〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態のバックル20を備えた車載用空気清浄機10Aの構成について、図2の〜図5に基づいて説明する。図2は、本実施の形態の車載用空気清浄機10Aを搭載した車両1の構成を示す平面図である。図3は、本実施の形態の車載用空気清浄機10Aにおける助手席シート2への取り付け状況を示す斜視図である。図4の(a)は、本実施の形態の車載用空気清浄機10Aの構成を示す正面図である。図4の(b)は、上記車載用空気清浄機10Aの構成を示す側面図である。図4の(c)は、本実施の形態の車載用空気清浄機10Aの構成を示す背面図である。図5は、上記車載用空気清浄機10Aの内部の構成を示す分解斜視図である。
尚、本実施の形態では、バックル20の車載用空気清浄機10Aへの適用例について説明するが、本発明のバックルは、必ずしも車載用空気清浄機10Aへの適用に限らない。また、車載用空気清浄機10Aの構成は、一例であり、必ずしもこれに限らず、他の形態であってもよい。すなわち、本発明においては、車載用空気清浄機10Aに、少なくともフィルタユニット16とファン11aとが備えられていれば足りる。
本実施の形態の車載用空気清浄機10Aは、図2及び図3に示すように、車両1の例えば助手席シート2の背面において、ベルトとしての取り付け用ベルト19を用いてヘッドレスト取り付けシャフト2aに巻き付けることにより取り付けられている。
上記車載用空気清浄機10Aは、図4の(a)(b)(c)に示すように、空気清浄機筐体としての本体11と前パネル12とにより外殻が構成されている。本体11は、全体として扁平な箱を垂直に立てたような形状にてなっている。具体的には、例えば約20cm×20cm×5cm程度の直方体にてなっている。
本体11の上部には、例えば縦長のスリットを複数個横に並べた形の吹出口13と操作パネル14とが形成されている。また、本体11の背面には、図4の(b)(c)に示すように、上記取り付け用ベルト19を通すためのベルト貫通枠15が形成されている。
本体11の内部には、図4の(b)に示すように、ファン11aが配置されている。ファン11aは、例えばターボファンを採用している。ただし、ファンの種類は必ずしもこれに限定されず、例えば、プロペラファンを採用することも、クロスフローファンを採用することも可能である。
また、本体11の内部には、例えばイオン発生装置11bがさらに設けられている。イオン発生装置11bは、本体11の内部において左右の隅にそれぞれ取り付けられた図示しない一対のイオン発生素子から構成されている。そして、一対のイオン発生素子は、それぞれマイナスイオン及びプラスイオンを発生させるようになっている。
本体11の内部には、さらに、図5に示すように、フィルタユニット16が収納されている。
フィルタユニット16は、例えば長方形の脱臭フィルタ16aと長方形の集塵フィルタ16bとが順に重ね合わされて構成されている。ただし、本発明においては必ずしもこれに限らず、いずれか一方だけであってもよい。
脱臭フィルタ16aは、長方形の枠にポリエステル製の不織布を取り付け、その上に活性炭を均一に分散配置し、その上からさらにポリエステル製の不織布をかぶせたものである。脱臭フィルタ16aは空気中の臭い成分であるアセトアルデヒドやアンモニアや酢酸等を吸着する役割を果たす。
集塵フィルタ16bは、いわゆるHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。例えば、ポリエステル/ビニロン系不織布からなる骨材に電石加工したメルトブロー不織布を合わせて濾材とし、これを折り畳んだ上、その上下面にハイドロキシアパタイト加工した不織布からなる抗菌シートを重ねて熱圧着し、ホットメルト付き不織布からなる枠を溶着したものである。集塵フィルタ16bは、微細な塵埃を捕集する役割を果たす。
また、フィルタユニット16の前側には概ね矩形の格子形状をしたフィルタ押さえ枠17が設けられており、フィルタ押さえ枠17が装着されることによってフィルタユニット16の脱落が防止されるようになっている。
前パネル12は、フィルタ押さえ枠17の正面を完全に覆い隠している。この結果、本実施の形態の車載用空気清浄機10Aでは、図4の(b)に示すように、本体11と前パネル12との間に形成される隙間18により、空気導入口が形成されるようになっている。
