以下に添付図面を参照して、位置情報出力装置および位置情報出力方法、ならびに、モータ駆動装置および画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置の一例の構成を示す。図1において、モータ駆動装置1は、DCブラシレスモータ100(以下、モータ100)を駆動する。モータ100は、モータ極ペア数N、2N極(N=1,2,…)のモータであり、モータ駆動部101から供給される3相(U相、V相およびW相)の駆動信号に従い回転駆動される。
センサ部102は、モータ100内部にそれぞれ120°の角度差で取り付けられたホール素子102U、102Vおよび102Wを含む。ホール素子102U、102Vおよび102Wは、それぞれ、各位置に対するモータ100の回転角すなわちモータ100のマグネットのペア(極ペア)に応じた検出信号U1、V1およびW1を出力する。各検出信号U1、V1およびW1は、位相が互いに120°異なった正弦波状の信号となる。
なお、各ホール素子102U、102Vおよび102Wは、検出信号U1、V1およびW1を、互いに位相が反転した2の信号U+およびU−、V+およびV−、ならびに、W+およびW−を組として出力する。各ホール素子102U、102Vおよび102Wから出力された各検出信号U1、V1およびW1は、信号増幅部103で増幅され、第1位相検出部104および信号レベル調整部105にそれぞれ供給される。
第1位相検出部104は、各検出信号U1、V1およびW1の位相を検出する。例えば、第1位相検出部104は、各検出信号U1、V1およびW1について、位相0°でハイ状態(H)およびロー状態(L)が反転する第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wをそれぞれ出力する。図2(a)は、第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wの例を示す。第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wは、演算部120に供給される。
演算部120は、例えばMPU(Micro Processor Unit)を備え、クロック信号CLKに従い動作し、外部から供給される信号COMに従いモータ100の回転開始、回転停止などの制御を行う。また、演算部120は、このモータ駆動装置1が搭載される装置の電源の状態を示す信号POWが供給される。
演算部120は、後述する信号レベル検出部109から出力される、各ホール素子102U、102Vおよび102Wによる検出信号U1、V1およびW1の各レベルを示すレベル信号AD1が供給される。演算部120は、このレベル信号AD1と、第1位相検出部104から供給される第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wとに基づき、各検出信号U1、V1およびW1に対するゲインを示すゲイン信号GA_U、GA_VおよびGA_Wをそれぞれ出力する。各ゲイン信号GA_U、GA_VおよびGA_Wは、信号レベル調整部105に供給される。
信号レベル調整部105は、各ゲイン信号GA_U、GA_VおよびGA_Wに従い、信号増幅部103から供給された各検出信号U1、V1およびW1の信号レベルを調整し、レベル調整された各検出信号U2、V2およびW2として出力する。このとき、信号レベル調整部105は、それぞれ単相の信号として各検出信号U2、V2およびW2を出力する。信号レベル調整部105から出力された各検出信号U2、V2およびW2は、信号選択部106、検出信号選択部108および第2位相検出部110にそれぞれ供給される。
また、演算部120は、第1位相検出部104から供給された各第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wに基づき、選択信号SEL1およびSEL2を生成する。選択信号SEL1は、例えば、各第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_WのH状態およびL状態が切り替わるタイミングに対応する信号である。
例えば、演算部120は、図2(a)に示される第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wの立ち上がりおよび立ち下がりの各エッジに従い、図2(b)に示される、各第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wの1周期を6相の位相情報に分割するセンサ位相信号を生成する。演算部120は、例えば、この6相の位相情報のうち第1および第4相で検出信号U2を選択し、第2および第5相で検出信号V2を選択し、第3および第6相で検出信号W2を選択するように、選択信号SEL1を生成する。
検出信号選択部108は、演算部120から選択信号SEL1が供給される。検出信号選択部108は、例えば図3に黒丸で示されるように、選択信号SEL1が示すタイミングで、供給された各検出信号U2、V2およびW2から1つを選択して上述した信号レベル検出部109に供給する。なお、図3は、説明のため、上述した図2(a)とは各第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCMP_Wの位相差が異なる例を示している。
信号レベル検出部109は、供給された信号のレベルを検出し、検出された信号レベルを示すレベル信号AD1を演算部120に供給する。ここで、信号レベル検出部109に供給される信号は、図3に示されるように、各検出信号U2、V2およびW2の電気角60°または−60°の信号となる。そのため、信号レベル検出部109は、供給された信号のレベルに1/sin(60°)≒1.155を乗じた値を、供給された信号の信号レベルとして検出する。
第2位相検出部110は、図4(a)および図4(b)に例示されるように、供給された各検出信号U2、V2およびW2に基づき、各検出信号U2、V2およびW2のうち2の信号が交叉するタイミングでH状態とL状態とが切り替わる第2位相信号UV、VWおよびWUを生成する。図4(a)は、各検出信号U2、V2およびW2を示す。各検出信号U2、V2およびW2は、このように、位相が互いに120°ずれた信号である。
