JP2013059951A - 記録装置及びその処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体上への画像の記録に並行して当該記録媒体上へ予備吐を行なう構成において、画像の記録が一旦中断された場合であっても、高記録品位の記録を可能にする技術を提供する。
【解決手段】記録装置は、記録媒体上への画像の記録の開始に際して、当該画像の記録中に行なわれる予備吐の記録密度を決定する記録密度決定手段と、前記記録媒体上へ画像を記録している間に当該画像の記録が中断された場合、当該中断されるよりも前に行なわれていた中断前の予備吐の記録密度と、前記画像の記録の再開時に行なわれる中断後の予備吐の記録密度とを比較する比較手段と、前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、前記中断前の予備吐の記録密度から、前記中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる予備吐制御手段とを具備する。
【選択図】図8
【解決手段】記録装置は、記録媒体上への画像の記録の開始に際して、当該画像の記録中に行なわれる予備吐の記録密度を決定する記録密度決定手段と、前記記録媒体上へ画像を記録している間に当該画像の記録が中断された場合、当該中断されるよりも前に行なわれていた中断前の予備吐の記録密度と、前記画像の記録の再開時に行なわれる中断後の予備吐の記録密度とを比較する比較手段と、前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、前記中断前の予備吐の記録密度から、前記中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる予備吐制御手段とを具備する。
【選択図】図8
Description
本発明は、記録装置及びその処理方法に関する。
インクを吐出して記録媒体上にドットを形成し記録を行なうインクジェット式の記録装置(以下、記録装置と呼ぶ)が知られている。このような記録装置においては、予備吐出(以下、予備吐と呼ぶ)という動作が行なわれている。予備吐とは、画像データの記録とは別に、所定のタイミングでインクの吐出を行なって常に新鮮なインクを各ノズル内に供給するために行なわれる。これにより、気泡や塵埃あるいは溶媒の蒸発で増粘し、記録に適さなくなったインクの吐出不良要因を除去する。また、予備吐は、ヘッドの温度調節を行なうという側面も持つ。
このような予備吐は、記録処理中に必ずしも全てのノズルからインクが吐出される訳ではなく、全てのノズルについて所定の時間毎に予備吐処理を行なうようにしている。そのため、一般に、一定期間の記録処理後、一旦、記録処理を中断し、予備吐等の回復処理を行なっている。この回復処理により、記録の安定性の向上を図ることができる。
ここで、予備吐に関する技術として、紙面予備吐が知られている。特許文献1に記載される紙面予備吐では、回復処理のために記録を中断させることがなく、且つ不要な紙面予備吐を減少させる技術が提案されている。具体的には、所定時間毎に吐出を行なったか否かを各ノズルについて検知し、吐出を行なっていないノズルに対してのみ、紙面予備吐を行なっている。
一般に、上述した紙面予備吐の記録密度は、記録媒体の搬送速度に従って変化する。そのため、画像の記録が中断され、その中断前後で記録媒体の搬送速度が変更されてしまうと、中断前後の境界領域において、紙面予備吐密度の変化に起因した記録品位の違いが目立ってしまう場合がある。
近年では、記録ヘッドの高密度化が進み、それに伴ってノズルの口径が小さくなり、1ノズルあたりの吐出量も少なくなっている。そのため、インク増粘の影響を受け易くなっており、紙面予備吐密度は高くなる傾向にあり、記録品位の低下が懸念される。特に、人間の視覚は、色の変化の繋ぎ目を区別する能力に長けており、人の目には、紙面予備吐密度の変化が目立ってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体上への画像の記録に並行して当該記録媒体上へ予備吐を行なう構成において、画像の記録が一旦中断された場合であっても、高記録品位の記録を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、複数のノズルが配列されたフルラインタイプの記録ヘッドを有し、前記ノズルの配列方向に交差する方向に記録媒体を搬送させながら該記録ヘッドにおける各ノズルからインクを吐出させて前記記録媒体上に画像を記録するとともに、該画像の記録に並行して該記録媒体上へ前記記録ヘッドに配列された前記画像の記録に係わらないノズルから所定の記録密度で予備吐を行なわせる記録装置であって、前記記録媒体上への画像の記録の開始に際して、当該画像の記録中に行なわれる予備吐の記録密度を決定する記録密度決定手段と、前記記録媒体上へ画像を記録している間に当該画像の記録が中断された場合、当該中断されるよりも前に行なわれていた中断前の予備吐の記録密度と、前記画像の記録の再開時に行なわれる中断後の予備吐の記録密度とを比較する比較手段と、前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、前記中断前の予備吐の記録密度から、前記中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる予備吐制御手段とを具備する。
本発明によれば、記録媒体上への画像の記録に並行して当該記録媒体上へ予備吐を行なう構成において、画像の記録が一旦中断された場合であっても、高記録品位の記録を可能にする技術を提供する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明においては、インクジェット記録方式を用いた記録装置を例に挙げて説明する。記録装置は、例えば、記録機能のみを有するシングルファンクションプリンタであっても良いし、また、例えば、記録機能、FAX機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するマルチファンクションプリンタであっても良い。また、例えば、カラーフィルタ、電子デバイス、光学デバイス、微小構造物等を所定の記録方式で製造するための製造装置であっても良い。