次に、上記車載用空気清浄機10Aを助手席シート2の背面に取り付けるための取り付け用ベルト19のバックル20について、図6の(a)〜(e)に基づいて説明する。図6の(a)は、本実施の形態のバックル20の構成を示す左側面図である。図6の(b)は、上記バックル20の構成を示す平面図である。図6の(c)は、上記バックル20の構成を示す右側面図である。図6の(d)は、上記バックル20の構成を示す正面図である。図6の(e)は、上記バックル20の構成を示す正面断面図である。
本実施の形態のバックル20は、樹脂からなっており、図6の(a)〜(e)に示すように、バックル基板部としてのバックルベース21と、このバックルベース21の幅方向の両側端から立設された一対の起立片22・22と、起立片22・22の軸孔22a・22aに回動自在に軸支された押圧部材としてのバックルレバー23とを有している。尚、本実施の形態においてはバックル20が樹脂にてなっているが、本発明においては必ずしもこれに限らず、バックル20は例えば金属にてなっていてもよい。
上記バックルレバー23は、略L字形状にてなっており、幅方向の側方にそれぞれ突出する突出軸部23b・23bが上記起立片22・22の軸孔22a・22aに挿入されていることにより、バックルレバー23が起立片22・22の軸孔22a・22aを中心として、回動自在となっている。
また、バックルレバー23における略L字形状の底辺部のベルト押圧部23aの幅は例えば6mm程度であり、その先端面には微小高さの凹凸が複数形成されている。これにより、バックルレバー23が起立片22・22の軸孔22a・22aを中心として回動したときに、バックルレバー23とバックルベース21との間に挿入されている取り付け用ベルト19が該バックルレバー23のベルト押圧部23aによって押圧され、取り付け用ベルト19がベルト押圧部23aとバックルベース21との間に挟持固定されてその進退移動が阻止される。これにより、取り付け用ベルト19がバックル20にて押圧固定されるものとなっている。
また、本実施の形態のバックル20では、バックルベース21におけるバックルレバー23の配設位置に穴部21aが形成されている。このため、取り付け用ベルト19をバックル20から外す場合には、バックルベース21の裏面側から穴部21aに例えば指を挿入してバックルレバー23を押す。これにより、バックルレバー23が容易に回動するので、ベルト押圧部23aの取り付け用ベルト19への押圧を容易に解除することができるものとなる。
また、本実施の形態のバックル20には、図6の(d)(e)に示すように、バックルベース21における起立片22・22の軸孔22a・22a側の端部にベルト接続部21bが架け渡されている。このベルト接続部21bには、取り付け用ベルト19の一端部19aに設けられた環状接合部19bが巻回されており、環状接合部19bは延設端の縫製部19cにて取り付け用ベルト19に縫製されている。これにより、取り付け用ベルト19がバックル20の裏側の端部に接続されている。また、取り付け用ベルト19の先端は、約5cm程度で折り返され、上記縫製部19cにて環状接合部19bと一緒に縫製されている。この結果、取り付け用ベルト19の先端は、環状の折り返し部19dとなっており、折り返し部19dによって形成された輪の中に、車両1の助手席シート2におけるヘッドレスト取り付けシャフト2aに挿入できるようになっている。尚、本実施の形態においては、取り付け用ベルト19の一部を使用した環状の折り返し部19dとなっているが、本発明においては必ずしもこれに限らない。例えば、バックル基板部の一部を係止部としてのフック状に形成したり、又はフック状や環状の別部品をバックル基板部やベルトに取り付けたりしてもよい。
また、本実施の形態のバックル20には、図6の(d)(e)に示すように、起立片22・22の先端からバックルベース21よりも下方に垂下して延設された一対の垂下片24・24が形成されている。そして、一対の垂下片24・24の下端同士を架橋する板材によって構成される裏面側架橋部としての裏面側バックルガイド24aが形成されている。換言すれば、バックルベース21におけるベルト押圧部23aが配されている端部側とは反対側の端部の裏面には、バックルベース21から幅方向の両方の側端部から垂下する垂下片24・24に裏面側バックルガイド24aが形成されている。
