JP6409261B2 - 装置及びシステム - Google Patents

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本発明は、装置及びシステムに関する。
従来、インクジェット記録方法において、増粘したインクによる不吐出、または着弾異常を少なくするため、増粘したインクを排出する方法が知られている。
増粘したインクを排出する方法において、微駆動の動作に応じて液体の噴射量を適切に設定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の方法では、搬送速度が考慮されておらず、増粘したインクによる不吐出、または着弾異常を防ぐのが難しかった。
本発明の1つの側面は、増粘したインクによる不吐出、または着弾異常を少なくすることができるインクジェット装置を提供することを目的とする。
一態様における、媒体に液を吐出する装置であって、前記媒体の搬送速度を制御する速度制御手段と、液に圧力をかける圧力発生手段と、前記圧力発生手段の圧力により液を攪拌する動作を制御する攪拌制御手段とを有し、前記攪拌制御手段は、前記媒体の搬送速度に基づいて非印字時間を算出し、前記非印字時間に基づいて、圧力、周期、パルス幅、または回数を制御することを特徴とする。
インクジェット装置において、増粘したインクによる不吐出、または着弾異常を少なくすることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成後の媒体の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制御手段の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制御手段の一例を説明する機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るデータ管理部の一例を説明する機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像出力部の一例を説明する機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成手段の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成手段の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る条件表の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る非印字時間の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る駆動波形、及び使用波形の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る吐出量の制御の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るフラッシング、微駆動の制御の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<実施形態>
<全体構成>
本実施形態は、インクジェット方式のインクジェット装置である画像形成装置を例にして説明する。本実施形態は、ブラック(K)と、シアン(C)と、マゼンタ(M)と、イエロー(Y)と、の4色の吐出器を有する画像形成装置を例にして説明する(以下、適宜括弧内に示した記号で色を表す場合がある)。
媒体は、ロール状に巻かれた連続紙(以下、ロール紙Mdという。)を例にして説明する。ロール紙Mdは、例えば切断可能なミシン目が所定間隔で形成された連帳紙、または連続帳票などの連続紙である。また、ロール紙におけるページは、例えば所定間隔のミシン目で挟まれる領域である。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、ロール紙Mdを搬入する搬入手段10と、搬入されたロール紙Mdを前処理する前処理手段20と、前処理されたロール紙Mdを乾燥させる乾燥手段30と、を有する。また、画像形成装置100は、ロール紙Mdの表面に画像を形成する画像形成手段40と、画像が形成されたロール紙Mdを後処理する後処理手段50と、後処理されたロール紙Mdを搬出する搬出手段60と、を有する。更に、画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を制御する制御手段70(図示せず)を有する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、搬入手段10によってロール紙Mdを搬入し、前処理手段20、及び乾燥手段30によってロール紙Mdの表面を前処理、及び乾燥する。また、画像形成装置100は、画像形成手段40によって、前処理及び乾燥した後のロール紙Mdの表面に画像を形成する。さらに、本実施形態に係る画像形成装置100は、後処理手段50によって、画像が形成されたロール紙Mdを後処理する。その後、画像形成装置100は、搬出手段60によって、ロール紙Mdを巻き取り、排出する、及び搬出する。
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の各構成を具体的に説明する。なお、本発明を用いることができる画像形成装置は、画像が形成される媒体の種類に応じて、後述する前処理手段20などのいずれか一つ、または複数を含まない構成としてもよい。
なお、ロール紙Mdは、ロール紙に限定されない。例えば、ロール紙Mdは、カット紙でもよい。
さらに、ロール紙Mdは、記録が可能な媒体であればよい。例えば、ロール紙Mdは、普通紙、上質紙、薄紙、厚紙、記録紙、OHP(Overhead Projector)シート、合成樹脂フィルム、及び金属薄膜などでもよい。
なお、実施形態は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色の吐出器の場合に限定されない。例えば、実施形態は、グリーン(G)、レッド(R)、ライトシアン(LC)などその他の色に対応する吐出器を有するでもよい。さらに、実施形態は、ブラック(K)のみに対応する吐出器を有するでもよい。
なお、実施形態は、説明した画像形成装置の形態に限定されない。例えば、実施形態は、説明した画像形成装置以外のプリンタ、スキャナ、被写機、プロッタ、及びファクシミリなどにおいて、吐出ヘッド、インクヘッド、記録ヘッド、及びインクジェットなどの吐出器からインクなどの液滴を吐出する装置でもよい。
また、本発明は、ロール紙Mdの表面に画像を形成、印刷、印写、印字、または記録などをする装置に用いてもよい。
搬入手段10は、ロール紙Mdを前処理手段20などに搬送する手段である。搬入手段10は、本実施形態では、給紙部11と、複数の搬送ローラ12と、を有する。搬入手段10は、搬送ローラ12などを用いて、給紙部11の給紙ロールに巻き付けて保持されたロール紙Mdを搬入、及び移動し、前処理手段20(プラテン)などに搬送する。
