JP6407178B2 - 発電所の電圧制御装置 - Google Patents
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Description
以下、この発明の実施の形態1に係る発電所の電圧制御装置を図1および図2に基づいて説明する。
図1において、発電機10およびタービン11からなる発電所と電力系統1は、主変圧器4を介して接続されている。また、発電機10と主変圧器4との接続はIPB(Isolated Phase Bus=相分離母線)で構成される。主変圧器4の高圧側はOLTC(Onload Tap Changer=負荷時タップ切換器)付となっている。主変圧器4の高圧側には計器用変流器2、計器用変圧器3が接続され、計器用変流器2で検出された系統電流IS、計器用変圧器3で検出された系統電圧VSはエコ運転制御装置14に入力されている。発電機10はタービン11で駆動されており発電機有効出力を得て、主変圧器4を介して電力系統1に電力を供給する。
また、発電機10と主変圧器4との間には遮断器15が設けられ、分岐IPBを介して所内変圧器16が接続されている。
まず、通常、発電機電圧VGは一定運転を実施しているが、発電機電圧VGの上げ下げ時の主要各機器の損失の増減は、以下の説明の通りとなる。
但し、PG:有効電力(MW)
QG:無効電力(Mvar)
VG:発電機電圧(pu=パーユニット)
MVA:ベース容量
X/10−2×X×P×R=b(定数)
と置き、1/200×R2が極小のためQG 2項を無視すると、式(2)の発電機電圧変動率εGは次の式(3)となる。
εG=c+bQG ・・・(3)
よって式(6)の無効電力QGを0とする条件のタップ比(値)は、次の式(7)で表すことができる。
このタップ比(値)に近い主変圧器4のタップを選定もしくは制御することにより、
発電所損失を最少化できるため、発電所効率改善に寄与できる。
図2のステップST1は、主変圧器4の高圧側に設置された計器用変圧器3から系統電圧VSの信号を計測、発電機10の主回路に接続された計器用変圧器12から発電機電圧VGの信号を計測する。また、計器用変圧器12からの電圧信号および計器用変流器13からの電流信号により発電機の有効電力PGの信号をエコ運転制御装置14で演算するか、図示しない外部の電力変換器からの有効電力信号をエコ運転制御装置14に入力する。
次に、この発明の実施の形態2に係る発電所の電圧制御装置を図3に基づいて説明する。
実施の形態1では、無効電力QGを0とする式(7)にて演算したタップ比に従い、最適タップ値Tapとして一番近いタップ値を設定していたが、主変圧器4のタップは、ステップ上に変化するものであるため、無効電力QGは完全に0にできない。
実施の形態2の電圧制御装置の動作について図3のフロー図に基づいて説明する。 図3において、ステップST1は、系統電圧VSと発電機電圧VGおよび有効電力PGの他にさらに無効電力QGを計測する。なお、無効電力QGの計測または検出は、図1に示す自動電圧制御器(AVR)7もしくはエコ運転制御装置14にて行う。このステップST1以外は、実施の形態1のステップST2からステップST4までと同じなので説明を省略する。
このように最適タップ値Tapによって無効電力QGが0近辺で制御されたものに対し、さらに自動電圧制御器(AVR)7によって発電機電圧を調整して無効電力QGを0となるよう制御することで、実施の形態1より更に発電所の高効率運転を可能とすることができる。
次に、この発明の実施の形態3に係る発電所の電圧制御装置を図4から図6に基づいて説明する。
実施の形態1、2では、主変圧器4のタップ値を変更することに伴う主変圧器のインピーダンスの補正は実施していなかったため、タップ位置変更に伴う最適タップ値に差が発生する可能性がある。実施の形態3の発明は、実施の形態1、2より更に高効率運転をめざすものである。
エコ運転制御装置14のデータ記憶手段143は、図5の表図に示すように、発電機10の有効電力PG1、・・・、発電機電圧VG1、・・・、系統電圧Vs1、Vs2、・・・毎に式(5)に使った定数a、無効電力QGを算出し、それに対応したタップTap位置Tap11、Tap12、・・・、Tap21、Tap22、・・・をデータとして記憶している。