これにより、取り付け用ベルト19はバックルベース21との環状接合部19bから裏面側バックルガイド24aを経由して他端に延びていく。この結果、穴部21aでは取り付け用ベルト19はバックルベース21に沿うことになり、穴部21aが取り付け用ベルト19に確実に隠れる。したがって、外観的に、バックル20に穴部21aが形成されていることを確実に認識させないバックル20を提供することができる。
さらに、本実施の形態のバックル20には、図6の(a)〜(e)に示すように、バックルベース21における垂下片24・24の末端には、バックルベース21の上方に延びる一対の上側延設片25・25が形成されている。そして、上側延設片25・25の先端には、該上側延設片25・25の先端同士を架橋する板材から構成される表面側架橋部としての表面側ベルトガイド25aが形成されている。換言すれば、ベルト押圧部23aが配されている端部側とは反対側の端部の表面に、取り付け用ベルト19の他端19eを通す表面側ベルトガイド25aが形成されている。これにより、バックルベース21の表面側にてバックルベース21とバックルレバー23との間に通された取り付け用ベルト19の他端19eは、表面側ベルトガイド25aを通して進出移動する。この状態でバックルレバー23のベルト押圧部23aが取り付け用ベルト19を押圧しているときに該取り付け用ベルト19の他端19eを反り返したとしても、取り付け用ベルト19は表面側ベルトガイド25aにて折り返されるだけである。このため、バックルレバー23を逆向きに回動させる力を付与しない。したがって、バックルレバー23が容易に逆向きに回動するのを防止することができる。
上記構成のバックル20の使用方法について、図1の(a)(b)(c)及び図7〜図10に基づいて説明する。図1の(a)は、本実施の形態のバックル20の構成を示すものであって、取り付け用ベルト19を挿入する前のバックル20を示す斜視図である。図1の(b)は、取り付け用ベルト19を挿入した後、バックルレバー23を回動して、取り付け用ベルト19を締結した状態のバックル20を示す斜視図である。図1の(c)は、裏側からバックルベース21に形成された穴部21aに指を挿入してバックルレバー23を押して逆回動させた状態のバックル20を示す斜視図である。図7は、取り付け用ベルト19の一端部19aをバックルレバー23のベルト押圧部23aとの間に通した状態のバックル20を示す斜視図である。図8は、取り付け用ベルト19を助手席シート2のヘッドレスト取り付けシャフト2aに締結することにより助手席シート2に固定された車載用空気清浄機10Aを示す斜視図である。図9の(a)は、本実施の形態の比較例における表面側ベルトガイドが存在しないバックルを示す斜視図である。図9の(b)は、表面側ベルトガイドが存在しないバックルにおいて、取り付け用ベルトの一端部を引っ張った状態を示すバックルの斜視図である。図10は、本実施の形態における表面側ベルトガイド25aを有するバックル20において、取り付け用ベルト19の一端部19aを引っ張った状態を示すバックル20の斜視図である。
まず、本実施の形態の車載用空気清浄機10Aを車両1の助手席シート2の背面に取り付けるに際して、図6の(e)に示す取り付け用ベルト19の環状の折り返し部19dを、図3に示すように、助手席シート2のヘッドレスト取り付けシャフト2aの一つに通しておく。また、その後、取り付け用ベルト19を、図4の(b)(c)に示すように、車載用空気清浄機10Aの背面に設けられているベルト貫通枠15に通しておく。尚、ベルト貫通枠15は、二対存在するので、高さを考慮していずれか一方の一対に通す。
次いで、図1の(a)に示すバックル20に取り付け用ベルト19を挿入する前の状態から、図7に示すように、取り付け用ベルト19の一端部19aをバックルレバー23のベルト押圧部23aとバックルベース21との間に通し、かつ、バックルベース21と表面側ベルトガイド25aとの間を通した後、取り付け用ベルト19の他端19eを引く。