前処理手段20は、画像が形成される前のロール紙Mdを処理する手段である。前処理手段20は、本実施形態では、搬入手段10によって搬入されたロール紙Mdの表面を、前処理液で前処理する。前処理は、ロール紙Md表面に、インクを凝集させる機能を有する前処理液を均一に塗布する処理である。前処理液は、例えば水溶性脂肪族系有機酸を含有した処理液などである。
乾燥手段30は、ロール紙Mdを加熱などにより乾燥する手段である。乾燥手段30は、前処理手段20によって前処理されたロール紙Mdを乾燥させる前処理用乾燥部31と、後処理手段50によって後処理されたロール紙Mdを乾燥させる後処理用乾燥部32と、を有する。
前処理用乾燥部31は、例えばヒートローラ31hを有する。前処理用乾燥部31は、ヒートローラ31hを例えば50〜100℃に加熱し、前処理液を塗布されたロール紙Mdの表面をヒートローラ31hに接触させる。前処理用乾燥部31は、前処理液を塗布されたロール紙Mdの表面をヒートローラ31hにより加熱し、前処理液の水分を蒸発させ、ロール紙Mdを乾燥させることができる。後処理用乾燥部32は、前処理用乾燥部31と同様の構成である。
画像形成手段40は、ロール紙Mdに画像を形成する手段である。画像形成手段40は、本実施形態では、乾燥手段30によって乾燥されたロール紙Md上に液滴(以下、インクという。)を吐出することによって、ロール紙Mdの表面に画像を形成する。画像形成手段40の詳細は後述する。
後処理手段50は、画像が形成された後のロール紙Mdを処理する手段である。後処理手段50は、画像形成手段40によって画像を形成されたロール紙Mdの表面を、後処理液で後処理する。後処理は、ロール紙Md上に斑点形状に後処理液を吐出する処理である。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成後の媒体の一例を説明する図である。
例えば図2に示すように、ロール紙Mdは、後処理手段50の後処理開始の際に、その表面に前処理液20Lを塗布され、画像を形成するインク40Inkを更に吐出されている。後処理手段50は、後処理として、画像を形成されたロール紙Md上に、後処理液50Lを吐出(堆積)する処理を実施する。
搬出手段60は、画像が形成などされたロール紙Mdを搬出する手段である。搬出手段60は、保管部61、及び複数の搬送ローラ62などで構成される。搬出手段60は、搬送ローラ62などを用いて、保管部61の保管ロールに画像が形成されたロール紙Mdを巻き付けて、保管する。
なお、ロール紙Mdを保管部61の保管ロールに巻き付ける際、ロール紙Mdに作用する圧力が大きくなる場合、ロール紙Mdの裏面に他の画像が転写することを防止するため、巻き取り直前にロール紙Mdを更に乾燥する乾燥部(図示せず)を設けてもよい。
制御手段70は、画像形成装置100の動作を制御する手段である。制御手段70は、画像形成装置100の各構成要素に動作を指示し、その動作を制御する。
なお、画像形成装置100は、それぞれ複数の装置からなる画像形成システム(インクジェットシステム)であってもよい。その場合、画像形成システムは、搬入手段10、前処理手段20、乾燥手段30、画像形成手段40、後処理手段50、搬出手段60、及び制御手段70の上位装置71(図示せず)のいずれかからなる複数の装置を有する。
図3は、本発明の一実施形態に係る制御手段の一例を説明する図である。
図3(a)は、制御手段の構成を説明する図である。図3(a)に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70は、上位装置71と、プリンタ装置72と、を有する。
上位装置71は、DFE(Digital Front End)などであり、RIP(Raster Image Processor)処理などを行う。
プリンタ装置72は、印刷処理などを行う。
上位装置71とプリンタ装置72は、複数のデータ線70LDと、制御線70LCと、で接続されている。
以下に、本実施形態に係る制御手段70の上位装置71、及びプリンタ装置72を具体的に説明する。
<上位装置>
図3(b)は、上位装置のハードウェア構成を説明する図である。
上位装置71は、CPU(Central Processing Unit)71aと、ROM(Read Only Memory)71bと、RAM(Random Access Memory)71cと、を有する。また、上位装置71は、HDD(ハードディスクドライブ)71dと、外部I/F71eと、制御情報用I/F71fと、画像データ用I/F71gと、を有する。
上位装置71は、CPU71aなどのデバイスを相互に接続するバス71hを有する。すなわち、上位装置71は、バス71hを介して、CPU71aなど接続されているデバイスの相互に送受信可能とする構成である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70の上位装置71は、ホスト装置(図示せず)から出力されるジョブデータ、または印刷データなどの印刷ジョブデータに基づいて、RIP処理を行う装置である。すなわち、本実施形態に係る上位装置71は、印刷ジョブデータに基づいて、各色に対応するビットマップデータなどの印刷用の画像データ(以下、印刷画像データという。)を生成する。なお、印刷画像データは、後処理手段50が吐出する後処理液の吐出に関するデータ(以下、後処理に関する画像データという。)を有してもよい。
また、本実施形態に係る上位装置71は、印刷ジョブデータ、及びホスト装置(図示せず)の情報などに基づいて、印刷動作を制御するためのデータ(以下、制御情報データという。)を生成する。制御情報データは、印刷形態、印刷種別、給排紙情報、印刷面順、印刷用紙サイズ、印刷画像データのデータサイズ、解像度、紙種情報、階調、色情報及び印刷を行うページ数の情報などの印刷条件に関するデータを有する。また、制御情報データは、後処理手段50が吐出する後処理液の吐出に関するデータ(以下、後処理に関する制御データという。)を有してもよい。
CPU71aは、上位装置71全体の動作を制御する。CPU71aは、ROM71bまたはHDD71dに格納されているプログラムを用いて、上位装置71の動作を制御する。
ROM71b、RAM71c、及びHDD71dは、データ、またはプログラムなどを記憶する。ROM71b、またはHDD71dは、CPU71aを制御するための制御プログラムを格納する。RAM71cは、CPU71aが用いるプログラム、または中間のデータを展開するなどワークメモリとして用いられる。
外部I/F71eは、画像形成装置100とホスト装置(図示せず)などの外部装置との通信に用いられる。外部I/F71eは、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルに対応した通信に用いられる。
制御情報用I/F71fは、制御情報データの通信に用いられる。制御情報用I/F71fは、例えばPCI Express(Peripheral Component Interconnect Bus Express)である。制御情報用I/F71fは、PCI、またはISA(Industry Standard Architecture)などでもよい。
画像データ用I/F71gは、印刷画像データの通信に用いられる。画像データ用I/F71gは、例えばPCI Express(Peripheral Component Interconnect Bus Express)である。画像データ用I/F71gは、PCI、またはISA(Industry Standard Architecture)などでもよい。画像データ用I/F71gは、本実施形態では、印刷画像データの各色に対応した複数のチャネルを有する。