なお、以下の説明において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。更に人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン、構造物等を形成する、又は媒体の加工を行なう場合も表す。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。
更に、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表す。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施の形態に係わる記録装置を配して構成した記録システムの構成の一例を示す図である。
図1は、本発明の一実施の形態に係わる記録装置を配して構成した記録システムの構成の一例を示す図である。
記録システムには、ホストコンピュータ10と、記録装置20と具備される。ホストコンピュータ10及び記録装置20は、例えば、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)等で構成された通信手段11を介して通信可能に接続されている。
ホストコンピュータ(外部装置)10は、画像データを供給する機能を果たす。コンピュータには、CPU等の主制御手段、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段が具備される。また、コンピュータにはその他、キーボードやマウス等の入出力手段、ネットワークカード等の通信手段等も具備されていても良い。なお、これら各構成部は、バス等により接続され、主制御手段が記憶手段に記憶されたプログラムを実行することで制御される。
記録装置20は、ホストコンピュータ10から送られてきた画像データに基づいて記録媒体上に画像を記録する機能を果たす。なお、本実施形態においては、記録装置20は、インクジェット方式を採用し、ロール状の記録媒体(すなわち、連続紙、以下、ロール紙と呼ぶ)に対して記録可能に構成される場合について説明する。
記録装置20の本体部21には、ユーザに対して各種情報を表示するための液晶ディスプレイと、ユーザからの各種指示を入力するための各種ボタン等とを有するオペレーションパネル22が設けられている。
また、記録装置20には、ロール紙を保持するロール紙ホルダ23も設けられている。記録装置20においては、ロール紙を所定の搬送方向に搬送しつつ、そのロール紙に対してホストコンピュータ10から受信した画像データを記録する。
次に、図2を用いて、図1に示す記録装置20の内部構成の一例について説明する。ここでは、記録に係わる構成について説明する。
記録装置20は、ロール紙ホルダ23に保持されているロール紙Pを一対の搬送ローラ24上に載置する。そして、当該ローラ24を回転駆動させることより、記録装置20の本体部21側にロール紙Pを供給する。
記録装置20の本体部21においては、搬送機構(すなわち、搬送ローラ27と、当該搬送ローラ27に張設された無端の搬送ベルト28と)を用いて、当該ロール紙Pを搬送する。搬送ベルト28の搬送面と対向する位置には、記録ヘッドユニット26が設けられている。
記録ヘッドユニット26には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)用の4本の記録ヘッド25が設けられており、この4本の記録ヘッド25は、ロール紙Pの搬送方向に沿って等間隔に離間された状態で保持されている。各記録ヘッド25には、各色に対応してインクカートリッジ29が設けられている。インクカートリッジ29は、搬送ベルト28の下方に配置されており、フレキシブルチューブ(不図示)等を介して対応する記録ヘッド25にインクを供給する。
各記録ヘッド25は、フルラインタイプの記録ヘッドで構成され、使用が想定されるシートの最大幅に対応した記録幅を有している。また、各記録ヘッド25には、複数のノズルが配列されており、記録装置20においては、当該ノズルの配列方向に交差(例えば、直交)する方向にロール紙を搬送させながら、当該記録ヘッド25の各ノズルからインクを吐出させてロール紙上に画像を記録する。
このとき、記録装置20においては、ロール紙上への画像の記録に並行して紙面予備吐を行なう。紙面予備吐とは、予備吐を紙面(記録媒体)上に行なう技術である。より具体的には、ロール紙上への画像の記録に並行して、記録ヘッドに配列された画像の記録に係わらないノズルから、当該ロール紙上へ所定の記録密度で予備吐を行なう。
このような技術により、記録処理を中断せずに、気泡や塵埃あるいは溶媒の蒸発で増粘し、記録に適さなくなったインクの吐出不良要因を除去することができる。また、予備吐は、ヘッドの温度調節を行なうという側面も持つ。
次に、図3を用いて、図1に示す記録装置20の制御系の構成の一例について説明する。
記録装置20には、コントローラ30と、記録ヘッドユニット26と、各種モータ41と、搬送センサ42と、環境センサ44とが具備される。
各種モータ41は、駆動源として機能する。各種モータ41としては、例えば、ロール紙を搬送する搬送モータや、回復処理ユニットを動作させるためのモータ等が挙げられる。
搬送センサ42は、搬送経路上を搬送されるロール紙の搬送状況を監視する。環境センサ44は、装置内(又は装置外であっても良い)の環境情報(温度、湿度等)を測定する。また、記録ヘッドユニット26内においては、記録ヘッド25の温度を測定する温度センサ43が設けられる。この温度センサ43は、例えば、各記録ヘッド25に対応して設けられていても良い。
ここで、コントローラ30には、CPU31と、ROM32と、RAM33と、画像メモリ34と、ヘッド駆動回路35と、通信I/F36と、モータドライバ37と、I/O39と、制御回路38とが設けられる。
CPU(Central Processing Unit)31は、各種演算等の処理を行なう。ROM(Read Only Memory)32は、プログラムや各種データを記憶する。RAM(Random Access Memory)33は、CPU31によるプログラムの実行時にワークエリアとして使用され、各種演算結果等を一時的に記憶する。
通信I/F36は、ホストコンピュータ10との間で制御信号や画像データ等の授受を行なう。画像メモリ34は、画像の展開領域等に使用される。ヘッド駆動回路35は、記録ヘッド25の駆動を制御する。モータドライバ37は、各種モータ41の駆動を制御する。I/O39は、搬送センサ42や環境センサ44からの検出信号等の入出力を行なう。制御回路38は、コントローラ30内の各部の動作を統括制御する。