なお、発電機10を定格電圧運転で運転している場合は発電機電圧VGの信号を計測する必要がないため、図5の表図における発電機電圧VGの欄および図6のステップST1における発電機電圧VGの計測は省略してもよい。
次に、この発明の実施の形態4に係る発電所の電圧制御装置を図7に基づいて説明する。
実施の形態3では、無効電力QGを0とする式(7)にて演算したタップ比に従い、最適タップ値Tapとして一番近いタップ値をデータとして設定して記憶していたが、タップは、ステップ上に変化するものであるため、無効電力QGは完全に0にできない。
実施の形態4の電圧制御装置の動作について図7のフロー図に基づいて説明する。 図7において、ステップST1は、系統電圧VSと発電機電圧VGおよび有効電力PGの他にさらに無効電力QGを計測する。なお、無効電力QGの計測または検出は、図4に示す自動電圧制御器(AVR)7もしくはエコ運転制御装置14にて行う。このステップST1以外は、図6に示す実施の形態3のステップST2からステップST4までと同じなので説明を省略する。
このように最適タップ値Tapによって無効電力QGが0近辺で制御されたものに対し、さらに自動電圧制御器(AVR)7によって発電機電圧を調整して無効電力QGを0となるよう制御することで、実施の形態3より更に発電所の高効率運転を可能とすることができる。
次に、この発明の実施の形態5に係る発電所の電圧制御装置を図8から図10に基づいて説明する。
実施の形態1〜4では、系統電圧VSおよび有効電力PGなどによって無効電力QGが最少となるようなタップ値を演算する方法にて、高効率運転となるような主変圧器4のタップ位置を決定するものであったが、実施の形態5の発明では、予め無効電力QGの設定値を設定して計測した無効電力QGがこの設定値以下になるようにして高効率運転を可能とするものである。
この無効電力設定値QGsetは、系統電圧が変動した場合に発電機電圧VGが±5%もしくは設定した電圧運転可能な範囲になるような値に設定する。
実施の形態5の発明は、エコ運転制御装置14が、発電機の無効電力QGが予め決めた無効電力設定値QGsetよりも大のときは主変圧器4のタップ位置を下げ、0以下のときは主変圧器4のタップ位置を上げるタップ指令を主変圧器4に出力するようにしたので、複雑な計算の必要がなく、無効電力の制御をフィードバック制御することで発電所の高効率運転が可能となる。
次に、この発明の実施の形態6に係る発電所の電圧制御装置を図11に基づいて説明する。
実施の形態5では、無効電力QGが無効電力設定値QGset以下となるように主変圧器4のタップ制御をおこなったが、無効電力QGは完全に0にできない。実施の形態6の発明は、実施の形態5の発明と同様に、無効電力QGが無効電力設定値QGset以下になるように主変圧器4のタップ値を制御すると共に、発電機電圧VGが±5%の範囲内で常に無効電力QGが0となるように自動電圧制御器(AVR)7もしくはエコ運転制御装置14にて無効電力QGを検出し、発電機10の界磁電流を調節することによって無効電力QGを0とするようにしたものである。
図11のステップST6は、ステップST2において、計測した無効電力QGが無効電力設定値QGsetよりも大きいか小さいかを判定し、無効電力QGが無効電力設定値QGsetよりも小さい場合(N)は、エコ運転制御装置14から自動電圧制御器(AVR)7に無効電力QGが0となるような指令を出力する。自動電圧制御器(AVR)7はサイリスタ8の点弧角を制御して発電機10の界磁電流を調節することによって無効電力QGを0とする。
次に、この発明の実施の形態7に係る発電所の電圧制御装置を図12に基づいて説明する。
実施の形態2、4、6では、自動電圧制御器(AVR)7により発電機10の電圧を調整することによって無効電力QGの0制御を実現させていたが、発電機10の電圧が大きく変動した場合、所内負荷の効率悪化や系統への安定度低下等の悪影響を及ぼすこともある。