上位装置71は、CPU71aの制御によってホスト装置などの外部装置(図示せず)から送信された印刷ジョブデータを外部I/F71eで受信し、HDD71dに格納する。
CPU71aは、格納された印刷ジョブデータに基づいて各色(イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(K))のビットマップデータを生成し、生成した各色のビットマップデータをRAM71cに格納する。
上位装置71は、RIP処理として、例えばPDL(Page Description Language)をレンダリングして各色のビットマップデータを生成し、RAM71cに書き出すなどの処理を行う。
上位装置71は、RAM71cに書き出された各色のビットマップデータを圧縮して符号化し、HDD71dに格納する。
上位装置71は、後述するプリンタ装置72で印刷動作が開始される際に、HDD71dから符号化された各色のビットマップデータを読み出し、復号して各色のビットマップデータをRAM71cに書き込む。
上位装置71は、RAM71cから各色のビットマップデータを読み出し、各色の印刷画像データとして、画像データ用I/F71gの各チャネルを介して、後述するプリンタ装置72に出力する。
上位装置71は、画像データ用I/F71gの各チャネルとして、図3のデータ線70LDを介して、後述するプリンタ装置72に印刷画像データを出力する。
上位装置71は、印刷動作の進行などに応じて、後述するプリンタ装置72との間で、制御情報用I/F71f、及び制御線70LCを介して、制御情報データの送受信を行う。
上位装置71は、後述するプリンタ装置72において後処理が開始される際に、HDD71dから符号化された後処理に関する画像データを読み出し、ビットマップデータと同様に、図3のデータ線70LD−Pを介して、後述するプリンタ装置72に出力する。
<プリンタ装置>
図4は、本発明の一実施形態に係る制御手段の一例を説明する機能ブロック図である。
プリンタ装置72は、上位装置71から入力された印刷画像データ、及び制御情報データに基づいて、ロール紙Mdに画像を形成する動作を制御する。プリンタ装置72は、プリンタコントローラ72Cと、プリンタエンジン72Eと、を有する。
プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cpと、印刷制御部72Ccと、を有する。また、プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cpと印刷制御部72Ccとを互いに送受信可能にバス72Cbで接続している。ここで、バス72Cbは、通信I/F(図示せず)を介して、制御線70LCに接続されている。
CPU72Cpは、ROM(図示せず)などに格納されている制御プログラムを用いて、プリンタ装置72全体の動作を制御する。
印刷制御部72Ccは、上位装置71から送信された制御情報データに基づいて、プリンタエンジン72Eとコマンド、パラメータ、またはデータなどの情報の送受信を行う。印刷制御部72Ccは、プリンタエンジン72Eと情報を送受信することによって、プリンタエンジン72Eを制御する。
プリンタコントローラ72Cは、後述するプリンタエンジン72Eを制御する。プリンタコントローラ72Cは、図3の制御線70LCを介して、上位装置71と制御情報データなどの送受信を行う。プリンタコントローラ72Cは、制御線72LCを介して、後述するプリンタエンジン72Eと制御情報データなどの送受信を行う。
プリンタコントローラ72Cは、送受信される制御情報データが有する印刷条件などを印刷制御部72Ccのレジスタ(図示せず)などに書き込む。印刷制御部72Ccは、印刷条件を格納する。プリンタコントローラ72Cは、制御情報データに基づいて後述するプリンタエンジン72Eを制御し、印刷ジョブデータ、及び制御情報データに従った印刷をする。
プリンタエンジン72Eは、搬送制御部72Ecと、画像出力部72Eiと、後処理液出力部72Epと、複数のデータ管理部72ECと、72EMと、72EYと、72EKと、72EPと、を有する。
なお、プリンタエンジン72Eは、後処理後乾燥制御部(図示せず)、前処理液塗布制御部(図示せず)、前処理後乾燥制御部(図示せず)、または巻取前乾燥制御部(図示せず)などを有してもよい。
プリンタエンジン72Eは、上位装置71から入力された印刷画像データとプリンタコントローラ72Cから入力された制御情報データに基づいて、ロール紙Mdに画像を形成する。
プリンタエンジン72Eは、上位装置71から入力された印刷画像データの後処理に関する画像データとプリンタコントローラ72Cから入力された制御情報データの後処理に関する制御データに基づいて、後処理する。
プリンタエンジン72Eには、複数のデータ線70LD−Yと、70LD−Cと、70LD−Mと、70LD−Kと、70LD−Pと、が接続されている。プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線70LD−Cなどを介して、上位装置71から印刷画像データを受信する。プリンタエンジン72Eは、受信した印刷画像データに基づいて、各色の印刷動作及び後処理をする。
搬送制御部72Ecは、ロール紙Mdの搬送速度を制御する。
画像出力部72Eiは、後述するデータ管理部72EC、72EM、72EY、及び72EKから印刷画像データなどを受け取り、詳細は後述する画像形成を行う。
後処理液出力部72Epは、データ管理部72EPから後処理に係るデータを受け取り、後処理をする。
図5は、本発明の一実施形態に係るデータ管理部の一例を説明する機能ブロック図である。
データ管理部72EM、72EY、72EK、及び72EPの構成は、データ管理部72ECの構成と同様のため、説明を省略する。以下、データ管理部72ECを例にして説明する。
データ管理部72ECは、ロジック回路72EClと、メモリ部72ECmと、を有する。
ロジック回路72EClは、データ線70LD−Cを介して、上位装置71に接続されている。ロジック回路72EClは、制御線72LCを介して、印刷制御部72Ccに接続されている。
ロジック回路72EClは、印刷制御部72Ccから出力された制御信号に基づいて、上位装置71から出力された印刷画像データをメモリ72ECmに格納する。また、ロジック回路72EClは、印刷制御部72Ccから出力された制御信号に基づいて、メモリ72ECmからシアン(C)に対応する図4の印刷画像データIcを読み出すロジック回路72EClは、図4の印刷画像データIcを画像出力部72Eiに出力する。なお、ロジック回路72ECp(データ管理部72EP)の場合は、後処理に関する図4の画像データIpを、後処理液出力部72Epに出力する。
メモリ72ECmは、印刷画像データを格納する。メモリ部72ECmは、少なくとも3ページ分の印刷画像データを格納可能な容量とする。3ページ分の印刷画像データは、例えば上位装置71から転送(受信)中のページに対応する印刷画像データと、画像出力部72Eiに出力中のページに対応する印刷画像データと、次のページに対応する印刷画像データと、である。