第2位相検出部110が生成する第2位相信号UV、VWおよびWUは、例えば、各検出信号U2、V2およびW2のうち2の信号が正側で交叉するタイミングでH状態からL状態に切り替わり、負側で交叉するタイミングでL状態からH状態に切り替わる。図4(b)の例では、検出信号U2およびV2に係る第2位相信号UVは、検出信号U2およびV2が正側で交叉するタイミングでH状態からL状態に切り替わり、負側で交叉するタイミングでL状態からH状態に切り替わっている。これは、検出信号V2およびW2に係る第2位相信号VWと、検出信号W2およびU2に係る第2位相信号WUについても同様である。
第2位相検出部110から出力された各第2位相信号UV、VWおよびWUは、それぞれ合成部111および演算部120に供給される。
演算部120は、第2位相検出部110から供給された各第2位相信号UV、VWおよびWUに基づき、信号選択部106が各検出信号U2、V2およびW2を選択するための選択信号SEL2を生成する。演算部120は、例えば、図4(b)に示す各第2位相信号UV、VWおよびWUのうち2の信号がH状態およびL状態の区間をそれぞれ検出する。演算部120は、検出された各区間のH状態およびL状態に基づき、当該各区間において各検出信号U2、V2およびW2のうち何れかを選択する選択信号SEL2を生成する。
より詳細には、演算部120は、各検出信号U2、V2およびW2から、検出された区間がH状態の場合に、当該区間にてレベルが増加する検出信号を選択し、検出された区間がL状態の場合に、当該区間にてレベルが減少する検出信号を選択するような選択信号SEL2を生成する。すなわち、図4(c)に太線で示されるように、演算部120は、第2位相信号VWおよびWUがL状態の区間では、当該区間でレベルが減少する検出信号W2を選択し、次の、第2位相信号UVおよびVWがH状態の区間では、当該区間でレベルが増加する検出信号V2を選択し、さらに次の、第2位相信号UVおよびWUがL状態の区間では、当該区間でレベルが減少する検出信号U2を選択する選択信号SEL2を生成する。
この選択信号SEL2は、換言すれば、各検出信号U2、V2およびW2のうち1の検出信号を他の2の検出信号が交叉するタイミングで区切った区間内における当該1の検出信号を、各検出信号U2、V2およびW2のそれぞれから選択する信号である。例えば、選択信号SEL2は、検出信号U2を検出信号V2と交叉するタイミングと、検出信号W2と交叉するタイミングとで区切り、検出信号U2と検出信号V2との交叉点と、検出信号U2と検出信号W2との交叉点との間の区間内の検出信号U2を選択するように生成される。
信号選択部106は、演算部120からから供給された選択信号SEL2に従い、各検出信号U2、V2およびW2の各区間の信号を選択して、選択された各区間の信号が連続した信号X(図4(c)参照)として出力する。信号選択部106は、このように、正弦波状の各検出信号U2、V2およびW2における略直線の領域の信号を選択して、信号Xを生成する。信号Xは、スライス部107に供給される。
スライス部107は、信号選択部106から供給された信号Xのレベルを、図4(c)に水平方向の矢印により示されるように、切替信号により指定された複数の閾値レベルと比較する。スライス部107は、比較結果に基づき、信号Xのレベルが閾値レベルを跨いだタイミングを示す信号を位相情報phとして生成する。位相情報phは、合成部111に供給される。なお、スライス部107が信号Xのレベルを複数の閾値レベルと比較する動作をスライスと呼び、複数の閾値レベルで分割されるレベル数をスライス数と呼ぶ。
合成部111は、第2位相検出部110から出力された各第2位相信号UV、VWおよびWUと、スライス部107から供給された位相情報phとを合成して合成位相情報を生成する。図4(d)は、合成部111で生成された合成位相信号の例を示す。図4(d)に示されるように、合成位相信号は、信号Xのレベルが閾値レベルを跨いだタイミングでH状態とL状態とが切り替わる、2値の信号として生成される。合成部111から出力された合成位相信号は、モータ制御コントローラ112でPWM(Pulse Width Modulation)信号に整形されて、モータ100の回転位置を示すエンコード信号として演算部120に供給される。
演算部120は、モータ制御コントローラ112から供給されたPWM信号と、第1位相検出部104から供給された第1位相信号CMP_U、CMP_VおよびCPM_Wとに基づき、モータ駆動部101がモータ100を駆動するための駆動制御信号UH、UL、VH、VL、WHおよびWLを生成する。
例えば、演算部120は、上述した図2(b)に示したセンサ位相信号に基づき、モータ制御コントローラ112から供給されたPWM信号を、3相の各駆動制御信号UH、VHおよびWHに振り分ける。さらに、各駆動制御信号UH、VHおよびWHを、合成位相情報における1/2位相分、すなわち、PWM信号の1/2波分ずらし、さらにH状態区間(Low−ON)を形成した駆動制御信号UL、VLおよびWLを生成する。図2(c)は、このようにして生成された各駆動制御信号UH、UL、VH、VL、WHおよびWLを示す。
演算部120で生成された駆動制御信号UH、UL、VH、VL、WHおよびWLは、モータ駆動部101に供給される。モータ駆動部101は、供給された各駆動制御信号UH、UL、VH、VL、WHおよびWLに基づき、モータ100を駆動するための、U相、V相およびW相の各駆動信号を生成し、モータ100を回転駆動させる。
図5は、モータ駆動部101の一例の構成を示す。モータ駆動部101は、図5に示されるように、プリドライバ1010と、ドライバ1011とを備える。プリドライバ1010は、供給された各駆動制御信号UH、UL、VH、VL、WHおよびWLを積分してドライバ1011に対して出力する。
ドライバ1011は、それぞれ駆動制御信号UH、UL、VH、VL、WHおよびWLに開閉状態を制御されるスイッチ1013UH、1013UL、1013VH、1013VL、1013WHおよび1013WLを含む。図5の例では、各スイッチ1013UH、1013VHおよび1013WHの一端にモータを駆動するための駆動電源1012が供給され、各スイッチ1013UH、1013VHおよび1013WHの他端がスイッチ1013UL、1013VLおよび1013WLの一端に接続される。各スイッチ1013UL、1013VLおよび1013WLの他端は、例えば接地電圧とされる。