実施の形態7の電圧制御装置の動作について図12のフロー図に基づいて説明する。 図12において、ステップST1からステップST4までは実施の形態2の図3に示すステップST1からステップST4までと同じであるので説明を省略する。
ステップST5において、発電機10の電圧VGが電圧リミッタの電圧変動範囲外の場合(N)はステップST5に戻る。
このようにすることで実施の形態2、4、6より更に高効率運転を可能とすることができる。
次に、この発明の実施の形態8に係る発電所の電圧制御装置を図13に基づいて説明する。
実施の形態1〜7ではサイリスタ励磁方式による説明を実施したが、図13に示す通り、ブラシレス励磁方式でも同様の効果が得られる。実施の形態8により、この発明の適用範囲を拡大させることができる。
5:励磁変圧器、 6:計器用変圧器、 7:自動電圧制御器(AVR)、
8:サイリスタ、 9:界磁巻線、 10:発電機、11:タービン、
12:計器用変圧器、 13:計器用変流器、 14:エコ運転制御装置、
15:遮断器、 16:所内変圧器、 141:タップ位置算出手段、
142:タップ指令手段、 143:データ記憶手段、 144:QGset設定手段
Claims (6)
- 負荷時タップ切換手段を有する主変圧器を介して発電機が電力系統に接続された発電所において、前記電力系統の電圧と前記発電機の電圧および前記発電機の有効電力に基づいて発電所全体効率を改善することができる前記主変圧器のタップ位置を決めるエコ運転制御装置を設け、前記エコ運転制御装置は、前記電力系統の電圧と前記発電機の電圧および前記発電機の有効電力から前記発電機の無効電力が0付近となる前記主変圧器のタップ位置を算出する算出手段と、この算出されたタップ位置に基づいて前記主変圧器の負荷時タップ切換手段にタップ指令を出力する指令手段を備えることを特徴とした発電所の電圧制御装置。
- 負荷時タップ切換手段を有する主変圧器を介して発電機が電力系統に接続された発電所において、前記電力系統の電圧と前記発電機の有効電力に基づいて発電所全体効率を改善することができる前記主変圧器のタップ位置を決めるエコ運転制御装置を設け、前記エコ運転制御装置は、前記発電機の有効電力、前記電力系統の電圧毎に最少無効電力となる前記主変圧器のタップ位置をデータとして記憶したデータ記憶手段を備え、前記エコ運転制御装置は、検出した電力系統電圧と前記有効電力に基づいて前記データ記憶手段から無効電力が最少となるタップ位置を抽出し、この抽出したタップ位置に基づいて前記主変圧器にタップ指令を出力するようにした発電所の電圧制御装置。
- 負荷時タップ切換手段を有する主変圧器を介して発電機が電力系統に接続された発電所において、前記発電機の無効電力に基づいて発電所全体効率を改善することができる前記主変圧器のタップ位置を決めるエコ運転制御装置を設け、前記エコ運転制御装置は無効電力設定値を予め設定した設定手段を備え、前記エコ運転制御装置は、前記発電機の無効電力が前記無効電力設定値よりも大のときは前記主変圧器のタップ位置を下げ、0以下のときは前記主変圧器のタップ位置を上げるタップ指令を前記主変圧器に出力するようにした発電所の電圧制御装置。
- 前記発電機の回転子に供給される界磁電流を制御して前記発電機の電圧を制御する自動電圧制御器を設け、前記エコ運転制御装置は前記自動電圧制御器に発電機の無効電力を0とする指令を出力するようにした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発電所の電圧制御装置。
- 前記エコ運転制御装置は、前記発電機の電圧を所定の電圧変動範囲内に制限する電圧リミッタを備え、前記発電機の電圧が前記電圧リミッタで設定された電圧変動範囲内の時に、前記自動電圧制御器は発電機の回転子に供給される界磁電流を制御して発電機の無効電力が0となるようにした請求項4に記載の発電所の電圧制御装置。
- 前記発電機は、ブラシレス発電機とした請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発電所の電圧制御装置。
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