なお、データ管理部72ECは、ロジック回路などの組み合わせによって実現されてもよい。これにより、データ管理部72ECは、より高速な処理を実現することができる。また、データ管理部72ECは、ロジック回路72EClを用いて、例えばビット列による制御信号に対する論理判定を行い、実行する処理を決定してもよい。
図6は、本発明の一実施形態に係る画像出力部の一例を説明する機能ブロック図である。
なお、後処理液出力部72Epの構成は、画像出力部72Eiの構成と同様のため、説明を省略する。
画像出力部72Eiは、出力制御部72Eicを有する。
出力制御部72Eicは、各色に対応する印刷画像データを各色に対応する吐出ヘッド40C、40M、40Y、及び40Kに出力する。これにより、出力制御部72Eicは、印刷画像データに基づいて、吐出ヘッド40Cなどの動作を制御することができる。
具体的には、出力制御部72Eicは、複数の吐出ヘッド40Cなどを個別に制御する。また、出力制御部72Eicは、入力された印刷画像データ(例えば図4のIc)を用いて、複数の吐出ヘッド40C等を同時に制御してもよい。さらに、出力制御部72Eicは、制御装置(図示せず)から入力される制御信号に基づいて、吐出ヘッド40Cなどを制御してもよい。出力制御部72Eicは、例えばユーザの操作入力に基づいて、吐出ヘッド40Cなどを制御してもよい。また、出力制御部72Eicは、吐出ヘッド40などの動作を個別に制御し、それぞれのフラッシングと微駆動の動作を制御することができる。
以上により、プリンタ装置72は、データ管理部72ECなど及び出力制御部72Eicを用いて、上位装置71から出力される印刷画像データを、複数の吐出ヘッド40Cなどに入力する。このとき、プリンタ装置72は、各色の印刷画像データを互いに独立して制御することができる。また、プリンタ装置72は、印刷画像データの色数(C、M、Y及びK、又は、K色のみなど)又は吐出ヘッド数に応じて、プリンタエンジン72Eの構成を容易に変更することが可能である。すなわち、プリンタ装置72は、必要なデータ管理部72EC及び吐出ヘッド40Cのみを搭載することにより、装置の小型化及び低コスト化について有利な効果を有する。
プリンタ装置72は、例えば、C、M、Y及びKの4色でフルカラー印刷を行う場合、プリンタエンジン72Eにデータ管理部72ECなどを全て設けることができる。これにより、プリンタ装置72は、出力制御部72Eicを用いて、データ管理部72ECなどの各出力を夫々吐出ヘッド40Cなどに接続することができる。
また、プリンタ装置72は、例えばKの1色で印刷を行う場合には、コストを削減するため、1つのデータ管理部72EK及び吐出ヘッド40Kを設ける構成としてもよい。これにより、プリンタ装置72は、出力制御部72Eicを用いて、データ管理部72EKの出力を吐出ヘッド40Kに接続することができる。
さらに、プリンタ装置72は、例えば色Kの1色で印刷を行う場合、印刷速度を速くするため、1のデータ管理部72EKと4つの吐出ヘッドを設ける構成としてもよい。これにより、プリンタ装置72は、出力制御部72Eicを用いて、データ管理部72EKの出力を4つの吐出ヘッドに夫々接続することができる。この場合、プリンタ装置72は、同一色(K)を複数回、重ねて(重畳して)印刷することができるので、例えば1つの吐出ヘッドで画像を形成する場合と比較して、4倍の速度で画像形成をすることができる。
<画像形成手段>
図7は、本発明の一実施形態に係る画像形成手段の一例を説明する概略平面図である。
図7(a)は、本発明の一実施形態に係る画像形成手段の全体構成の一例を説明する図である。図7(a)は、フルライン型の吐出ヘッドを例にして示している。
画像形成手段40は、ロール紙Mdの搬送方向Xmの上流からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順で各色の吐出ヘッドを配置している。なお、実施形態は、図7の配置の順序であるブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に限られない。例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などとしてもよい。また、色の組み合わせは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に限られない。色の組み合わせは、例えばブラック(K)の1色でもよい。また、色の組み合わせは、グリーン(G)、レッド(R)、及びライトシアン(LC)などの3色でもよい。
ブラック(K)の吐出ヘッド40Kは、吐出ヘッド40K−1、40K−2、40K−3、及び40K−4をロール紙Mdの搬送方向Xmと直交する方向に千鳥状に配置する。各吐出ヘッドを千鳥状に配置することで、画像形成手段40は、画像形成領域の幅方向の、すなわちロール紙Mdの搬送方向Xmと直交する方向の、全域に画像形成を行うことができる。なお、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の吐出ヘッドは同様であるため、以下、ブラック(K)の吐出ヘッドを例に説明する。
図7(b)は、本発明の一実施形態に係る画像形成手段の要部である吐出ヘッドの一例を説明する図である。
図7(b)に示すように、吐出ヘッド40K−1は、複数の吐出口40Nを有する。吐出口40Nは、長手方向に配置され、ノズル列を構成している。
なお、吐出ヘッド40K−1は、複数のノズル列を有してもよい。
図7(c)は、本発明の一実施形態に係る複数のノズル列を有する吐出ヘッドの一例を説明する図である。図7(c)に示すように、例えば吐出ヘッド40K−1は、ノズル列を3列有してもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る画像形成手段の一例を示す概略断面図である。
図8(a)は、画像形成手段40の流路の一例を示す概略断面図である。画像形成手段40の流路は、液室40Fの長手方向の断面図である図8(a)によって示される。
図8(b)は、画像形成手段40の吐出口40Nの配置を示す断面図である。画像形成手段40の吐出口40Nの配置は、液室40Fの短手方向の断面図である図8(b)によって示される。液室40Fの短手方向は、吐出口40Nの並び方向である。図8(b)は、図8(a)のSC1で示す断面図である。
吐出ヘッド40Kは、流路板41と、振動板42と、ノズル板43と、フレーム部材44と、圧力発生手段45と、を有する。
流路板41は、吐出するインクの通路を形成する。流路板41は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板などである。流路板41は、水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路40R及び液室40Fとなる凹部及び穴部を形成する。なお、流路板41に用いることができる材料は、単結晶シリコン基板に限られない。例えば、流路板41は、ステンレス基板、感光性樹脂、及びその他材料などでもよい。