次に、図4を用いて、図3に示すコントローラ30に実現される機能的な構成の一例について説明する。
コントローラ30は、その機能的な構成として、予備吐決定部91と、予備吐情報保持部92と、中断検出部93と、中断前情報保持部94と、記録密度比較部95と、予備吐制御部96とを具備して構成される。
予備吐決定部91は、紙面予備吐を行なう際に、その記録密度を決定する機能を有し、搬送速度決定部91aと、記録密度決定部91bとを具備して構成される。搬送速度決定部91aは、ロール紙の搬送速度を決定する。記録密度決定部91bは、搬送速度決定部91aにより決定された搬送速度に基づいて、予備吐情報保持部92に保持されたテーブルを参照して、紙面予備吐の記録密度(紙面予備吐密度)を決定する。
予備吐情報保持部92は、紙面予備吐に係わる設定情報を(予め)保持する。具体的には、図5に示すテーブルを用いて紙面予備吐に係わる設定情報を保持する。このテーブルには、予備吐周期51が保持されるともに、搬送速度52に応じて紙面予備吐密度53が保持される。
なお、図5に示すテーブルでは、1秒あたりの予備吐の発数が3発の場合(予備吐周期51)の搬送速度52と紙面予備吐密度53との関係を保持している場合が示されているが、これに限られない。例えば、記録ヘッド温度54と、装置内湿度55とに基づいて予備吐周期51を変更できるように、図6に示すテーブルを更に保持するように構成しても良い。この場合、例えば、記録ヘッド25の温度が40度以上であり、装置内の湿度が90%以上であれば、1秒あたりの予備吐の発数が1発となる。このような構成においては、予備吐周期51に対応して、図5で説明したテーブルを複数保持する。
中断検出部93は、記録処理が行なわれている間(記録中)に、当該記録処理の中断を検出する。記録処理が中断される要因としては、例えば、ホストコンピュータ10からの画像データの転送の遅延や、記録処理中の画像の濃度が高いことに起因した記録ヘッド25の温度の上昇等が挙げられる。
中断前情報保持部94は、中断検出部93により記録処理の中断が検出された場合に、当該中断前の紙面予備吐密度を保持する。
記録密度比較部95は、中断前情報保持部94に保持された中断前の紙面予備吐密度(紙面予備吐の記録密度)と、中断後(再開時)の紙面予備吐密度とを比較する。
ここで、中断前後において紙面予備吐密度が変更される理由について説明する。例えば、ホストコンピュータ10からの画像データの転送の遅延に起因して中断が発生したとする。この場合、搬送速度を遅くすれば、それ以降の記録処理において、画像データの転送の遅延に起因した中断が発生する可能性を低下させることができる。そのため、画像データの転送の遅延に起因した中断が生じた場合には、中断前よりも中断後の搬送速度が下げられ、それにより、紙面予備吐密度が中断前よりも中断後の方が高くなる。
また、記録処理中の画像の濃度が高い場合には、記録ヘッド25からのインクの吐出量が増えるため、それに伴って記録ヘッド25の温度が上がってしまう。記録ヘッド25の温度が規定値以上に上がってしまうと、それに起因して中断が発生する。この場合にも、搬送速度を遅くすれば、それ以降の記録処理において、記録ヘッド25の温度の上昇を抑制できる。そのため、このように記録対象となる画像の濃度が高い場合においても、中断前よりも中断後の搬送速度が下げられ、それにより、紙面予備吐密度が中断前よりも中断後の方が高くなる。
予備吐制御部96は、紙面予備吐に係わる制御を統括制御する。例えば、記録密度比較部95の比較の結果、中断前後の紙面予備吐密度が異なる場合、ロール紙上の中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、予備吐の記録密度を段階的に変更させる。より具体的には、中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、中断前の予備吐の記録密度から、中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら予備吐を行なわせる。以上が、コントローラ30上に実現される機能的な構成の一例についての説明である。
ここで、本実施形態の処理の説明を分かり易くするため、図7(A)〜図7(C)を用いて、従来の紙面予備吐制御の概要について説明する。ここでは、記録処理に中断が生じる場合について説明する。
図7(A)は、中断前の記録処理を示している。記録装置は、搬送ローラ及び搬送ベルトによってロール紙を所定の搬送方向に搬送するとともに、記録ヘッド25からインクを吐出する。これにより、画像データの記録と、図5のテーブルに応じた密度の紙面予備吐とが行なわれる。
ここで、記録処理の中断が生じたとする。すると、記録装置は、記録停止位置61まで記録処理を行なった後、記録処理を一旦中断する。なお、この時点で記録が行なわれた領域を、中断前記録領域63と呼ぶ。
図7(B)は、記録処理を再開する前に行なうバックフィード処理を示している。記録処理の再開にあたっては、中断前記録領域63の直後から記録処理を行なうため、中断前記録領域63の後端が、記録開始の位置62に来るようにロール紙を巻き戻す。
図7(C)は、中断後の記録処理を示している。中断後に記録される中断後記録領域64に対する紙面予備吐も、中断前記録領域63に対する紙面予備吐と同様に、図5のテーブルに応じた密度で行なわれる。
ここで、中断前後で搬送速度が変わり、紙面予備吐密度が異なる場合、中断前記録領域63と中断後記録領域64との間には、濃度の境目ができてしまう。図7(C)の場合、中断後の搬送速度が中断前の搬送速度よりも速くなっており、中断後記録領域64の紙面予備吐密度が低くなっている。
ここで、図8(A)〜図8(C)を用いて、本実施形態に係わる紙面予備吐制御の概要について説明する。ここでは、図7(A)〜図7(C)と同様に、記録処理に中断が生じる場合について説明する。
図8(A)及び図8(B)においては、上記従来の構成と同様に、記録処理が中断され、記録処理の再開に際して、中断前記録領域73の後端が、記録開始の位置72に来るようにロール紙が巻き戻される。
図8(C)は、中断後の記録処理を示している。ここで、上記同様に、中断前後で搬送速度が変わり、紙面予備吐密度が異なる場合、中断前後の記録領域において濃度の境目ができてしまう。