これにより、取り付け用ベルト19は環状の折り返し部19dにて助手席シート2の片方のヘッドレスト取り付けシャフト2aに固定されているので、取り付け用ベルト19の他端19eを引いても取り付け用ベルト19が回動しない。このため、図8に示すように、取り付け用ベルト19が助手席シート2のヘッドレスト取り付けシャフト2aに緩みなくかつ簡単に締結される。そして、この状態のときに、図1の(b)に示すように、バックルレバー23を回動することにより、取り付け用ベルト19がバックルベース21とバックルレバー23のベルト押圧部23aとの間に押圧固定される。
この状態において、例えば、図9の(a)(b)に示すように、表面側ベルトガイド25aが存在しない場合には、バックルレバー23が開く方向に手や物が触れたり、通した取り付け用ベルト19を引っ張ったりするとバックルレバー23が簡単に開き、取り付け用ベルト19が外れてしまう。これにより、機器によっては落下して故障したり、場合によっては脚等の上に落ちてけがの原因になったりすることもあった。
しかしながら、本実施の形態のバックル20においては、図10に示すように、表面側ベルトガイド25aが設けられている。このため、バックルレバー23に手が当たっても不意に開く方向に力が加わらない。また、表面側ベルトガイド25aを通すことにより、通した取り付け用ベルト19を引っ張っても表面側ベルトガイド25aによってバックルレバー23の開く方向に力がかからない。この結果、取り付け用ベルト19の押圧固定が不用意に解除されることがない。
また、本実施の形態のバックル20には、バックルベース21に穴部21aが形成されている。このため、取り付け用ベルト19の締結を解除したいときには、図1の(c)に示すように、バックルベース21の裏面側から穴部21aに指を挿入して、取り付け用ベルト19を介してバックルレバー23を押す。これにより、バックルレバー23が容易に逆向きに回動し、ベルト押圧部23aでの押圧を解除することができる。この結果、バックルレバー23の押圧が強くてバックルレバー23の逆回動が困難な場合であっても、バックルレバー23に対して垂直方向から力を加えて逆回動させるので、バックルレバー23を容易に逆回動させることができる。
このように、本実施の形態のバックル20は、ベルトとしての取り付け用ベルト19の一端部19aが接合されるバックル基板部としてのバックルベース21と、バックルベース21の表面側にて取り付け用ベルト19の他端19eを挿通し得る幅で設けられた一対の起立片22・22に回動自在に軸支されて該挿通された取り付け用ベルト19をベルト押圧部23aにて押圧して該取り付け用ベルト19の進退移動を阻止する押圧部材としてのバックルレバー23とを備えている。そして、バックルベース21には、ベルト押圧部23aにて取り付け用ベルト19を押圧して該取り付け用ベルト19の進退移動を阻止している状態のバックルレバー23を該バックルベース21の裏面側から押して該バックルレバー23を回動させることにより該ベルト押圧部23aの取り付け用ベルト19への押圧を解除し得る穴部21aが形成されている。
上記構成によれば、バックル20は、取り付け用ベルト19の一端部19aが接合されるバックルベース21と、バックルベース21の表面側にて取り付け用ベルト19の他端19eを挿通し得る幅で設けられた一対の起立片22・22に回動自在に軸支されて該挿通された取り付け用ベルト19をベルト押圧部23aにて押圧して該取り付け用ベルト19の進退移動を阻止するバックルレバー23とを備えている。
このようなバックル20では、回動自在のバックルレバー23が容易に回動しないようにベルト押圧部23aによる取り付け用ベルト19への押圧力を高める場合がある。つまり、バックルレバー23の開閉荷重を強くする場合がある。しかしながら、ベルト押圧部23aによる取り付け用ベルト19への押圧力を高めることは、取り付け用ベルト19の固着力を高めることに繋がるが、逆に、外す場合には容易に外れないので、使い勝手が良くないことになる。
そこで、本実施の形態では、バックルベース21には、ベルト押圧部23aにて取り付け用ベルト19を押圧して該取り付け用ベルト19の進退移動を阻止している状態のバックルレバー23を該バックルベース21の裏面側から押して該バックルベース21を回動させることにより該ベルト押圧部23aの取り付け用ベルト19への押圧を解除し得る穴部21aが形成されている。