スイッチ1013UHおよび1013ULの接続点から、U相の駆動信号が出力される。同様に、スイッチ1013VHおよび1013VLの接続点から、V相の駆動信号が出力され、スイッチ1013WHおよび1013WLの接続点から、W相の駆動信号が出力される。
なお、上述した各構成のうち、例えば第1位相検出部104と、信号レベル調整部105と、信号選択部106と、スライス部107と、検出信号選択部108と、信号レベル検出部109と、第2位相検出部110と、合成部111と、モータ制御コントローラ112と、演算部120とを、1の集積回路上に構成することができる。
ここで、スライス部107によるスライス数が多いほど単位時間当たりに含まれる合成位相情報が多くなり、エンコード信号の分解能が高くなる。一方、各ホール素子102U、102Vおよび102Wの各検出信号U1、V1およびW1は、モータ100のモータ極ペア数が多いほど、短周期となる。したがって、使用するモータ100のモータ極ペア数に応じてスライス数を変更することで、モータ極ペア数が異なるモータ100間でエンコード信号の分解能を一致させることができる。
各検出信号U1、V1およびW1の1周期(360°)を30°毎にスライス数nで分割する場合、エンコード信号の分解能Pすなわち1周期のパルス数は、下記の式(1)により表される。なお、式(1)において、値Nは、モータ100の極ペア数を示す。
P=(360/30)×n×N …(1)
式(1)により、モータ100のモータ極ペア数が6、スライス部107のスライス数が5の場合、分解能P=360(パルス)となる。これに対して、モータ100のモータ極ペア数が5の場合には、スライス部107のスライス数を6とすることで、エンコーダ信号の分解能P=360となる。このように、スライス部107におけるスライス数をモータ100のモータ極ペア数に応じて切り替えることで、エンコード信号の最終出力パルス数を同一にできる。
上述したように、第1の実施形態のスライス部107は、信号Xと比較する複数の閾値レベルを、切替信号により切り替えることができる。例えば、スライス部107は、信号Xの信号レベルに対するスライスを、第1のスライス数および第2のスライス数の何れに応じて行うかを、切替信号に応じて切り替える。これにより、複数のモータ極ペア数に対してエンコード信号の分解能を共通化でき、駆動システムの変更を行うこと無しに、モータ100の置換えが可能となる。
図6は、第1の実施形態に係る、スライス数を切り替え可能としたスライス部107の一例の構成を示す。図6において、スライス部107は、第1のスライス数でスライスを行う第1スライス部107aと、第2のスライス数でスライスを行う第2スライス部107bと、これら第1スライス部107aおよび107bを外部からの切替信号に応じて選択して切り替えるスイッチ1070とを備える。切替信号は、外部の制御装置などから入力するようにしてもよいし、このスライス部107が搭載される集積回路上の2以上のピンをジャンパ線などで短絡するような方法で入力してもよい。
図7(a)は、スライス数が6である第1スライス部107aの一例の構成を示す。図7(a)において、第1スライス部107aは、予め定められた電圧VL2とVL1との電位差を、それぞれ所定の抵抗値である抵抗R61〜R67で分割し、各抵抗R61〜R67の接続点から6の閾値レベルを取り出す。この6の閾値レベルは、それぞれ比較器20061〜20066の基準入力端(−)に入力される。また、信号Xは、各比較器20061〜20066の比較入力端(+)に共通して入力される。
各比較器20061〜20066は、比較入力端(+)に入力される信号Xの信号レベルを、各比較器20061〜20066の基準入力端(−)に入力された各閾値レベルと比較して、比較結果をそれぞれ位相情報ph(1)〜ph(6)として出力する。例えば、位相情報ph(1)〜ph(6)は、それぞれ、信号Xが減少しながら各閾値レベルを跨ぐ場合にH状態からL状態に立ち下がり、信号Xが増加しながら各閾値レベルを跨ぐ場合にL状態からH状態に立ち上がる。
図7(b)は、スライス数が5である第2スライス部107bの一例の構成を示す。第2スライス部107bの構成および動作は、上述した第1スライス部107aの構成および動作と、略同一である。図7(b)において、第2スライス部107bは、上述の第1スライス部107aと同様にして、電圧VL2と電圧VL1との電位差を、それぞれ所定の抵抗値である抵抗R51〜R56で分割し、各抵抗R51〜R56の接続点から5の閾値レベルを取り出す。この5の閾値レベルは、それぞれ比較器20051〜20055の基準入力端(−)に入力され、各比較入力端(+)に共通して入力される信号Xの信号レベルと比較される。各比較器20051〜20055による比較結果は、位相情報ph(1)〜ph(5)としてそれぞれ出力される。
なお、上述では、スライス部107がスライス数の異なる2のスライス部を有するものとして説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、スライス部107は、スライス数の異なる3以上のスライス部を含んでいてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態によるモータ駆動装置1をMFP(Multi Function Printer)に適用した例である。MFPは、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能など複数の機能を1の筐体で実現可能とした複合機である。
MFPは、例えば、画像データに従い用紙に画像を形成する画像形成機構と、原稿から画像を読み取るスキャナ機構とを有し、これら画像形成機構とスキャナ機構とを組み合わせて、あるいは、各々単独で利用することで、上述したプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能を1の筐体で実現する。MFPは、さらに、データ通信を行う通信部を設けて、上述したプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能と、通信部による通信機能とを組み合わせてFAX機能をさらに実現することも可能である。