そこで、本実施形態においては、中断前後で搬送速度(紙面予備吐密度)が異なる場合には、中断前の紙面予備吐密度から中断後の紙面予備吐密度へと濃度を段階的に変更する。図8(C)の場合、この濃度の段階的な変更は、3段階に分けて行なわれている。具体的には、1段階目の記録領域74、2段階目の記録領域75、3段階目に中断後の記録領域76となる。
ここで、図9(A)は、図7(A)〜図7(C)に示す従来の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。また、図9(B)は、図8(A)〜図8(C)に示す本実施形態の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。なお、縦軸は、紙面予備吐密度を示し、横軸は、記録位置を示している。
図9(A)と図9(B)とを比較してみると、図9(B)においては、図9(A)に示す場合よりも、中断前後の領域の境目における紙面予備吐密度の変化が小さくなっているのが分かる。これにより、人間の視覚は濃度の変化に敏感であり、縦軸の変化量を小さくすることで紙面予備吐密度が変化したとしても、その変化を目立ち難くできる。
次に、図10及び図11を用いて、図1に示す記録装置20の処理の流れの一例について説明する。まず、図10を用いて、記録処理を行なう際の処理の流れの一例について説明する。
記録装置20は、通信I/F36において、画像データを受信すると(S101)、この処理を開始する。この処理が開始すると、記録装置20は、まず、搬送速度決定部91aにおいて、ロール紙の搬送速度を決定する(S102)。搬送速度は、オペレーションパネル22等を介してユーザによって設定されても良いし、画像データの内容等(例えば、解像度)に基づいて自動的に決定されても良い。
続いて、記録装置20は、記録密度決定部91bにおいて、S102の処理で決定された搬送速度に従って図5に示すテーブルを参照し、紙面予備吐密度を決定する(S103)。紙面予備吐密度が決定すると、記録装置20は、記録ヘッド25を記録開始ポジションに移動させるとともに(S104)、S102の処理で決められた搬送速度でロール紙を搬送させる。そして、ロール紙が記録開始位置に到達すれば(S105でYES)、記録装置20は、記録ヘッド25による記録処理を開始する(S106)。また、当該記録処理に並行して、S103の処理で決められた密度で紙面予備吐処理も開始する(S107)。
記録処理行なわれている間に、記録処理の中断要因(例えば、画像データの転送の遅延等)が発生するか、記録処理が終了するかした場合(S108でYES)、記録装置20は、中断前情報保持部94において、現在の紙面予備吐密度を保持する(S109)。すなわち、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化したか否かを確認する必要があるので、記録処理中断前の紙面予備吐密度を保持しておく。なお、記録処理の終了時には、S109の処理を行なう必要はないので、記録処理終了時には、このS109の処理は省略しても良い。
その後、記録装置20は、記録ヘッド25による記録処理及び紙面予備吐出処理を停止するとともに(S110)、ロール紙の搬送を停止し、記録ヘッド25を待機ポジションに移動させる(S111)。
次に、図11を用いて、記録処理の中断後、記録処理を再開する際の処理の流れの一例について説明する。
記録中断要因が解除すると(S201でYES)、記録装置20は、図10のS102〜S106と同様の処理を行ない、記録処理を開始する(S202〜S206)。紙面予備吐の開始に先立って、記録装置20は、記録密度比較部95において、中断前と中断後とにおける紙面予備吐密度を比較し、両記録密度が同じであるか否かを判定する。すなわち、図10のS109で保持した紙面予備吐密度と、S203の処理で決定された紙面予備吐密度とが同じ(又は差が所定以内)であるか否かを判定する(S207)。
判定の結果、中断前後で紙面予備吐密度が同じであれば(S207でYES)、記録装置20は、予備吐制御部96において、S203の処理で決定された紙面予備吐密度に従った紙面予備吐の開始を制御する(S208)。すなわち、記録処理に並行して紙面予備吐処理を行なう。その後、記録装置20は、図10のS108以降の処理を実施する。
一方、S207の判定の結果、中断前後で紙面予備吐密度が異なっていれば(S207でNO)、記録装置20は、予備吐制御部96において、図10のS109で保持した紙面予備吐密度に従った紙面予備吐処理の開始を制御する(S209)。そして、現在の紙面予備吐密度の密度を所定量、増/減させ、S203の処理で決定された紙面予備吐密度に近付ける(S210)。すなわち、S203の処理で決定された紙面予備吐密度に移行するため、段階的にその密度に近付けていく。
ここで、S203の処理で決定された紙面予備吐密度と、現在の紙面予備吐密度との差が所定以内になっていなければ(S211でNO)、記録装置20は、再度、S210の処理を行なう。一方、S203の処理で決定された紙面予備吐密度と、現在の紙面予備吐密度との差が所定以内になっていれば(S211でYES)、段階的な紙面予備吐密度の変更処理は完了したとし、記録装置20は、図10のS108以降の処理を実施する。
以上説明したように実施形態1によれば、記録処理が中断された場合には、中断前後の記録領域の境界において、紙面予備吐密度を段階的に変化させる。そのため、中断前後の記録領域の境界において、紙面予備吐密度の変化を目立ち難くすることができる。
すなわち、記録媒体上への画像の記録に並行して当該記録媒体上へ予備吐を行なう構成において、画像の記録が一旦中断された場合であっても、高記録品位の記録を行なえることになる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。実施形態1では、記録処理の中断後において、中断前後の紙面予備吐密度を段階的に合わせていく場合について説明した。これに対して、実施形態2では、記録処理の中断前において、中断後に開始される記録処理時の紙面予備吐密度に段階的に合わせた記録を行なう場合について説明する。なお、実施形態2における記録装置20の構成は、上述した実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
