことをもって、その原稿を特殊原稿と判定してもよい。原稿の読み取り中にCISや押し当て部材の厚み方向の位置所定量以上の変化を検知した場合、原稿の前端からその検知位置までの距離を記憶しておき、その距離に相当する原稿画像上の位置を、厚手領域と薄手領域との境界としてもよい。そしてこの場合には、より厚い側を厚手領域、より薄い側を薄手領域と判定することもできる。
また、本発明は、通常読取モードに加えて、冊子読取モードの事前設定を可能とし、冊子読取モードが選択された場合、当該冊子読取モードで読み取った画像データに対して背景画像データの差に基づいて、画像処理を行うようにしてもよい。
また本実施形態の図7に示した構成は、例えば第二実施形態の図14に示したCPU81により記憶部81に記憶したプログラムを実行することで実現できる。また、本実施形態の図9、図12に示した手順も、CPU81がプログラムを実行することによっても実現できる。なお画像処理装置の機能は、CPUのほか専用の回路によってもその一部又は全部を実現できる。
また本実施形態では、原稿をセンサに対して移動させつつ画像を読み取っているが、この移動は相対的なものであり、センサを原稿に対して移動させてもよいし、双方を移動させてもよい。
[第二実施形態]
第二実施形態として、図8とは異なる構成の画像読取装置について説明する、図13は本発明の第二の実施形態に係る画像読取装置Aの概略図である。第一実施形態で説明した図8、図7の構成に代えて、それぞれ図13、図14を用いても、第一実施形態で説明したと同様の発明を実現できる。
<装置の構成>
画像読取装置Aは、載置台1に積載された一又は複数の搬送媒体S(原稿群)を1つずつ装置内に経路RTにて搬送してその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。読み取る搬送媒体Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。搬送媒体Sには、また、パスポートなどの冊子も含まれる。
経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。
送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向)に回転駆動される。伝達部5は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sの逆送の場合に駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向))に回転駆動される。
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作業を持たせるようにしてもよい。なお冊子の読み取りを行う場合には、分離ローラ12によりページが繰られてしまうことになりかねないので、冊子を読み取る場合には、分離ローラ12は通常とは逆方向(点線矢印の方向)に回転させてよい。あるいは分離ローラ12を送りローラ11から離間させてもよい。なお、上記各実施形態においては、冊子の読み取り面を透明な第1の板で覆うと共に第2の板との間に冊子を挟持可能に構成したキャリアシートによって冊子を搬送することが好ましい。この場合、キャリアシートの第2の板か押し当て部材207が背景となるが、押し当て部材207によってプラテンに押圧された冊子の厚みに応じ、上述したような明度などの変化が起こることには変わりがなく、本発明が好適に適用できる。
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。
従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
このような第2搬送部30よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に柔道する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れまわる。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
ここで、本実施形態の画像読取装置Aでは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70a及び70bによって画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30は搬送媒体Sを定速搬送する。
第2搬送部20及び第3搬送部30の搬送速度は常に第1搬送部10の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Sに後続搬送媒体Sが追いついてしまう事態を回避できる。例えば、本実施形態では、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度を、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにした。
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度と、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部3を制御して後続搬送媒体Sの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行搬送媒体Sと後続搬送媒体Sとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。
重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された上流側の検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。冊子の読み取りの場合には、重送検出センサ40をオフとするか、あるいはその出力信号を無視してよい。
媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出されると、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60は画像読取ユニット70a及び70bよりも上流側で、第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。
媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50、60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70a及び70bは、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。
本実施形態の場合、画像読取ユニット70a及び70bは経路RTの両側に配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。なお冊子の読み取りの場合には、読み取り対象となる見開き側となる一方のみで読み取りを行えばよい。
なお、本実施形態では、画像読取ユニット70a及び70bを経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
図14を参照して制御部8について説明する。図14は画像読取装置Aの制御部8のブロック図である。
制御部8はCPU81、記憶部82、操作部83、通信部84及びインターフェース部85を備える。CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(パソコン)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
インターフェース部85はアクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、駆動部3、駆動部4、伝達部5等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50及び60、画像読取ユニット70a及び70b等が含まれる。
画像読取装置Aの基本的な動作について説明する。制御部8は、例えば画像読取装置Aが接続された外部パソコンから画像読み取りの開始指示を受信すると、第1乃至第3搬送部10乃至30の駆動を開始する。載置台1に積載された搬送媒体Sはその最も下に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送される。
搬送の途中で搬送媒体Sは重送検出センサ40により重送の有無が判定され、重送が無いと判定されると搬送が継続される。なお、重送があると判定された場合には、搬送を停止するか、第1搬送部10による後続搬送媒体Sの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Sをそのまま排出するようにしてもよい。
制御部8は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部20により搬送されてきた搬送媒体Sの、画像読取ユニット70a及び70bによる画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部パソコンへ送信する。画像が読み取られた搬送媒体Sは第3搬送部30により排出トレイ2に排出されてその搬送媒体Sの画像読取処理が終了する。
本実施形態では、図13、図14に示した構成で、第一実施形態と同様に、冊子を読み取った場合の、特殊原稿と一般原稿との判別、厚手領域と薄手領域の特定、それぞれの領域における原稿領域の特定というそれぞれの処理を行う。ただし本実施形態では図13に示した構成に、押し当て部材207に相当する構成がない。そこでたとえば、冊子を読み取る際の読み取り部を画像読取ユニット70bとすれば、それに対向する画像読取ユニット70bは、原稿の背後にある背景板領域として、読み取られた画像に表れる。そこでたとえば画像読取ユニット70aと70bのラインセンサの副走査方向の位置をずらして配置し、画像読取ユニット70aのラインセンサに対向する部位は、画像読取ユニット70bのラインセンサでなくセンサ周辺の部材となるよう画像読取ユニット70bを構成する。そして本実施形態では、その画像読取ユニット70aに対向する部分を、第一実施形態における押し当て部材207と同様に背景板として用いる。そのために画像読取ユニット70bをたとえばばね等で付勢してその表面を搬送される原稿に押し当てる機能を持つ(不図示)。これにより、冊子読み取り時には、厚手領域と薄手領域とで背景板画像の明度が異なるものとなり得る。あるいは、画像読取ユニット70aと70bで原稿を挟み込むように付勢してもよい。ただし画像読取ユニット70aと70bとの間を原稿が通過するために、画像読取ユニット70aと70bの原稿側表面を滑らかに形成し、また押し当てる力も原稿の搬送を妨げない程度に設定する。
図14に示した構成により、第一実施形態の図7に示した機能ブロックと同様の構成が実現される。また、図14のCPU81により図9に示した手順および図12に示した手順が実行されて、原稿が読み取られ、冊子の見開きを含む特殊原稿と、枚葉の一般原稿とが判別される。さらに、特殊原稿であると判定されると、厚手領域と薄手領域それぞれの領域が、それぞれの明度に応じた基準値で二値化され、原稿領域が特定される。特定された原稿領域は画像処理装置から出力される。出力された、原稿領域が切り出された画像データ対しては、保存され、印刷され、あるいは所定形式の文書ファイルに変換されるなどの後処理が行われる。