図8は、第2の実施形態に適用可能なMFPの一例の構成を示す。図8において、MFP500は、プリンタ機能、スキャナ機能およびコピー機能を利用可能な複写機として構成されている。
図8において、MFP500は、画像形成装置としての画像形成部30と、転写紙供給装置40と、画像読取ユニット50とを備えている。画像読取装置としての画像読取ユニット50は、画像形成部30の上に固定されたスキャナ150と、これに支持されるシート搬送装置としての原稿自動搬送装置(以下、ADFという)51とを有している。
転写紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの転写紙給紙カセット42、転写紙給紙カセット42から転写紙を送り出す転写紙送出ローラ43、送り出された印刷媒体としての転写紙を分離して転写紙給紙路44に供給する転写紙分離ローラ45を有している。また、画像形成部30の搬送路としての本体側転写紙給紙路37に、転写紙(用紙)を搬送する複数の搬送ローラ46も有している。転写紙供給装置40は、転写紙給紙カセット42内の転写紙を画像形成部30内の本体側転写紙給紙路37内に給紙する。
画像形成部30は、光書込装置2や、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K、3Y、3Mおよび3Cと、転写ユニット24と、紙搬送ユニット28と、レジストローラ対33と、定着装置34と、スイッチバック装置36と、本体側転写紙給紙路37とを備えている。画像形成部30は、光書込装置2内に配設された図示しない例えばレーザダイオードによる光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K、4Y、4Mおよび4Cに向けてレーザ光を照射する。このレーザ光の照射により、感光体4K、4Y、4Mおよび4Cの表面は静電潜像が形成され、この潜像が所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
4つのプロセスユニット3K、3Y、3M、3Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K、4Y、4M、4Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K、4Y、4M、4Cと、中間転写ベルト25とが当接するK、Y、M、C各色用の一次転写ニップが形成されている。
K、Y、M、C各色用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された各色の一次転写ローラによって、中間転写ベルト25を感光体4K、4Y、4M、4Cに向けて押圧している。これら各一次転写ローラには、図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K、Y、M、C各色用の一次転写ニップには、感光体4K、4Y、4M、4C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成される。図中時計回り方向の無端移動に伴って、K、Y、M、C各色用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25の表側面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25の表側面には、4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラと二次転写ローラとの間に無端状の紙搬送ベルトを掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの二次転写ローラと、転写ユニット24の下部張架ローラとの間に、中間転写ベルト25および紙搬送ベルトを挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25の表側面と、紙搬送ベルトの表側面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラには、電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラは接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、レジストローラセンサ(図示しない)が配設されている。転写紙供給装置40からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる転写紙は、その先端がレジストローラセンサに検知された所定時間後に搬送が一時停止され、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、転写紙の姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。
転写紙の先端がレジストニップに突き当たると、レジストローラ対33は、転写紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングでローラ回転駆動を再開して、転写紙を二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙に一括二次転写され、転写紙の白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルトの表側面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表側面には、二次転写ニップで転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