次に、実施形態2について説明する。実施形態1では、記録処理の中断後において、中断前後の紙面予備吐密度を段階的に合わせていく場合について説明した。これに対して、実施形態2では、記録処理の中断前において、中断後に開始される記録処理時の紙面予備吐密度に段階的に合わせた記録を行なう場合について説明する。なお、実施形態2における記録装置20の構成は、上述した実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
ここで、実施形態2における処理の概要について説明する。なお、実施形態2においては、記録処理の中断前よりも、記録処理の中断後の方がロール紙の搬送速度が遅くなり、紙面予備吐密度が上昇する場合を例に挙げて説明する。
まず、実施形態2の構成に対する比較例として、従来の構成について説明する。従来の構成においては、図12(A)〜図12(C)に示すように、実施形態1で説明した通り、中断前後でロール紙の搬送速度が切り替わる場合等には、中断前後の記録領域に濃度差が生じることとなっていた。
これに対して、実施形態2の構成においては、図13(A)〜図13(D)に示すように、中断前後の記録領域の濃度が段階的に切り替えられている。
具体的に説明すると、図13(A)は、中断前の記録処理を示している。記録装置20は、搬送ローラ及び搬送ベルトによってロール紙を所定の搬送方向に搬送するとともに、記録ヘッド25からインクを吐出する。これにより、画像データの記録と、図5のテーブルに応じた密度の紙面予備吐とが行なわれる。
ここで、画像データの転送遅延等の理由で、記録処理が一旦中断することが予測される場合、実施形態2においては、当該中断前に中断後の搬送速度及び紙面予備吐密度を予測する。そして、中断前のタイミングにおいて、当該中断前の紙面予備吐密度を中断後の紙面予備吐密度へと段階的に移行させながら、記録処理を行なう。
図13(B)は、中断前の記録処理において、紙面予備吐密度を変更した後の記録処理を示している。この場合、3段階に紙面予備吐密度を変更している。図13(B)においては、1段階目の記録領域202、2段階目の記録領域203が示されており、2段階目の記録領域203の後端が、印刷停止位置205に到達すると記録処理が中断される。
図13(C)は、記録処理を再開する前に行なうバックフィード処理を示している。記録処理の再開にあたっては、2段階目の記録領域203の直後から記録処理を行なうため、2段階目の記録領域203の後端が、記録開始の位置206に来るようにロール紙を巻き戻す。
図13(D)は、中断後の記録処理を示している。中断後に記録される中断後記録領域204に対する紙面予備吐も、中断前と同様に、図5のテーブルに応じた記録密度で行なわれる。この中断後記録領域204に対する記録時の紙面予備吐密度が、3段階目の紙面予備吐密度となる。
ここで、図14(A)は、図12(A)〜図12(C)に示す従来の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。また、図14(B)は、図13(A)〜図13(D)に示す実施形態2の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。なお、縦軸は、紙面予備吐密度を示し、横軸は、記録位置を示している。
図14(A)と図14(B)とを比較してみると、図14(B)においては、図14(A)に示す場合よりも、中断前後の領域の境目における紙面予備吐密度の変化が小さくなっているのが分かる。これにより、人間の視覚は濃度の変化に敏感であり、縦軸の変化量を小さくすることで紙面予備吐密度が変化したとしても、その変化を目立ち難くできる。
ここで、図15を用いて、実施形態2に係わるコントローラ30に実現される機能的な構成の一例について説明する。
コントローラ30は、その機能的な構成として、予備吐決定部91と、予備吐情報保持部92と、中断検出部93と、記録密度比較部95と、予備吐制御部96と、予備吐予測部97とを具備して構成される。すなわち、実施形態1を説明した図4の構成から、中断前情報保持部94が除かれ、予備吐予測部97が新たに追加されている。なお、実施形態1を説明した図4と同様の機能を果たす構成については同じ符号を付し、その説明については省略する。
予備吐予測部97は、中断後の紙面予備吐密度を予測する機能を有し、中断予測部97aと、搬送速度予測部97bと、記録密度予測部97cとが具備される。中断予測部97aは、記録処理の中断が発生するか否かを予測する。より具体的には、記録処理が中断されるか否かを事前に予測するとともに、中断がある場合には、更に、そのタイミングを予測する。搬送速度予測部97bは、中断が発生すると予測された場合に中断後の搬送速度を予測する。記録密度予測部97cは、中断が発生すると予測された場合に中断後の紙面予備吐密度を予測する。
ここで、中断予測部97aにおいて、記録処理の中断が発生するか否かを予測する処理の一例について説明する。この予測処理は、例えば、画像データの転送遅延等に基づいて行なえば良い。具体的には、図16に示すように、受信した画像データの総ページ数(受信総ページ数)401と、記録を行なった画像データの総ページ数402との関係に基づいて行なう。ここでは、横軸が時間(ロール紙の搬送量)を示し、縦軸がページ数を示している。
画像データ受信が開始すると、時間が経過するにつれて、受信総ページ数401が加算されていく。記録処理の準備が完了すると、記録処理が開始し、記録総ページ数402が加算されていく。記録総ページ数402は、搬送速度に依存しており、総搬送量に比例して増加する。
ここで、記録総ページ数402が、受信総ページ数401よりも速い速度で増加する場合、ある程度の時間が経過すると、記録総ページ数402が受信総ページ数401を上回る。そして、このページ数が上回るタイミングを画像データの枯渇点(転送遅延が発生する地点)403とする。
すなわち、受信総ページ数401と記録総ページ数402との増加の速度に基づいて、画像データの枯渇点403を予測できる。言い換えれば、画像データの受信速度と、画像記録時のロール紙の搬送速度とに基づいて、画像データの枯渇点403を予測できる。これにより、当該枯渇点403よりも所定時間前のタイミングを記録中断の予測点404とする。そして、この予測点404を時間から搬送量に置き換え、現在のロール紙の搬送量が、当該予測点404の搬送量に到達しているか否かを判定する。その結果として、記録処理の中断が発生するか否かを予測できる。
なお、記録処理の中断が発生するか否かの予測は、勿論、これ以外の手法により行なっても良い。例えば、温度センサ43により測定される記録ヘッド25の温度が規定値以上になるタイミングを予測し、それにより、記録処理の中断が発生するか否かを予測しても良い。