なお、冊子はキャリアシートに挟んで読み取りをおこなっても、挟まずにむき出しの状態で読み取りを行ってもよい。キャリアシートを用いた読み取りを冊子モードあるいは冊子読み取りモードと呼んでもよい。キャリアシートを用いずに通常モードで冊子の読み取りを行う場合には、シートの分離機構を非動作状態にした非分離モードで読み取りを行うことが望ましい。分離を行う分離モードと非分離モードとの切り替えは、たとえばユーザインターフェイスや遠隔のコンピュータなどからおこなってもよいし、読み取り機構に備えられた機械的なレバー等で分離ローラの送りローラに対するニップ圧を低減させることなどで行ってもよい。冊子モードは、ユーザーによって指定されてもよいし、単にキャリアシートを用いるというだけのものであってもよい。前者の場合には冊子モードが指定されたときに限って図12の手順で特殊原稿を判定してもよい。また、非分離モードであるかどうかを例えばレバーや分離ローラの位置を検知するセンサによって検知し、非分離モードであれば冊子読み取りが行われる可能性があるとして、図12の手順で特殊原稿の判定を行ってもよい。また、非分離モードが選択されたことを以って、冊子を含んだ特殊な原稿であると判定しても良い。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
201 原稿台、202 搬送ローラー、203 検知センサ、204 LED、205 読み取りセンサ、206 排紙ローラー、207 押し当て部材

Claims (9)

  1. 入力画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
    入力画像が厚みの変化する特殊原稿を読み取った特殊原稿画像か否かを判定する画像判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記入力画像から原稿領域を特定する領域特定手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記入力画像が前記特殊原稿画像であると前記画像判定手段によって判定された場合に、前記特殊原稿の厚みの薄い領域を読み取った薄手領域と厚みの厚い領域を読み取った厚手領域とを判別し、
    前記領域特定手段は、前記厚手領域と前記薄手領域のそれぞれに応じた基準で前記原稿領域を特定することを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記入力画像が前記特殊原稿画像であると前記画像判定手段によって判定された場合に、前記特殊原稿の厚みが変わる境界を含む境界領域を特定し、
    前記領域特定手段は、前記境界領域を、前記原稿領域を特定する対象として用いないことを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項2または3に記載の画像処理装置であって、
    前記領域特定手段は、前記画像判定手段によって判定された前記薄手領域と前記厚手領域とで、前記原稿領域の背景である背景領域を特定するために相異なる閾値を用いることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    画像センサにより前記原稿を含む画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段の読み取り位置において、前記原稿を前記読取手段に向けて押し当てるとともに、前記原稿の背景ともなる押し当て手段とを有し、
    前記画像判定手段は、前記読取手段により読み取った画像の前端部と後端部の明度の差に基づいて前記原稿が前記特殊原稿であるか否かを判定することを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    前記入力画像のうち、前記領域特定手段により前記入力画像から特定した前記原稿領域に対応する領域の画像を出力する出力手段をさらに有することを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    前記入力画像のうち、前記領域特定手段により前記入力画像から特定した前記厚手領域と前記薄手領域それぞれに対応する領域の画像を出力する出力手段をさらに有することを特徴とする画像処理装置。
  8. 原稿を画像センサに対して相対的に移動させつつ前記画像センサにより前記原稿を含む所定の範囲を読み取る読取手段と、
    前記画像センサに向けて、背景板により原稿を押し当てる押し当て手段と、
    前記読取手段により読み取った画像の背景領域の明度の差が所定の閾値を超える場合に、前記原稿が厚みの変化する特殊原稿であると判定する画像判定手段と、
    前記判定手段により前記原稿が前記特殊原稿であると判定された場合に、前記背景領域のうちの明度の高い領域と明度の低い領域それぞれに応じた基準で原稿領域を特定する領域特定手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  9. 原稿を画像センサに対して相対的に移動させつつ前記画像センサにより前記原稿を含む所定の範囲を読み取る読取手段と、前記画像センサに向けて、背景板により原稿を押し当てる押し当て手段とを有する画像処理装置による画像処理方法であって、
    前記読取手段により読み取った画像の背景領域の明度の差が所定の閾値を超える場合に、前記原稿が厚みの変化する特殊原稿であると判定し、
    前記原稿が前記特殊原稿であると判定された場合に、前記背景領域のうちの明度の高い領域と明度の低い領域それぞれに応じた基準で原稿領域を特定する
    ことを特徴とする画像処理方法。
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