定着装置34に搬送された転写紙は、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着された後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外の排紙トレイ501へと排出される。
紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。これにより、両面プリントを行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙の搬送経路が、切換爪によってスイッチバック装置36側に切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ501上に排紙される。
画像形成部30の上に固定されたスキャナ150やこれの上に固定されたADF51からなる画像読取ユニット50は、固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第2コンタクトガラス155の直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス155上に載置された図示しない原稿MSの下面で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ150に固定された画像読取センサ153で受光する。
一方、画像読取ユニット50は固定読取部として、スキャナ150の内部に配設された第1固定読取部151と、ADF51内に配設された後述する第2固定読取部とを有している。第1固定読取部151は、光源と、反射ミラーと、CCD(Charge Coupled Device)による画像読取センサとを有し、原稿MSに接触するように、スキャナ150のケーシング上壁に固定された第1コンタクトガラス154の直下に配設されている。第1固定読取部151は、ADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス154上を通過する際に、光源から発した光を原稿MSの第1面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラーなどを含む光学系を移動させることなく、原稿MSの第1面を走査する。また、第2固定読取部は、第1固定読取部151を通過した後の原稿MSの第2面を走査する。
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53と、原稿MSを搬送するための原稿搬送部54と、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55とを保持している。本体カバー52は、スキャナ150に固定された蝶番によって、上下方向に開閉可能に支持されている。本体カバー52は、開かれた状態でスキャナ150の上面の第1コンタクトガラス154や第2コンタクトガラス155を露出させる。
原稿が、製本された本などの、原稿束の片隅を綴じた片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第2コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ分離搬送しながら、スキャナ150内の第1固定読取部151やADF51内の第2固定読取部に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、ユーザによる動作開始操作に応じて、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に分離させて1枚ずつ原稿搬送部54内に送り、送られた原稿MSを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第1固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第1面の画像がスキャナ150の第1固定読取部151によって読み取られる。
なお、上述では、画像形成部30が画像を形成する印刷媒体が紙媒体であるものとして説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、画像形成部30が画像を形成する印刷媒体は、紙媒体に限定されず、フィルムなど他の媒体であってもよい。
図9は、第2の実施形態に適用可能なADF51の一例の構成を、スキャナ150の上部と共により詳細に示す。ADF51は、原稿セット部Aと、分離搬送部Bと、レジスト部Cと、ターン部Dと、第1読取搬送部Eと、第2読取搬送部Fと、排紙部Gと、スタック部Hとを備える。
原稿セット部Aは、原稿MSの束が第1面が上方となるようにセットされる原稿載置台53を有する。分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送する。
レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出す。ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながら表裏を反転させて、原稿MSの第1面を下方に向ける。第1読取搬送部Eは、第1コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第1コンタクトガラス154の下方からスキャナ150の内部に配設されている第1固定読取部151に原稿MSの第1面を読み取らせる。
第2読取搬送部Fは、第2固定読取部95の下方に配置された第2読取ローラ96によって原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第2面を第2固定読取部95に読み取らせる。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出する。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