この結果、取り付け用ベルト19をバックル20から外す場合には、バックルベース21の裏面側から穴部21aに例えば指を挿入してバックルレバー23を押す。これにより、バックルレバー23が容易に回動するので、ベルト押圧部23aの取り付け用ベルト19への押圧を容易に解除することができる。
したがって、取り付け用ベルト19がバックル20に強く押圧固定されていても、その押圧固定を容易に解除し得るバックル20を提供することができる。
また、本実施の形態におけるバックル20は、取り付け用ベルト19の一端部19aは、バックルベース21における、ベルト押圧部23aが配されている端部側の裏面に接合されている。
これにより、取り付け用ベルト19は、バックルベース21との接合部分である環状接合部19bから穴部21aを経由して他端19eに延びていく。この結果、バックル20の裏面においては穴部21aが取り付け用ベルト19に隠れる。また、バックル20の表面においては穴部21aがバックルレバー23にて隠れる。したがって、外観的に、バックル20に穴部21aが形成されていることを認識させないバックル20を提供することができる。
また、本実施の形態におけるバックル20は、バックルベース21における、ベルト押圧部23aが配されている端部側とは反対側の端部の裏面には、取り付け用ベルト19を通す表面側架橋部としての裏面側バックルガイド24aが形成されている。
これにより、取り付け用ベルト19は、バックルベース21との接合部分である環状接合部19bから穴部21a及び裏面側バックルガイド24aを経由して他端19eに延びていく。この結果、穴部21aでは取り付け用ベルト19はバックルベース21に沿うことになり、バックル20の裏面においては、穴部21aが取り付け用ベルト19に確実に隠れる。したがって、外観的に、バックル20に穴部21aが形成されていることを確実に認識させないバックル20を提供することができる。
また、本実施の形態におけるバックル20は、バックルベース21における、ベルト押圧部23aが配されている端部側とは反対側の端部の表面には、取り付け用ベルト19の他端19eを通す表面側架橋部としての表面側ベルトガイド25aが形成されている。
これにより、バックルベース21の表面側にてバックルベース21とバックルレバー23との間に通された取り付け用ベルト19の他端19eは、表面側ベルトガイド25aを通して進出移動する。この結果、この状態でバックルレバー23のベルト押圧部23aが取り付け用ベルト19を押圧しているときに取り付け用ベルト19の他端19eつまり取り付け用ベルト19の余った部分を反り返したとしても、取り付け用ベルト19は表面側ベルトガイド25aにて折り返されるだけであり、バックルレバー23を逆向きに回動させる力を付与しない。
したがって、バックルレバー23が逆向きに容易に回動されて、取り付け用ベルト19の押圧固定が解除されるのを防止することができる。この結果、例えば、車両1の後部座席に子供が同乗していても、取り付け用ベルト19の押圧固定が解除されるのを気にすることなく、運転に集中できる。
また、本実施の形態における車載用空気清浄機10Aは、本実施の形態のバックル20を備えている。これにより、取り付け用ベルト19がバックル20に強く押圧固定されていても、その押圧固定を容易に解除し得るバックル20を備えた車載用空気清浄機10Aを提供することができる。
また、本実施の形態におけるバックル20では、取り付け用ベルト19の一端部19aの先端には、被係止部としてのヘッドレスト取り付けシャフト2aに係止するための係止部としての折り返し部19dがバックルベース21のベルト挿入側に固定されて設けられている。
また、係止部は、取り付け用ベルト19の一端部19aの先端において取り付け用ベルト19の一部を環状に形成した折り返し部19dにてなっている。
例えば、取り付け用ベルト19を座席のヘッドレスト取り付けシャフト2aに巻き付けた後、取り付け用ベルト19の先端側を引っ張って締め付けるが、その際、ヘッドレスト取り付けシャフト2aに取り付け用ベルト19が固定されていない場合には、ベルト全体が回動し、取り付け用ベルト19が締まらない。
そこで、本実施の形態では、取り付け用ベルト19の一端部19aの先端には、被係止部としてのヘッドレスト取り付けシャフト2aに係止するための係止部としての折り返し部19dがバックルベース21のベルト挿入側に固定されて設けられている。また、係止部は、取り付け用ベルト19の一端部19aの先端において該取り付け用ベルト19の一部を環状に形成した折り返し部19dにてなっている。