振動板42は、例えばニッケルの金属プレートである。振動板42は、ニッケル電鋳(例えばエレクトロフォーミング法、電鋳法など)で加工された金属プレートである。なお、振動板42は、ニッケルの金属プレート以外の金属板、又は、金属と樹脂板との接合部材などでもよい。振動板42は、流路板41の下面に、すなわち吐出ヘッド40Kの内部方向に、接合されている。振動板42は、圧力発生手段45によって力が加えられ、変形する。
ノズル板43は、例えば単結晶シリコン基板などである。ノズル板43は、流路板41と同様に、異方性エッチングで加工される。なお、ノズル板43は、金属部材からなる外形表面に、所要の層を介して、撥水層を形成されてもよい。ノズル板43は、流路板41の上面に、すなわち吐出ヘッド40Kの外部方向に、接合されている。
また、ノズル板43は、本実施形態では、液滴(インク滴)を吐出する複数のノズル40Nを有する。具体的には、ノズル板43は、各液室40Fに対応して、直径10〜30μmのノズル40Nが形成されている。
フレーム部材44は、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂、またはポリフェニレンサルファイト(PPS)などである。フレーム部材44は、射出成形で加工されている。
フレーム部材44は、圧力発生手段45を収納する収容部44Iと、共通液室40CRとなる凹部と、共通液室40CRに吐出ヘッド外部からインクを供給するためのインク供給口40INと、が形成されている。
フレーム部材44は、振動板42の周縁部を保持する。
圧力発生手段45は、圧電素子45Pと、圧電素子45Pを接合固定するベース基板45Bと、隣り合う圧電素子45Pの間隙に配置された支柱部と、を有する。また、圧力発生手段45は、圧電素子45Pを駆動回路(図示せず)に接続するためのFPC(Flexible Printed Circuits)ケーブル45Cを有する。
圧電素子45Pは、例えば図8(b)に示すように、圧電材料45Ppと、内部電極45Peと、を交互に積層した積層型圧電素子(PZT)などである。
内部電極45Peは、複数の個別電極45Peiと、複数の共通電極45Pecと、を有する。内部電極45Peは、本実施形態では、圧電素子45Ppの端面に交互に個別電極45Peiまたは共通電極45Pecを接続している。
また、圧電素子45Pの圧電方向は、例えばd33方向である。d33方向は、圧電素子45Pの結晶体に分極方向に平行に電場を加えた場合、結晶体が長くなる方向である。圧力発生手段45は、圧電素子45Pのd33方向に、圧電効果を用いて液室40F内のインクを加圧または減圧する。なお、圧電素子45Pの圧電方向は、d31方向に液室40F内のインクを加圧または減圧してもよい。また、圧力発生手段45は、1つの吐出口40Nに対して1列の圧電素子を配置してもよい。
なお、支柱部は、圧電素子部材である圧電素子45Pを分割することで、圧電素子45Pと同時に形成してもよい。すなわち、吐出ヘッドは、圧電素子に電圧を印加しないことによって、圧電素子部材を支柱部として用いてもよい。
<吐出動作>
以下に、吐出ヘッドがノズル40Nからインクを吐出する動作である引き打ちまたは押し打ち動作を具体的に説明する。
吐出ヘッドは、圧電素子45Pに印加している電圧を基準電位から下げ、圧電素子45Pをその積層方向に縮小させる。また、吐出ヘッドは、圧電素子45Pの縮小によって、振動板42を撓み変形させる。このとき、吐出ヘッドは、振動板42の撓み変形によって、液室40Fの容積(体積)を拡大(膨張)させる。これにより、吐出ヘッドは、共通液室40Cから液室40F内にインクを流入させることができる。
次に、吐出ヘッドは、圧電素子45Pに印加している電圧を上げ、圧電素子45Pを積層方向に伸長させる。また、吐出ヘッドは、圧電素子45Pの伸長によって、振動板42をノズル40N方向に変形させる。吐出ヘッドは、振動板42の変形によって、液室40Fの容積(体積)を縮小(収縮)させる。これにより、吐出ヘッドは、液室40F内のインクに圧力を付加することができる。また、吐出ヘッドは、インクを加圧することによって、吐出口40Nからインクを吐出(噴射)することができる。
その後、吐出ヘッドは、圧電素子45Pに印加している電圧を基準電位に戻し、振動板42を初期位置に戻す(復元する)。吐出ヘッドは、液室40Fの膨張によって液室40F内を減圧し、共通液室40C内から液室40F内にインクを充填(補充)する。
次に、吐出ヘッドは、ノズル40Nのメニスカス面の振動が減衰(安定)した後、次のインクの吐出動作に移行し、吐出動作を繰り返す。
なお、吐出ヘッドの駆動方法は、引き打ちまたは押し打ちに限定されない。すなわち、吐出ヘッドの駆動方法は、圧電素子45Pに印加する電圧(駆動波形)を制御することによって、引き打ちまたは押し打ちなどを行うことができる。
圧電素子45Pの、インクにかける力、または圧力が制御手段70により制御されることでフラッシング(Flushing)、及び微駆動の動作が制御される。
フラッシングは、増粘したインクを排出するための動作である。
フラッシングは、例えば印字直前に行う印字前フラッシング、印字中に毎ページ終わりにロール紙Md上に一斉に吐出するラインフラッシング、または画像形成領域に目立たない程度に吐出するスターフラッシングなどである。
微駆動は、メニスカス表面からインクが蒸発し、乾燥によって表面のインク粘度が増加するのを防ぐためにインクを攪拌する動作、例えば圧電素子45Pによって液室40Fに圧力をかけて振動させる動作などである。微駆動は、パルスの振幅、周期、パルス幅、及び回数によって制御される。微駆動は、インクが吐出ヘッドから吐出しない範囲でインクを攪拌させる。また、微駆動は、パルスの振幅、周期、パルス幅、回数、または単位時間あたりの回数に上限を設定してもよい。
なお、本発明を用いることができる圧力発生手段45は、圧電素子45Pに限定されない。すなわち、実施形態は、発熱抵抗体を用いて液室40F内のインクを加熱して気泡を発生させる方法(いわゆるサーマル型、例えば特公昭61−59911号公報など)でもよい。
また、圧力発生手段45は、液室40Fの壁面に振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させた静電力によって振動板を変形させる方法(いわゆる静電型、例えば特開平6−71882号公報など)を用いてもよい。
以上により、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、画像形成手段40(4つの吐出ヘッド40K、40C、40M及び40Y)を用いて、1回のロール紙Mdの搬送動作で、画像形成領域の全域に、白黒又はフルカラーの画像を形成することができる。
<全体処理フロー>
図9は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1001では、図3(a)のプリンタ装置72は、画像形成装置100の外部装置(図示せず)から入力される印刷データを受信する。印刷データは、例えば印刷形態、画像サイズ、解像度、色情報、ページ数、印刷ジョブ、画像形成する画像に係るデータ、画像形成条件などである。図3(a)のプリンタ装置72は、印刷データを受信し、画像形成に係る処理を開始する。画像形成装置100は、受信した印刷データを例えば図3(b)の上位装置71のHDD71dに記憶する。印刷データを受信した後、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、図3(a)のプリンタ装置72は、媒体の種類、インクの種類などを判断し、判断結果に基づいて関連するプリンタ装置72の設定を行う。