読取を行う原稿MSは、原稿先端部を支持し原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能な可動原稿テーブル53bと、原稿後端側を支持する固定原稿テーブル53aとから構成される原稿載置台53上に、第1面が上向きとなるように載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向、すなわち、原稿MSの搬送方向に直交する方向の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置決めがなされる。
このようにして原稿載置台53にセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル53bの上方で揺動可能に配設されたレバー部材であるセットフィラー62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号が図示されないコントローラに送信され、コントローラから図示されない本体制御部に送信される。
また、固定原稿テーブル53aには、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサ又は原稿1枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサからなる複数の原稿長さセンサ57、58aおよび58bが配置されている。これらの原稿長さセンサにより、原稿MSの搬送方向の長さの概略が判定される。
可動原稿テーブル53bの上方にはピックアップローラ80が配置されている。可動原稿テーブル53bは、図示されない底板上昇モータの駆動により、駆動するカム機構によって図中矢印a、b方向に揺動する。原稿MSが原稿載置台53にセットされたことをセットフィラー62や原稿セットセンサ63で検知すると、コントローラは、底板上昇モータを正転させて束状の原稿MSの最上面がピックアップローラ80と接触するように可動原稿テーブル53bを上昇させる。
ピックアップローラ80は、図示されないピックアップ昇降モータによって駆動するカム機構により、図中矢印c、d方向に移動可能となっている。また、ピックアップローラ80は、可動原稿テーブル53bが上昇して可動原稿テーブル53b上の原稿MSの上面により押されて図中矢印c方向に上がる。これをテーブル上昇センサ59で検知することにより、可動原稿テーブル53bの上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップ昇降モータが停止すると共に、図示されない底板上昇モータが停止する。
ユーザによる動作開始操作に応じてピックアップ搬送モータが駆動されてピックアップローラ80が回転駆動され、原稿載置台53上の1乃至数枚の原稿MSをピックアップする。ピックアップローラ80の回転方向は、最上位の原稿MSを給紙口48に搬送する方向である。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータの正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータの正転によって図中時計回りに回転駆動されるリバースローラ85が当接している。リバースローラ85の当接部においては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとする。一方、リバースローラ85の駆動伝達部にはトルクリミッタ(図示しない)が設けられており、リバースローラ85は、給紙方向に向かう力がトルクリミッタのトルクよりも大きいと給紙方向に表面移動するように回転する。
リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは当接部に原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、給紙ベルト84または原稿MSに連れ回る。但し、当接部に複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されているため、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙方向とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。これにより、重送が防止される。
給紙ベルト84やリバースローラ85の作用によって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、給紙ベルト84によって更に送られ、突き当てセンサ72によって先端が検知されつつ、更に進んで停止しているプルアウトローラ対86に突き当たる。その後、突き当てセンサ72による先端の検知から所定時間だけ給紙モータを駆動させて、停止する。これにより、原稿MSが突き当てセンサ72による検知位置から所定量定められた距離だけ送られ、結果的には、原稿MSがプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙ベルト84による原稿MSの搬送が停止する。
突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたときに、ピックアップ昇降モータを回転させることでピックアップローラ80を原稿MSの上面から退避させ原稿MSを給紙ベルト84の搬送力のみで送る。これにより、原稿MSの先端は、プルアウトローラ対86の上下のローラによって形成されるニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
プルアウトローラ対86によって送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサなどからなる紙検知センサを原稿幅方向(搬送方向に直交する方向)に複数個並べたセンサであり、どの紙検知センサが原稿MSを検知するかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズを検知する。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSが突き当てセンサ72によって検知されなくなる(原稿MSの後端が通過する)までのタイミングに基づいてモータパルスから検知する。