次に、図17を用いて、実施形態2に係わる記録装置20の処理の流れの一例について説明する。なお、S301〜S307の処理は、実施形態1を説明した図10のS101〜S107の処理と同様であるため、その説明については省略し、ここでは、S308以降の処理について説明する。
記録ヘッド25による記録処理及び紙面予備吐が行なわれている間、記録装置20は、記録処理が終了するか否かを判定する。判定の結果、記録処理が終了する場合(S308でYES)、記録装置20は、記録ヘッド25による記録処理及び紙面予備吐出処理を停止するとともに(S316)、ロール紙の搬送を停止し、記録ヘッド25を待機ポジションに移動させる(S317)。
一方、記録処理が終了しない場合(S308でNO)、記録装置20は、中断予測部97aにおいて、記録処理の中断が発生するか予測する(S309)。予測の結果、記録処理の中断が所定搬送量以内に発生しない場合(S310でNO)、記録装置20は、再度、S308の処理に戻る。一方、記録処理の中断が所定搬送量以内に発生する場合(S310でYES)、記録装置20は、搬送速度予測部97bにおいて、記録処理の再開後の搬送速度を予測する(S311)。例えば、記録処理の中断要因としては、画像データの転送の遅延や、記録ヘッド25の温度の上昇等が考えられるため、図5のテーブルに基づいて、現在の搬送速度から1段階下げた速度を中断後の搬送速度であると予測する。
そして、記録装置20は、記録密度予測部97cにおいて、当該予測した中断後の搬送速度に基づいて、中断後の紙面予備吐密度を予測する(S312)。すなわち、S311の処理で予測した搬送速度に基づいて図5のテーブルを参照し、それにより、中断後の紙面予備吐密度を予測する。
その後、記録装置20は、予備吐制御部96において、現在の紙面予備吐密度の密度を所定量、増/減させ、S312の処理で予測された紙面予備吐密度に近付ける(S313)。すなわち、S312の処理で予測された紙面予備吐密度に移行するため、段階的にその密度に近付けていく。
ここで、S312の処理で予測された紙面予備吐密度と、現在の紙面予備吐密度との差が所定以内になっていなければ(S314でNO)、記録装置20は、再度、S313の処理を行なう。一方、S312の処理で予測された紙面予備吐密度と、現在の紙面予備吐密度との差が所定以内になっていれば(S314でYES)、段階的な紙面予備吐密度の変更処理は完了したとし、記録装置20は、上述したS315以降の処理を実施する。
以上が、中断前の記録処理の流れの一例についての説明である。なお、実施形態2に係わる再開時の記録処理は、従来と同様の処理の流れとなるため、ここでは、その説明については省略する。
以上説明したように実施形態2によれば、記録処理の中断を予測し、当該中断前に紙面予備吐密度を段階的に変化させる。この場合にも、実施形態1同様に、紙面予備吐密度の変化を目立ち難くすることができるため、高記録品位の記録を行なえることになる。
(実施形態3)
次に、実施形態3について説明する。上述した実施形態1及び2においては、紙面予備吐密度を中断前の紙面予備吐密度から中断後の紙面予備吐密度まで段階的に変化させていく場合について説明したが、必ずしもそのような処理を行なう必要はない。ここでは、その一例として、中断後の紙面予備吐密度を越えた変化をさせる場合について説明する。より具体的には、中断前後の境界となる記録領域のうちの一部の領域に対して中断後の紙面予備吐密度よりも高い記録密度で記録される領域を設ける場合について説明する。
次に、実施形態3について説明する。上述した実施形態1及び2においては、紙面予備吐密度を中断前の紙面予備吐密度から中断後の紙面予備吐密度まで段階的に変化させていく場合について説明したが、必ずしもそのような処理を行なう必要はない。ここでは、その一例として、中断後の紙面予備吐密度を越えた変化をさせる場合について説明する。より具体的には、中断前後の境界となる記録領域のうちの一部の領域に対して中断後の紙面予備吐密度よりも高い記録密度で記録される領域を設ける場合について説明する。
ここで、中断前後の記録領域において、このような濃度の高い記録領域を設けた場合の優位性について説明する。一般に、紙面予備吐においては、記録装置20の吐出性能を維持するため、各吐出口において所定時間内に何発吐出しなければならないという制約がある。そのような制約の下、紙面予備吐密度によってはこの制約を満たす予備吐を行なえない可能性もありうる。しかし、このような高い濃度で紙面予備吐を行なう領域(紙面予備吐密度の高い記録領域)を設けることで、このような制約を満たすことができる。
図18(A)〜図18(C)を用いて、実施形態3に係わる紙面予備吐制御の概要について説明する。ここでは、記録処理に中断が生じる場合について説明する。
図18(A)は、中断前の記録処理を示し、図18(B)は、記録処理を再開する前に行なうバックフィード処理を示している。この図18(A)及び図18(B)に示す処理は、例えば、上述した図8(A)及び図8(B)等と同様の処理となる。
図18(C)は、中断後の記録処理を示している。この場合、中断前後で紙面予備吐密度が異なっている。より具体的には、中断前よりも、中断後の搬送速度が遅くなっており、中断後の紙面予備吐密度が、中断前よりも高くなっている。
ここで、中断前の紙面予備吐密度から中断後の紙面予備吐密度へと、その濃度を段階的に移行させる。このとき、実施形態3においては、中断前の紙面予備吐密度から、段階的にその濃度を上昇させていき(記録領域502、503、504)、更に、中断後の紙面予備吐密度よりも所定量高い密度で記録を行なう(記録領域504)。その後、中断後の紙面予備吐密度で記録を行なう(記録領域506)。
この場合、中断前後の境界となる記録領域の紙面予備吐密度は、5段階に分けられている。より具体的には、1段階目の記録領域502、2段階目の記録領域503、3段階目の記録領域504、4段階目の記録領域505、5段階目に中断後の記録領域506となる。
このように実施形態3においては、中断前後の境界領域において、中断後の紙面予備吐密度よりも高い紙面予備吐密度で紙面予備吐を行なう領域を設ける。これにより、記録品位の維持に必要となる予備吐を確実に行なえることになる。
ここで、図19(A)は、従来の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。また、図19(B)は、図18(A)〜図18(C)に示す実施形態3の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。なお、縦軸は、紙面予備吐密度を示し、横軸は、記録位置を示している。