なお、判断結果は、図3(b)の上位装置71のHDD71dなどへ記憶してもよい。
また、画像形成装置100は、外部装置(図示せず)から入力される媒体に係る情報(媒体の物性(サイズ、紙材料物性、紙厚、または坪量など)、位置など)を図3(b)の上位装置71のHDD71dなどへ記憶してもよい。
また、図3(a)の制御手段70は、予め図3(b)の上位装置71のHDD71dなどに記憶されている記憶媒体の種目と対応させて媒体の種類などを記憶してもよい。これにより、図3(a)の制御手段70は、対応付けた記憶媒体の種目を用いて、媒体の種類などを読み出すことができる。なお、画像形成装置100は、ユーザなどによって、記憶媒体の種目などを、図3(b)の上位装置71のHDD71dなどに予め記憶されてもよい。
なお、ステップS1002で行われる設定の各パラメータは、ユーザが決定し、ステップS1001で外部装置(図示せず)から入力され、入力されたデータに基づいて行ってもよい。
インクの種類などを設定した後、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1001で受信した印刷データに基づいて画像データを生成する。また、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1001で受信した印刷データ、または生成した画像データに基づいて画像形成装置100の制御データを生成してもよい。例えば、ステップS1001で受信した印刷データ及び媒体の種類、または形成する画像の解像度などに基づいて、画像データ及び制御データなどを生成する。
ステップS1004では、使用波形の解像度、及び搬送速度に係る設定を行う。使用波形の解像度、及び搬送速度に係る設定は、ユーザなどによって予め入力されていてもよい。また、使用波形の解像度、及び搬送速度に係る設定は、ステップS1001で受信した印刷データに基づいて図3(a)のプリンタ装置72が設定してもよい。
ステップS1005では、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1004で決定した使用波形の解像度を図3(b)の上位装置71へ送信する。図3(b)の上位装置71は、予め入力されている条件表おいて使用波形を選択する。
図10は、本発明の一実施形態に係る条件表の一例を説明する図である。
条件表は、例えば図10で示す温度、湿度、及び非印字時間に対応する条件表110などのテーブルである。
図3(b)の上位装置71は、図10に示す条件表110における横軸の使用波形Wnを送信された使用波形の解像度に基づいて決定する。
ステップS1006では、図3(a)のプリンタ装置72は、フラッシング手段の設定を行う。
ステップS1007では、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1006で設定されたフラッシング手段、及びステップS1004で決定された使用波形の解像度、及び搬送速度に基づいて画像データの1ドットにかかる時間を算出する。さらに、画像形成装置100は、算出した1ドットにかかる時間と、ステップS1003で生成した画像データと、ステップS1004で決定した搬送速度に基づいて非印字時間を算出する。
非印字時間は、図7(a)の画像形成手段によって、フラッシング、またはインクの吐出が行われていない時間である。
図11は、本発明の一実施形態に係る非印字時間の一例を説明する図である。
例えば図11に示すように、画像形成装置100は、ロール紙Mdに画像形成領域200の箇所に画像形成を行う。画像形成領域200の範囲、大きさ、位置などの情報は、ステップS1003で生成した画像データから判定することができる。
画像形成装置100は、例えば、画像データに基づいて非印字領域201を印字しない範囲と判定する。画像形成装置100は、非印字領域201の搬送方向Xmの長さを搬送速度で除算し、非印字時間を算出する。
なお、非印字時間は、ノズルごと、または40K−1などのノズルのグループごとに算出してもよい。
図3(a)のプリンタ装置72は、算出した非印字時間を図3(b)の上位装置71へ送信する。
ステップS1008では、図3(b)の上位装置71は、条件表110における非印字時間を送信された非印字時間に基づいて選択する。
図3(b)の上位装置71は、条件表110における横軸の非印字時間Tnを送信された非印字時間に基づいて決定する。
ステップS1009では、図3(a)のプリンタ装置72は、図1の搬入手段10にロール紙Mdを前処理手段20へ搬入させる。前処理手段20は、搬入されたロール紙Mdに前処理を行う。前処理の後、前処理手段20は、図1の乾燥手段30へロール紙Mdを搬入する。図1の乾燥手段30は、乾燥を行い、画像形成手段40へロール紙Mdを搬入する。なお、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1001の後であれば、ステップS1009を開始してもよい。例えば、ステップS1001の後、ステップS1002の前に行われてもよい。
搬入開始後、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1010に進む。
ステップS1010では、図3(a)のプリンタ装置72は、温度、及び湿度などを計測する。例えば、図3(a)のプリンタ装置72は、温度センサ(図示せず)を有し、ノズル、またはノズル近辺の温度を計測する。計測結果である温度などの値は、図3(b)の上位装置71へ送信される。なお、図3(a)のプリンタ装置72は、速度センサ(図示せず)を用いて、画像形成手段40にロール紙Mdを搬入する速度、または画像形成手段40付近でのロール紙Mdの搬送する速度である搬送速度を計測してもよい。図3(a)のプリンタ装置72は、計測した搬送速度、または計測した搬送速度に基づいて算出した非印字時間を図3(b)の上位装置71へ送信してもよい。図3(b)の上位装置71は、ステップS1008の処理に代えて、搬送速度、または計測した搬送速度に基づいて算出した非印字時間を後述するステップS1011を行ってもよい。
ステップS1011では、図3(b)の上位装置71は、条件表110において送信された計測結果である温度、及び湿度に基づいて選択する。図3(b)の上位装置71は、条件表110の縦軸である温度、及び湿度と、条件表110の横軸であるステップS1005及びステップS1008で選択された使用波形及び非印字時間と、によって微駆動及びフラッシング条件を選択する。図3(b)の上位装置71は、選択した微駆動及びフラッシング条件を図3(a)のプリンタ装置72へ送信する。
ステップS1012では、図3(a)のプリンタ装置72は、搬入されたロール紙Mdへ図1の画像形成手段40にステップS1003で生成された画像データに基づいて画像形成を行わせる。なお、図1の画像形成手段40は、媒体の種類、画像の解像度などに基づいて画像形成を行ってもよい。
図1の制御手段70は、図8(a)の圧電素子45Pを制御して、インクの吐出、フラッシング、及び微駆動の動作を制御する。図8(a)の圧電素子45Pは、制御信号である駆動波形によって制御される。