プルアウトローラ対86および中間ローラ対66の駆動によって搬送される原稿MSは、中間ローラ対66および読取入口ローラ対90によって搬送されるターン部Dに進入する。中間ローラ対66はプルアウトローラ対86の駆動源であるプルアウトモータと、読取入口ローラ対90の駆動源である読取入口モータとの両方のモータから駆動が伝達される構成となっている。そして、2つのモータのうち、回転速度が速くなる側のモータの駆動によって回転速度が決まる機構を備えている。
画像読取ユニット50では、プルアウトローラ対86および中間ローラ対66の回転駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿MSが搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定しており、原稿MSを第1読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られている。このとき、中間ローラ対66はプルアウトモータを駆動源として回転する。
原稿MSの先端が読取入口センサ67により検出されると、読取入口ローラ対90の上下のローラによって形成されるニップに原稿MSの先端が進入する前に、原稿MSの搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度と同速にするために、プルアウトモータの減速を開始する。これと同時に、読取入口モータおよび読取モータを正転駆動する。読取入口モータを正転駆動することで読取入口ローラ対90が搬送方向に回転駆動し、読取モータを正転駆動することで読取出口ローラ対92及び第2読取出口ローラ対93が搬送方向にそれぞれ駆動する。
ターン部Dから第1読取搬送部Eに向かう原稿MSの先端をレジストセンサ65で検知すると、コントローラは、所定の時間をかけて各モータの駆動を減速することで、原稿MSの搬送速度を所定の搬送距離をかけて減速する。そして、コントローラは、第1固定読取部151による第1読取位置400の手前で原稿MSを一時停止するように制御すると共に、本体制御部にレジスト停止信号を送信する。
続いて、コントローラは、本体制御部より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿MSの原稿先端が第1読取位置400に到達するまでに、原稿MSの搬送速度が所定の搬送速度に立ち上がるように、読取入口モータおよび読取モータの駆動を制御する。これにより、原稿MSは搬送速度が増速されつつ、第1読取位置400に向かって搬送される。そして、読取入口モータのパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第1読取位置400に到達するタイミングで、コントローラから本体制御部に対して原稿MSの第1面の副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第1読取位置400を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第1面が第1固定読取部151によって読み取られる。
第1読取搬送部Eを通過した原稿MSは、読取出口ローラ対92のニップを通過した後、その先端が排紙センサ61によって検知され、さらに、その後、第2読取搬送部Fを通過して排紙部Gへと搬送される。
原稿MSの片面(第1面)のみを読み取る場合には、第2固定読取部95による原稿MSの第2面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿の先端が検知されると、排紙モータの正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中上側の排紙ローラが図中反時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータのパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータの駆動速度が減速せしめられて、原稿MSが原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙されるように制御される。
一方、原稿MSの両面(第1面および第2面)を読み取る場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第2固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータのパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラから本体制御部に対して原稿MSの第2面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第2固定読取部95による第2読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第2面が第2固定読取部95によって読み取られる。
第2固定読取部95は、例えば密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦筋を防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。また、原稿MSが通過する搬送路を挟んで第2固定読取部95に対向する位置には、原稿MSを非読取面側(第1面側)から支持する原稿支持手段としての第2読取ローラ96が配設されている。この第2読取ローラ96は、第2固定読取部95による第2読取位置での原稿MSの浮きを抑えるとともに、第2固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。
ここで、第1の実施形態で説明したモータ駆動装置1は、MFP500およびADF51に用いられる何れのモータの駆動に適用してもよい。例えば、上述した駆動ローラ82を駆動するためのモータや、プルアウトローラ対86を駆動するためのモータに対してモータ駆動装置1を適用することができる。
なお、上述の各実施形態は、本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形による実施が可能である。