図19(B)では、中断前記録領域501、1段階目の記録領域502、2段階目の記録領域503、3段階目の記録領域504、4段階目の記録領域505、中断後記録領域506が設けられている。これら記録領域の紙面予備吐密度は、中断前の記録密度601、1段階目の記録密度602、2段階目の記録密度603、3段階目の記録密度604、4段階目の記録密度605、中断後の記録密度606にそれぞれ対応している。上述した通り、4段階目の記録密度605は、中断後の記録密度606よりも高い。
図19(A)と図19(B)とを比較してみると、図19(B)においては、図19(A)に示す場合よりも、中断前後の領域の境目における紙面予備吐密度の変化が小さくなっているのが分かる。これにより、人間の視覚は濃度の変化に敏感であり、縦軸の変化量を小さくすることで紙面予備吐密度が変化したとしても、その変化を目立ち難くできる。
以上説明したように実施形態3によれば、記録品位の維持に必要となる予備吐を確実に行なえる。また、実施形態1同様に、紙面予備吐密度の変化を目立ち難くすることができるため、高記録品位の記録を行なえることになる。
(実施形態4)
次に、実施形態4について説明する。上述した実施形態1〜3においては、記録媒体の搬送方向に沿ってページ間の繋ぎ目等がなく、連続して記録が行なわれる場合について説明した。これに対して、実施形態4においては、ラベル紙のように記録領域が連続していない記録媒体を用いる場合について説明する。
次に、実施形態4について説明する。上述した実施形態1〜3においては、記録媒体の搬送方向に沿ってページ間の繋ぎ目等がなく、連続して記録が行なわれる場合について説明した。これに対して、実施形態4においては、ラベル紙のように記録領域が連続していない記録媒体を用いる場合について説明する。
ここで、図20(A)〜図20(C)を用いて、実施形態4に係わる紙面予備吐制御の概要について説明する。ここでは、記録処理に中断が生じる場合について説明する。
図20(A)及び図20(B)においては、記録処理が中断され、記録処理の再開に際して、中断前記録領域801の後端が、記録開始の位置806に来るようにロール紙が巻き戻される。
図20(C)は、中断後の記録処理を示している。ここで、上記同様に、中断前後で搬送速度が変わり、紙面予備吐密度が異なる場合、中断前後の記録領域において濃度の境目ができてしまう。
そこで、実施形態4においては、中断前後で搬送速度(紙面予備吐密度)が異なる場合には、中断前の紙面予備吐密度から中断後の紙面予備吐密度へと濃度を段階的に変更する。図20(C)の場合、この濃度の段階的な変更は、3段階に分けて行なわれている。具体的には、1段階目の記録領域802、2段階目の記録領域803、3段階目に中断後の記録領域804となる。
また、上述した通り、ラベル紙においては、記録領域が連続しておらず、図20(C)に示すように、各ラベル間(言い換えれば、各ページ間)は、未記録領域となり、ラベル自体のみが記録領域となっている。また更に、このようなラベル紙への画像の記録中に中断が生じた場合、記録中のページについての記録が完了した時点で記録処理の中断を行なう。
ここで、図21(A)は、従来の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。また、図21(B)は、実施形態4の構成において、記録処理の中断前後で紙面予備吐密度が変化した場合の記録位置と紙面予備吐密度との関係性を示す図である。なお、縦軸は、紙面予備吐密度を示し、横軸は、記録位置を示している。
図21(A)及び図21(B)においては、記録処理の中断前よりも、記録処理の中断後の方がラベル紙の搬送速度が遅くなり、紙面予備吐密度が上昇している。図20(B)においては、中断前の記録領域801、1段階目の記録領域802、2段階目の記録領域803、中断後の記録領域804が設けられている。また、これら記録領域の紙面予備吐密度は、中断前の記録密度1001、1段階目の記録密度1002、2段階目の記録密度1003、中断後の記録密度1004にそれぞれ対応している。
図21(A)と図21(B)とを比較してみると、図21(B)においては、図21(A)に示す場合よりも、中断前後の領域の境目における紙面予備吐密度の変化が小さくなっているのが分かる。これにより、ラベル紙を用いた場合であっても、上記同様に、紙面予備吐密度の変化を目立ち難くすることができるため、高記録品位の記録を行なえることになる。
以上説明したように実施形態4によれば、各ページ間(各ラベル間)に未記録領域が設けられているが、この場合にも、実施形態1同様に、紙面予備吐密度の変化を目立ち難くすることができるため、高記録品位の記録を行なえることになる。
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上述した実施形態1〜4においては、ロール紙(又はラベル紙)の搬送速度に基づいて紙面予備吐密度を決定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、紙面予備吐密度は、記録装置20の温度、湿度、又は記録ヘッド25の温度の少なくともいずれかに基づいて決められても良い。また、上記条件に対して、記録媒体の搬送速度をも含めた組み合わせによって紙面予備吐密度を決めても良い。なお、記録装置20の温度及び湿度は、装置内の温度及び湿度であっても良いし、装置外の温度及び湿度であっても良い。
Claims (10)
- 複数のノズルが配列されたフルラインタイプの記録ヘッドを有し、前記ノズルの配列方向に交差する方向に記録媒体を搬送させながら該記録ヘッドにおける各ノズルからインクを吐出させて前記記録媒体上に画像を記録するとともに、該画像の記録に並行して該記録媒体上へ前記記録ヘッドに配列された前記画像の記録に係わらないノズルから所定の記録密度で予備吐を行なわせる記録装置であって、
前記記録媒体上への画像の記録の開始に際して、当該画像の記録中に行なわれる予備吐の記録密度を決定する記録密度決定手段と、
前記記録媒体上へ画像を記録している間に当該画像の記録が中断された場合、当該中断されるよりも前に行なわれていた中断前の予備吐の記録密度と、前記画像の記録の再開時に行なわれる中断後の予備吐の記録密度とを比較する比較手段と、