この結果、例えば、取り付けシャフト2aの一部を環状に形成した折り返し部19d等の係止部を例えばヘッドレスト取り付けシャフト2a等の被係止部に係止しておくことによって、取り付け用ベルト19を弛みなく簡単に取り付けることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の車載用空気清浄機10Bは、前記実施の形態1の車載用空気清浄機10Aの構成に加えて、上面側に光を出射する光源が筐体の上面に設けられている点が異なっている。
本実施の形態の車載用空気清浄機10Bの構成について、図11に基づいて説明する。図11は、本実施の形態の車載用空気清浄機10Bの構成を示す斜視図である。
例えば、車載用空気清浄機を車両1の助手席シート2の背面側に取り付けた場合に、従来では、車載用空気清浄機の正面に光源としてのモニタランプを設けていたので、後部座席からしか見えず、運転席や助手席からは、モニタランプの状態が判り難かった。また、助手席シート2をリクライニングしたときにはモニタランプが見えなくなる虞があった。
これに対して、本実施の形態の車載用空気清浄機10Bでは、図11に示すように、例えば、LEDからなる光源としてのモニタランプ14aは筐体としての本体11の上面における操作パネル14に設けられている。具体的には、モニタランプ14aは、上側に設けられた吹出口13の周縁部に設けられている。
この結果、運転席や助手席からもモニタランプ14aの状態が容易に判別できるものとなった。また、助手席シート2をリクライニングしてもモニタランプ14aの光を容易に視認することができるものとなっている。
また、車両1に搭載される機器に対しては、車両1の後方の別の車両に対して誤認識を生じさせないように、車両1の後方に出射される光の色の種類については法規制が設けられている。しかしながら、本実施の形態のモニタランプ14aでは、上方に光を出射するものであり、後方への視認には影響しない。この結果、モニタランプ14aの色について法規制に関係なく種々の色を使用することができる。
このように、本実施の形態の車載用空気清浄機10Bでは、モニタランプ14aは本体11の上面に設けられているので、運転席や助手席からもモニタランプ14aの状態を容易に判別することができる。また、助手席シート2をリクライニングしてもモニタランプ14aの光を容易に視認することができる。したがって、モニタランプ14aの視認性を向上することができる。
〔まとめ〕
本発明の実施の態様1におけるバックル20は、ベルト(取り付け用ベルト19)の一端部19aが接合されるバックル基板部(バックルベース21)と、上記バックル基板部(バックルベース21)の表面側にて上記ベルト(取り付け用ベルト19)の他端19eを挿通し得る幅で設けられた一対の起立片22・22に回動自在に軸支されて該挿通されたベルト(取り付け用ベルト19)をベルト押圧部23aにて押圧して該ベルト(取り付け用ベルト19)の進退移動を阻止する押圧部材(バックルレバー23)とを備えたバックルにおいて、上記バックル基板部(バックルベース21)には、ベルト押圧部23aにて上記ベルト(取り付け用ベルト19)を押圧して該ベルト(取り付け用ベルト19)の進退移動を阻止している状態の押圧部材(バックルレバー23)を該バックル基板部(バックルベース21)の裏面側から押して該押圧部材(バックルレバー23)を回動させることにより該ベルト押圧部23aのベルト(取り付け用ベルト19)への押圧を解除し得る穴部21aが形成されていることを特徴としている。
このようなバックルでは、回動自在の押圧部材が容易に回動しないようにベルト押圧部によるベルトへの押圧力を高める場合がある。しかしながら、ベルト押圧部によるベルトへの押圧力を高めることは、ベルトの固着力を高めることに繋がるが、逆に、外す場合には容易に外れないので、使い勝手が良くないことになる。
そこで、本発明では、バックル基板部には、ベルト押圧部にてベルトを押圧して該ベルトの進退移動を阻止している状態の押圧部材を該バックル基板部の裏面側から押して該押圧部材を回動させることにより該ベルト押圧部のベルトへの押圧を解除し得る穴部が形成されている。