図12は、本発明の一実施形態に係る駆動波形、及び使用波形の一例を説明する図である。
以下、動作は、吐出ヘッドからインクを多く吐出する大滴の吐出、吐出ヘッドからインクを少なく吐出する小滴の吐出、及び微駆動の3値の場合を例に説明する。
図12(a)は、駆動波形の一例を説明する図である。駆動波形は、例えば使用波形P1、P2、及びP3によって構成される。図8(a)の圧電素子45Pは、駆動波形からマスクされた使用波形P1、P2、P3の各要素に基づいて制御される。使用波形P1、P2、P3は、画像データに基づいて生成される。
図12(b)は、駆動波形の時間MN1までの部分をマスクして生成された波形である。
図12のP2及びP3が入力された場合、図8(a)の圧電素子45Pは、大滴の吐出をさせるための動作を行う。例えば、図8(a)の圧電素子45Pは、大滴の吐出をさせるために予め設定されている高い圧力をインクにかける。
図12(c)は、駆動波形の時間MN2までの部分をマスクして生成された波形である。図12のP3が入力された場合、図8(a)の圧電素子45Pは、吐出ヘッドからインクを少なく吐出する小滴の動作をさせるための動作を行う。例えば、図8(a)の圧電素子45Pは、小滴の吐出をさせるために、予め設定されている低い圧力をインクにかけ、吐出ヘッドからインクを吐出させる。
図12(d)は、駆動波形の時間MN1以降の部分をマスクして生成された波形である。図12のP1が入力された場合、図8(a)の圧電素子45Pは、微駆動するための動作を行う。
インクの吐出量は、例えば図12(e)に示す波形の振幅によって制御される。例えば吐出するインク量を増加させる場合、振幅の値を大きくする。なお、インクの吐出量の制御は、波形の振幅による制御に限られない。別の手段によってインクの吐出量を制御してもよい。
図13は、本発明の一実施形態に係る吐出量の制御の一例を説明する図である。
図13(a)は、使用波形の解像度を横軸とし、波形の振幅を縦軸として関係を示した図である。使用波形の解像度が高くなる場合、非印字時間は、使用波形の解像度に伴って長くなる。非印字時間が長い場合、インクは、非印字時間が長くなるに伴って乾燥し、増粘する。したがって、図13(a)に示すように使用波形の解像度が高くなるに伴ってインクの吐出量を増加させるように振幅の値を大きくすることで、増粘したインクを排出し、増粘したインクを少なくすることができる。
図13(b)は、非印字時間を横軸とし、波形の振幅を縦軸として関係を示した図である。図13(a)と同様に、搬送速度が遅いなどによって非印字時間が長くなる場合、インクは、非印字時間が長くなるに伴って乾燥し、増粘する。したがって、図13(b)に示すように非印字時間が長くなるに伴ってインクの吐出量を増加させるように振幅の値を大きくすることで、非印字時間が長くなるに伴って増粘したインクを排出し、増粘したインクを少なくすることができる。
図13(c)は、温度を横軸とし、波形の振幅を縦軸として関係を示した図である。温度が低い場合、インクは、常温の場合と比較して増粘する。したがって、図13(c)に示すように温度が低くなるに伴ってインクの吐出量を増加させるように振幅の値を大きくすることで、増粘したインクを排出し、増粘したインクを少なくすることができる。
図13(d)は、湿度を横軸とし、波形の振幅を縦軸として関係を示した図である。湿度が低い場合、インクは、非印字時間が長くなるに伴って乾燥し、増粘する。したがって、図13(c)に示すように低くなるに伴ってインクの吐出量を増加させるように振幅の値を大きくすることで、増粘したインクを排出し、増粘したインクを少なくすることができる。
なお、図10の条件表110に代えて、図3(b)の上位装置71は、図13で示すグラフとなる数式を用いて非印字時間などから振幅の値を算出してもよい。さらに、数式は、複数の数式を用いてもよい。
インクの吐出速度は、例えば図12(e)に示す波形のパルス幅によって制御される。
インク、及び吐出ヘッドによって、消費電力、またはパルス幅の上限時間に基づいて予め求められ、設定されている。インクの吐出速度は、インクの増粘、および適切なパルス幅が変化することによって、低下する。したがって、インクの吐出速度は、予め設定されているパルス幅を調整し、制御されることが望ましい。なお、インクの吐出速度は、波形のパルス幅の調整による制御に限られない。別の手段によってインクの吐出速度を制御してもよい。
インクの吐出滴数は、例えば図12(e)に示す波形の入力数によって制御される。例えば大滴の吐出滴数を1回とする場合、P2及びP3の波形を1回ずつ入力する。なお、インクの吐出滴数の制御は、波形の入力数による制御に限られない。別の手段によってインクの滴数を制御してもよい。
なお、インクの吐出滴数、または吐出量は、1周期内に入力される使用波形の数、または搬送速度によって制御されてもよい。
微駆動の動作の圧力は、例えば図12(f)に示す波形の振幅によって制御される。なお、微駆動によるインクを攪拌する動作の圧力は、波形の振幅による制御に限られない。別の手段によって微駆動によるインクを攪拌する動作の圧力を制御してもよい。
微駆動の動作をさせる周期は、使用波形P1の入力する周期によって制御される。微駆動の動作をさせる周期の制御は、例えば40kHzを20kHzとするなどである。なお、微駆動の動作をさせる周期は、使用波形P1の入力する周期による制御に限られない。別の手段によって微駆動の動作をさせる周期を制御してもよい。また、周期は、単位時間あたりの回数を制御するでもよい。
微駆動の動作の回数は、例えば図12(f)に示す波形の入力数によって制御される。微駆動の動作は、入力数に応じた回数の動作を、周期的ではなく1回または指定された回数だけ任意のタイミングで行う。なお、微駆動の動作の回数は、波形の回数による制御に限られない。別の手段によって微駆動の動作の回数を制御してもよい。
図14は、本発明の一実施形態に係るフラッシング、微駆動の制御の一例を説明する図である。
図14(a)で示すように、搬送速度が遅く、非印字時間が長くなる場合、制御手段70は、フラッシングによる吐出量を多くする、吐出滴数を多くする、または吐出速度を速くするなどフラッシングの強度を強くするように制御する。また、図14(a)で示すように、搬送速度が遅く、非印字時間が長くなる場合、制御手段70は、微駆動の動作の圧力を大きくする、周期を短くする、または回数を増加するなど微駆動の強度を強くするように制御する。図14(a)で示すように、制御手段70は、使用波形の解像度、温度、湿度などと組み合わせて制御を行ってもよい。
図14(b)で示すように、搬送速度が速く、非印字時間が短くなる場合、制御手段70は、フラッシングによる吐出量を少なくする、吐出滴数を少なくする、または吐出速度を遅くするなどフラッシングの強度を弱くするように制御する。また、図14(b)で示すように、搬送速度が速く、非印字時間が短くなる場合、制御手段70は、微駆動の動作の圧力を小さくする、周期を長くする、または回数を減少するなど微駆動の強度を弱くするように制御する。図14(a)で示すように、制御手段70は、使用波形の解像度、温度、湿度などと組み合わせて制御を行ってもよい。