前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、前記中断前の予備吐の記録密度から、前記中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる予備吐制御手段と
を具備することを特徴とする記録装置。 - 前記記録媒体上へ画像を記録している間に当該画像の記録が中断された場合、前記中断前の予備吐の記録密度を保持する保持手段
を更に具備し、
前記比較手段は、
前記画像の記録が中断された後、その再開に際して、前記保持手段に保持された中断前の予備吐の記録密度と、前記再開時に決められた前記中断後の予備吐の記録密度とを比較し、
前記予備吐制御手段は、
前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記再開時の画像の記録に際して、前記保持手段に保持された中断前の予備吐の記録密度から、前記再開時に決められた中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる
ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。 - 前記画像の記録が中断されるか否かを事前に予測し、中断が予測される場合には更にそのタイミングを予測する中断予測手段と、
前記中断予測手段により中断が予測される場合、前記中断後の予備吐の記録密度を予測する記録密度予測手段と
を更に具備し、
前記比較手段は、
前記画像の記録が中断された場合に、当該中断されるよりも前に行なわれていた中断前の予備吐の記録密度と、前記予測手段により予測された中断後の予備吐の記録密度とを比較し、
前記予備吐制御手段は、
前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断予測手段により予測された中断のタイミングよりも前のタイミングで画像の記録が行なわれる記録領域に対する画像の記録に際して、前記中断前の予備吐の記録密度から、前記予測された中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる
ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。 - 前記中断予測手段は、
外部装置から送られてくる画像データの受信に並行して該画像データに基づく画像の記録が開始されている場合、該画像データの受信速度と前記記録媒体の搬送速度とに基づいて、記録したページ数が受信した画像データのページ数を上回るタイミングを予測する
ことを特徴とする請求項3記載の記録装置。 - 前記中断予測手段は、
前記記録ヘッドの温度を測定する測定手段からの出力に基づいて、当該記録ヘッドの温度が規定値以上となるタイミングを予測する
ことを特徴とする請求項3記載の記録装置。 - 外部装置から転送されてくる画像データの受信に並行して該画像データに基づく画像の記録が開始されている場合に、該画像データの受信の遅延に起因して当該画像の記録が中断されたときには、前記中断前の予備吐よりも前記中断後の予備吐の記録密度を高く設定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記記録ヘッドの温度が規定値以上となったことに起因して前記画像の記録が中断されたときには、前記中断前の予備吐よりも前記中断後の予備吐の記録密度を高く設定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記予備吐制御手段は、
前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、当該境界となる記録領域のうちの一部の領域に対して前記中断後の前記予備吐の記録密度よりも高い記録密度で前記予備吐を行なわせる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記記録媒体上への画像の記録の開始に際して、記録媒体の搬送速度を決定する搬送速度決定手段と、
前記記録媒体の搬送速度に対応して前記予備吐の記録密度を保持する予備吐情報保持手段と
を更に具備し、
前記記録密度決定手段は、
前記記録媒体上への画像の記録の開始に際して、前記搬送速度決定手段により決定された搬送速度に基づいて、前記予備吐情報保持手段に保持された情報を参照することにより前記予備吐の記録密度を決定し、
前記予備吐制御手段は、
前記記録密度決定手段により決められた記録密度で前記予備吐を行なわせる
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。 - 複数のノズルが配列されたフルラインタイプの記録ヘッドを有し、前記ノズルの配列方向に交差する方向に記録媒体を搬送させながら該記録ヘッドにおける各ノズルからインクを吐出させて前記記録媒体上に画像を記録するとともに、該画像の記録に並行して該記録媒体上へ前記記録ヘッドに配列された前記画像の記録に係わらないノズルから所定の記録密度で予備吐を行なわせる記録装置の処理方法であって、
記録密度決定手段が、前記記録媒体上への画像の記録の開始に際して、当該画像の記録中に行なわれる予備吐の記録密度を決定する工程と、
比較手段が、前記記録媒体上へ画像を記録している間に当該画像の記録が中断された場合、当該中断されるよりも前に行なわれていた中断前の予備吐の記録密度と、前記画像の記録の再開時に行なわれる中断後の予備吐の記録密度とを比較する工程と、
予備吐制御手段が、前記比較の結果、中断前後で前記予備吐の記録密度が異なる場合、前記中断前後の境界となる記録領域に対する記録に際して、前記中断前の予備吐の記録密度から、前記中断後の予備吐の記録密度に所定量ずつ段階的に近付けながら前記予備吐を行なわせる工程と
を含むことを特徴とする処理方法。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2017164963A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-21 | 株式会社リコー | 液体吐出システム、液体吐出方法、及び液体吐出制御プログラム |
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2011
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