この結果、ベルトをバックルから外す場合には、バックル基板部の裏面側から穴部に例えば指を挿入して押圧部材を押す。これにより、押圧部材が容易に回動するので、ベルト押圧部のベルトへの押圧を容易に解除することができる。
したがって、ベルトがバックルに強く押圧固定されていても、その押圧固定を容易に解除し得るバックルを提供することができる。
本発明の実施の態様2におけるバックル20は、態様1におけるバックルにおいて、前記ベルト(取り付け用ベルト19)の一端部19aは、バックル基板部(バックルベース21)における、ベルト押圧部が配されている端部側の裏面に接合されていることが好ましい。
これにより、ベルトは、バックル基板部との接合部分から穴部を経由して他端に延びていく。この結果、バックルの裏面においては穴部がベルトに隠れる。また、バックルの表面においては穴部が押圧部材にて隠れる。したがって、外観的に、バックルに穴部が形成されていることを認識させないバックルを提供することができる。
本発明の実施の態様3におけるバックル20は、態様2におけるバックルにおいて、前記バックル基板部(バックルベース21)における、前記ベルト押圧部23aが配されている端部側とは反対側の端部の裏面には、前記ベルト(取り付け用ベルト19)を通す裏面側架橋部(裏面側バックルガイド24a)が形成されていることが好ましい。
これにより、ベルトは、バックル基板部との接合部分から穴部及び裏面側架橋部を経由して他端に延びていく。この結果、穴部ではベルトはバックル基板部に沿うことになり、バックルの裏面においては、穴部がベルトに確実に隠れる。したがって、外観的に、バックルに穴部が形成されていることを確実に認識させないバックルを提供することができる。
本発明の実施の態様4におけるバックル20は、態様1、2又は3におけるバックルにおいて、前記バックル基板部(バックルベース21)における、前記ベルト押圧部23aが配されている端部側とは反対側の端部の表面には、前記ベルト(取り付け用ベルト19)の他端19eを通す表面側架橋部(表面側ベルトガイド25a)が形成されていることが好ましい。
これにより、バックル基板部の表面側にてバックル基板部と押圧部材との間に通されたベルトの他端は、表面側架橋部を通して進出移動する。この結果、この状態で押圧部材のベルト押圧部がベルトを押圧しているときにベルトの他端を反り返したとしても、ベルトは表面側架橋部にて折り返されるだけであり、押圧部材を逆向きに回動させる力を付与しない。
したがって、押圧部材が逆向きに容易に回動されて、ベルトの押圧固定が解除されるのを防止することができる。
本発明の実施の態様5における車載用空気清浄機10Bは、態様1〜4のいずれか1項に記載のバックル20を備えている。
これにより、ベルトがバックルに強く押圧固定されていても、その押圧固定を容易に解除し得るバックルを備えた車載用空気清浄機を提供することができる。
本発明の実施の態様6における車載用空気清浄機10Bは、態様5における車載用空気清浄機において、上面側に光を出射する光源(モニタランプ14a)が空気清浄機筐体(本体11)の上面に設けられていることが好ましい。
上記の発明によれば、光源は空気清浄機筐体の上面に設けられているので、運転席や助手席からも光源の状態が容易に判別できる。また、助手席シートをリクライニングしても光源の光を容易に視認することができる。
本発明の実施の態様7におけるバックル20は、態様1〜4のいずれか1項に記載のバックルにおいて、前記ベルト(取り付け用ベルト19)の一端部19aの先端には、被係止部(ヘッドレスト取り付けシャフト2a)に係止するための係止部(折り返し部19d)がバックル基板部(バックルベース21)のベルト挿入側に固定されて設けられていることが好ましい。
また、係止部は、前記ベルト(取り付け用ベルト19)の一端部19aの先端において該ベルト(取り付け用ベルト19)の一部を環状に形成した折り返し部19dにてなっていることが好ましい。
これにより、例えば、ベルトの一部を環状に形成した折り返し部等の係止部を例えばヘッドレスト取り付けシャフト等の被係止部に係止しておくことによって、ベルトを弛みなく簡単に取り付けることができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。