なお、例えば搬送速度が十分に速く、フラッシングまたは微駆動が必要ない場合、フラッシングまたは微駆動の少なくともいずれか一方をオフにする制御があってもよい。
駆動波形は、図12に示す波形に限られない。例えば、吐出の切換の区分は、3種類以上あってもよい。
画像形成手段40は、インクの吐出によってロール紙Mdへ画像形成を行う。図3(a)のプリンタ装置72は、画像形成処理の後、画像形成されたロール紙Mdを図1の後処理手段50に搬入する。
なお、ステップS1012を行っている際、またはステップS1012の行った後、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1010の動作を行ってもよい。ステップS1012の画像形成による温度変化などの環境変化をフィードバックすることができ、画像形成手段40は、環境変化に対応した設定で画像形成を行うことができる。
ステップS1013では、図3(a)のプリンタ装置72は、図1の後処理手段50にロール紙Mdへ後処理を行わせる。後処理の後、図1の後処理手段50は、図1の乾燥手段32へロール紙Mdを搬入する。図1の乾燥手段32は、乾燥を行い、搬出手段60へロール紙Mdを搬入する。搬出手段60へ搬入の後、図3(a)のプリンタ装置72は、ステップS1014に進む。
ステップS1014では、図3(a)のプリンタ装置72は、図1の搬出手段60に、ロール紙Mdを搬出させ、画像形成する動作を終了する。
なお、条件表による選択は、図10に示した条件表110に限定されない。例えば縦軸の温度、及び湿度がなく、非印字時間と、使用波形で微駆動及びフラッシングの条件を選択してもよい。また、情報量をするために、条件表110は、温度または湿度の値が間引かれていてもよい。さらに、間引かれていた場合、間引かれている値を近辺の値から算出して補間してもよい。
画像形成装置100は、搬送速度に伴ったフラッシング動作の制御を行うことで、増粘したインクを排出することができ、増粘したインクによる不吐出、または着弾異常を少なくすることができる。
なお、フラッシング動作の制御は、インクの吐出量、吐出速度、吐出滴数の制御のうち、吐出速度による制御が望ましい。例えばラインフラッシングの場合、フラッシング動作は、吐出速度を速くすることで排出する力を強くすることができるため、粘度の高いインクを排出することができる。
ノズルが1つであるシリアル機の場合、フラッシングは、ロール紙Mdを避けて行うが、ラインヘッドの場合、ロール紙Mdへ行う。ラインヘッドの場合、フラッシングは、インクの吐出量が一定量、またはインクが吐出される範囲が一定の範囲に収まるように行うため、搬送速度に基づいた適量の吐出量で行うことが望ましい。また、搬送速度に基づいた適量のフラッシングを行うことで、十分なフラッシングの強度でフラッシングを行うため、増粘したインクによる不吐出、または着弾異常を少なくすることができる。
なお、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、印刷システムとして、プロダクションプリンティングを用いてもよい。プロダクションプリンティングは、ジョブ管理、及び印刷データの管理などを効率的に行う。プロダクションプリンティングは、短時間に大量の媒体、または印字物などの印刷物を印刷、または印字などの画像形成することができる製造システムである。具体的には、本実施形態に係る画像形成装置100は、ビットマップデータなどの印刷動作を制御するRIP処理と、RIP処理により制御されたビットマップデータなどに基づく印刷処理と、を別の装置(手段)で実施する。
また、本実施形態に係る制御手段70は、印刷データの作成から印刷物の分配までの管理を行うワークフローのシステムを構築する。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70は、処理時間を要するRIP処理を行う装置と印刷処理を行う装置とを分離することで、印刷を高速化できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
Md ロール紙
Xm ロール紙Mdの搬送方向
10 搬入手段
40 画像形成手段
40C、40M、40Y、40K 吐出ヘッド
40K−1、40K−2、40K−3、40K−4 吐出ヘッド
45P 圧電素子
50 後処理手段
60 搬出手段
70 制御手段
70LC 制御線
70LD、70LD−Y、70LD−C、70LD−M、70LD−K、70LD−P データ線
71 上位装置
72 プリンタ装置
72Cc 印刷制御部
72E プリンタエンジン
72Ec 搬送制御部
72Ei 画像出力部
72EC、72EM、72EY、72EK、72EP 複数のデータ管理部
72ECl ロジック回路
72ECm メモリ部
72Ep 後処理液出力部
72LC 制御線
100 画像形成装置
110 条件表
200 画像形成領域
201 非印字領域
特開2012−158000号公報

Claims (7)

  1. 媒体に液を吐出する装置であって、
    前記媒体の搬送速度を制御する速度制御手段と、
    液に圧力をかける圧力発生手段と、
    前記圧力発生手段の圧力により液を攪拌する動作を制御する攪拌制御手段と
    を有し、
    前記攪拌制御手段は、
    前記媒体の搬送速度に基づいて非印字時間を算出し、
    前記非印字時間に基づいて、圧力、周期、パルス幅、または回数を制御する
    装置。
  2. フラッシング動作を制御するフラッシング制御手段を有し、
    前記フラッシング制御手段は、
    前記搬送速度に基づいてフラッシング動作を制御する請求項1に記載の装置。
  3. 前記フラッシング制御手段を、
    液の吐出量、吐出速度、吐出滴数、液の吐出を制御する信号の波形の振幅、入力数、種類、またはパルス幅のうち少なくともいずれか一つについて変更して行う請求項2に記載の装置。
  4. 液の温度、液の周辺の温度、または液の周辺の湿度を計測する計測手段を有し、
    前記フラッシング制御手段は、
    さらに液の温度、液の周辺の温度、または液の周辺の湿度の少なくともいずれか一つと、に基づいてフラッシング動作を制御する請求項2または3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記フラッシング動作の制御は、
    液の温度、液の周辺の温度、または液の周辺の湿度の少なくともいずれか一つと、前記搬送速度と、に対応したテーブルに基づいてフラッシング動作を制御する請求項4に記載の装置。
  6. 液の吐出をラインヘッドで行う請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
  7. 1以上の装置を含み、媒体に液を吐出するシステムであって、
    前記媒体の搬送速度を制御する速度制御手段と、
    液に圧力をかける圧力発生手段と、
    前記圧力発生手段の圧力により液を攪拌する動作を制御する攪拌制御手段と
    を有し、
    前記攪拌制御手段は、
    前記媒体の搬送速度に基づいて非印字時間を算出し、
    前記非印字時間に基づいて、圧力、周期、パルス幅、または回数を制御する
    システム。
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